JP2874464B2 - ガラス加工方法及びその装置 - Google Patents

ガラス加工方法及びその装置

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JP2874464B2 JP4201520A JP20152092A JP2874464B2 JP 2874464 B2 JP2874464 B2 JP 2874464B2 JP 4201520 A JP4201520 A JP 4201520A JP 20152092 A JP20152092 A JP 20152092A JP 2874464 B2 JP2874464 B2 JP 2874464B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/08Severing cooled glass by fusing, i.e. by melting through the glass
    • C03B33/082Severing cooled glass by fusing, i.e. by melting through the glass using a focussed radiation beam, e.g. laser

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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭酸ガスレーザ等のレ
ーザビームを集光レンズを用いて集光し、集光したレー
ザビームをガラス材料に照射してガラス材料を加工する
ガラス加工方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光導波路の実用化において、光ファイバ
を始めとする光学系と光導波路との接続が重要な開発課
題となってきた。この接続を低損失で実現するために
は、光導波路等のガラス材料の端面を鏡面状態にしてお
くと共に、垂直性良く研磨しておくことが必要である。
【0003】光導波路を垂直性良く、かつ鏡面状態に仕
上げる方法として図22の方法が用いられている。
【0004】図22は従来のガラス材料の切断、研磨方
法を示す説明図である。
【0005】まず同図(a)に示すようにガラス材料と
しての光導波路1をA−A線、B−B線に沿って図示し
ないダイシング装置により(紙面に垂直な方向に)切断
する。次に同図(b)に示すように、切断したA−A線
及びB−B線の端面を、図示しない研磨装置を用いて長
時間(10時間以上)に亘って研磨することにより鏡面
状態に仕上げる方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光導波路の切断、研磨方法には次のような問題
点がある。
【0007】(1) 光導波路の切断に際しては、水を切断
部分に吹き付けながら行うので、光導波路を汚染しやす
い。また切断時に光導波路を誤って破損したり、機械的
なダメージを与えたり、光導波路の端面に欠けが生じた
りすることがある。さらに多量の水を使用するので、コ
ストが高くなる。
【0008】(2) 光導波路の研磨に際しては、長時間に
亘って研磨材を用いるので、生産性が悪く、コストが高
くなり、研磨材により光導波路を汚染してしまう。
【0009】(3) 光導波路を垂直性良く、しかも鏡面状
態に仕上げると歩留まりが低下し、切断や研磨に失敗し
た場合には、また10時間以上もかけて研磨しなければ
ならず大量生産するのは困難である。
【0010】(4) ダイシング装置に用いるダイシング用
治具、研磨装置に用いる研磨用治具は極めて高価であ
り、結果的に加工費が高くなってしまう。
【0011】(5) 光導波路の断面積が非常に小さくなっ
た場合には、上述した従来の方法では困難となってしま
う。
【0012】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、ガラス材料を汚染したり、ダメージを与えたりする
