JP3027831B2 - 楽音波形発生装置 - Google Patents

楽音波形発生装置

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JP3027831B2 JP2172198A JP17219890A JP3027831B2 JP 3027831 B2 JP3027831 B2 JP 3027831B2 JP 2172198 A JP2172198 A JP 2172198A JP 17219890 A JP17219890 A JP 17219890A JP 3027831 B2 JP3027831 B2 JP 3027831B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、楽音波形発生装置における音源処理方式に
関し、更に詳しくは、複数種類の楽音信号を混合して出
力させることができる楽音波形発生装置に関する。
〔従来の技術〕
ディジタル信号処理技術とLSI処理技術の発達により
性能の良い様々な電子楽器が実現されている。
電子楽器の楽音波形発生装置は、大量かつ高速のディ
ジタル演算が必要なため、従来は、必要とする音源方式
に基づく楽音発生アルゴリズムと等化なアーキテクチャ
をハードウエアで実現した専用の音源回路によって構成
されている。このような音源回路により、PCM変調又は
変調方式に基づく音源方式が実現される。
上述のような音源回路は、いずれの音源方式のものも
その回路規模が大きい。LSI化した場合、PCM波形データ
又は変調用の波形データ等を記憶するメモリ部分を除い
ても、汎用のデータ処理用のマイクロプロセッサの2倍
程度の規模になる。その理由は、音源回路においては、
各種演奏情報に基づいて波形データをアクセスするため
の複雑なアドレス制御が必要になるからである。また、
音源生成処理の過程で得られる中間的なデータを一時的
に保持するためのレジスタ等が、音源方式に対応したア
ーキェクチャで随所に配置される必要があるためであ
る。更に、複数の楽音を並列して発音可能なポリフォニ
ック構成を実現すべく、音源処理を時分割でハードウエ
ア的に行うためのシフトレジスタ等も随所に必要となる
ためである。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上のように、従来の楽音波形発生装置は、音源方式
に対応した専用の音源回路によって構成されているた
め、ハードウエア規模が大きくなってしまい、LSIで実
現した場合におけるLSIチップ製造時の歩留り等の点に
おいて、製造段階でのコストアップを招き、楽音波形発
生装置の大型化を招いてしまうという問題点を有してい
る。
また、音源方式を変更したい場合、ポリフォニック数
を変更した場合等において、音源回路の大幅な変更を余
儀なくされ、開発段階でのコストアップを招いてしまう
という問題点を有している。
更に、従来の楽音波形発生装置を電子楽器として実現
するような場合には、演奏操作に対応する演奏情報から
音源回路で処理可能なデータを生成したり、他の楽器と
の演奏情報の通信を行ったりするための、マイクロプロ
セッサ等により構成される制御回路が必要となる。そし
て、このような制御回路においては、演奏情報を処理す
るための演奏情報処理プログラムのほかに、音源回路に
演奏情報に対応したデータを供給するための音源回路に
対応した音源制御プログラムが必要となり、しかも、そ
の両方のプログラムを同期させて動作させる必要があ
る。このようなプログラムの複雑性から、その開発にお
いて多大なコストアップを招いてしまうという問題点を
有している。
その一方、近年においては、汎用のデータ処理を行う
ための高性能なマイクロプロセッサが多く実現されてお
り、このようなマイクロプロセッサを使用して音源処理
をソフト的に行う楽音波形発生装置を実現させることも
考えられる。しかし、演奏情報を処理するための演奏情
報処理プログラムと、その演奏情報に基づいて音源処理
を実行するための音源処理プログラムとを同期して動作
させるための技術が知られていない。特に、音源方式に
より音源処理プログラムにおける処理時間が変化するた
め、生成された楽音データをD/A変換器へ出力するため
の複雑なタイミング制御プログラムが必要となってしま
う。このように、音源処理を単純にソフト的に行うだけ
では、処理プログラムが非常に複雑になり、処理速度及
びプログラム容量の面から高度な音源方式の処理ができ
ない。特に、自然楽器から発生される楽音のように複雑
な周波数構造を有するリアルな楽音波形を発生させるた
めに、発音チャネル毎に複数種類の楽音波形を生成でき
るようにし、演奏情報に応じた混合比率で複数の発音チ
ャネルで生成される楽音波形を混合して1つの楽音波形
を生成する、といったような高度な音源処理を行えな
い。
本発明は、専用の音源回路を必要とすることなく、マ
イクロプロセッサのプログラム制御によって、各発音チ
ャネルで異なる種類の楽音波形を生成でき、かつ、発音
チャネル間で楽音波形を混合でき、そのときの各楽音波
形の混合比率を演奏情報により制御可能とすることを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、まず、演奏情報を処理するための演奏情報
処理プログラムと、楽音信号を得るための音源処理プロ
グラムを記憶するROM等のプログラム記憶手段を有す
る。この場合の音源方式は、例えばPCM方式、位相変調
方式又は周波数変調方式等である。
次に、プログラム記憶手段のアドレスを制御するアド
レス制御手段を有する。
また、発音チャネル毎に、複数種類の楽音信号のうち
任意の種類の楽音信号を生成するために必要な楽音生成
データを記憶するデータ記憶手段を有する。複数種類の
楽音信号とは、例えば演奏操作を速く又は強く行った場
合(一般にフォルテ記号f)に対応する特性を有する楽
音信号及び演奏操作を遅く又は弱く行った場合(一般に
ピアノ記号p)に対応する特性を有する楽音信号であ
る。或いは、複数種類の楽器音に対応する楽音信号であ
る。そのほか、様々な種類の楽音信号が採用でき、その
種類も2種類に限られず、それ以上でもよい。
更に、四則演算処理を実行する乗算器等を含む演算処
理手段を有する。
そして、上述のアドレス制御手段、データ記憶手段及
び演算処理手段を制御しながら、プログラム記憶手段に
記憶された演奏情報処理プログラム又は音源処理プログ
ラムを実行するプログラム実行手段を有する。同手段
は、通常時は前記演奏情報処理プログラムを実行してデ
ータ記憶手段上の対応する楽音生成データを制御し、所
定時間間隔で音源処理プログラムに制御を移してそれを
実行し、その終了後に再び演奏情報処理プログラムを実
行する。また、プログラム実行手段は、音源処理プログ
ラムの実行時に、各発音チャネル毎に、データ記憶手段
上の楽音生成データに基づいて時分割処理を行って該各
発音チャネルに対応する種類の楽音信号を生成し、該各
発音チャネル毎に生成された複数種類の楽音信号を前述
の演奏情報に対応する混合比率で混合して各発音動作毎
の楽音信号を生成する。すなわち、例えば4つの発音チ
ャネルで得られる4種類の楽音信号を混合して1音分の
楽音信号を得る。上記混合比率の制御に用いられる演奏
情報は、例えば音高の範囲を示す情報(音域情報等)、
或いは、演奏操作時のタッチを示すイニシャルタッチの
ベロシティ又はアフタータッチのベロシティ等の情報で
ある。また、この場合、プログラム実行手段は、例えば
上記所定時間間隔で割り込み信号を発生する割り込み制
御手段を有する。これにより、プログラム実行手段は、
演奏情報処理プログラムを実行中に、割り込み制御手段
から割り込み信号が発生したタイミングで演奏情報処理
プログラムを中断し、音源処理プログラムに制御を移し
てそれを実行し、その終了後に割り込みを解除して演奏
情報処理プログラムの実行を再開する。
上記構成に加えて、プログラム実行手段が音源処理プ
ログラムを実行して得られた各発音動作毎の楽音信号を
保持し、該保持された楽音信号を一定の出力時間間隔で
例えばD/A変換器に出力する楽音信号出力手段を有す
る。この場合の一定の出力時間間隔は、通常はD/A変換
器等のサンプリング周期に等しいが、この時間間隔は前
述の所定時間間隔と同じ間隔か、或いは、音源処理プロ
グラムを複数回実行して1サンプル分の楽音信号を生成
するようにした場合には、所定時間間隔の複数回分の1
の時間間隔とすることができる。
〔作用〕
本発明においては、プログラム記憶手段、アドレス制
御手段、データ記憶手段、演算処理手段及びプログラム
実行手段は、汎用のマイクロプロセッサ(マイクロコン
ピュータ)と同様の構成であり、専用の音源回路は全く
必要としない。また、楽音信号出力手段は、汎用のマイ
クロプロセッサとは異なる構成であるが、楽音波形発生
装置という範疇では汎用的である。
これにより、楽音波形発生装置全体の回路規模を大幅
に小型化することができ、LSI化した場合等においても
通常のマイクロプロセッサの製造技術と同じでよく、チ
ップの歩留りも向上するため、製造コストを大幅に低減
させることができる。なお、楽音信号出力手段は簡単な
ラッチ回路で構成できるため、この部分を付加したこと
による製造コストの増加はほとんどない。
また、音源方式を変更したい場合、ポリフォニック数
を変更したい場合等において、プログラム記憶手段に記
憶させる音源処理プログラムを変更するだけで対処で
き、新たな楽音波形発生装置の開発コストを大幅に減少
させることが可能となり、ユーザに対しても例えばROM
カード等によって新たな音源方式を提供することが可能
となる。
以上のような作用を可能とするのは、本発明が次のよ
うなプログラムアーキテクチャ及びデータアーキテクチ
ャを実現したからである。
すなわち、本発明では、データ記憶手段上に楽音生成
に必要な楽音生成データを記憶させるデータアーキテク
チャを実現している。そして、演奏情報処理プログラム
が実行される場合は、データ記憶手段上の対応する楽音
生成データが制御され、音源処理プログラムが実行され
る場合は、データ記憶手段上の対応する楽音生成データ
に基づいて楽音信号が生成される。このように演奏情報
処理プログラムと音源処理プログラムとの間のデータの
通信は、データ記憶手段上の楽音生成データを介して行
われ、各プログラムにおけるデータ記憶手段に対するア
クセスは、相手のプログラムの実行状態に一切関わりな
く行わえばよいため、実質的に両プログラムを独立した
モジュール構成とすることができ、簡単かつ効率的なプ
ログラム構造とすることができる。
上記データアーキテクチャに加えて、本発明では、通
常時は演奏情報処理プログラムを実行して、例えば鍵盤
キーや各種設定スイッチの操作、デモ演奏制御等を行
い、それに対して所定時間間隔で音源処理プログラムを
