JP2869886B2 - 遠心血液ポンプ - Google Patents

遠心血液ポンプ

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JP2869886B2 JP7242259A JP24225995A JP2869886B2 JP 2869886 B2 JP2869886 B2 JP 2869886B2 JP 7242259 A JP7242259 A JP 7242259A JP 24225995 A JP24225995 A JP 24225995A JP 2869886 B2 JP2869886 B2 JP 2869886B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも１つの血液
吐出し口及び少なくとも１つの血液吸込口を持ち、これ
らの血液吐出し口及び血液吸込口を除いて液密かつ気密
に閉鎖されているケーシングと、このケーシング内に回
転可能に設けられているポンプロータと、ケーシング外
に設けられている駆動モータと、ポンプロータを回転駆
動するためポンプロータと駆動モータとを磁気結合する
手段とを有する、遠心血液ポンプに関する。
【０００２】
【従来の技術】遠心血液ポンプは、いわゆるローラポン
プに比べて、又血液搬送用心室ポンプに比べても、益々
重要となつてきた。というのも、血液搬送時に現れる前
記ポンプの欠点をそれでもつて取り除くことができるか
らである。これらの欠点は、操作が容易で安価なローラ
ポンプの場合、それが、吸入される媒質に対して鈍感な
純粋の容積式ポンプであり、例えば前段に設けられた血
液貯蔵器の空転時に空気が患者内に吸入されて死を帰結
し得ることにある。更に血液導管の閉塞時に系内に任意
の高さの圧力が生じることがある。血液を運ぶホースで
のローラの恒常的擦り仕事によつて機械的溶血不可避で
あり、ホースの内部で、塞栓症の危険を意味する多大な
摩耗の生じることがある。
【０００３】心室ポンプの場合には、やはり空気が送ら
れることがある他に、それが隔膜と弁とを備えた複雑な
構造体であり、それに応じて高価であり、それ故に、安
全上の理由から要請される使い捨て装置に充分には適し
ていないことに、主な欠点を見ることができる。
【０００４】それに対して、遠心血液ポンプでは、空気
が激しく浸入すると吸排作用が直ちに中断される利点が
ある。又、プラスチツク粒子が機械的に摩耗して血液内
を運び去られる事態を覚悟しなくてもよい。回転ポンプ
による血液傷害は、ローラポンプによるよりも著しく少
ない。しかし、体外循環で血液を搬送するための公知の
遠心血液ポンプは、使い捨て商品として実施すべきポン
プ部分でも、構造費用が多いという欠点をいまなお有し
ている。ロータ用に大抵は血液を運ぶ範囲の外側に軸受
が設けられており、これらの軸受は軸封装置を介して、
血液を運ぶ範囲に対して密封されていなければならな
い。これらの軸封装置が血液ポンプの寿命を限定する。
別の欠点として摩擦熱の排出が充分でなく、ポンプ内で
の血液の滞留時間が長くなると血液が局所的に過熱され
て、血液タンパク質の変性や細胞破壊の虞がある。密封
装置なしの遠心血液ポンプや、専ら磁力で安定した無軸
受ロータを有するものが既に提案されてはいる。しかし
これらのポンプは、構造費用が多いという欠点をいまな
お有しており、安定化の理由から電磁帰還と望ましくな
い大きなポンプロータとを備えた高価な制御装置を必要
とする。そのことからまたもやこれらのポンプの血液室
容積が大きくなり、それに応じて血液用摩擦接触面が大
きくなり、ポンプ範囲内での血液の滞留時間が比較的長
くなる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、使い
捨て商品として構成すべきポンプ部分を、前記欠点を取
り除くのに適した小型構造に構成することができるよう
に、最初に述べられた種類の遠心血液ポンプを構成する
ことである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
本発明によれば、ポンプロータと駆動モータとを磁気結
合する手段が、駆動モータに取り付けられてこの駆動モ
ータにより回転駆動されかつケーシングの半径方向外方
に設けられる回転継手部分と、ポンプロータの回転軸線
に対して直角な面内でこの回転継手部分の周囲に均一に
分布して取り付けられている複数の永久磁石と、ポンプ
ロータの回転軸線に対して直角な前記の面と同じ面内で
ポンプロータの周囲に均一に分布して設けられる複数の
強磁性範囲とを含み、回転継手部分に取り付けられてい
る永久磁石がポンプロータの強磁性範囲へ半径方向に作
用することにより、ポンプロータが安定化されて回転駆
動され、ポンプロータの軸線方向における回転継手部分
の永久磁石の高さが、少なくとも近似的に、軸線方向に
おけるポンプロータの強磁性範囲の高さに等しい。
【０００７】追及されるポンプ部分の小型構造は、特
に、ポンプロータと外側駆動部分との半径方向を向いた
磁気連行結合と、ポンプロータの範囲で複雑で高価な安
定化磁石を避けることによつて達成される。好ましい実
施態様では、ロータ用の付加的滑り軸受が血液通過範囲
内に、密封装置なしに構成して設けられている。ポンプ
ロータの永久磁化された強磁性範囲は、又は非永久磁化