ことなく、短時間で垂直性良く鏡面状態が得られるガラ
ス加工方法及びその装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、炭酸ガスレーザ等のレーザビームを集光レ
ンズを用いて集光し、集光したレーザビームをガラス材
料に照射してガラス材料を加工するガラス加工方法にお
いて、集光したレーザビームを、筒状部材内を通過させ
てガラス材料に照射し、筒状部材内にガスを噴出するた
めの複数の噴出口をレーザビームに対して周方向に形成
させ、各噴出口の中心軸は筒状部材の内径方向かつレー
ザビームの出口側を向くように斜めに形成させて筒状部
材内にガスを供給すると共にそのガスをレーザビームの
外周に沿って流し、筒状部材の出口の内径を、レーザビ
ームのスポット径の5倍から100倍に設定したもので
ある。
【0014】また、本発明は、炭酸ガスレーザ等のレー
ザと、レーザの出射側に設けられレーザビームを集光す
る集光レンズと、集光レンズの出射側に設けられ集光し
たレーザビームを覆う筒状部材と、集光したレーザビー
ムの外周に沿って筒状部材内にガスを流すガス導入手段
と、筒状部材の出射側に設けられ出口の内径を調節する
内径調節手段とを備え、前記ガス導入手段は、外部から
ガスを導入するためのガス導入管と、該ガス導入管に連
通し外部からのガスを前記筒状部材内に噴出するための
複数の噴出口を有し、それら噴出口はレーザビームに対
して周方向に形成され、各噴出口の中心軸は前記筒状部
材の内径方向かつレーザビームの出口側を向くように斜
めに形成されているものである。
【0015】
【作用】上記構成によれば、ガラス材料の加工前は筒状
部材内を経てガラス材料上にガスが吹き付けられるの
で、レーザビームが照射される部分のガラス材料の汚染
が防止される。また、ガラス材料の加工中はレーザビー
ムの外周に沿ってガスが吹き付けられるのでレーザビー
ム照射によって揮発したガラス材料の微粉末がガスによ
り吹き飛ばされ、ガラス材料への付着が防止される。さ
らに、レーザビームの外周に沿ってガスを一様に吹き付
けることにより、ビームスポット径内の光パワー分布を
対称性良く保持することができ、均一な加工を行うこと
ができる。炭酸ガスレーザ等のレーザビームは、ガラス
材料に良く吸収されるので、ガラス材料を短時間で鏡面
状態に加工することができる。レーザビームを筒状部材
内に伝搬させることにより外部の擾乱を抑圧することが
できる。しかも、筒状部材の出口の内径をレーザビーム
のスポット径の5倍から100倍の範囲に先細りさせる
ことにより、ガスの線速度が向上しガスシール性が向上
する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0017】図1は本発明のガラス加工方法を適用した
ガラス加工装置の一実施例の概略図である。
【0018】同図においてガラス加工装置は、ガラス材
料10を加工するためのレーザビームL1 を出射するC
2 レーザ(以下炭酸ガスレーザという)11と、この
炭酸ガスレーザ11の出射側に設けられ炭酸ガスレーザ
ビームL1 を加工ヘッド12側(図の下側)へ反射する
反射ミラー13と、ガラス材料10上の照射位置を操作
者が目視で確認するためのレーザビームL2 を出射する
He−Neレーザ14と、このHe−Neレーザ14の
出射側かつ炭酸ガスレーザビームL1 の反射光路上に配
置され、炭酸ガスレーザビームL1 を透過すると共に、
He−NeレーザビームL2 の光軸が炭酸ガスレーザビ
ームL1 の光軸と同軸になるように加工ヘッド12側へ
反射するハーフミラー15と、ガラス材料10に炭酸ガ
スレーザビームL1 を照射して加工するための加工ヘッ
ド12とを備えている。
【0019】この加工ヘッド12は、炭酸ガスレーザビ
ームL1 の反射光路上に設けられ炭酸ガスレーザビーム
1 及びHe−NeレーザビームL2 を集光する集光レ
ンズ16と、この集光レンズ16の出射側に設けられ集
光した両レーザビームL1 、L2 を覆うことにより、外
