JP2874558B2 - エレベーター用非常止め装置 - Google Patents

エレベーター用非常止め装置

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JP2874558B2
JP2874558B2 JP12336194A JP12336194A JP2874558B2 JP 2874558 B2 JP2874558 B2 JP 2874558B2 JP 12336194 A JP12336194 A JP 12336194A JP 12336194 A JP12336194 A JP 12336194A JP 2874558 B2 JP2874558 B2 JP 2874558B2
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康雅 飯田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、昇降体の異常下降時
に動作するエレベーター用非常止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9〜図12は、例えば特開平3−61
274号公報に示された従来のエレベーター用非常止め
装置を示す図であり、図9は同装置の平面図、図10は
図9のX−X線に沿う断面の拡大図、図11は同装置の
一部を破断して示す拡大正面図、図12は図10の側面
図である。図において、(1)はエレベーターの昇降路、
(2)は昇降路(1)に立設されたレール、(3)はエレベータ
ーのかごからなり昇降路(1)を昇降する昇降体、(4)は昇
降体(3)の下側に設けられたエレベーター用非常止め装
置の枠である。
【0003】(5)は図11に示すように枠(4)の幅方向に
おける一側の下面に設けられた制動体で、レール(2)の
案内部が空隙を形成して嵌合された嵌合溝(6)が構成さ
れて、嵌合溝(6)の下部には下端側が広がる広幅部(7)が
形成されている。(8)は枠(4)の幅方向における他側の下
面に圧縮コイルばねからなる付勢体(9)を介して装備さ
れて下方に付勢された作動板、(10)は昇降路(1)に吊下
されて昇降体(3)を吊持する主索である。
【0004】(11)は上端部に主索(10)が連結されて枠
(4)に空隙を形成して挿通され、下端が作動板(8)に挿通
されて圧縮コイルばね(12)を介して主索(10)に保持され
た連結具、(13)は枠(4)の溝内に設けられて横隔板に枢
持された軸、(14)は軸(13)に固定された突子、(15)はZ
字状をなし一側は作動板(8)に固定され、他側は枠(4)側
壁の貫通孔に空隙を形成して挿通され突子(14)の先端に
上方から対向した伝動片、(16)は枠(4)に設けられて作
動板(8)の上方変位を所定位置で阻止する阻止体であ
る。
【0005】(17)はL字状をなし一側が作動板(8)に固
定され、他側は上端が作動板(8)の反対側の枠(4)の側壁
に枢着された回動機構、(18)は軸(13)の端部に一端が固
定された腕で、他端は嵌合溝(6)の広幅部(7)内に屈折さ
れて、この屈折部に切欠部からなる保持部(19)が構成さ
れている。(20)は腕(18)の屈折部(19)に保持されて嵌合
溝(6)の広幅部(7)に配置されたころからなる制動子であ
る。
【0006】これにより、昇降体(3)は連結具(11)を介
して主索(10)に連結されて吊持される。そして、昇降体
(3)がレール(2)に案内具(図示しない)を介して昇降可
能に係合され、主索(10)が駆動されることにより昇降体
(3)がレール(2)に案内されて昇降路(1)を昇降する。そ
して、従来のエレベーター用非常止め装置は上記のよう
に構成され、通常時において連結具(11)を保持した作動
板(8)は少なくとも昇降体(3)の自重によって付勢体(9)
の付勢力に抗して上昇し、図12に示すように上昇変位
が阻止体(16)によって所定位置で阻止される。
【0007】この通常状態では腕(18)が図11に示すよ
うに下降位置に配置され、腕(18)の保持部(19)に保持さ
れた制動子(20)は嵌合溝(6)の広幅部(7)下部寄りに配置
されてレール(2)から離れた非制動位置に保持される。
これによって昇降体(3)が通常運転される。そして、破
断等が生じて主索(10)が張力を喪失すると作動板(8)が
付勢体(9)の付勢力によって下降変位する。この作動板
(8)の動作により伝動片(15)が下降し、これにより突子
(14)は回動変位する。
【0008】これにより、軸(13)が回動動作して腕(18)
は上昇位置に変位する。そして、腕(18)の上昇変位によ
って制動子(20)が嵌合溝(6)の広幅部(7)の上部寄りに移
動し、レール(2)面と広幅部(7)の側壁の間に楔作用によ
って嵌入される。これにより、嵌合溝(6)の側壁と制動
子(20)とによってレール(2)を挟圧し、昇降体(3)の主索
(10)張力喪失時における異常下降を制動するようになっ
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来のエ
レベーター用非常止め装置において、制動動作時に腕(1
8)の保持部(19)に保持された制動子(20)を、レール(2)
面と広幅部(7)の側壁の間に嵌入するまで保持部(19)か
ら脱落しないように保持する必要がある。このため、保
持部(19)の位置を制動子(20)の重心位置よりもレール
(2)面に接近させると共に、レール(2)面、嵌合溝(6)の
広幅部(7)と保持部(19)が接触しないように配置され
る。
【0010】この構成では、制動動作を確実に行うため
レール(2)面、嵌合溝(6)の広幅部(7)、保持部(19)及び
制動子(20)をそれぞれ高精度で所定位置に配置すること
が必要となり、これらの部材それぞれの加工精度、組立
精度を高くすることが要求される。このため加工作業、
組立作業に煩雑な手数が掛かって製造費が嵩むという問
題点があった。なお、非常止め装置の停止能力と制動子
(20)の大きさは密接な関係があるが、加工精度、組立精