された強磁性範囲も、きわめて小さな高さに限定するこ
とができ、ポンプロータの連行部分の半径と強磁性範囲
の高さとの比は少なくとも１０：１とすることができ
る。それに応じて、ポンプケーシングの外側に設けられ
て駆動モータに接続される回転継手部分も僅かな軸線方
向高さで構成することができる。望ましくはポンプロー
タの連行部分は円板状に構成されており、この円板状部
分の２つの側面の少なくとも一方には血液を搬送する連
行要素を備えている。
【０００８】最初の原型を使つた実験ですでに判明した
ように、本発明により構成される遠心血液ポンプは使い
捨てポンプ部分の経費支出を比較的少なくして動作信頼
性が高く、又ポンプ室容積を比較的小さくして構成する
ことができ、血液がポンプ部分に接触する面積がそれ相
応に小さく、ポンプ装置内での血液の滞留時間は公知の
遠心血液ポンプにおける場合よりも本質的に短い。それ
に応じて、本発明により構成されるポンプは効率が高
い。血液がポンプを迅速に流れる場合、付加的滑り軸受
で、特に尖端軸受で、過熱や顕著な機械的溶血が起きる
ことはない。軸線方向での良好な磁気安定化と半径方向
でのポンプロータの付加的機械的安定化との組合せは不
利な妥協などではなく、既に述べた安価な少ない構造費
用において、かかるポンプのロータを支出を要して純磁
気的に安定させるのに比べて、動作信頼性の本質的向上
をもたらす。停電時にもロータの安定化が乱されておら
ず、ポンプは手動で引き続き作動させることができる。
【０００９】
【実施例】添付図面に基づいて、以下、本発明により構
成される遠心血液ポンプの実施例を詳しく説明する。
【００１０】著しく略示された断面図１に、駆動モータ
１０、その出力軸１１、出力軸１１に同軸で固着された
円板１２、図示されないホルダ内に交換可能に定着され
たポンプケーシング１３を認めることができる。ポンプ
ケーシング１３は中央のポンプ吸込口１４と図３に認め
ることのできる軸線方向ポンプ吐き出口１５′とに至る
まで密閉されており、血液循環路の図示されない体外部
分において使用可能な運転部分を形成する。この運転部
分は使い捨て利用のためにのみ設けられている。
【００１１】密閉ポンプケーシング１３の内部に設けら
れたポンプロータ１５は円板状連行部分１５．１からな
り、適合し又公知でもある種類のポンプ要素１６、特に
開放形羽根車の湾曲翼が、この連行部分の片面に一体に
形成されている。円板状連行部１５．１の周面に均一に
分布させて強磁性範囲１７が設けられており、図示実施
例の場合これらの範囲は永久磁化されている。図２の断
面図が示すように、図示実施例において強磁性範囲１７
は等腕十字１８の腕であり、この強磁性十字１８は、そ
の４つの腕がロータ周面方向に見てＮ極とＳ極とを順次
形成するように永久磁化されている。ポンプロータ１５
の回転軸線１９は、図示されない電気制御装置に接続さ
れた駆動モータ１０の出力軸１１に対して同軸で延びて
いる。
【００１２】モータ１０の出力軸１１に結合された円板
１２にリング２０が設けられており、このリングはポン
プロータ１５の連行部分１５．１の高さでポンプケーシ
ング１３を取り囲み、図示実施例の場合図２に示すよう
にその内面に４つの永久磁石２１を備えている。これら
の永久磁石はポンプロータ１５及び連行部分１５．１の
周面方向に見てＮ極とＳ極とを交互に形成する。永久磁
石２１は、一定した間隔で、保磁ブリツジを形成するリ
ング２０と一緒に定置式ポンプケーシング１３の周りを
回転して、その連行部分１５．１の強磁性十字１８に対
する磁気作用によつてポンプロータ１５を連行する。同
時に、６つの空間的自由度のうちの４つにおいてポンプ
ロータの安定化も引き起こされる。
【００１３】図４は、回転する永久磁石２１とポンプロ
ータの強磁性十字１８との間の磁気結合の原理を示して
おり、この磁気結合が回転軸線１９の周りでのポンプロ
ータ１５の連行を引き起こす。図４が更に示すように、
強磁性十字１８と、回転する永久磁石２１はそれぞれ薄
い板又は板片として構成されており、回転する永久磁石
板片２１はそれぞれ強磁性十字１８の腕に至る磁場プリ
ツジ２２を形成し、このブリツジは平らであり、それを
通して強磁性十字１８の付属の腕に顕著な傾動モーメン
トが加えられることはなく、むしろ磁場ブリツジ２２が
ポンプロータ及び強磁性十字１８の周面に均一に分布し
ていることによつてポンプロータの安定化が起きる。永
久磁石２１を内面に備えた回転継手部分でも、又ポンプ
ロータ１５でも、これらの部分の半径と永久磁石２１又
は強磁性十字１８の高さとの寸法比は少なくとも１０：
１である。
【００１４】本発明による遠心血液ポンプに示す実施例
においてロータ１５は、６つの自由度のうち４つにおい
て安定化されているにもかかわらず、付加的にケーシン
グ１３の内部で、図１に示唆された中央箇所２３で、切
刃状縁を有する支承穴を備えた円板２４によつて、いわ
ば尖端支承されて、これにより、ｘ−ｚ平面（４図）で
の並進運動に対して安定化されている。
【図面の簡単な説明】
【図１】遠心血液ポンプの中央縦断面図である。
【図２】図１のＩＩ−ＩＩ線に沿つた血液ポンプの横断
面図である。
【図３】図１のＩＩＩ−ＩＩＩ線に沿つた血液ポンプの
横断面図である。
【図４】ポンプロータ用磁気連行兼安定化系単独の斜視
図である。
【符号の説明】
