JP2870344B2 - 混相流体の混合率測定装置 - Google Patents

混相流体の混合率測定装置

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JP2870344B2
JP2870344B2 JP5054067A JP5406793A JP2870344B2 JP 2870344 B2 JP2870344 B2 JP 2870344B2 JP 5054067 A JP5054067 A JP 5054067A JP 5406793 A JP5406793 A JP 5406793A JP 2870344 B2 JP2870344 B2 JP 2870344B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は管内を通流する、導電性
流体と物質とからなる混相流体の混合率を連続的に測定
する混相流体の混合率測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、氷・水スラリ等の配管内を流れ
る混相流体における氷の混合率を連続的に測定する手法
として、混相流体を構成する水等の導電性流体単独の導
電率σと、混相流体全体の電気抵抗rとを測定して、両
者の関係から氷等の物質の混合率λを算出することが提
唱されている(特開昭62−172253号公報)。
【0003】すなわち、水の導電率σが一定の場合、混
合率λが0であれば電気抵抗rは水の電気抵抗(導電率
σの逆数に比例)に等しくなり、混合率λが1であれ
ば、電気抵抗rは氷の電気抵抗に等しくなる。したがっ
て、電気抵抗rを測定することによって氷(物質)の混
合率λが求まる。
【0004】具体的には、図9に示すように、管1の中
途位置に一対のリング状電極2a,2bを絶縁リング3
a,3b,3cを介して軸方向に離間して配置してい
る。そして、管1のリング状電極2a,2bの上流側位
置又は下流側位置に、導電率測定器4が細い引込管5を
介して接続されてる。したがって、この導電率測定器4
内には導電性流体としての水のみが流入する。また、導
電率測定器4内には一対の電極が配設されている。
【0005】そして、電気抵抗測定回路6は一対のリン
グ状電極2a,2b相互間の抵抗、すなわち管1内を通
流する混相流体の電気抵抗rを測定する。一方、導電率
測定器4は内部に配設された一対の電極相互間の抵抗か
ら混相流体の一方を構成する水の電気抵抗(導電率σの
逆数に比例)を測定する。測定された電気抵抗r及び導
電率σは演算装置7へ入力される。
【0006】演算装置7内には、前記水の各導電度σに
おける電気抵抗rと混合率λとの関係が記憶されてい
る。そして、電気抵抗rと導電度σが入力されると、こ
の値に対応する混合率λを算出して測定値として出力す
る。
【0007】また、混相流体における物質(氷)の混合
率λを測定する手法として、水中に含まれる添加剤濃度
変化を導電率σの測定値から求めて、この添加剤濃度変
化から氷の混合率λを求めることが提唱されている(特
開平1−297547号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各測定手法においてもまだ解消すべき次のような課題
があった。
【0009】すなわち、図9に示す手法において、混合
率λを正確に測定するためには、混相流体の一方を構成
する導電性流体としての水の導電率σを正確に測定する
必要がある。しかし、この水の導電率σは温度によって
大きく変動する。したがって、同一混合率λであったと
して、温度が変化すると、測定された混合率λが異なる
場合がある。
【0010】このような温度変化による測定結果に含ま
れる誤差を排除するためには、温度センサを設けて、測
定された導電度σを真の導電度に補正する必要がある。
したがって、温度補正回路が別途必要となり、装置全体
の回路構成が複雑化する。
【0011】また、添加剤濃度変化から混合率λを算定
する手法においては、例えば、氷を製造しながら管内に
供給する場合、水のなかの添加剤濃度が変化するので、
添加剤濃度が管の軸方向に変化する。また、管途中にお
ける入熱により氷が融解して濃度が変化する。したがっ
て、この手法においては、相対濃度の測定では貯槽全体
の氷の割合を求められるが、管内の局部的な氷の混合率
を求めることができない。
【0012】さらに、一般に、管内を流れる氷・水スリ
ラの輸送においては、(a)氷と水の速度が異なるため
に配管内を流れるうちに、氷(個体)の混合率が軸方向
