JP2871609B2 - 半導体構造体およびその製造方法 - Google Patents

半導体構造体およびその製造方法

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JP2871609B2 JP20571496A JP20571496A JP2871609B2 JP 2871609 B2 JP2871609 B2 JP 2871609B2 JP 20571496 A JP20571496 A JP 20571496A JP 20571496 A JP20571496 A JP 20571496A JP 2871609 B2 JP2871609 B2 JP 2871609B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は半導体結晶の製造
方法および半導体エピタキシャル膜の構造に関するもの
である。この発明の半導体構造体は、発光素子や導波
路、その他の半導体デバイスに使用できる。
【0002】
【従来の技術】従来GaInPなどのIII−V族半導
体層には、III族副格子上あるいはV族副格子上に
[−111]B方向および[1−11]B方向の2倍周
期構造(<111>B型とよぶ)を有する自然超格子の
存在がよく知られている(フィジカル レヴュー レタ
ーズ 1988年60巻2645ページ)。この半導体
層のバンドギャップは、自然超格子の秩序度に依存して
変化し、この自然超格子の秩序度はエピタキシャル成長
中の基板温度、V/III比、基板面方位に依存してい
た。また、最近では、[111]A方向および[1−1
1]A方向の2倍あるいは3倍周期構造(<111>A
2倍型あるいは<111>A3倍型とよぶ)を有する自
然超格子が報告されている(ジャパン ジャーナル オ
ブ アプライド フィジクス1995年34巻L469
ページ、フィジカルレヴィユー レターズ1994年7
2巻673ページ)。
【0003】しかしながら、上記の方法では、<111
>B型および<111>A型のそれぞれ2種類ある2倍
周期構造のうちいずれの方向が形成されるかについて
は、基板傾斜方位に依存しており、それぞれの型から任
意に選択して自然超格子構造を形成してエピタキシャル
成長することは困難であった。従って、超構造を利用し
たデバイスの自由度を広げることができない、あるいは
十分に自由度が広げられなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、<111>
A型および<111>B型を組み合わせた新規な、デバ
イスの自由度を拡大することができる、超格子構造体お
よびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、傾斜角度が
{001}面((001)面およびこれと等価面を示
す。以下同じ。)から10°以下の面方位をもつIII
−V族半導体基板と、この基板上に、[111]A方向
もしくは[−1−11]A方向に2倍または3倍周期を
有する膜厚約50Å以下の3元以上からなるIII−V
族半導体の<111>A型の混晶層と、この混晶層と同
一組成を有し、かつ[−111]B方向または[1−1
1]B方向に2倍周期を有する膜厚約50Å以下の<1
11>B型の混晶層とが交互に多数層積層された超格子
構造とを有する半導体構造体に関する。
【0006】また、本発明は、傾斜角度が{001}面
から10°以下の面方位をもつIII−V族半導体基板
上に、3元以上からなるIII−V族半導体の<111
>A型の混晶層を、成長時の成長表面構造を、前記{0
01}面と同じ面内にある<110>方向の2倍あるい
は3倍周期に保ちながら、約50Å以下の層厚にエピタ
キシャル成長させる<111>A型混晶層成長工程と、
この混晶層と同一組成を有する<111>B型の混晶層
を、成長時の成長表面構造を、前記{001}面と同じ
面内にある<−110>方向の2倍周期に保ちながら、
約50Å以下の層厚にエピタキシャル成長させる<11
1>B型混晶層成長工程とを交互に繰り返し、<111
>A型の混晶層と<111>Bの混晶層とを交互に多数
層積層することを特徴とする請求項1記載の半導体構造
体の製造方法に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】III−V族半導体混晶層成長時
の成長表面構造を、<110>方向の2倍周期または3
倍周期構造に保ちながら成長を行うと、<111>A型