度を高くすることの必要性から非常止め装置が徒に大型
化して重量が増加する等の不都合を生じる。
【0011】この発明は、かかる問題点を解消するため
になされたものであり、簡易な装置構成により制動体と
によってレールを挟圧する制動子が非制動位置から制動
位置へ動作するエレベーター用非常止め装置を得ること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係るエレベー
ター用非常止め装置においては、昇降路に立設されて昇
降体を案内するレール、昇降体に連結具を介して連結さ
れて昇降体を吊持した主索、昇降体に設けられてレール
が空隙を形成して嵌合された嵌合溝内に装備されて常時
は非制動位置に配置され、嵌合溝に固定されたガイドレ
ールに案内されて変位して嵌合溝の側壁とによってレー
ルを挟圧する制動位置に配置される制動子と、一端が制
動子に直接連結され他端は連結具に連結された可撓条体
が設けられ、常時は制動子を非制動位置に保持し、昇降
体に対する連結具の下降変位により制動子を制動位置に
変位させる作動機構とが設けられる。
【0013】また、この発明に係るエレベーター用非常
止め装置においては、昇降路に立設されて昇降体を案内
するレール、昇降体に連結具を介して連結されて昇降体
を吊持した主索、昇降体に設けられてレールが空隙を形
成して嵌合された嵌合溝内に装備され、常時は非制動位
置に配置されて、嵌合溝に固定されたガイドレールに案
内されて変位して嵌合溝の側壁とによってレールを挟圧
する制動位置に配置される制動子と、一端が制動子に
接連結され他端は連結具先端のねじ部にねじ込まれたナ
ットを介して連結具の先端部に上下方向に変位自在に連
結された可撓条体が設けられ、常時は制動子を非制動位
置に保持し、昇降体に対する連結具の下降変位により制
動子を制動位置に変位させる作動機構とが設けられる。
【0014】また、この発明に係るエレベーター用非常
止め装置においては、昇降路に立設されて昇降体を案内
するレール、昇降路に吊下された主索、横断面角形をな
し主索の端部に連結され、昇降体の固定部に設けられて
角形に対応した角穴に空隙を形成して挿通されて昇降体
に保持され、長手軸線における回動が阻止されて主索を
昇降体に連結した連結具と、昇降体に設けられてレール
が空隙を形成して嵌合された嵌合溝内に装備され、常時
は非制動位置に配置されて、嵌合溝に固定されたガイド
レールに案内されて変位して嵌合溝の側壁とによりレー
ルを挟圧する制動位置に配置される制動子と、一端が制
動子に直接連結され他端は連結具に連結された可撓条体
が設けられ、常時は制動子を非制動位置に保持し、昇降
体に対する連結具の下降変位により制動子を制動位置に
変位させる作動機構とが設けられる。
【0015】また、この発明に係るエレベーター用非常
止め装置においては、昇降路に立設されて昇降体を案内
するレール、昇降体に連結具を介して連結されて昇降体
を吊持した主索、昇降体に設けられてレールが空隙を形
成して嵌合された嵌合溝内に装備され、常時は非制動位
置に配置されて、嵌合溝に固定されたガイドレールに案
内されて変位して嵌合溝の側壁とによってレールを挟圧
する制動位置に配置される制動子と、連結具に設けられ
て連結具の昇降体の吊持位置を読み取る目盛りと、一端
が制動子に直接連結され他端は連結具に連結された可撓
条体が設けられ、常時は制動子を非制動位置に保持し、
昇降体に対する連結具の下降変位により制動子を制動位
置に変位させる作動機構とが設けられる。
【0016】また、この発明に係るエレベーター用非常
止め装置においては、昇降路に立設されて昇降体を案内
するレール、昇降体に連結具を介して連結されて昇降体
を吊持した主索、昇降体の上部及び下部のそれぞれに設
けられてレールが空隙を形成して嵌合された嵌合溝内に
装備され、常時は非制動位置に配置されて、嵌合溝に固
定されたガイドレールに案内されて変位して嵌合溝の側
壁とによってレールを挟圧する制動位置に配置される制
動子と、一端が昇降体の上部に配置された制動子に直接
連結され他端は連結具に連結された可撓条体が設けら
れ、常時は上部の制動子を非制動位置に保持し、昇降体
に対する連結具の下降変位により上部の制動子を制動位
置に変位させる第2作動機構と、一端が昇降体の下部に
配置された制動子に直接連結され他端は連結具に連結さ
れた可撓条体が設けられ、常時は下部の制動子を非制動
位置に保持し、昇降体に対する連結具の下降変位により
下部の制動子を制動位置に変位させる第1作動機構とが
設けられる。
【0017】また、この発明に係るエレベーター用非常
止め装置においては、昇降路に立設されて昇降体を案内
するレール、昇降体に連結具を介して連結されて昇降体
を吊持した主索、昇降体の上部及び下部のそれぞれに設
けられてレールが空隙を形成して嵌合された嵌合溝内に
装備され、常時は非制動位置に配置されて、嵌合溝に固
定されたガイドレールに案内されて変位して嵌合溝の側
壁とによってレールを挟圧する制動位置に配置される制
動子と、一端が昇降体の下部に配置された制動子に直接
連結され他端は連結具に連結された可撓条体が設けら
れ、常時は下部の制動子を非制動位置に保持し、昇降体
に対する連結具の下降変位により下部の制動子を制動位
置に変位させる第1作動機構と、一端が昇降体の上部に
配置された制動子に直接連結され他端は連結具に連結さ
れて第1作動機構の可撓条体よりも同荷重における伸び
の少ない特性の可撓条体が設けられ、常時は上部の制動
子を非制動位置に保持し、昇降体に対する連結具の下降
変位により上部の制動子を制動位置に変位させる第2作
動機構とが設けられる。
【0018】
【作用】上記のように構成されたエレベーター用非常止
め装置では、通常時に作動機構によって制動子が非制動
位置に保持され、昇降体に対して連結具が下降変位した
ときに作動機構の可撓条体により制動子が引き上げられ
て制動位置に変位する。
【0019】また、上記のように構成されたエレベータ
ー用非常止め装置では、通常時に作動機構によって制動
