JP2873110B2 - スリングおよびその製造方法 - Google Patents

スリングおよびその製造方法

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JP2873110B2 JP3113573A JP11357391A JP2873110B2 JP 2873110 B2 JP2873110 B2 JP 2873110B2 JP 3113573 A JP3113573 A JP 3113573A JP 11357391 A JP11357391 A JP 11357391A JP 2873110 B2 JP2873110 B2 JP 2873110B2
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    • D07B7/165Auxiliary apparatus for making slings

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  • Ropes Or Cables (AREA)
  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はスリングおよびその製
造方法に関し、詳しくは、各種物品の荷役運搬作業にお
いて、物品をクレーンなどで吊り下げる際に用い、合成
繊維等からなるスリングと、このようなスリングを製造
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的なベルトスリングには、無端環状
の帯材からなるループ型スリングと、1本の帯材の両端
に環状の吊り環を設けたアイ型スリングがある。ループ
型スリングを製造する方法としては、合成繊維の編織体
からなる帯材を環状にして両端を縫製などの手段で接合
する方法や、上記のような帯材、あるいは、ループ状に
引き揃えた糸いわゆるカセを、布から縫製された袋状の
外被体で包み込んでおく方法が知られている。
【0003】前記カセを袋状外被体で包み込んでおくも
のの場合、予め作製されたループ状のカセに、袋状外被
体となる帯状の布を沿わせて包み込み、布の側端を重ね
て縫製し、カセを覆う筒状の外被体を作製した後、この
筒状の外被体を裏返して縫製の縫い代部分を内側に隠
し、最後に筒状外被体の両端を縫製して袋状外被体を形
成する方法が採用されている。
【0004】また、アイ型スリングの場合には、直線状
の帯材の両端を部分的に折り返し接合して吊り環を形成
する方法や、ループ状に形成された帯材や前記カセを袋
状外被体で包み込んだものの中央部分を縫製などで接合
して、両端に小さな環状の吊り環を残す方法、筒状の外
被体にループ状のカセを二つ折りに重ね合わせた状態で
通して、筒状の外被体から露出したカセの両端のみを布
で小さな吊り環状に包み込んで縫製する方法などが知ら
れている。
【0005】上記説明のうち、カセを用いるなど、予め
無端環状に作製された芯体を袋状外被体で包み込んだ構
造のスリングは、柔軟な袋状外被体が吊り下げ物品に当
接し、荷重が加わったときには芯体と袋状外被体とが相
対的に移動もしくは滑ることができる等の作用により、
物品を傷つけることが少なく、また、物品の荷重が偏っ
て加わわらず、安定して支持しておけるなどの数多くの
利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来における袋状外被体を用いるスリングの製造方法で
は、袋状外被体の縫製工程に手間がかかるという問題が
あった。特に、予めループ状に形成されたカセなどの無
端環状をなす芯体を袋状外被体で包み込む構造の場合に
は、芯体を筒状に包んだ布の側端を縫製したり、筒状に
形成された布の両端を縫製で閉じて袋状外被体を作製す
る工程が非常に面倒であり、スリングの製造工程を複雑
化し、製造時間やコストを増大させる大きな要因になっ
ていた。