１２／２０ 回転継手部分 １５ ポンプロータ １７，１８ 強磁性範囲 ２１ 永久磁石
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−151979（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−224760（ＪＰ，Ａ) 特開 平３−286775（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−136247（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) A61M 1/10 530 A61M 1/10 535

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 少なくとも１つの血液吐出し口（１
    ５′）及び少なくとも１つの血液吸込口（１４）を持
    ち、これらの血液吐出し口及び血液吸込口を除いて液密
    かつ気密に閉鎖されているケーシング（１３）と、この
    ケーシング（１３）内に回転可能に設けられているポン
    プロータ（１５）と、ケーシング（１３）外に設けられ
    ている駆動モータ（１０）と、ポンプロータ（１５）を
    回転駆動するためポンプロータ（１５）と駆動モータ
    （１０）とを磁気結合する手段とを有する、遠心血液ポ
    ンプにおいて、ポンプロータ（１５）と駆動モータ（１
    ０）とを磁気結合する手段が、駆動モータ（１０）に取
    り付けられてこの駆動モータにより回転駆動されかつケ
    ーシング（１３）の半径方向外方に設けられる回転継手
    部分（１２，２０）と、ポンプロータの回転軸線（１
    ９）に対して直角な面内でこの回転継手部分（１２，２
    ０）の周囲に均一に分布して取り付けられている複数の
    永久磁石（２１）と、ポンプロータの回転軸線（１９）
    に対して直角な前記の面と同じ面内でポンプロータ（１
    ５）の周囲に均一に分布して設けられる複数の強磁性範
    囲（１７）とを含み、回転継手部分（１２，２０）に取
    り付けられている永久磁石（２１）が、ポンプロータ
    （１５）の強磁性範囲（１７）へ半径方向に作用するこ
    とにより、ポンプロータ（１５）が安定化されて回転駆
    動され、ポンプロータ（１５）の軸線方向における回転
    継手部分（１２，２０）の永久磁石（２１）の高さが、
    少なくとも近似的に、軸線方向におけるポンプロータ
    （１５）の強磁性範囲（１７）の高さに等しいことを特
    徴とする、遠心血液ポンプ。
  2. 【請求項２】 並進に対する付加的な安定化のためポン
    プロータ（１５）が、ケーシング（１３）内の血液通過
    範囲で密封装置なしに、ポンプロータの半径方向に機械
    的に支承されていることを特徴とする、請求項１に記載
    の遠心血液ポンプ。
  3. 【請求項３】 回転継手部分（１２，２０）が円板（１
    ２）とこの円板（１２）に設けられるリング（２０）と
    からなり、このリングが内周面に永久磁石（２１）を備
    えており、かつ同時に個々の永久磁石の間に保磁ブリツ
    ジを形成することを特徴とする、請求項１又は２に記載
    の遠心血液ポンプ。
  4. 【請求項４】 回転継手部分（１２，２０）の内周面に
    おけるこの回転継手部分の半径又はポンプロータ（１５
    ・１）の外周面におけるこのポンプロータの半径と、永
    久磁石（２１）又は強磁性範囲（１７）の高さとの比
    が、少なくとも１０：１であることを特徴とする、請求
    項１ないし３の１つに記載の遠心血液ポンプ。
  5. 【請求項５】 ポンプロータ（１５）の強磁性範囲（１
    ７）が永久磁化されていることを特徴とする、請求項１
    ないし４の１つに記載の遠心血液ポンプ。
  6. 【請求項６】 回転継手部分（１２，２０）の永久磁石
    （２１）の数がポンプロータ（１５）の強磁性範囲（１
    ７）の数に等しいことを特徴とする、請求項１ないし５
    の１つに記載の遠心血液ポンプ。
  7. 【請求項７】 ポンプロータ（１５）の強磁性範囲（１
    ７）がポンプロータの円板状連行部分（１５・１）に設
    けられており、この連行部分の少なくとも軸線方向片側
    に、ポンプ要素（１６）が形成されていることを特徴と
    する、請求項１ないし６の１つに記載の遠心血液ポン
    プ。
  8. 【請求項８】 ポンプロータ（１５）の機械的軸受が、
    切刃又は尖端を有する円板（２４）からなることを特徴
    とする、請求項１ないし７の１つに記載の遠心血液ポン
    プ。
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DE4430853.1 1994-08-31
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JPH0871145A JPH0871145A (ja) 1996-03-19
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