([111]A方向あるいは[−1−11]A方向の2
倍周期または3倍周期超格子構造)が形成される。ま
た、成長表面構造を<−110>方向の2倍周期構造に
保ちながら成長を行うと、<111>B型([−11
1]B方向あるいは[1−11]B方向の2倍周期超格
子構造)が形成される。従って、同一組成をもつ混晶に
おいて成長中の表面構造を変化させることによって<1
11>A型と<111>B型の超構造の切り替えを行う
ことができる。
【0008】ここで成長表面構造における<110>方
向の2倍周期構造、および、<−110>方向の2倍周
期構造はそれぞれ以下のような構造である。これらは、
エピタキシャル成長におけるV族安定化面、すなわち、
最表面原子層がV族原子で覆われた面である。
【0009】<−110>方向の2倍周期構造は、<−
110>方向に隣り合った2個のV族原子が結合し2量
子体(以後これを「ダイマー」と呼ぶ)を形成し、<−
110>方向と直交する<110>方向に並ぶダイマー
列および未結合手列が<−110>方向に交互に並ぶ構
造である。
【0010】また、<110>方向の2倍周期構造は、
表面層のV族被覆率が<−110>方向の2倍周期構造
と比較して更に高く、部分的にV族が2段になった構造
である。この2段目のV族原子同士の結合によりダイマ
ーが形成されており、ダイマーの未結合手は<110>
方向に並んでいる。
【0011】<110>方向の2倍周期または3倍周期
構造は<−110>方向の2倍周期構造と比較してより
低温、あるいはV族供給量の多い成長条件で得られる。
また、V族供給量を一定に保ち、成長表面に光線を照射
することにより基板表面におけるV族付着率が増大する
ため、光線の照射、非照射によっても2種の表面構造を
制御することが可能である。
【0012】この様にして得られる異なる表面構造の上
に、III−V族半導体混晶をエピタキシャル成長する
ことによって、以下のように<111>A型または<1
11>B型のいずれか一方を選択的に成長させることが
できる。
【0013】即ち、成長表面構造が<110>方向の2
倍周期または3倍周期構造である場合、[110]方向
或いは[−1−10]方向に下がる原子層ステップ端か
らのステップフロー条件下におけるエピタキシャル成長
により、III族が例えばGaとInなどIIIa−I
IIb−V型(IIIaおよびIIIbは異なる原子種)
の混晶の場合には、(001)面上のIII族原子副格
子上で[110]あるいは[−1−10]方向にIII
aとIIIbが交互に選択的に配列し、更に上段のテラス
からの成長により、<111>A型が形成される。
【0014】一方、成長表面構造が<−110>方向の
2倍周期構造である場合、[−110]方向或いは[1
−10」方向に下がる原子層ステップ端からのステップ
フロー条件下におけるエピタキシャル成長により、II
I族が例えばGaとInなどIIIa−IIIb−V型の
混晶の場合には、(001)面上のIII族原子副格子
上で[−110]あるいは[1−10]方向にIIIa
とIIIbが交互に選択的に配列し、更に上段のテラス
からの成長により、<111>B型が形成される。
【0015】成長する混晶系がIII−Va−Vb型(V
aおよびVbは異なる原子種)の場合にはVaおよびVb
交互に配列する<111>A型または<111>B型の
構造となる。
【0016】この様に、成長表面の再配列構造を制御す
ることによって<111>A型あるいは<111>B型
が制御できる。
【0017】従って、成長表面の構造を制御しながら<
111>A型と<111>B型を交互に各層厚約50Å
以下で多数層積層すると、<111>A型と<111>
B型が単独で形成されている結晶とは異なるエネルギー
バンド構造を持つ結晶を得ることができる。従って従来
とは異なるバンドギャップ値を得ることができ、また、
バンドギャップ値を、2種の型の積層厚の比で制御する
ことができる。また、屈折率はバンドギャップの変化に
伴って異なってくるので、従来とは異なる屈折率の結晶
を得ることができる。
【0018】本発明に用いられるIII−V族半導体基
板は、III族とV族元素からなる化合物半導体であれ
ば特に制限はなく、例えば、GaAsおよびInP等を
用いることができる。基板表面の面方位の傾斜角度とし
ては、{001}面からの傾斜が通常10°以下のもの
を使用する。傾斜が大きくなりすぎると、{001}面
の特性が減少し、他の面方位の特性が現れてくるので<