子が非制動位置に保持され、昇降体に対して連結具が下
降変位したときに、連結具の先端部に上下方向に変位自
在に連結された作動機構の可撓条体により制動子が引き
上げられて制動位置に変位する。
【0020】また、上記のように構成されたエレベータ
ー用非常止め装置では、通常時に作動機構によって制動
子が非制動位置に保持され、昇降体に長手軸線に対して
回動不能に保持された連結具が昇降体に対して下降変位
したときに、連結具の先端部に上下方向に変位自在に連
結された作動機構の可撓条体により制動子が引き上げら
れて制動位置に変位する。
【0021】また、上記のように構成されたエレベータ
ー用非常止め装置では、通常時に作動機構によって制動
子が非制動位置に保持され、昇降体の吊持位置を読み取
る目盛りを有する連結具が昇降体に対して下降変位した
ときに作動機構の可撓条体により制動子が引き上げられ
て制動位置に変位する。
【0022】また、上記のように構成されたエレベータ
ー用非常止め装置では、昇降体の上部及び下部に制動子
を有する制動機構が設けられて、通常時にそれぞれの作
動機構によって対応する制動子が非制動位置に保持さ
れ、昇降体に対して連結具が下降変位したときにそれぞ
れの作動機構の可撓条体により対応する制動子が引き上
げられて制動位置に変位する。
【0023】また、上記のように構成されたエレベータ
ー用非常止め装置では、昇降体の上部及び下部に制動子
を有する制動機構が設けられて、通常時にそれぞれの作
動機構によって対応する制動子が非制動位置に保持さ
れ、昇降体に対して連結具が下降変位したときにそれぞ
れの作動機構の可撓条体により対応する制動子が引き上
げられ、すなわち上部の制動子は、下部の制動子の可撓
条体よりも同荷重における伸びの少ない特性の可撓条体
により引き上げられて制動位置に変位する。
【0024】
【実施例】実施例1. 図1は、この発明の一実施例を示す説明図、図9に示し
たエレベーター装置及びエレベーター用非常止め装置と
同様の構成部品については、同符号を付して説明を省略
する。図において、(1)はエレベーターの昇降路、(2)は
昇降路(1)に立設されたレール、(3)はエレベーターのか
ごからなり昇降路(1)を昇降する昇降体、(4)は昇降体
(3)の下側に設けられたエレベーター用非常止め装置の
枠である。
【0025】(5)は図1に示すように枠(4)の幅方向にお
ける一側の下面に設けられた制動体で、レール(2)の案
内部が空隙を形成して嵌合された嵌合溝(6)が構成さ
れ、嵌合溝(6)の下部には下端側が広がる広幅部(7)が形
成されている。(9)は枠(4)の幅方向における他側の下面
に配置された圧縮コイルばねからなる付勢体、(21)は付
勢体(9)の下側に配置された座金、(10)は昇降路(1)に吊
下されて昇降体(3)を吊持する主索である。
【0026】(11)は上端部に主索(10)が連結されて枠
(4)に空隙を形成して挿通されると共に、付勢体(9)及び
座金(21)に挿通され、圧縮コイルばね(12)及び先端のね
じ部にねじ込まれたナットを介して枠(4)に保持された
連結具である。(22)は円筒形をなし円筒の軸線方向を2
分し外周から引退した係合溝(23)が設けられたころから
なる制動子で、嵌合溝(6)の広幅部(7)に配置されてい
る。
【0027】(24)は嵌合溝(6)の広幅部(7)に設けられた
ガイドレールで、制動子(22)の係合溝(23)に空隙を形成
して嵌合されて広幅部(7)の斜面に沿って配置されてい
る。(25)は一端が制動子(22)の係合溝(23)に巻回されて
連結され、他端は連結具(11)に連結されたワイヤロープ
からなる可撓条体、(26)は可撓条体(25)に嵌合されて嵌
合溝(6)の広幅部(7)に配置された圧縮コイルばねからな
る保持ばねで、両端がそれぞれ広幅部(7)の上縁部及び
制動子(22)に接して装備されている。(27)はガイドレー
ル(24)、可撓条体(25)及び保持ばね(26)を主要部材とす
る作動機構である。
【0028】(28)は枠(4)に締結されてレール(2)に対向
して設けられた取付板、(29)は取付板(28)に枢着されて
制動子(22)の下方対応位置に配置され、レール(2)面を
転動する定置滑車、(30)は取付板(27)に枢着されて定置
滑車(29)と対向して配置されレール(2)面を転動する変
位滑車、(31)は取付板(28)に装着されて変位滑車(30)を
レール(2)面に押圧するひねりばねからなる押圧体、(3
2)は取付板(28)、定置滑車(29)、変位滑車(30)及び押圧
体(31)によって構成された案内具である。
【0029】これにより、昇降体(3)は連結具(11)を介
して主索(10)に連結されて吊持される。そして、昇降体
(3)がレール(2)に案内具(32)を介して昇降可能に係合さ
れ、主索(10)が駆動されることにより昇降体(3)がレー
ル(2)に案内されて昇降路(1)を昇降する。そして、上記
のように構成されたエレベーター用非常止め装置では、
通常時において連結具(11)が少なくとも昇降体(3)の自
重によって付勢体(9)の付勢力に抗して上昇し、図1に
示すように上昇位置に保持される。
【0030】この通常状態では、保持ばね(26)、すなわ
ち作動機構(27)によって図1に示すように制動体(5)嵌
合溝(6)の広幅部(7)下部寄りに制動子(22)が配置され、
レール(2)から離れた非制動位置に保持される。この状
態では、レール(2)と制動体(5)の嵌合溝(6)との間に空
隙が形成されて昇降体(3)が通常運転される。そして、
破断等が生じて主索(10)が張力を喪失すると、付勢体
(9)の付勢力によって連結具(11)が下降変位する。
【0031】この連結具(11)の変位により可撓条体(25)
が引っ張られて、すなわち作動機構(27)によって保持ば
ね(26)の保持力に抗して制動子(22)が上昇する。これに
より、制動子(22)が嵌合溝(6)の広幅部(7)の上部寄りに
移動し、レール(2)面と広幅部(7)の側壁の間に楔作用に
よって嵌入される。そして、嵌合溝(6)の側壁と制動子
