JP2867305B2 - 溶銑の予備処理方法 - Google Patents

溶銑の予備処理方法

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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶銑を脱燐、脱硫する
予備処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、溶銑の脱燐方法においては脱
燐剤としてCaO系フラックスあるいはNa2 CO3
フラックスが用いられていた。最近、高い脱燐効率を得
る手段として特開昭61−159506号公報に見られ
るようにCaO系フラックスに少量のNa2 Oを添加す
る方法が提案されており、溶銑脱燐、溶鋼脱燐の何れに
も効果が発揮できることが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開昭61
−159506号公報で示されているようなCaO系フ
ラックスに少量のNa2 Oを添加する方法を実操業に適
用する場合には、コスト制約上Na2 O源としてNa2
CO3 を使わざるを得ない。その場合、特開昭61−1
59506号公報で示されているNa2 Oの必要量に相
当するNa2 CO 3 を単純に添加しても脱燐効率の改善
は認められず、むしろ無添加の場合より脱燐効率が悪化
するケースが多々あり、Na2 CO3 の使用を前提とし
た場合の適正な処理条件の解明が強く望まれていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、下記のとおりである。 (1) 溶銑を脱燐するに際し、CaO−Fet O−C
aF2 系フラックスを浴内にインジェクションしなが
ら、溶銑上に形成されるトップスラグにNa2 CO3
2〜6kg/T−Pigと酸素ガスまたは酸化鉄もしくは
両者を酸素ガス換算で1〜3Nm3 /T−Pig添加し
て脱燐と脱硫を行うことを特徴とする溶銑の予備処理方
法。
【0005】(2) CaO−Fet O−CaF2 系フ
ラックス中のCaO分と酸素分の重量比(Ca/O)が
1.5〜2.5であることを特徴とする前項1記載の溶
銑の予備処理方法。
【0006】
【作用】次に、作用について述べる。本発明者らは、C
aO系フラックスに少量のNa2 CO3 を添加する方法
が溶銑の脱燐反応に対して充分に効果を発揮することが
できない理由を明らかにするため、種々の実験を重ね
た。すなわち、スラグの脱燐能の指標となるスラグ−メ
タル間の平衡燐分配比は、同一温度ではスラグのフォス
フェートキャパシティーとスラグの酸素ポテンシャル
(酸化力)により決定されることから、CaO系フラッ
クスに少量のNa2 CO3 を添加した場合のこれら2つ
の因子への影響について検討した。
【0007】まず、フォスフェートキャパシティーにつ
いてはCaO系フラックスに数%のNa2 Oを含有させ
ると平衡燐分配比が著しく向上することが過去の知見に
より明らかにされている(例えば「鉄と鋼」第71年
(1985)、第6号、P.693)。一方、Na2
3 を添加した場合のスラグの酸素ポテンシャルに対す
る影響に関する知見は過去にない。そこで、この問題を
明らかにするための基礎実験を重ねた結果、図1に示す
ように、CaO系フラックスに少量のNa2 CO3 を添
加すると、スラグの酸化力を示す(Fet O)濃度が無
添加の場合より遙に低くなる事実を突き止めた。すなわ
ち、系に添加する酸素源の量は一定であるにもかかわら
ず、Na2 CO3 を添加することによりスラグの酸化力
が大幅に低下し、フォスフェートキャパシティーが増大
した効果を越えて平衡燐分配比を低減せしめ、結果的に
Na2 CO3 無添加の場合より脱燐効率が悪化すること
を見出した。この事実は、CaO系フラックスに少量の
Na2 CO3 を添加することによるフォスフェートキャ
パシティーの増大を利用して脱燐を促進するためには、
Na 2 CO3 添加に伴い低下するスラグの酸化力を増大
するための対応策を同時に採らねばならないことを示し
ており、酸化力確保の手段の方がむしろ脱燐へのNa 2
CO3 の活用における重要な要素となっていることを物
語っている。
【0008】本発明者らは、Na2 CO3 添加によるス
ラグの酸化力の低下の原因についてさらに検討を進めた
結果、Na2 CO3 と溶銑の接触により(1)式に示す
反応が起こり、発生したNaガスおよびCOガスが
(2)、(3)式に示すようにスラグの(Fet O)を
還元することによることを明らかにした。 Na2 CO3 +3〔C〕=2Na(g)+3CO(g)………(1) (Fet O)+2Na=tFe+Na2 O ………(2) (Fet O)+CO=tFe+CO2 ………(3) 従って、Na2 CO3 の精錬効果を発揮するには(1)
式の反応は極力避けねばならず、そのためにはNa2
3 は溶銑浴へのインジェクションではなく、トップス
ラグに上方から添加すべきであることも判明した。それ
でも、(1)式の反応を完全に抑制することは不可能で
あるが、これらの反応が起こってもスラグの酸化力を保