部の擾乱によるレーザビームL1 、L2 の変動を抑圧す
るための筒状部材17と、集光した両レーザビーム
1 、L2 の外周に沿って筒状部材17内にガスを流す
ことによりレーザビームL1 、L2 を保護し、レーザビ
ーム径内の光パワー分布の対称性を保持すると共にクリ
ーンな雰囲気に保持するためのガス導入手段18と、筒
状部材17の出射側に設けられ出口19の内径Dを調節
することによりガスの噴出量を調整してレーザビームL
1 、L2 の安定化を図るための内径調節手段20とを有
している。
【0020】炭酸ガスレーザ11の光パワー及びビーム
スポット径はガラス材料10の種類、厚さ等を変えるこ
とによって調節することができる。すなわち、軟化点温
度の低いガラス材料、厚さの薄いガラス材料については
光パワーを弱くし、その逆については光パワーを強くす
ればよい。ビームスポット径についてはできるだけ小さ
い方が鏡面状態を実現しやすく、かつ高寸法精度に切断
することができる。
【0021】集光レンズ16は、その光軸が両レーザビ
ームL1 、L2 の光軸と同軸になるようにレンズホルダ
21に収容されており、その材質には例えばZnSeが
用いられる。
【0022】ガス導入手段18は、レンズホルダ21の
出射側(図の下側)に設けられ、外部からガスを導入す
るための2本のガス導入管22と、両ガス導入管22に
連通し外部からのガスを、筒状部材17内に噴出するた
めの複数の噴出口23が内側に設けられガス室24を形
成する環状ブロック25とを有している。環状ブロック
25の内側の内壁は、その内径がレーザビームL1 、L
2 の出射方向につれて小さくなっている。各噴出口23
は環状ブロック25の周方向に形成されており、各噴出
口23の中心軸は筒状部材17の内径方向かつ出口側
(図の下側)を向くように斜めに形成されている。これ
により、ガス導入管22から導入されたガスをガス室2
4を経て噴出口23から炭酸ガスレーザビームの外周に
沿って流すことができる。
【0023】筒状部材17は、ガス導入手段18の出射
側(図の下側)に設けられ、その内径がレーザビームL
1 、L2 の出射方向につれて小さくなる先細り形状を有
しており、筒状部材17の中心軸がレーザビームL1
2 の光軸と同軸のテーパ状の円筒であると共に、その
内部をレーザビームL1 、L2 が通過すると共にガスが
滑らかに流れるようになっている。尚、筒状部材17の
内壁は図では直線状になっているが、これに限定され
ず、ガスがレーザビームL1 、L2 の周囲に沿って流れ
ると共に、レーザビームL1 、L2 の進行を妨げないの
であれば曲線状に湾曲していてもよい。さらにはストレ
ートの管でもよい。
【0024】ガスには、空気、Ar、N2 、O2 及びH
e等のいずれかが用いられる。
【0025】内径調節手段20は、筒状部材17の出射
側(図の下側)に設けられ、つまみ26と、つまみ26
に回転軸27を介して接続された光採絞り(開口絞り)
機構28とからなり、つまみ26の回転角度に応じてそ
の出口(開口)19の径Dが変化するようになってい
る。ガスの流量をFとし、その内径をDとすると、流量
Fが大きいときは内径Dも大きくなり、逆に流量Fが小
さいときは内径Dも小さくなるように設定される。内径
Dはビームスポット径の5倍から100倍に選択され
る。例えば、ビームスポット径が100μmの場合、D
は0.5mmから10mmの範囲から選択される。尚、
ガスの流量Fは1リットル/分から15リットル/分の
範囲が好ましい。
【0026】He−Neレーザ14は、加工すべきガラ
ス材料10への炭酸ガスレーザビームL1 の照射位置
(加工位置)が明確に目視できるようにするために用い
られる。すなわち、He−NeレーザビームL2 がガラ
ス材料10の加工位置を照射するようにガラス材料10
の位置を調整するために用いられる。ガラス材料10の
加工位置の調整が終了した後、炭酸ガスレーザビームL
1 をHe−NeレーザビームL2 に重畳させるか、ある
いはHe−Neレーザ14をオフにした後で炭酸ガスレ