【0007】また、袋状外被体を縫製で接合したもの場
合、縫い目が表面に露出していると、この縫い目が吊り
下げ物品などと擦れて切れ易いという欠点がある。前記
したように、布を筒状に縫製した後、これを裏返して縫
い代が内側に隠れるようにすることも行われているが、
芯体を通した状態で長い筒状の布を裏返す作業は非常に
手間がかかる。また、袋状外被体を構成する布の材料に
耐磨耗性や耐久性などに優れたものを用いても、縫い目
部分の強度がどうしても弱くなるので、スリング全体と
しての強度や耐久性に劣るという欠点もあった。
【0008】そこで、この考案の課題は、無端環状をな
す芯体を袋状外被体で包み込んだ構造のスリングであっ
て、製造が容易で強度や使用性能にも優れたスリングを
提供することにある。また、このようなスリングを能率
的に製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかるスリングは、無端環状をなす芯体の外周
を、芯体の外周で直接成形されてなる柔軟な中空外被体
が、実質的に芯体とは分離された状態で覆っている。ま
た、この発明にかかるスリングの製造方法のうち、第1
の製造方法は、無端環状をなす芯体の外周に、芯体との
間に間隔をあけて、実質的に芯体とは分離された状態で
柔軟性材料を中空状に押出成形し、成形された中空外被
体で芯体の外周を覆う。
【0010】芯体は、合成樹脂繊維を撚糸してなる糸や
合成繊維の単繊維そのものなどを、ループ状に何度も巻
回し引き揃えて製造される繊維束からなるものや、合成
樹脂糸を無端環状の帯に編織したものなど、通常のスリ
ングに使用されている各種の芯体が使用できる。芯体と
しては、出来るだけ接合部分や縫い目のないものが、使
用性能の点で優れており、好ましいものとなる。
【0011】ループ型スリングでは、無端環状をなす芯
体がそのままでひとつのループを構成するようにして用
いるが、アイ型スリングでは、無端環状をなす芯体の中
央を一体的に接合して、両端に小さな環状部を残すよう
にして用いる。柔軟性材料は、スリングとして使用する
際の負荷に耐える耐久性や耐磨耗性があり、スリングと
して必要な程度の柔軟性を有する合成樹脂または合成ゴ
ムなどであって、押出成形による成形が可能であれば、
通常の荷役作業用機材や運搬機材などに用いられている
各種の成形材料が使用できる。具体的には、PVC樹脂
やゴム等が使用できる。
【0012】中空外被体は、芯体が外部に露出しないよ
うに、芯体の全外周を覆うとともに、芯体と中空外被体
が実質的に分離した状態にしておく。実質的に分離と
は、中空外被体と芯体とが、局部的に点状あるいは狭い
面積で接合されている個所があってもよいが、大部分の
個所では、中空外被体と芯体とが相対的に移動可能にな
っている状態を言う。
【0013】中空外被体の断面形状は、芯体の断面形状
に合わせたり、使用性能を考慮して任意に設定できる
が、例えば、円形状、楕円形状、長円形状、矩形状など
が採用できる。中空外被体で芯体の外周を覆うには、芯
体の外周に、中空外被体を構成する柔軟性材料を直接押
出成形する方法が適用できる。押出成形は、成形品の断
面形状に対応する口金部を備えた成形ヘッドから溶融状
態の成形材料を押し出し、放冷あるいは強制冷却して、
成形材料を硬化成形する。したがって、芯体の外周に、
中空外被体の断面形状に対応する口金部を備えた成形ヘ
ッドを配置した状態で、前記柔軟性材料の押出成形を行
えばよい。
【0014】成形ヘッドは、無端環状をなす芯体の外周
に配置できるように、少なくとも口金部の一部を含む個
所を割り型構造にしておくことが好ましい。また、成形
ヘッドの口金部の中心に、芯体を通す貫通部を設けてお
く。成形ヘッドと芯体は、相対的に軸方向に移動自在に
取り付けられる。さらに、成形ヘッドの口金部から押し
出された溶融状態の柔軟性材料が、そのまま芯体に含浸
されたり、芯体の表面に一体接合されてしまわないよう
