JP2874804B2 - 光劣化性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents

光劣化性ポリオレフィン樹脂組成物

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JP2874804B2
JP2874804B2 JP2747391A JP2747391A JP2874804B2 JP 2874804 B2 JP2874804 B2 JP 2874804B2 JP 2747391 A JP2747391 A JP 2747391A JP 2747391 A JP2747391 A JP 2747391A JP 2874804 B2 JP2874804 B2 JP 2874804B2
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polyolefin resin
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phthalocyanine
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丈 正木
公人 松本
巌 関
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KOYO PURASUCHITSUKU KK
Sanyo Color Works Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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KOYO PURASUCHITSUKU KK
Sanyo Color Works Ltd
Mitsubishi Chemical Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は日光や紫外線の照射によ
り容易に劣化し崩壊する光劣化性ポリオレフィン樹脂組
成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン樹脂は汎用樹脂として機
械的性質及び成形性に優れており、フィルム、シート、
袋、パイプ、容器等の成形品として各種の用途に広く利
用されている。そして、ポリオレフィン樹脂は光及び外
気等の自然環境下にさらしても安定で、分解されるにし
てもその速度が極めて緩やかであり、この特性はポリオ
レフィン樹脂の利点の一つであるが、反面において近
時、これらの樹脂の使用後の成形品の処理が容易でな
く、いわゆるプラスチック廃棄物公害として大きな社会
問題となっている。例えば、工場、家庭その他から発生
するポリオレフィン樹脂廃棄物は回収され焼却される
他、海や河川、原野、埋立地等に捨てられるが、これら
廃棄物中に含まれる多量のポリオレフィン樹脂製品は、
他の有機廃棄物が崩壊した後も劣化せずにそのまま残留
し、自然環境破壊の原因の一つとなったり、産業上や美
観上その他の種々の問題を惹起している。これらの使用
後のポリオレフィン樹脂廃棄物の処理を容易にする方法
としてポリオレフィン樹脂にベンゾフェノン、アントラ
キノン等の光増感剤を添加したり(特公昭46−386
87号公報参照)、溶剤処理を施したりすることが提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記光
増感剤を添加する方法ではポリオレフィン樹脂に対する
光劣化促進作用がやや弱く、実用に供され得る程度の光
劣化の性質をポリオレフィン樹脂に付与するには、これ
らの光増感剤を多量添加する必要があり、これによりコ
ストアップとなり実用的ではない。また、溶剤処理する
方法では、劣化時間の調整が難しく、さらに後処理が複
雑である等充分満足し得るものではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した従
来の光劣化性ポリオレフィン樹脂の問題点に鑑み、成形
時には通常の熱安定性を有し、成形品の屋内での使用時
には安定で、殆んど劣化しないが、屋外に放置した時に
は、日光、殊に紫外線により劣化が促進されて容易に崩
壊し、しかも、その劣化時間の調整が容易なポリオレフ
ィン樹脂組成物を提供すべく鋭意検討を重ねた結果、ポ
リオレフィン樹脂に軸配位塩素化鉄フタロシアニン等を
少量添加することにより上記目的が達成されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、ポリオレフィ
ン樹脂に特定のフタロシアニン錯体からなる光劣化促進
剤を配合してなる光劣化性ポリオレフィン樹脂組成物に
存する。本発明におけるポリオレフィン樹脂としては、
エチレンまたはプロピレンの単独重合体及びエチレンま
たはプロピレン主体の共重合体、例えば高圧法低密度ポ
リエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メ
タ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸エステル共重合体等が挙げられる。また、これらのポ
リオレフィン樹脂を不飽和カルボン酸またはその無水
