JP2870855B2 - パネル接合部の処理方法 - Google Patents

パネル接合部の処理方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はパネル接合部の処理方法に関する。
(従来の技術) パネル同士の間に間隙が生じるパネル接合部において
は、特開昭64−60484号公報に示すように、その間隙に
シーラ材を充填して、防水性、エッジ防食性の確保を図
ることが行われているが、自動車のリヤデッキとリヤフ
ェンダのようなパネル接合部においては、上記シーラ材
の上にさらに塗装を行い、その後、焼付けを行って、見
栄えの向上が図られている。このような処理における上
記シーラ材には、完成後における使用時の繰返し振動に
前記塗装による塗膜が耐えることを考慮して、柔軟性の
指標である伸び率が50〜100%程度の塩化ビニルタイプ
シーラ等が多く用いられており、該シーラ材の伸び率
は、前記塗膜の5〜10%程度の伸び率に比べてかなり大
きなもの(柔軟性の高いもの)となっている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし、上記パネル接合部における間隙は、深くて狭
く、体積が大きなものとなっており、しかも、シーラ材
の熱膨張率は伸び率に対応して大きなものとなってい
る。このため、焼付け、その後の放冷からなる焼付け硬
化処理においては、シーラ材が大きく体積変化すること
になり、その体積変化に、伸び率の小さい前記塗膜が追
従しきれず、塗膜にクラックが入ることがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、その目的
は、完成後の使用時において、繰返し振動が生じるとし
ても、その繰返し振動に基づいて塗膜にクラックが入る
ことを減少させると共に、処理段階における焼付け硬化
処理において、塗膜にクラックが入ることを減少させる
パネル接合部の処理方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段、作用) 上記目的を達成するために本発明(請求項1の発明)
にあっては、パネル同士間に生じた間隙にシーラ材を充
填し、次に、前記シーラ材上に塗装を行い、次いで、焼
付け硬化処理を行うパネル接合部の処理方法において、
前記シーラ材として、低熱膨張率の第1シーラ材と該第
1シーラ材よりも熱膨張率が高い第2シーラ材とを用意
し、前記シーラ材の充填に際して、第1、第2シーラ材
を充填して、第1シーラ層と第2シーラ層とを形成す
る、構成としてある。
上記第1の発明の構成により、完成後の使用時におい
ては、第2シーラ層が繰返し振動に対して柔軟性を確保
して該振動を吸収する一方、処理段階における焼付け硬
化処理に際しては、該第2シーラ層の体積がシーラ材の
全体積に比べて小さく、焼付け硬化処理に際しての該第
2シーラ層の体積変化量を小さくすることができること
から、低熱膨張率の第1シーラ層と相俟ってシーラ材全
体の体積変化を小さくすることができることになる。こ
のため、完成後における使用時の繰返し振動だけでなく
処理段階の焼付け硬化処理によっても、塗膜にクラック
が入ることを減少させることができることになる。
また、前記目的を達成するために本発明の第2の発明
にあっては、パネル同士間に生じた間隙にシーラ材を充
填し、次に、前記シーラ材上に塗装を行い、次いで、焼
付け硬化処理を行うパネル接合部の処理方法において、
前記シーラ材として、低熱膨張率の第1シーラ材と該第
1シーラ材よりも熱膨張率が高い第2シーラ材とを用意
し、前記シーラ材の充填に際して、前記第1シーラ材を
前記第2シーラ材が内包するようにする、構成としてあ
る。
上述の請求項1の発明の構成により、完成後の使用時
において、第2シーラ材が柔軟性を確保して繰返し振動
を吸収でき、処理段階の焼付け硬化処理において、シー
ラ材全体の体積変化を小さくできることになり、完成後
の使用時における繰返し振動だけでなく処理段階の焼付
け硬化処理によっても、塗膜にクラックが入ることを減
少させることができることになる。
しかも、この場合、第1シーラ材を第2シーラ材で内
包するようにしたことから、両パネルの配設方向におけ
る繰返し振動を該第2シーラ材がより効果的に吸収でき
ることになる。このため、完成後の使用時において生じ