(22)とによってレール(2)を挟圧して昇降体(3)の主索(1
0)張力喪失時における異常下降が制動される。
【0032】なお、嵌合溝(6)の側壁と制動子(22)とに
よってレール(2)が挟圧されると、嵌合溝(6)の広幅部
(7)と反対側の側壁とレール(2)との間の空隙が消失し、
レール(2)に対して昇降体(3)が水平方向に変位する。し
かし、この昇降体(3)の変位によって変位滑車(30)が押
圧体(31)の押圧力に抗して定置滑車(29)に対して引退す
る。このため、非常制動時において案内具(32)に水平方
向荷重が作用することよって案内具(32)が変形したり、
破損したりする不祥事の発生を未然に防ぐことができ
る。
【0033】このように、制動子(22)が係合溝(23)によ
りガイドレール(24)に移動可能に係合され、作動機構(2
7)によって通常時は非制動位置に保持されると共に、異
常時は作動機構(27)によって制動位置に変位動作する。
これにより、レール(2)面、広幅部(7)及び制動子(22)の
それぞれの配置位置の精度が低くても、異常時に所要の
制動作用を得ることができる。したがって、関連部材の
加工精度、組立精度を特に高くする必要がなく、構造を
簡易化でき、軽量、小形化が可能であって、容易に加
工、組立を行うことができ製造費を低減することができ
る。
【0034】実施例2. 図2〜図6は、この発明の他の実施例を示す説明図、図
2は実施例2の説明図、図3は図2のIII部拡大図、図
4は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5は図4の要部の
縦断図、図6は図4におけるエレベーター用非常止め装
置の動作を説明する図、図2〜図6の他は前述の図9と
同様にエレベーター装置及びエレベーター用非常止め装
置が構成されている。図において、前述の図1と同符号
は相当部分を示し、(33)は横断面溝形をなし昇降体(3)
の要部を構成する側枠である。
【0035】(5)は側枠(33)の溝に嵌合状態に装備さ
れ、嵌合溝(6)の反対側に鉛直方向に貫通した角穴(34)
が設けられた制動体、(11)は上端寄りが横断面角形をな
し角穴(34)に空隙を形成して挿通された連結具で、縦通
孔(35)及び上端寄りの側面に開口した側孔(36)が設けら
れている。(25)は一端が制動子(22)の係合溝(23)に巻回
されて連結されたワイヤロープからなる可撓条体で、連
結具(11)の側孔(36)及び縦通孔(35)に挿通されて他端は
連結具(11)下端部のねじに嵌合された座金(37)に固定さ
れている。
【0036】(38)は連結具(11)下端部のねじにねじ込ま
れて座金(37)を挟圧するナット、(9)は連結具(11)に嵌
合された圧縮コイルばねからなる付勢体で、上端は制動
体(5)の下面に配置されている。(39)は連結具(11)下端
部のねじ部に嵌合され座金(37)よりも上方位置に配置さ
れて付勢体(9)の下端に接するばね受け片である。
【0037】(40)は連結具(11)下端部のねじにねじ込ま
れてばね受け片(39)を支持するナットである。(41)は連
結具(11)側面の制動体(5)上面対応位置に設けられて付
勢体(9)の圧縮状態、すなわち、ばね力を読み取る目盛
りである。(42)は制動体(5)上面の設けられた溝で、可
撓条体(25)が空隙を形成して嵌合状態に配置されてい
る。
【0038】これにより、昇降体(3)は連結具(11)を介
して主索(10)に連結され、付勢体(9)を介して吊持され
る。そして、昇降体(3)がレール(2)に案内具(32)を介し
て昇降可能に係合され、主索(10)が駆動されることによ
り昇降体(3)がレール(2)に案内されて昇降路(1)を昇降
する。そして、上記のように構成されたエレベーター用
非常止め装置では、通常時において連結具(11)が少なく
とも昇降体(3)の自重によって付勢体(9)の付勢力に抗し
て上昇し、図4及び図5に示すように上昇位置に保持さ
れる。
【0039】この通常状態では、保持ばね(26)、すなわ
ち作動機構(27)によって図4及び図5に示すように、嵌
合溝(6)の広幅部(7)下部寄りに制動子(22)が配置されて
レール(2)から離れた非制動位置に保持される。この状
態においてレール(2)と制動体(5)の嵌合溝(6)との間に
空隙が形成されて昇降体(3)が通常運転される。そし
て、破断等が生じて主索(10)が張力を喪失すると、付勢
体(9)の付勢力によって連結具(11)が下降変位する。
【0040】この連結具(11)の変位により可撓条体(25)
が座金(27)を介して引っ張られて、すなわち作動機構(2
7)によって保持ばね(26)の保持力に抗して制動子(22)が
図6に示すように上昇する。したがって、詳細な説明を
省略するが図2〜図6の実施例においても図1の実施例
と同様な作用が得られる。
【0041】また、図2〜図6の実施例において、可撓
条体(25)の連結具(11)側の端部が座金(37)に固定され、
座金(37)が連結具(11)下端部のねじに挿通されてナット
(38)によって挟圧される。このため、ナット(38)を回動
して連結具(11)下端部のねじに対する座金(37)の位置を
変位させ、制動子(22)の嵌合溝(6)の広幅部(7)における
位置を容易に調整することができる。
【0042】これにより、通常時に制動子(22)を非制動
位置に確実に保持し、異常時に制動子(20)がレール(2)
面と広幅部(7)の側壁の間に確実に嵌入する位置に制動
子(22)を難無く配置することができる。そして、昇降体
(3)の両側それぞれに設けられた制動体(5)と制動子(22)
による制動機構における制動子(22)の異常時動作を同期
させることができ、信頼度の高い異常下降制動作用を得
ることができる。
【0043】また、横断面角形をなす連結具(11)が制動
体(5)の角穴(34)に空隙を形成して挿通されているの
で、連結具(11)が長手軸線において制動体(5)に対して
回動することがない。このため、連結具(11)が制動体
(5)に対して回動することによって、連結具(11)に挿通
