JPH116753A - 質量流量計 - Google Patents

質量流量計

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JPH116753A
JPH116753A JP9177750A JP17775097A JPH116753A JP H116753 A JPH116753 A JP H116753A JP 9177750 A JP9177750 A JP 9177750A JP 17775097 A JP17775097 A JP 17775097A JP H116753 A JPH116753 A JP H116753A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイパスの存在に基づく弊害を解消し、大
きな流量でも計測でき、周囲温度の影響による誤差を生
じにくく、しかも安全性が高く安価な質量流量計を提供
する。 【解決手段】マスフローセンサ管(6)の周囲に加熱と温
度検出を兼ねる1本のコイル(8)が巻かれており、被測
定流体(1)の加熱前の温度と略同一の周囲温度を検知す
る温度センサ(9)と、該温度センサ(9)に接続された周囲
温度検出回路(16)と、コイル温度を検出するコイル温度
検出回路(17)と、コイル温度を制御するコイル加熱回路
(18)と、流量演算回路(19)を有し、該流量演算回路は周
囲温度とコイル温度との温度差と、コイル(8)に供給し
た電力又は電圧を基に流量を演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は質量流量計に関する
ものであり、特に分流(バイパス)がなくとも大きな流
量を測定可能な質量流量計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】質量流量計(マスフローメータ)は超L
SI等の半導体の製造工程や、各種工業における製造工
程において、気体や液体の質量流量を計測するのに用い
られている。
【0003】熱式質量流量計の基本原理は、導管内に測
定すべき流体(気体又は液体)を流し、ヒーターで導管
内の流体を直接又は間接的に加熱し、上流における周囲
温度とコイル温度との差と、下流における周囲温度とコ
イル温度との差を検出して、(又は上流において奪われ
た熱量と上流において奪われた熱量との差を検出し
て、)それを比較することにより流量を求めている。
【0004】しかし、この方式では、流量の増加に対し
てコイルから流体が奪う熱量の変化量が急激に少なくな
るため、測定すべき流体の流量が大きいときには、上流
と下流の差が少なくなり、正確な質量流量を計測するこ
とが困難となる。そのため微小流量の測定にしか適用す
ることができない。
【0005】そこで、近年では分流(バイパス)を設け
て導管を流れる流体の一部を所定の割合で分岐して、マ
スフローセンサ管を通過する微小な流体の質量流量を測
定し、その計測結果を基に計算及び補正を行って換算す
ることにより、全量の質量流量を算出する分流式の質量
流量計が普及している。
【0006】図7は分流式の質量流量計の構成の概要を
示した図である。マスフローセンサ管(23)を通過する流
体と、分流(20)を通過する流体の流量を所定の比率とす
るために分流(20)にはバイパス素子(22)が備えられてい
る。バイパス素子(22)はマスフローセンサー管(23)と同
一又は類似の径を有する細管(21)を数本から数千本束ね
た構造のものが一般的である。
【0007】感熱素子に電流を流すことにより加熱ヒー
タとしての役割をも兼ね備えるようにしたため、上流1
本,下流1本の計2本の感熱素子(24),(25)を用いてい
る。今日ではこの方式が質量流量計の基本的かつ標準的
構成となっている。
【0008】しかしながら、バイパス素子の存在はマス
フローセンサ管とバイパス素子の寸法,構造の違いによ
る流量誤差を招き易く、周囲温度や流体温度の相違によ
って流量値に影響を受け易い。
【0009】また、バイパス素子へのガスの吸着と、そ
れに伴う残留ガスにより半導体製造工程の汚染を招くと
いう問題や、バイパス製造の組立誤差,寸法誤差により
装置により流量値に固体差が生じるという問題もある。
更には構造の複雑化やコストアップの原因にもなってい