実行させ、その処理が終わったら再び演奏情報処理プロ
グラムに戻るというプログラムアーキテクチャを実現し
ている。これにより、音源処理プログラムは、例えば割
り込み制御手段からの所定時間間隔で発生する割り込み
信号に基づいて強制的に演奏情報処理プログラムに割り
込めばよいため、演奏情報処理プログラムと音源処理プ
ログラムとの間の同期をとる必要はない。
更に、プログラム実行手段が音源処理プログラムを実
行する場合には、処理条件によって処理時間が変化する
が、この変化は、楽音信号出力手段によって全て吸収す
ることができる。従って、楽音信号をD/A変換器等へ出
力するための複雑なタイミング制御プログラムが必要な
くなる。
以上のように、演奏情操処理プログラムと音源処理プ
ログラムとの間のデータのリンクをデータ記憶手段上の
楽音生成データを介して行うというデータアーキテクチ
ャと、演奏情報処理プログラムに対して所定時間間隔で
音源処理プログラムを実行するというプログラムアーキ
テクチャを実現し、更に、楽音信号出力手段を設けたこ
とにより、汎用プロセッサとほとんど同じ構成で、効率
的なプログラム制御に基づく音源処理が実現される。
更に、データ記憶手段には、発音チャネル毎に、複数
種類の楽音信号を生成するために必要な楽音生成データ
が記憶されるようにし、プログラム実行手段は、各発音
チャネル毎に対応した時分割処理により、演奏情報処理
プログラム及び音源処理プログラムを実行する構成をと
っている。従って、プログラム実行手段は、各時分割タ
イミング毎に、データ記憶手段上の対応する楽音生成デ
ータをアクセスしてそれを処理するだけで、発音チャネ
ル毎に異なった種類の楽音信号を生成することができ
る。そして、このようにして各発音チャネル毎に生成さ
れた複数種類の楽音信号を所定の演奏情報に対応する混
合比率で混合して各発音動作毎の楽音信号を生成するこ
とにより、演奏情報、例えばピアノ記号pに対応する演
奏情報からフォルテ記号fに対応する演奏情報までに対
応させて、ピアノ記号pに対応する音色とフォルテ記号
fに対応する音色の間で劇的に変化するような特性の楽
音信号を容易に生成することができる。
〔実施例〕
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を説明す
る。
本実施例の構成 第1図は、本発明の実施例の全体構成図である。
同図において、まず、装置全体はマイクロコンピュー
タ101により制御される。特に、楽器の制御入力の処理
のみならず、楽音を生成する処理もマイクロコンピュー
タ101で実行され、楽音生成用の音源回路は必要としな
い。
鍵盤102と機能キー103とからなるスイッチ部104は楽
器の操作入力部分であり、スイッチ部104から入力され
た演奏情報はマイクロコンピュータ101で処理される。
なお、機能キー103の詳細については後述する。
マイクロコンピュータ101が生成したアナログ変換後
の楽音信号はローパスフィルタ105で平滑化され、アン
プ106で増幅された後、スピーカ107を介して放音され
る。電源回路108は、マイクロコンピュータ101、ローパ
スフィルタ105及びアンプ106に必要な電源を供給する。
つぎに、第2図はマイクロコンピュータ101の内部構
成を示すブロック図である。
制御データ兼波形用ROM212には、後述するエンベロー
プ値の目標値等の楽音制御パラメータ、各音源方式にお
ける楽音波形データ、楽音差分データ、変調波形データ
等が記憶されている。そして、コマンド解析部207は、
制御用ROM201のプログラムの内容を順次解析しながら、
制御データ兼波形用ROM212上の上記各データをアクセス
して、ソフトウエアによる音源処理を行う。
制御用ROM201には、後述する楽音制御用のプログラム
が記憶されており、ROMアドレス制御部205からROMアド
レスデコーダ202を介して指定されたアドレスのプログ
ラム語(命令)を順次出力する。具体的には、各プログ
ラム語の語長は例えば28ビットであり、プログラム語の
一部が次に読み出されるべきアドレスの下位部(ページ
内アドレス)としてROMアドレス制御部205に入力される
ネクストアドレス方式となっている。なお、当然、通常
のプログラムカウンタ方式のCPUで構成してもよい。
コマンド解析部207は、制御用ROM201から出力される
命令のオペコードを解析し、指定されたオペレーション
を実行するために、回路の各部に制御信号を送る。
RAMアドレス制御部204は、制御用ROM201からの命令の
オペランドがレジスタを指定している場合に、RAM206内
の対応するレジスタのアドレスを指定する。RAM206に
は、第6図及び第7図等として後述する各種楽音制御デ
ータが8発音チャネル分記憶されるほか、後述する各種
バッファ等が記憶され、後述する音源処理に使用され
る。
ALU部208及び乗算器209は、制御ROM31からの命令が演
算命令の場合に、コマンド解析部207からの指示に基づ
いて、前者は加減算と論理演算、後者は乗算を実行す
る。
インタラプト制御部203は、内部の特には図示しない
ハードタイマに基づいて、一定時間毎に、ROMアドレス
制御部205及びD/A変換器部213、214にインタラプト信号
を供給する。
入力ポート210及び出力ポート211には、第1図のスイ
ッチ部104が接続される。
制御用ROM201又はRAM206から読み出される各種データ
は、バスを介してROMアナログ制御部205、ALU部208、乗
算器209、制御データ兼波形用ROM212、Left D/A変換器
213、Right D/A変換器部214、入力ポート210及び出力
ポート211に供給される。また、ALU部208、乗算器209及
び制御データ兼波形用ROM212の各出力は、バスを介して
RAM206に供給される。
音源処理が施され、RAM206内の左バッファBL及び右バ
ッファBR(後述する)に得られた左チャネル及び右チャ
ネルの楽音信号は、Left D/A変換器部213及びRight D
/A変換器部214でそれぞれD/A変換され、左チャネルのア
ナログ楽音信号Lと右チャネルのアナログ楽音信号R
が、第1図のローパスフィルタ105、アンプ106を介し
て、スピーカ107から放音される。なお、これらは共に
ステレオ構成である。
次に、第3図(b)は、第1図のLeft D/A変換器部2
13及びRight D/A変換器部214の内部構成を示すもので
(両者とも同一の構成を有する)、データバスを介し
て、音源処理により作成された楽音の1サンプルデータ
が、ラッチ301に入力される。そして、ラッチ301のクロ
ック入力に第2図のコマンド解析部207から音源処理終
了信号が入力されると、データバス上の1サンプル分の
楽音データが、第4図に示すようにラッチ301にラッチ
される。
ここで、前述の音源処理に要する時間は、音源処理用
のソフトウェアの実行条件により変化するため、音源処
理が終了し、ラッチ301に楽音データがラッチされるタ
イミングは一定でない。そのため、第3図(a)のよう
に、ラッチ301の出力をそのままD/A変換器303に入力さ
せることはできない。
そこで、本実施例では第3図(b)の如く、ラッチ30
1の出力をさらにラッチ302でラッチし、第2図のインタ
ラプト制御部203から出力されるサンプリングクロック
間隔に等しいインタラプト信号により、楽音信号をラッ
チ302にラッチさせ、一定間隔でD/A変換器303に出力さ
せるようにしている。
このようにラッチを2つ用いて、音源方式における処
理時間の変化を吸収したので、楽音データをD/A変換器
へ出力させるための複雑なタイミング制御プログラムが
不用になった。
本実施例の全体動作 つぎに、本実施例の全体動作を説明する。
本実施例では、マイクロコンピュータ101が、第5図
(a)のメインフローチャートに示すように、S502〜S
510の一連の処理を繰り返し行っている。そして実際の
音源処理は割り込み(インタラプト)処理で行ってい
る。具体的には、ある一定時間毎に、第5図(a)のメ
インフローチャートとして実行されているプログラムに
割り込みが掛かり、それに基づいて8チャンネルの楽音
信号を作る音源処理のプログラムが実行される。その処
理が終わると、8チャネル分の楽音波形が加算され、マ
イクロコンピュータ101内のLeft D/A変換器部213及びR
ight D/A変換器部214から出力される。その後、割り込
み状態からメインフローに戻る。なお、上述の割り込み
は、第2図のインタラプト制御部203内のハードタイマ
に基づき、周期的に行われる。この周期は、楽音出力時
のサンプリング周期に等しい。
以上が、本実施例の概略動作で、つぎに、第5図を用
いて詳細に本実施例の全体動作を説明する。
第5図(a)のメインフローチャートは、インタラプ
ト制御部203から割り込みが掛からない状態においてマ
イクロコンピュータ101で実行される、音源処理以外の
処理の流れを示している。
まず、電源がONされ、マイクロコンピュータ101内のR
AM206(第2図参照)の内容等の初期設定が行われる(S
501)。
つぎに、マイクロコンピュータ101の外部に接続され
る機能キー103(第1図参照)の各スイッチが走査され
(S502)、各スイッチの状態が入力ポート210からRAM20
6内のキーバッファエリアに取り込まれる。その走査の
結果、状態の変化した機能キーが識別され、対応する機
能の処理がなされる(S503)。例えば、楽音番号のセッ
ト、エンベロープ番号のセット、また、付加機能にリズ
ム演奏がついていれば、リズム番号のセット等が行われ
る。
その後、第1図の鍵盤102において押鍵されている鍵
盤キーが上記機能キーの場合と同様に取り込まれ
(S504)、変化した鍵が識別されることによりキーアサ
イン処理が行われる(S505)。この鍵盤キー処理は、本
発明に特に関連する部分であるが、これについては後述
する。
つぎに、機能キー103(第1図)で特には図示しない
デモ演奏キーが押されたときは、第2図の制御データ兼
波形用ROM212からデモ演奏データ(シーケンサデータ)
が順次読み出されて、キーアサイン処理などが行われる
(S506)。また、リズムスタートキーが押されたとき
は、リズムデータが制御データ兼波形用ROM212から順次
読み出され、キーアサンイン処理などが行われる
(S507)。
その後に、以下に述べるタイマー処理が行われる(S
508)。すなわち、後述するインタラプトタイマー処理
(S512)でインクリメントされている時間データの時間
値が判別され、デモ演奏制御用に順次読み出される時間
制御用のシーケンサデータまたはリズム演奏制御用に読
み出される時間制御用のリズムデータと比較されること
により、S506のデモ演奏又はS507のリズム演奏を行う場
