JP2867175B2 - 重層被覆粒状肥料 - Google Patents

重層被覆粒状肥料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、含水培地又は水中での肥料成分の溶出開始
時期を調節できる被覆粒状肥料に関する。
[発明の背景] 近年、我が国の農業は、農業従事者の高齢化や農村の
過疎化により、農業労働力の脆弱化が進んでいる。その
ために農作業の省力化の一つとして、施肥の機械化や緩
効性肥料の利用などが計られている。
例えば、緩効性肥料として、オレフィン系樹脂とエチ
レン−酢酸ビニル共重合体との混合物を主成分とする被
覆材料で被覆した肥料(特公昭60−21952号公報参
照)、オレフィン系樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合
体との混合物を主成分とし、更に界面活性剤を含有する
被覆材料で被覆した肥料(特公昭60−37074号公報参
照)、ポリオレフィン類等の重合体を結合剤とし、それ
に水不溶性もしくは水難溶性の無機粉体を50〜80重量%
含有させた被膜で被覆された被覆肥料(特公昭60−3040
号公報参照)などが提案されている。これらの被覆肥料
は、何れも、被膜の不完全性から生じたピンホールやク
ラック、又は種々の添加剤を加え計画的に作られたピン
ホール、或いは被覆の微小の透水性又は透湿性を利用し
て、中の肥料成分を徐々に調節して溶出させる形式のも
のであり、肥料成分の溶出速度調節型の被覆肥料であ
る。
ところで、植物の成長過程においては、時期により必
要とする肥料成分及びその量が異なる。例えば、水稲栽
培における施肥は、元肥から穂肥まで稲の生育に合せて
4〜5回施肥することが必要である。即ち、植物の成長
過程の特定の時期毎に、その時期に必要な肥料成分を必
要量だけ施し、その時期が過ぎた後は当該肥料成分は与
えられず、その後別の時期に、同様にして必要な肥料成
分を必要量だけ施すことが望ましい。
前記のような従来の被覆肥料は、肥料成分の溶出速度
調節型のものであって、単に肥料成分の溶出速度が変化
しているに過ぎないものであり、従来の被覆肥料を最初
に元肥として前部施肥した場合には、例えば、窒素成分
が必要でない時期でも徐々に窒素成分が溶出しており、
窒素成分が多量に必要となる時期には不足するので追肥
することが必要になる。従って、従来の被覆肥料を使用
する場合には、植物成長に必要な全部の肥料を元肥とし
て一回だけ施肥するのでは、植物の成長にマッチした時
期毎に適切な肥料成分を適切な量で施すことはできな
い。
本発明者らは、当該肥料成分が必要な時期までは溶出
せず、一旦溶出を開始すると急速に肥料を溶出するよう
な、肥料成分の溶出開始時期調節型の被覆粒状肥料を開
発すれば、植物の成長に必要な全ての肥料を最初に元肥
として施肥し、その後の追肥をなくするか少なくとも追
肥の回数を減少させることができることに想到し、本発
明を完成するに至った。
[発明の目的] 本発明の目的は、上記のような溶出開始時期調節型肥
料、即ち、特定の肥料成分が必要な時期までは溶出せ
ず、一旦溶出を開始すると急速に当該肥料を溶出するよ
うな被覆粒状肥料を提供することにある。
[発明の構成] 本発明は、粒状肥料の表面に、吸水することによって
乾燥体積の5倍以上の体積に膨潤する高吸水膨潤性物質
からなる第一被覆層が形成され、該第一被覆層の表面に
オレフィン系重合体からなる第二被覆層が形成されてな
ることを特徴とする肥料成分溶出開始時期調節型の重層
被覆粒状肥料にある。
本発明の好適な態様は下記の通りである。
(1)上記の高吸水膨潤性物質が、イソブチレン系重合
体、アクリル酸・ビニルアルコール共重合体、ポリエチ
レンオキサイド変性樹脂、アクリル酸ナトリウム系重合
体、澱粉グラフト重合体、カルボキシメチルセルロース
(CMC)、CMC金属塩又はベントナイトであることを特徴
とする上記の被覆粒状肥料。
(2)上記のオレフィン系重合体が、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、エチレン−メタクリル酸エステ
ル共重合体、低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレ
ン共重合体、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体である
ことを特徴とする上記の被覆粒状肥料。
(3)上記の第一被覆層の被覆量が、粒状肥料の量の0.