る。
【0010】バイパス素子による弊害は他にもある。マ
スフローセンサに対する各流体の感度は夫々異なる値を
有するので、質量流量計を製造するに際して各種流体を
実際に使用して構成することが精度を維持し、固体差を
無くす上では最も望ましい。
【0011】しかしながら、実際のガス等を流せば製品
内部に一部が残留し、販売先の半導体製造工程の汚染に
つながる。また、実際のガスは反応性が高く、毒性を有
するものも多いので、製造時に常時保管しておくことは
安全性の点で問題がある。更には著しいコストアップの
原因となる。
【0012】そこで、実際のガスの代わりに窒素ガスを
使用してここの製品を校正することが一般的となってい
る。そこで、校正に先立って各種ガスと窒素ガスとのマ
スフローセンサの感度比を測定し数値データとして管理
している。この数値のことを変換係数(コンバージョン
ファクタ:以下「CF」と略す)と呼んでいる。そし
て、製造に際しては窒素ガスを流して各ガス用のCFを
用いて流量校正をしている。校正後の検査段階において
流量が正確に校正されているかどうかを測定するが、こ
のときにも窒素ガスが使用される。
【0013】このような構成や検査の後に合格品として
顧客に納入され設置されるが、顧客での受入検査や装置
始動の段階になって、測定流量が正確ではない又は装置
の固体差がある等の不具合が見つかることがある。これ
は窒素ガスを用いCFで変換して校正し、実際のガスを
使用していないからである。つまり、CFが正確ではな
く、機種間,装置固体間で異なり、流量の大きさが異な
ることに起因する。
【0014】また、マスフローセンサからの流量出力
は、一般に周囲温度の変化による影響を受ける。そのた
めに電気回路の中に温度影響を電気的に補正する温度補
償回路が設けられていることが多い。温度補償をするに
は恒温槽の中に製品をセットし、校正用の窒素ガスを流
しながら温度を変化させ、基準となる質量流量計により
校正する作業が行われる。
【0015】その際にバイパス素子とマスフローセンサ
との形状,材質,構造,寸法等の違いに起因して流量に
より温度特性が異なる。したがって、単にデータとして
のCFの値を用いて補正しただけでは正確な流量校正値
は得られない。したがって、納入先での流量誤差が問題
となることがある。
【0016】このような問題はバイパス素子を備えた分
流を設けたことに起因しているので、可能であれば分流
を設けないことが望ましい。分流を用いない方法とし
て、均一に加熱された導管による熱量計式質量流量計が
ある。これは交流電流を金属製の導管に直接通電するこ
とによって、導管を均一に加熱するものである。
【0017】この方式では分流の存在に起因する上記し
たような不都合は生じないが、管に直接電流を流してい
るためにスパークによる発火事故のおそれがあるため採
用されることは少なく、特に安全性を重視する半導体分
野においては採用される可能性は極めて低い。
【0018】そして、流量が多いと加熱による流体の温
度変化が微小となり、検出が困難となるため測定できる
流量が少ないという従来からの根本的な問題点が依然解
決されていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】そこで、バイパスの存
在に基づく流量測定誤差を解消するために基本的にバイ
パスを有しない構造で、大きな流量でも計測でき、周囲
温度の影響による誤差を生じにくく、しかも安全性が高
く安価な質量流量計が求められている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の質量
流量計は、マスフローセンサ管(6)の周囲に加熱と温度
検出を兼ねる1本のコイル(8)が巻かれており、被測定
流体(1)の加熱前の温度と略同一の周囲温度とコイル温
度との温度差と、コイル(8)に供給した電力又は電圧か
ら流量を演算することを特徴とする。
【0021】請求項2の質量流量計は、マスフローセン
サ管(6)の周囲に加熱と温度検出を兼ねる1本のコイル
(8)が巻かれており、被測定流体(1)の加熱前の温度と略
同一の周囲温度を検知する温度センサ(9)と、該温度セ
ンサ(9)に接続された周囲温度検出回路(16)と、コイル