された可撓条体(25)の移動作用が阻害されたり、制動体
(5)上面の可撓条体(25)用の溝(42)と連結具(11)の側孔
(36)との間で可撓条体(25)が剪断荷重を受けたりする不
具合を防止でき、異常時に制動子(20)の上昇による確実
な制動作用を得ることができる。
【0044】また、連結具(11)側面の制動体(5)の上面
との対応位置の目盛り(41)により付勢体(9)の圧縮状
態、すなわち、ばね力を読み取ることができる。こめた
め、昇降体(3)の両側それぞれに設けられた連結具(11)
に配置された付勢体(9)のばね力をナット(40)を回動し
て容易に一致させることができる。これにより、昇降体
(3)の両側それぞれに設けられた制動体(5)と制動子(22)
による制動機構における異常時動作を同期させることが
でき、信頼度の高い異常下降制動作用を得ることができ
る。
【0045】実施例3. 図7も、この発明の他の実施例を示す図で、昇降体の側
面図であり図7の他は前述の図2〜図6と同様にエレベ
ーター装置及びエレベーター用非常止め装置が構成され
ている。図において、前述の図2〜図6と同符号は相当
部分を示し、(43)は側枠(33)の上端部に設けられた上
枠、(11)は上枠(43)に設けられた制動体(5)と枠(4)に設
けられた制動体(5)とに挿通された連結棒である。
【0046】(27)は枠(4)に設けられた制動体(5)に配置
された制動子(22)に連結された可撓条体(25)及び保持ば
ね(26)を主要部材とする第1作動機構である。(271)は
上枠(43)に設けられた制動体(5)に配置された制動子(2
2)に連結された可撓条体(251)及び保持ばね(26)を主要
部材とする第2作動機構で、これの可撓条体(251)は第
1作動機構(27)の可撓条体(25)よりも同荷重における伸
びの少ない特性の条体が使用されている。
【0047】また、可撓条体(251)は連結具(11)の側孔
(36)及び縦通孔(35)に挿通され、下方側の端部が連結具
(11)下端部のねじに嵌合された座金(371)に固定され、
また座金(371)は連結具(11)下端部のねじにねじ込まれ
たナット(381)によって挟圧されている。
【0048】要するに図7の実施例は、昇降体(3)の上
部及び下部にそれぞれ図2〜図6の実施例と同様な制動
体(5)及び制動子(22)を主要部とする制動機構を設け
て、下部の制動機構を図2〜図6の実施例と同様な第1
作動機構(27)により、また上部の制動機構を第1作動機
構(27)と同様な第2作動機構(271)により連結棒(11)に
連結したものである。したがって、詳細な説明を省略す
るが図7の実施例においても図2〜図6の実施例と同様
な作用が得られる。
【0049】また、図7の実施例において、第2作動機
構(271)の可撓条体(251)は第1作動機構(27)の可撓条体
(25)よりも同荷重における伸びの少ない特性の条体が使
用されているので、次に述べる作用を得ることができ
る。すなわち、ナット(38)の回動によって座金(37)を移
動して第1作動機構(27)の可撓条体(25)の長さを調整
し、またナット(381)の回動によって座金(371)を移動し
て第2作動機構(271)の可撓条体(251)の長さを調整す
る。この調整によって、昇降体(3)の上部及び下部の制
動機構それぞれの制動体(5)と制動子(22)による異常時
動作を同期させることができ、信頼度の高い異常下降制
動作用を得ることができる。
【0050】また、図7の実施例では、昇降体(3)の上
部及び下部にそれぞれ制動機構を設けて、これらの制動
機構が1つの連結具(11)を介して異常時動作する。そし
て、1種類の制動機能の制動機構を昇降体(3)の重量に
対応させて所要数を装備することにより所要の制動作用
を得ることができる。したがって、少ない部材数、少な
い種類の機器によって異なる重量の昇降体(3)に対応す
ることができ、製造費を節減することができる。
【0051】実施例4. 図8も、この発明の他の実施例を示す図、図8の他は前
述の図9と同様にエレベーター装置及びエレベーター用
非常止め装置が構成されている。図において、前述の図
4と同符号は相当部分を示し、(221)は楔形をなす制動
子である。
【0052】そして、通常状態では、保持ばね(26)、す
なわち作動機構(27)によって図8に示すように、嵌合溝
(6)の広幅部(7)下部寄りに制動子(221)が配置されてレ
ール(2)から離れた非制動位置に保持される。この状態
によりレール(2)と制動体(5)の嵌合溝(6)との間に空隙
が形成されて昇降体(3)が通常運転される。
【0053】また、破断等が生じて主索(10)が張力を喪
失すると、付勢体(9)の付勢力によって連結具(11)が下
降変位する。この連結具(11)の変位により可撓条体(25)
が座金(27)を介して引っ張られて、すなわち作動機構(2
7)によって保持ばね(26)の保持力に抗して制動子(221)
が上昇する。したがって、詳細な説明を省略するが図8
の実施例においても図1の実施例と同様な作用が得られ
ることは明白である。
【0054】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、昇降路
に立設されて昇降体を案内するレール、昇降体に連結具
を介して連結されて昇降体を吊持した主索、昇降体に設
けられてレールが空隙を形成して嵌合された嵌合溝内に
装備されて常時は非制動位置に配置され、嵌合溝に固定
されたガイドレールに案内されて変位して嵌合溝の側壁
とによってレールを挟圧する制動位置に配置される制動
子と、一端が制動子に直接連結され他端は連結具に連結
された可撓条体が設けられ、常時は制動子を非制動位置
に保持し、昇降体に対する連結具の下降変位により制動
子を制動位置に変位させる作動機構とを設けたものであ
る。
【0055】これによって、通常時に作動機構によって
制動子が非制動位置に保持され、昇降体に対して連結具
が下降変位したときには作動機構の可撓条体により制動