る繰返し振動により塗膜にクラックが入ることをより確
実に減らすことができることになる。
さらに、前記目的を達成するために本発明(請求項2
の発明)にあっては、パネル同士間に生じた間隙にシー
ラ材を充填し、次に、前記シーラ材上に塗装を行い、次
いで、焼付け硬化処理を行うパネル接合部の処理方法に
おいて、前記塗装によって、前記シーラ材上に第1塗
膜、第2塗膜を順次、形成することとし、前記第1塗膜
の形成に際して、伸び率を、前記シーラ材の伸び率と前
記第2塗膜の伸び率の間の値とする、構成としてある。
上述の請求項2の発明の構成により、完成後の使用時
における繰返し振動については、従来通りシーラ材によ
り吸収できる一方、処理段階における焼付け硬化処理に
おいては、第1塗膜が、焼付け硬化処理において、過熱
による体積膨張や冷却による体積収縮を緩衝材として緩
和することになる。このため、完成後の使用時におい
て、繰返し振動が生じるとしても、その繰返し振動に基
づいて塗膜にクラックが入ることを減少させることがで
きると共に焼付け硬化処理に基づいて塗膜にクラックが
入ることを減少させることができることになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
先ず、第1実施例について、自動車におけるリヤフェ
ンダとリヤデッキとの接合部を例にとり、第1図〜第6
図に基づいて説明する。
自動車においては、デザイン上の理由により、第1図
に示すように、リヤフェンダ1とトランクリッド2との
隙間ライン3が該トランクリッド2を過ぎて延びている
ように見せるために、リヤフェンダ1とリヤデッキ4と
の接合部5において、間隙を形成し、その間隙に防水性
等の観点からシーラ材を充填し、そのシーラ材上に塗膜
を形成し、その塗膜上に前記隙間ライン3に連続する連
続溝を形成することが行われている。
これを具体的に説明すると、第2図に示すように、リ
ヤフェンダ1とリヤデッキ4との間の間隙6は深くて狭
くなっており、先ず、この間隙6に、電着を利用して下
塗を行った後、該間隙6に、第3図に示すようにシーラ
材7として第1シーラ材7a,第2シーラ材7bを順次、充
填して、第1シーラ層8aを形成すると共に該第1シーラ
層8a上に該第1シーラ層8aよりも小容量の第2シーラ層
8bを形成する。
上記第1シーラ材7aとしては、低熱膨張率のもの、例
えば、伸び率(伸び率と熱膨張率とは相関関係があり、
熱膨張率が低いものであるときには伸び率も小さい。)
として30〜50%のものが用いられ、上記第2シーラ材7b
としては、高熱膨張率のもの、例えば、伸び率として10
0〜200%のものが用いられる。具体的には、組成及び特
性として、表1に示すようなものが好ましい。
このような第1、第2シーラ材7a,7bを用いて、第1
シーラ層8aと該第1シーラ層8aよりも小容量の第2シー
ラ層8bを形成するのは、後工程における焼付け硬化処理
に際してのシーラ層(シーラ材)全体としての体積変化
に基づいて、その焼付け硬化処理前における塗装による
塗膜にクラックが入ることを減少させると共に、完成後
の使用時において、走行時の繰返し振動に基づいて上記
塗膜にクラックが入ることを減少させるためである。よ
り具体的に説明すれば、大きな容量であって低熱膨張率
である第1シーラ層8aによって、焼付け硬化処理におけ
るシーラ材7(シーラ層)全体としての体積変化を抑え
込む一方、高熱膨張率(伸び率大)の第2シーラ層8bに
よって、完成後の使用時、すなわち走行時の繰返し振動
を効果的に吸収し、その焼付け硬化処理における体積変
化については、該第2シーラ層8b自体を小容量として小
さく抑え込んでいるのである。特に、本実施例において
は、第2シーラ層8bが後工程における塗装によって形成
される塗膜に直接、接触することになるため、完成後の
走行時に、繰返し振動をより効果的に吸収できることに
なる。
尚、本実施例においては、第1シーラ層8aと第2シー
ラ層8bとが上述のような配置関係となっているが、それ
とは逆に、第2シーラ層8bを下側にし、第1シーラ層8a
を上側にしてもよい。この場合には、後工程における焼
付け硬化処理に際して、第1シーラ層8aが緩衝材として
効果的に機能し、体積変化を緩和することになる。
次に、第4図に示すように、第2シーラ層8bの上面
