JP2869810B2 - アルミニウム化合物複合シリカ担体及び球状複合顔料 - Google Patents

アルミニウム化合物複合シリカ担体及び球状複合顔料

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規なアルミニウム化合物複合シリカ担体
に関し、更に詳細には、高い色素吸着性を有し、顔料担
体として有用性が高いアルミニウム化合物複合シリカ担
体、及びこれに有機色素を包蔵せしめてなる、明度、彩
度、耐水性、耐溶剤性、耐候性及び安全性が高く、かつ
良好な伸展性(のび、すべり)を有し、使用感に優れた
球状複合顔料に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
有機顔料は、無機顔料に比べて色の鮮明さと種類の豊
富さにおいて優れてはいるものの、耐水性、耐溶剤性、
耐候性、耐熱性などの安定性において劣るものが多い。
一方、無機顔料にあっては、これらの安定性に優れたも
のが多い反面、一般に色調が鈍く、色の種類にも制限が
ある等の欠点を有している。そこでこのような有機系、
無機系の顔料それぞれの優れた性質を併有した顔料を得
るためその複合化が試みられている。
例えば、酸化チタンや硫酸バリウム等の無機粉体の表
面を有機色素で被覆し、これを不溶化して隠蔽力、耐候
性の向上をはかる方法や、粘土鉱物、シラスバルーン、
その他の活性無機粉体に有機色素をイオン交換または、
吸着作用等で包蔵せしめて顔料を得る方法が知られてい
る。
しかし、この無機粉体を有機色素でコーティングする
方法は、被覆した有機色素が剥離しやすく、また、有機
色素が表面に露出しているために耐水性、耐溶剤性、耐
候性などの向上には自ら限度があり、有機顔料の持つ欠
点を充分にカバーすることができないという問題点があ
った。また、無機粉体内に有機色素を包蔵させる方法
は、有機色素の鮮明さが犠牲となることが多い上、有機
色素の閉じ込めが不完全な場合には、耐水性、耐溶剤性
及び耐候性が悪くなるという欠点があった。
そこで、本発明者らは、このような技術的困難を解決
すべく種々検討を行い、色素の吸着力に優れ、該吸着色
素の色調に何等影響を与えず、かつ、安定な顔料の担体
として必要な性質を満たす多孔性アルミナを見出して先
に特許出願した(特願昭60−20555号)。このものは顔
料としての安定性が高く、色調も鮮明なものであった
が、今般化粧品として使用する際の使用感の官能試験を
行った結果、のび、すべりなどの伸展性の因子が不充分
であり、化粧品としての使用に濃度的限界があることが
判明した。
従来、アルミナはアルミニウム塩の水溶液をアンモ
ニア又はアルカリによって中和する、アルミン酸ナト
リウムの過飽和溶液から析出させたり、アルミン酸ナト
リウムを二酸化炭素、炭酸水素ナトリウムあるいは酸に
より加水分解する、アルミニウムアマルガムを加水分
解する、アルミニウムのアルキル化物又はアルコキシ
ドを加水分解する等の方法で得られたアルミニウムの水
酸化物(又はアルミナ水和物)を脱水することによって
製造されている。
しかしながら、これらの方法によって得られた従来の
アルミナは、形状が微粉状、粒状であるために、伸展性
が充分でなく、使用感に問題を有するものであった。
また、球状のアルミナは、均一沈澱法のひとつであ
る尿素法を用いて得られるアルミナ水和物を脱水する方
法、又は高温溶射法により製造されている。これらの
うち、均一沈澱法では硫酸アルミニウム溶液に尿素を
加えるか、又は硝酸アルミニウムに硫酸アンモニウム、
更に尿素を添加して加熱することにより、球状のアルミ
ナ水和物を得ている。しかしながら、この方法により得
られたアルミナは、不純物として硫酸アルミニウム及び
塩基性硫酸アルミニウムを含み、しかも比表面が10m2/g
以下であるため、担体としての性能に劣るだけでなく、
