JP2869342B2 - 擁壁構築用の型枠 - Google Patents
擁壁構築用の型枠Info
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- JP2869342B2 JP2869342B2 JP23599194A JP23599194A JP2869342B2 JP 2869342 B2 JP2869342 B2 JP 2869342B2 JP 23599194 A JP23599194 A JP 23599194A JP 23599194 A JP23599194 A JP 23599194A JP 2869342 B2 JP2869342 B2 JP 2869342B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、擁壁構築用の型枠に関
し、特に、コンクリート硬化後に取り外さずに、そのま
ま擁壁の壁面を形成する型枠に関する。
し、特に、コンクリート硬化後に取り外さずに、そのま
ま擁壁の壁面を形成する型枠に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、擁壁の構築作業において、予め工場で製造された型
枠で所定のコンクリート充填用空間を形成し、この空間
にコンクリートを打設する工法があり、このような工法
は、例えば実開昭60−80138号公報に開示されて
いる。そして、この工法によれば、表側の型枠を取り外
さずに残して擁壁の壁面を構成するので、型枠の取り外
し作業を省略することができる。
り、擁壁の構築作業において、予め工場で製造された型
枠で所定のコンクリート充填用空間を形成し、この空間
にコンクリートを打設する工法があり、このような工法
は、例えば実開昭60−80138号公報に開示されて
いる。そして、この工法によれば、表側の型枠を取り外
さずに残して擁壁の壁面を構成するので、型枠の取り外
し作業を省略することができる。
【0003】ただし、上記公報に開示された技術は、コ
ンクリートの養生終了後に、土圧に対抗する側の裏型枠
を撤去するものである。したがって、この裏型枠を取り
外す作業が必要であるために、作業の簡略化が十分では
なかった。
ンクリートの養生終了後に、土圧に対抗する側の裏型枠
を撤去するものである。したがって、この裏型枠を取り
外す作業が必要であるために、作業の簡略化が十分では
なかった。
【0004】さらに、ここで用いられる型枠は、平らな
薄板材で強度が不十分なこともあって、土圧に対抗する
ことができない。したがって、この裏型枠をこのまま残
して土を埋め戻そうとしても、打設されたコンクリート
が固まるまで待ってから埋め戻しを行わねばならない。
そうすると、コンクリートの養生が終わるのを待たねば
ならないので、作業を中断しなければならなかった。
薄板材で強度が不十分なこともあって、土圧に対抗する
ことができない。したがって、この裏型枠をこのまま残
して土を埋め戻そうとしても、打設されたコンクリート
が固まるまで待ってから埋め戻しを行わねばならない。
そうすると、コンクリートの養生が終わるのを待たねば
ならないので、作業を中断しなければならなかった。
【0005】あるいは、近年、景観を守ろうという社会
情勢から、美観を重視した擁壁が必要とされているの
で、外観の美しい型枠が要望されている。
情勢から、美観を重視した擁壁が必要とされているの
で、外観の美しい型枠が要望されている。
【0006】そこで、本発明の目的は、コンクリートの
養生を待たずに埋め戻しできるほど強化され、又は、こ
れに加えて美しい外観を呈するコンクリート構築用の型
枠を提供することにある。
養生を待たずに埋め戻しできるほど強化され、又は、こ
れに加えて美しい外観を呈するコンクリート構築用の型
枠を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、複数の成形板を対向させて
立て並べてコンクリート充填用空間を形成する擁壁構築
用の型枠において、前記成形板は、湾曲した凹側面を有
し、前記成形板は、少なくとも一方が湾曲面をなしてな
り、この湾曲面の凸方向を外側に向けて立て並べられ、
打設されたコンクリートの硬化後も残されて擁壁の一部
をなすことを特徴とする。
に、請求項1記載の発明は、複数の成形板を対向させて
立て並べてコンクリート充填用空間を形成する擁壁構築