に不均一になる。(b)また、氷の混合率を適正に制御
しないと、バルブ,配管の分岐部分,曲り部分等におい
て氷が詰まり、管が突然に閉塞することがある。
【0013】このような問題を解消するために、管路に
おいて局部的な氷の割合を瞬時に測定し、その信号を用
いて、管路の閉塞を未然に防止する装置等の制御に供す
るために上述した管路における任意位置の混合率を求め
る必要がある。また、配管網の複雑化により氷の混合率
を測定する場所が飛躍的に増加している。したがって、
混合率測定装置自体の小型軽量化が求められている。
【0014】しかし、上述したように、従来の混合率を
求める手法においては、真の導電率を求める必要があ
る。そのために、温度又は溶解中の添加剤濃度の測定が
必要であるのみならず、信号処理が複雑化する。
【0015】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、例えば記憶部に換算式と基準値を記憶して
おくことによって、温度センサや温度補正回路等の複雑
な回路を用いなくて、リング状電極間及び参照電極間に
得られる各電圧のみで正確な混合率が測定でき、混合率
の測定精度を向上できると共に、装置全体を小型軽量に
構成できる混相流体の混合率測定装置を提供することを
目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解消するため
に本発明は、管内を通流し、導電性流体とこの導電性流
体と導電率が異なる物質とからなる混相流体における物
質の混合率を測定する混相流体の混合率測定装置におい
て、
【0017】管内に軸方向に離間配設された一対のリン
グ状電極と、混相流体のうちの導電性流体のみの流路を
形成する流路形成手段と、流路形成手段にて形成された
導電性流体のみの流路内に配設された一対の参照電極
と、リング状電極間及び参照電極間に所定電力を印加し
たときに各電極間に得られる各電圧から所定の換算式及
び基準値を用いて混合率を算出する混合率算出手段とを
備えたものである。
【0018】ここで、上記発明の混合率算出手段におけ
る基準値とは、基準となる導電率σ0 を有する導電性流
体を含む既知混合率の混相流体を管体に通流させた場合
に一対の参照電極間に得られる基準電圧A0 である。ま
た、換算式とは、被測定混相流体が通流した場合に一対
の参照電極間に得られる電圧Aと前記基準電圧A0 との
除算値で一対のリング状電極間に得られる測定電圧Vを
補正して補正電圧V0 を求める測定電圧補正式V0 =V
・(A0 /A)と、基準となる導電率σ0 を有する導電
性流体を含む複数種類の既知混合率の混相流体を管体に
通流させた場合に一対のリング状電極間に得られる測定
電圧と混合率との関係を示す関数式λ=F(V0 )とか
らなる。また、別の発明においては、リング状電極間及
び参照電極間に印加する各電力をそれぞれ異なる周波数
に設定された交流電力としている。
【0019】また、別の発明においては、この発明の混
合率測定装置で混合率を測定する測定対象の混相流体
を、水である導電流体と氷である物質とからなる混相流
体であるとしている。
【0020】
【作用】このように構成された混相流体の混合率測定装
置において、一対のリング状電極間には混相流体の抵抗
値に対応する電圧Vが検出される。また、一対の参照電
極間には導電性流体の抵抗値(導電率の逆数に比例)に
対応した電圧Aが検出される。
【0021】前述したように、混相流体の抵抗値と混合
率との間には一定の関係が存在するので、この抵抗値に
対応する測定電圧Vと混合率λとの間にも一定の関係が
存在する。よって、混合率λは測定電圧Vの関数として
表現できる。この関数を変換式として予め記憶部に設定
しておく。
【0022】また、混合率λが一定の条件下において
は、混相流体の抵抗値に対する測定電圧Vは導電性流体
の抵抗値(導電率の逆数に比例)に対応した電圧Aに反
比例する。したがって、測定された測定電圧Vを電圧A
の一つの基準値に対する相対比で補正することによっ
て、前記変換式を用いて混合率が算出される。すなわ
ち、変換式及び基準値を用いることによって、正確な導
電率σを求める事なく、混合率が測定される。本発明
おいては、上述した変換式及び基準値を具体的に規定し
ている。
【0023】すなわち、実際に混相流体に対する混合率
の測定を開始する前に、基準導電率σ0 を有する導電性
流体を含む既知混合率λの混相流体を管体に通流させた
場合に、一対の参照電極間に得られる基準電圧A0 を基
準値としている。