得られたアルミナが凝集しやすく、使用感にも問題があ
った。また、高温溶射法においては、凝集は生じず、
使用感に優れるものの、比表面積が30m2/g以下であり、
担体としての性能に劣るものであった。
更に、球状の多孔質シリカは、使用感に優れるもの
の、顔料の担体としては不活性であった。
従って、顔料の担体として優れた特徴を有し、かつ化
粧品として使用した際に、良好な使用感が得られる、新
規な活性アルミナ複合シリカ担体の開発が望まれてい
た。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者らは、種々検討した結
果、特定の球状シリカに塩基性アルミニウム塩及び/又
はアルミナを吸着させた、特定の真球度及び平均粒径を
有するアルミニウム化合物複合シリカ担体は、高い色素
吸着性を有し、顔料担体として有用であること、更に、
該担体に有機色素を包蔵せしめれば、官能性に優れ、か
つ耐水性、耐溶剤性が大幅に改良された球状複合顔料が
得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、比表面積が50〜550m2/gの球状
シリカを核とし、該シリカに対して重量比で1/20〜1/1
の塩基性アルミニウム塩及び/又はアルミナを吸着させ
た、真球度1.0〜1.2、平均粒径0.1〜50μmであるアル
ミニウム化合物複合シリカ担体及び該担体を用いた球状
複合顔料を提供するものである。
本発明において、平均粒径は、粉末の懸濁液を超音波
分散させレーザ回折式粒度分布測定装置によって測定し
た値である。真球度は、走査型電子顕微鏡により、視野
中の粒子群についてその最大径と最小径を測定して比を
計算し、それを20視野について平均して得られる値であ
る。細孔径及び細孔容積は、水銀ポロシメータによって
得られる値である。また、比表面積は、N2吸着によるB.
E.T.法によって得られた値である。懸濁液のpHは5重量
%水性懸濁液を25℃で測定した時の値である。
本発明において用いられる球状シリカは、例えばケイ
酸ナトリウム水溶液と有機溶媒とからなるW/O型エマル
ションと、硫酸アンモニウム又は塩化アンモニウム水溶
液とから、界面反応法に用いて得ることができ、W/O
比、及びケイ酸ナトリウムのSiO2/Na2O比を変えること
により、平均粒子径細孔の大きさ及び細孔量を制御する
ことができる。これらのうち、平均粒子径が、0.1〜50
μm、好ましくは1〜20μm、比表面積が50〜550m2/g
であり、平均細孔径50〜1000Å、細孔容積が0.7〜1.2ml
/gなる細孔を有する球状シリカ担体が、アルミニウム化
合物の被着に活性であり、特に好ましい。
塩基性アルミニウム塩としては、例えば次の一般式で
表されるものが挙げられる。
Aln(OH)mXo (式中、XはCl,Br又はIを示し、n,m及びoは、3n=m
+oを満たす数を示す) このような塩基性アルミニウム塩は、水に対する溶解
性が良好で、水溶液のpHが、酸性を呈するものであり、
特に、Al2(OH)5Clが好ましい。
アルミナとしては、単に比表面積が大きいだけでな
く、水熱反応によって少なくとも一部が水和アルミナに
なることのできるものであり、例えば、無定型,χ−,
ρ−,η−アルミナ、ベーマイト等が挙げられる。更に
はこれらの表面に固体酸点を形成させ、吸着性を高めた
アルミナをも包含する。
本発明のアルミニウム化合物複合シリカ担体のうち、
アルミニウム化合物が塩基性アルミニウム塩のものは、
球状シリカに塩基性アルミニウム塩を吸着させた後に、
乾燥することにより製造される。
球状シリかに塩基性アルミニウム塩を吸着させるに
は、例えば球状シリカ粉末を塩基性アルミニウム塩水溶
液中で撹拌しながら処理し、球状シリカの細孔内に塩基
性アルミニウム塩を吸着させればよい。細孔内に吸着さ
れる塩基性アルミニウム塩の量は、シリカ担体の比表面