5〜20重量%であることを特徴とする上記の被覆粒状肥
料。
(4)上記の第二被覆層の被覆量が、粒状肥料の量の2
〜50重量%であることを特徴とする上記の被覆粒状肥
料。
[発明の詳細な記述] 本発明の被覆粒状肥料は、粒状肥料の表面に、高吸水
膨潤性物質からなる第一被覆層が形成され、該第一被覆
層の表面に、オレフィン系重合体からなる第二被覆層が
形成されてなる被覆粒状肥料である。
本発明の被覆粒状肥料の粒状肥料は、従来の肥料の粒
状物の何れであってもよい。その具体例としては、尿
素、硫安、塩安、燐安、硝安、石灰窒素、硝酸ソーダ、
アセトアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合
尿素等の窒素質肥料;重過リン酸石灰、焼成りん肥、加
工リン酸肥料、混合リン酸肥料、腐食酸りん肥等のリン
酸質肥料;硫酸加里、塩化加里、硫酸加里苦土、重炭酸
加里、けい酸加里肥料等の加里質肥料;リン酸加里肥
料、硝酸加里等の化成肥料;有機質肥料など;並びにこ
れらの肥料の混合物を、それ自体公知の方法により造粒
した粒状肥料を挙げることができる。粒状肥料の粒径は
特に限定されないが、一般に1〜4mmであることが好ま
しい。
本発明の被覆粒状肥料の第一被覆層を構成する高吸水
膨潤性物質は、吸水することによって乾燥体積の5倍以
上の体積に膨潤する物質であることが好ましい。特に、
吸水膨潤時に、溶解又は溶出する傾向が小さいゲル状に
なるものが好ましく、膨潤圧の大きいものが好ましい。
上記の高吸水膨潤性物質の例としては、イソブチレン
系重合体(例えば、(株)クラレ製の、KIゲル−201K、
KIゲル−201K−F2、KIゲル溶液システム、KIゲルME−1
0、KIゲルコンパウンド)、アクリル酸・ビニルアルコ
ール共重合体、ポリエチレンオキサイド変性樹脂(例え
ば、住友化学工業(株)製の、スミカゲルSタイプ、L
タイプ、Rタイプ)、アクリル酸ナトリウム系重合体
(例えば、住友化学工業(株)製の、スミカゲルNタイ
プ)、澱粉グラフト重合体、カルボキシメチルセルロー
ス(CMC)、CMC金属塩及びベントナイトを挙げることが
できる。
本発明の被覆粒状肥料において、第一被覆層の被覆量
は、第一被覆層を構成する高吸水膨潤性物質の膨潤度、
膨潤圧などによって異なるが、一般的に、粒状肥料の量
の0.5〜20重量%、特に1〜10重量%であることが好ま
しい。第一被覆層の被覆量が上記の範囲よりも少ない
と、吸水時の膨潤による第二被膜内の圧力が不足し、第
二被覆の歪、亀裂、破壊などの発生量が不十分となり、
肥料の溶出開始時期が遅くなったり、肥料の溶出が開始
した後の肥料の溶出速度が小さくなったり、場合によっ
ては肥料成分が溶出しない。また、第一被覆層の被覆量
が上記の範囲よりも多いと、肥料の溶出が開始した後の
肥料の溶出速度が大きくなるが、ある程度より多くして
も肥料の溶出速度は大きくならず、被覆粒状肥料中の肥
料成分の含有率が相対的に低下するので好ましくない。
本発明の被覆粒状肥料の第二被覆層は、オレフィン系
重合体から構成されている。
オレフィン系重合体としては、オレフィンの単独重合
体、オレフィンの共重合体、オレフィンとオレフィン性
二重結合を有するその他のモノマーとの共重合体の何れ
であってもよい。本発明において特に好ましいオレフィ
ン系重合体の具体例としては、例えば、エチレン−アク
リル酸エステル(例えば、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチルなど)共重合体、エチレン−メタクリル酸エス
テル(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ルなど)共重合体、低密度ポリエチレン、エチレン−プ
ロピレン共重合体、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体
などを挙げることができる。
上記の第二被覆層の被覆量は、粒状肥料の量の2〜50
重量%、特に4〜20重量%であることが好ましい。第二
被覆層の被覆量が上記範囲よりも少ないと、被覆粒状肥
料の製造時に第二被覆層の被覆量を設計値通りに制御す