に、芯体との間に間隔をあけて、柔軟性材料を押し出
す。そのためには、成形ヘッドの口金部の内径を芯体の
外径よりも少し大きくしておくことが好ましい。また、
柔軟性が芯体と接触しても含浸あるいは接合されない程
度に硬化するまで、中空外被体と芯体を分離しておく隔
壁などの分離手段を設けたり、成形された中空外被体を
急速に冷却する手段を設けておくことができる。さら
に、芯体の外周に後述する隔離剤層を形成しておいても
よい。
【0015】無端環状をなす芯体の外周に中空外被体を
押出成形する場合、押出成形を開始する点と押出成形を
終了する点で、中空外被体に断続点が生じる可能性があ
るが、このような断続点は、押出成形を終了した部分の
柔軟性材料が硬化する前に中空外被体の端部を融着一体
化させたり、接着剤で接合したり、加熱融着させたりす
ることによって塞ぐことができる。
【0016】アイ型スリングを製造する場合、無端環状
をなす芯体のうち、まず、吊り環部分となる一定長さ分
に柔軟性材料を押出成形して芯体の外周を部分的に覆っ
た後、その中央部分の芯体を重ね合わせた状態で、外周
に柔軟性材料を押出成形すれば、吊り環部分およびその
中間の中央部分の何れもが、良好に中空外被体に覆わ
れ、しかも、中空外被体と芯体とが確実に分離されたス
リングが製造できる。
【0017】押出成形された中空外被体の外表面に、軸
方向と直交する方向に凹溝を設けておけば、中空外被体
が曲がり易くなり、スリングの柔軟性がより向上する。
また、中空外被体の表面のうち、物品やクレーンのフッ
クなどに当接する個所に、細かな凹凸を設けておけば、
物品などが滑らず確実に支持しておける。つぎに、この
発明にかかるスリングの製造方法のうち、第2の方法
は、無端環状をなす芯体の外周を覆って隔離剤層を形成
し、隔離剤層の外周に中空外被体となる柔軟性材料の成
形液を層状に付着させ、この成形液層を硬化させるとと
もに、成形硬化された中空外被体と芯体の間から隔離剤
層を除去し、中空外被体が、実質的に芯体とは分離され
た状態で、芯体の外周を覆うようにする。
【0018】この方法では、前記方法と同様にして形成
された芯体の外周を隔離剤層で覆う。隔離剤層として
は、後述する中空外被体の成形液が芯体に接触しないよ
うに隔離しておくことができるとともに、中空外被体が
成形硬化された段階で、加熱等により溶融したり分解し
たりして、中空外被体と芯体の間から隔離剤層を除去で
きるような材料を用いる。隔離剤層の除去は、中空外被
体と芯体、あるいは、芯体同士を接合している部分の隔
離剤層が取り除かれればよいのであり、芯体の内部など
に隔離剤が残っていても差し支えない。なお、隔離剤が
中空外被体の内部に残ったままになる場合には、スリン
グ全体の柔軟性を損なわないような材料が好ましい。具
体的には、ステアリン酸その他の高級飽和脂肪酸のよう
なロウ状の物質が隔離剤として好ましいものとなる。
【0019】隔離剤は、液状態で、芯体の外周に塗布し
たり、芯体を浸漬したりすることによって、芯体の外周
に一定厚みの膜を形成させる。隔離剤を硬化させて隔離
剤層を形成するには、一定の温度条件で液状になったり
硬化したりするものであれば、加熱および冷却によっ
て、隔離剤層が容易に形成できる。芯体の外周に隔離剤
層を形成する手段は、通常の各種製品における膜形成手
段が自由に適用できる。隔離剤層は、芯体の外周と中空
外被体の成形液層を隔離することができればよく、芯体
同士の隙間や芯体内部には侵入しないほうが好ましい。
そのため、芯体を隔離剤液に浸漬して隔離剤層を形成す
る場合、芯体を束ね緊張状態にして芯体同士の間に隙間
が生じないようにしてから、隔離剤液に浸漬すれば、芯
体の隙間や内部まで隔離剤液が侵入し難い。
【0020】中空外被体の成形液は、前記押出成形に用
いられる成形材料と同様のものが用いられる。但し、中
空外被体の成形液を隔離剤層の外周に層状に付着させた
ときに、隔離剤層を侵したり溶融しない材料を用いる。