ーザ11をオンにしてガラス材料10を加工することが
できる。
【0027】次に実施例の作用を述べる。
【0028】ガス導入管22にガスを流すと、ガスは、
ガス室24、噴出口23及び筒状部材17内を矢印方向
に進み、レーザビームL1 、L2 の外周に沿って流れて
出口からガラス材料上に吹き出す。
【0029】すなわちガラス材料10の加工前には、ガ
ラス材料10上の炭酸ガスレーザビームが照射される部
分に吹き付けられるので、ガラス材料10の汚染が防止
される。ガラス材料10の加工中は炭酸ガスレーザビー
ムL1 の照射によって揮発したガラス材料10の微粉末
がこのガスにより吹き飛ばされるので、ガラス材料10
への付着が防止される。さらに、レーザビームL1 、L
2 の外周に沿ってガスを一様に吹き付けることにより、
ビームスポット径内の光パワー分布を対称性良く保持す
ることができ、ガラス材料10の均一な加工を行うこと
ができる。炭酸ガスレーザ等のレーザビームは、ガラス
材料10に良く吸収されるので、ガラス材料10を短時
間で鏡面状態に加工することができる。レーザビームL
1 、L2 を筒状部材17内に伝搬させることにより外部
の擾乱を抑圧することができる。しかも、筒状部材17
の出口19の内径DをレーザビームL1 、L2 のスポッ
ト径の5倍から100倍の範囲に先細りさせることによ
り、ガスの線速度が向上し、ガスシール性が向上する。
【0030】ここで、具体的な数値等を挙げて本発明の
ガラス加工装置による加工例を説明するが、この数値に
より限定されるものではない。
【0031】図2は、石英ガラス基板を図1に示したガ
ラス加工装置を用いて切断したものの外観斜視図の一部
である。
【0032】これは炭酸ガスレーザビームL1 (図1参
照)を厚さ約1mmの石英ガラス基板30に照射すると
共に、この炭酸ガスレーザビームL1 が、図3(a)に
示したC−C線に沿って移動するように石英基板30を
一定速度で移動させ、図3(b)に示した石英ガラス基
板30aを得るものである。尚、図3(a)は図1に示
した装置により切断される前の石英ガラス基板の平面
図、図3(b)は図1に示した装置により切断された後
の石英ガラス基板の平面図を示す。
【0033】図4は図2に示した石英ガラス基板の表面
エッジ部P1 を示す図であり、図5は図2に示した石英
ガラス基板の裏面エッジ部P2 を示す図であり、図6は
図2に示した石英ガラス基板の端面部P3 を示す図であ
る。図4〜図6より石英ガラス基板30aの端面には欠
けやチッピング等が全く生じておらず、極めて正確に加
工されているのがわかる。また端面部も研磨した場合よ
り正確に鏡面加工されている。尚、これは、炭酸ガスレ
ーザビームL1 の光パワーが約70W、ビームスポット
径が約100μm、石英基板30の移動速度が約1mm
/秒、筒状部材17の出口口径Dが約8mm、ガスが空
気、ガス圧が約1.5Kg/cm2 、ガス流量が約0.
5リットル/分として石英ガラス基板30を加工した結
果である。
【0034】このように本願の加工方法を用いれば石英
ガラス基板の切断と研磨とを同時に行うことができる。
しかも極めて短時間で加工することができ、かつ機械的
破損及びダメージを全く受けることがない。また、クリ
ーンな雰囲気で加工できるので、光損失となる不純物の
付着や汚染等がない。さらにガラス基板の端面を垂直性
良く加工することができる。
【0035】図7は石英ガラス基板40の上にSiO2
−TiO2 ガラス膜41を形成したものを、図1に示し
たガラス加工装置を用いて切断した場合の外観斜視図の
一部である。
【0036】図8は図7に示した基板の表面エッジ部P
4 を示す図、図9は図7に示した基板の裏面エッジ部P
5 を示す図である。
【0037】図7において、石英基板40の厚さは約1
mm、SiO2 −TiO2 ガラス膜41の厚さは約10
μmであり、このガラス膜41は電子ビーム蒸着法で形
成されている。尚、炭酸ガスレーザビームはガラス膜4
1の表面から照射した。TiO2 はSiO2 中に約0.
