JP2869574B2 - 楽音波形発生装置 - Google Patents

楽音波形発生装置

Info

Publication number
JP2869574B2
JP2869574B2 JP2172200A JP17220090A JP2869574B2 JP 2869574 B2 JP2869574 B2 JP 2869574B2 JP 2172200 A JP2172200 A JP 2172200A JP 17220090 A JP17220090 A JP 17220090A JP 2869574 B2 JP2869574 B2 JP 2869574B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tone
processing
data
sound source
address
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2172200A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0460698A (ja
Inventor
隆二 宇佐美
康祐 斯波
広一郎 太期
和夫 小倉
潤 細田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KASHIO KEISANKI KK
Original Assignee
KASHIO KEISANKI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KASHIO KEISANKI KK filed Critical KASHIO KEISANKI KK
Priority to JP2172200A priority Critical patent/JP2869574B2/ja
Priority to DE69130748T priority patent/DE69130748T2/de
Priority to EP91109140A priority patent/EP0463411B1/en
Priority to KR1019910010817A priority patent/KR950000841B1/ko
Publication of JPH0460698A publication Critical patent/JPH0460698A/ja
Priority to US07/855,431 priority patent/US5319151A/en
Priority to US08/223,589 priority patent/US5726371A/en
Priority to HK98114681A priority patent/HK1013349A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP2869574B2 publication Critical patent/JP2869574B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数種類の音源方式を有する楽音波形発生
装置に関し、更に詳しくは、演奏中に複数の音源方式を
混在させることができる楽音波形発生装置に関する。
〔従来の技術〕
従来から電気的に楽音を生成して出力する電子楽器や
音源モジュールなどの楽音波形発生装置が実現されてお
り、これらの装置においては楽音を生成・出力するため
に、PCM方式や周波数変調方式など、いずれかの音源方
式が採用されている。
更に、これらの装置の中には、例えばピアノやトラン
ペットなど、複数種類の音色で楽音を発生させることを
可能にしたものがあり、このような装置においては、演
奏する曲やパートなどに応じて演奏者が所望の音色をス
イッチなどで適宜選択するようになっている。
通常、このような装置は、1つの装置で1種類の音源
方式のみが採用されており、演奏者によって演奏が行わ
れると、採用されている音源方式で、選択されている音
色の楽音を生成して出力するようにしている。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、従来の楽音波形発生装置では、上述し
た何れか1種類の音源方式が採用されており、この1種
類の音源方式のみで複数種類の音色の楽音全てを作り出
すように構成されている。
しかしながら、音源方式の種類によっては、音源方式
の特徴(処理内容やメモリ容量)と音色の特徴(自然楽
器の形状や奏法に起因する波形形状)との関係から、作
り出すべき楽音の音色に対して多少の適不適があるのが
実状である。
このような点に鑑みて、1つの装置にて複数種類の音
源方式を持ち、選択された音色に応じて音源方式を自動
的に切り替えるものが考えられている。
しかしながら、音源方式の適不適は、音色だけに左右
されるものではなく、正確には音高(周波数)や音量
(振幅)にも多少なりとも左右されるものである。
上述したように、1種類の音色に対して1種類の音源
方式を固定的に割り当ててある装置では、どのような音
高・音量(ベロシティ)で演奏を行っても1種類の音源
方式でしか楽音を生成しないので、演奏時の音高の高低
や音量の大小によっては、音源方式が必ずしも最適では
ない場合も生じてくる。
本発明は、選択された音色及び演奏時の音高やベロシ
ティといった演奏情報から楽音を生成するにあたって、
音色・音高・音量に最も適した音源方式を選択して楽音
を生成することができる楽音波形発生装置を実現するこ
とを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、各々に対して複数種類の音源方式が割り当
てられている複数種類の音色のうち、任意の音色を選択
可能な音色選択手段と、演奏情報を入力する演奏情報入
力手段と、この演奏情報入力手段から入力されるべき演
奏情報の取り得る値の範囲を複数の区間に分割し、各区
間に対して前記複数種類の音源方式の何れかを割り当て
る音源方式割当手段と、前記演奏情報入力手段から入力
された演奏情報の値が、前記複数の区間の何れに含まれ
るのかを判定する判定手段と、この判定手段で判定され
た区間に割り当てられている音源方式で、前記音色選択
手段で選択された音色を有し且つ前記入力された演奏情
報の値に応じた特性の楽音信号を生成して出力する楽音
信号出力手段とを有する。
〔作用〕
本発明では、音色選択手段で所望の音色を選択した時
点で、その音色の楽音を作り出すのに適していると思わ
れる複数種類の音源方式が選択可能な候補となり、この
複数種類の音源方式の中から、演奏時に入力された演奏
情報(音高やベロシティの情報)に最も適した音源方式
が選択されるようになる。
この結果、演奏者の負担を増大させること無く、音源
方式の特徴(処理内容やメモリ容量)と音色(波形形
状)・音高(周波数)・音量(振幅)との関係から最も
適した音源方式を自動的に選択して楽音を生成すること
ができるようになる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明す
る。
本実施例の構成 第1図は、本発明の実施例の全体構成図である。
同図において、まず、装置全体はマイクロコンピュー
タ101により制御される。特に、楽器の制御入力の処理
のみならず、楽音を生成する処理もマイクロコンピュー
タ101で実行され、楽音生成用の音源回路は必要としな
い。
鍵盤102と機能キー103とからなるスイッチ部104は楽
器の操作入力部分であり、スイッチ部104から入力され
た演奏情報はマイクロコンピュータ101で処理される。
なお、機能キー103の詳細については後述する。
表示部109は、後述するように、演奏者がスプリット
ポイントを決めてそのポイントを境に異なる音色を設定
する場合に、機能キー103の上部にどちら側の音色とし
て指定されたかを示す赤と緑のLEDである。これについ
ては、後述する第15図又は第19図の説明において詳述す
る。
マイクロコンピュータ101が生成したアナログ変換後
の楽音信号はローパスフィルタ105で平滑化され、アン
プ106で増幅された後、スピーカ107を介して放音され
る。電源回路108は、マイクロコンピュータ101、ローパ
スフィルタ105及びアンプ106に必要な電源を供給する。
つぎに、第2図はマイクロコンピュータ101の内部構
成を示すブロック図である。
制御データ兼波形用ROM212には、後述するエンベロー
プ値の目標値等の楽音制御パラメータ、各音源方式にお
ける楽音波形データ、楽音差分データ、変調波形データ
等が記憶されている。そして、コマンド解析部207は、
制御用ROM201のプログラムの内容を順次解析しながら、
制御データ兼波形用ROM212上の上記各データをアクセス
して、ソフトウエアによる音源処理を行う。
制御用ROM201には、後述する楽音制御用のプログラム
が記憶されており、ROMアドレス制御部205からROMアド
レスデコーダ202を介して指定されたアドレスのプログ
ラム語(命令)を順次出力する。具体的には、各プログ
ラム語の語長は例えば28ビットであり、プログラム語の
一部が次に読み出されるべきアドレスの下位部(ページ
内アドレス)としてROMアドレス制御部205に入力される
ネクストアドレス方式となっている。なお、当然、通常
のプログラムカウンタ方式のCPUで構成してもよい。
コマンド解析部207は、制御用ROM201から出力される
命令のオペコードを解析し、指定されたオペレーション
を実行するために、回路の各部に制御信号を送る。
RAMアドレス制御部204は、制御用ROM201からの命令の
オペランドがレジスタを指定している場合に、RAM206内