に、ゴムへら等を用いることにより該第2シーラ層8bが
延びる方向に溝9を形成し、その後、乾燥する。
上記第2シーラ層8bの上面に溝9を形成するのは、後
工程における塗装において塗膜が連続溝を円滑に形成で
きるようにするためである。
上記乾燥条件としては、一般的なものが用いられ、例
えば130℃の温度で15分間、乾燥させる。
次に、塗装としての中塗を行う。
上記中塗は、第5図に示すように、塗膜10が第2シー
ラ層8bに沿うようにして行われ、この塗膜10は、伸び率
5〜10%程度の柔軟性が極めて低いものとなっている。
次に、焼付け硬化処理を行う。
上記焼付け硬化処理は、中塗焼付けと、その焼付け後
の放冷とからなっており、中塗焼付け条件としては一般
的なものが用いられ、例えば、140℃、25分の条件の下
で焼付けが行われる。この焼付け硬化処理においては加
熱、冷却が行われ、シーラ層が体積変化を生じ易いよう
な環境条件にあるが、前述したように、熱膨張率が異な
る第1、第2シーラ層8a,8bを設けるようにしているの
で、第6図に示すようにシーラ層全体としての体積変化
は少なく塗膜10にクラックが入ることを減少させること
ができることになる。
次に、塗装としての上塗を行い、その後、焼付け硬化
処理を行う。
この上塗焼付け硬化処理においては、前記中塗と同様
の内容となっているので、その詳細及び図示は省略す
る。
このような各工程を経て完成されたパネル接合部5を
用いた自動車を走行させた場合には、該パネル接合部5
は繰返し振動を受けることになるが、前記第2シーラ層
8bがその振動を吸収することになり、中塗、上塗による
塗膜にクラックが入ることを減少させることができるこ
とになる。
第7図は第2実施例を示すものである。この実施例に
おいて、前記第1の発明の実施例と同一構成要素につい
ては同一符号を付してその説明を省略する。
この実施例における処理方法においては、基本的構成
が前記第1の発明の実施例に係る処理方法の場合と同じ
とされているが、第1、第2シーラ材7a,7bの充填の仕
方において、具体的構成が異なっている。
その具体的構成について説明すると、この実施例にお
いては、シーラ材の充填に際して、第1シーラ材7aとし
て第7図に示すようなリボンシーラ7aを用い、そのリボ
ンシーラ7aを間隙6に嵌込み、その後、そのリボンシー
ラ7aを内包するように第2シーラ材7bを充填するように
なっている。
上記リボンシーラ7a,第2シーラ材7bの熱膨張率につ
いては、リボンシーラ7aが低熱膨張率タイプ、第2シー
ラ材7bが高熱膨張率タイプであることは前記第1の発明
の実施例の場合と変わりはなく、具体的には、表2に示
すようなものが用いられる。尚、表2には、参考のため
に、一般に用いられるシーラ材(一層として)について
併記した。
このような構成とすることにより、前記実施例と同様
の効果を生じることは勿論、完成後の走行時において、
第7図(塗膜等は省略してある。)の矢印で示すように
振動が生じても、第2シーラ材7bがその振動をより効果
的に吸収することになり、走行時の繰返し振動に基づい
て塗膜にクラックが入ることをより確実に減少させるこ
とができることになる。
上記第1、第2実施例に係る処理方法による効果は、
シーラ材を種々組合わせたものについての塗装焼付け後
のクラック発生状況、及び振動試験結果(表4参照)に
より裏付けることができる。
先ず、条件等について説明する。
(1)サンプルとして用いるシーラ材の組成及び物性値
は下記表3に示すようになっている。
(2) テストピースとしての試験板作成手順及び条件
は下記のようになっている。
(イ)パネル素材:SPC−1(0.8t) (ロ)間隙、形状:l1=3mm,l2=2mm(第2図参照) (ハ)化成処理:リン酸亜鉛 (ニ)下塗:カチオン電着 厚み22±2μm 焼付け175℃×25分 (ホ)シーラ充填(塗布) (i)ペーストタイプ:(表3のA、B、D、E、
F) 圧送ポンプ エアレスポンプ グラコ株式会社製
キングタイプ(加圧比45:1) フローガン チップ径 2mm 圧送50〜100kg/cm2 上記条件によりシーラ材充填後、ゴムへらでシーラ材
上面をなでつけて余分なシーラ材をかきとる。
(ii)リボンシーラ(表3のC) 表4のサンプルNo3の場合:幅3.2mm,厚み1.8mmのリボ
ンシーラを幅方向を上下にして間隙に嵌込む。