用の型枠において、前記成形板は、湾曲した凹側面を有
し、前記成形板は、少なくとも一方が湾曲面をなしてな
り、この湾曲面の凸方向を外側に向けて立て並べられ、
打設されたコンクリートの硬化後も残されて擁壁の一部
をなすことを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明は、複数の成形板を対
向させて立て並べてコンクリート充填用空間を形成する
擁壁構築用の型枠において、前記成形板は、一方向に湾
曲してなり、この湾曲の凸側の面を外側に向けて立て並
べられ、打設されたコンクリートの硬化後も残されて擁
壁の一部をなすことを特徴とする。
向させて立て並べてコンクリート充填用空間を形成する
擁壁構築用の型枠において、前記成形板は、一方向に湾
曲してなり、この湾曲の凸側の面を外側に向けて立て並
べられ、打設されたコンクリートの硬化後も残されて擁
壁の一部をなすことを特徴とする。
【0009】請求項3記載の発明は、複数の成形板を対
向させて立て並べてコンクリート充填用空間を形成する
擁壁構築用の型枠において、前記成形板は、一方の面が
平面をなし、他方の面が湾曲面をなし、前記一方の面を
外側に向けて立て並べられ、打設されたコンクリートの
硬化後も残されて擁壁の一部をなすことを特徴とする。
向させて立て並べてコンクリート充填用空間を形成する
擁壁構築用の型枠において、前記成形板は、一方の面が
平面をなし、他方の面が湾曲面をなし、前記一方の面を
外側に向けて立て並べられ、打設されたコンクリートの
硬化後も残されて擁壁の一部をなすことを特徴とする。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項1から請求
項3のいずれかに記載された擁壁構築用の型枠におい
て、前記成形板は、製造時に、PC鋼線に引張力を与え
ておき、コンクリートの打設硬化後に、前記PC鋼線が
前記コンクリートに付着することで、このPC鋼線に与
えられた引張力を前記コンクリートに伝えて、プレスト
レスが与えられてなることを特徴とする。
項3のいずれかに記載された擁壁構築用の型枠におい
て、前記成形板は、製造時に、PC鋼線に引張力を与え
ておき、コンクリートの打設硬化後に、前記PC鋼線が
前記コンクリートに付着することで、このPC鋼線に与
えられた引張力を前記コンクリートに伝えて、プレスト
レスが与えられてなることを特徴とする。
【0011】請求項5記載の発明は、請求項1から請求
項4のいずれかに記載された擁壁構築用の型枠におい
て、前記成形板は、外表面に配置される面に模様又は着
色が施されてなることを特徴とする。
項4のいずれかに記載された擁壁構築用の型枠におい
て、前記成形板は、外表面に配置される面に模様又は着
色が施されてなることを特徴とする。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明によれば、型枠における凸
方向を外側に向けて立て並べられる。例えば、請求項2
記載の発明のように、一方向に湾曲している場合には、
凸側の面を外側に向ける。このように、凸方向を外側に
向けて立て並べると、この型枠は、成形板の外側面が凸
となるので、外側からの圧力によって生じる応力を緩和
するアーチアクションが作用して、十分な強度を有する
ものとなる。そうすると、コンクリートが硬化する前に
土を埋め戻しても、型枠の強度が大きいので土圧に対抗
することができて、擁壁として機能するようになる。さ
らに、これとは反対側の型枠も取り外さずに残して、擁
壁面を構成することとするので、型枠の取り外し作業を
省略することができる。あるいは、請求項3記載の発明
のように、一方の面が平面をなし他方の面が湾曲面をな
す場合には、凸方向を外側に向けるとは、湾曲面の凸方
向を外側に向ける、すなわち、平面をなす面を外方向に
向けることである。
方向を外側に向けて立て並べられる。例えば、請求項2
記載の発明のように、一方向に湾曲している場合には、
凸側の面を外側に向ける。このように、凸方向を外側に
向けて立て並べると、この型枠は、成形板の外側面が凸
となるので、外側からの圧力によって生じる応力を緩和
するアーチアクションが作用して、十分な強度を有する
ものとなる。そうすると、コンクリートが硬化する前に
土を埋め戻しても、型枠の強度が大きいので土圧に対抗
することができて、擁壁として機能するようになる。さ
らに、これとは反対側の型枠も取り外さずに残して、擁