【0024】さらに、換算式として、前述と同様に、実
際に混相流体に対する混合率の測定を開始する前に、基
準導電率σ0 を有する導電性流体を含む複数種類の既知
混合率λ1 ,λ2 ,λ3 ,…の各混相流体を管体に通流
させた場合に、一対のリング状電極間に得られる測定電
圧V0 と混合率λとの関係を示す(1) 式の関数式 λ=F(V0 ) …(1)
【0025】と、実際に被測定混成流体が通流した場合
に、一対の参照電極間に得られる電圧Aと基準電圧A0
との除算値(A0 /A)で一対のリング状電極間に得ら
れる測定電圧Vを補正する(2) 式の測定電圧補正式 V0 =V・(A0 /A) …(2) とで構成している。したがって、最終的な被測定混成流
体の混合率λは(3) 式となる。 λ=F(V・A0 /A) …(3) となる。
【0026】また、別の発明においては、リング状電極
間及び参照電極間に印加する各電力をそれぞれ異なる周
波数に設定された交流電力としている。したがって、た
とえ、リング状電極と参照電極とが近接していたとして
も、各電極間に得られる各電圧V、Aに相互間で互いに
悪影響を与えることなく、それぞれ独立した正しい電圧
を検出できる。さらに、別の発明に示すように、本発明
の混合率測定装置で、水と氷との混相流体における氷の
混合率を求めるとより効果的である。
【0027】すなわち、氷の導電率は水の導電率に比較
して非常に大きいので、氷の抵抗値は無限大と見なす
と、管の断面における氷の断面積の割合は水の断面積に
対して反比例するので、混合率λは混相流体の抵抗値、
すなわちリング状電極間の測定電圧Vに正確に反比例す
る。よって、混合率λの測定精度がより上昇する。
【0028】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。図1は実施例の混相流体の混合率測定装置の概略構
成図である。管11内に例えば水の導電性流体と氷の物
質からなる混相流体が図中矢印J方向に流れる。
【0029】管11の管壁に一対のリング状電極12
a,12bが管軸方向に所定間隔を開けて埋設されてい
る。各リング状電極12a,12bの内径は管11の内
径に等しく設定されている。そして、この管11は非導
電性材料で構成されている。各リング状電極12a,1
2bは信号線13a,13bを介して電圧測定回路14
に接続されている。図3(a)は前記管11を水平面で
切断して上方から見た水平断面図であり、図3(b)は
前記管1を管軸と直交する面で切断した縦断面図であ
る。
【0030】管11の下壁における前記一対のリング状
電極12a,12bの上流側位置には窓15a,15b
が形成されている。この窓15a,15bの外側にケー
ス16が取付けられている。ケース16の前記窓15
a,15bに対向する上壁部分にスリット16a,16
bが形成されている。ケース16内には、管11の管軸
に平行する一対の参照電極17a,17bがケース16
の内壁に互いに対向する姿勢で貼付けられている。各参
照電極17a,17bは信号線18a,18bを介して
電圧測定回路19に接続されている。
【0031】管11内を矢印J方向に通流する混相流体
はそのまま各リング状電極12a,12b内を通過する
が、混相流体を構成する導電性流体としての水は窓15
a,スリット16aを介してケース16内に流入して,
スリット16b,窓15bを介して再度管11内に戻
る。この場合、スリット16a,16bが存在するの
で、氷はケース16内に流入することはない。すなわ
ち、ケース16内に導電性流体のみの流路が形成され
る。図4は各電圧検出回路14,19の概略構成図であ
る。
【0032】電圧測定回路14内において、交流電源2
0aから出力された周波数f1 を有する交流電圧はホイ
ートストーンブリッジ21aの入力端子に印加され、ホ
イストーンブリッジ21aの出力端子に増幅器22aが
接続されている。ホイートストーンブリッジ21aの一
片に測定抵抗23aが介挿されており、この測定抵抗2
3aの両端に前記各リング状電極12a,12bが接続
されている。このホイートストーンブリッジ21aは管
11に流体を流さない状態において、バランスするよう
に各抵抗値が調整されている。
【0033】したがって、管11に流体が流れてリング
状電極12a,12b間の抵抗値が変化すると、その変
化量に応じた電圧が出力端子間に生じる。この電圧は増
幅器22aで増幅されたのち直流検波され、A/D変換
器24aでデジタルの測定電圧Vに変換されて次の混合
率算出部25へ入力される。