ることが困難になり(第二被覆層の被覆量が小さくなる
ほど誤差の許容範囲が狭くなる)、第二被覆層の機械的
強度が低下し被覆粒状肥料の取扱い、輸送、保管中に第
二被覆層が損傷を受け、前記のような問題が生じる恐れ
がある。また、第二被覆層の被覆量が上記範囲よりも多
いと、被膜の高強度のために被膜の歪、亀裂、破壊など
の発生が困難となり、溶出速度が小さくなると共に、被
覆粒状肥料中の肥料成分の含有率が相対的に低下し、更
に、肥料成分が溶出した後に土壌中に残留する被膜の量
が増大する。
本発明の被覆粒状肥料は、含水培地又は水中で下記の
ような機能すると考えられる。
即ち、先ず水が第二被覆層を徐々に透過し、第二被覆
層を透過した水を第一被覆層の高吸水膨潤性物質が吸収
して膨潤し、膨潤によって生じた圧力(膨潤圧)によっ
て第二被覆層に亀裂を生じさせたり、第二被覆層を破壊
させ、外部の水が第二被覆層を通過して内部に侵入し、
その水によって肥料成分が溶解され溶出するのであると
考えられる。
従って、第二被覆層のオレフィン系重合体の種類及び
被覆量(膜厚)を選択することによって、最初の水が第
二被覆層を透過する量を制御し、第一被覆層の高吸水膨
潤性物質の種類及び被覆量、並びに第二被覆層のオレフ
ィン系重合体の種類及び被覆量を選択することによっ
て、第二被覆層に生じる亀裂や破壊の程度及び亀裂や破
壊が生じる時間を制御することができる。そして、最初
の水が第二被覆層を透過する量及び第二被覆層に亀裂や
破壊が生じる時間を制御することによって、肥料成分の
溶出が開始する時期(本発明の被覆粒状肥料を含水培地
又は水中に投入してから肥料成分の溶出が始まるまでの
期間であって、肥料成分溶出の誘導期間と見なされる)
を調節することができる。また、第二被覆層に生じる亀
裂や破壊の程度を制御することによって、肥料成分の溶
出速度を調節することができる。
このように、本発明の被覆粒状肥料は、任意の必要な
時期に肥料成分の溶出を開始させることができる被覆粒
状肥料である。
最初の水が第二被覆層を透過する量並びに第二被覆層
に亀裂や破壊が生じる時間及び亀裂や破壊の程度を制御
するためには、上記のような要因を適宜変化させて組み
合せればよく、前記の各要因についての説明を参考にし
て当業者が実験的に容易に選択することができる。
本発明の被覆粒状肥料は、粒状肥料の表面に高吸水膨
潤性物質を被覆して第一被覆層を形成し、次いで、第一
被覆層を有する粒子の表面にオレフィン系重合体を被覆
して第二被覆層を形成することによって製造することが
できる。
第一被覆層の形成は、例えば、傾斜皿型造粒機に粒状
に成形した肥料を装入し、30〜70℃の熱風を送いなが
ら、高吸水膨潤性物水の水及び/又は有機溶媒中の溶液
又は分散液(第一被覆層形成液)を少しずつ添加するこ
とにより、粒状肥料の表面に第一被覆層形成液を被覆
し、同時に溶媒又は分散媒を蒸発除去して、高吸水膨潤
性物質の層を形成させることによって行なうことができ
る。
この際、高吸水膨潤性物質が架橋構造でない場合はこ
の物質と共にそれを架橋させるための架橋剤を併用し、
被覆された高吸水膨潤性物質を架橋構造に変えて、吸水
時に高吸水膨潤性物質が溶解、溶出し難くなるようにす
ることが好ましい。
また、高吸水膨潤性物質を粒状肥料の表面に確実に付
着させるために、適当な接着剤、例えば、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、ネオプレン−フェノール系、ポリエ
チレングリコール、メタクリル酸エステル系などの接着
剤を、高吸水膨潤性物質の分散液中に混入しておくこと
が好ましい。接着剤の種類によっては、第一被覆層形成
液を調製する際に、水及び/又は有機溶媒の全部又は一
部を省略することができる。
また、傾斜皿型造粒機に粒状肥料を装入し、接着剤の
水及び/又は有機溶媒中の溶液を少量ずつ添加し、粒状
肥料の表面に付着した接着剤溶液の粘着性があるうち
に、高吸水膨潤性物質の粉末を添加付着させることによ
り被覆し、その後乾燥することによっても第一被覆層を
形成することができる。
勿論、それ自体公知の他の粒状物被覆装置、例えば、