壁面を構成することとするので、型枠の取り外し作業を
省略することができる。あるいは、請求項3記載の発明
のように、一方の面が平面をなし他方の面が湾曲面をな
す場合には、凸方向を外側に向けるとは、湾曲面の凸方
向を外側に向ける、すなわち、平面をなす面を外方向に
向けることである。
【0013】
【0014】
【0015】また、請求項4記載の発明によれば、PC
鋼線によって引張力が与えられているので、コンクリー
トが硬化するときにひび割れが生じにくくなる。
鋼線によって引張力が与えられているので、コンクリー
トが硬化するときにひび割れが生じにくくなる。
【0016】そして、請求項5記載の発明によれば、外
表面に模様又は着色が施されているので、外表面が美し
い外観を呈するようになる。
表面に模様又は着色が施されているので、外表面が美し
い外観を呈するようになる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
して説明する。
【0018】図1は、実施例に係る擁壁構築用の型枠を
示す側面図である。同図において、擁壁型枠10は、予
め立設された一対の組立用鉄筋12の外側に、一対の成
形板20が配置され、対向する成形板20同士が連結鉄
筋14によって連結されることで構成されている。そし
て、一対の成形板20によって区画されるコンクリート
充填空間16にコンクリートを打設して擁壁を構築する
ようになっている。そして、擁壁が完成すると、擁壁型
枠10は、取り外さずに擁壁の一部をなすようにする。
示す側面図である。同図において、擁壁型枠10は、予
め立設された一対の組立用鉄筋12の外側に、一対の成
形板20が配置され、対向する成形板20同士が連結鉄
筋14によって連結されることで構成されている。そし
て、一対の成形板20によって区画されるコンクリート
充填空間16にコンクリートを打設して擁壁を構築する
ようになっている。そして、擁壁が完成すると、擁壁型
枠10は、取り外さずに擁壁の一部をなすようにする。
【0019】次に、図1で使用される成形板を図2に示
す。図2において、(A)は正面図、(B)は平面図、
(C)は側面図である。
す。図2において、(A)は正面図、(B)は平面図、
(C)は側面図である。
【0020】この成形板20は、図2(C)に示される
ように一方向に湾曲してなるコンクリート板であって、
擁壁型枠10を構成するときには、図1に示すように、
湾曲の凸側の面を外側に向けて立て並べられる。こうす
ることで、湾曲形状が外側からの圧力によって生じる応
力を緩和するアーチアクションが作用して強度が増すこ
ととなる。したがって、コンクリート充填空間16に充
填されたコンクリートが硬化する前に土を埋め戻して
も、成形板20は土圧に対抗できるようになる。
ように一方向に湾曲してなるコンクリート板であって、
擁壁型枠10を構成するときには、図1に示すように、
湾曲の凸側の面を外側に向けて立て並べられる。こうす
ることで、湾曲形状が外側からの圧力によって生じる応
力を緩和するアーチアクションが作用して強度が増すこ
ととなる。したがって、コンクリート充填空間16に充
填されたコンクリートが硬化する前に土を埋め戻して
も、成形板20は土圧に対抗できるようになる。
【0021】さらに、成形板20は、内部にPC鋼線2
2を有しているので、一層強度が増すとともに、ひび割
れがしにくくなる。詳しくは、成形板20の製造時に、
PC鋼線22に引張力を与えておき、この成形板20製
造用コンクリートの硬化後に、PC鋼線22がコンクリ
ートに付着することで、このPC鋼線に与えられた引張
力をコンクリートに伝えて、プレストレスが与えられる
ようになっている。
2を有しているので、一層強度が増すとともに、ひび割
れがしにくくなる。詳しくは、成形板20の製造時に、
PC鋼線22に引張力を与えておき、この成形板20製
造用コンクリートの硬化後に、PC鋼線22がコンクリ
ートに付着することで、このPC鋼線に与えられた引張
力をコンクリートに伝えて、プレストレスが与えられる
ようになっている。
【0022】また、成形板20には、メッシュ筋24が
設けられている。このメッシュ筋24は、複数のやや細
い鉄筋が直方体の箱を描くように折り曲げられてなるも
ので、一部が成形板20内に埋設され、残りの部分が成
形板20の湾曲した凹側面から突出してなるものであ