温度を検出するコイル温度検出回路(17)と、コイル温度
を制御するコイル加熱回路(18)と、流量演算回路(19)を
有し、該流量演算回路は周囲温度とコイル温度との温度
差と、コイル(8)に供給した電力又は電圧を基に流量を
演算することを特徴とする。
【0022】本発明の請求項3の質量流量計は、マスフ
ローセンサ管(6)の周囲に加熱と温度検出を兼ねる並列
に接続された複数本のコイル(81),(82)が巻かれてお
り、被測定流体(1)の加熱前の温度と略同一の周囲温度
とコイル温度との温度差と、コイル(8)に供給した電力
又は電圧から流量を演算することを特徴とする。
【0023】請求項4の質量流量計は、マスフローセン
サ管(6)の周囲に加熱と温度検出を兼ねる並列に接続さ
れた複数本のコイル(81),(82)が巻かれており、被測定
流体(1)の加熱前の温度と略同一の周囲温度を検知する
温度センサ(9)と、該温度センサ(9)に接続された周囲温
度検出回路(16)と、コイル温度を検出するコイル温度検
出回路(17)と、コイル温度を制御するコイル加熱回路(1
8)と、流量演算回路(19)を有し、該流量演算回路は周囲
温度とコイル温度との温度差と、コイル(8)に供給した
電力又は電圧を基に流量を演算することを特徴とする。
【0024】請求項5の質量流量計は、請求項1,請求
項2,請求項3又は請求項4記載の質量流量計におい
て、周囲温度を検知する温度センサ(9)は流体の加熱前
の温度と略同一温度となる伝熱ブロック(3)に取り付け
られていることを特徴とする。
【0025】請求項6の質量流量計は、請求項1,請求
項2,請求項3,請求項4又は請求項5記載の質量流量
計において、マスフローセンサ管(6)のコイル(8)が巻か
れた部分が均一温壁と近似可能であることを特徴とす
る。
【0026】請求項7の質量流量計は、請求項1,請求
項2,請求項3,請求項4,請求項5又は請求項6記載
の質量流量計において、コイル温度と周囲温度との温度
差が、周囲温度の関数として変化するようにコイル温度
が制御されることを特徴とする。
【0027】請求項8の質量流量計は、請求項7記載の
質量流量計において、コイル温度と周囲温度との温度差
と、周囲温度との関係が ΔT=(Tso−Tao)(1+αTso)(1−αT
a) となるように制御されることを特徴とする。尚、上式に
おいてΔTはコイル温度と周囲温度との温度差、Taは
周囲温度、Taoは基準となる周囲温度、TsoはTao
のときの加熱・感熱コイルの温度、αはコイルの抵抗の
温度の温度係数である。
【0028】請求項9の質量流量計は、請求項1,請求
項2,請求項3,請求項4,請求項5,請求項6,請求
項7又は請求項8記載の質量流量計において、分流を有
していないことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適な実施例を用
いて説明する。 [実施例1]図1は本実施例の要部の構成を示した図で
ある。
【0030】(1)は測定対象となる流体であり、マスフ
ローセンサ管(6)を流体入口(2)から流体出口(7)方向に
向かって流れている。マスフローセンサ管(6)の周囲に
は所定長さにわたって加熱・感熱コイル(以下単に「コ
イル」という)(8)が均一に巻かれている。
【0031】(3)は伝熱ブロックよりなるボディであ
り、(4)はボディ(3)に設けられた導管であり、流体(1)
をマスフローセンサ管(6)に導く通路となる。(5)はフラ
ンジ、(13)は蓋体である。(12)はボディ(3)とフランジ
(5)との接触部に配されたシール材であり、(14)はフラ
ンジ(5)内の空間でマスフローセンサ管(6)の周囲に配さ
れた断熱材である。
【0032】(9)は周囲温度センサであり、ボディ(3)に
設けられた埋設穴(10)に埋設され、周囲に熱伝導性樹脂
(11)が充填されている。周囲温度センサ(9)が検出する
ボディ(3)の温度(周囲温度)Taは、ボディ(3)と熱伝
導性樹脂(11)の熱伝導性が高いため、ボディ(3)内の導
管(4)を通過する流体(1)の温度と略等しいと近似するこ
とができる。尚、周囲温度センサ(9)は必ずしもボディ
(3)に埋設する必要はなく、例えばボディ(3)に貼付する
等してもよい。
【0033】(15)は電子回路基板である。電子回路基板