【0034】電圧測定回路19は前記電圧測定回路14
に準じた構成である。ホイースストーンブリッジ21b
の入力端子に交流電源20bから出力された周波数f2
を有する交流電圧が印加されている。ホイートストーン
ブリッジ21bの一片に介挿された測定抵抗23bの両
端に前記各基準電極17a,17bが接続されている。
このホイートストーンブリッジ21bは管11に流体を
流さない状態において、バランスするように各抵抗値が
調整されている。
【0035】したがって、管11に流体が流れて、さら
にケース16内に導電性流体が流れて、基準電極17
a,17b間の抵抗値が変化すると、その変化量に応じ
た電圧が出力端子間に生じる。この電圧は増幅器22b
で増幅されたのち直流検波され、A/D変換器24bで
デジタルの電圧Aに変換されて次の混合率算出部25へ
入力される。
【0036】混合率算出部25は例えば一種のマイクロ
コンピュータで構成されており、記憶部内には、実際に
混相流体に対する混合率の測定を開始する前に、基準導
電率σ0 を有する導電性流体を含む既知混合率λの混相
流体を管体に通流させた場合に、一対の参照電極間に得
られる基準電圧A0 が記憶されている。
【0037】また、図2に示すように、実際に混相流体
に対する混合率の測定を開始する前に、基準導電率σ0
を有する導電性流体を含む複数種類の既知混合率λ1
λ2,λ3 ,…の各混相流体を管体11に通流させた場
合に、一対のリング状電極12a,12b間に得られる
測定電圧V0 と混合率λとの関係を示す(1) 式の関数式 λ=F(V0 ) …(1)
【0038】と、実際に被測定混相流体が通流した場合
に一対の参照電極17a,17b間に得られる電圧Aと
基準電圧A0 との除算値(A0 /A)で一対のリング状
電極12a,12b間に得られる測定電圧Vを補正する
(2) 式の測定電圧補正式 V0 =V・(A0 /A) …(2) と、最終的な被測定混相流体の混合率λの算出式(3) と
が記憶されている。 λ=F(V・A0 /A) …(3) そして、この実施例においては、(1) 式の関数式は
図2に示すように直線とみなして、(4) 式の直線の式で
記憶されている。 λ=F(V0 )=−K・V0 +1 …(4) 但し、Kは実験的に求めた定数である。
【0039】具体的には、図2に示すように、基準導電
率σ0 の導電性流体を含む混相流体の混合率λ=1(氷
の割合が100%)の条件において、測定電圧V0 =0
ボルトになり、混合率λ=0(氷の割合が0%)の条件
において、測定電圧V0 がある有限値(V0 =1/K)
になるように、各増幅器22a,22bのバイアス電圧
及び増幅率が調整されている。
【0040】そして、混合率算出部25は、各電圧測定
回路14,19から入力された各電圧V,Aを上述した
(1) 〜(4) 式に代入して、最終的な混合率λを算出す
る。そして、混合率算出部25は算出した混合率λを出
力装置26に例えば表示出力する。次に導電性流体の導
電度σを求めなくても混合率λを正確に求めることがで
きる理由を図5(a)(b)及び図6を用いて説明す
る。
【0041】前述したように、例えば水と氷のように、
混相流体を構成する導電性流体の導電率と物質の導電率
が極端に離れている場合、物質の混合率λは測定電圧V
に反比例する。したがって、逆に、横軸を(1−λ)に
置換えて表示すると、図5(a)に示すように、混合率
の関数(1−λ)は測定電圧Vに比例する。
【0042】そして、導電性流体の導電率σを、例えば
3種類σ1 ,σ0 .σ2 に変化させた場合に、各導電率
σ1 ,σ0 .σ2 をパラメータとした場合における混合
率の関数(1−λ)と測定電圧Vとの関係は図5(b)
に示すように、それぞれ異なる傾きを有する直線とな
る。
【0043】そして、各導電率σ1 ,σ0 .σ2 を有す
る導電性流体の抵抗値に対応する基準電極17a,17
b間に得られる電圧AをA1 ,A0 ,A2 とする。そし
て、例えば任意に定めた基準混合率λ0 {関数(1−λ
0 )}を有した各混相流体を測定した場合に得られる各
測定電圧VをV1 ,V0 ,V2 とする。
【0044】この電圧A1 ,A0 ,A2 とV1 ,V0
2 との関係を図6のグラフで示す。このグラフに示す
ように、混合率λが一定の条件においては、リング状電
極12a,12b間の測定電圧Vと参照電極17a,1
7b間の電圧Aは比例する。直線の傾きは、リング状電
極12a,12bの電極面積又はリング状電極12a,
12bの電極間距離と、参照電極17a,17bの電極