子が引き上げられて制動位置に変位する。このため、レ
ール面、嵌合溝広幅部及び制動子それぞれの配置位置の
精度が低くても、異常時に所要の制動作用を得ることが
できる。したがって、関連部材の加工精度、組立精度を
特に高くする必要がなく、構造を簡易化でき、軽量、小
形化が可能であって、容易に加工、組立を行うことがで
き製造費を低減する効果がある。
【0056】また、この発明は以上説明したように、昇
降路に立設されて昇降体を案内するレール、昇降体に連
結具を介して連結されて昇降体を吊持した主索、昇降体
に設けられてレールが空隙を形成して嵌合された嵌合溝
内に装備され、常時は非制動位置に配置されて、嵌合溝
に固定されたガイドレールに案内されて変位して嵌合溝
の側壁とによってレールを挟圧する制動位置に配置され
る制動子と、一端が制動子に直接連結され他端は連結具
先端のねじ部にねじ込まれたナットを介して連結具の先
端部に上下方向に変位自在に連結された可撓条体が設け
られ、常時は制動子を非制動位置に保持し、昇降体に対
する連結具の下降変位により制動子を制動位置に変位さ
せる作動機構とを設けたものである。
【0057】これによって、通常時に作動機構によって
制動子が非制動位置に保持され、昇降体に対して連結具
が下降変位したときに、連結具の先端部に上下方向に変
位自在に連結された作動機構の可撓条体により制動子が
引き上げられて制動位置に変位する。このため、レール
面、嵌合溝広幅部及び制動子それぞれの配置位置の精度
が低くても、異常時に所要の制動作用を得ることができ
る。したがって、関連部材の加工精度、組立精度を特に
高くする必要がなく、構造を簡易化でき、軽量、小形化
が可能であって、容易に加工、組立を行うことができ製
造費を低減する効果がある。
【0058】また、作動機構の可撓条体が連結具先端の
ねじ部にねじ込まれたナットを介して連結具の先端部に
上下方向に変位自在に連結されている。したがって、ナ
ットを回動して可撓条体の張設状態を調整し、昇降体に
設けられた嵌合溝内における制動子の位置を容易に調整
することができる。これにより、制動機構における制動
子の異常時動作による信頼度の高い異常下降制動作用を
得る効果がある。
【0059】また、この発明は以上説明したように、昇
降路に立設されて昇降体を案内するレール、昇降路に吊
下された主索、横断面角形をなし主索の端部に連結さ
れ、昇降体の固定部に設けられて角形に対応した角穴に
空隙を形成して挿通されて昇降体に保持され、長手軸線
における回動が阻止されて主索を昇降体に連結した連結
具と、昇降体に設けられてレールが空隙を形成して嵌合
された嵌合溝内に装備され、常時は非制動位置に配置さ
れて、嵌合溝に固定されたガイドレールに案内されて
位して嵌合溝の側壁とによりレールを挟圧する制動位置
に配置される制動子と、一端が制動子に直接連結され
端は連結具に連結された可撓条体が設けられ、常時は制
動子を非制動位置に保持し、昇降体に対する連結具の下
降変位により制動子を制動位置に変位させる作動機構と
を設けたものである。
【0060】これによって、通常時に作動機構によって
制動子が非制動位置に保持され、昇降体に長手軸線にお
いて回動不能に保持された連結具が昇降体に対して下降
変位したときに、連結具の先端部に上下方向に変位自在
に連結された作動機構の可撓条体により制動子が引き上
げられて制動位置に変位する。このため、レール面、嵌
合溝広幅部及び制動子それぞれの配置位置の精度が低く
ても、異常時に所要の制動作用を得ることができる。し
たがって、関連部材の加工精度、組立精度を特に高くす
る必要がなく、構造を簡易化でき、軽量、小形化が可能
であって、容易に加工、組立を行うことができ製造費を
低減する効果がある。
【0061】また、連結具が昇降体に回動不能に保持さ
れているので、連結具が昇降体に対して回動することに
よって、連結具に連結された可撓条体の移動作用が阻害
される不具合を防止でき、異常時に制動子の上昇による
確実な制動作用を得る効果がある。
【0062】また、この発明は以上説明したように、昇
降路に立設されて昇降体を案内するレール、昇降体に連
結具を介して連結されて昇降体を吊持した主索、昇降体
に設けられてレールが空隙を形成して嵌合された嵌合溝
内に装備され、常時は非制動位置に配置されて、嵌合溝
に固定されたガイドレールに案内されて変位して嵌合溝
の側壁とによってレールを挟圧する制動位置に配置され
る制動子と、連結具に設けられて連結具の昇降体の吊持
位置を読み取る目盛りと、一端が制動子に直接連結され
他端は連結具に連結された可撓条体が設けられ、常時は
制動子を非制動位置に保持し、昇降体に対する連結具の
下降変位により制動子を制動位置に変位させる作動機構
とを設けたものである。
【0063】これによって、通常時に作動機構によって
制動子が非制動位置に保持され、昇降体の吊持位置を読
み取る目盛りを有する連結具が昇降体に対して下降変位
したときに作動機構の可撓条体により制動子が引き上げ
られて制動位置に変位する。このため、レール面、嵌合
溝広幅部及び制動子それぞれの配置位置の精度が低くて
も、異常時に所要の制動作用を得ることができる。した
がって、関連部材の加工精度、組立精度を特に高くする
必要がなく、構造を簡易化でき、軽量、小形化が可能で
あって、容易に加工、組立を行うことができ製造費を低
減する効果がある。
【0064】また、連結具の昇降体における吊持位置を
読み取る目盛りが設けられているので、連結具と昇降体
の間に介装されたばねの圧縮状態、すなわち、ばね力を
読み取ることができる。こめため、連結具における昇降
体の吊持状況を容易に検証することができ少ない手数で
信頼度の高い異常下降制動作用を得る効果がある。
【0065】また、この発明は以上説明したように、昇
降路に立設されて昇降体を案内するレール、昇降体に連
結具を介して連結されて昇降体を吊持した主索、昇降体
の上部及び下部のそれぞれに設けられてレールが空隙を
形成して嵌合された嵌合溝内に装備され、常時は非制動
位置に配置されて、嵌合溝に固定されたガイドレールに