合の時間制御が行われる。
さらに、発音処理S509では、発音処理されるべき楽音
のピッチにエンベロープを付加し、対応する発音チャネ
ルにピッチデータを設定するというピッチエンベロープ
処理等が行われる。
更に、フロー1周準備処理が実行される(S510)。こ
の処理においては、S505の鍵盤キー処理において押鍵開
始となったノート番号の発音チャネルの状態を押鍵中に
変えたり、離鍵となったノート番号の発音チャネルの状
態を消音中に変える等の処理が行われる。
つぎに、第5図(b)のインタラプト処理につき説明
する。
第2図のインタラプト制御部203により、第5図
(a)のメインフローに対応するプログラムに割り込み
が掛かると、同プログラムの処理が中断され、第5図
(b)のインタラプト処理プログラムの実行が開始され
る。この場合、インタラプト処理のプログラムにおい
て、第5図(a)のメインフローのプログラムで書き込
みが行われるレジスタ等については、内容の書き換えが
行われないように制御される。従って、通常のインタラ
プト処理の開始時と終了時に行われるレジスタの退避と
復帰の処理は不要となる。これにより、第5図(a)の
メインフローチャートの処理とインタラプト処理との間
の移行が迅速に行われる。
続いて、インタラプト処理において音源処理が開始さ
れる(S511)。この音源処理は第5図(c)に示され
る。この結果、8発音チャネル分が累算された楽音波形
データが、第2図のRAM206内の後述するバッファBに得
られる。
つぎに、S512ではインタラプトタイマー処理が行われ
る。ここでは、第5図(b)のインタラプト処理が一定
のサンプリング周期毎に実行されることを利用して、RA
M206(第2図)上の特には図示しない時間データの値が
インクリメントされる。すなわち、この時間データの値
を見れば時間経過がわかる。このようにして得られる時
間データは、前述したように、第5図(a)のメインフ
ローのタイマー処理S508における時間制御に用いられ
る。
おして、S513′において、上記バッファ領域の内容が
Left D/A変換器部213及びRight D/A変換器部214のラ
ッチ301(第3図参照)にラッチされる。
つぎに、第5図(c)のフローチャートを用いて、イ
ンタラプト処理のステップS511で実行される音源処理の
動作を説明する。
まず、RAM206の波形データ加算用の左バッファBL、右
バッファBR及びフラグFの各領域がクリアされる
(S513)。つぎに、発音チャネルの1チャネル毎に音源
処理が行われ(S514〜S521)、最後に8チャネル目の音
源処理が終了した時点で左バッファBL及び右バッファBR
のそれぞれに8チャネル分が加算された波形データが得
られる。これらの詳細な処理については後述する。
つぎに第6図は、前述の第5図(a)、(b)のフロ
ーチャートの処理の関係を概念的に示した流れ図であ
る。まず、ある処理A(以下、B、C、・・・、Fも同
じ)が行われる(S601)。この「処理」は、第5図
(a)のメインフローチャートの、例えば「機能キー処
理」や、「鍵盤キー処理」などに対応する。その後、イ
ンタラプト処理に入り、音源処理が開始される
(S602)。これにより、左チャネルと右チャネルのそれ
ぞれにおいて、1サンプル分の8発音チャネルをまとめ
た楽音信号が得られ、各々Left D/A変換器部213及びRi
ght D/A変換器部214に出力される。その後、メインフ
ローの何らかの処理Bに戻る(S603)。
以上のような動作が、8つの全ての発音チャネルに対
する音源処理が行われながら繰り返される(S604
S611)。そして、この繰り返し処理は、楽音の発音中続
けられる。
音源処理におけるデータ構成 つぎに、第5図(b)のS511で実行される音源処理の
具体例について説明する。
本実施例では、マイクロコンピュータ101が、8発音
チャネル分の音源処理を分担することは前述した。この
8チャネル分の音源処理用のデータは、第7図に示すよ
うに、第2図のRAM206内の発音チャネル毎の領域に設定
される。
また、このRAM206に、第7図(b)に示すような左チ
ャネル及び右チャネルの波形累算用の各バッファBL及び
BRと、奇数発音チャネル及び偶数発音チャネルを左チャ
ネル処理と右チャネル処理に振り分けるための1ビット
のフラグFの各領域が確保されている。
この場合、第7図の各発音チャネル領域には、後に詳
述するような操作によって、第8図に概念的に示すよう
に、それぞれの音源方式が設定され、その音源方式が設
定されたら、第9図に示すような各音源方式のデータフ
ォーマットで、制御データ兼波形用ROM212から各制御デ
ータが設定される。制御データ兼波形用ROM212でのデー
タフォーマットについては第16図で後述する。なお、本
実施例では、後述するように、各発音チャネルに異なる
音源方式が割り当てられる。
第9図の各音源方式のデータフォーマットを示すテー
ブル1において、Sは音源方式を識別する番号である音
源方式No.である。つぎのAは、音源処理時に波形デー
タが読み出される場合に指定されるアドレスを表し、
AI、A1及びA2が現在アドレスの整数部で、制御データ兼
波形用ROM212(第2図)の波形データが格納されている
アドレスに直接対応する。また、AFは現在アドレスの小
数部で、制御データ兼波形用ROM212から読み出された波
形データの補間に用いられる。つぎのAEはエンドアドレ
ス、ALはループアドレスをそれぞれ表す。また、つぎの
PI、P1及びP2はピッチデータの整数部、PFはピッチデー
タの小数部を表す。例を示すと、PI=1、PF=0は原音
のピッチを、PI=2、PF=0は1オクターブ上のピッチ
を、またPI=0、PF=0.5は、1オクターブ下のピッチ
をそれぞれ表す。つぎのXPは前回のサンプルデータを、
XNは次回のサンプルデータの格納を表す。また、Dは隣
接する2つのサンプルデータ間の大きさの差分値を表
し、Eはエンベロープ値である。さらに、Oは出力値で
ある。また、特に本発明に関連するデータとして、L/R
レベルLev1とp/fレベルLev2がある。その他の種々の制
御データについては、後述の各音源方式の説明の際に説
明する。
本実施例では、第5図(a)のメインフローが実行さ
れる場合に、音源方式の決定及びその音源方式による音
源処理に必要な制御データ、例えばピッチデータ、エン
ベロープデータ等が、対応する発音チャネル領域に設定
される。そして、第5図(b)のインタラプト処理での
音源処理として実行される第5図(c)の各チャネル対
応の音源処理において、上記発音チャネル領域に設定さ
れている各種制御データが使用されながら、楽音の生成
処理が実行される。このように、メインフローのプログ
ラムと音源処理プログラムとの間のデータの通信は、RA
M206上の発音チャネル領域の制御データ(楽音生成デー
タ)を介して行われ、各プログラムにおける発音チャネ
ル領域に対するアクセスは、相手のプログラムの実行状
態に一切関わりなく行わえばよいため、実質的に両プロ
グラムを独立したモジュール構成とすることができ、簡
単かつ効率的なプログラム構造とすることができる。
以下、このようなデータ構成を用いて実行される各音
源方式の音源処理について順次説明する。なお、これら
の音源処理は、マイクロコンピュータ101のコマンド解
析部207が、制御用ROM201に格納されている音源処理用
のプログラムを解釈・実行することにより実現される。
以下、特に言及しないかぎり、この前提のもとで処理が
行われるとする。
まず、第5図(c)のフローチャートにおいて、1チ
ャネル毎の各音源処理(S517〜S524のいずれか)に入る
と、RAM206の対応する発音チャネルに記憶されている第
9図に示すデータフォーマット(テーブル1)のデータ
のうちの音源方式No.が判別され、これにより以下に説
明するどの音源方式の音源処理が実行されるかが決定さ
れる。
PCM方式による音源処理 上記音源方式No.がPCM方式を指示している場合、以下
の第10図の動作フローチャートで示されるPCM方式によ
る音源処理が実行される。フロー中の各変数は、RAM206
(第2図)上の第7図(a)のいずれかの発音チャネル
領域に記憶される第9図のテーブル1のPCMフォーマッ
トの各データである。
制御データ兼波形用ROM212(第2図)上のPCM波形デ
ータが記憶されているアドレスのうち、現在の処理の対
象とされる波形データが記憶されているアドレスを第12
図(a)に示す(AI,AF)とする。
まず、現在のアドレスにピッチデータ(PI,PF)が加
算される(S1001)、このピッチデータは、第1図の鍵
盤102等において押鍵操作された鍵の種類に対応してい
る。
そして、加算されたアドレスの整数部AIが変わったか
否かが判定される(S1002)。判定がNOならば、第12図
(a)のアドレス(AI+1)およびAIにおけるそれぞれ
のサンプルデータXNとXPとの差である差分値Dを用い
て、D×AFなる演算処理により、アドレスの小数部AF
対応する補間データ値Oが計算される(S1007)。な
お、差分値Dは、今回以前のインタラプトタイミングに
おける音源処理により求まっている(後述するS1006
照)。
そして、上記補間データ値Oにアドレスの整数部AI
対応するサンプルデータXPが加算され、現在のアドレス
(AI,AF)に対応する新しいサンプルデータO(第12図
(a)のXQに相当する)が得られる(S1008)。
この後、このサンプルデータにエンベロープ値Eが乗
算され(S1009)、新たなサンプルデータOとされる。
さらに、サンプルデータOに、L/RレベルLev1が乗算
され、続けてp/fレベルLev2が乗算されて、その発音チ
ャネルにおける最終的な出力Oの値とされる(S1010、S
1011)。これらについては後述する。
そして、RAM206(第2図)上に確保されている1ビッ
トのフラグF(第7図(b)参照)が0であるか1であ
るかによって(S1012)、出力Oが左バッファBL又は右
バッファBRのいずれかに累算される(S1013、S1014)。
その後、フラグFがインクリメントされる。今、フラグ
Fは第5図(c)のS513で初期値0に設定される。従っ
て、第5図(c)S514の第1発音チャネルでの第10図の
音源処理においては、フラグFは0でS1012の判定はNO
となり、出力Oは左バッファBLに累算され、S1015でフ
ラグFは1に変化する。これにより、第5図(c)S515
の第2発音チャネルでの第10図の音源処理においては、
フラグFは1でS1012の判定はYESとなり、出力Oは右バ
ッファBRに累算され、S1015でフラグFは再び0に戻
る。以上が繰り返される結果、第1、第3、第5及び第
7の奇数発音チャネルの各出力Oは左バッファBLに累算