面積又は参照電極17a,17bの電極間距離との間の
比率に応じて定まる。
【0045】このことは、例えば図5(b)の実線で示
す、基準導電率σ0 (基準電圧A0)を有する導電性流
体における混合率λと出力電圧Vとの関係を示す一つの
関数F(V0 )を予め求めておけば、他の導電率σ(他
の電圧A)における測定電圧Vを基準状態(基準導電率
σ0 ,基準電圧A0 )で測定した場合における測定電圧
0 に補正することによって、先の関数F(V0 )を用
いて混合率λを算出できる。
【0046】例えば、図6に示すように、電圧A1 の条
件下で得られた測定電圧V1 に対しては、V1 を(A0
/A1 )倍して、V0 =V1 (A0 /A1 )として、先
の関数F(V0 )を演算して混合率λ0 を得る。
【0047】同様に、電圧A2 の条件下で得られた測定
電圧V2 に対しては、V2 を(A0/A2 )倍して、V
0 =V2 (A0 /A2 )として、先の関数F(V0 )を
演算して混合率λ0 を得る。
【0048】このように、任意に設定された基準導電率
σ0 を有する導電性流体における測定電圧Vと混合率λ
との関係式と基準電圧A0 を求めておけば、実際の混相
流体に対する測定時においては、導電率σを求めること
なく、二つの電圧V,Aのみを測定することによって、
正確な混合率λが得られる。
【0049】図7,図8は導電性流体として、水道水,
工業用水,食塩水を用いた場合において、それぞれ氷の
混合率を0,0.2 ,0.4 ,0.6 ,0.8 ,1 と変化させた
場合における混合率算出部25から出力された混合率λ
に対応する出力電圧値Eとの関係を示す実測図である。
図7は前述した図2に示す電圧補正を実施しない状態の
出力特性を示し、図8は、図2に示す電圧補正を実施し
た後の出力特性を示す。
【0050】図示するように、水道水,工業用水,食塩
水の正確な導電率σを求めなかったとしても、使用され
る導電性流体の種類にかかわらず、正確な混合率λが測
定できることが実証された。次に、定期的な点検保守に
おいて実施する校正作業を説明する。
【0051】一般に、電極の表面に汚れが生じると、電
気抵抗が変化するために、定期的に測定電圧Vと混合率
λとの関係[V:(1−λ)]を修正する必要がある。
しかし、リング状電極12a,12bや基準電極17
a,17bを管11から取外すと、製造ラインの稼働状
態に悪影響を与えるので、この取外し作業をできるだけ
回避する必要がある。
【0052】したがって、各電極12a,12b,17
a.17bを管11やケース16に取付けた状態で、導
電性流体としての水のみを管11に通流させる。この状
態においては混合率λは0である。そして、この状態に
おける参照電極17a,17b間の電圧A0 ´を新たな
基準電圧A0 とする。 A0 =A0 ´
【0053】そして、それ以降に得られる測定電圧Vに
(A0 /A0 ´)を乗算する。そして、乗算後の値[V
(A0 /A0 ´)]を新たな測定電圧Vと定義して、前
述した換算式の関数λ=F(V0 )及び補正式V0 =V
0 /Aを用いて混合率λを算出する。
【0054】すなわち、リング状電極12a,12b間
の抵抗値(測定電圧V)と混合率λとの関係は、本質的
に変化しないが、電極の汚れによって、導電性流体
(水)の電気抵抗(電圧A)が変化した場合と同じよう
な誤差が生じる。前述したように混合率λは不変である
ので、混合率λ=0の1点のみで、電極の汚れに起因す
る測定混合率λを正しい値に修正できる。
【0055】このように構成された混相流体の混合率測
定装置においては、導電率σが一定である導電性流体を
用いて、複数種類の既知混合率λを有する混相流体を管
11に通流させた場合における混合率λと測定電圧V0
との関係を示す関数λ=F(V0 )を求め、その時点に
おける参照電極17a.17b間の電圧Aを基準電圧A
0 とし、この関数λ=F(V0 )と基準電圧A0 を記憶
するのみで、正しい混合率λを算出できる。
【0056】したがって、導電性流体の正確な導電率σ
を測定する必要がない。その結果、正確な導電率σを得
るための温度補正回路を設ける必要がないので、回路構
成を簡素化でき、装置全体を小型軽量に形成できる。そ
の結果、複雑な配管網における例えば氷等が詰まり易い
屈曲部等を含む任意位置に、この実施例装置を取付ける
ことが可能となる。
【0057】また、電極の汚染に起因する混合率λのド
リフトを修正する場合においても、各電極12a,12
b,17a,17bを取外すことなく、導電性流体のみ