る。また、このメッシュ筋24は、PC鋼線22に仮固
定された状態でコンクリートで一体化されて設けられ
る。なお、メッシュ筋24は、図1では省略されてい
る。
設けられている。このメッシュ筋24は、複数のやや細
い鉄筋が直方体の箱を描くように折り曲げられてなるも
ので、一部が成形板20内に埋設され、残りの部分が成
形板20の湾曲した凹側面から突出してなるものであ
る。また、このメッシュ筋24は、PC鋼線22に仮固
定された状態でコンクリートで一体化されて設けられ
る。なお、メッシュ筋24は、図1では省略されてい
る。
【0023】このようなメッシュ筋24を設けること
で、コンクリート充填空間16(図1参照)にコンクリ
ートを打設すると、メッシュ筋24が打設コンクリート
にくいついて一体化し、成形板20がはがれ落ちること
を防止できる。
で、コンクリート充填空間16(図1参照)にコンクリ
ートを打設すると、メッシュ筋24が打設コンクリート
にくいついて一体化し、成形板20がはがれ落ちること
を防止できる。
【0024】さらに、成形板20は、湾曲の凹側に取付
金具26を有している。この取付金具26は、屈曲成形
によってリング部26aが形成されてなり、図1に示す
ように、擁壁型枠10を構成するときには、リング部2
6aに連結鉄筋14の端部を挿入し引っかけてある。こ
うして、成形板20が外側に倒れないように支持され
る。なお、連結鉄筋14は、鉄筋の両端部を同方向に屈
曲させて形成されてものであるが、この屈曲した端部に
ねじを切って、上記リング部26aに挿入してナットで
固定するようにしてもよい。
金具26を有している。この取付金具26は、屈曲成形
によってリング部26aが形成されてなり、図1に示す
ように、擁壁型枠10を構成するときには、リング部2
6aに連結鉄筋14の端部を挿入し引っかけてある。こ
うして、成形板20が外側に倒れないように支持され
る。なお、連結鉄筋14は、鉄筋の両端部を同方向に屈
曲させて形成されてものであるが、この屈曲した端部に
ねじを切って、上記リング部26aに挿入してナットで
固定するようにしてもよい。
【0025】本実施例に係る成形板20は、上記のよう
に構成されており、次に、この成形板20を製造するた
めの型枠について説明する。
に構成されており、次に、この成形板20を製造するた
めの型枠について説明する。
【0026】図3は、成形板を製造するときに用いられ
る型枠を示す斜視図である。この成形板製造用型枠30
は、全体形状が有底の円筒状をなし、内側にコンクリー
ト注入できるようになっており、中心軸回りに回転させ
て遠心力でコンクリートを内側に押しつけて成形板20
を製造するものである。
る型枠を示す斜視図である。この成形板製造用型枠30
は、全体形状が有底の円筒状をなし、内側にコンクリー
ト注入できるようになっており、中心軸回りに回転させ
て遠心力でコンクリートを内側に押しつけて成形板20
を製造するものである。
【0027】すなわち、成形板製造用型枠30は、遠心
力成形工法によって成形板20を製造するための型枠で
ある。
力成形工法によって成形板20を製造するための型枠で
ある。
【0028】そして、成形板製造用型枠を中心軸に直角
に切断した断面図を図4に示す。なお、図4は、成形板
20の製造後の状態となっており、成形板20は、メッ
シュ筋24及び取付金具26(図2参照)を省略して図
示してある。
に切断した断面図を図4に示す。なお、図4は、成形板
20の製造後の状態となっており、成形板20は、メッ
シュ筋24及び取付金具26(図2参照)を省略して図
示してある。
【0029】図4に示すように、成形板製造用型枠30
は、湾曲した形状の型枠片32が、軸方向及び円周方向
に複数連結されて円筒状に構成される(図3参照)。ま
た、各型枠片32の湾曲の外側には、複数のフランジが
形成されてなる。具体的には、型枠片32の中央部分に
配置されるフランジ32aは補強のためのもので、型枠
片32の端部に形成されるフランジ32bは、ボルト及
びナットにて型枠片32同士を連結するためのものであ
る。
は、湾曲した形状の型枠片32が、軸方向及び円周方向
に複数連結されて円筒状に構成される(図3参照)。ま
た、各型枠片32の湾曲の外側には、複数のフランジが
形成されてなる。具体的には、型枠片32の中央部分に
配置されるフランジ32aは補強のためのもので、型枠
片32の端部に形成されるフランジ32bは、ボルト及
