JP2903244B2 - 複合顔料 - Google Patents

複合顔料

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JP2903244B2
JP2903244B2 JP2087400A JP8740090A JP2903244B2 JP 2903244 B2 JP2903244 B2 JP 2903244B2 JP 2087400 A JP2087400 A JP 2087400A JP 8740090 A JP8740090 A JP 8740090A JP 2903244 B2 JP2903244 B2 JP 2903244B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特定の球状活性アルミナ担体に有機色素を
包蔵せしめてなる、明度、彩度、耐水性、耐溶剤性、耐
候性及び安全性が高く、かつ良好な伸展性(のび、すべ
り)を有し、使用感に優れた顔料に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
有機顔料は、無機顔料に比べて色の鮮明さと種類の豊
富さにおいて優れてはいるものの、耐水性、耐溶剤性、
耐候性、耐熱性などの安定性において劣るものが多い。
一方、無機顔料にあっては、これらの安定性に優れたも
のが多い反面、一般に色調が鈍く、色の種類にも制限が
ある等の欠点を有している。そこでこのような有機系、
無機系の顔料それぞれの優れた性質を併有した顔料を得
るためその複合化が試みられている。
例えば、酸化チタンや硫酸バリウム等の無機粉体の表
面を有機色素で被覆し、これを不溶化して隠蔽力、耐候
性の向上をはかる方法や、粘土鉱物、シラスバルーン、
その他の活性無機粉体に有機色素をイオン交換又は、吸
着作用等で包蔵せしめて顔料を得る方法が知られてい
る。
しかし、この無機粉体を有機色素でコーティングする
方法は、被覆した有機色素が剥離しやすく、また、有機
色素が表面に露出しているために耐水性、耐溶剤性、耐
候性などの向上には自ら限度があり、有機顔料の持つ欠
点を充分にカバーすることができないという問題点があ
った。また、無機粉体内に有機色素を包蔵させる方法
は、有機色素の鮮明さが犠牲となることが多い上、有機
色素の閉じ込めが不完全な場合には、耐水性、耐溶剤性
及び耐候性が悪くなるという欠点があった。
そこで、本発明者らは、このような技術的困難を解決
すべく種々検討を行い、色素の吸着力に優れ、該吸着色
素の色調に何ら影響を与えず、かつ、安定な顔料の担体
として必要な性質な満たす多孔性アルミナを見出して先
に特許出願した(特願昭60−20555号)。このものは顔
料としての安定性が高く、色調も鮮明なものであった
が、今般化粧品として使用する際の使用感の官能試験を
行った結果、のび、すべりなどの伸展性の因子が不充分
であり、化粧品としての使用に濃度的限界のあることが
判明した。
従来、アルミナはアルミニウム塩の水溶液をアンモ
ニア又はアルカリによって中和する、アルミン酸ナト
リウムの過飽和溶液から析出させたり、アルミン酸ナト
リウムを二酸化炭素、炭酸水素ナトリウムあるいは酸に
より加水分解する、アルミニウムアマルガムを加水分
解する、アルミニウムのアルキル化物又はアルコキシ
ドを加水分解する等の方法で得られたアルミニウムの水
酸化物(又はアルミナ水和物)を脱水することによって
製造されている。
しかしながら、これらの方法によって得られた従来の
アルミナは、形状が微粉状、粒状であるために、伸展性
が充分でなく、使用感に問題を有するものであった。
また、球状のアルミナは、均一沈澱法のひとつであ
る尿素法を用いて得られるアルミナ水和物を脱水する方
法、又は高温溶射法により製造されている。これらの
うち、均一沈澱法では硫酸アルミニウム溶液に尿素を
加えるか、又は硝酸アルミニウムに硫酸アンモニウム、
更に尿素を添加して加熱することにより、球状のアルミ
ナ水和物を得ている。しかしながら、この方法により得
られたアルミナは、不純物として硫酸アルミニウム及び
塩基性硫酸アルミニウムを含み、しかも比表面積が10m2
/g以下であるため、担体としての性能に劣るだけでな
く、得られたアルミナが凝集しやすく、使用感にも問題
があった。また、高温溶射法においては、凝集は生じ
ず、使用感に優れるものの、比表面積が30m2/g以下であ
り、担体としての性能に劣るものであった。
一方、特開昭51−100995号公報には金属アルミニウム
をアルカリ性、中性、酸性の各水溶液中で反応させて、
それぞれ微粉状、板状、ゲル状の水和アルミニウムを得
る方法が開示されているが、球状のものは得られていな
い。しかも、この方法で得られるアルミナはいずれも、
比表面積が、30m2/g以下であるため担体としての性能に