の対応するレジスタのアドレスを指定する。RAM206に
は、第6図及び第7図等として後述する各種楽音制御デ
ータが8発音チャネル分記憶されるほか、後述する各種
バッファ等が記憶され、後述する音源処理に使用され
る。
ALU部208及び乗算器209は、制御ROM31からの命令が演
算命令の場合に、コマンド解析部207からの指示に基づ
いて、前者は加減算と論理演算、後者は乗算を実行す
る。
インタラプト制御部203は、内部の特には図示しない
ハードタイマに基づいて、一定時間毎に、ROMアドレス
制御部205及びD/A変換器部213にインタラプト信号を供
給する。
入力ポート210及び出力ポート211には、第1図のスイ
ッチ部104及び表示部109が接続される。
制御用ROM201又はRAM206から読み出される各種データ
は、バスを介してROMアナログ制御部205、ALU部208、乗
算器209、制御データ兼波形用ROM212、D/A変換器213、
入力ポート210及び出力ポート211に供給される。また、
ALU部208、乗算器209と制御データ兼波形用ROM212の各
出力は、バスを介してRAM206に供給される。
次に、第3図(b)は、第1図のD/A変換器部213の内
部構成を示すもので、データバスを介して、音源処理で
作成された楽音の1サンプルデータが、ラッチ301に入
力される。そして、ラッチ301のクロック入力に第2図
のコマンド解析部207から音源処理終了信号が入力され
ると、データバス上の1サンプル分の楽音データが、第
4図に示すようにラッチ301にラッチされる。
ここで、前述の音源処理に要する時間は、音源処理用
のソフトウエアの実行条件により変化するため、音源処
理が終了し、ラッチ301に楽音データがラッチされるタ
イミングは一定でない。そのため、第3図(a)のよう
に、ラッチ301の出力をそのままD/A変換器303に入力さ
せることはできない。
そこで、本実施例では第3図(b)の如く、ラッチ30
1の出力をさらにラッチ302でラッチし、第2図のインタ
ラプト制御部203から出力されるサンプリングクロック
間隔に等しいインタラプト信号により、楽音信号をラッ
チ302にラッチさせ、一定間隔でD/A変換器303に出力さ
せるようにしている。
このようにラッチを2つ用いて、音源方式における処
理時間の変化を吸収したので、楽音データをD/A変換器
へ出力させるための複雑なタイミング制御プログラムが
不用になった。
本実施例の全体動作 つぎに、本実施例の全体動作を説明する。
本実施例では、マイクロコンピュータ101が、第5図
(a)のメインフローチャートに示すように、S502〜S
510の一連の処理を繰り返し行っている。そして実際の
音源処理は割り込み(インタラプト)処理で行ってい
る。具体的には、ある一定時間毎に、第5図(a)のメ
インフローチャートとして実行されているプログラムに
割り込みが掛かり、それに基づいて8チャンネルの楽音
信号を作る音源処理のプログラムが実行される。その処
理が終わると、8チャネル分の楽音信号が加算され、第
2図のD/A変換器部213から出力される。その後、割り込
み状態からメインフローに戻る。なお、上述の割り込み
は、第2図のインタラプト制御部203内のハードタイマ
に基づき、周期的に行われる。この周期は、楽音出力時
のサンプリング周期に等しい。
以上が、本実施例の概略動作で、つぎに、第5図を用
いて詳細に本実施例の全体動作を説明する。
第5図(a)のメインフローチャートは、インタラプ
ト制御部203から割り込みが掛からない状態においてマ
イクロコンピュータ101で実行される、音源処理以外の
処理の流れを示している。
まず、電源がONされ、マイクロコンピュータ101内のR
AM206(第2図参照)の内容等の初期設定が行われる(S
501)。
つぎに、マイクロコンピュータ101の外部に接続され
る機能キー103(第1図参照)の各スイッチが走査され
(S502)、各スイッチの状態が入力ポート210からRAM20
6内のキーバッファエリアに取り込まれる。その走査の
結果、状態の変化した機能キーが識別され、対応する機
能の処理がなされる(S502)。例えば、楽音番号のセッ
ト、エンベロープ番号のセット、また、付加機能にリズ
ム演奏がついていれば、リズム番号のセット等が行われ
る。
その後、第1図の鍵盤102において押鍵されていう鍵
盤キーが上記機能キーの場合と同様に取り込まれ
(S504)、変化した鍵が識別されることによりキーアサ
イン処理が行われる(S505)。この鍵盤キー処理は、本
発明に特に関連する部分であるが、これについては後述
する。
つぎに、機能キー103(第1図)で特には図示しない
デモ演奏キーが押されたときは、第2図の制御データ兼
波形用ROM212からデモ演奏データ(シーケンサデータ)
が順次読み出されて、キーアサイン処理などが行われる
(S506)。また、リズムスタートキーが押されたとき
は、リズムデータが制御データ兼波形用ROM212から順次
読み出され、キーアサイン処理などが行われる
(S507)。このデモ演奏処理S506及びリズム処理S507
部分も、本発明に特に関連する部分であるが、後に詳述
する。
その後に、以下に述べるタイマー処理が行われる(S
508)。すなわち、後述するインタラプトタイマー処理
(S512)でインクリメントされている時間データの時間
値が判別され、デモ演奏制御用に順次読み出される時間
制御用のシーケンサデータまたはリズム演奏制御用に読
み出される時間制御用のリズムデータと比較されること
により、S506のデモ演奏又はS507のリズム演奏を行う場
合の時間制御が行われる。
さらに、発音処理S509では、発音処理されるべき楽音
のピッチにエンベロープを付加し、対応する発音チャネ
ルにピッチデータを設定するというピッチエンベロープ
処理等が行われる。
更に、フロー1周準備処理が実行される(S510)。こ
の処理においては、S505の鍵盤キー処理において押鍵開
始となったノート番号の発音チャネルの状態を押鍵中に
変えたり、離鍵となったノート番号の発音チャネルの状
態を消音中に変える等の処理が行われる。
つぎに、第5図(b)のインタラプト処理につき説明
する。
第2図のインタラプト制御部203により、第5図
(a)のメインフローに対応するプログラムに割り込み
が掛かると、同プログラムの処理が中断され、第5図
(b)のインタラプト処理プログラムの実行が開始され
る。この場合、インタラプト処理のプログラムにおい
て、第5図(a)のメインフローのプログラムで書き込
みが行われるレジスタ等については、内容の書き換えが
行われないように制御される。従って、通常のインタラ
プト処理の開始時と終了時に行われるレジスタの退避と
復帰の処理は不要となる。これにより、第5図(a)の
メインフローチャートの処理とインタラプト処理との間
の移行が迅速に行われる。
続いて、インタラプト処理において音源処理が開始さ
れる(S511)。この音源処理は第5図(c)に示され
る。この結果、8発音チャネル分が累算された楽音波形
データが、第2図のRAM206内の後述するバッファBに得
られる。
つぎに、S512では、インタラプトタイマー処理が行わ
れる。ここでは、第5図(b)のインタラプト処理が一
定のサンプリング周期毎に実行されることを利用して、
RAM206(第2図)上の特には図示しない時間データの値
がインクリメントされる。すなわち、この時間データの
値を見れば時間経過がわかる。このようにして得られる
時間データは、前述したように、第5図(a)のメイン
フローのタイマー処理S508における時間制御に用いられ
る。
そして、S513′において、上記バッファ領域の内容が
D/A変換器部213のラッチ301(第3図参照)にラッチさ
れる。
つぎに、第5図(c)のフローチャートを用いて、イ
ンタラプト処理のステップS511で実行される音源処理の
動作を説明する。
まず、RAM206の波形データ加算用の領域がクリアされ
る(S513)。つぎに、発音チャネルの1チャネル毎に音
源処理が行われ(S514〜S521)、最後に8チャネル目の
音源処理が終了した時点で所定のバッファ領域Bに8チ
ャネル分が加算された波形データが得られる。これらの
詳細な処理については後述する。
つぎに第6図は、前述の第5図(a)、(b)のフロ
ーチャートの処理の関係を概念的に示した流れ図であ
る。まず、ある処理A(以下、B、C、・・・、Fも同
じ)が行われる(S601)。この「処理」は、第5図
(a)のメインフローチャートの、例えば「機能キー処
理」、や「鍵盤キー処理」などに対応する。その後、イ
ンタラプト処理に入り、音源処理が開始される
(S602)。これにより、1サンプル分の8発音チャネル
をまとめた楽音信号が得られ、D/A変換器部213に出力さ
れる。その後、メインフローチャートの何らかの処理B
に戻る。
以上のような動作が、8つの全ての発音チャネルに対
する音源処理が行われながら繰り返される(S604
S611)。そして、この繰り返し処理は、楽音の発音中続
けられる。
音源処理におけるデータ構成 つぎに、第5図(b)のS511で実行される音源処理の
具体例について説明する。
本実施例では、マイクロコンピュータ101が、8発音
チャネル分の音源処理を分担することは前述した。この
8チャネル分の音源処理用のデータは、第7図に示すよ
うに、第2図のRAM206内の発音チャネル毎の領域に設定
される。
また、このRAM206に、第16図(b)に示すような波形
累算用のバッファBと、音色No.レジスタX及びYが確
保されている。
この場合、第7図の各発音チャネル領域には、後に詳
述するような操作によって、第8図に概念的に示すよう