積、細孔径、細孔容積により変化するが、どのシリカに
対しても5重量%以上含有するものが顔料とした際に好
ましい性質を有する。また、50重量%を超えると、アル
ミニウム塩が遊離し、混合物となるため好ましくない。
このように塩基性アルミニウム塩を球状シリカに吸着さ
せた後、濾過洗浄し、110〜200℃にて乾燥することによ
り、塩基性アルミニウム塩複合シリカ担体が得られる。
なお、本発明において、吸着された塩基性アルミニウム
塩の量は、吸着前後のシリカ担体を110℃、2時間乾燥
し、重量変化を測定してシリカ担体に対する重量%を求
めた値である。
また、アルミニウム化合物がアルミナである本発明の
アルミニウム化合物複合シリカ担体は、球状シリかに塩
基性アルミニウム塩又はアルミナ水和物を吸着させた
後、乾燥及び/又は焼成することにより、製造すること
ができる。
球状シリカにアルミナ水和物を吸着させるには、例え
ば、球状シリカ粉末をアルミン酸アルカリ水溶液中で
撹拌し、酸を添加する方法、アルミニウム塩水溶液中
で撹拌し、アルカリを添加する方法、アルミニウム塩
水溶液中で撹拌し、尿素を添加して加熱する方法(尿素
法)等によって球状シリカの細孔内及び粒子表面に吸着
させればよい。これらの方法のうち、特に尿素法は、ア
ルミナ水和物をより均一に吸着することができ、好まし
い。なお、尿素法においては、尿素添加した後、95〜10
0℃で加熱することが必要であり、95℃未満ではアルミ
ニウム塩及び塩基性アルミニウム塩も共沈するため顔料
の担体として不活性となる。
斯かる処理を行った後、濾過して80〜110℃で乾燥す
る。更に、これに焼成処理を施せば、より色素の吸着力
を増加させることができる。焼成温度は、150〜800℃で
あることが好ましく、特に400〜600℃で10分〜2時間の
焼成のとき最も優れた特性の活性アルミナ複合シリカ担
体が得られる。
球状シリカに吸着されるアルミナの量は、シリカ担体
の比表面積、細孔径、細孔容量により変化するが、どの
シリカ担体に対しても10重量%以上含有するものが、顔
料とした際に好ましい性質を有する。また、50重量%を
超えると、アルミナが遊離し、混合物となり好ましくな
い。なお、本発明においては、吸着されたアルミナの量
は、熱分析装置(理学電機(株)製)により重量減少を
測定し、シリカ担体に対する重量%を計算により求めた
値である。
かくして得られた本発明のアルミニウム化合物複合シ
リカ担体は、平均粒径が0.1〜50μmであり、特に1〜2
0μmであることが好ましい。平均粒径が50μmを超え
ると、化粧品として使用した際、皮膚への付着性(つ
き)に欠け、また、平均粒径が0.1μmより小さくなる
と伸展性が悪くなる。また、真球度は1.0〜1.2であり、
均一な粒度を有するものである。真球度が1.2を超える
と、顔料とした時に良好な伸展性を示さないので好まし
くない。
その比表面積は、有機色素を充分に吸着せしめるため
に30〜350m2/gであることが好ましく、特に200〜350m2/
gであることが好ましい。比表面積が30m2/g未満である
と有機色素の吸着が充分でなくなり、また、350m2/gを
超えるものを調製することは技術上困難である。
また、本発明のアルミニウム化合物複合シリカ担体
は、特に固体酸点を持たなくても有機色素を吸着する
が、水性懸濁液のpHが3.0〜5.0である固体酸点を持つも
のは更に有機色素の吸着性が高い。
水性懸濁液のpHが3.0〜5.5である固体融点を有する本
発明のアルミニウム化合物複合シリカ担体を製造するに
は、上述で得たアルミニウム化合物複合シリカの水性懸
濁液を塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸や、蓚酸、クエン酸等
の有機酸を用いて処理した後、乾燥及び/又は焼成すれ
ばよい。
これらの有機酸による酸処理は、平衡時のpHが2〜5.