びナットにて型枠片32同士を連結するためのものであ
る。
【0030】さらに、型枠片32の湾曲の内側にも、上
記フランジ32bと連続して、フランジ32cが形成さ
れている。このフランジ32cは、成形板製造用型枠3
0内にコンクリートを注入したときに、注入されたコン
クリートを成形板20の大きさに区画するためのもので
ある。
記フランジ32bと連続して、フランジ32cが形成さ
れている。このフランジ32cは、成形板製造用型枠3
0内にコンクリートを注入したときに、注入されたコン
クリートを成形板20の大きさに区画するためのもので
ある。
【0031】また、上述したように、成形板20は、P
C鋼線22を有するもので、このPC鋼線22は、図3
に示すようにして配置される。すなわち、型枠片32の
端部に、複数の端部型枠片34がリング状に取り付けら
れ、この端部型枠片34によってPC鋼線22を取り付
けられるようになっている。なお、図3において、複数
の部材については、一部の部材についてのみ符号を付し
てある。
C鋼線22を有するもので、このPC鋼線22は、図3
に示すようにして配置される。すなわち、型枠片32の
端部に、複数の端部型枠片34がリング状に取り付けら
れ、この端部型枠片34によってPC鋼線22を取り付
けられるようになっている。なお、図3において、複数
の部材については、一部の部材についてのみ符号を付し
てある。
【0032】詳しくは、端部型枠片34にクランプ治具
36が設けられており、引張力が与えられたPC鋼線2
2を挟んで締め付け、保持するようになっている。この
クランプ治具36は、PC鋼線22を引っ張った状態で
保持できるものであれば、どのような構成のものでもよ
く、具体的には周知のものが用いられるため、詳しい説
明は省略する。
36が設けられており、引張力が与えられたPC鋼線2
2を挟んで締め付け、保持するようになっている。この
クランプ治具36は、PC鋼線22を引っ張った状態で
保持できるものであれば、どのような構成のものでもよ
く、具体的には周知のものが用いられるため、詳しい説
明は省略する。
【0033】また、端部型枠片34には、外周面から内
周面に貫通する窓部34aが形成されており、この窓部
34aからPC鋼線22が外に露出するようになってい
る。したがって、遠心力成形によるコンクリートの締め
固め、及び養生が完了した後に、外側からPC鋼線22
を簡単に切断できるようになっている。
周面に貫通する窓部34aが形成されており、この窓部
34aからPC鋼線22が外に露出するようになってい
る。したがって、遠心力成形によるコンクリートの締め
固め、及び養生が完了した後に、外側からPC鋼線22
を簡単に切断できるようになっている。
【0034】成形板製造用型枠30は、上記のように構
成されており、次に、この成形板製造用型枠30を用い
た成形板20の製造方法について説明する。
成されており、次に、この成形板製造用型枠30を用い
た成形板20の製造方法について説明する。
【0035】まず、図3に示すように、成形板製造用型
枠30内にPC鋼線22を配置する。このとき、上述し
たようにPC鋼線22には引張力を与えておく。そし
て、PC鋼線22に、巻き付けるようにしてメッシュ筋
24(図2参照)を取り付けるとともに、このPC鋼線
22には取付金物26(図2参照)を取り付ける。
枠30内にPC鋼線22を配置する。このとき、上述し
たようにPC鋼線22には引張力を与えておく。そし
て、PC鋼線22に、巻き付けるようにしてメッシュ筋
24(図2参照)を取り付けるとともに、このPC鋼線
22には取付金物26(図2参照)を取り付ける。
【0036】次に、成形板製造用型枠30を立てた状態
として、開口部からコンクリートを注入する。このコン
クリートは、製造しようとする成形板20の大きさや枚
数から、注入量を計算しておく。そして、注入が終わる
と、成形板製造用型枠30は、横に寝かせた状態とさ
れ、開口部からヘラなどを挿入して、ある程度コンクリ
ートをならしておく。
として、開口部からコンクリートを注入する。このコン
クリートは、製造しようとする成形板20の大きさや枚
数から、注入量を計算しておく。そして、注入が終わる
と、成形板製造用型枠30は、横に寝かせた状態とさ
れ、開口部からヘラなどを挿入して、ある程度コンクリ
ートをならしておく。
【0037】以上の工程が終わると、この成形板製造用
型枠30は、寝かせた状態のままクリーンなどで、図示