され、第2、第4、第6及び第8の偶数発音チャネルの
各出力Oは右バッファBRに累算される。すなわち、奇数
発音チャネルは左チャネル用の発音チャネルであり、偶
数発音チャネルは右チャネル用の発音チャネルというこ
とになる。これについては、後に詳述する。
上述の振り分け処理の後に、第5図(a)のメインフ
ローに戻り、つぎのサンプリング周期でインタラプトが
掛かって、第10図の音源処理の動作フローチャートがふ
たたび実行され、現在アドレス(AI,AF)にピッチデー
タ(PI,PF)が加算される(S1001)。
以上の動作が、アドレスの整数部AIが変わる
(S1002)まで繰り返される。
この間、サンプルデータXPおよび差分値Dは更新され
ず、補間データOのみがアドレスAFに応じて更新され、
その都度サンプルデータXQが得られる。
つぎに、S1001で現在アドレス(AI,AF)にピッチデー
タ(PI,PF)が加算された結果、現在アドレスの整数部A
Iが変化したら(S1002)、アドレスAIがエンドアドレス
AEに達しているかまたは越えているか否かが判定される
(S1003)。
判定がYESならば、つぎのループ処理が行われる。す
なわち、エンドアドレスAEを越えた分のアドレス(AI
AE)がループアドレスALに加算され、得られた新しい現
在アドレスの整数部AIからループ再生が開始される(S
1004)。エンドアドレスAEとは、PCM波形データの最後
の波形サンプルデータが記憶されている制御データ兼波
形用ROM212(第2図)上のアドレスである。また、ルー
プアドレスALとは、演奏者が波形の出力を繰り返したい
位置のアドレスであり、上記動作により、PCM方式で周
知のループ処理が実現される。
S1003の判定がNOならば、上記S1004の処理は実行され
ない。
つぎに、サンプルデータの更新が行われる。ここで
は、制御データ兼波形用ROM212(第2図)から、新しく
更新された現在アドレスAIと1つ手前のアドレス(AI
1)に対応する各サンプルデータが、それぞれXN、XP
して読み出される(S1005)。
さらに、今までの差分値が、更新した上記XNとXPとの
差分値Dに更新される(S1006)。
これ以後の動作は前述した通りである。
以上のようにして、1発音チャネル分のPCM方式によ
る波形データが生成される。
DPCM方式による音源処理 つぎに、DPCM方式による音源処理について説明する。
まず、第12図(b)を用いて、DPCM方式の動作原理の
概略を説明する。
同図において、制御データ兼波形用ROM212(第2図)
のアドレスAIに対応するサンプルデータXPは、アドレス
AIの1つ前の、特には図示しないアドレス(AI−1)に
対応するサンプルデータとの差分値から求めた値であ
る。
制御データ兼波形用ROM212のアドレスAIには、つぎの
サンプルデータとの差分値Dが書き込まれているので、
つぎのアドレスのサンプルデータはXP+Dで求まり、こ
れが新たなサンプルデータXPとしておきかわる。
この場合、現在アドレスを同図に示すように、AFとす
れば、現在アドレスAFに対応するサンプルデータは、XP
+D×AFで求まる。
このように、DPCM方式では、現在のアドレスと、つぎ
のアドレスに対応するサンプルデータ間の差分値Dが制
御データ兼波形用ROM212から読み出され、現在のサンプ
ルデータに加算されて、つぎのサンプルデータが求めら
れることにより、順次波形データが作成される。
このようなDPCM方式を採用すると、隣接する標本間の
差分値が一般に小さい音声や楽音等のような波形を量子
化する場合、通常のPCM方式に比較して、はるかに少な
いビット数で量子化を行えることは明らかである。
以上のDPCM方式の動作を、第11図の動作フローチャー
トを用いて説明する。フロー中の各変数は、RAM206(第
2図)上の第7図(a)のいずれかの発音チャネル領域
に記憶される第9図のテーブル1のDPCMフォーマットの
各データである。
制御データ兼波形用ROM212上のDPCM差分波形データが
記憶されているアドレスのうち、現在の処理の対象とさ
れるデータが記憶されているアドレスを第12図(b)の
(AI,AF)とする。
まず、現在アドレス(AI,AF)にピッチデータ(PI,
PF)が加算される(S1101)。
そして、加算されたアドレスの整数部AIに変化がある
か否かが判定される(S1102)。判定がNOならば、第12
図(b)のアドレスAIにおける差分値Dを用いて、D×
AFなる演算処理により、アドレスの小数部AFに対応する
補間データ値Oが演算される(S1114)。なお、差分値
Dは、今回以前のインタラプトタイミングにおける音源
処理により求まっている(後述するS1106とS1110
照)。
つぎに、上記補間データ値Oにアドレスの整数部AI
対応するサンプルデータXPが加算され、現在アドレス
(AI,AF)に対応する新しいサンプルデータO(第12図
(b)のXQに対応)が得られる(S1115)。
この後、このサンプルデータにエンベロープ値Eが乗
算され(S1116)、新たなサンプルデータOとされる。
それに続く、サンプルデータOへのL/RレベルLev1、p
/fレベルLev2の乗算(S1117、S1118)、それにより得ら
れたその発音チャネルの最終出力Oの、フラグFの内容
に基づく左バッファBL又は右バッファBRへの累算動作
(S1119〜S1122)は、第10図のPCM方式でのS1010〜S
1015の処理動作と全く同様である。
上述の振り分け処理の後に、第5図(a)のメインフ
ローに戻り、つぎのサンプリング周期でインタラプトが
掛かって、第11図の音源処理の動作フローチャートがふ
たたび実行され、現在アドレス(AI,AF)にピッチデー
タ(PI,PF)が加算される(S1101)。
以上の動作が、アドレスの整数部AIに変化が生ずるま
で繰り返される。
この間、サンプルデータXPおよび差分値Dは更新され
ず、補間データOのみがアドレスAFに応じて更新され、
その都度新たなサンプルデータXQが得られる。
つぎに、S1101で現在アドレス(AI,AF)にピッチデー
タ(PI,PF)が加算された結果、現在アドレスの整数部A
Iが変化したら(S1102)、アドレスAIがエンドアドレス
AEに達しているかまたは越えているか否かが判定される
(S1103)。
判定がNOの場合、以下のS1104〜S1107のループ処理に
より、現在アドレスの整数部AIに対応するサンプルデー
タが計算される。すなわち、まず、旧AIという変数(第
9図のテーブル1のDPCMの欄参照)には、現在アドレス
の整数部AIが変化する前の値が格納されている。これ
は、後述するS1106またはS1113の処理の繰り返しにより
実現される。この旧AIの値が、S1106で順次インクリメ
ントされながら、S1107で旧AIにより指示される制御デ
ータ兼波形用ROM212(第2図)上の差分波形データがD
として読み出され、S1105において順次サンプルデータX
Pに累算される。そして、旧AIの値が変化後の現在アド
レスの整数部AIに等しくなった時点で、サンプルデータ
XPの値は変化後の現在アドレスの整数部AIに対応する値
となる。
このようにして、現在アドレスの整数部AIに対応する
サンプルデータXPが求まると、S1104の判定がYESとな
り、前述の補間値の演算処理(S1114)に移る。
上述の音源処理が各インタラプトタイミング毎に繰り
返され、S1103の判定がYESに変化したら、つぎのループ
処理に入る。
まず、エンドアドレスAEを越えた分のアドレス(AI
AE)がループアドレスALに加算され、得られたアドレス
が新たな現在アドレスの整数部AIとされる(S1108)。
以下、ループアドレスALからどれだけアドレスが進ん
だかによって、何回か差分値Dを累算する操作が繰り返
されることにより、新たな現在アドレスの整数部AIに対
応するサンプルデータXPが計算される。すなわち、ま
ず、初期設定としてサンプルデータXPが予め設定されて
いるループアドレスALにおけるサンプルデータXPL(第
9図のテーブル1のDPCMの欄参照)の値とされ、また、
旧AIがループアドレスALの値とされる(S1109)。そし
て、以下のS1110〜S1113の処理が繰り返される。即ち、
旧AIの値がS1113で順次インクリメントされながら、S
1110で旧AIにより指示される制御データ兼波形用ROM212
上の差分波形データがDとして読み出されて、S1112
おいて順次サンプルデータXPに累算される。そして、旧
AIの値が新たな現在アドレスの整数部AIに等しくなった
時点で、サンプルデータXPの値はループ処理後の新たな
現在アドレスの整数部AIに対応する値となる。
このようにして、新たな現在アドレスの整数部AIに対
応するサンプルデータXPが求まると、S1111の判定がYES
となり、前述の補間値の演算処理(S1114)に移る。
以上のようにして、1発音チャネル分のDPCM方式によ
る波形データが生成される。
FM変調方式による音源処理 つぎに、FM変調方式による音源処理について説明す
る。
FM変調方式では、通常、オペレータと称する同一内容
のハードウエアまたはソフトウエアが用いられ、それら
がアルゴリズムと呼ばれる一定の接続規則で相互に接続
されることにより、楽音の生成が行われる。本実施例で
は、ソフトウエアでFM変調方式を実現するものである。
つぎに、第13図(a)の動作フローチャートを用い
て、2オペレータで音源処理を行う場合の、1実施例の
動作を説明する。処理のアルゴリズムは同図(b)で示
される。また、フロー中の各変数は、RAM206(第2図)
上の第7図(a)のいずれかの発音チャネル領域に記憶
される第9図のテーブル1のFMフォーマットの各データ
である。
最初に、モジュレータであるオペレータ2(OP2)の
処理が行われる。ピッチ処理については、PCM方式のよ
うに補間が行われないので、整数アドレスA2のみであ
る。すなわち、制御データ兼波形用ROM212(第2図)に
は変調用の波形データが十分に細かい歩進間隔で記憶さ
れているものとする。
まず、現在アドレスA2にピッチデータP2が加算される
(S1301)。
つぎに、このアドレスA2にフィードバック出力FO2
変調入力として加算され、新たなアドレスAM2が得られ
る(S1302)。フィードバック出力FO2は、前回のインタ
ラプトタイミングにおいて後述するS1305の処理が実行
されることにより得られている。
さらに、アドレスAM2(位相)に対応する正弦波の値
が計算される。実際には、制御データ兼波形用ROM212に
正弦波データが記憶されており、上記アドレスAM2でそ
の正弦波データをテーブル引きすることにより得られる
(S1303)。
続いて、上記正弦波データにエンベロープ値E2が乗算
され出力O2が得られる(S1304)。