に、それぞれの音源方式が設定され、その音源方式が設
定されたら、第9図に示すような各音源方式のデータフ
ォーマットで、制御データ兼波形用ROM212から各制御デ
ータが設定される。制御データ兼波形用ROM212でのデー
タフォーマットについては第16図(a)で後述する。な
お、本実施例では、後述するように、各発音チャネルに
異なる音源方式が割り当てられる。
第9図の各音源方式のデータフォーマットを示すテー
ブル1において、Sは音源方式を識別する番号である音
源方式No.である。つぎのAは、音源処理時に波形デー
タが読み出される場合に指定されるアドレスを表し、
AI、A1及びA2が現在アドレスの整数部で、制御データ兼
波形用ROM212(第2図)の波形データが格納されている
アドレスに直接対応する。また、AFは現在アドレスの小
数部で、制御データ兼波形用ROM212から読み出された波
形データの補間に用いられる。つぎのAEはエンドアドレ
ス、ALはループアドレスをそれぞれ表す。また、つぎの
PI、P1及びP2はピッチデータの整数部、PFはピッチデー
タの小数部を表す。例を示すと、PI=1、PF=0は原音
のピッチを、PI=2、PF=0は1オクターブ上のピッチ
を、また、PI=0、PF=0.5は、1オクターブ下のピッ
チをそれぞれ表す。つぎのXPは前回のサンプルデータ
を、XNは次回のサンプルデータの格納を表す。また、D
は隣接する2つのサンプルデータ間の大きさの差分値を
表し、Eはエンベロープ値である。さらに、Oは出力値
である。その他の種々の制御データについては、後述の
各音源方式の説明の際に説明する。
本実施例では、第5図(a)のメインフローが実行さ
れる場合に、音源方式の決定及びその音源方式による音
源処理に必要な制御データ、例えばピッチデータ、エン
ベオープデータ等が、対応する発音チャネル領域に設定
される。そして、第5図(b)のインタラプト処理での
音源処理として実行される第5図(c)の各チャネル対
応の音源処理において、上記発音チャネル領域に設定さ
れている各種制御データが使用されながら、楽音の生成
処理が実行される。このように、メインフローのプログ
ラムと音源処理プログラムとの間のデータの通信は、RA
M206上の発音チャネル領域の制御データ(楽音生成デー
タ)を介して行われ、各プログラムにおける発音チャネ
ル領域に対するアクセスは、相手のプログラムの実行状
態に一切関わりなく行えばよいため、実質的に両プログ
ラムを独立したモジュール構成とすることができ、簡単
かつ効率的なプログラム構造とすることができる。
以下、このようなデータ構成を用いて実行される各音
源方式の音源処理について順次説明する。なお、これら
の音源処理は、マイクロコンピュータ101のコマンド解
析部207が、制御用ROM201に格納されている音源処理用
のプログラムを解釈・実行することにより実現される。
以下、特に言及しないかぎり、この前提のもとで処理が
行われるとする。
まず、第5図(c)のフローチャートにおいて、1チ
ャネル毎の各音源処理(S517〜S524のいずれか)に入る
と、RAM206の対応する発音チャネルに記憶されている第
9図に示すデータフォーマット(テーブル1)のデータ
のうちの音源方式No.が判別され、これにより以下に説
明するどの音源方式の音源処理が実行されるかが決定さ
れる。
PCM方式による音源処理 上記音源方式No.がPCM方式を指示している場合、以下
の第10図の動作フローチャートで示されるPCM方式によ
る音源処理が実行される。フロー中の各変数は、RAM206
(第2図)上の第7図のいずれかの発音チャネル領域に
記憶される第9図のテーブル1のPCMフォーマットの各
データである。
制御データ兼波形用ROM212(第2図)上のPCM波形デ
ータが記憶されているアドレスのうち、現在の処理の対
象とされる波形データが記憶されているアドレスを第12
図(a)に示す(AI,AF)とする。
まず、現在のアドレスにピッチデータ(PI,PF)が加
算される(S1001)。このピッチデータは、第1図の鍵
盤102等において押鍵操作された鍵の種類に対応してい
る。
そして、加算されたアドレスの整数部AIが変わったか
否かが判定される(S1002)。判定がNOならば、第12図
(a)のアドレス(AI+1)およびAIにおけるそれぞれ
のサンプルデータXNとXPとの差である差分値Dを用い
て、D×AFなる演算処理により、アドレスの小数部AF
対応する補間データ値Oが計算される(S1007)。な
お、差分値Dは、今回以前のインタラプトタイミングに
おける音源処理により求まっている(後述するS1006
照)。
そして、上記補間データ値Oにアドレスの整数部AI
対応するサンプルデータXPが加算され、現在のアドレス
(AI,AF)に対応する新しいサンプルデータO(第12図
(a)のXQに相当する)が得られる(S1008)。
この後、このサンプルデータにエンベロープ値Eが乗
算され(S1009)、得られたOの内容がRAM206(第2
図)内の波形データバッフアB(第16図(b)参照)に
加算される(S1010)。
その後、第5図(a)のメインフローに戻り、つぎの
サンプリング周期でインタラプトが掛かって、第10図の
音源処理の動作フローチャートがふたたび実行され、現
在アドレス(AI,AF)にピッチデータ(PI,PF)が加算さ
れる(S1001)。
以上の動作が、アドレスの整数部AIが変わる
(S1002)まで繰り返される。
この間、サンプルデータXPおよび差分値Dは更新され
ず、補間データOのみがアドレスAFに応じて更新され、
その都度サンプルデータXQが得られる。
つぎに、S1001が現在アドレス(AI,AF)にピッチデー
タ(PI,PF)が加算された結果、現在アドレスの整数部A
Iが変化したら(S1002)、アドレスAIがエンドアドレス
AEに達しているかまたは越えているか否かが判定される
(S1003)。
判定がYESならば、つぎのループ処理が行われる。す
なわち、エンドアドレスAEを越えた分のアドレス(AI
AE)がループアドレスALに加算され、得られた新しい現
在アドレスの整数部AIからループ再生が開始される(S
1004)。エンドアドレスAEとは、PCM波形データの最後
の波形サンプルデータが記憶されている制御データ兼波
形用ROM212(第2図)上のアドレスである。また、ルー
プアドレスALとは、演奏者が波形の出力を繰り返したい
位置のアドレスであり、上記動作により、PCM方式で周
知のループ処理が実現される。
S1003の判定がNOならば、上記S1004の処理は実行され
ない。
つぎに、サンプルデータの更新が行われる。ここで
は、制御データ兼波形用ROM212(第2図)から、新しく
更新された現在アドレスAIと1つ手前のアドレス(AI
1)に対応する各サンプルデータが、それぞれXN、XP
して読み出される(S1005)。
さらに、今までの差分値が、更新した上記XNとXPとの
差分値Dに更新される(S1006)。
これ以後の動作は前述した通りである。
以上のようにして、1発音チャネル分のPCM方式によ
る波形データが生成される。
DPCM方式による音源処理 つぎに、DPCM方式による音源処理について説明する。
まず、第12図(b)を用いて、DPCM方式の動作原理の
概略を説明する。
同図において、制御データ兼波形用ROM212(第2図)
のアドレスAIに対応するサンプルデータXPは、アドレス
AIの1つ前の、特には図示しないアドレス(AI−1)に
対応するサンプルデータとの差分値から求めた値であ
る。
制御データ兼波形用ROM212のアドレスAIには、つぎの
サンプルデータとの差分値Dが書き込まれているので、
つぎのアドレスのサンプルデータはXP+Dで求まり、こ
れが新たなサンプルデータXPとしておきかわる。
この場合、現在アドレスを同図に示すように、AFとす
れば、現在アドレスAFに対応するサンプルデータは、XP
+D×AFで求まる。
このように、DPCM方式では、現在のアドレスと、つぎ
のアドレスに対応するサンプルデータ間の差分値Dが制
御データ兼波形用ROM212から読み出され、現在のサンプ
ルデータに加算されて、つぎのサンプルデータが求めら
れることにより、順次波形データが作成される。
このようなDPCM方式を採用すると、隣接する標本間の
差分値が一般に小さい音声や楽音等のような波形を量子
化する場合、通常のPCM方式に比較して、はるかに少な
いビット数で量子化を行えることは明らかである。
以上のDPCM方式の動作を、第11図の動作フローチャー
トを用いて説明する。フロー中の各変数は、RAM206(第
2図)上の第7図のいずれかの発音チャネル領域に記憶
される第9図のテーブル1のDPCMフォーマットの各デー
タである。
制御データ兼波形用ROM212上のDPCM差分波形データが
記憶されているアドレスのうち、現在の処理の対象とさ
れるデータが記憶されているアドレスを第12図(b)に
示す(AI,AF)とする。
まず、現在アドレス(AI,AF)にピッチデータ(PI,
PF)が加算される(S1101)。
そして、加算されたアドレスの整数部AIに変化がある
か否かが判定される(S1102)。判定がNOならば、第12
図(b)のアドレスAIにおける差分値Dを用いて、D×
AFなる演算処理により、アドレスの小数部AFに対応する
補間データ値Oが演算される(S1114)。なお、差分値
Dは、今回以前のインタラプトタイミングにおける音源
処理により求まっている(後述するS1106とS1110
照)。
つぎに、上記補間データ値Oにアドレスの整数部AI
対応するサンプルデータXPが加算され、現在アドレス
(AI,AF)に対応する新しいサンプルデータO(第12図