表4のサンプルNo15(15−1、15−2),16(16−
1、16−2),17の場合:幅2.5mm,厚み1.5又は1mmのリ
ボンシーラを幅方向を上下にして間隙に嵌込み、続いて
ペーストタイプシーラ材を充填する。
(ヘ)シーラ材焼付け:130℃×15分 (ト)中塗: 樹脂:エポキシ変性オイルフリーポリエステル 色相:グレー 塗布:エアスプレー 焼付け:140℃×25分 膜厚:40μm (チ)上塗: 樹脂:メラミンアルキッド 色相:ホワイト 塗布:エアスプレー 焼付け:140℃×25分 膜厚:45μm (3)振動試験の内容 振動試験は、第8図、第9図に示すようにパネル1、
4を固定手段11に固定する一方、間隙6部を上下に変位
動させる。この場合、この振動試験におけるテストピー
スの各寸法は下記に示すようになっている。
l1=3mm,l2=2mm,l3=78mml4=80mm,l5=98mm,l6=10
0mm、l7=120mm 上記条件等の下、シーラ材の種々の組合わせについて
の結果は、表4に示すようになった。
上記内容によれば、単一のシーラ層からなり、そのシ
ーラ層の熱膨張率の高いもの(No4(4−1、4−2),
5)及び熱膨張率が中間的なもの(No6)については、焼
付け硬化処理における体積変化が大きく塗膜にクラック
が発生し、単一のシーラ層からなり、そのシーラ層の熱
膨張率の低いもの(No1(1−1、1−2),2,3)につ
いては、焼付け硬化処理において塗膜にクラックは発生
しなかったが、振動試験により塗膜にクラックが発生し
た。
また、第1シーラ層8aに低熱膨張率のものを用い、第
2シーラ層8bに高熱膨張率のものを用いた場合(No7〜1
4)には、第2シーラ層8bの層厚が第1シーラ層8aの層
厚よりも比較的厚みがあるとき、クラックが発生する場
合も見られたが、全体として、単一のシーラ層の場合に
比べて、少なくともクラックの減少傾向の点で優れてい
ることを示した。上記クラックが発生した場合について
であるが、クラックの発生には、間隙6の形状・寸法等
も関係しており、上記のようにクラックが発生する場合
があると言っても、それは、所定の形状・寸法等の間隙
6についての結果であり、対象とすべき間隙6の形状・
寸法等が変われば、クラックが発生しない場合もあり得
ることは言うまでもない。
また、第1シーラ層8aにリボンシーラ7aを用い、第2
シーラ8bに高熱膨張率のものを用いた場合(No15(15−
1、15−2)、16(16−1、16−2)、17)にも、前記
同様、クラックの減少傾向の点で優れていることを示し
た。
さらに、第1シーラ層に汎用品(中程度の熱膨張率の
もの)を用い、第2シーラ層に高熱膨張率のものを用い
た場合(NO18(18−1、18−2)、19)には、振動試験
によりクラックが発生した。
第10図は第3実施例を示すものである。この実施例に
おいて、前記第1、第2の発明の実施例と同一構成要素
については同一符号を付してその説明を省略する。
この実施例における処理方法においては、基本的構成
が前記第1の発明の実施例に係る処理方法の場合と同じ
とされているが、シーラ材の充填、塗装工程において、
具体的構成が異なっている。
すなわち、シーラ材7には、従来の伸び率の高いも
の、例えば伸び率50〜100%程度の塩化ビニールシーラ
が用いられている。
また、塗装としての中塗において、第1中塗と第2中
塗が順次行われ、シーラ材7上に第1塗膜10aと第2塗
膜10bとが積層して形成される。上記第2塗膜10bには、
伸び率5〜10%程度の従来の柔軟性が低いものが用いら
れ、上記第1塗膜10aには、伸び率が前記シーラ材7の
伸び率と前記第2塗膜10bの伸び率の中間値であるも
の、例えば伸び率30〜50%のものが用いられる。
通常の塗料(伸び率が小)を用いて、上記のような第
1塗膜10aの伸び率を得るには、例えば次のような方法
がある。
第2塗膜を形成する塗料中に体質顔料を減らす。体質
顔料は樹脂に比べて硬いため、それを除くのである。
塗料中には、樹脂として、通常、ポリエステル樹脂と
メラミン樹脂が7:3の割合で含まれているが、これを例
えば9:1として反応率を下げ、ポリエステル樹脂自体の
柔らかさを出す。
塗料中には、前述したように、一般に、ポリエステル
樹脂が含まれており、そのポリエステル樹脂がアルコー
ルと酸とからなるため、アルコール酸を、鎖長の長いも