劣るだけでなく、その粒径も極めて微細であるため伸展
性が悪く、きしみ等の官能性にも劣るという問題を有し
ていた。
従って、顔料の担体として優れた特徴を有し、かつ化
粧品として使用した際に、良好な使用感が得られる、新
規な活性アルミナ担体の開発が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
斯かる実情において、本発明者らは、種々検討した結
果、特定の平均粒径及び比表面積を有する球状金属アル
ミニウムをアルカリ処理した後、乾燥及び/又は焼成す
れば、活性の高い球状活性アルミナ担体が得られ、また
該担体に有機色素を包蔵せしめた後、水熱処理を行えば
官能性に優れ、かつ耐水性、耐溶剤性の大幅に改良され
た複合顔料が得られることを見出し、本発明を完成し
た。
すなわち、本発明は、平均粒径0.1〜50μm、比表面
積30〜350m2/gである球状活性アルミナ担体に有機色素
が包蔵され、該球状活性アルミナ担体表面が水熱処理さ
れている複合顔料を提供するものである。
本発明において、平均粒径は、粉末の懸濁液を超音波
分散させレーザ回折式粒度分布測定装置によって測定し
た値である。また、比表面積は、N2吸着によるB.E.T.法
によって得られた値である。懸濁液のpHは5重量%水性
懸濁液を25℃で測定した時の値である。
また、本発明において、球状とは、双球、球の融着し
たものも含まれるが、実質的に球がベースである。
本発明における活性アルミナとは、単に比表面積が大
きいだけでなく、水熱反応によって少なくとも一部が水
和アルミナになることのできるものであり、例えば、無
定型、χ−,ρ−,η−アルミナ、ベーマイト等をい
う。更にはこれらの表面に固体酸点を形成させ、吸着性
を高めたアルミナをも包含する。
本発明の球状活性アルミナ担体の平均粒径は0.1〜50
μmであることが必要であり、特に1〜20μmであるこ
とが好ましい。平均粒径が50μmを超えると、化粧品と
して使用した際、皮膚への付着性(つき)に欠け、ま
た、平均粒径が、0.1μmより小さくなると伸展性が悪
くなる。
その比表面積は、有機色素を充分に吸着せしめるため
に30〜350m2/gであることが必要であり、特に200〜350m
2/gであることが好ましい。比表面積が30m2/g未満であ
ると有機色素の吸着が充分でなくなり、また350m2/gを
超えるものを調整することは技術上困難である。
また、本発明の球状活性アルミナ担体は、特に固体酸
点を持たなくても有機色素を吸着するが、懸濁液のpHが
3.0〜5.0である固体酸点を持つものは更に有機色素の吸
着性が高い。
斯かる本発明の球状活性アルミナ担体は、比表面積が
1〜20m2/gで、かつ平均粒径0.1〜50μmの球状金属ア
ルミニウムをpH7.1〜11.0でアルカリ処理した後、乾燥
及び/又は焼成するか、あるいは、この方法で得た球状
活性アルミナ担体を更に酸処理した後、乾燥及び/又は
焼成することによって製造される。
本発明において、出発原料である球状金属アルミニウ
ムは、アルミニウムをアトマイズ粉にし、これを篩によ
り分級したものを用いることができる。
この球状の金属アルミニウムをアルカリ水溶液中にて
撹拌しながら処理する。使用するアルカリとしてはアル
カリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属
炭酸塩、アンモニア、アミン、尿素が挙げられるが、特
にアンモニア、尿素、モノエタノールアミン等のアミン
が好ましい。また、アルカリ水溶液のpHは、急激な反応
を抑制するために7.0〜11.0であることが必要であり、
特に9.0〜10.0であることが好ましい。また、反応温度
は、急激な反応を抑制するために40〜100℃、特に70〜9
0℃であることが好ましい。更に、アルカリ処理反応の
際、球状活性アルミナ担体の凝集防止の目的で界面活性
剤を添加すると好ましい結果が得られる。添加する界面
活性剤としては、陰イオン性界面活性剤が好ましく、特
にポリカルボン酸型高分子界面活性剤が好ましい。
斯かるアルカリ処理を行った後、濾過して乾燥する。
更に、これに焼成処理を施せば、より色素の吸着力を増
加させることができる。焼成温度は、150〜800℃である
ことが好ましく、特に300〜600℃で10分〜2時間焼成す
ると、最も優れた特性の球状活性アルミナ担体が得られ
る。
懸濁液のpHが3.0〜5.0である固体酸点を有する本発明
の球状活性アルミナ担体を製造するには、上述で得た薄
片状活性アルミナの懸濁液を塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸
や、蓚酸、クエン酸等の有機酸を用いて処理した後、乾
燥及び/又は焼成すればよい。
これらの有機酸による酸処理は、平衡時のpHが2〜5.