(15)の電子回路の構成を図3に示す。(16)は周囲温度変
換回路であり、周囲温度センサ(9)と接続されており、
流体(1)の流体入口(2)において検出したデータを後述の
コイル加熱回路(18)に伝送する。
【0034】(17)はコイル温度検出回路であり、コイル
(8)の電圧Esと電流Isを検出して、コイル(8)の抵抗
値Rsとコイル温度Tsを演算算出し、コイル加熱回路
(18)に伝送する。
【0035】(18)はコイル加熱回路であり、コイル温度
Tsと周囲温度Taとの温度差ΔTを算出し、その値が
所望の値となるようコイル(8)の電圧Esを制御,供給
する。
【0036】(19)は流量演算回路であり、検出したコイ
ルの電圧Es、電流Isを基にして、直線化処理,流量
構成等の処理を加えて流体の質量流量に比例した信号に
変換する。
【0037】分流がないため、流体(1)は全量がマスフ
ローセンサ管(6)に流入し、加熱・感熱コイル(8)によっ
て加熱される。流体(1)の質量流量Qmは、コイル(8)に
供給される電力P又は電圧ESの測定値と、温度差ΔT
に基づいて算出される。
【0038】尚、コイル(8)に供給される電圧ESに基づ
いて算出する場合、周囲温度Taの影響によりコイル
(8)の抵抗値Rsが変化し、電圧ESも周囲温度Taの影
響を受けることになる。そこで、電圧ESが周囲温度T
aの影響を受けないようにすることが望ましい。
【0039】図2は流量測定のための流体の温度分布を
示した図である。周囲温度TaがTa1のときにコイル温
度TsをTs1とすると、コイル(8)の温度Tsと周囲温度
Taとの温度差ΔTがΔT1のときに、ΔT1=Ts1−
Ta1となるようにTs1を制御する。また、周囲温度Taが
Ta2になったときにはコイル温度をTs2とすると、ΔT2
=Ts2− Ta2となるようにTs2を制御する。このようにコ
イル(8)の温度Tsと周囲温度Taとの温度差ΔTを一
定とせずに、周囲温度Taの変化に対応して変化させる
とよい。すなわち、ΔTをTaの関数として制御するこ
とにより、電圧ESが周囲温度Taにより影響を受けな
いようにすることができる。そのための条件については
後述する。
【0040】本発明の質量流量計は、従来のような上流
と下流の比較による算出ではなく、1カ所での測定値に
基づいて算出しているため、流量が大きい場合でも十分
に測定することができる。
【0041】マスフローセンサ管(6)のコイル(8)部は近
似的に等温壁となっており、マスフローセンサ管(6)内
における流体(1)の温度の変化は近似的に等温壁上の層
流境界層の流体の温度分布の形になる。
【0042】流体(1)がマスフローセンサ管(6)を通過す
る間に、加熱・感熱コイル(8)から吸収する熱量はコイ
ル(8)の消費電力Pに等しく、マスフローセンサ管(6)の
軸方向xの各微小部分dxにおけるコイル(8)の温度T
s(x)と流体(1)の境界層温度(周囲温度に近似)Ta
(x)との差ΔT(x)に流体(1)とコイル(8)との間の熱伝導
率Θを乗じた値Θ(x)・ΔT(x)のコイル長の距離積分値
であり、下記の(式1)で表される。
【0043】
【数1】 ここで、f(Qm)は質量流量Qmの関数を意味する。
【0044】コイル(8)の電圧Esから流体(1)の質量流
量Qmを測定する場合は、先述のように電圧ESが周囲
温度Taにより影響を受けないようにΔTをTaの関数
として制御するが、そのΔTとTaとの関係を求める。
【0045】コイル(8)の抵抗値をRsとすると、 P=Es2/Rs となり、抵抗の温度係数をα、基準抵抗をRsoとする
と、 Rs=Rso(1+αTs) であるので、上記の式(1)は Es2={Rso(1+αTs)(Ts−Ta)}Θ・f(Qm) (式2) と書き換えることができる。
【0046】次に、(式2)からTaの影響を除去して
流量を算出できる条件を求める。周囲温度Taの基準温
度をTaoとし(Taoは適宜定めればよく、例えば25
℃等と定めることができる)、そのときのコイル(8)の
温度をTsoとすると、 (1+αTs)(Ts−Ta)=(1+αTs)ΔT=C =(1+αTso)(Tso−Tao) (式3) となり(Cは定数)、ΔT=Ts−Ta、すなわちTs