110>方向の2倍周期および<−111>方向の2倍
周期の表面構造をとることが困難になるからである。
【0019】また、本発明において基板上に積層する混
晶は、3元以上からなるIII−V族の混晶であり、A
l、GaおよびIn等のIII族元素、AsおよびP等
のV族元素から適宜選ばれる元素からなる。
【0020】特に好ましいものは、III−V族半導体
基板がGaAs基板であって、III−V族半導体混晶
層が(AlxGa1-xyIn1-yP(x、yは、0≦x≦
1,0<y<1を満足する数である。)である場合、I
II−V族半導体基板がInP基板であって、III−
V族半導体混晶層がGaxIn1-xAsy1-y(x、y
は、前記とは無関係に、0≦x≦1,0<y<1、また
は0<x<1,0≦y≦1を満足する数である。)であ
る場合、III−V族半導体基板がInP基板であっ
て、III−V族半導体混晶層が(AlxGa1-xy
1-yAs(x、yは、前記とは無関係に、0≦x≦
1,0<y<1を満足する数である。)である場合等で
ある。
【0021】本発明で、この混晶層を成長する方法とし
ては、エピタキシャル成長が可能で、1原子層ごとに制
御しながら成長できるものが好ましく、例えば、分子線
エピタキシャル成長法(MBE法)および有機金属気相
成長法(MOVPE法)が挙げられる。
【0022】成長表面構造を切り替える方法として、成
長工程時にV族元素の供給量を制御する方法による場
合、<111>A型の混晶層形成時にはV族元素の原料
の供給量を増加させ、<111>B型の混晶層の形成時
にはV族元素の供給量を減少させる。このときの制御量
は、成長方法や条件によって異なるが、成長表面を観察
して所定の成長表面になるようにV族元素の供給量を適
宜調節することで容易に行うことができる。
【0023】例えばV族元素原料として元素単体を用い
る場合は、フラックス量を調節し、また、水素化物や有
機化合物を用いる場合はその供給量を制御する。
【0024】また、成長表面構造を切り替える方法とし
て、光照射・非照射で行う場合は、<111>A型の混
晶層形成時には光を照射し、<111>B型の混晶層の
形成時には光照射を行わない。この条件も成長表面を観
察しながら決定することができる。
【0025】本発明で積層する<111>A型または<
111>B型の混晶層の膜厚は、1分子層以上であっ
て、結晶固有のバンド構造が現れる厚さより小さい厚さ
であればよく、通常それぞれの層厚が約50Å以下であ
る。即ち、必要に合わせて各層の成長層厚を1分子層厚
から約50Åの範囲で適宜設定すればよい。
【0026】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに詳細に説
明する。
【0027】[実施例1]本発明の結晶成長方法の<1
11>B型および<111>A2倍型の交互成長構造の
実施例を図1を参照して説明する。まず、半導体基板1
の面方位が(001)面、(001)面から<110>
方向に2°傾斜した面、および(001)面がら<-1
10>方向に2°傾斜した面であるGaAsを基板ホル
ダーに並べ、MBEチャンバー内に入れ、GaAsバッ
ファ層2を0.1ミクロン成長し、その後GaAsに格
子整合するGaxIn1-xP(x=0.5)を0.1ミク
ロン成長した。
【0028】GaInP成長時のIII族原料、V族原
料にはそれぞれGaおよびInの固体金属、P用にクラ
ッキングしたフォスフィンを用いた。基板温度を500
℃で、チャンバー内圧でみたフォスフィン流量を5x1
-5TorrでGaInPを50Å成長し、その後のG
aInPの厚さ50Åの成長を1x10-4Torrで行
い、これを交互に繰り返した。
【0029】チャンバー内圧5x10-5Torrのと
き、反射電子線回折(RHEED)で観察した成長表面
構造は2x1、すなわち[−110]方向の2倍周期構
造であった。また、チャンバー内圧1x10-4Torr
のとき、成長表面構造は1x2、すなわち[110]方
向の2倍周期構造であった。
【0030】それぞれの表面構造で成長した成長層中に
は、透過電子頭微鏡(TEM)観察により<111>B
型および<111>A2倍型交互成長層3が図1に模式
的に示したように形成されていることを確認した。
【0031】本実施例おける超構造のバンドギャップを
フォトルミネッセンス測定によって求めたところ、室温
におけるバンドギャップエネルギーは1.88eVであ
り、<111>B型のみを形成した場合の1.85eV