を通流させた場合における電圧Aでもって混合率算出部
25の設定値を修正する簡単な処理で校正作業が終了す
る。
【0058】また、電圧検出回路14,19におけるリ
ング状電極12a,12b間及び参照電極17a,17
b間に印加する各電圧を供給する交流電源20a.20
bの各周波数f1 ,f2 をそれぞれ異なる値に設定して
いる。したがって、たとえ、リング状電極12a,12
bと参照電極17a,17bとが近接してしたとして
も、各電極間に得られる各電圧V,Aに相互間で互いに
悪影響を与えることなく、それぞれ独立した正しい電圧
を検出できる。その結果、混合率λの測定精度をより一
層向上できる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように本発明の混相流体の
混合率測定装置においては、記憶部に換算式と基準値を
記憶しておくことによって、温度センサや温度補正回路
等の複雑な回路を用いなくて、リング状電極間及び参照
電極間に得られる各電圧のみで正確な混合率が測定でき
る。よって、混合率の測定精度を向上できると共に、装
置全体を小型軽量に構成できる。さらに、経時変化等に
起因する測定値のドリフト修正作業も極めて簡単にで
き、装置全体の維持管理費用が節減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる混相流体の混合率
測定装置の概略構成図。
【図2】 同実施例装置の混合率算出部に記憶された換
算式を説明するための図。
【図3】 同実施例装置の要部を抜出して示す断面図。
【図4】 同実施例装置の各電圧測定回路を示す図。
【図5】 同実施例装置の動作原理を説明するための
図。
【図6】 同じく同実施例装置の動作原理を説明するた
めの図。
【図7】 同実施例装置における測定電圧と混合率との
関係を示す実測図。
【図8】 同実施例装置において異なる導電率の導電性
流体を用いて既知混合率の混相流体の混合率を測定した
場合における混合率と出力値との関係を示す実測図。
【図9】 従来の混相流体の混合率測定装置の概略構成
図。
【符号の説明】
11…管、12a,12b…リング状電極、14,19
…電圧測定回路、16…ケース、17a,17b…参照
電極、21a,21b…ホイストーンブリッジ、22
a,22b…増幅器、24a,24b…A/D変換器、
25…混合率算出部、26…出力装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/00 - 27/24

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内を通流し、導電性流体とこの導電性
    流体と導電率が異なる物質とからなる混相流体における
    前記物質の混合率λを測定する混相流体の混合率測定装
    置において、 前記管内に軸方向に離間配設された一対のリング状電極
    と、 前記混相流体のうちの前記導電性流体のみの流路を形成
    する流路形成手段と、 当該流路形成手段にて形成された導電性流体のみの流路
    内に配設された一対の参照電極と、 基準となる導電率σ0 を有する導電性流体を含む既知混
    合率の混相流体を管体に通流させた場合に前記一対の参
    照電極間に得られる基準電圧A0 と、被測定混相流体が
    通流した場合に前記一対の参照電極間に得られる電圧A
    と前記基準電圧A0 との除算値で前記一対のリング状電
    極間に得られる測定電圧Vを補正して補正電圧V0 を求
    める測定電圧補正式V0 =V・(A0 /A)と、前記基
    準となる導電率σ0 を有する導電性流体を含む複数種類
    の既知混合率の混相流体を前記管体に通流させた場合に
    前記一対のリング状電極間に得られる測定電圧と混合率
    との関係を示す関数式λ=F(V0 )とを用いて前記混
    合率λを算出する混合率算出手段とを備えた混相流体の
    混合率測定装置。
  2. 【請求項2】 前記リング状電極間及び参照電極間に印
    加する各電力はそれぞれ異なる周波数に設定された交流
    電力であることを特徴とする請求項1記載の混相流体の
    混合率測定装置。
  3. 【請求項3】 前記混相流体は、水である導電流体と氷
    である物質とからなることを特徴とする請求項1又は請
    求項2記載の混相流体の混合率測定装置。
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