しない回転装置の上に設置されて回転させられる。具体
的には、初めに低速回転でコンクリートをならし、中速
回転でコンクリートを張り付け遠心分離で余剰水を浮き
出させ、高速回転でコンクリートの内側面を均一にして
脱落しないようにする。
型枠30は、寝かせた状態のままクリーンなどで、図示
しない回転装置の上に設置されて回転させられる。具体
的には、初めに低速回転でコンクリートをならし、中速
回転でコンクリートを張り付け遠心分離で余剰水を浮き
出させ、高速回転でコンクリートの内側面を均一にして
脱落しないようにする。
【0038】こうして、所定時間、成形板製造用型枠3
0を回転させると、内部のコンクリートは締め固められ
ているので、養生前であっても図4の状態が維持され
る。したがって、成形板製造用型枠30の回転を止めて
も崩れ落ちてくることはない。そして、その後、オーク
レーブ養生を行って成形板20が完成する。
0を回転させると、内部のコンクリートは締め固められ
ているので、養生前であっても図4の状態が維持され
る。したがって、成形板製造用型枠30の回転を止めて
も崩れ落ちてくることはない。そして、その後、オーク
レーブ養生を行って成形板20が完成する。
【0039】次に、上記実施例の変形例を示す。
【0040】図5は、図4に示す成形板製造用型枠の変
形例を示す図である。図5において、成形板製造用型枠
40は、ヒンジ42を中心として、軸方向に沿って半分
に割れるようになっている。そして、遠心力成形が完了
すると、コンクリートは円筒状になっている。そこで、
この円筒状のコンクリートを、図5に一点鎖線で示す位
置で切断することで、成形板44が製造される。
形例を示す図である。図5において、成形板製造用型枠
40は、ヒンジ42を中心として、軸方向に沿って半分
に割れるようになっている。そして、遠心力成形が完了
すると、コンクリートは円筒状になっている。そこで、
この円筒状のコンクリートを、図5に一点鎖線で示す位
置で切断することで、成形板44が製造される。
【0041】次に、図6は、図2に示す成形板20の変
形例を示す斜視図である。図6における成形板50は、
コンクリート本体54から棒状の取付金具52が突出し
てなるもので、この取付金具52は、図2のメッシュ筋
24を切断して形成するものである。
形例を示す斜視図である。図6における成形板50は、
コンクリート本体54から棒状の取付金具52が突出し
てなるもので、この取付金具52は、図2のメッシュ筋
24を切断して形成するものである。
【0042】そして、図7は、図6の成形板を組み立て
て構築された擁壁型枠56を示す図である。図7におい
て、鉛直方向に立設された組立用鉄筋12に、水平方向
に水平鉄筋58が取り付けられており、水平鉄筋58に
取付金具52を巻き付けることで成形板50が固定され
ている。こうして、対向する成形板50、50間に形成
された空間にコンクリートを打設して擁壁が形成され
る。
て構築された擁壁型枠56を示す図である。図7におい
て、鉛直方向に立設された組立用鉄筋12に、水平方向
に水平鉄筋58が取り付けられており、水平鉄筋58に
取付金具52を巻き付けることで成形板50が固定され
ている。こうして、対向する成形板50、50間に形成
された空間にコンクリートを打設して擁壁が形成され
る。
【0043】次に、図8は、図2に示す成形板20の他
の変形例を示す側面図である。図8における成形板60
は、メッシュ筋24及び取付金具26の反対側の面62
が、平らになっている点で上記成形板20と異なる。
の変形例を示す側面図である。図8における成形板60
は、メッシュ筋24及び取付金具26の反対側の面62
が、平らになっている点で上記成形板20と異なる。
【0044】そして、このような成形板60を製造する
工程を図9に基づいて説明する。同図において、図5の
成形板製造用型枠40が用いられ、内側にゴム板62が
取り付けられている。詳しくは、このゴム板62は、一
方の面が曲面となり、他方の面が平面となっているの
で、曲面側を成形板製造用型枠40の内側に取り付ける
と、他方の平面の面が内側に配置される。そうすると、
このゴム板62が12枚取り付けられることから、12
角形の内面となる。したがって、このような内面の成形
板製造用型枠40に、コンクリートを注入して遠心力成
形を行えば、外周面が12角形の筒ができる。そして、