=ΔT+Taであるので、 (1+αΔT+αΔTa)ΔT−C=0 これを整理すると、α・ΔT2+(1+αTa)ΔT−C=0 (式4) となる。
【0047】(式4)の解を求め、2α・C/(1+α
Ta)<1のときの近似式は、 ΔT≒C/(1+αTa) となり(式3)の関係から、 ΔT≒(Tso−Tao)(1+αTso)(1−αTa) (式5) となる。
【0048】したがって、(式5)に従ってΔTをTa
の関数として変化させることによって、出力電圧Es
は、周囲温度Taの影響を受けることなく極めて安定な
値が得られる。
【0049】尚、本発明は実用上分流を必要としていた
従来の質量流量計の弊害を解消し、大きな流量を正確に
計測可能とすることを目的とするので、基本的に分流は
設けない。しかしながら、特に流量が多い場合には分流
を設けることによって対応することができる。この場
合、分流を設けたことによる悪影響は生じるが、従来の
ものに比べて分流素子を構成する細管の数を大幅に少な
くすることができ(例えば数本以下)、コストが低減で
きるほか、分流による悪影響も格段に少なく抑えること
ができる。
【0050】又、本実施例では計測後の流体(1)を再度
ボディ(3)内を通して流体出口(7)に導いているが、ボデ
ィ(3)の熱容量は十分に大きいため、加熱された計測後
の流体の温度によりボディ(3)の流体入口(2)の温度が上
昇してしまうようなことはない。必要であれば、計測後
の流体(1)を再度ボディ(3)内を通すことなく質量流量計
外に導くような構成としてもよい。
【0051】[比較試験]周囲温度Taがコイル(8)の
電圧Esに与える影響を確認するために、ΔTを一定と
した場合と、ΔTを(式5)にしたがって周囲温度Ta
に対応して変化させた場合について、電圧Esの偏差を
調べた。
【0052】図4はΔTを10℃に固定した場合を示し
た図であり、(A)は周囲温度TaとΔTとの関係を示
し、(B)は電圧Esの25℃の値に対する偏差を示して
いる。図から電圧Esは周囲温度Taの変化とともに変
化していることがわかる。
【0053】図5はΔTを周囲温度Taに対応して変化
させた場合を示した図であり、(A)は周囲温度TaとΔ
Tとの関係を示し、(B)は電圧Esの25℃の値に対す
る偏差を示している。図から電圧Esは周囲温度Taが
変化してもほとんど変化していない。したがって、コイ
ル(8)の電圧Esに基づいて流量を算出する場合には、
ΔTを周囲温度Taの関数として制御することにより、
流量の測定がより正確になることがわかる。
【0054】[実施例2]図6は本実施例の構成の概要
を示した図である。基本構成は図1に示した実施例1と
同様であるが、加熱・感熱コイルが2本(81),(82)並列
に接続されている点が異なる。この場合でも実施例1と
同様の効果が得られる。又、同様にして加熱・感熱コイ
ルを3本以上並列に接続してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によりバイパ
スの存在に基づく弊害を解消し、大きな流量でも計測で
き、周囲温度の影響による誤差を生じにくく、しかも安
全性が高く安価な質量流量計を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の構成の概要を示した図。
【図2】実施例の温度分布を示した図。
【図3】電子回路の構成の概要を示した図。
【図4】ΔT一定の場合の電圧Esの偏差を示した図。
【図5】ΔTを周囲温度Taに対応して変化させた場合
の電圧Esの偏差を示した図。
【図6】実施例2の構成の概要を示した図。
【図7】従来の分流式の質量流量計の構成の概要を示し
た図。
【符号の説明】
(1) 流体 (2) 流体入口 (3) ボディ(伝熱ブロック) (4) 導管 (5) フランジ (6) マスフローセンサ管 (7) 流体出口 (8) 加熱・感熱コイル (9) 周囲温度センサ (10) 埋設穴 (11) 熱伝導性樹脂 (12) シール材 (13) 蓋体 (14) 断熱材 (15) 電子回路基板 (16) 周囲温度変換回路 (17) コイル温度検出回路 (18) コイル加熱回路 (19) 流量演算回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスフローセンサ管の周囲に加熱と温度