ナウタミキサー、通気型被覆装置、回転剤皮機、ドラム
型造粒機などを使用し、それ自体公知の方法によって第
一被覆層を形成することもできる。
第二被覆層の形成は、オレフィン系重合体を有機溶剤
に溶解して第二被覆層形成溶液を調製し、それ自体公知
の他の粒状物被覆装置、例えば、流動層型被覆装置、通
気型被覆装置、転動流動型被覆装置、ナウタミキサーな
どに、脱一被覆層を形成した粒状肥料を装入し、30〜10
0℃の熱風を送りながら、上記の第二被覆層形成溶液を
装入して粒状肥料の表面にこの溶液を被覆し、同時に溶
媒を蒸発除去して第二被覆層を形成させることによって
行なうことができる。
第一被覆層及び第二被覆層を形成する際に使用した溶
剤は、被覆装置からの排気を常法によって処理して回収
し再使用することができる。
次に、本発明の実施例及び比較例によって本発明を更
に詳細に説明する。
[実施例1] 架橋されたイソブチレン系重合体の粉末((株)クラ
レ製:商品名KIゲル−201K−F2、飽和吸水後の膨潤体積
倍率:約6倍)18g及び接着剤としてポリエチレングリ
コール[日本油脂(株)製:ポリエチレングリコール
(20000)]5.4gを、トルエン60gに添加し分散及び溶解
して第一被覆層形成液を調製した。
エチルアクリレート単位含有量8モル%、メルトイン
デックス(MI)13のエチレン−エチルアクリレート共重
合体(日本ユニカー(株)製:商品名DPDJ−8026)20g
をトルエン380gに95〜105℃で溶解させて、第二被覆層
形成溶液を調製した。
ステンレス製回転制御付傾斜皿型造粒機(直径500m
m、深さ100mm)に、粒系2〜4mmの粒状尿素500gを入
れ、造粒機を15r.p.m.の回転速度で転動させ、約30℃の
温風を吹込みながら、上記の第一被覆層形成液を10分間
に亙って少しずつ添加し、粒状尿素の表面に第一被覆層
を形成した。
上記の工程で得られた第一被覆層を有する粒状尿素41
5g(この内、尿素400g)を、減圧通気型被覆装置(フロ
イント産業(株)製、コーティング装置ハイコーター・
ミニ、コーティングパン容量0.65)に投入し、コーテ
ィングパンを30r.p.m.の回転速度で転動させ、約30℃の
温風を吸引しながら、上記の第二被覆層形成溶液を10ml
/分の供給速度でスプレーし、第一被覆層形成粒状尿素
の表面に第二被覆層を形成して被覆粒状肥料を製造し
た。
得られた被覆粒状肥料の、第一被覆層の量は尿素100
重量部当たり3.8重量部であり、第二被覆層の量は尿素1
00重量部当たり4.6重量部であった。
製造した被覆粒状肥料について、下記の方法により尿
素の溶出試験を行ない、得られた溶出曲線[横軸:溶出
日数(週単位)、縦軸:累積溶出率(%)]を第1図に
示す。
尿素の溶出試験方式 農林水産省農業環境技術研究所発行(昭和62年12月25
日)の、肥料分析法、中5.31溶出率(被覆肥料の)に準
じて実施した。
但し、恒温器の温度(測定温度)を25±1℃に変更し
て行なったため、25℃における溶出試験値である。
[実施例2] 架橋されたイソブチレン系重合体の粉末の使用量を9g
に、接着剤としてのポリエチレングリコールの使用量を
2.7gに、トルエンに使用量を30gに、それぞれ変えた他
は実施例1におけると同様にして、第一被覆層形成液を
調製した。
エチルアクリレート単位含有量18モル%、メルトイン
デックス(MI)6のエチレン−エチルアクリレート共重
合体(日本ユニカー(株)製:商品名NUC−6170)40gを
トルエン760gに80〜90℃で溶解させて、第二被覆層形成
溶液を調製した。
上記のようにして調製した第一被覆層形成液及び第二
被覆層形成溶液を使用した他は、実施例1におけると同
様にして(第一被覆層を有する尿素は408g(尿素として
400g)を使用した)被覆粒状肥料を製造した。
得られた被覆粒状肥料の、第一被覆層の量は尿素100
重量部当たり2.0重量部であり、第二被覆層の量は尿素1
00重量部当たり9.3重量部であった。
製造した被覆粒状肥料について、前記の方法により尿
素の溶出試験を行ない、得られた溶出曲線を第1図に示
す。
[比較例1] 粒状尿素(被覆層無し)400gを、実施例1において第