5重量%添加されている。この場合も図4の場合と同じ
ように非常に垂直性良く、かつ、鏡面状態の端面を得る
ことができた。また端面の欠けやチッピングも全くなか
った。
【0038】本願のガラス加工装置によるガラス材料
は、ガラス平板に限定されるものではなく、図10
(a)及び図10(b)に示すようなガラス棒(あるい
はガラス管)をD−D線に沿って切断する場合、図11
に示すような三角錐状のガラスプリズムをE−E線に沿
って切断する場合、図12に示すようなガラスが平坦で
なく湾曲した板状レンズをF−F線及びG−G線に沿っ
て切断する場合、図13に示すような波状ガラス板をH
−H線及びI−I線に沿って切断する場合等にも容易に
適用できる。尚、図10(a)はガラス棒の側面図、図
10(b)はガラス棒の断面図、図11はガラスプリズ
ムの外観斜視図、図12は板状レンズの断面図、図13
は波状ガラス板の断面図をそれぞれ示す。
【0039】次に本実施例の効果を確認するための実験
結果を示す。
【0040】図14は図1に示したガラス加工装置の筒
状部材17の出口の口径Dを約20mmとし、レーザビ
ームスポット径(約0.1mm)の200倍に設定した
場合における炭酸ガスレーザビームの照射結果を示す図
である。同図に示すように出口口径Dが大きくなるとエ
ッジ部に凹凸が生じる。これはレーザビームの外周を覆
っているガスが発散してしまい、外部の擾乱によって乱
されたためと考えられる。
【0041】図15は図1に示したガラス加工装置の筒
状部材内に流すガスを故意に乱した場合における炭酸ガ
スレーザビームの照射結果を示す図である。同図に示す
ようにエッジ部には極端な凹凸が発生することがわかっ
た。
【0042】図16は図1に示したガラス加工装置の筒
状部材内にガスを流さず、かつ、筒状部材の出口口径D
を約8mmに絞った場合における炭酸ガスレーザビーム
の照射結果を示す図である。同図に示すように揮発した
ガラス微粉末が切断部に付着し、エッジ部が垂直性良
く、かつ鏡面状態に加工できないことがわかった。
【0043】図14から図16まで示した実験結果はガ
ラス部材の切断加工についてのみ示したが、穴あけ加
工、スリット形成についても適用することができる。
【0044】図17は図1に示したガラス加工装置を用
いてガラス基板に溝を形成した場合の外観斜視図の一部
である。同図よりガラス基板50に形成された溝51の
幅が深さ方向(下方向)につれて狭くなっているのがわ
かる。これは炭酸ガスレーザビームの形状が先細りして
いるためである。
【0045】図18は図17に示したガラス基板の表面
の図を示しており、幅W1 の溝上部のエッジ部が示され
ている。図19は図17に示したガラス基板の裏面の図
を示しており、幅W2 の溝下部のエッジ部が示されてい
る。図20は図17に示したガラス基板の溝先端部の裏
面の図を示している。これらの図より溝51のエッジ部
には凹凸がほとんど発生していないのがわかる。
【0046】図21は本発明のガラス加工装置に用いら
れる加工ヘッドの他の実施例の断面図である。
【0047】図1に示したガラス加工装置に用いられる
加工ヘッド12との相違点は、噴出口が筒状部材の周方
向だけでなく伝搬方向にも形成されている点である。
【0048】図21に示すように、加工ヘッド60は、
炭酸ガスレーザ11及びHe−Neレーザ14の出射側
に設けられ炭酸ガスレーザビームL1 及びHe−Neレ
ーザビームL2 (図1参照)を集光する集光レンズ61
と、集光レンズ61の出射側に設けられ集光したレーザ
ビームL1 、L2 を覆うと共に、径方向及びレーザビー
ムL1 、L2 の伝搬方向に複数の噴出口62が形成され
た先細り構造の筒状部材63と、この筒状部材63を覆
うように設けられ筒状部材63の周囲にガス室64を形
成する他の筒状部材65と、このガス室64に連通し、
集光したレーザビームL1 、L2 の外周に沿って筒状部
材63内にガスを流すためのガス導入管66と、筒状部
材63の出射側に設けられ出口67の内径を調節する内
径調節手段68とを備えている。尚、ガス導入管66、
噴出口67、筒状部材63及び他の筒状部材65でガス
導入手段を形成している。この加工ヘッド60は図1に
示したガラス加工装置の加工ヘッド12と同様に使用す
ることができる。