のや線状構造のものを使用することによりポリエステル
樹脂自体を軟質化する。
したがって、上記構成によれば、走行時の繰返し振動
については、シーラ材7の柔軟性が従来通り吸収するこ
とになり、焼付け硬化処理においては、第1塗膜10a
が、緩衝材として、加熱時の体積膨張や冷却時の体積収
縮を緩和することになり、その際に、第2塗膜10bにク
ラックが入ることを減少させることができることにな
る。
このことを裏付けるために、焼付け硬化時に第2塗膜
10bにクラックを生じさせないシーラ材7の伸び率と第
1塗膜10bの伸び率との関係を調べた。
この場合、試験条件は下記のようにした。
間隙:l1=3mm l2=2mm (第2図参照) シーラ材の種類:塩化ビニルシーラ 第1塗膜の種類:エポキシ変性オイルフリーポリエステ
ル樹脂 伸び率:30〜50% 第2塗膜の種類:エポキシ変性オイルフリーポリエステ
ル樹脂 伸び率:5〜10% 焼付け硬化条件:140℃×25分 この結果、第11図に示す内容となった。この内容によ
れば、第2塗膜10bの伸び率を5〜10%に固定した場合
には、シーラ材7の伸びが50〜100%であって、第1塗
膜10aの伸び率が、第2塗膜10bの伸び率とシーラ材7の
伸び率の中間値である、30〜50%であるとき、第2塗膜
10bにクラックが発生しなかった(第11図の斜線部分参
照)。
(発明の効果) 以上述べたように、請求項1、2の発明にあっては、
完成後の使用時において、繰返し振動が生じるとして
も、その繰返し振動に基づいて塗膜にクラックが入るこ
とを減少させることができると共に、処理段階における
焼付け硬化処理においても、塗膜にクラックが入ること
を減少させることができる。
しかも、請求項1の発明にあっては、完成後の使用時
において生じる繰返し振動により塗膜にクラックが入る
ことをより確実に減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、自動車において本発明に係る処理方法が適用
される箇所を示す図、 第2図は、パネル接合部における間隙を説明する図、 第3図〜第6図は、第1の発明の実施例に係る処理方法
を説明する説明図、 第7図は、第2の実施例に係る実施例を説明する図、 第8図、第9図は、振動試験の内容を説明する図、 第10図は、第3の発明の実施例を説明する説明図、 第11図は、クラックを生じさせないシーラ材の伸び率と
第1塗膜の伸び率との関係を示す図である。 1……リヤフェンダ 4……リヤデッキ 5……接合部 6……間隙 7……シーラ材 7a……第1シーラ材 7b……第2シーラ材 10a……第1塗膜 10b……第2塗膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相澤 誠 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−90975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05D 3/10 B05D 7/14 B05D 1/36 B05D 7/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パネル同士間に生じた間隙にシーラ材を充
    填し、次に、前記シーラ材上に塗装を行い、次いで、焼
    付け硬化処理を行うパネル接合部の処理方法において、 前記シーラ材として、低熱膨張率の第1シーラ材と該第
    1シーラ材よりも熱膨張率が高い第2シーラ材とを用意
    し、 前記シーラ材の充填に際して、前記第1シーラ材を前記
    第2シーラ材が内包するようにする、 ことを特徴とするパネル接合部の処理方法。
  2. 【請求項2】パネル同士間に生じた間隙に、シーラ材を
    充填し、次に、前記シーラ材上に塗装を行い、次いで、
    焼付け硬化処理を行うパネル接合部の処理方法におい
    て、 前記塗装によって、前記シーラ材上に第1塗膜、第2塗
    膜を順次、形成することとし、 前記第1塗膜の形成に際して、伸び率を、前記シーラ材
    の伸び率と前記第2塗膜の伸び率の間の値とする、 ことを特徴とするパネル接合部の処理方法。
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