この後、この出力O2にフィードバック・レベルFL2
乗算されフィードバック出力FO2が得られる(S1305)。
この出力FO2は、本実施例の場合、次回のインタラプト
タイミングにおけるオペレータ2(OP2)への入力とさ
れる。
また、O2にモジュレーション・レベルML2が乗算され
てモジュレーション出力MO2が得られる(S1306)。この
モジュレーション出力MO2は、オペレータ1(OP1)への
変調入力になる。
つぎに、オペレータ1(OP1)の処理に移る。この処
理は、フィードバック出力による変調入力が無い他は、
殆ど上述のオペレータ2の場合と同じである。
まず、オペレータ1の現在アドレスA1にピッチデータ
P1が加算され(S1307)、この値に上述のモジュレーシ
ョン出力MO2が加算されて新たなアドレスAM1が得られる
(S1308)。
つぎに、このアドレスAM1(位相)に対応する正弦波
の値が制御データ兼波形用ROM212から読み出されて(S
1309)、これにエンベロープ値E1が乗算され
(S1310)、出力Oとされる。
それに続く、出力OへのL/RレベルLev1、p/fレベルLe
v2の乗算(S1311、S1312)、それにより得られたその発
音チャネルの最終出力Oの、フラグFの内容に基づく左
バッファBL又は右バッファBRへの累算動作(S1313〜S
1316)は、第10図のPCM方式でのS1010〜S1015の処理動
作と全く同様である。
以上で1発音チャネル分のFM変調処理を終了する。
TM変調方式による音源方式(その1) つぎに、TM変調方式による音源処理について説明す
る。
まず、TM変調方式の原理について説明する。
前述のFM変調方式は、 e=A・sin{ωct+I(t)・sinωmt} なる演算式を基本する。ただし、ここで、ωctは搬送波
位相角(搬送信号)、sinωmtは変調波位相角(変調信
号)、およびI(t)は変調指数である。
これに対し、本実施例でTM変調方式と呼ぶ位相変調方
式は、 e=A・fT{fc(t)+I(t)・sinωmt} なる演算式を基本とする。ここで、fT(t)は三角波関
数であり、各位相角の領域毎につぎのような関数で定義
される(ただし、ωは入力)。
fT(ω)=2/π・ω ・・(領域:0≦ω≦π/2) fT(ω)=−1+2/π(3π/2−ω) ・・(領域:π/2≦ω≦3π/2) fT(ω)=−1+2/π(ω−3π/2) ・・(領域:3π/2≦ω≦2π) また、fcは変形サイン波と呼ばれ、各位相角の領域毎
に、異なるサイン波形データの記憶されている制御デー
タ兼波形用ROM212(第2図)を、搬送位相角ωctでアク
セスして得られる搬送信号生成関数である。各位相角の
領域毎のfcは、つぎのように定義される。
fc(t)=π/2sinωct ・・(領域:0≦ωt≦π/2) fc(t)=π−π/2sinωct ・・(領域:π≦ωt≦3π/2) fc(t)=2π+π/2sinωct ・・(領域:3π/2≦ωct≦2π) (ただしnは整数) TM変調方式では、上述の如き関数fc(t)で生成され
る搬送信号に、変調信号sinωmtを変調指数I(t)で
示される割合で加算して得た加算信号により、前述の三
角波関数が変調される。これにより、変調指数I(t)
の値が0であれば正弦波を生成することができ、I
(t)の値を大きくしてゆけば非常に深く変調された波
形を生成することができる。ここで、変調信号sinωmt
の代わりに様々な信号を用いることができ、以下に述べ
るように、前回演算時の自分のオペレータ出力を一定の
フィードバックレベルでフィードバックさせたり、他の
オペレータの出力を入力させたりすることができる。
このような原理のTM変調方式による音源処理を、第14
図(a)の動作フローチャートを用いて説明する。この
場合も、第13図のFM変調方式の場合と同様、2オペレー
タで音源処理を行う場合の例であり、処理のアルゴリズ
ムは第14図(b)で示される。また、フロー中の各変数
は、RAM206(第2図)上の第7図(a)のいずれかの発
音チャネル領域に記憶される第9図のテーブル1のTMフ
ォーマットの各データである。
最初に、モジュレータであるオペレータ2(OP2)の
処理が行われる。ピッチ処理については、PCM方式のよ
うに補間が行われないので、整数アドレスA2のみであ
る。
まず、現在アドレスA2にピッチデータP2が加算される
(S1401)。
つぎに、変形サイン変換fcにより、上記アドレスA
2(位相)に対応する変形サイン波が外部メモリ116(第
1図)から読み出され、搬送信号がO2として生成される
(S1402)。
続いて、搬送信号である上述のO2に、変調信号として
フィードバック出力FO2(S1406)が加算され、新たなア
ドレスが得られてO2とされる(S1403)。フィードバッ
ク出力FO2は、前回のインタラプトタイミングにおいて
後述するS1406の処理が実行されることにより得られて
いる。
そして、上述の加算アドレスO2に対応する三角波の値
が計算される。実際には、制御データ兼波形用ROM212
(第2図)に前述した三角波データが記憶されており、
上記アドレスO2でその三角波データをテーブル引きする
ことにより得られる(S1404)。
続いて、上記三角波データにエンベロープ値E2が乗算
され出力O2が得られる(S1405)。
この後、この出力O2にフィードバック・レベルFL2
乗算されフィードバック出力FO2が得られる(S1407)。
この出力FO2は、本実施例の場合、次回のインタラプト
タイミングにおけるオペレータ2(OP2)への入力とさ
れる。
また、O2にモジュレーション・レベルML2が乗算され
てモジュレーション出力MO2が得られる(S1407)。この
モジュレーション出力MO2は、オペレータ1(OP1)への
変調入力になる。
つぎに、オペレータ1(OP1)の処理に移る。この処
理は、フィードバック出力による変調入力が無い他は、
殆ど上述のオペレータ2の場合と同じである。
まず、オペレータ1の現在アドレスA1にピッチデータ
P1が加算され(S1408)、得られた値に対して前述の変
形サイン変換が行われて搬送信号がO1として得られる
(S1409)。
つぎに、このO1に上述のモジュレーション出力MO2
加算されて新たなO1とされ(S1410)、この値O1が三角
波変換され(S1411)、さらにエンベロープ値E1が乗算
されて出力O1が得られる(S1412)。
Eが乗算され(S1116)、新たなサンプルデータそれ
に続く、出力OへのL/RレベルLev1、p/fレベルLev2の乗
算(S1413、S1414)、それにより得られたその発音チャ
ネルの最終出力Oの、フラグFの内容に基づく左バッフ
ァBL又は右バッファBRへの累算動作(S1415〜S1418
は、第10図のPCM方式でのS1010〜S1015の処理動作と全
く同様である。
以上で1発音チャネル分のTM変調処理を終了する。
ここまでの説明により、PCM、DPCM、FM、TMという4
つの方式による音源処理を説明した。この中でFMとTMの
2方式は変調方式で、上述の例では第13図(b)、第14
図(b)に示すアルゴリズムに基づく2オペレータによ
る処理につき説明したが、実際に演奏時の音源処理で
は、オペレータの数がより多くアルゴリズムがより複雑
であってもよい。
機能キー処理・鍵盤キー処理・発音処理 つぎに、実際の電子楽器を演奏する場合において、各
発音チャネルに音色が割り当てられ、それに基づいて生
成された楽音信号が、ステレオの左チャネル及び右チャ
ネルに振り分けられて発音される処理の具体的動作につ
き説明する。この処理は、第5図(a)のメイン動作フ
ローチャートの機能キー処理(S503)、鍵盤キー処理S
505及び発音処理S509の処理動作として実現される。
前述の発音チャネル毎に行われる音源処理に先だっ
て、マイクロコンピュータ101の入力ポート210(第2図
参照)を介して例えば電子楽器の操作パネル上に接続さ
れる第1図の機能キー103又は鍵盤102での操作に基づ
き、RAM206(第2図参照)上の各発音チャネル領域(第
7図(a)参照)に、制御データ兼波形用ROM212(第2
図参照)から読み出された音色パラメータが、前述した
各種音源方式のデータフォーマット(第9図参照)で設
定される。そして、鍵盤102での操作状態に基づいて、
各発音チャネルで生成された楽音信号がステレオの左チ
ャネル及び右チャネルに振り分けられ、発音される。
まず、第15図(a)は、機能キー103の一部の配置例
を示した図である。同図では、機能キー103の一部が音
色指定スイッチとして実現され、演奏者はAグループの
「ピアノ」、「ギター」、・・・、「琴」の音色、Bグ
ループの「チューバ」、「クラリネット」、・・・、
「チェロ」の音色、Cグループの「バイオリン」、「バ
ンジョー」、・・・、「ハーモニカ」の音色を選択する
ことができる。そして、Aグループの音色が選択された
場合は前述したDPCM方式又はTM方式により第5図(c)
の音源処理が行われ、Bグループの音色が選択された場
合は前述したPCM方式により音源処理が行われ、Cグル
ープの音色が選択された場合は前述したFM方式により音
源処理が行われる。
上述の機能を実現するために、制御データ兼波形用RO
M212(第2図参照)には、第16図に示されるようなデー
タ構成で各種音色パラメータが記憶されている。すなわ
ち、第15図(a)の各音色指定スイッチに対応する楽器
毎に、Aグループでは、DPCM方式とTM方式の両方の音源
方式による音色パラメータが記憶されている。なお、各
々はさらにpL、fL、pR、fRの4組の音色パラメータに分
割されているが、これらについては後述する。また、B
グループでは、各楽器毎に、PCM方式による音色パラメ
ータが記憶されている。更に、Cグループでは、各楽器
毎に、FM方式による音色パラメータが記憶されている。
ここで、それぞれの音色パラメータの組は、第9図の各
種音源方式のデータフォーマットで記憶されている。
更に、本実施例では、ステレオの左チャネルと右チャ
ネルとで異なる音色で楽音を発音でき、同時に、鍵盤10
2での鍵の押鍵速度に対応する強弱を表すピアノ記号p
とフォルテ記号fとで異なる音色で楽音を発音でき、そ
れぞれの中間的な音色の出力も可能となっている。
この機能を実現するために、制御データ兼波形用ROM2
12(第2図参照)に記憶される第16図の音色パラメータ
のデータ構成においては、各音源方式毎に、pL、fL、p
R、fRの4組の音色パラメータが記憶されている。pL
は、ピアノ記号p用で、かつ、左チャネル用の音色パラ
メータである。fLは、フォルテ記号f用で、かつ、左チ
ャネル用の音色パラメータである。pRは、ピアノ記号p
用で、かつ、右チャネル用の音色パラメータである。fR
は、フォルテ記号f用で、かつ、右チャネル用の音色パ