5になるような条件で行うことが好ましい。pHが2未満
であるとアルミナが溶解するため担体粒子の溶解が生じ
る場合があり、また5.5を超えると、その後の賦活が困
難となって色素の吸着力が損なわれ易いため好ましくな
い。
斯かる酸処理の後、濾過し、乾燥して得られたもの
を、焼成すれば色素の吸着力の更に大きな球状活性アル
ミナ担体が得られる。ここで、焼成温度は、150〜800℃
であることが好ましく、350〜600℃で10分〜2時間の焼
成が特に好ましい。
以上の様にして得られた本発明の球状活性アルミナ担
体に、有機色素を吸着させることにより包蔵せしめれ
ば、色が鮮明で安定な複合顔料を得ることが出来る。
球状活性アルミナ担体に包蔵せしめる有機色素として
は酸性染料、天然色素、油溶性染料、建染染料等が挙げ
られ、いずれの色素での着色も可能であるが、酸性染
料、天然色素が特に好ましい。
酸性染料としては、赤色2号、赤色3号、赤色102
号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄
色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色227号、
赤色230号、赤色231号、赤色232号、だいだい色205号、
だいだい色207号、黄色202号、黄色203号、緑色201号、
緑色204号、緑色205号、赤色202号、青色205号、褐色20
1号、赤色410号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、
赤色506号、だいだい色402号、黄色402号、黄色403号、
黄色406号、黄色407号、緑色402号、紫色401号、黒色40
1号等が挙げられ、必要に応じてこれらを混合して用い
ることもできる。
天然色素としては、ラッカイン酸、カルミン酸、ケル
メス酸、アリザリン、シコニン、アルカニン、エキノク
ロームなどのキノン系色素;β−カロチン、β−アポ−
8−カロチナール、カプサンチン、リコピン、ビキシ
ン、クロシン、カンタキサンチンなどのカロチノイド系
色素;シソニン、ラファニン、エノシアニン、サフロー
ルイエロー、ルチン、クエルセチン、カカオ色素などの
フラボノイド系色素;リボフラビンなどのフラビン系色
素;クロロフィルなどのポルフィリン系色素;クルクミ
ンなどのジケトン系色素;ベタニンなどのベタシアニジ
ン系色素が挙げられ、必要に応じてこれらを混合して用
いることもできる。
油溶性染料としては、例えば、赤色215号、赤色218
号、赤色223号、だいだい色201号、だいだい色206号、
黄色201号、黄色204号、緑色202号、紫色201号、赤色50
1号、赤色505号、だいだい色403号、黄色404号、黄色40
5号、青色403号等が挙げられ、必要に応じ混合して用い
ることもできる。
吸着工程は、前記のように調製された球状活性アルミ
ナ担体に上記有機色素の0.001〜10重量%、好ましくは
0.01〜3重量%溶液を接触・作用せしめることにより行
われる。
色素溶液としては、酸性染料又は天然色素の場合は水
溶液が、油溶性染料の場合は有機溶媒溶液が好ましい
が、場合によっては水と有機溶媒の混合溶液も用いるこ
とができる。また、建染染料を製造する場合には還元体
の水溶液が用いられる。
色素溶液には、必要に応じて染着性向上のため界面活
性剤、無機塩類等を加えてもよい。
球状活性アルミナ担体と色素溶液との接触・作用操作
は、浸漬、滴下混合又は流動床混合等の方法により行う
ことができるが、いずれの方法の場合も接触・作用時間
は、1〜60分、色素溶液の液温は80℃以下とすることが
好ましい。この接触・作用操作により有機色素を担体中
に重量比で0.001〜1g/g担体、特に0.05〜0.8g/g担体を
包蔵せしめたものが顔料とした際に好ましい性質を有す
る。
有機色素を包蔵した活性アルミナ担体は、更に水熱処
理を行う事によって部分的に水和物を生ぜしめることが
できる。この水和反応により、有機色素の溶出が防止さ
れる。
水熱処理は70〜180℃の熱水による処理で良いが、特
に100〜180℃の加圧水蒸気を用いると水熱処理が一層充