【0049】この加工ヘッド60のガス導入管66にガ
スを導入すると、ガスは図中矢印の方向に進み、炭酸ガ
スレーザビームL1 をガラス材料に照射して加工するこ
とができる。すなわち炭酸ガスレーザ及びHe−Neレ
ーザビームの周囲に沿って一様にガスが流れ、ガラス材
料を汚染したり、ダメージを与えたりすることなく、短
時間で垂直性良く鏡面状態が得られる。
【0050】このように本実施例によれば、集光したレ
ーザビームを、筒状部材内を通過させてガラス材料に照
射し、筒状部材にガスを供給すると共にそのガスをレー
ザビームの外周に沿って流し、筒状部材の出口の内径
を、レーザビームのスポット径の5倍から100倍に設
定したので、ガラス材料を汚染したり、ダメージを与え
たりすることなく、短時間で垂直性良く鏡面状態が得ら
れるガラス加工方法及びその装置を提供することができ
る。
【0051】尚、本実施例では加工用のレーザに炭酸ガ
スレーザを用いたが、これに限定されず、YAGレーザ
やArレーザ等を用いてもよい。炭酸ガスレーザの照射
位置確認用にHe−Neレーザを用いたが、これに限定
されるものではなく、例えば外部から可視光をガラス材
料上の炭酸ガスレーザの照射位置に照射するようにして
もよい。
【0052】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0053】(1) ガラス材料を加工する前及び加工中に
ガスを吹き付けるので、クリーンな雰囲気が得られ、炭
酸ガス照射によって揮発したガラスの微粉末を吹き飛ば
すので光導波路を汚染することがない。
【0054】(2) 炭酸ガスレーザビームの外周に沿って
ガスを一様に吹き付けるので、ビームスポット径内の光
パワー分布を対称性良く保持することができ、均一な加
工ができる。
【0055】(3) 炭酸ガスレーザビームは、ガラス材料
からなる光導波路によく吸収されるので、短時間(数秒
〜数十秒)で加工することができ、加工面を鏡面状態に
することができる。
【0056】(4) 炭酸ガスレーザビームを筒状部材内に
伝搬させることによって外部の擾乱を抑圧することがで
きる。
【0057】(5) 筒状部材の出口内径をビームスポット
径の10倍から100倍の範囲に先細りさせることによ
り、外部の擾乱の影響を抑圧し、かつガスの線速度を向
上させることにより、ガスシール効果が得られ、ビーム
スポット径内のパワー分布の対称性を保持することがで
きる。
【0058】(6) ガラス材料の切断と研磨とを同時に行
うことができ、その切断面は垂直性良く、かつ鏡面状態
にすることができる。
【0059】(7) ガラス材料の端面の欠けや機械的ダメ
ージによる破損がない。
【0060】(8) 任意の形状のガラス材料を切断加工す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス加工方法を適用したガラス加工
装置の一実施例の概略図である。
【図2】石英ガラス基板を図1に示したガラス加工装置
を用いて切断したものの外観斜視図の一部である。
【図3】(a)は図1に示した装置により切断される前
の石英ガラス基板の平面図、(b)は図1に示した装置
により切断された後の石英ガラス基板の平面図を示す。
【図4】石英ガラス基板の表面エッジ部P1 を示す図で
ある。
【図5】石英ガラス基板の裏面エッジ部P2 を示す図で
ある。
【図6】石英ガラス基板の端面部P3 を示す斜視図であ
る。
【図7】石英ガラス基板の上にSiO2 −TiO2 ガラ
ス膜を形成したものを、図1に示したガラス加工装置を
用いて切断した場合の外観斜視図の一部である。
【図8】基板の表面エッジ部P4 を示す図である。
【図9】基板の裏面エッジ部P5 を示す図である。
【図10】図1に示したガラス加工装置によって切断、
研磨可能な(a)はガラス棒の側面図、(b)はガラス
棒の断面図である。
【図11】図1に示したガラス加工装置によって切断、
研磨可能なガラスプリズムの外観斜視図である。
【図12】図1に示したガラス加工装置によって切断、
研磨可能な板状レンズの断面図である。
【図13】図1に示したガラス加工装置によって切断、
研磨可能な波状ガラス板の断面図をそれぞれ示す。
【図14】筒状部材の出口口径Dを約20mmとし、レ
ーザビームスポット径の200倍に設定した場合におけ