ラメータである。
第16図の音色パラメータを使用して、各発音チャネル
に音色が割り当てられ、それに基づいて生成された楽音
信号が、ステレオの左チャネル及び右チャネルに振り分
けられて発音される処理の具体的動作につき順次説明し
てゆく。
まず、第17図は、第5図(a)のメイン動作フローチ
ャートにおけるS503の機能キー処理の動作フローチャー
トの一部であり、第15図(a)の音色指定スイッチ群に
対する処理の動作フローチャートである。
始めに、第15図(a)の音色指定スイッチに変化が生
じたか否かが判定される(S1701)。変化が生じず判定
がNOなら特別な処理は行わない。
音色指定スイッチに変化が生じS1701の判定がYESとな
った場合、次に、Cグループの音色が指定されたか否か
が判定される(S1702)。
Cグループの音色が指定された場合には、制御データ
兼波形用ROM212(第2図)に、第16図の如く記憶されて
いるCグループの指定された楽器に対応するFM方式によ
る音色パラメータが、RAM206(第2図)上の各発音チャ
ネル領域(第7図(a)参照)に設定される
(S1703)。すなわち、まず、各発音チャネル領域の先
頭領域S(第9図参照)にFM方式を示す音源処理No.が
設定される。つづいて、各発音チャネル領域の第2番目
以降の領域に現在指定されている音色に対応する各種パ
ラメータがそれぞれセットされる。ここで、第1発音チ
ャネル領域(ch1)には、ピアノ記号p用で、かつ、左
チャネル用の音色パラメータpLが記憶され、第2発音チ
ャネル領域(ch2)には、ピアノ記号p用で、かつ、右
チャネル用の音色パラメータpRが記憶され、第3発音チ
ャネル領域(ch3)には、フォルテ記号f用で、かつ、
左チャネル用の音色パラメータfLが記憶され、第4発音
チャネル領域(ch4)には、フォルテ記号f用で、か
つ、右チャネル用の音色パラメータfRが記憶される。更
に、第5〜第8発音チャネル領域(ch5〜ch8)には、各
々、第1〜第4発音チャネル領域の各々と同じ音色パラ
メータが記憶される。
このような音色パラメータの割り当てが行われた各発
音チャネルを使用することにより、本実施例では後述す
るように、1つの押鍵操作に対して、第1〜第4発音チ
ャネルの4チャネル、又は、第5〜第8発音チャネルの
4チャネルのいずれか4チャネルに同時に発音指示がな
され、4チャネルで1つの楽音信号が生成される。すな
わち、同時発音可能な発音数は2音ということになる。
一方、Cグループの音色が指定されず、S1702の判定
がNOとなった場合は、Bグループの音色が指定されたか
否かが判定される(S1704)。
Bグループの音色が指定された場合には、制御データ
兼波形用ROM212に第16図の如く記憶されているBグルー
プの指定された楽器に対応するPCM方式による音色パラ
メータが、RAM206上の各発音チャネル領域(第7図
(a)参照)に設定される(S1705)。すなわち、ま
ず、各発音チャネル領域の先頭領域S(第9図参照)に
PCM方式を示す音源処理No.が設定される。つづいて、各
発音チャネル領域の第2番目以降の領域に現在指定され
ている音色に対応する各種パラメータがそれぞれセット
される。この場合において、第1〜第4発音チャネル領
域及び第5〜第8発音チャネル領域には、Cグループの
音色が指定された場合(S1703)と同様に、pL、pR、f
L、fRの各音色パラメータが記憶される。
Bグループの音色も指定されず、S1704の判定がNOと
なった場合、すなわちAグループの音色が指定された場
合には、Aグループの音色パラメータのRAM206上の各発
音チャネル領域への設定は機能キー処理では行われず、
そのまま第17図のフロー部分を終了する。Aグループの
音色パラメータのRAM206上の各発音チャネル領域への設
定は、次に説明する鍵盤キー処理において行われる。
続いて、実際の電子楽器を演奏する場合における第5
図(a)のメイン動作フローチャートの鍵盤キー処理
(S505)の具体的動作につき説明する。
まず、押鍵時の鍵盤キー処理の第1の実施例につき説
明する。
押鍵時の鍵盤キー処理の第1の実施例においては、始
めに、現在Aグループの音色が指定されているか否かが
判別される(S1801)。
Aグループの音色が指定されている場合、前述したよ
うに、Aグループの音色パラメータの各発音チャネルへ
の割り当てはまだ行われていないため、その処理が行わ
れる。この場合、鍵盤102の鍵が押鍵された場合の押鍵
速度すなわちベロシティにより、各発音チャネルへ設定
される音源方式が自動的に切り換えられる。この場合、
ベロシティの値として、MIDI(Musical Instrument Did
ital Interface)規格の最大値の127の1/2の64を境にし
て、押鍵された鍵のベロシティの値が64以上の速い押鍵
操作の場合にDPCM方式が、また、ベロシティの値が64以
下の遅い押鍵操作の場合にTM方式が割り当てられる。
すなわち、S1802において、第5図(a)のメイン動
作フローチャートにおけるS504の押鍵キー取り込み処理
において「押鍵」と判別された鍵のベロシティが、64以
上であるか否かが判定される。なお、このベロシティの
値64はMIDI規格のmp(メゾピアノ)に相当する。
ベロシティの値が64以上でS1802の判定がYESの場合
は、制御データ兼波形用ROM212(第2図)に第16図の如
く記憶されているAグループの指定された楽器に対応す
る音色パラメータのうちDPCM方式による音色パラメータ
が、RAM206(第2図)上の各発音チャネル領域(第7図
(a)参照)に設定される(S1803)。すなわち、まず
各発音チャネル領域の先頭領域S(第9図参照)にDPCM
方式を示す音源処理No.が設定される。つづいて、各発
音チャネル領域の第2番目以降の領域に現在指定されて
いる音色に対応する各種パラメータがそれぞれセットさ
れる。この場合において、第1〜第4発音チャネル領域
及び第5〜第8発音チャネル領域には、Cグループの音
色が指定された場合(第17図S1703)と同様に、pL、p
R、fL、fRの各音色パラメータが記憶される。
ベロシティの値が64より小さくS1802の判定がNOの場
合は、制御データ兼波形用ROM212に第16図の如く記憶さ
れているAグループの指定された楽器に対応する音色パ
ラメータのうちTM方式による音色パラメータが、RAM206
上の各発音チャネル領域に設定される(S1804)。すな
わち、まず各発音チャネル領域の先頭領域S(第9図参
照)にTM方式を示す音源処理No.が設定される。つづい
て、各発音チャネル領域の第2番目以降の領域に現在指
定されている音色に対応する各種パラメータがそれぞれ
セットされる。この場合も、第1〜第4発音チャネル領
域及び第5〜第8発音チャネル領域には、pL、pR、fL、
fRの各音色パラメータが記憶される。
ここまでの処理により、音色パラメータの各発音チャ
ネルへの設定が完了する。続いて、第5図(c)の第1
〜第4発音チャネルの処理(S513)又は第5〜第8発音
チャネルの処理で得られる、各4チャネル分の楽音出力
を混合して1つの楽音出力を得る場合の処理に移る。こ
れは、第18図のS1805〜S1808によって示される。
今、第5図(a)の鍵盤キー処理S505の一部の処理と
して、例えば第1〜第4発音チャネルに発音指示がなさ
れたとする。前述した如く、第1発音チャネル領域に
は、ピアノ記号p用で、かつ、左チャネル用の音色パラ
メータpLが記憶され、第2発音チャネル領域には、ピア
ノ記号p用で、かつ、右チャネル用の音色パラメータpR
が記憶され、第3発音チャネル領域には、フォルテ記号
f用で、かつ、左チャネル用の音色パラメータfLが記憶
され、第4発音チャネル領域には、フォルテ記号f用
で、かつ、右チャネル用の音色パラメータfRが記憶され
ている。
本実施例では、まず、鍵盤102の鍵が押鍵された場合
の鍵盤上のポジションすなわち楽音の音域により、左チ
ャネルの音色の出力を大きくするか右チャネルの音色の
出力を大きくするかを、以下のようにして制御できる。
今、S1805において、各発音チャネル毎に出力レベル
というものが、RAM206内の特には図示しないレジスタに
設定される。そして、例えば低い音域の鍵が押鍵された
場合には、左チャネル用の音色パラメータが設定されて
いる第1及び第3発音チャネルの出力レベルを大きく
し、右チャネル用の音色パラメータが設定されている第
2及び第4発音チャネルの出力レベルを小さくし、か
つ、両者は足して1になるような値になるように設定が
行われる。この場合のレベル設定は、第19図(a)の特
性に従って行われる。同図で、「L」で示される特性は
左チャネルの出力レベル直線、「R」で示される特性は
右チャネルの出力レベル直線である。
続いて、S1806において、以上のようにして設定され
た各発音チャネル対応の出力レベルが、RAM206(第2
図)上の各発音チャネル領域のL/RレベルLev1(第9図
参照)に設定される。
このように設定されたL/RレベルLev1が、前述の各音
源処理の第10図S1010、第11図S1117、第13図S1311又は
第14図S1413において、各発音チャネルの出力Oに乗算
されることにより、押鍵された鍵の音域に応じた左チャ
ネル寄り又は右チャネル寄りの音色及び定位が得られ
る。
上述の左右チャネルの定位に加えて、本実施例では、
押鍵102の鍵が押鍵された場合の押鍵速度すなわちベロ
シティにより、ピアノ記号p用の音色の出力を大きくす
るかフォルテ記号f用の音色の出力を大きくするか、以
下のようにして制御できる。
例えば押鍵速度が速い場合には、S1807において、ピ
アノ記号p用の音色パラメータが設定されている第1及
び第2発音チャネルの出力レベルを大きくし、フォルテ
記号f用の音色パラメータが設定されている第3及び第
4発音チャネルの出力レベルを小さくし、かつ、両左は
足して1になるような値になるように設定が行われる。
この場合のレベル設定は、第19図(b)の特性に従って
行われる。同図で、「p」で示される特性はピアノ記号
p用の音色の出力レベル直線、「f」で示される特性は
フォルテ記号f用の音色の出力レベル直線である。
続いて、S1808において、以上のようにして設定され
た各発音チャネル対応の出力レベルが、RAM206(第2
図)上の各発音チャネル領域のp/fレベルLev2(第9図
参照)に設定される。
このように設定されたp/fレベルLev2が、前述の各音
源処理の第10図S1011、第11図S1118、第13図S1312又は
第14図S1414において、各発音チャネルの出力Oに乗算
されることにより、押鍵速度に応じたピアノ記号p寄り
又はフォルテ記号f寄りの音色が得られる。
ここまでの処理動作は、第5〜第8発音チャネル領域