(b)のXQに対応)が得られる(S1115)。
この後、このサンプルデータにエンベロープ値Eが乗
算され(S1116)、得られたOの内容がRAM206(第2
図)内の波形データバッフアB(第16図(b)参照)に
加算される(S1117)。
その後、第5図(a)のメインフローに戻り、つぎの
サンプリング周期でインタラプトが掛かって、第11図の
音源処理の動作フローチャートがふたたび実行され、現
在アドレス(AI,AF)にピッチデータ(PI,PF)が加算さ
れる(S1101)。
以上の動作が、アドレスの整数部AIに変化が生ずるま
で繰り返される。
この間、サンプルデータXPおよび差分値Dは更新され
ず、補間データOのみがアドレスAFに応じて更新され、
その都度新たなサンプルデータXQが得られる。
つぎに、S1101で現在アドレス(AI,AF)にピッチデー
タ(PI,PF)が加算された結果、現在アドレスの整数部A
Iが変化したら(S1102)、アドレスAIがエンドアドレス
AEに達しているかまたは越えているか否かが判定される
(S1103)。
判定がNOの場合、以下のS1104〜S1107のループ処理に
より、現在アドレスの整数部AIに対応するサンプルデー
タが計算される。すなわち、まず、旧AIという変数(第
9図のテーブル1のDPCMの欄参照)には、現在アドレス
の整数部AIが変化する前の値が格納されている。これ
は、後述するS1106またはS1113の処理の繰り返しにより
実現される。この旧AIの値が、S1106で順次インクリメ
ントされながら、S1107で旧AIにより指示される制御デ
ータ兼波形用ROM212(第2図)上の差分波形データがD
として読み出され、S1105において順次サンプルデータX
Pに累算される。そして、旧AIの値が変化後の現在アド
レスの整数部AIに等しくなった時点で、サンプルデータ
XPの値は変化後の現在アドレスの整数部AIに対応する値
となる。
このようにして、現在アドレスの整数部AIに対応する
サンプルデータXPが求まると、S1104の判定がYESとな
り、前述の補間値の演算処理(S1114)に移る。
上述の音源処理が各インタラプトタイミング毎に繰り
返され、S1103の判定がYESに変化したら、つぎのループ
処理に入る。
まず、エンドアドレスAEを越えた分のアドレス(AI
AE)がループアドレスALに加算され、得られたアドレス
が新たな現在アドレスの整数部AIとされる(S1108)。
以下、ループアドレスALからどれだけアドレスが進ん
だかによって、何回か差分値Dを累算する操作が繰り返
されることにより、新たな現在アドレスの整数部AIに対
応するサンプルデータXPが計算される。すなわち、ま
ず、初期設定としてサンプルデータXPが予め設定されて
いるループアドレスALにおけるサンプルデータXPL(第
9図のテーブル1のDPCMの欄参照)の値とされ、また、
旧AIがループアドレスALの値とされる(S1109)。そし
て、以下のS1110〜S1113の処理が繰り返される。即ち、
旧AIの値がS1113で順次インクリメントされながら、S
1110で旧AIにより指示される制御データ兼波形用ROM212
上の差分波形データがDとして読み出されて、S1112
おいて順次サンプルデータXPに累算される。そして、旧
AIの値が新たな現在アドレスの整数部AIに等しくなった
時点で、サンプルデータXPの値はループ処理後の新たな
現在アドレスの整数部AIに対応する値となる。
このようにして、新たな現在アドレスの整数部AIに対
応するサンプルデータXPが求まると、S1111の判定がYES
となり、前述の補間値の演算処理(S1114)に移る。
以上のようにして、1発音チャネル分のDPCM方式によ
る波形データが生成される。
FM変調方式による音源処理 つぎに、FM変調方式による音源処理について説明す
る。
FM変調方式では、通常、オペレータと称する同一内容
のハードウエアまたはソフトウエアが用いられ、それら
がアルゴリズムと呼ばれる一定の接続規則で相互に接続
されることにより、楽音の生成が行われる。本実施例で
は、ソフトウエアでFM変調方式を実現するものである。
つぎに、第13図(a)の動作フローチャートを用い
て、2オペレータで音源処理を行う場合の、1実施例の
動作を説明する。処理のアルゴリズムは同図(b)で示
される。また、フロー中の各変数は、RAM206(第2図)
上の第7図のいずれかの発音チャネル領域に記憶される
第9図のテーブル1のFMフォーマットの各データであ
る。
最初に、モジュレータであるオペレータ2(OP2)の
処理が行われる。ピッチ処理については、PCM方式のよ
うに補間が行われないので、整数アドレスA2のみであ
る。すなわち、制御データ兼波形用ROM212(第2図)に
は変調用の波形データが十分に細かい歩進間隔で記憶さ
れているものとする。
まず、現在アドレスA2にピッチデータP2が加算される
(S1301)。
つぎに、このアドレスA2にフィードバック出力FO2
変調入力として加算され、新たなアドレスAM2が得られ
る(S1302)。フィードバック出力FO2は、前回のインタ
ラプトタイミングにおいて後述するS1305の処理が実行
されることにより得られている。
さらに、アドレスAM2(位相)に対応する正弦波の値
が計算される。実際には、制御データ兼波形用ROM212に
正弦波データが記憶されており、上記アドレスAM2でそ
の正弦波データをテーブル引きすることにより得られる
(S1303)。
続いて、上記正弦波データにエンベロープ値E2が乗算
され出力O2が得られる(S1304)。
この後、この出力O2にフィードバック・レベルFL2
乗算されフィードバック出力PO2が得られる(S1305)。
この出力FO2は、本実施例の場合、次回のインタラプト
タイミングにおけるオペレータ2(OP2)への入力とさ
れる。
また、O2にモジュレーション・レベルML2が乗算され
てモジュレーション出力MO2が得られる(S1306)。この
モジュレーション出力MO2は、オペレータ1(OP1)への
変調入力になる。
つぎに、オペレータ1(OP1)の処理に移る。この処
理は、フィードバック出力による変調入力が無い他は、
殆ど上述のオペレータ2の場合と同じである。
まず、オペレータ1の現在アドレスA1にピッチデータ
P1が加算され(S1307)、この値に上述のモジュレーシ
ョン出力MO2が加算されて新たなアドレスAM1が得られる
(S1308)。
つぎに、このアドレスAM1(位相)に対応する正弦波
の値が制御データ兼波形用ROM212から読み出されて(S
1309)、これにエンベロープ値E1が乗算され、楽音波形
出力O1が得られる(S1310)。
そして、この出力がRAM206内のバッファB(第16図
(b)参照)に加算され(S1311)、1発音チャネル分
のFM変調処理を終了する。
TM変調方式による音源方式(その1) つぎに、TM変調方式による音源処理について説明す
る。
まず、TM変調方式の原理について説明する。
前述のFM変調方式は、 e=A・sin{ωct+I(t)・sinωmt} なる演算式を基本する。ただし、ここで、ωctは搬送波
位相角(搬送信号)、sinωmtは変調波位相角(変調信
号)、およびI(t)は変調指数である。
これに対し、本実施例でTM変調方式と呼ぶ位相変調方
式は、 e=A・fT{fc(t)+I(t)・sinωmt} なる演算式を基本する。ここで、fT(t)は三角波関数
であり、各位相角の領域毎につぎのような関数で定義さ
れる(ただし、ωは入力)。
fT(ω)=2/π・ω ・・(領域:0≦ω≦π/2) fT(ω)=−1+2/π(3π/2−ω) ・・(領域:π/2≦ω≦3π/2) fT(ω)=−1+2/π(ω−3π/2) ・・(領域:3π/2≦ω≦2π) また、fcは変形サイン波と呼ばれ、各位相角の領域毎
に、異なるサイン波形データの記憶されている制御デー
タ兼波形用ROM212(第2図)を、搬送位相角ωctでアク
セスして得られる搬送信号生成関数である。各位相角の
領域毎のfcは、つぎのように定義される。
fc(t)=π/2sinωct ・・(領域:0≦ωt≦π/2) fc(t)=π−π/2sinωct ・・(領域:π≦ωt≦3π/2) fc(t)=2π+π/2sinωct ・・(領域:3π/2≦ωct≦2π) (ただしnは整数) TM変調方式では、上述の如き関数fc(t)で生成され
る搬送信号に、変調信号sinωmtを変調指数I(t)で
示される割合で加算して得た加算信号により、前述の三
角波関数が変調される。これにより、変調指数I(t)
の値が0であれば正弦波を生成することができ、I
(t)の値を大きくしてゆけば非常に深く変調された波
形を生成することができる。ここで、変調信号sinωmt
の代わりに様々な信号を用いることができ、以下に述べ
るように、前回演算時の自分のオペレータ出力を一定の
フィードバックレベルでフィードバックさせたり、他の
オペレータの出力を入力させたりすることができる。
このような原理のTM変調方式による音源処理を、第14
図(a)の動作フローチャートを用いて説明する。この
場合も、第13図のFM変調方式の場合と同様、2オペレー
タで音源処理を行う場合の例であり、処理のアルゴリズ
ムは第14図(b)で示される。また、フロー中の各変数
は、RAM206(第2図)上の第7図のいずれかの発音チャ
ネル領域に記憶される第9図のテーブル1のTMフォーマ
ットの各データである。
最初に、モジュレータであるオペレータ2(OP2)の
処理が行われる。ピッチ処理については、PCM方式のよ
うに補間が行われないので、整数アドレスA2のみであ
る。
まず、現在アドレスA2にピッチデータP2が加算される
(S1401)。