5になるような条件で行うことが好ましい。pHが2未満
であるとアルミナが溶解するため担体粒子の溶解が生じ
る場合があり、また5.5を超えると、その後の賦活が困
難となって色素の吸着力が損なわれ易いため好ましくな
い。
斯かる酸処理の後、濾過し、80〜110℃で乾燥して得
られたものを、焼成すれば色素の吸着力の更に大きなア
ルミニウム化合物複合シリカ担体が得られる。ここで、
焼成温度は、150〜800℃であることが好ましく、350〜6
00℃で10分〜2時間の焼成が特に好ましい。
以上の様にして得られた本発明のアルミニウム化合物
複合シリカ担体に有機色素を吸着させることにより包蔵
せしめれば、色が鮮明で安定な複合顔料を得ることが出
来る。
アルミニウム化合物複合シリカ担体に包蔵せしめる有
機色素としては酸性染料、天然色素、油溶性染料、建染
染料等が挙げられ、いずれの色素での着色も可能である
が、酸性染料、天然色素が特に好ましい。
酸性染料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102
号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄
色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色227号、
赤色230号、赤色231号、赤色232号、だいだい色205号、
だいだい色207号、黄色202号、黄色203号、緑色201号、
緑色204号、緑色205号、赤色202号、青色205号、褐色20
1号、赤色410号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、
赤色506号、だいだい色402号、黄色402号、黄色403号、
黄色406号、黄色407号、緑色402号、紫色401増、黒色40
1号等が挙げられ、必要に応じてこれらを混合して用い
ることもできる。
天然色素としては、ラッカイン酸、カルミン酸、ケル
メス酸、アリザリン、シコニン、アルカニン、エキノク
ロームなどのキノン系色素;β−カロチン、β−アポ−
8−カロチナール、カプサンチン、リコピン、ビキシ
ン、クロシン、カンタキサンチンなどのカロチノイド系
色素;シソニン、ラファニン、エノシアニン、サフロー
ルイエロー、ルチン、クエルセチン、カカオ色素などの
フラボノイド系色素;リボフラビンなどのフラビン系色
素;クロロフィルなどのポリフィリン系色素;クリクミ
ンなどのジケトン系色素;ベタニンなどのベタシアニジ
ン系色素等が挙げられ、必要に応じてこれらを混合して
用いることも出来る。
油溶性染料としては、例えば、赤色215号、赤色218
号、赤色223号、だいだい色201号、だいだい色206号、
黄色201号、黄色204号、緑色202号、紫色201号、赤色50
1号、赤色505号、だいだい色403号、黄色404号、黄色40
5号、青色403号等が挙げられ、必要に応じ混合して用い
ることも出来る。
吸着は、前記のように調製されたアルミニウム化合物
複合シリカ担体に上記有機色素の0.001〜10重量%、好
ましくは0.01〜3重量%溶液を接触・作用せしめること
により行われ、次いで、洗浄、60〜90℃で乾燥を行うこ
とにより球状複合顔料が得られる。
色素溶液としては、酸性染料又は天然色素の場合は水
溶液が、油溶性染料の場合は有機溶媒液が好ましいが、
場合によっては水と有機溶媒の混合溶液も用いることが
できる。また、建染染料を製造する場合には還元体の水
溶液が用いられる。色素溶液には、必要に応じて染着性
向上のため界面活性剤、無機塩酸類等を加えてもよい。
アルミニウム化合物複合シリカ担体と色素溶液との接
触・作用操作は、浸漬、滴下混合又は流動床混合等の方
法により行うことができるが、いずれの方法の場合も接
触・作用時間は、1〜60分、色素溶液の液温は80℃以下
とするとこが好ましい。この接触・作用操作により有機
色素を担体中に重量比で0.001〜1g/g担体、特に0.05〜
0.8g/g担体を包蔵せしめたものが顔料とした際に好まし
い性質を有する。
また、有機色素をアルミニウム化合物複合シリカ担体