持する手段として、本発明者らはトップスラグへのNa
2 CO3 の添加と同時に酸素源をトップスラグに添加す
ることを考えた。酸素源としては、酸素ガスと酸化鉄の
2種類を選択できるが、Na2 CO3 を使用した場合、
(1)式に伴うNa2 CO3 の分解吸熱により溶銑の温
度低下の問題が生じるため、酸素ガスを使用するのが望
ましい。
【0009】ただし、生産量との関係で熱に余裕があれ
ばそれに応じて酸化鉄を使用しても本質的な効果として
は酸素ガスと変わりはない。図2および図3は、これら
の知見を基に、前述と同様の基礎実験により、CaO系
フラックス吹き込み中のトップスラグへのNa2 CO3
添加量と酸素源添加量を種々変化させた実験の結果を示
している。図2から明らかなように、トップスラグへの
酸素供給量が2Nm3 /T−Pig一定のもとでは、N
2 CO3 は2kg/T−Pig以上で脱燐促進効果を発
揮し、6kg/T−Pigを超えるとその効果が飽和して
コスト的に不利となることが分かる。また、図3より、
トップスラグへのNa2 CO3 添加量が4kg/T−Pi
g一定条件の下では、脱燐促進のための酸素源のトップ
スラグへの供給量は、酸素ガス換算で1Nm3 /T−P
ig以上必要であり、3Nm3 /T−Pigを超えると
(Fet O)が過剰となり、(CaO)を希釈して脱燐
効果を低下させることが分った。従って、CaO系フラ
ックスによるインジェクション処理中に少量のNa2
3 を添加して脱燐促進効果を発揮させるには、トップ
スラグへのNa2 CO3 の供給量を2〜6kg/T−Pi
gとし、トップスラグへの酸素供給量を1〜3Nm3
T−Pigとして、インジェクションのタイミングに合
わせて連続的に添加することが必要である。
【0010】また、図4は、使用したCaO−Fet
−CaF2 系フラックス中のCaO分を一定として、C
aO分と酸素分の重量比CaO/Oを種々変化させて脱
燐率を比較した結果を示しており、CaO/Oを1.5
〜2.5の範囲に制御することでNa2 CO3 少量添加
の効果が最大限に発揮できる。これは、CaO/Oが
1.5より低くなると、酸素源がフラックス中に過剰に
なるため生成スラグの(Fet O)が高くなりすぎてス
ラグフォーミングを引き起こし、スラグ−メタルの接触
効率が低下して脱燐反応を阻害するためである。また、
CaO/Oが2.5より大きくなると、生成スラグの
(Fet O)が逆に低くなりすぎて酸化力が不足すると
ともに、生成スラグの融点が上昇して脱燐反応の速度が
低下するためである。
【0011】なお、本発明によれば、Na2 Oの高脱硫
能に起因する脱硫促進効果も得られることから、同時脱
燐、脱硫の観点からも本発明は極めて有効な手段とな
る。
【0012】
【実施例】
1.溶銑成分(脱珪処理して排滓後の溶銑) C=3.8〜4.5%、Si=0.08〜0.15%、
Mn=0.20〜0.50%、P=0.09〜0.12
0%、S=0.015〜0.035% 2.溶銑量 350T 3.フラックス添加方法 CaO系フラックスは、浸漬ランスにより溶銑中にイン
ジェクションし、トップスラグへのNa2 CO3 および
酸素源(鉄鉱石、酸素ガス)の添加は、インジェクショ
ン処理に合わせて上方投入および上方吹き付け(酸素ガ
ス)により連続的に行った。
【0013】4.処理時間 15分一定 5.操業条件および結果 表1〜表4に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、脱燐、脱硫を効率よく
行なえるので、フラックスの低減、生産性の向上のみな
らず、処理時間短縮による放熱ロスの減少に伴う省エネ
効果も得られる。さらに、極低燐鋼あるいは低硫鋼の製
造が容易になることから、コスト、品質の両面から多大
な効果が得られ、本発明がこの種の産業分野にもたらす
効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶銑の脱燐反応に及ぼすCaO系フラックスへ
のNa2 CO3 少量添加の影響を示す図である。
【図2】脱燐率に及ぼすトップスラグへのNa2 CO3
添加量の影響を示す図である。
【図3】脱燐率に及ぼすトップスラグへの酸素添加量の
影響を示す図である。
【図4】脱燐率に及ぼすインジェクションフラックス中
のCaO/O重量比の影響を示す図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶銑を脱燐するに際し、CaO−Fet
    O−CaF2 系フラックスを浴内にインジェクションし
    ながら、溶銑上に形成されるトップスラグにNa2 CO
    3 を2〜6kg/T−Pigと酸素ガスまたは酸化鉄もし
    くは両者を酸素ガス換算で1〜3Nm3/T−Pig添
    加して脱燐と脱硫を行うことを特徴とする溶銑の予備処
    理方法。
  2. 【請求項2】 CaO−Fet O−CaF2 系フラック
    ス中のCaO分と酸素分の重量比(Ca/O)が1.5
    〜2.5であることを特徴とする請求項1記載の溶銑の
    予備処理方法。
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