分となるため好ましい。しかし、有機色素によっては15
0℃を超えると変色するものがあるため、留意が必要で
ある。また、水熱処理に要する時間は高温であるほど短
時間で良く、温度に応じて決定されるが、5分〜2時間
が好ましい。
水熱処理の後、最終的に粉体を洗浄、濾過し、120℃
以下で乾燥する。この際に濾過物の乾燥を早め、二次凝
集を防ぐためアセトン、エタノール等の有機溶剤を用い
て洗浄すると粉体物性の良いものが得られる。
斯くして得られた本発明の複合顔料は、色調、着色
力、使用感、耐水性、耐溶剤性、且つ安全性に優れたも
のであり、これを配合した化粧料は、色分かれのない鮮
明な外観色と良好な使用感を兼ね備えたものとなる。
また、これを配合した塗料は、鮮明な外観色と良好な
耐候性、耐水性、耐溶剤性を兼ね備えたものとなる。
〔作 用〕
本発明のアルミナ担体は、球状で、かつ比表面積が大
きく活性であって、水熱処理により水和させる事も可能
である。このため高い色素吸着性を有すると共に、色素
溶出をなくすことができ、優れた色調、耐水性、耐溶剤
性、耐候性、及び安全性を有し、かつ良好な伸展性の使
用感に優れた顔料を得ることができる。
〔発明の効果〕
本発明の球状活性アルミナ担体を用いた複合顔料は、
使用時の色分かれがなく、外観色の鮮明性及び耐水性、
耐溶剤性に優れ、種々の化粧料、塗料、プラスチック、
インキ、絵の具、日用雑貨、装飾品などに有用である。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例1 球状金属アルミニウム(アルコア(株)製、アルミニ
ウムのアトマイズ粉、平均粒径8.0μm、325メッシュパ
ス品)10.0gを、エタノール160g、水200gの混合溶液に
添加した。更に、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性
剤(花王製デモールEP)を0.1g添加して、30分間撹拌し
た。更に、モノエタノールアミン0.9gを添加した。この
時の25℃でのpHは、10.0であった。100℃で10時間撹拌
し、吸引濾過後90℃で2時間乾燥し、15.5gの白色粉末
(球状粉末A)を得た。更に窒素雰囲気中400℃で2時
間焼成し、比表面積200m2/g、平均粒径9.5μmの球状粉
末11.0g(球状粉末B)を得た。
実施例2 実施例1で得た粉末A10.0gに水170gを加えて撹拌し
た。この時の25℃でのpHは、7.0であった。これに1Nの
塩酸を4ml加えpHを3.60にした後、2時間撹拌した。最
終pHは4.20で平衡に達した。濾過し、90℃で2時間乾燥
した。更に、窒素雰囲気中、400℃にて2時間焼成し、
7.0gの球状粉末(球状粉末C)を得た。このものは、比
表面積220m2/g、平均粒径9.5μmであった。また、この
球状粉末の5%水懸濁液における25℃でのpHは、4.6で
あった。
実施例3 実施例1で得た球状粉末B1.0gを水50gに懸濁させ、更
に天然色素コチニール(カルミン酸、三栄化学製)0.35
gを水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加えた。
60℃、20分間撹拌し、濾過洗浄し着色された球状粉末を
得た。更に、この着色粉末を水100gで沸騰処理した後、
濾過、水洗、次いでエタノール洗浄し、80℃で乾燥する
と粉体色の鮮明な暗赤色を示す複合顔料(本発明品1)
が得られた。
得られた複合顔料のSEM像を図1に示す。この色素濃
度を堀場製カーボンアナライザーEMIA−110型による炭
素分析の結果をもとに計算したところ、12.5%の色素を
含んでいた。また、顔料の粉体色を色差計(日本電色社
製、Σ80)で測定した結果、色相(H)=3.55R、明度
(V)=2.64、彩度(C)=10.05であった。
また、複合顔料の化粧料として必要性能である皮膚表
面での伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テ
スト(専門パネラー10人)により調べた結果良好であっ
た。