に対して、30meVだけ高エネルギー化していた。
【0032】また、波長680nmに対する屈折率は
3.48であり、<111>B型が形成された場合の
3.5と異なる屈折率が得られた。
【0033】また、基板温度は、上記に限らず460℃
から560℃の範囲で、フォスフィン流量を制御するこ
とにより、表面再配列構造が制御でき、<111>B型
と<111>A2倍型の交互成長構造を作製することが
できた。
【0034】[実施例2]実施例1において、GaIn
P成長時の条件を、成長温度500℃、フォスフィン流
量を一定に保ち、光照射・非照射を繰り返した以外は実
施例1と同様に行った。
【0035】光照射は、波長488nmのアルゴンレー
ザ光線をレンズでビームを広げ、基板面に照射すること
により行った。光照射前に2x1であった表面構造は、
照射後に1x2構造に変化した。レーザ光線を成長層厚
50Åごとにオン、オフして、成長を継続した。TEM
観察により、<111>B型および<111>A2倍型
の交互成長層が形成されていることがわかった。
【0036】ここで、実施例1および実施例2では、基
板の傾斜角度として0および2°のものを使用したが、
これに限らず基板の傾斜角度が10°以内の他のGaA
s基板を用いたところ、同様の効果が得られた。
【0037】また、上記のGaInPのほかに、(Al
xGa1-xyIn1-yP(x=0.1,0.3,0.5,
0.7,y=0.5)の各組成の結晶においても、それ
ぞれ、同一組成の<111>B型が形成された場合と比
較して、<111>B型および<111>A2倍型の交
互成長を行うだけで組成は一定に保ったままで成長した
結晶において、30meV以上40meV以内のバンド
ギャップの高エネルギー化を再現性よく行うことができ
た。また、波長680nmに対する屈折率は、<111
>B型が形成された場合には3.5であったのに対し
て、3.47まで変化した。
【0038】[実施例3]次に、本発明の結晶成長方法
の<111>B型および<111>A3倍型の交互成長
構造の実施例を図1を参照にして説明する。まず、半導
体基板1の両方位が(001)面、(001)面から<
110>方向に2°傾斜した面、および(001)面か
ら<-110>方向に2°傾斜した面であるInPを基
板ホルダーに並べ、MBEチャンバー内に入れ、InP
バッファ層2を0.1ミクロン成長し、その後InPに
格子整合するAlxIn1-xAs(x=0.5)を0.1
ミクロン成長した。AlInAs成長時のIII族原
料、V族原料にはそれぞれAlおよびInの固体金属、
As用にクラッキングしたアルシンを用いた。基板温度
を490℃で、チャンバー内圧でみたアルシン流量を5
x10-5TorrでAlInAsを40Å成長し、その
後のAlInAsの厚さ40Åの成長を1x10 -4To
rrで行い、これを交互に繰り返した。
【0039】チャンバー内圧5x10-5Torrのと
き、反射電子線回折(RHEED)で観察した成長表面
構造は2x1、すなわち[−110]方向の2倍周期構
造であった。また、チャンバー内圧1x10-4Torr
のとき、成長表面構造は2x3、すなわち[110]方
向の3倍周期構造であった。
【0040】それぞれの表面構造で成長した成長層中に
は、透過電子顕微鏡(TEM)観察により<111>B
型および<111>A3倍型交互成長構造3が図1に模
式的に示したように形成されていることを確認した。
【0041】本実施例おける超構造のバンドギャップを
フォトルミネッセンス測定によって求めたところ、室温
におけるバンドギャップエネルギーは1.47eVであ
り、<111>B型のみを形成した場合の1.45eV
に対して、20meVだけ高エネルギー化していた。
【0042】また、屈折率についても、このバンドギャ
ップの変動に対応して異なる屈折率を得ることができ
た。
【0043】また、基板温度は、上記に限らず410℃
から540℃の範囲でアルシン流量を制御することによ
り、表面再配列構造が制御でき、<111>B型および
<111>A3倍型の交互成長構造を作成することがで
きた。
【0044】[実施例4]実施例3において、GaIn
P成長時の条件を、成長温度500℃、アルシン流量を
一定に保ち、光照射・非照射を繰り返した以外は実施例
3と同様に行った。光照射は、実施例2と同様に波長4
88nmのアルゴンレーザ光線をレンズでビームを広
げ、基板面に照射することにより行った。照射前に2x