案内されて変位して嵌合溝の側壁とによってレールを挟
圧する制動位置に配置される制動子と、一端が昇降体の
上部に配置された制動子に直接連結され他端は連結具に
連結された可撓条体が設けられ、常時は上部の制動子を
非制動位置に保持し、昇降体に対する連結具の下降変位
により上部の制動子を制動位置に変位させる第2作動機
構と、一端が昇降体の下部に配置された制動子に直接連
結され他端は連結具に連結された可撓条体が設けられ、
常時は下部の制動子を非制動位置に保持し、昇降体に対
する連結具の下降変位により下部の制動子を制動位置に
変位させる第1作動機構とを設けたものである。
【0066】これによって、昇降体の上部及び下部に制
動子を有する制動機構が設けられて、通常時にそれぞれ
の作動機構によって対応する制動子が非制動位置に保持
され、昇降体に対して連結具が下降変位したときにそれ
ぞれの作動機構の可撓条体により対応する制動子が引き
上げられて制動位置に変位する。このため、レール面、
嵌合溝広幅部及び制動子それぞれの配置位置の精度が低
くても、異常時に所要の制動作用を得ることができる。
したがって、関連部材の加工精度、組立精度を特に高く
する必要がなく、構造を簡易化でき、軽量、小形化が可
能であって、容易に加工、組立を行うことができ製造費
を低減する効果がある。
【0067】また、昇降体の上部及び下部に制動子を有
する制動機構が設けられて、昇降体に対して連結具が下
降変位したときにそれぞれの作動機構が動作する。この
ため1種類の制動機能の制動機構を昇降体の重量に対応
させて所要数を装備することにより所要の制動作用を得
ることができる。したがって、少ない部材数、少ない種
類の機器によって異なる重量の昇降体に対応することが
でき、製造費を節減する効果がある。
【0068】また、この発明は以上説明したように、昇
降路に立設されて昇降体を案内するレール、昇降体に連
結具を介して連結されて昇降体を吊持した主索、昇降体
の上部及び下部のそれぞれに設けられてレールが空隙を
形成して嵌合された嵌合溝内に装備され、常時は非制動
位置に配置されて、嵌合溝に固定されたガイドレールに
案内されて変位して嵌合溝の側壁とによってレールを挟
圧する制動位置に配置される制動子と、一端が昇降体の
下部に配置された制動子に直接連結され他端は連結具に
連結された可撓条体が設けられ、常時は下部の制動子を
非制動位置に保持し、昇降体に対する連結具の下降変位
により下部の制動子を制動位置に変位させる第1作動機
構と、一端が昇降体の上部に配置された制動子に直接連
結され他端は連結具に連結されて第1作動機構の可撓条
体よりも同荷重における伸びの少ない特性の可撓条体が
設けられ、常時は上部の制動子を非制動位置に保持し、
昇降体に対する連結具の下降変位により上部の制動子を
制動位置に変位させる第2作動機構とを設けたものであ
る。
【0069】これによって、昇降体の上部及び下部に制
動子を有する制動機構が設けられて、通常時にそれぞれ
の作動機構によって対応する制動子が非制動位置に保持
され、昇降体に対して連結具が下降変位したときにそれ
ぞれの作動機構の可撓条体により対応する制動子が引き
上げられて、すなわち、上部の制動子は、下部の制動子
の可撓条体よりも同荷重における伸びの少ない特性の可
撓条体により引き上げられて制動位置に変位する。この
ため、レール面、嵌合溝広幅部及び制動子それぞれの配
置位置の精度が低くても、異常時に所要の制動作用を得
ることができる。したがって、関連部材の加工精度、組
立精度を特に高くする必要がなく、構造を簡易化でき、
軽量、小形化が可能であって、容易に加工、組立を行う
ことができ製造費を低減する効果がある。
【0070】また、昇降体の上部及び下部に制動子を有
する制動機構が設けられて、昇降体に対して連結具が下
降変位したときにそれぞれの作動機構が動作する。この
ため1種類の制動機能の制動機構を昇降体の重量に対応
させて所要数を装備することにより所要の制動作用を得
ることができる。したがって、少ない部材数、少ない種
類の機器によって異なる重量の昇降体に対応することが
でき、製造費を節減する効果がある。
【0071】さらに、昇降体の上部の制動子は、下部の
制動子の可撓条体よりも同荷重における伸びの少ない特
性の可撓条体により引き上げられて制動位置に変位す
る。このため、第1制動機構及び第2制動機構それぞれ
の可撓条体の長さを調整することによって、第1制動機
構及び第2制動機構それぞれの制動体と制動子による異
常時動作を同期させることができ、信頼度の高い異常下
降制動作用を得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1を示す説明図。
【図2】この発明の実施例2を示す説明図。
【図3】図2のIII部拡大図。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図4の要部の縦断図。
【図6】図4におけるエレベーター用非常止め装置の動
作を示す説明図。
【図7】この発明の実施例3を示す昇降体の側面図。
【図8】この発明の実施例4を示す説明図。
【図9】従来のエレベーター用非常止め装置を示す平面
図。
【図10】図9のX−X線に沿う断面の拡大図。
【図11】一部を破断して示す図9の正面図。
【図12】図10の側面図。
【符号の説明】
1 昇降路、2 レール、3 昇降体、6 嵌合溝、1
0 主索、11 連結具、22 制動子、24 ガイド
レール、25,251 可撓条体、27 第1作動機
構、34 角穴、38 ナット、41 目盛り、271
第2作動機構。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇降路に立設されて昇降体を案内するレ
    ール、上記昇降体に連結具を介して連結されて上記昇降
    体を吊持した主索、上記昇降体に設けられて上記レール
    が空隙を形成して嵌合された嵌合溝内に装備され、常時
    は非制動位置に配置されて、上記嵌合溝に固定されたガ
    イドレールに案内されて変位して上記嵌合溝の側壁とに