成形液層を形成する手段としては、前記隔離剤層の形成
手段と同様の手段が利用でき、塗布あるいは浸漬その他
の膜形成手段が用いられる。
【0021】成形液層を硬化させて中空外被体を成形す
る。成形液層の硬化手段としては、成形液の種類に合わ
せて任意の手段が適用されるが、例えば、加熱硬化によ
る方法、紫外線などの光硬化あるいは放射線硬化による
方法などが用いられる。隔離剤層を除去するには、成形
液層の硬化工程における加熱等で隔離剤層が溶融するよ
うにしておいてもよいし、成形液層の硬化すなわち中空
成形体の成形が終了した後、別な工程で隔離剤層を溶融
させたり分解させたりしてもよい。前記した高級飽和脂
肪酸などは、成形液層の加熱硬化温度で容易に溶融する
ので好ましい。
【0022】隔離剤層は、溶融状態で芯体に吸収された
り分解したりして、少なくとも、芯体と中空成形体の間
で再硬化して、中空成形体と芯体あるいは芯体同士を接
合してしまわないようにしておく。前記した高級飽和脂
肪酸の場合、芯体内部に良好に吸収されるので好まし
い。中空成形体の一部に孔をあけて、ここから溶融もし
くは分解あるいは気化した隔離剤を排出することも可能
である。
【0023】
【作用】予め作製された無端環状をなす芯体の外周で、
柔軟な中空外被体を直接成形し、この中空外被体で芯体
の外周を覆うようにすれば、従来のように、布を縫製し
て芯体の外周を覆う必要が無くなる。中空外被体を成形
する方法として、芯体の外周で、芯体との間に間隔をあ
けて、柔軟性材料を中空状に押し出し、柔軟性材料が芯
体に含浸されたり接合されたりしないようにして、中空
外被体と芯体とが分離された状態で、芯体の外周を覆う
ようにすれば、スリングを使用したときに、中空外被体
と芯体とが互いに滑って相対的に移動することが可能に
なり、従来の芯体の外周を袋状の布からなる外被体で覆
ったスリングと同様の機能をも良好に発揮することがで
きる。
【0024】予め作製された芯体と中空外被体とを組み
立てるのでなく、芯体の外周に直接押出成形で中空外被
体を成形するので、製造工程が簡略化される。また、中
空外被体を成形する方法として、芯体の外周を隔離剤層
で覆ってから、その外周に中空外被体となる柔軟性材料
の成形液を層状に付着させ、この成形液層を硬化させる
とともに、成形硬化された中空外被体と芯体の間から隔
離剤層を除去すれば、前記方法と同様に、中空外被体と
芯体とが分離された状態でスリングを製造することがで
き、製造工程も簡略化できる。特に、この方法では、ア
イ型スリングのような複雑な構造のものでも、成形液の
塗布や浸漬は比較的簡単に行え、前記押出成形では成形
が困難な構造のものでも製造が可能になる。また、芯体
の外周を継ぎ目なく覆った成形液層を硬化させれば、全
く継ぎ目のない中空成形体を成形することも可能にな
る。
【0025】
【実施例】ついで、この発明の実施例を図面を参照しな
がら以下に説明する。図1は、ループ型スリングの構造
を示している。1本の撚糸を何度も巻回して形成された
無端環状の糸束いわゆるカセからなる芯体10の外周
に、柔軟性材料からなる中空外被体20が覆っている。
図1(b) に示すように、中空外被体20の内面と芯体1
0の外面との間には隙間があいており、中空外被体20
の内部で芯体10および芯体10を構成する各撚糸は自
由に移動できるようになっている。図では、説明を判り
易くするために、芯体10および中空外被体20とも円
形状で示しているが、芯体10を構成する多数の糸は互
いにバラバラであり、中空外被体20も柔軟な材料から
なるので、スリングを静置した状態では、中空外被体2
0が偏平に変形したり、芯体10を構成する各糸の固ま
りが崩れて偏平に拡がり、スリング全体が偏平な帯状に
なることができる。
【0026】図2は、アイ型スリングの構造を示してい
る。上記図1の実施例と異なるのは、無端環状の芯体1
0が、両端に小さな環状部分を残した状態で中央の大部
分が重ね合わせられており、このような芯体10の外形