この筒を図9に示すように切断すれば、図8に示す成形
板60が製造できる。ここで、ゴム板62に、凹凸模様
を形成しておけば、対応する凹凸模様を成形板60の表
面に形成することができる。
工程を図9に基づいて説明する。同図において、図5の
成形板製造用型枠40が用いられ、内側にゴム板62が
取り付けられている。詳しくは、このゴム板62は、一
方の面が曲面となり、他方の面が平面となっているの
で、曲面側を成形板製造用型枠40の内側に取り付ける
と、他方の平面の面が内側に配置される。そうすると、
このゴム板62が12枚取り付けられることから、12
角形の内面となる。したがって、このような内面の成形
板製造用型枠40に、コンクリートを注入して遠心力成
形を行えば、外周面が12角形の筒ができる。そして、
この筒を図9に示すように切断すれば、図8に示す成形
板60が製造できる。ここで、ゴム板62に、凹凸模様
を形成しておけば、対応する凹凸模様を成形板60の表
面に形成することができる。
【0045】あるいは、上述した種々の成形板には、着
色を施して美しい外観を呈するようにすることができ
る。その着色方法としては、完成した成形板に着色する
方法の他に、予め着色されたコンクリートを注入して遠
心力成形によって成形板を形成する方法がある。これに
加えて、成形板の外表面のみを着色コンクリートで形成
し、中間層及び内側面を無着色のコンクリートで形成す
れば、着色コンクリートによるコストの上昇を最小限に
抑えることができる。
色を施して美しい外観を呈するようにすることができ
る。その着色方法としては、完成した成形板に着色する
方法の他に、予め着色されたコンクリートを注入して遠
心力成形によって成形板を形成する方法がある。これに
加えて、成形板の外表面のみを着色コンクリートで形成
し、中間層及び内側面を無着色のコンクリートで形成す
れば、着色コンクリートによるコストの上昇を最小限に
抑えることができる。
【0046】または、図1及び図7では、上下方向に半
波形状が形成されるように成形板を積み重ねた状態が示
されているが、これに限定されるものではなく、横方向
に半波形状が形成されるように成形板を積み重ねてもよ
い。すなわち、図1及び図7は、側面図であるが、平面
視においてこれらの図に示すものと同様な形態となるよ
うに擁壁構築用型枠を構築してもよい。
波形状が形成されるように成形板を積み重ねた状態が示
されているが、これに限定されるものではなく、横方向
に半波形状が形成されるように成形板を積み重ねてもよ
い。すなわち、図1及び図7は、側面図であるが、平面
視においてこれらの図に示すものと同様な形態となるよ
うに擁壁構築用型枠を構築してもよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は請求
項2記載の発明によれば、外側からの圧力を打ち消すよ
うに作用して十分な強度を有するので、コンクリートが
硬化する前に土を埋め戻すことができる。
項2記載の発明によれば、外側からの圧力を打ち消すよ
うに作用して十分な強度を有するので、コンクリートが
硬化する前に土を埋め戻すことができる。
【0048】また、請求項4記載の発明によれば、成形
板がPC鋼線によって強化され、ひび割れも生じにくく
なるという効果がある。
板がPC鋼線によって強化され、ひび割れも生じにくく
なるという効果がある。
【0049】さらに、請求項5記載の発明によれば、模
様又は着色が施されることで、美しい外表面とすること
ができる。
様又は着色が施されることで、美しい外表面とすること
ができる。
【図1】実施例に係る擁壁構築用の型枠を示す側面図で
ある。
ある。
【図2】図1で使用される成形板を示す図であり、
(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図であ
る。
(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は側面図であ
る。
【図3】成形板を製造するときに用いられる型枠を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図4】成形板製造用型枠を中心軸に直角に切断した断
面図である。
面図である。
【図5】図4に示す成形板製造用型枠の変形例を示す図
である。
である。
【図6】図2に示す成形板の変形例を示す斜視図であ
る。
る。