つぎに、変形サイン変換fcにより、上記アドレスA
2(位相)に対応する変形サイン波が外部メモリ116(第
1図)から読み出され、搬送信号がO2として生成される
(S1402)。
続いて、搬送信号である上述のO2に、変調信号として
フィードバック出力FO2(S1406)が加算され、新たなア
ドレスが得られてO2とされる(S1403)。フィードバッ
ク出力FO2は、前回のインタラプトタイミングにおいて
後述するS1406の処理が実行されることにより得られて
いる。
そして、上述の加算アドレスO2に対応する三角波の値
が計算される。実際には、制御データ兼波形用ROM212
(第2図)に前述した三角波データが記憶されており、
上記アドレスO2でその三角波データをテーブル引きする
ことにより得られる(S1404)。
続いて、上記三角波データにエンベロープ値E2が乗算
され出力O2が得られる(S1405)。
この後、この出力O2にフィードバック・レベルFL2
乗算されフィードバック出力FO2が得られる(S1407)。
この出力FO2は、本実施例の場合、次回のインタラプト
タイミングにおけるオペレータ2(OP2)への入力とさ
れる。
また、O2にモジュレーション・レベルML2が乗算され
てモジュレーション出力MO2が得られる(S1407)。この
モジュレーション出力MO2は、オペレータ1(OP1)への
変調入力になる。
つぎに、オペレータ1(OP1)の処理に移る。この処
理は、フィードバック出力による変調入力が無い他は、
殆ど上述のオペレータ2の場合と同じである。
まず、オペレータ1の現在アドレスA1にピッチデータ
P1が加算され(S1408)、得られた値に対して前述の変
形サイン変換が行われて搬送信号がO1として得られる
(S1409)。
つぎに、このO1に上述のモジュレーション出力MO2
加算されて新たなO1とされ(S1410)、この値O1が三角
波変換され(S1411)、さらにエンベロープ値E1が乗算
されて楽音波形出力O1が得られる(S1412)。
これがRAM206(第2図)内のバッフアB(第16図
(b)参照)に加算され(S1413)、1発音チャネル分
のTM変調処理を終了する。
以上、PCM、DPCM、FM、TMという4つの方式による音
源処理を説明した。この中でFMとTMの2方式は変調方式
で、上述の例では第13図(b)、第14図(b)に示すア
ルゴリズムに基づく2オペレータによる処理につき説明
したが、実際に演奏時の音源処理では、オペレータの数
がより多くアルゴリズムがより複雑であってもよい。
鍵盤キー処理の概略 つぎに、実際の電子楽器を演奏する場合における第5
図(a)のメインフローの鍵盤キー処理(S505)の具体
的動作につき説明する。
上述の発音チャネル毎に行われる音源処理において
は、マイクロコンピュータ101の入力ポート210(第2図
参照)を介して、例えば電子楽器の操作パネル上に接続
される第1図の機能キー103によって、マイクロコンピ
ュータ101ののRAM206(第2図参照)上の各発音チャネ
ル領域(第7図参照)に、前述した各種音源方式のデー
タフォーマット(第9図参照)が設定される。
さて、本実施例は、キーコードとベロシティのそれぞ
れによるスプリットポイントと、2つの楽器音色を予め
指定することによって、後述するように、発音チャネル
に対する特徴的な音色割り当て処理が可能である。
上記のスプリットポイントと音色の指定は、第15図又
は第20図に示すように行われる。
第15図は、第1図の機能キー103の一部の配置例を示
した図である。キーボード・スプリットポイント指定ス
イッチ1501は、例えばクリック感のあるスライドスイッ
チで、鍵盤キー1個刻みで、押鍵キーのキーコードによ
るスプリットポイントを設定することができる。つぎ
に、音色スイッチ1502により、音色を2つ、例えば音色
No.1の「ピアノ」と音色No.2の「ギター」を、それぞれ
X音色、Y音色として指定すれば、上述のスプリットポ
イントを境にして、低音域にX音色が、また高音域にY
音色が指定される。この場合、先に指定された音色がX
音色になり、例えば赤色のLEDが点灯され、また、後に
指定された音色がY音色となり、例えば緑色のLEDが点
灯される。なお、LEDは、第1図の表示部109に対応す
る。
また、ベロシティによるスプリットポイントは、第20
図に示すベロシティ・スプリットポイント指定スイッチ
1503によって指定される。例えば同スイッチ1503を同図
に示すベロシティ=60にセットすれば、ベロシティが60
以下の押鍵に対してはX音色が、また、同じく60より速
い押鍵に対してはY音色が指定される。この場合のX、
Yのそれぞれの音色は、前述の第15図の(キーコードに
よるスプリットポイントの)場合と同様に第20図に示す
音色スイッチ2002によって指定される。
以上、第15図又は第20図の構成は、それぞれ別々の実
施例として構成され得るが、これらの機能を同時に有す
る実施例として構成してもよい。
上述の音色設定を可能にするために、まず、制御デー
タ兼波形用ROM212(第2図)には、第16図(a)に示さ
れるようなデータ構成で各種音色パラメータが記憶され
ている。すなわち、第15図の音色No.1の「ピアノ」や同
No.2の「ギター」等の各音色スイッチ1502に対応する楽
器毎に、PCM方式、DPCM方式、FM方式及びTM方式の4つ
の音源方式による音色パラメータが記憶されている。こ
こで、それぞれの音源方式における音色パラメータは、
第9図の各種音源方式のデータフォーマットで記憶され
ている。一方、RAM206(第2図)上には、前述した8発
音チャネル分の波形データを累算して楽音波形データと
して出力するためのバッフアBのほかに、前述のX音色
とY音色の音色番号を保持するための音色No.レジスタ
が設けられる。
そして、RAM206上の8チャネルの各発音チャネル領域
(第7図参照)に、第16図(a)のようなデータ構成を
有する制御データ兼波形用ROM212から読み出された各音
源方式毎の音色パラメータが設定され、それに基づいて
音源処理が行われる。以下に、第15図又は第20図の機能
キーにより予め指定されたスプリットポイントとX、Y
の2音色に基づき、押鍵に応じてその2音色で所定の音
源方式に対応する音色パラメータが各発音チャネルに割
り当てられる処理動作を順次説明する。
鍵盤キー処理の第1の実施例 まず、鍵盤キー処理の第1の実施例について説明す
る。
第1の実施例は、第1図の機能キー103の一部として
第15図の構成を有する実施例を対象としており、演奏者
による第15図のキーボードスプリットポイント指定スイ
ッチ1501の操作に基づいて、押鍵キーのキーコードがス
プリットポイントによって2グループに分割される。そ
して、演奏者の第15図の音色スイッチ1502に操作により
指定されたX、Yの2音色による楽音信号の生成が行わ
れる。この場合さらに、演奏者による第1図の鍵盤102
の鍵の押鍵時に得られるベロシティ(押鍵速度に対応す
る)の大きさによって、4つの音源方式の中から1つの
方式が選択される。そして、このようにして決定された
音色及び音源方式による音色生成が行われる。
この場合、第1の実施例では特に、第25図(a)に示
されるように、X音色の楽音信号は第1〜第4発音チャ
ネル(ch1〜ch4)を用いて生成され、Y音色の楽音信号
は第5〜第8発音チャネル(ch5〜ch8)を用いて生成さ
れる。
なお、演奏者による第15図のキーボードスプリットポ
イント指定スイッチ1501及び音色スイッチ1502の操作状
態は、第5図(a)のメインフローの機能キー取り込み
処理S502で識別され、第5図(a)の機能キー処理S503
において、上記操作状態に対応するキーコードが例えば
RAM206上の特には図示しないレジスタ等に保持され、ま
た、X及びY音色がRAM206内のX、Y音色レジスタ(第
16図(b)参照)に保持されているとする。
第18図は、第5図(a)のメインフローにおけるS505
の鍵盤キー処理の第1の実施例の動作フローチャートで
ある。
まず、第5図(a)のメインフローにおけるステップ
S504の鍵盤キー取り込み処理で「押鍵」と判別された鍵
のキーコードが、演奏者により予め指定されたスプリッ
トポイントのキーコード以下であるか否かが判定される
(S1801)。
S1801の判定がYESならば、以下のS1802〜S1805、S
1810〜S1813の処理により、演奏者により予め指定され
たX音色の音色パラメータが、第1〜第4発音チャネル
のいずれか(第25図(a)参照)に設定される。
まず、第1〜第4発音チャネルのうちに空きチャネル
があるか否かが判定される(S1802)。
空チャネルがなく、S1802の判定がNOなら、割り当て
は行われない。
空チャネルがあり、S1802の判定がYESなら、ベロシテ
ィの値により、X音色で、かつ、PCM方式、DPCM方式、T
M方式又はFM方式のいずれかの音源方式に対応する音色
パラメータが以下のように空チャネルに設定される。
始めに、第5図(a)のメインフローにおけるS504
鍵盤キー取り込み処理において「押鍵」と判別された鍵
のベロシティの値が63(ほぼメゾピアノmpに相当する)
以下であるか否かが判定される(S1803)。
判定がYESの場合、すなわち、ベロシティの値が63以
下の場合は、さらにその値が31(ほぼピアノpに相当す
る)以下であるか否かが判定される(S1805)。
判定がYESでベロシティの値Vが、0≦V≦31である
場合には、RAM206(第2図参照)上の押鍵された鍵がア
サインされる第1〜第4チャネルのいずれかの発音チャ
ネル領域(空チャネル領域)に、第9図のFMフォーマッ
トでX音色の音色パラメータが設定される。すなわち、