    よって上記レールを挟圧する制動位置に配置される制動
    子と、一端が上記制動子に直接連結され他端は上記連結
    具に連結された可撓条体が設けられ、常時は上記制動子
    を非制動位置に保持し、上記昇降体に対する上記連結具
    の下降変位により上記制動子を制動位置に変位させる作
    動機構とを備えたエレベーター用非常止め装置。
  2. 【請求項2】 昇降路に立設されて昇降体を案内するレ
    ール、上記昇降体に連結具を介して連結されて上記昇降
    体を吊持した主索、上記昇降体に設けられて上記レール
    が空隙を形成して嵌合された嵌合溝内に装備され、常時
    は非制動位置に配置されて、上記嵌合溝に固定されたガ
    イドレールに案内されて変位して上記嵌合溝の側壁とに
    よって上記レールを挟圧する制動位置に配置される制動
    子と、一端が上記制動子に直接連結され他端は上記連結
    具先端のねじ部にねじ込まれたナットを介して上記連結
    具の先端部に上下方向に変位自在に連結された可撓条体
    が設けられ、常時は上記制動子を非制動位置に保持し、
    上記昇降体に対する上記連結具の下降変位により上記制
    動子を制動位置に変位させる作動機構とを備えたエレベ
    ーター用非常止め装置。
  3. 【請求項3】 昇降路に立設されて昇降体を案内するレ
    ール、上記昇降路に吊下された主索、横断面角形をなし
    上記主索の端部に連結され、上記昇降体の固定部に設け
    られて上記角形に対応した角穴に空隙を形成して挿通さ
    れて上記昇降体に保持され、長手軸線における回動が阻
    止されて上記主索を上記昇降体に連結した連結具と、上
    記昇降体に設けられて上記レールが空隙を形成して嵌合
    された嵌合溝内に装備され、常時は非制動位置に配置さ
    れて、上記嵌合溝に固定されたガイドレールに案内され
    変位して上記嵌合溝の側壁とにより上記レールを挟圧
    する制動位置に配置される制動子と、一端が上記制動子
    直接連結され他端は上記連結具に連結された可撓条体
    が設けられ、常時は上記制動子を非制動位置に保持し、
    上記昇降体に対する上記連結具の下降変位により上記制
    動子を制動位置に変位させる作動機構とを備えたエレベ
    ーター用非常止め装置。
  4. 【請求項4】 昇降路に立設されて昇降体を案内するレ
    ール、上記昇降体に連結具を介して連結されて上記昇降
    体を吊持した主索、上記昇降体に設けられて上記レール
    が空隙を形成して嵌合された嵌合溝内に装備され、常時
    は非制動位置に配置されて、上記嵌合溝に固定されたガ
    イドレールに案内されて変位して上記嵌合溝の側壁とに
    よって上記レールを挟圧する制動位置に配置される制動
    子と、上記連結具に設けられて上記連結具の上記昇降体
    の吊持位置を読み取る目盛りと、一端が上記制動子に
    接連結され他端は上記連結具に連結された可撓条体が設
    けられ、常時は上記制動子を非制動位置に保持し、上記
    昇降体に対する上記連結具の下降変位により上記制動子
    を制動位置に変位させる作動機構とを備えたエレベータ
    ー用非常止め装置。
  5. 【請求項5】 昇降路に立設されて昇降体を案内するレ
    ール、上記昇降体に連結具を介して連結されて上記昇降
    体を吊持した主索、上記昇降体の上部及び下部のそれぞ
    れに設けられて上記レールが空隙を形成して嵌合された
    嵌合溝内に装備され、常時は非制動位置に配置されて、
    上記嵌合溝に固定されたガイドレールに案内されて変位
    して上記嵌合溝の側壁とによって上記レールを挟圧する
    制動位置に配置される制動子と、一端が上記昇降体の上
    部に配置された上記制動子に直接連結され他端は上記連
    結具に連結された可撓条体が設けられ、常時は上記上部
    の制動子を非制動位置に保持し、上記昇降体に対する上
    記連結具の下降変位により上記上部の制動子を制動位置
    に変位させる第2作動機構と、一端が上記昇降体の下部
    に配置された上記制動子に直接連結され他端は上記連結
    具に連結された可撓条体が設けられ、常時は上記下部の
    制動子を非制動位置に保持し、上記昇降体に対する上記
    連結具の下降変位により上記下部の制動子を制動位置に
    変位させる第1作動機構とを備えたエレベーター用非常
    止め装置。
  6. 【請求項6】 昇降路に立設されて昇降体を案内するレ
    ール、上記昇降体に連結具を介して連結されて上記昇降
    体を吊持した主索、上記昇降体の上部及び下部のそれぞ
    れに設けられて上記レールが空隙を形成して嵌合された
    嵌合溝内に装備され、常時は非制動位置に配置されて、
    上記嵌合溝に固定されたガイドレールに案内されて変位
    して上記嵌合溝の側壁とによって上記レールを挟圧する
    制動位置に配置される制動子と、一端が上記昇降体の下
    部に配置された上記制動子に直接連結され他端は上記連
    結具に連結された可撓条体が設けられ、常時は上記下部
    の制動子を非制動位置に保持し、上記昇降体に対する上
    記連結具の下降変位により上記下部の制動子を制動位置
    に変位させる第1作動機構と、一端が上記昇降体の上部
    に配置された上記制動子に直接連結され他端は上記連結
    具に連結されて上記第1作動機構の可撓条体よりも同荷
    重における伸びの少ない特性の可撓条体が設けられ、常
    時は上記上部の制動子を非制動位置に保持し、上記昇降
    体に対する上記連結具の下降変位により上記上部の制動
    子を制動位置に変位させる第2作動機構とを備えたエレ
    ベーター用非常止め装置。
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