状に沿って中空外被体20が設けられていることであ
る。したがって、スリングとしては、中間に太い直線的
な中央部3が構成され、中央部3の両端に吊り環部4が
構成される。
【0027】つぎに、図3および図4は、前記ループ型
スリングの製造方法として、押出成形による方法を示し
ている。芯体10を製造する方法は、従来の通常のスリ
ングにおけるカセ状の芯体10の製造方法と同様であ
る。具体的には、例えば、間隔をあけて配置された一対
のドラムに対して、1本の糸を交互に何度も巻回して引
き揃え、全体がループ状をなす糸束すなわちカセを作製
すればよい。
【0028】このようにして作製された無端環状の芯体
10に対して、成形ヘッド50を装着する。図4に示す
ように、成形ヘッド50は、基本的には、通常の押出成
形に用いられるものと同様の構造を備えており、図示し
ないが、成形材料を貯えておくホッパーや溶融押出スク
リュー等に接続されていて、溶融状態の柔軟性材料Pが
成形ヘッド50の内部に供給されてくる。
【0029】成形ヘッド50には、貫通部52が設けら
れており、この貫通部52に芯体10が通される。無端
環状の芯体10を貫通部52に通すため、成形ヘッド5
0のうち、貫通部52を囲む外周の一部50aが割り型
構造をなっていて、この部分50aが着脱できるように
なっている。したがって、この着脱部50aを取り外し
た状態で、芯体10の外周に成形ヘッド50を配置した
後、着脱部50aを取り付けるようにすればよい。
【0030】貫通部52の外周には、環状の口金部54
が設けられている。口金部54の断面形状は、成形する
中空外被体20の断面形状に合わせて作製されている。
口金部54の内径は、貫通部52に通した芯体10の外
径よりも少し大きく設定されている。成形ヘッド50の
口金部54から柔軟性材料を押し出すと、芯体10の外
側に、芯体10の外周面との間に隙間をあけた状態で、
環状に柔軟性材料が押し出されて硬化し、中空外被体2
0が成形される。柔軟性材料が硬化成形されるまで、柔
軟性材料と芯体10が接触しなければ、中空外被体20
と芯体10とは、互いに分離された状態で、芯体10の
外周を中空外被体20が覆う状態になる。成形ヘッド5
0と芯体10の、どちらか一方あるいは両方を互いの軸
方向に移動させることによって、芯体10の全周に沿っ
て中空外被体20を成形することができる。
【0031】図5および図6には、前記したアイ型スリ
ングの製造方法を示している。 まず、図5に示すよう
に、無端環状をなす芯体10の2個所に、短い中空外被
体22を成形する。具体的な成形手順は、前記実施例と
同様でよい。図6に示すように、短い中空外被体22を
両端にして、芯体10を重ね合わせた状態にする。短い
中空外被体22の部分には、支持軸60などを通して環
状になるように支持しておく。重ね合わされた芯体10
の端部で短い中空外被体22に隣接する位置に、成形ヘ
ッド50を配置する。成形ヘッド50の貫通部52およ
び口金部54の構造は、重ね合わされた太い芯体10を
通せるようにしておく。この状態で、前記同様に柔軟性
材料を押出成形すれば、短い中空外被体22とつながっ
た状態で、太い中空外被体24が成形されることにな
る。このようにして、反対側の短い中空外被体22のほ
うまで、太い中空外被体24を成形すれば、図2に示さ
れているように、中央部3の両端に吊り環部4を備えた
アイ型スリングが製造できる。
【0032】つぎに、隔離剤層と成形液層を形成する方
法を説明する。但し、芯体10の作製は前記実施例と同
様に行われるので、説明を省略する。
【0033】〔隔離剤層の形成工程〕隔離剤としてステ
アリン酸を用い、この隔離剤を溶かした80±3℃の溶
融液中に、芯体10を浸漬した。このとき、芯体10が
ばらけないように、緊張状態に保ったままで、隔離剤液
に浸漬した。隔離剤液から引き上げた芯体10を、30
分間冷風乾燥させたところ、芯体10の外周に厚み2.