の細孔内で、アルミニウム化合物と不溶化せしめて包蔵
することにより、色素の溶出が防止される。
また、有機色素を包蔵した担体を、さらに水熱処理す
ることにより、部分的に水和物を生ぜしめることがで
き、この水和反応によっても、有機色素の溶出を防止す
ることができる。
水熱処理は70〜180℃の熱水による処理で良いが、特
に100〜180℃の加圧水蒸気を用いると水熱処理は一層充
分となるため好ましい。しかし、有機色素によっては15
0℃を超えると変色するものがあるため、留意が必要で
ある。また、水熱処理に要する時間は高温であるほど短
時間で良く、温度に応じて決定されるが、5分〜2時間
が好ましい。
水熱処理の後、最終的に粉体を洗浄、濾過し、120℃
以下で乾燥する。この際に濾過物の乾燥を早め、二次凝
集を防ぐためアセトン、エタノール等の有機溶剤を用い
て洗浄すると粉体物性の良いものが得られる。
斯くして得られた本発明の複合顔料は、色調、着色
力、使用感、耐水性、耐溶剤性、且つ安全性に優れたも
のであり、これを配合した化粧料は、色分かれのない鮮
明な外観色と良好な使用感を兼ね備えたものとなる。
また、これを配合した塗料は、鮮明な外観色と良好な
耐候性、耐水性、耐溶剤性を兼ね備えたものとなる。
〔作 用〕
本発明のアルミニウム化合物複合シリカ担体は、球状
で、かつ比表面積が大きく活性であって、水熱処理によ
り水和させる事も可能である。このため高い色素吸着性
を有すると共に、色素溶出をなくすことができ、優れた
色調、耐水性、耐溶剤性、耐候性及び安全性を有し、か
つ良好な伸展性の使用感に優れた顔料を得ることができ
る。
〔発明の効果〕
本発明のアルミニウム化合物複合シリカ担体は、使用
感に優れ、かつ大きな比表面積を有し、吸着特性に優れ
るため、吸湿性、吸油性、保香性及び薬効成分を保持す
る等の機能性をも持ち合わせた体質顔料として有用であ
る。
また、斯かる本発明のアルミニウム化合物複合シリカ
担体を用いた複合顔料は、使用時の色分かれがなく、外
観色の鮮明性及び耐水性、耐溶剤性に優れ、種々の化粧
料、塗料、プラスチック、インキ、絵の具、日用雑貨、
装飾品などに有用である。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1 塩基性塩化アルミニウム(Hoechst社製、商品名ロク
ロン−P、組成式Al2(OH)5Cl・2〜3H2O)180gをイオ
ン交換水400gに溶解し、これに球状の多孔性シリカ(ダ
イソー(株)製、商品名SP−120、平均粒径4.5μm、比
表面積300m3/g、細孔径125Å、細孔容積0.94cc/g)21.0
gを撹拌しながら添加した。次いで90℃にて、1時間撹
拌し、塩基性塩化アルミニウムを球状シリカに吸着させ
た。濾過洗浄し、110℃で2時間乾燥して、平均粒径5
μm、真球度1.0〜1.2の粉末(球状粉末A)を30.5gを
得た。複合された塩基性塩化アルミニウムはシリカに対
し、45.2%であった。
実施例2 実施例1で得た球状粉末A10.0gを窒素雰囲気中500℃
で2時間焼成し、比表面積250m2/g、平均粒径4.5μmの
真球度1.0〜1.2なる粉末9.0g(球状粉末B)を得た。熱
分析の結果、複合されたアルミナはシリカに対して27.0
%であった。
実施例3 硫酸アルミニウム・14〜18水和物(和光純薬(株)
製)11.2g、尿素(和光純薬(株)製)45.0gをイオン交
換水1000gに溶解した。これに球状の多孔性シリカ(ダ
イソー(株)製、商品名SP−120、平均粒径4.5μm、比
表面積300m2/g、細孔径125Å、細孔容積0.94cc/g)5.0g
を撹拌しながら添加し、95℃にて、2時間撹拌した。濾
過洗浄し、90℃で2時間乾燥した後、窒素雰囲気中、40
0℃にて2時間焼成し、5.8gの真球度1.0〜1.2なる粉末
を得た。
この粉末4.6gに水920gを加えて撹拌したところ、25℃
でのpHは7.0であった。これに、1N塩酸を11.3ml加えてp
Hを3.90にした後、2時間撹拌した。最終pHは4.38で平
衡に達した。濾過し、90℃で2時間乾燥した後、窒素雰
囲気中、400℃にて2時間焼成し、4.6gを真球度1.0〜1.