物、例えば無水マレイン酸等でグラフト反応させて変性
させたものであってもよい。
【0006】上記ポリオレフィン樹脂に配合する光劣化
促進剤としては下記(I)〜(IV )式等で示される
軸配位塩素化鉄フタロシアニン、錫フタロシアニン、又
は軸配位塩素化錫フタロシアニン(以下、これらを「特
定フタロシアニン錯体」と総称する)が用いられる。
【0007】
【化1】
【0008】
【化2】 上記の軸配位塩素化鉄フタロシアニン又は軸配位塩素化
錫フタロシアニンは、通常、水酸基が配位した鉄フタロ
シアニン又は錫フタロシアニンを塩素置換することによ
り得られるが、本発明の光劣化促進剤としては未置換の
水酸基が含まれていても良い。このとき、該鉄フタロシ
アニン又は錫フタロシアニン中の塩素含有量は、3.0
〜6.0重量%、望ましくは4.5〜6.0重量%の範
囲が好適である。(軸配位の水酸基が全量塩素原子に置
換されたとき、塩素含有量は約6.0重量%である。)
【0009】上記の特定フタロシアニン錯体の配合量と
してはポリオレフィン樹脂100重量部に対し0.5重
量部以上、好ましくは1〜5重量部の範囲である。特定
フタロシアニン錯体の配合量が下限未満では光劣化促進
効果が著しく低下するので望ましくなく、また、あまり
多すぎると樹脂組成物の物性や価格、その他相溶性等の
面で不利となるので5重量部以下になるように用いるの
が望ましい。
【0010】本発明の光劣化促進剤として上記軸配位塩
素化鉄フタロシアニンに加えて酸化チタンを併用したも
のも含まれる。酸化チタンとしては二酸化チタン(Ti
2 )、別名チタン白と称されるものがあげられ、通常
顔料として用いられているものが好適に使用される。酸
化チタンの配合量としてはポリオレフィン樹脂100重
量部に対し1重量部以上、好ましくは1〜10重量部の
範囲である。該酸化チタンの配合量が下限未満では上記
軸配位塩化鉄フタロシアニンとの併用効果が得られな
い。
【0011】本発明のポリオレフィン樹脂組成物は上記
したポリオレフィン樹脂と上記光劣化促進剤とを公知の
種々の方法により混錬することにより得られる。例え
ば、各成分をリボンブレンダー、ヘンシエルミキサーで
混合後、押出機で造粒する方法、あるいは直接バンバリ
ーミキサー、ニーダー、コンテニュアスミキサー等で溶
融混合後、押出機で造粒する方法等が挙げられる。
【0012】また、所謂マスターバッチ方式により、高
濃度の上記光劣化促進剤を含有するマスターバッチを調
整し、これを成形時に上記ポリオレフィン樹脂と混合し
て用いることもできる。また、本発明のポリオレフィン
樹脂組成物には、その使用目的に応じて酸化防止剤、帯
電防止剤、アンチブロッキング剤、熱安定剤、滑剤、そ
の他公知の添加剤を配合することができる。本発明で得
られる光劣化性ポリオレフィン樹脂組成物は、押出成
形、射出成形、カレンダーロール、プレス等の通常の成
形手段によりフィルム、シート、袋、板、容器等の成形
品に成形され得る。
【0013】
【作用】ポリオレフィン樹脂に上記の特定フタロシアニ
ン錯体を配合したものが光劣化促進作用を有する理由は
明らかではないが、恐らく特定フタロシアニン錯体が太
陽光線中の可視光線および紫外線波長(290〜400
nm)を吸収してポリオレフィン樹脂の分子鎖を急速に切
断する作用と近赤外線波長(750〜2500nm)を吸
収してポリオレフィン樹脂温度を高めて自己酸化を促進
する効果との相乗効果によるものと推定され、さらに、
これに酸化チタンを加えるとその相乗効果がさらに助長
されるものと思われる。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述する
が、本発明はその要旨を超えない限り、実施例により限
定されるものではない。 実施例1 密度0.953g/cm3 、メルトインデックス(MI)
0.05g/10min の高密度ポリエチレン98重量部
に上記(I)式で示される軸配位塩素化鉄フタロシアニ
ン(塩素含有量5.4重量%)を2重量部配合した。該
組成物を40φ型押出機(モダンマシナリー社製)に環
状スリット径100mmφ、スリット幅0.7mmのインフ
レーションダイを取付けたインフレーション成形機を用
いて、温度200℃、ブローアップ比3.0、押出量1
1kg/hr の条件でフィルムにした。フィルム厚は25
μmであった。得られたフィルムを南面45°の試料台
に貼り付け、2ヶ月間(平成1年7月〜9月)屋外曝露
試験を実施し、該曝露試験前後のフィルムのMD方向の
破断点伸度をJIS Z 1702に準拠し、ショッパ
ー型引張試験機を用いて測定し、下記式により該曝露試
験後のフィルムの破断点伸度の残存率を求めた。破断点
伸度の残存率が10%以下になる日数により耐候性を求
めた。結果を表1に示す。
【0015】
【数1】
【0016】 実施例2 密度0.920g/cm3 、メルトインデックス(MI)
1.0g/10min の線状低密度ポリエチレン98重量
部に塩素化鉄フタロシアニン(塩素含有量5.4重量
%)を2重量部配合した。該組成物を40φ型押出機に
環状スリット径100mmφ、スリット幅2mmのインフレ
ーションダイを取付けたインフレーション成形機を用い
て温度190℃、ブローアップ比2.0押出量10kg/