二被覆層形成のために使用した被覆装置に投入し、コー
ティングパンを30r.p.m.の回転速度で転動させ、約30℃
の温風を吸引しながら、実施例1で使用した第二被覆層
形成溶液と同じ溶液を10ml/分の供給速度でスプレー
し、粒状尿素の表面に被覆層を形成して単層被覆粒状肥
料を製造した。
得られた単層被覆粒状肥料の、被覆層の量は尿素100
重量部当たり4.8重量部であった。
製造した単層被覆粒状肥料について、前記の方法によ
り尿素の溶出試験を行ない、得られた溶出曲線を第2図
に示す。
[比較例2] 被覆層形成溶液として、実施例2で使用した第二被覆
層形成溶液と同じ溶液を使用した他は、比較例1におけ
ると同様にして単層被覆粒状肥料を製造した。
得られた単層被覆粒状肥料の、被覆層の量は尿素100
重量部当たり9.5重量部であった、 製造した単層被覆粒状肥料について、前記の方法によ
り尿素の溶出試験を行ない、得られた溶出曲線を第2図
に示す。
第1図と第2図との比較から明らかなように、比較例
で得られたオレフィン系重合体からなる単一の被覆層が
形成された単層被覆粒状肥料は、一定期間経過後尿素が
徐々に溶出しているのに対して、実施例で得られた本発
明の被覆粒状肥料は、ある期間は尿素が溶出せず、溶出
が始まると溶出量が急激に増大しており、ある期間経過
後に被覆しない粒状肥料を施肥したのと類似の溶出状態
を示している。
[発明の効果] 本発明の被覆粒状肥料は、含水培地又は水中で特定の
肥料成分が必要な時期までは溶出せず、一旦溶出を開始
すると比較的速やかに当該肥料を溶出するような、従来
の被覆粒状肥料とは全く異なった型の肥料の溶出開始時
期調節型の被覆粒状肥料である。従って、肥料成分に応
じて植物の成長過程で必要な肥料成分が適切な時期に溶
出を開始するように溶出開始時期(施肥してから溶出が
開始するまでの期間)を種々の期間に設計した複数種の
本発明の被覆粒状肥料を、最初に元肥として施肥するこ
とができ、追肥を行なわないか又は従来の肥料を使用す
る場合に比べて追肥の回数を減少させることができると
いう、顕著に優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、各実施例で得られた被覆粒状肥料について、
尿素の溶出試験を行なって得られた溶出曲線を示す図で
ある。 第2図は、各比較例で得られた被覆粒状肥料について、
尿素の溶出試験を行なって得られた溶出曲線を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤 秀幸 山口県宇部市大字小串1978―10 宇部興 産株式会社宇部統合事業所内 (72)発明者 岡崎 章彦 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部化成肥料株式会社内 (72)発明者 野村 知治 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部化成肥料株式会社内 (72)発明者 二谷 克英 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部化成肥料株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−135194(JP,A) 特開 平2−275792(JP,A) 特開 昭63−147888(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C05G 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状肥料の表面に、吸水することによって
    乾燥体積の5倍以上の体積に膨潤する高吸水膨潤性物質
    からなる第一被覆層が形成され、該第一被覆層の表面に
    オレフィン系重合体からなる第二被覆層が形成されてな
    ることを特徴とする肥料成分溶出開始時期調節型の重層
    被覆粒状肥料。
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