2なる粉末(球状粉末C)を得た。この粉末は、比表面
積270m2/g、平均粒径5.0μmであった。また、この球状
粉末の5%水懸濁液における25℃でのpHは4.6であっ
た。
熱分析の結果、複合されたアルミナは20.5%であっ
た。
実施例4 実施例1で得た球状粉末A1.0gを水50gに懸濁させ、更
にフロキシンB(赤色104号の(1)、癸巳化成製)0.1
5gを水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加え
た。60℃、20分間撹拌し、濾過、水洗、エタノール洗浄
し、80℃で乾燥すると、粉体色の鮮明は赤色を示す複合
顔料(本発明品1)が得られた。得られた顔料のSEM像
を図1に示す。この色素濃度を堀場製カーボンアナライ
ザーEMIA−110型による炭素分析の結果をもとに計算し
たところ、14.8%の色素を含んでいた。また、顔料の粉
体色を色差計(日本電色社製、Σ80)で測定した結果、
色相(H)=5.70R、明度(V)=4.64、彩度(C)=1
6.08であった。
また、顔料の化粧料として必要性能である皮膚表面で
の伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テスト
(専門検査員10人)により調べた結果良好であった。
実施例5 実施例1で得た球状粉末A1.0gを水50gに懸濁させ、更
に天然色素コチニール(D.F.AnsteadLtd.製)0.15gを水
40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加えた。60
℃、20分間撹拌し、濾過、水洗、エタノール洗浄し、80
℃で乾燥すると、粉体色の鮮明な暗赤色を示す複合顔料
(本発明品2)が得られた。得られた顔料は、色素を1
2.5%含むものであり、H=4.57R、V=2.50、C=10.9
3であった。
また、顔料の化粧料として必要性能である皮膚表面で
の伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テスト
により調べた結果良好であった。
実施例6 実施例1で得た球状粉末A1.0gを水50gに懸濁させ、更
に天然色素赤キャベツ(粉末サンレッドRC、三栄化学
製)0.15gを水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら
加えた。60℃、20分間撹拌し、濾過、水洗、次いでエタ
ノール洗浄し、80℃で乾燥すると、粉体色の鮮明な青紫
色を示す複合顔料(本発明品3)が得られた。得られた
顔料は、色素を15.0%含むものであり、H=2.56P、V
=3.66、C=7.28であった。
また、顔料の化粧料として必要性能である皮膚表面で
の伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テスト
により調べた結果良好であった。
実施例7 実施例1で得た球状粉末A1.0gを水50gに懸濁させ、更
に天然色素アナトー(D.F.AnsteadLtd.製)0.20gを水40
gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加えた。60℃、2
0分間撹拌し、濾過、水洗、次いでエタノール洗浄し、8
0℃で乾燥すると、粉体色の鮮明な黄色を示す複合顔料
(本発明品4)が得られた。得られた顔料は、色素を1
9.5%含むものであり、H=4.52YR、V=5.59、C=12.
74であった。
また、顔料の化粧料として必要性能である皮膚表面で
の伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テスト
により調べた結果良好であった。
実施例8 実施例2で得た球状粉末B1.0gを水50gに懸濁させ、更
にフロキシンB(赤色104号の(1)、癸巳化成製)0.1
5gを水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加え
た。60℃、20分間撹拌し、濾過洗浄し着色された球状粉
末を得た。この球状粉末をオートクレーブに入れ、水10
0gを加えた懸濁液を30分で130℃まで昇温し、そのまま
1時間保持した後、30分で70℃まで放冷した。これを洗
浄、乾燥すると、粉体色の鮮明な赤を示す複合顔料(本
発明品5)が得られた。得られた複合顔料のSEM像を図
2に示す。
得られた顔料は、色素7.0%含むものであり、H=5.7
0R、V=4.64、C=16.08であった。
また、顔料の化粧料として必要性能である皮膚表面で
の伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テスト
により調べた結果良好であった。
実施例9 実施例3で得た球状粉末C1.0gを水50gに懸濁させ、更
にフロキシンB(赤色104号の(1)、癸巳化成製)0.1
5gを水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加え
た。60℃、20分間撹拌し、濾過洗浄し着色された球状粉
末を得た。この球状粉末をオートクレーブに入れ、水10
0gを加えた懸濁液を30分で130℃まで昇温し、そのまま
1時間保持した後、30分で70℃まで放冷した。これを洗
浄、乾燥すると、粉体色の鮮明な赤を示す複合顔料(本