該当する発音チャネル領域の先頭領域S(第9図のFM欄
参照)にFM方式を示す音源方式No.が設定される。つづ
いて、その発音チャネル領域の第2番目以降の領域に、
現在、RAM206上の音色No.レジスタのXレジスタ(第16
図(b)参照)にストアされている音色番号の音色に対
応する音色パラメータが制御データ兼波形用ROM212の第
16図(a)のデータ構成部分から読み出されてセットさ
れる(S1813)。
S1805の判定がYESでベロシティの値が、31<V≦63の
場合には、RAM206上の押鍵された鍵がアサインされる発
音チャネル領域に、第9図のTMフォーマットでX音色の
音色パラメータが設定される(S1812)。その設定の仕
方はS1813の場合と同じである。
また、前述のステップS1803の判定がNOの場合は、さ
らにそのベロシティの値が95(ほぼピアノpに相当す
る)以下であるか否かが判定される(S1804)。
判定がYESでベロシティの値Vが、63<V≦95である
場合には、RAM206上の押鍵された鍵がアサインされる発
音チャネル領域に、第9図のDPCMフォーマットでX音色
の音色パラメータが設定される(S1811)。その設定の
仕方はS1813の場合と同じである。
さらに、S1804の判定がNOでベロシティの値Vが、95
<V≦127である場合には、RAM206上の押鍵された鍵が
アサインされる発音チャネル領域に、第9図のPCMフォ
ーマットでX音色の音色パラメータが設定される(S
1810)。その設定の仕方はS1813の場合と同じである。
一方、最初のステップS1801の判定がNOなら、以下のS
1806〜S1809、S1814〜S1817の処理により、演奏者によ
り予め指定されたY音色の音色パラメータが、第5〜第
8発音チャネルのいずれか(第25図(a)参照)に設定
される。
まず、第5〜第8発音チャネルのうちに空きチャネル
があるか否かが判定される(S1806)。
空チャネルがなく、S1806の判定がNOなら、割り当て
は行われない。
空きチャネルがあり、S1806の判定がYESなら、ベロシ
ティの値により、Y音色で、かつ、PCM方式、DPCM方
式、TM方式又はFM方式のいずれかの音源方式に対応する
音色パラメータが以下のように空チャネルに設定され
る。
始めに、押鍵キーのベロシティの値が63以下であるか
否かが判定される(S1807)。
判定がYESの場合、すなわち、ベロシティの値が63以
下の場合は、さらにその値が31以下であるか否かが判定
される(S1808)。
判定がYESがベロシティの値Vが、0≦V≦31である
場合には、RAM206(第2図参照)上の押鍵された鍵がア
サインされる第5〜第8チャネルのいずれかの発音チャ
ネル領域(空チャネル領域)に、第9図のFMフォーマッ
トでY音色の音色パラメータが設定される。すなわち、
該当する発音チャネル領域の先頭領域S(第9図のFM欄
参照)にFM方式を示す音源方式No.が設定される。つづ
いて、その発音チャネル領域の第2番目以降の領域に、
現在、RAM206上の音色No.レジスタのYレジスタ(第16
図(b)参照)にストアされている音色番号の音色に対
応する音色パラメータが制御データ兼波形用ROM212の第
16図(a)のデータ構成部分から読み出されてセットさ
れる(S1814)。
S1808の判定がYESがベロシティの値が、31<V≦63の
場合には、RAM206上の押鍵された鍵がアサインされる発
音チャネル領域に、第9図のTMフォーマットでY音色の
音色パラメータが設定される(S1815)。その設定の仕
方はS1814の場合と同じである。
また、前述のステップS1807の判定がNOの場合は、さ
らにそのベロシティの値が95以下であるか否かが判定さ
れる(S1809)。
判定がYESでベロシティの値Vが、63<V≦95である
場合には、RAM206上の押鍵された鍵がアサインされる発
音チャネル領域に、第9図のDPCMフォーマットでY音色
の音色パラメータが設定される(S1816)。その設定の
仕方はS1814の場合と同じである。
さらに、S1809の判定がNOでベロシティの値Vが、95
<V≦127である場合には、RAM206上の押鍵された鍵が
アサインされる発音チャネル領域に、第9図のPCMフォ
ーマットでY音色の音色パラメータが設定される(S
1817)。その設定の仕方はS1814の場合と同じである。
以上のようにして、キーコードがスプリットポイント
より低いか高いかによってX音色又はY音色のいずれか
が選択され、さらに、押鍵時のベロシティの大きさによ
って、4つの音源方式の中から1つの方式が選択され
て、楽音生成が行われる。
鍵盤キー処理の第2の実施例 次に、鍵盤キー処理の第2の実施例について説明す
る。
上述の第1の実施例では、第25図(a)の如く、X音
色とY音色が割り当てられる発音チャネルが、それぞれ
第1〜第4発音チャネル、第5〜第8発音チャネルとい
うように固定されているが、第2の実施例では、各音色
の割り当てチャネルを固定せずに、第25図(b)の如
く、空いているチャネルにX音色、Y音色が順次割り当
てられてゆく。
第19図は、第5図(a)のメインフローにおけるS505
の鍵盤キー処理の第2の実施例の動作フローチャートで
ある。同図の如く、まず、第1〜第8発音チャネルのう
ちに空チャネルがあるか否かが判定され(S1901)、空
チャネルがあれば音色の割り当てを行う。以下、S1902
〜S1916の各処理は、第18図の第1の実施例におけるS
1801、S1803〜S1805及びS1806〜S1817の各処理と全く同
様である。
以上の第2の実施例により、より柔軟な発音チャネル
への割り当てを行える。
鍵盤キー処理の第3の実施例 続いて、鍵盤キー処理の第3の実施例について説明す
る。
この実施例は、第1の実施例のキーコードに対する処
理とベロシティに対する処理が入れ替わった場合に相当
する。
すなわち、第3の実施例は、第1図の機能キー103の
一部として第20図の構成を有する実施例を対象としてお
り、演奏者による第20図のベロシティスプリットポイン
ト指定スイッチ2001の操作に基づいて、押鍵キーのベロ
シティがスプリットポイントによって2グループに分割
される。そして、演奏者の第20図の音色スイッチ2002に
操作により指定されたX、Yの2音色による楽音信号の
生成が行われる。この場合さらに、演奏者による第1図
の鍵盤102の押鍵された鍵のキーコードの値によって、
4つの音源方式の中から1つの方式が選択される。そし
て、このようにして決定された音色及び音源方式による
音色生成が行われる。なお、X音色及びY音色の発音チ
ャネルへの割り当ては、第1の実施例の場合と同様、第
25図(a)のように行われる。
第21図は、第5図(a)のメインフローにおけるS505
の鍵盤キー処理の第3の実施例の動作フローチャートで
ある。
まず、第5図(a)のメインフローにおけるステップ
S504の鍵盤キー取り込み処理で「押鍵」と判別された鍵
のベロシティが、演奏者により予め指定されたスプリッ
トポイントのベロシティ以下であるか否かが判定される
(S2101)。
S2101の判定がYESならば、以下のS2102〜S2105、S
2110〜S2113の処理により、演奏者により予め指定され
たX音色の音色パラメータが、第1〜第4発音チャネル
のいずれか(第25図(a)参照)に設定される。
まず、第1〜第4発音チャネルのうちに空きチャネル
があるか否かが判定される(S2102)。
空チャネルがなく、S2102の判定がNOなら、割り当て
は行われない。
空きチャネルがあり、S2102の判定がYESなら、キーコ
ードの値により、X音色で、かつ、PCM方式、DPCM方
式、TM方式又はFM方式のいずれかの音源方式に対応する
音色パラメータが以下のように空チャネルに設定され
る。
始めに、第5図(a)のメインフローにおけるS504
鍵盤キー取り込み処理において「押鍵」と判別された鍵
のキーコードの値が32以上であるか否かが判定される
(S2103)。
判定がYESの場合、すなわち、キーコードの値が32以
上の場合は、さらにその値が48以上であるか否かが判定
される(S2105)。
判定がYESでキーコードの値Kが、48≦K≦63(63は
最高値)である場合には、RAM206(第2図参照)上の押
鍵された鍵がアサインされる第1〜第4チャネルのいず
れかの発音チャネル領域(空チャネル領域)に、第9図
のFMフォーマットでX音色の音色パラメータが設定され
る。その設定の仕方は第1の実施例でのS1813の場合と
同じである。
S2105の判定がYESでキーコードの値が、32≦V<48の
場合には、RAM206上の押鍵された鍵がアサインされる発
音チャネル領域に、第9図のTMフォーマットでX音色の
音色パラメータが設定される(S2112)。その設定の仕
方は第1の実施例でのS1813の場合と同じである。
また、前述のステップS2103の判定がNOの場合は、さ
らにそのキーコードの値が16以上であるか否かが判定さ
れる(S2104)。
判定がYESでキーコードの値Kが、16≦K<32である
場合には、RAM206上の押鍵された鍵がアサインされる発
音チャネル領域に、第9図のDPCMフォーマットでX音色
の音色パラメータが設定される(S2111)。その設定の
仕方は第1の実施例でのS1813の場合と同じである。
さらに、S2104の判定がNOでキーコードの値Kが、0
≦V<16である場合には、RAM206上の押鍵された鍵がア
サインされる発音チャネル領域に、第9図のPCMフォー
マットでX音色の音色パラメータが設定される
(S2110)。その設定の仕方は第1の実施例でのS1813