1であった表面構造が照射後に2x3構造に変化した。
【0045】レーザ光線を成長層厚50Åごとにオン、
オフして、成長を継続した。TEM観察により、<11
1>B型および<111>A3倍型の交互成長層が形成
されていることがわかった。
【0046】実施例3および4において、基板の傾斜角
度が10°以内の他のInP基板を用いたところ、同様
の効果が得られた。
【0047】また、上記のAlInAsのほかに、(A
xGa1-xyIn1-yAs(x=0,0.1,0.3,
0.5,0.7,y=0.5)の各組成の結晶において
も、それぞれ、同一組成の<111>B型が形成された
場合と比較して、<111>B型および<111>A3
倍型の交互成長を行うだけで組成は一定に保ったままで
成長した結晶において、30meV以内のバンドギャッ
プの高エネルギー化を再現性よく行えた。
【0048】ところで、実施例1から4に示した以外
に、III−V族半導体混晶層をGa xIn1-xAsy
1-y(0≦x≦1,0<y<1;または0<x<1,0
≦y≦1)とした場合にも、<111>B型および<1
11>A2倍型の交互成長構造あるいは<111>B型
および<111>A3倍型の交互成長構造を作製し、バ
ンドギャップ変動の効果を確認できた。
【0049】また、上記の実施例では、成長方法として
MBE法を用いた場合を述べたが、MOVPE法を用い
ても良い。
【0050】MOVPE法を用いる方法では、V族のP
の原料としてフォスフィンまたは有機Pを用いて、ま
た、Asの原料としてアルシンまたは有機Asを用い
て、AlGaInP系、AlGaInAs系、またはG
aInAsP系混晶の上記実施例と同様の構造の成長層
を形成することができ、また、そのバンドギャップおよ
び屈折率に対する効果を確認した。
【0051】また、上記のV族原料を一定に保ち、基板
表面に照射する光線のオン、オフによっても、同様の構
造の作製および効果を確認できた。
【0052】MOVPE成長中の表面構造のモニターに
は光反射率差法、あるいは表面光吸収法を用いた。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、<111>A型および
<111>B型を組み合わせた新規な超格子構造体およ
びその製造方法を提供することできる。即ち、本発明に
よれば、バンドギャップ制御の自由度および屈折率制御
の自由度が広がるので、発光素子や光導波路、その他の
デバイスへ適用することが可能で、従来の材料や技術に
拘束されないデバイス設計や製造工程を採用することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体基板1上に<111>B型と<111>
A2倍型を交互成長した半導体構造体、または半導体基
板1上に<111>B型と<111>A3倍型を交互成
長した半導体構造体を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3 <111>B型と<111>A2倍型の交互成長構
造、または<111>B型と<111>A3倍型の交互
成長構造。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 傾斜角度が{001}面((001)面
    およびこれと等価面を示す。以下同じ。)から10°以
    下の面方位をもつIII−V族半導体基板と、 この基板上に、[111]A方向もしくは[−1−1
    1]A方向に2倍または3倍周期を有する膜厚約50Å
    以下の3元以上からなるIII−V族半導体の<111
    >A型の混晶層と、この混晶層と同一組成を有し、かつ
    [−111]B方向または[1−11]B方向に2倍周
    期を有する膜厚約50Å以下の<111>B型の混晶層
    とが交互に多数層積層された超格子構造と、を有する半
    導体構造体。
  2. 【請求項2】 傾斜角度が{001}面から10°以下
    の面方位をもつIII−V族半導体基板上に、 3元以上からなるIII−V族半導体の<111>A型
    の混晶層を、成長時の成長表面構造を、前記{001}
    面と同じ面内にある<110>方向の2倍または3倍周
    期に保ちながら、約50Å以下の層厚にエピタキシャル
    成長させる<111>A型混晶層成長工程と、この混晶
    層と同一組成を有する<111>B型の混晶層を、成長
    時の成長表面構造を、前記{001}面と同じ面内にあ