hr の条件でフィルムにした。得られたフィルムを実施
例1と同様にして耐候性を測定した。結果を表1に示
す。
【0017】 実施例3 密度0.925g/cm3 、メルトインデックス(MI)
2.0g/10min の高圧法低密度ポリエチレン98重
量部に塩素化鉄フタロシアニン(塩素含有量5.4重量
%)を2重量部配合した。該組成物を40φ型押出機に
環状スリット径100mmφ、スリット幅0.7mmのイン
フレーションダイを取付けたインフレーション成形機を
用いて温度160℃、ブローアップ比1.5、押出量9
kg/hr の条件でフィルムにした。得られたフィルムを
実施例1と同様にして耐候性試験を行った。結果を表1
に示す。
【0018】 比較例1〜3 塩素化鉄フタロシアニンを全く添加しなかった以外はそ
れぞれ実施例1〜3と同様にして行った。結果を表1に
示す。
【0019】 実施例4 密度0.953g/cm3 、メルトインデックス(MI)
0.05g/10min の高密度ポリエチレン98重量部
に上記(I)式で示される軸配位塩素化鉄フタロシアニ
ン(塩素含有量5.4重量%)を2重量部配合した。該
組成物を40φ型押出機(モダンマシナリー社製)に環
状スリット径100mmφ、スリット幅0.7mmのインフ
レーションダイを取付けたインフレーション成形機を用
いて、温度200℃、ブローアップ比3.0、押出量1
1kg/hr の条件でフィルムにした。フィルム厚は25
μmであった。得られたフィルムにつき、耐候性試験機
としてスガ試験機製サンシャインウェザーメータを使用
し、ブラックパネル温度63℃湿度70%、降雨サイク
ル18分/120分の条件で耐候性試験を実施し、該耐
候性試験前後のフィルムのMD方向の破断点伸度をJI
S Z 1702に準拠し、ショッパー型引張試験機を
用いて測定し、上記式により該曝露試験後のフィルムの
破断点伸度の残存率を求めた。破断点伸度の残存率が1
0%以下になる日数により耐候性を求めた。結果を表2
に示す。
【0020】 実施例5及び比較例4 実施例1において光劣化剤の添加剤を第2表のように変
えて行ったこと以外は同様にして行った。結果を表2に
示す。
【0021】 実施例5 実施例4において、配合量を高密度ポリエチレン99重
量部、軸配位塩素化鉄フタロシアニン1重量部に変えた
他は同様にして行った。結果を表2に示す。
【0022】 比較例4 軸配位塩素化鉄フタロシアニンを加えなかった他は実施
例4と同様にして行った。結果を表2に示す。
【0023】 実施例6〜7 実施例4において、二酸化チタン(TiO2 )を加え、
配合量を表3のように変えた他は同様にして行った。結
果を表3に示す。
【0024】 実施例8〜10 実施例4において、添加剤を錫フタロシアニン又は軸配
位塩素化錫フタロシアニンに変え、配合量を表4のよう
にした他は同様にして行った。結果を表4に示す。
【0025】
【発明の効果】本発明の光劣化性ポリオレフィン樹脂組
成物は廃棄物の処理が容易であるため廃棄物公害問題の
解決策の1つとなるので本発明の産業への寄与は大であ
る。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 巌 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化 成株式会社水島工場内 (56)参考文献 仏国特許出願公開2633302(FR,A 1) 仏国特許出願公開2632314(FR,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 23/00 - 23/36 CA

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオレフィン樹脂100重量部に軸配位
    塩素化鉄フタロシアニン0.5〜5重量部を配合してな
    る光劣化性ポリオレフィン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】ポリオレフィン樹脂100重量部に軸配位
    塩素化鉄フタロシアニン0.5〜5重量部及び酸化チタ
    1〜10重量部を配合してなる光劣化性ポリオレフィ
    ン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリオレフィン樹脂100重量部に錫フタ
    ロシアニン又は軸配位塩素化錫フタロシアニン化合物
    0.5〜5重量部を配合してなる光劣化性ポリオレフィ
    ン樹脂組成物。
JP2747391A 1990-04-05 1991-02-21 光劣化性ポリオレフィン樹脂組成物 Expired - Lifetime JP2874804B2 (ja)

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JP2-90576 1990-04-05
JP9057690 1990-04-05

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JPH04213345A JPH04213345A (ja) 1992-08-04
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