場合と同じである。
一方、最初のステップS2101の判定がNOなら、以下のS
2106〜S2109、S2114〜S2117の処理により、演奏者によ
り予め指定されたY音色の音色パラメータが、第5〜第
8発音チャネルのいずれか(第25図(a)参照)に設定
される。
まず、第5〜第8発音チャネルのうちに空きチャネル
があるか否かが判定される(S2106)。
空チャネルがなく、S2106の判定がNOなら、割り当て
は行われない。
空きチャネルがあり、S2106の判定がYESなら、前述の
X音色の場合のS2103〜S2105の場合と全く同じ判別条件
であるS2107〜S2109の処理において、キーコードの値
が、48≦K≦63、32≦K<48、16≦K<32又は0≦K<
16のいずれかの範囲であるかが判別されることにより、
S2114〜S2117において、Y音色で、かつ、FM方式、TM方
式、DPCM方式又はPCM方式のいずれかの音源方式に対応
する音色パラメータが空チャネルに設定される。
鍵盤キー処理の第4の実施例 更に、鍵盤キー処理の第4の実施例について説明す
る。
上述の第3の実施例では、第25図(a)の如く、X音
色とY音色が割り当てられる発音チャネルが、それぞれ
第1〜第4発音チャネル、第5〜第8発音チャネルとい
うように固定されているが、第4の実施例では、第2の
実施例の場合と同様に各音色の割り当てチャネルを固定
せずに、第25図(b)の如く、空いているチャネルにX
音色、Y音色が順次割り当てられてゆく。
第22図は、第5図(a)のメインフローにおけるS505
の鍵盤キー処理の第4の実施例の動作フローチャートで
ある。同図の如く、まず、第1〜第8発音チャネルのう
ちに空チャネルがあるか否かが判定され(S2201)、空
チャネルがあれば音色の割り当てを行う。以下、S2202
〜S2216の各処理は、第21図の第3の実施例におけるS
2201、S2203〜S2205及びS2206〜S2217の各処理と全く同
様である。
デモ演奏処理 以上の鍵盤キー処理とは別に、電子楽器によってデモ
演奏(自動演奏)が行われる場合における第5図(a)
のメインフローのデモ演奏処理(S506)の具体的動作に
つき説明する。
本実施例では、演奏されたキーがメロディパートか伴
奏パートかによって、発音チャネルに異なる音色及び音
源方式を割り当てることができる。
第23図は、第5図(a)のメインフローにおけるS506
のデモ演奏処理の第1の実施例の動作フローチャートで
ある。第1の実施例では、X音色及びY音色の発音チャ
ネルへの割り当ては、鍵盤キー処理の第1又は第3の実
施例の場合と同様、第25図(a)のように行われる。
まず、制御データ兼波形用ROM212(第2図)から読み
出される自動演奏データにより指定される演奏キーが、
メロディパートであるか否か(伴奏パートであるか)が
判定される(S2301)。
判定がYESでメロディパートなら、第1〜第4発音チ
ャネルのいずれかに空チャネルがあるか否かが判定され
る(S2302)。
空チャネルがなく、S2302の判定がNOなら、割り当て
は行われない。
空チャネルがあり、S2302の判定がYESなら、RAM206
(第2図参照)上の押鍵された鍵がアサインされる第1
〜第4チャネルのいずれかの発音チャネル領域に、第9
図のFMフォーマットでX音色の音色パラメータが設定さ
れる。すなわち、該当する発音チャネル領域の先頭領域
S(第9図のFM欄参照)にFM方式を示す音源方式No.が
設定される。つづいて、各発音チャネル領域の第2番目
以降の領域に、現在、RAM206上の音色No.レジスタのX
レジスタ(第16図(b)参照)にストアされている音色
番号の音色に対応する音色パラメータが制御データ兼波
形用ROM212の第16図(a)のデータ構成部分から読み出
されてセットされる(S2303)。
一方、上記ステップS2301の判定がNOで伴奏パートな
ら、第5〜第8発音チャネルのいずれかに空チャネルが
あるか否かが判定される(S2304)。
空チャネルがなく、S2304の判定がNOなら、割り当て
は行われない。
空チャネルがあり、S2304の判定がYESなら、RAM206
(第2図参照)上の押鍵された鍵がアサインされる第5
〜第8チャネルのいずれかの発音チャネル領域に、第9
図のDPCMフォーマットでY音色の音色パラメータが設定
される。すなわち、該当する発音チャネル領域の先頭領
域S(第9図のDPCM欄参照)にDPCM方式を示す音源方式
No.が設定される。つづいて、各発音チャネル領域の第
2番目以降の領域に、現在、RAM206上の音色No.レジス
タのYレジスタ(第16図(b)参照)にストアされてい
る音色番号の音色に対応する音色パラメータが制御デー
タ兼波形用ROM212の第16図(a)のデータ構成部分から
読み出されてセットされる(S2305)。
次に、第24図は、第5図(a)のメインフローにおけ
るS506のデモ演奏処理の第2の実施例の動作フローチャ
ートである。第2の実施例では、鍵盤キー処理の第2又
は第4の実施例と同様、各音色の割り当てチャネルを固
定せずに、第25図(b)の如く、空いているチャネルに
X音色、Y音色が順次割り当てられてゆく。
第24図において、まず、第1〜第8発音チャネルのう
ち空チャネルがあるか否かが判定され(S2401)、空チ
ャネルがあれば音色の割り当てを行う。以下、S2402〜S
2404の処理は、第23図のデモ演奏処理の第1の実施例に
おけるS2302〜S2304の処理と全く同じである。
他の実施例の態様 前述した鍵盤キー処理の第1〜第4の実施例において
は、キーコード又はベロシティ等の値についてのスプリ
ットポイントを境に2つの音色を切り替え、更に、音色
毎に、ベロシティ又はキーコード等の値によって音源方
式を切り替えるようにしたが、逆に、スプリットポイン
トを境に音源方式を切り替え、更に、各音源方式毎に、
ベロシティ等の値によって音色を切り替えるようにして
もよい。
また、スプリットポイントは1つに限られず、2つ以
上のスプリットポイントを境にする各領域で、複数の音
色又は音源方式が切り替わるようにしてもよい。
更に、スプリットポイントに係わる演奏情報は、キー
コード又はベロシティに限られない。
一方、前述の実施例では、メロディパートか伴奏パー
トかによって、発音チャネルに異なる音色及び音源方式
を割り当てることができるのは、デモ演奏(自動演奏)
時においてであったが、これに限られるものではなく、
演奏者が、メロディパートを演奏するか伴奏パートを演
奏するかによって切り替えられるようにしてもよい。
また、前述の実施例では、メロディパートか伴奏パー
トかによって、音色と音源方式の固定的な組合わせで発
音の割り当てが変化するようにしたが、鍵盤キー処理の
場合のように、音色のみ又は音源方式のみが変化するよ
うにし、その種類も自由に設定できるようにしてもよ
い。
〔発明の効果〕
本発明によれば、音色選択手段で所望の音色を選択し
た時点で、その音色の楽音を作り出すのに適していると
思われる複数種類の音源方式が選択可能な候補となり、
この複数種類の音源方式の中から、演奏時に入力された
演奏情報(音高やベロシティの情報)に最も適した音源
方式が選択されるようになるので、演奏者の負担を増大
させること無く、音源方式の特徴(処理内容やメモリ容
量)と音色(波形形状)・音高(周波数)・音量(振
幅)との関係から最も適した音源方式を自動的に選択し
て楽音を生成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による実施例の全体構成図、 第2図は、マイクロコンピュータの内部構成図、 第3図(a)は、従来のD/A変換器部の構成図、 第3図(b)は、本実施例によるD/A変換器部の構成
図、 第4図は、D/A変換におけるタイミングチャート、 第5図は、本実施例の全体動作フローチャート、 第6図は、メイン動作フローチャートとインタラプト処
理との関係を示す概念図、 第7図は、RAM上の発音チャネル別の記憶領域を示す
図、 第8図は、各発音チャネルの音源処理方式を選択すると
きの概念図、 第9図は、RAM上の音源方式別のデータフォーマットの
構成図、 第10図は、PCM方式による音源処理の動作フローチャー
ト、 第11図は、DPCM方式による音源処理の動作フローチャー
ト、 第12図(a)、(b)は、差分値Dと現在アドレスAF
用いて補間値XQを求める場合の原理説明図、 第13図(a)は、FM方式による音源処理の動作フローチ
ャート、 第13図(b)は、FM方式による音源処理のアルゴリズム
を示す図、 第14図(a)は、TM方式による音源処理の動作フローチ
ャート、 第14図(b)は、TM方式による音源処理のアルゴリズム
を示す図、 第15図は、機能キー(一部)の配置図(その1)、 第16図(a)は、音色パラメータのデータ構成図、 第16図(b)は、RAM206上のバッフアB、およびレジス
タX、Yの構成図、 第17図は、鍵盤キー(64鍵)の説明図、 第18図は、鍵盤キー処理の第1の実施例の動作フローチ
ャート、 第19図は、鍵盤キー処理の第2の実施例の動作フローチ
ャート、 第20図は、機能キー(一部)の配置図(その2)、 第21図は、鍵盤キー処理の第3の実施例の動作フローチ
ャート、 第22図は、鍵盤キー処理の第4の実施例の動作フローチ
ャート、 第23図は、デモ演奏処理の第1の実施例の動作フローチ
ャート、 第24図は、デモ演奏処理の第2の実施例の動作フローチ
ャート、 第25図は、X、Y音色の発音チャネルへの割り当て方式