    る<−110>方向の2倍周期に保ちながら、約50Å
    以下の層厚にエピタキシャル成長させる<111>B型
    混晶層成長工程とを交互に繰り返し、<111>A型の
    混晶層と<111>Bの混晶層とを交互に多数層積層す
    ることを特徴とする請求項1記載の半導体構造体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記<111>A型の混晶層の成長工程
    と前記<111>B型の混晶層の成長工程の切り替え
    を、<111>A型の混晶層の成長工程時に成長チャン
    バー内のV族原料の供給量を増加させ、<111>B型
    の混晶層の成長工程時に成長チャンバー内のV族原料の
    供給量を減少させることによって行うことを特徴とする
    請求項2記載の半導体構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記<111>A型の混晶層の成長工程
    と前記<111>B型の混晶層の成長工程の切り替え
    を、<111>A型の混晶層の成長工程時に成長チャン
    バー内の基板表面に光照射し、<111>B型の混晶層
    の成長工程時に光照射しないことによって行うことを特
    徴とする請求項2記載の半導体構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記エピタキシャル成長が、分子線エピ
    タキシャル成長法または有機金属気相成長法で行うこと
    を特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の半導体構
    造体の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記III−V族半導体基板がGaAs
    基板であり、 前記III−V族半導体混晶層が、(AlxGa1-xy
    In1-yP(x、yは、0≦x≦1,0<y<1を満足
    する数である。)であることを特徴とする請求項1記載
    の半導体構造体。
  7. 【請求項7】 前記III−V族半導体基板がInP基
    板であり、 前記III−V族半導体混晶層が、GaxIn1-xAsy
    1-y(x、yは、前記とは無関係に、0≦x≦1,0
    <y<1、または0<x<1,0≦y≦1を満足する数
    である。)であることを特徴とする請求項1記載の半導
    体構造体。
  8. 【請求項8】 前記III−V族半導体基板がInP基
    板であり、 前記III−V族半導体混晶層が(AlxGa1-xy
    1-yAs(x、yは、前記とは無関係に、0≦x≦
    1,0<y<1を満足する数である。)であることを特
    徴とする請求項1記載の半導体構造体。
  9. 【請求項9】 前記III−V族半導体基板がGaAs
    基板であり、 前記III−V族半導体混晶層が、(AlxGa1-xy
    In1-yP(x、yは、前記とは無関係に、0≦x≦
    1,0<y<1を満足する数である。)であることを特
    徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の半導体構造体
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記III−V族半導体基板がInP
    基板であり、 前記III−V族半導体混晶層が、GaxIn1-xAsy
    1-y(x、yは、前記とは無関係に、0≦x≦1,0
    <y<1、または0<x<1,0≦y≦1を満足する数
    である。)であることを特徴とする請求項2〜5のいず
    れかに記載の半導体構造体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記III−V族半導体基板がInP
    基板であり、 前記III−V族半導体混晶層が(AlxGa1-xy
    1-yAs(x、yは、前記とは無関係に、0≦x≦
    1,0<y<1を満足する数である。)であることを特
    徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の半導体構造体
    の製造方法。
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