る炭酸ガスレーザビームの照射結果を示すガラス基板の
斜視図である。
【図15】図1に示したガラス加工装置の筒状部材内に
流すガスを故意に乱した場合における炭酸ガスレーザビ
ームの照射結果を示すガラス基板の図である。
【図16】図1に示したガラス加工装置の筒状部材内に
ガスを流さず、かつ、筒状部材の出口口径Dを約8mm
に絞った場合における炭酸ガスレーザビームの照射結果
を示す図である。
【図17】図1に示したガラス加工装置を用いてガラス
基板に溝を形成した場合の外観斜視図の一部である。
【図18】石英ガラス基板の表面の図を示している。
【図19】基板の裏面の図を示している。
【図20】基板の溝先端部の裏面の図を示している。
【図21】本発明のガラス加工装置に用いられる加工ヘ
ッドの他の実施例の断面図である。
【図22】従来の石英ガラス材料の切断、研磨方法を示
す説明図である。
【符号の説明】
11 炭酸ガスレーザ 12 加工ヘッド 13 反射ミラー 14 He−Neレーザ 15 ハーフミラー 16 集光レンズ 17 筒状部材 18 ガス導入手段 19 出 口 20 内径調節手段 21 レンズホルダ 22 ガス導入管 23 噴出口 24 ガス室 25 環状ブロック 26 つまみ 27 回転軸 28 光採絞り機構

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸ガスレーザ等のレーザビームを集光レ
    ンズを用いて集光し、集光したレーザビームをガラス材
    料に照射して該ガラス材料を加工するガラス加工方法に
    おいて、前記集光したレーザビームを、筒状部材内を通
    過させてガラス材料に照射し、前記筒状部材内にガスを
    噴出するための複数の噴出口をレーザビームに対して周
    方向に形成させ、各噴出口の中心軸は前記筒状部材の内
    径方向かつレーザビームの出口側を向くように斜めに形
    成させて前記筒状部材内にガスを供給すると共にそのガ
    スをレーザビームの外周に沿って流し、前記筒状部材の
    出口の内径を、レーザビームのスポット径の5倍から1
    00倍に設定したことを特徴とするガラス加工方法。
  2. 【請求項2】前記筒状部材の出口付近の内径をビームの
    伝搬方向に沿って先細りにしたことを特徴とする請求項
    1に記載のガラス加工方法。
  3. 【請求項3】前記ガスの流量が大きいときには前記筒状
    部材の出口内径が大きく、前記ガスの流量が小さいとき
    には前記筒状部材の出口内径が小さくなるように調節し
    たことを特徴とする請求項1に記載のガラス加工方法。
  4. 【請求項4】前記ガラス材料に、板状、棒状、管状のい
    ずれかを用いたことを特徴とする請求項1に記載のガラ
    ス加工方法。
  5. 【請求項5】前記ガラス材料の加工は、切断、溝切り、
    穴あけ及びガラス材料同の溶着に適用することを特徴
    とする請求項1に記載のガラス加工方法。
  6. 【請求項6】炭酸ガスレーザ等のレーザと、該レーザの
    出射側に設けられレーザビームを集光する集光レンズ
    と、該集光レンズの出射側に設けられ集光したレーザビ
    ームを覆う筒状部材と、前記集光したレーザビームの外
    周に沿って前記筒状部材内にガスを流すガス導入手段
    と、前記筒状部材の出射側に設けられ出口の内径を調節
    する内径調節手段とを備え、前記ガス導入手段は、外部
    からガスを導入するためのガス導入管と、該ガス導入管
    に連通し外部からのガスを前記筒状部材内に噴出するた
    めの複数の噴出口を有し、それら噴出口はレーザビーム
    に対して周方向に形成され、各噴出口の中心軸は前記筒
    状部材の内径方向かつレーザビームの出口側を向くよう
    に斜めに形成されていることを特徴とするガラス加工装
    置。
  7. 【請求項7】前記筒状部材が前記レーザビームの伝搬方
    向に沿って先細り状に形成され、前記レーザビームの集
    光位置が前記筒状部材の出口の前方になるように形成し
    たことを特徴とする請求項6に記載のガラス加工装置。
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