発明品6)が得られた。得られた複合顔料のSEM像を図
3に示す。
得られた顔料は、色素を7.0%含むものであり、H=
3.23R、V=4.76、C=15.71であった。
また、顔料の化粧料として必要性能である皮膚表面で
の伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テスト
により調べた結果良好であった。
比較例1 実施例1と同様の多孔性シリカ1.0gを水50gに懸濁さ
せ、更にフロキシンB(赤色104号の(1)、癸巳化成
製)0.15gを水40gを溶解したものを徐々に撹拌しながら
加えた。60℃、20分間撹拌し、濾過、水洗、エタノール
洗浄したところ、染料は吸着されず白色であった。
比較例2 球状のシリコーン樹脂(東芝シリコーン(株)製、商
品名トスパール、平均粒径4.5μm、比表面積20m2/g)
を空気中850℃、2時間加熱し平均粒径4.4μm、比表面
積5m2/gの球状シリカを得た。
実施例1と同様に、塩基性塩化アルミニウム18.0gを
交換水40.0gに溶解し、これに上記球状シリカ2.1gを撹
拌しながら添加した。次いで90℃にて、1時間撹拌し
た。濾過、洗浄し110℃で2時間乾燥し、2.12gを粉末を
得た。複合された塩基性塩化アルミニウムは、シリカに
対し1%であった。
得られた粉末を実施例4と同様にしてフロキシンBの
染色を試みたが、淡いピンク色の顔料しか得られなかっ
た。得られた顔料は、色素を0.5%しか含有していなか
った。
試験例1 実施例4〜9で得られた本発明品1〜6について、市
販品との耐溶水性、耐溶剤性の比較を行った。すなわ
ち、上記実施例で得られた本発明品1〜6及び下記の比
較品1〜3の各0.2gを水、エタノール、又は0.3%食塩
水に懸濁させ、40℃で1時間振とう後、濾過し、濾液中
の染料濃度を分光光度計(島津製、UV−200)により定
量し、染料の溶出量を調べた。その結果を第1表に示す
(単位はppb)。
比較品1: レーキ顔料R104(赤色104−1号を19.4重量%含有) 比較品2: レーキ顔料Y4(黄色4号を38.6重量%含有) 比較品3: レーキ顔料B1(青色1号を12.5重量%含有) 第1表から明らかなように、本発明複合顔料は、耐水
性、耐溶剤性に優れたものであった。
試験例2 皮膚表面での、粉体の伸展性(のび、すべり)を数値
化するために、その代用特性として相関の高い、摩擦係
数を測定した。すなわち、実施例4で得られた本発明品
1の粉末を2枚のアルミニウム製の円盤に挟み込み、10
0gの荷重を円盤の片方から垂直方向に印加し、もう片方
の円盤を300rpmで回転しトルクを検出する事により粉体
の摩擦係数を算出した。伸展性の良い雲母(比較品5)
を対照物質として選択し、摩擦係数を比較測定した。ま
た、薄片状でない粒状のアルミナ顔料(比較品4)の摩
擦係数と比較した。その結果を第2表に示す。
比較品4: 市販の活性アルミナ(平均粒径3.4μm、比表面積270
m2/g、細孔容積0.3ml/g)6.0gに水54.0gを加えて撹拌
し、0.1Nの塩酸を32ml加え、1時間撹拌した。最終pHは
25℃で4.66で平衡に達した。濾過し、90℃で2時間乾燥
した。
更に、窒素雰囲気中400℃、2時間焼成した。この粉
末の5%水懸濁液における25℃でのpHは、4.6であっ
た。
上記焼成粉末1.0gを水50gに懸濁させ、更にフロキシ
ンB(赤色104号(1)、癸巳化成製)0.15gを水40gに
溶解したものを徐々に撹拌しながら加えた。60℃、20分
間撹拌し、濾過洗浄し着色された粉末を得た。更に、こ
の着色粉末を水100gで沸騰処理した、濾過、水洗、エタ
ノール洗浄し、80℃で乾燥し平均粒径4.5μmの粒状の
顔料を得た。
比較品5: 市販の雲母(平均粒径15.0μm) 第2表から明らかなように、本発明複合顔料は雲母と
同様の低い摩擦係数を示した。
【図面の簡単な説明】
図1、図2及び図3は、それぞれ実施例4,8及び9で得
られた本発明複合顔料のSEM像による粒子構造を示す写
真である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】比表面積が50〜550m2/gの球状シリカを核
    とし、該シリカに対して重量比で1/20〜1/1の塩基性ア
    ルミニウム塩及び/又はアルミナを吸着させた、真球度
    1.0〜1.2、平均粒径0.1〜50μmであるアルミニウム化
    合物複合シリカ担体。
  2. 【請求項2】5重量%水性懸濁液にした際の25℃におけ
    るpHが3.0〜5.5である請求項1記載のアルミニウム化合
    物複合シリカ担体。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載のアルミニウム化合物
    複合シリカ担体に有機色素が包蔵されている球状複合顔
    料。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載のアルミニウム化合物
    複合シリカ担体に有機色素が包蔵され、該アルミニウム
    化合物複合シリカ担体表面が水熱処理されている球状複
    合顔料。
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