【図7】図6の成形板を組み立てて構築された擁壁用型
枠を示す図である。
枠を示す図である。
【図8】図2に示す成形板の他の変形例を示す側面図で
ある。
ある。
【図9】図8の成形板を製造するための成形板製造用型
枠及びゴム板を示す断面図である。
枠及びゴム板を示す断面図である。
10、56 擁壁型枠 16 コンクリート充填空間 20、44、50、60 成形板 22 PC鋼線 30、40 成形板製造用型枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 29/02 309
Claims (5)
- 【請求項1】 複数の成形板を対向させて立て並べてコ
ンクリート充填用空間を形成する擁壁構築用の型枠にお
いて、 前記成形板は、湾曲した凹側面を有し、 前記成形板は、少なくとも一方が湾曲面をなしてなり、
この湾曲面の凸方向を外側に向けて立て並べられ、打設
されたコンクリートの硬化後も残されて擁壁の一部をな
すことを特徴とする擁壁構築用の型枠。 - 【請求項2】 複数の成形板を対向させて立て並べてコ
ンクリート充填用空間を形成する擁壁構築用の型枠にお
いて、 前記成形板は、一方向に湾曲してなり、この湾曲の凸側
の面を外側に向けて立て並べられ、打設されたコンクリ
ートの硬化後も残されて擁壁の一部をなすことを特徴と
する擁壁構築用の型枠。 - 【請求項3】 複数の成形板を対向させて立て並べてコ
ンクリート充填用空間を形成する擁壁構築用の型枠にお
いて、 前記成形板は、一方の面が平面をなし、他方の面が湾曲
面をなし、前記一方の面を外側に向けて立て並べられ、
打設されたコンクリートの硬化後も残されて擁壁の一部
をなすことを特徴とする擁壁構築用の型枠。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
された擁壁構築用の型枠において、 前記成形板は、製造時に、PC鋼線に引張力を与えてお
き、コンクリートの打設硬化後に、前記PC鋼線が前記
コンクリートに付着することで、このPC鋼線に与えら
れた引張力を前記コンクリートに伝えて、プレストレス
が与えられてなることを特徴とする擁壁構築用の型枠。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれかに記載
された擁壁構築用の型枠において、 前記成形板は、外表面に模様又は着色が施されてなるこ
とを特徴とする擁壁構築用の型枠。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23599194A JP2869342B2 (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 擁壁構築用の型枠 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23599194A JP2869342B2 (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 擁壁構築用の型枠 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0881966A JPH0881966A (ja) | 1996-03-26 |
JP2869342B2 true JP2869342B2 (ja) | 1999-03-10 |
Family
ID=16994198
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23599194A Expired - Lifetime JP2869342B2 (ja) | 1994-09-05 | 1994-09-05 | 擁壁構築用の型枠 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2869342B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-05 JP JP23599194A patent/JP2869342B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0881966A (ja) | 1996-03-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19981208 |