に対しても全く同様に行われる。
以上の押鍵キー処理の第1の実施例による音色設定と
レベル設定の具体例を、第24図(a)に示す。同図の例
では、第15図(a)のAグループのPIANO音色指定キー
が押された場合である。そして、第1〜第4発音チャネ
ルへ同時にアサインが行われた鍵の押鍵状態は、ベロシ
ティが64以下(値20)のためTM方式が割り当てられ、か
つ、第19図(b)の特性に基づいて、ピアノ記号p用の
音色パラメータが設定されている第1及び第2発音チャ
ネルのp/fレベルLev2が0.8426というように大きな値と
なり、フォルテ記号f用の音色パラメータが設定されて
いる第3及び第4発音チャネルのp/fレベルLev2が0.157
4というように小さな値となり、かつ、両者の和は1で
ある。そして、キーコードの示す音階はG3(キーコード
番号19、第15図(a)参照)で低域寄りのため、第19図
(a)の特性に基づいて、左チャネル用の音色パラメー
タが設定されている第1及び第3発音チャネルのL/Rレ
ベルLev1が0.6985というように大きな値となり、右チャ
ネル用の音色パラメータが設定されている第2及び第4
発音チャネルのL/RレベルLev1が0.3015というように小
さな値となり、かつ、両者の和は1である。
これに対して、第5〜第8発音チャネルへ同時にアサ
インが行われた鍵の押鍵状態は、第1〜第4発音チャネ
ルへのアサインが行われた鍵の押鍵状態とは正反対で、
ベロシティは大きく(値100)、音階は高い(C7、キー
コード番号60、第15図(b)参照)。従って、第24図
(a)のように、第5〜第8発音チャネルには大きいベ
ロシティに対応するDPCM方式が割り当てられ、かつ、第
19図(b)の特性に基づいて、ピアノ記号p用の音色パ
ラメータが設定されている第1及び第2発音チャネルの
p/fレベルLev2が0.2126というように小さな値となり、
フォルテ記号f用の音色パラメータが設定されている第
3及び第4発音チャネルのp/fレベルLev2が0.7874とい
うように大きな値となり、一方、第19図(a)の特性に
基づいて、左チャネル用の音色パラメータが設定されて
いる第1及び第3発音チャネルのL/RレベルLev1が0.047
7というように小さな値となり、右チャネル用の音色パ
ラメータが設定されている第2及び第4発音チャネルの
L/RレベルLev1が0.9523というように小さな値となる。
続いて、押鍵時の押鍵キー処理の第2の実施例につき
説明する。
押鍵時の押鍵キー処理の第2の実施例では、上述の第
1の実施例の場合とは逆に、現在Aグループの音色が指
定されていると判別(S2201)され、Aグループの音色
パラメータの各発音チャネルへの割り当てが行われる場
合に、鍵盤102上で押鍵された鍵の音域により、各発音
チャネルへ設定される音源方式が自動的に切り換えられ
る。
すなわち、S2202において、第5図(a)のメイン動
作フローチャートにおけるS504の押鍵キー取り込み処理
において「押鍵」と判別された鍵のキーコードの値が、
31以下であるか否か(第15図(b)参照)が判定され
る。
キーコードの値が31以下でS2202の判定がYESの場合
は、制御データ兼波形用ROM212(第2図)に第16図の如
く記憶されているAグループの指定された楽器に対応す
る音色パラメータのうちDPCM方式による音色パラメータ
が、RAM206(第2図)上の各発音チャネル領域(第7図
(a)参照)に設定される(S2203)、これは、第18図
の第1の実施例におけるS1803の処理と同じである。
キーコードの値が31より大きくS2202の判定がNOの場
合は、制御データ兼波形用ROM212に第16図の如く記憶さ
れているAグループの指定された楽器に対応する音色パ
ラメータのうちTM方式による音色パラメータが、RAM206
上の各発音チャネル領域に設定される(S2204)。これ
は、第18図の第1の実施例におけるS1804の処理と同じ
である。
続いて、第5図(c)の第1〜第4発音チャネルの処
理(S513)又は第5〜第8発音チャネルの処理で得られ
る、各4チャネル分の楽音出力を混合して1つの楽音出
力を得る場合の処理に移る。これは、第20図のS2205〜S
2208によって示される。ここでは、第18図の第1の実施
例とは逆に、鍵盤102での兼の押鍵速度すなわちベロシ
ティにより、左チャネルの音色の出力を大きくするか右
チャネルの音色の出力を大きくするかを制御し、押鍵さ
れた鍵のキーコードにより、ピアノ記号pの音色の出力
を大きくするかフォルテ記号fの音色の出力を大きくす
るかを制御する。
例えば、ベロシティの値が小さい(押鍵速度が遅い)
場合には、S2205において、左チャネル用の音色パラメ
ータが設定されている第1及び第3発音チャネルの出力
レベルを大きくし、右チャネル用の音色パラメータが設
定されている第2及び第4発音チャネルの出力レベルを
小さくし、かつ、両者は足して1になるような値になる
ように設定が行われる。この場合のレベル設定は、第23
図(a)の特性に従って行われる。同図で、「L」で示
される特性は左チャネルの出力レベル直線、「R」で示
される特性は右チャネルの出力レベル直線である。
続いて、S2206において、以上のようにして設定され
た各発音チャネル対応の出力レベルが、RAM206(第2
図)上の各発音チャネル領域のL/RレベルLev1(第9図
参照)に設定される。
このように設定されたL/RレベルLev1が、前述の各音
源処理の第10図S1010、第11図S1117、第13図S1311又は
第14図S1413において、各発音チャネルの出力Oに乗算
されることにより、押鍵速度すなわちベロシティの値に
応じた左チャネル寄り又は右チャネル寄りの音色及び定
位が得られる。
一方、例えば押鍵された鍵の音域が低いすなわちキー
コードの値が小さい場合には、S2207において、ピアノ
記号p用の音色パラメータが設定されている第1及び第
2発音チャネルの出力レベルを大きくし、フォルテ記号
f用の音色パラメータが設定されている第3及び第4発
音チャネルの出力レベルを小さくし、かつ、両者は足し
て1になるような値になるように設定が行われる。この
場合のレベル設定は、第23図(b)の特性に従って行わ
れる。同図で、「p」で示される特性はピアノ記号p用
の音色の出力レベル直線、「f」で示される特性はフォ
ルテ記号f用の音色の出力レベル直線である。
続いて、S2208において、以上のようにして設定され
た各発音チャネル対応の出力レベルが、RAM206(第2
図)上の各発音チャネル領域のp/fレベルLev2(第9図
参照)に設定される。
このように設定されたp/fレベルLev2が、前述の各音
源処理の第10図S1011、第11図S1118、第13図S1312又は
第14図S1414において、各発音チャネルの出力Oに乗算
されることにより、押鍵された鍵の音域に応じたピアノ
記号p寄り又はフォルテ記号f寄りの音色が得られる。
ここまでの処理動作は、第5〜第8発音チャネル領域
に対しても全く同様に行われる。
以上の押鍵キー処理の第2の実施例による音色設定と
レベル設定の具体例を、第24図(b)に示す。同図の例
では、第15図(a)のAグループのPIANO音色指定キー
が押された場合である。そして、第1〜第4発音チャネ
ルへ同時にアサインが行われた鍵の押鍵状態は、音階が
G3(キーコード番号19)と低いためDPCM方式が割り当て
られ、かつ、第23図(b)の特性に基づいて、ピアノ記
号p用の音色パラメータが設定されている第1及び第2
発音チャネルのp/fレベルLev2が0.6985というように大
きな値となり、フォルテ記号f用の音色パラメータが設
定されている第3及び第4発音チャネルのp/fレベルLev
2が0.3015というように小さな値となり、かつ、両者の
和は1である。そして、ベロシティの値は100で大きい
故、第23図(a)の特性に基づき、左チャネル用の音色
パラメータが設定されている第1及び第3発音チャネル
のL/RレベルLev1が0.2126というように小さな値とな
り、右チャネル用の音色パラメータが設定されている第
2及び第4発音チャネルのL/RレベルLev1が0.7874とい
うように小さな値となり、かつ、両者の和は1である。
これに対して、第5〜第8発音チャネルへ同時にアサ
インが行われた鍵の押鍵状態は、第1〜第4発音チャネ
ルへのアサインが行われた鍵の押鍵状態とは正反対で、
音域は高く(C7、キーコード番号60、第15図(b)参
照)、ベロシティは小さい(値100)。従って、第24図
(b)のように、第5〜第8発音チャネルには高い音域
に対応するTM方式が割り当てられ、かつ、第23図(b)
の特性に基づいて、ピアノ記号p用の音色パラメータが
設定されている第1及び第2発音チャネルのp/fレベルL
ev2が0.0477というように小さな値となり、フォルテ記
号f用の音色パラメータが設定されている第3及び第4
発音チャネルのp/fレベルLev2が0.9523というように大
きな値となり、一方、第23図(a)の特性に基づいて、
左チャネル用の音色パラメータが設定されている第1及
び第3発音チャネルのL/RレベルLev1が0.8426というよ
うに大きな値となり、右チャネル用の音色パラメータが
設定されている第2及び第4発音チャネルのL/RレベルL
ev1が0.1574といように小さな値となる。
以上、第1又は第2の実施例として示される押鍵時の
鍵盤キー処理によって、各発音チャネル毎にレベル制御
が行われた後に、前述した第10図S1012〜S1015、第11図
S1119〜S1122、第13図S1313〜S1316又は第14図S1415〜S
1418の各処理動作により、奇数番号の発音チャネルの出
力Oは左バッファBLに、偶数番号の発音チャネルの出力
Oは右バッファBRに累算される。
そして、第5図(c)S514〜S521の8発音チャネル分
の音源処理が終了し、第5図(b)のインタラプト処理
から第5図(a)のメインフローの処理に戻った後、第
5図(a)S509の発音処理において、第2図のLeft D/
A変換器部213及びRight D/A変換器部214への出力処理
が行われる。この処理の一部を第20図に示す。すなわ
ち、左バッファBL及び右バッファBRのそれぞれに対し
て、特には図示しない各種エフェクト処理(例えばLFO
エフェクトの処理等)が施された後、左バッファBLの値
がLeft D/A変換器部213(第2図)内のラッチ301(第
3図)にラッチされる(S2001)。また、右バッファBR
の値がRight D/A変換器部214(第2図)内のラッチ301
(第3図)にラッチされる(S2002)。これ以後は、第
2図のインタラプト制御部203からインタラプト信号が
出力されるタイミングで、ラッチ301にラッチされた楽