実施例4 実施例1で得た球状粉末B1.0gを水50gに懸濁させ、更
に天然色素コチニール(カルミン酸、三栄化学製)0.35
gを水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加えた。
60℃、20分間撹拌し、濾過洗浄し着色された球状粉末を
得た。更に、この着色粉末を水100gで沸騰処理した後、
濾過、水洗、次いでエタノール洗浄をし、80℃で乾燥す
ると粉体色の鮮明な暗赤色を示す複合顔料(本発明品
2)が得られた。
得られた複合顔料は、色素を18.0%含むものであり、
H=3.50R、V=2.54、C=10.24であった。
また、複合顔料の化粧料として必要性能である皮膚表
面での伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テ
ストにより調べた結果良好であった。
実施例5 実施例1で得た球状粉末B1.0gを水50gに懸濁させ、更
にフロキシンB(赤色104号の(1)、癸巳化成製)0.1
5gを水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加え
た。60℃、20分間撹拌し、次いで濾過洗浄して着色され
た球状粉末を得た。この球状粉末をオートクレーブに入
れ、水100gを加えた懸濁液を30分で130℃まで昇温し、
そのまま1時間保持後、30分で70℃まで放冷した。更に
これを洗浄、乾燥すると粉体色の鮮明な赤色を示す複合
顔料(本発明品3)が得られた。
得られた複合顔料は、色素を10.0%含むものであり、
H=5.18R、V=3.80、C=14.30であった。
また、複合顔料の化粧料として必要性能である皮膚表
面での伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テ
ストにより調べた結果良好であった。
実施例6 実施例1で得た球状粉末B1.0gを水50gに懸濁させ、更
にタートラジン(黄色4号、癸巳化成製)0.15gを水40g
に溶解したものを徐々に撹拌しながら加えた。60℃、20
分間撹拌し、次いで濾過洗浄して着色された球状粉末を
得た。この薄片状粉末をオートクレーブに入れ、水100g
を加えた懸濁液を30分で130℃まで昇温し、そのまま1
時間保持後、30分で70℃まで放冷した。更にこれを洗
浄、乾燥すると粉体色の鮮明な黄色を示す複合顔料(本
発明品4)が得られた。
得られた複合顔料は、色素を10.5%含むものであり、
H=2.61Y、V=6.46、C=14.50であった。
また、複合顔料の化粧料として必要性能である皮膚表
面での伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テ
ストにより調べた結果良好であった。
実施例7 実施例1で得た球状粉末B1.0gを水50gに懸濁させ、更
にブリリアントブルー(青色1号、癸巳化成製)0.15g
を水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら加えた。6
0℃、20分間撹拌し、次いで濾過洗浄して着色された球
状粉末を得た。この球状粉末をオートクレーブに入れ、
水100gを加えた懸濁液を30分で130℃まで昇温し、その
まま1時間保持後、30分で70℃まで放冷した。更にこれ
を洗浄、乾燥すると粉体色の鮮明な青色を示す複合顔料
(本発明品5)が得られた。
得られた複合顔料は、色素を10.0%含むものであり、
H=5.34B、V=1.24、C=9.85であった。
また、複合顔料の化粧料として必要性能である皮膚表
面での伸展性(のび、すべりの良さ)について、実用テ
ストにより調べた結果良好であった。
比較例1 新日本製鐵(株)製、平均粒径25.0μm、比表面積1m
2/gの球状アルミナ粒子(製品名AX−25)1.0gをイオン
交換水50gに懸濁させ、更にフロキシンB(癸巳化成
製)0.15gを水40gに溶解したものを徐々に撹拌しながら
加えた。60℃、20分間撹拌し、濾過洗浄したが、この球
状アルミナは染色せず白色であった。
比較例2 硫酸アルミニウム・14〜18水(和光純薬(株)製)6.