    検出を兼ねる1本のコイルが巻かれており、被測定流体
    の加熱前の温度と略同一の周囲温度とコイル温度との温
    度差と、コイルに供給した電力又は電圧から流量を演算
    することを特徴とする質量流量計。
  2. 【請求項2】 マスフローセンサ管の周囲に加熱と温度
    検出を兼ねる1本のコイルが巻かれており、被測定流体
    の加熱前の温度と略同一の周囲温度を検知する温度セン
    サと、該温度センサに接続された周囲温度検出回路と、
    コイル温度を検出するコイル温度検出回路と、コイル温
    度を制御するコイル加熱回路と、流量演算回路を有し、 該流量演算回路は周囲温度とコイル温度との温度差と、
    コイルに供給した電力又は電圧を基に流量を演算するこ
    とを特徴とする質量流量計。
  3. 【請求項3】 マスフローセンサ管の周囲に加熱と温度
    検出を兼ねる並列接続された複数本のコイルが巻かれて
    おり、被測定流体の加熱前の温度と略同一の周囲温度と
    コイル温度との温度差と、コイルに供給した電力又は電
    圧から流量を演算することを特徴とする質量流量計。
  4. 【請求項4】 マスフローセンサ管の周囲に加熱と温度
    検出を兼ねる並列接続された複数本のコイルが巻かれて
    おり、被測定流体の加熱前の温度と略同一の周囲温度を
    検知する温度センサと、該温度センサに接続された周囲
    温度検出回路と、コイル温度を検出するコイル温度検出
    回路と、コイル温度を制御するコイル加熱回路と、流量
    演算回路を有し、 該流量演算回路は周囲温度とコイル温度との温度差と、
    コイルに供給した電力又は電圧を基に流量を演算するこ
    とを特徴とする質量流量計。
  5. 【請求項5】 周囲温度を検知する温度センサは流体の
    加熱前の温度と略同一温度となる伝熱ブロックに取り付
    けられていることを特徴とする請求項1,請求項2,請
    求項3又は請求項4記載の質量流量計。
  6. 【請求項6】 マスフローセンサ管のコイルが巻かれ
    た部分が均一温壁と近似可能であることを特徴とする請
    求項1,請求項2,請求項3,請求項4又は請求項5記
    載の質量流量計。
  7. 【請求項7】 コイル温度と周囲温度との温度差が、周
    囲温度の関数として変化するようにコイル温度が制御さ
    れることを特徴とする請求項1,請求項2,請求項3,
    請求項4,請求項5又は請求項6記載の質量流量計。
  8. 【請求項8】 コイル温度と周囲温度との温度差と、周
    囲温度との関係が ΔT=(Tso−Tao)(1+αTso)(1−αT
    a) となるように制御されることを特徴とする請求項7記載
    の質量流量計。尚、上式においてΔTはコイル温度と周
    囲温度との温度差、Taは周囲温度、Taoは基準とな
    る周囲温度、TsoはTaoのときの加熱・感熱コイルの
    温度、αはコイルの抵抗の温度の温度係数である。
  9. 【請求項9】 分流を有していないことを特徴とする請
    求項1,請求項2,請求項3,請求項4,請求項5,請
    求項6,請求項7又は請求項8記載の質量流量計。
JP17775097A 1997-06-17 1997-06-17 質量流量計 Expired - Lifetime JP3998295B2 (ja)

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JP2004355815A (ja) * 2003-05-27 2004-12-16 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置および該装置に適した熱式流量計
CN105371909A (zh) * 2015-11-05 2016-03-02 苏州美达瑞电子有限公司 一种基于稳定电源的新型微流量热分布式质量流量计
CN105424114A (zh) * 2015-11-05 2016-03-23 苏州美达瑞电子有限公司 一种新型微流量热分布式质量流量计

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