5mmの隔離剤層が形成された。
【0034】〔中空外被体の成形工程〕成形液として、
PVCプラスチゾル〔デックペーストCT−3002、
大日本インキ(株)製、粘度29900cps(23
℃)、26000cps (30℃)〕を用いた。この成形
液に、前記隔離剤層が形成された芯体10を浸漬した。
成形液から引き上げ、外周に成形液が付着した芯体10
を、175℃で10分間加熱した。
【0035】成形液は加熱硬化して、芯体10の外周を
覆う中空外被体20が成形された。中空外被体20の厚
みは、1.2mmであった。隔離剤層は、加熱により溶融
し、溶融した隔離剤は芯体10の内部に吸収されてしま
った。したがって、芯体10の外周と中空外被体20の
間の隔離剤層は除去されてしまったことになる。芯体1
0に吸収された隔離剤層は、芯体10の柔軟性や使用性
能を阻害することはなかった。
【0036】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかるスリン
グおよびその製造方法によれば、無端環状をなす芯体の
外周に、直接、芯体の外周で成形することによって柔軟
な中空外被体を形成しているので、製造工程が非常に簡
略化されると同時に、スリングの使用性能にも優れたも
のとなる。
【0037】すなわち、従来の布を縫製する作業に比べ
て、はるかに簡単で能率的に作業が行われるとともに、
強度的に弱点となる縫い目がないので、スリング全体の
強度や耐久性を大幅に向上させることができる。また、
予め芯体と中空外被体とを別々に作製して、組み立て一
体化させるのでなく、中空外被体の成形と同時に、中空
外被体で芯体の外周を覆うようにしているので、それぞ
れの製造設備を別々の場所に設置したり、それぞれの工
程間で加工品を搬送したりする手間およびコストが省略
でき、製造設備も少なくて済むようになる。
【0038】しかも、芯体と分離された状態で中空外被
体を成形しているので、中空外被体と芯体とが相対的に
移動可能になっており、従来の袋状外被体を用いるスリ
ングの有していた利点をそのまま発揮することが可能で
ある。このようなスリングを製造する方法として、芯体
との間に間隔をあけて、柔軟性材料を中空状に押出成形
すれば、中空外被体を、芯体と確実に分離された状態で
形成することができる。
【0039】また、芯体の外周を隔離剤層で覆い、隔離
剤層の外周に中空外被体となる柔軟性材料の成形液を層
状に付着させ、この成形液層を硬化させるとともに、成
形硬化された中空外被体と芯体の間から隔離剤層を除去
すれば、前記同様に、中空外被体と芯体とを確実に分離
することができる。しかも、この方法では、全く継ぎ目
のない中空外被体を形成することも可能であり、使用時
に引っ掛かったり、強度的に弱くなったりし易い継ぎ目
を完全に無くすことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例にかかるループ型スリング
の構造を示し、(a)は一部切欠正面図、(b) は拡大断面
【図2】 別の実施例であるアイ型スリングの構造を示
す正面図
【図3】 押出成形による製造途中の正面図
【図4】 成形ヘッド部分の拡大断面図
【図5】 アイ型スリングの製造途中の第1工程終了後
を示す正面図
【図6】 第2工程の途中を示す正面図
【符号の説明】
10 芯体 20 中空外被体 50 押出成形ヘッド

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無端環状をなす芯体の外周を、芯体の外
    周で直接成形されてなる柔軟な中空外被体が、実質的に
    芯体とは分離された状態で覆っているスリング。
  2. 【請求項2】 無端環状をなす芯体の外周に、芯体との
    間に間隔をあけて、実質的に芯体とは分離された状態で
    柔軟性材料を中空状に押出成形し、成形された中空外被
    体で芯体の外周を覆うようにするスリングの製造方法。
  3. 【請求項3】 無端環状をなす芯体の外周を覆って隔離
    剤層を形成し、隔離剤層の外周に中空外被体となる柔軟
    性材料の成形液を層状に付着させ、この成形液層を硬化
    させるとともに、成形硬化された中空外被体と芯体の間
    から隔離剤層を除去し、中空外被体が、実質的に芯体と
    は分離された状態で、芯体の外周を覆うようにするスリ
    ングの製造方法。
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