7g、尿素(和光純薬(株)製)27.0gをイオン交換水100
0gに溶解した。撹拌しながら90℃に保持したところ、17
分後に白色の沈澱が析出し始め、80分後に反応を止め
た。懸濁液の最終pHは5.91であった。濾過洗浄後、90℃
で2時間乾燥し、2.1gの白色粉末を得た。さらに窒素雰
囲気中400℃で2時間焼成し、比表面積2.4m2/g、平均粒
径7.6μmの球状アルミナ粉末を得た。
2の粉末1.0gを水50gに懸濁させ、更に天然色素コチ
ニール(カルミン酸、三栄化学製)0.35gを水40gに溶解
したものを徐々に撹拌しながら加えた。60℃、20分間撹
拌し、濾過洗浄し、淡ピンク色の顔料を得た。
得られた顔料は、色素を0.5%しか含有していなかっ
た。
試験例1 実施例3〜7で得られた本発明品1〜5について、市
販品との耐溶水性、耐溶剤性の比較を行った。すなわ
ち、上記実施例で得られた本発明品1〜5及び下記の比
較品1〜3の各0.2gを水、エタノール、又は、0.3%食
塩水に懸濁させ、40℃で1時間振とう後、濾過し、濾液
中の染料濃度を分光光度計(島津製、UV−200)により
定量し、染料の溶出量を調べた。その結果を第1表に示
す(単位はppb)。
比較品1: レーキ顔料R104(赤色104−1号を19.4重量%含有) 比較品2: レーキ顔料Y4(黄色4号を38.6重量%含有) 比較品3: レーキ顔料B1(青色1号を12.5重量%含有) 第1表から明らかなように、本発明複合顔料は、耐水
性、耐溶剤性に優れたものであった。
試験例2 皮膚表面での、粉体の伸展性(のび、すべり)を数値
化するために、その代用特性として相関の高い、摩擦係
数を測定した。すなわち、実施例5で得られた本発明品
3の粉末を2枚のアルミニウム製の円盤に挟み込み、10
0gの荷重を円盤の片方から垂直方向に印加し、もう片方
の円盤を300rpmで回転しトルクを検出する事により粉体
の摩擦係数を算出した。伸展性の良い雲母(比較品5)
を対象物質として選択し、摩擦係数を比較測定した。ま
た球状でない粒状のアルミナ顔料(比較品4)の摩擦係
数と比較した。その結果を第2表に示す。
比較品4: 市販の活性アルミナ(平均粒径3.4μm、比表面積270
m2/g、細孔容積0.3ml/g)6.0gに水54.0gを加えて撹拌
し、0.1Nの塩酸を32ml加え、1時間撹拌した。最終pHは
25℃で4.66で平衡に達した。濾過し、90℃で2時間乾燥
した。
更に、窒素雰囲気中400℃、2時間焼成した。この粉
末の5%水懸濁液における25℃でのpHは、4.6であっ
た。
上記焼成粉末1.0gを水50gに懸濁させ、更にフロキシ
ンB(赤色104号の(1)、癸巳化成製)0.15gを水40g
に溶解したものを徐々に撹拌しながら加えた。60℃、20
分間撹拌し、濾過洗浄し着色された粉末を得た。更に、
この着色粉末を水100gで沸騰処理した。濾過、水洗、エ
タノール洗浄し、80℃で乾燥し平均粒径4.5μmの粒状
の顔料を得た。
比較品5: 市販の雲母(平均粒径15.0μm) 第2表から明らかなように、本発明複合顔料は雲母と
同様の低い摩擦係数を示した。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例3で得られた、本発明複合顔料のSEM像
による粒子構造を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01F 7/02 C01F 7/42 C09C 1/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径0.1〜50μm、比表面積1〜20m2/
    gの球状金属アルミニウムをpH7.1〜11.0でアルカリ処理
    した後、乾燥及び/又は焼成して得られる、平均粒径0.
    1〜50μm、比表面積30〜350m2/gである球状活性アルミ
    ナ担体に有機色素が包蔵され、該球状活性アルミナ担体
    表面が水熱処理されていることを特徴とする複合顔料。
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