音信号がラッチ302を介してD/A変換器303に出力され、
ここでアナログ楽音信号に変換されて、第1図のローパ
スフィルタ105及びアンプ106を介してスピーカ107(と
もにステレオ構成を有する)から放音される。
つぎに、鍵盤102の押鍵されていた鍵が離鍵された場
合は、第5図(a)のメイン動作フローチャートにおけ
るS505の鍵盤キー処理の一部の動作処理として、第21図
の動作フローチャートが実行される。すなわち、第5図
(a)の鍵盤キー取り込み処理S504で「離鍵」と判別さ
れた鍵がアサインされていた第1〜第4発音チャネル又
は第5〜第8発音チャネルの4発音チャネルに対応する
RAM206(第2図)上の発音チャネル領域(第7図(a)
参照)の必要な音色パラメータが初期化される。但し、
音色パラメータの各データ自体は消去されずにそのまま
各発音チャネル領域に残っている。以後、それら4発音
チャネルに対して、再び押鍵によるアサインが行われた
ときに、前述した第18図の押鍵時の押鍵キー処理が実行
されることになる。
他の実施例の態様 以上説明した本発明の実施例では、各発音チャネルに
設定される音色パラメータは、強弱記号のピアノ記号p
及びフォルテ記号fに対応するものであったが、これに
限られるものではなく、一般的な意味の第1の音色、第
2の音色といったものでもよい。また、2種類には限ら
れず、ピアニッシモ記号pp、ピアノ記号p、フォルテ記
号f、フォルテッシモ記号ff、或いは、第1〜第4の音
色というように、複数であればよい。
また、このような音色の混合レベルを、ベロシティ及
び音域情報によって制御するようにしているが、そのほ
かにもアフタータッチを始めとする様々な演奏情報によ
り制御するようにしてもよい。
また、D/A変換出力は、2チャネルのステレオ出力と
したが、それ以外の、例えば4チャネルのステレオ出力
としてもよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、専用の音源回路は全く必要とせず
に、汎用のプロセッサ構成とすることが可能となる。こ
のため、楽音波形発生装置全体の回路規模を大幅に小型
化することができ、LSI化した場合等においても通常の
マイクロプロセッサの製造技術と同じでよく、チップの
歩留りも向上するため、製造コストを大幅に低減させる
ことが可能となる。なお、楽音信号出力手段は簡単なラ
ッチ回路で構成できるため、この部分を付加したことに
よる製造コストの増加はほとんどない。
また、音源処理を変更したい場合、ポリフォニック数
を変更したい場合等において、プログラム記憶手段に記
憶させる音源処理プログラムを変更するだけで対処で
き、新たな楽音波形発生装置の開発コストを大幅に減少
させることが可能となり、ユーザに対しても例えばROM
カード等によって新たな音源方式を提供することが可能
となる。
この場合、演奏情操処理プログラムと音源処理プログ
ラムとの間のデータのリンクをデータ記憶手段上の楽音
生成データを介して行うというデータアーキテクチャ
と、演奏情報処理プログラムに対して所定時間間隔で音
源処理プログラムを実行するというプログラムアーキテ
クチャを実現したことにより、両プロセッサ間の同期を
とるための処理が必要なくなり、プログラムを大幅に簡
略化することが可能となる。
更に、音源方式による音源処理の処理時間の変化を楽
音信号出力手段によって全て吸収することができるた
め、楽音信号をD/A変換器等へ出力するための複雑なタ
イミング制御プログラムが必要なくなるという効果も生
まれる。
また、特に本発明では、データ記憶上の発音チャネル
毎の楽音生成データに対する時分割処理だけで、発音チ
ャネル毎に異なった種類の楽音信号でを生成することが
でき、それらを演奏情報に対応する混合比率で混合して
各発音動作毎の楽音信号として生成できるため、演奏情
報に対応して劇的に変化するような特性の楽音信号を容
易に生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による実施例の全体構成図、 第2図は、マイクロコンピュータの内部構成図、 第3図(a)は、従来のD/A変換器部の構成図、 第3図(b)は、本実施例によるD/A変換器部の構成
図、 第4図は、D/A変換におけるタイミングチャート、 第5図(a)〜(c)は、本実施例の全体動作フローチ
ャート、 第6図は、メイン動作フローチャートとインタラプト処
理との関係を示す概念図、 第7図(a)、(b)は、RAMのデータ構成を示した
図、 第8図は、各発音チャネルの音源処理方式を選択すると
きの概念図、 第9図は、RAM上の音源方式別のデータフォーマットの
構成図、 第10図は、PCM方式による音源処理の動作フローチャー
ト、 第11図は、DPCM方式による音源処理の動作フローチャー
ト、 第12図(a)、(b)は、差分値Dと現在アドレスAF
用いて補間値XQを求める場合の原理説明図、 第13図(a)は、FM方式による音源処理の動作フローチ
ャート、 第13図(b)は、FM方式による音源処理のアルゴリズム
を示す図、 第14図(a)は、TM方式による音源処理の動作フローチ
ャート、 第14図(b)は、TM方式による音源処理のアルゴリズム
を示す図、 第15図は、スイッチ部の構成例を示した図、 第16図は、音色パラメータのデータ構成を示した図、 第17図は、機能キー処理の動作フローチャート、 第18図は、押鍵時の鍵盤キー処理の第1の実施例の動作
フローチャート、 第19図は、押鍵時の鍵盤キー処理の第1の実施例におけ
る音階・ベロシティとレベルとの関係を示した図、 第20図は、発音処理の動作フローチャート、 第21図は、離鍵時の鍵盤キー処理の実施例の動作フロー
チャート、 第22図は、押鍵時の鍵盤キー処理の第2の実施例の動作
フローチャート、 第23図(a)、(b)、押鍵時の鍵盤キー処理の第2の
実施例におけるベロシティ・音階とレベルとの関係を示
した図、 第24図(a)、(b)は、押鍵時の鍵盤キー処理の具体
的動作例を示した図である。 101……マイクロコンピュータ、 102……鍵盤、 103……機能キー、 104……スイッチ部、 105……ローパスフィルタ、 106……アンプ、 107……スピーカ、 108……電源回路、 201……制御用ROM、 202……ROMアドレスデコーダ、 203……インタラプト制御部、 204……RAMアドレス制御部、 205……ROMアドレス制御部、 206……RAM、 207……コマンド解析部、 208……ALU部、 209……乗算器、 210……入力ポート、 211……出力ポート、 212……制御データ兼波形用ROM、 213……Left D/A変換器部、 214……Right D/A変換器部、 301、302……ラッチ、 303……D/A変換器.
フロントページの続き (72)発明者 太期 広一郎 東京都西多摩郡羽村町栄町3丁目2番1 号 カシオ計算機株式会社羽村技術セン ター内 (72)発明者 小倉 和夫 東京都西多摩郡羽村町栄町3丁目2番1 号 カシオ計算機株式会社羽村技術セン ター内 (72)発明者 細田 潤 東京都西多摩郡羽村町栄町3丁目2番1 号 カシオ計算機株式会社羽村技術セン ター内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 7/02 G10H 1/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】演奏情報を処理するための演奏情報処理プ
    ログラムと、楽音信号を得るための音源処理プログラム
    を記憶するプログラム記憶手段と、 前記プログラム記憶手段のアドレスを制御するアドレス
    制御手段と、 発音チャネル毎に、複数種類の楽音信号のうち任意の種
    類の楽音信号を生成するために必要な楽音生成データを
    記憶するデータ記憶手段と、 演算処理手段と、 前記アドレス制御手段、前記データ記憶手段及び前記演
    算処理手段を制御しながら、前記プログラム記憶手段に
    記憶された前記演奏情報処理プログラム又は前記音源処
    理プログラムを実行する手段であり、通常時は前記演奏
    情報処理プログラムを実行して前記データ記憶手段上の
    対応する楽音生成データを制御し、所定時間間隔で前記
    音源処理プログラムに制御を移してそれを実行し、その
    終了後に再び前記演奏情報処理プログラムを実行する手
    段であり、前記音源処理プログラムの実行時に、前記各
    発音チャネル毎に、前記データ記憶手段上の楽音生成デ
    ータに基づいて時分割処理を行って該各発音チャネルに
    対応する種類の楽音信号を生成し、該各発音チャネル毎
    に生成された複数種類の楽音信号を前記演奏情報に対応
    する混合比率で混合して各発音動作毎の楽音信号を生成
    するプログラム実行手段と、 前記プログラム実行手段が前記楽音処理プログラムを実
    行して得られた前記各発音動作毎の楽音信号を保持し、
    該保持された楽音信号を一定の出力時間間隔で出力する
    楽音信号出力手段と、 を有することを特徴とする楽音波形発生装置。
  2. 【請求項2】前記プログラム実行手段は、前記所定時間
    間隔で割り込み信号を発生する割り込み制御手段を含
    み、 該プログラム実行手段は、前記演奏情報処理プログラム
    を実行中に、前記割り込み制御手段から前記割り込み信
    号が発生したタイミングで前記演奏情報処理プログラム
    を中断し、前記音源処理プログラムに制御を移してそれ
    を実行し、その終了後に割り込みを解除して前記演奏情
    報処理プログラムの実行を再開する、 ことを特徴とする請求項1記載の楽音波形発生装置。
  3. 【請求項3】前記複数種類の楽音信号は、演奏操作を速
    く又は強く行った場合に対応する特性を有する楽音信号
    及び演奏操作を遅く又は弱く行った場合に対応する特性
    を有する楽音信号であることを特徴とする請求項1又は
    2記載の楽音波形発生装置。
  4. 【請求項4】前記複数種類の楽音信号は、複数種類の楽
    器音に対応する楽音信号であることを特徴とする請求項
    1又は2記載の楽音波形発生装置。
  5. 【請求項5】前記混合比率の制御に用いられる演奏情報
    は、音高の範囲を示す情報であることを特徴とする請求
    項1、2、3又は4記載の楽音波形発生装置。
  6. 【請求項6】前記混合比率の制御に用いられる演奏情報
    は、演奏操作時のタッチを示す情報であることを特徴と
    する請求項1、2、3又は4記載の楽音波形発生装置。
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