を示した図である。 101……マイクロコンピュータ、 102……鍵盤、 103……機能キー、 104……スイッチ部、 105……ローパスフィルタ、 106……増幅器、 107……スピーカ、 108……電源回路、 109……表示部、 201……制御用ROM、 202……ROMアドレスデコーダ、 203……インタラプト制御部、 204……RAMアドレス制御部、 205……ROMアドレス制御部、 206……RAM、 207……コマンド解析部、 208……ALU部、 209……乗算器、 210……入力ポート、 211……出力ポート、 212……制御データ兼波形用ROM、 213……D/A変換器、 301、302……ラッチ、 303……D/A変換器、 1501……キーボード・スプリットポイント指定スイッ
チ、 1502、20002……音色スイッチ、 2001……ベロシティ・スプリットポイント指定スイッ
チ.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太期 広一郎 東京都西多摩郡羽村町栄町3丁目2番1 号 カシオ計算機株式会社羽村技術セン ター内 (72)発明者 小倉 和夫 東京都西多摩郡羽村町栄町3丁目2番1 号 カシオ計算機株式会社羽村技術セン ター内 (72)発明者 細田 潤 東京都西多摩郡羽村町栄町3丁目2番1 号 カシオ計算機株式会社羽村技術セン ター内 (56)参考文献 特開 昭64−101593(JP,A) 特開 昭61−45298(JP,A) 特公 昭63−1595(JP,B2) 特公 昭64−101593(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10H 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各々に対して複数種類の音源方式が割り当
    てられている複数種類の音色のうち、任意の音色を選択
    可能な音色選択手段と、 演奏情報を入力する演奏情報入力手段と、 この演奏情報入力手段から入力されるべき演奏情報の取
    り得る値の範囲を複数の区間に分割し、各区間に対して
    前記複数種類の音源方式の何れかを割り当てる音源方式
    割当手段と、 前記演奏情報入力手段から入力された演奏情報の値が、
    前記複数の区間の何れに含まれるのかを判定する判定手
    段と、 この判定手段で判定された区間に割り当てられている音
    源方式で、前記音色選択手段で選択された音色を有し且
    つ前記入力された演奏情報の値に応じた特性の楽音信号
    を生成して出力する楽音信号出力手段と、 を有することを特徴とする楽音波形発生装置。
  2. 【請求項2】前記演奏情報は、ベロシティ情報であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の楽音波形発生装置。
  3. 【請求項3】前記演奏情報は、音高情報であることを特
    徴とする請求項1記載の楽音波形発生装置。
JP2172200A 1988-12-29 1990-06-29 楽音波形発生装置 Expired - Fee Related JP2869574B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2172200A JP2869574B2 (ja) 1990-06-29 1990-06-29 楽音波形発生装置
DE69130748T DE69130748T2 (de) 1990-06-28 1991-06-04 Vorrichtung zur Erzeugung von Musikwellenformen
EP91109140A EP0463411B1 (en) 1990-06-28 1991-06-04 Musical tone waveform generation apparatus
KR1019910010817A KR950000841B1 (ko) 1990-06-28 1991-06-27 악음파형 발생장치
US07/855,431 US5319151A (en) 1988-12-29 1992-03-23 Data processing apparatus outputting waveform data in a certain interval
US08/223,589 US5726371A (en) 1988-12-29 1994-04-06 Data processing apparatus outputting waveform data for sound signals with precise timings
HK98114681A HK1013349A1 (en) 1990-06-28 1998-12-22 Musical tone waveform generation apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2172200A JP2869574B2 (ja) 1990-06-29 1990-06-29 楽音波形発生装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0460698A JPH0460698A (ja) 1992-02-26
JP2869574B2 true JP2869574B2 (ja) 1999-03-10

Family

ID=15937442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2172200A Expired - Fee Related JP2869574B2 (ja) 1988-12-29 1990-06-29 楽音波形発生装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2869574B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5283386A (en) * 1991-08-30 1994-02-01 Casio Computer Co., Ltd. Musical-tone signal generating apparatus and musical-tone controlling apparatus including delay means and automatic reset means
SG59968A1 (en) * 1995-03-03 1999-02-22 Yamaha Corp Computerized music apparatus composed of compatible software modules
WO2001075858A1 (fr) 2000-04-03 2001-10-11 Yamaha Corporation Appareil portable, procede d'economie d'energie et procede de compensation du volume sonore, et support portable

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0460698A (ja) 1992-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR940005988B1 (ko) 악음파형 발생장치
CN108630178B (zh) 乐音生成装置、乐音生成方法、记录介质及电子乐器
JP2869574B2 (ja) 楽音波形発生装置
JP2869573B2 (ja) 楽音波形発生装置
JP3027831B2 (ja) 楽音波形発生装置
JP3027832B2 (ja) 楽音波形発生装置
JPH0310959B2 (ja)
JP2900082B2 (ja) 楽音発生装置
JP3518716B2 (ja) 楽音合成装置
Roads A conversation with james a. moorer
JP3666346B2 (ja) 楽音発生装置および記憶媒体
JPS6352399B2 (ja)
Da Research on the trend and innovation of electronic music production
JPS61248096A (ja) 電子楽器
JPH10124060A (ja) 楽音発生方法、楽音発生装置および楽音発生用プログラムを記録した記録媒体
Olney Computational Thinking through Modular Sound Synthesis
JP2529227Y2 (ja) 電子楽器
JP2797141B2 (ja) 楽音波形発生装置
KR100734772B1 (ko) 교차신호와 어드레스페이즈변조 방식을 이용한미디웨이브/자동구간반복웨이브/속도 조절된웨이브/원음웨이브의 동시 구현이 가능한 다중음 동시발생 장치
JP3684052B2 (ja) 楽音生成装置及び楽音生成方法
JP3684078B2 (ja) 楽音波形データ記憶装置、楽音波形データ記憶方法、楽音波形データ再生装置及び楽音波形データ再生方法
JP2972364B2 (ja) 音楽的情報処理装置及び音楽的情報処理方法
JP2797140B2 (ja) 楽音波形発生装置
JPH04136994A (ja) 楽音波形発生装置
JPH08129384A (ja) 楽音発生装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090108

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100108

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees