JP2865961B2 - ガスタービン燃料とその製法、並びに発電方法とその装置 - Google Patents

ガスタービン燃料とその製法、並びに発電方法とその装置

Info

Publication number
JP2865961B2
JP2865961B2 JP4329352A JP32935292A JP2865961B2 JP 2865961 B2 JP2865961 B2 JP 2865961B2 JP 4329352 A JP4329352 A JP 4329352A JP 32935292 A JP32935292 A JP 32935292A JP 2865961 B2 JP2865961 B2 JP 2865961B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crude oil
power generation
sulfur
content
cycle power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4329352A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06172762A (ja
Inventor
明義 溝口
雄文 井上
正樹 飯島
道雄 中島
正俊 柴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=18220501&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2865961(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP4329352A priority Critical patent/JP2865961B2/ja
Publication of JPH06172762A publication Critical patent/JPH06172762A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2865961B2 publication Critical patent/JP2865961B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンバインド・サイクル
発電用ガスタービン燃料、さらに詳しくは、脱塩処理さ
れた原油または低硫黄原油に、それよりもバナジウムお
よび硫黄含量の低い石油系液体燃料を混合してなるコン
バインド・サイクル発電用ガスタービン燃料およびその
製造方法に関し、さらに該燃料を使用したコンバインド
・サイクル発電方法および発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、日本における火力発電としてはボ
イラにより生じた高温高圧のスチームでタービンを回転
させて発電するスチームタービンによる方法が主なもの
である。そのボイラ用油燃料としては主に重油や原油が
使用されている。それらの内、原油焚きの場合はワック
ス分が多くかつSOxの発生量の少ない低硫黄原油、例
えばミナス産原油や大慶産原油が公害防止の観点から好
んで使用されている。そのほか、最近では良質燃料であ
るLNGを用いたコンバインド・サイクル発電方法も採
用されている。
【0003】前記原油や重油のボイラ焚きおよびスチー
ムタービンによる発電では熱効率が約40%/HHV基
準(HHV:高位発熱量)と比較的低い。これに対しL
NG焚きで採用されているコンバインド・サイクル発電
では圧縮機で圧縮した空気で燃料を燃焼させるか、ある
いは該圧縮空気を燃焼熱で加熱させ、その高温高圧ガス
でタービンを回転させて発電させ、さらにその排ガスの
熱エネルギをボイラで回収し、スチームタービンを運転
して再度発電する方法であり、熱効率が約48%/HH
V基準と高いことが大きな特徴である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】石油の埋蔵量には限界
があり石油の消費量増大を抑制する見地から、発電に使
用する石油類の使用が国際的に制限されるようになっ
た。すなわち、発電に使用する石油消費量を現状で凍結
しなければならなくなっている。従って発電設備の老朽
化により設備を新設する際には、燃料使用量の増加によ
らないで今後の電力需要増に対処するため、熱効率の高
い発電方法への転換に迫られている。
【0005】また前記LNGによるコンバインド・サイ
クル発電では既に高熱効率による発電が行われている
が、LNGは貯蔵にコストがかかる関係上、原油に比べ
安定供給に不安を残している。
【0006】欧米では既に原油や残渣油をガスタービン
の燃料に使用している実績があるが、それらに含まれる
不純物のためトラブルが多く発生し、軽油やLNGを使
用する場合に比べ保守費用がかさむ問題点が指摘されて
いる。そしてガスタービンに使用する油燃料の不純物含
量として、電力会社で使用される大型で燃焼温度の高い
高性能ガスタービン用には塩分が約0.5ppm以下、
硫黄分が約0.05重量%以下、バナジウムが約0.5
ppm以下の燃料を用いることが望ましいとされてい
る。また比較的熱効率が低く、比較的小型である一般産
業発電用ガスタービンの燃料としては塩分とバナジウム
は上記と同じであるが、硫黄分はより制限が緩やかな約
1.3重量%以下の燃料を用いることが望ましいとされ
ている。これらの制限が設けられている理由は塩分とバ
ナジウムは相互に影響してガスタービンのブレード金属
の溶融点を低下させたり、灰分のブレードへの粘着の原
因となることによる。硫黄分も同様にブレードの保護の
観点から設定されている。ボイラ焚き燃料として使用さ
れている前記ミナス産原油や大慶産原油のような低硫黄
原油でも、そのままではこれらの基準を満足できず、発
電装置をスクラップ・アンド・ビルドにより従来のボイ
ラからより熱効率のよいコンバインド・サイクル発電に
切り替えても、低硫黄原油燃料はガスタービン燃料とし
て転用できないという問題がある。従って全面的に高価
な精製燃料を用いるか、低硫黄原油を続けて用いる場合
にはその硫黄やバナジウム含量を前記制限に合致させる
ために建設費のかかる大がかりな精製工程が新たに必要
と考えられていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のよう
な高価な精製燃料を全面的に用いることなく、低硫黄原
油または低硫黄原油以外の原油(以下、両者を併せて単
に「原油」と称す。)の大がかりな精製工程を新たに必
要としないで、簡単に原油を熱効率のよいコンバインド
・サイクル発電の燃料にフルに活用する方法について鋭
意検討した結果、原油は脱塩処理さえ充分になされてい
れば、その原油と、容易に入手可能である所定の石油系
液体燃料とを混合し、得られる混合物のバナジウムなど
の含量が前記制限を満足させるようにすることにより容
易に解決できるとの知見を得た。
【0008】その原油の脱塩の際、通常行われている静
電式脱塩処理では原油を加熱することが必要であるが、
脱塩処理とコンバインド・サイクル発電を結合すること
により、コンバインド・サイクル発電の排熱回収ボイラ
で有効利用されない低位の熱エネルギを前記脱塩処理の
ための加熱に用い、脱塩処理された高温の原油を前記混
合原料に用いることにより、全体としてコンバインド・
サイクル発電の省エネルギが一層達成できることから、
さらに好ましいとの知見を得て本発明を完成することが
できた。
【0009】すなわち、本発明の第一は脱塩処理された
原油に、これよりもバナジウム含量および硫黄含量の低
い石油系液体燃料を混合してなることを特徴とするバナ
ジウム含量が0.5ppm以下でかつ硫黄含量が1.3
重量%以下のコンバインド・サイクル発電用ガスタービ
ン燃料であり、同じく本発明の第二は脱塩処理された低
硫黄原油に、これよりもバナジウム含量および硫黄含量
の低い石油系液体燃料を混合してなることを特徴とする
バナジウム含量が0.5ppm以下でかつ硫黄含量が
0.05重量%以下のコンバインド・サイクル発電用ガ
スタービン燃料であり、本発明の第三は前記本発明の第
一および第二において、脱塩処理された原油または低硫
黄原油が前記原油または低硫黄原油をコンバインド・サ
イクル発電の排熱回収ボイラで加熱し、次いで静電式脱
塩処理により塩分含量を低下させた高温度の脱塩処理低
硫黄原油であることを特徴とするものである。さらに本
発明の第四は原油または低硫黄原油をコンバインド・サ
イクル発電の排熱回収ボイラで80〜150℃に加熱
し、次いで静電式脱塩処理装置により脱塩処理を行って
塩分含量を0.5ppm以下に低下させ、得られた加熱
脱塩処理原油または低硫黄原油に、これよりもバナジウ
ム含量および硫黄含量の低い石油系液体燃料を混合し
て、バナジウム含量が0.5ppm以下でかつ硫黄含量
が1.3重量%以下となるように調製することを特徴と
するコンバインド・サイクル発電用ガスタービン燃料の
製造方法であり、同じく本発明の第五は原油または低硫
黄原油をコンバインド・サイクル発電の排熱回収ボイラ
で80〜150℃に加熱し、次いでコンバインド・サイ
クル発電設備に併設された静電式脱塩処理装置により脱
塩処理を行って塩分含量を0.5ppm以下に低下さ
せ、得られた加熱脱塩処理原油または低硫黄原油に、こ
れよりもバナジウム含量および硫黄含量の低い石油系液
体燃料を混合して、バナジウム含量が0.5ppm以下
でかつ硫黄含量が1.3重量%以下となるように調製
し、得られた混合燃料をコンバインド・サイクル発電用
ガスタービンに供給して発電し、ガスタービン排ガスを
排熱回収ボイラに供給して蒸気を発生させてスチームタ
ービンにより発電することを特徴とするコンバインド・
サイクル発電方法であり、本発明の第六はコンバインド
・サイクル発電設備、並びに該コンバインド・サイクル
発電設備に併設された静電式脱塩処理装 置及び混合装置
からなり、原油または低硫黄原油をコンバインド・サイ
クル発電の排熱回収ボイラで80〜150℃に加熱し、
次いで前記混合装置において前記静電式脱塩処理装置に
より脱塩処理を行って塩分含量を0.5ppm以下に低
下させ、得られた加熱脱塩処理原油または低硫黄原油
に、これよりもバナジウム含量および硫黄含量の低い石
油系液体燃料を混合して、バナジウム含量が0.5pp
m以下でかつ硫黄含量が1.3重量%以下となるように
調製し、得られた混合燃料をコンバインド・サイクル発
電用ガスタービンに供給して発電し、ガスタービン排ガ
スを前記排熱回収ボイラに供給して蒸気を発生させてス
チームタービンにより発電することを特徴とするコンバ
インド・サイクル発電装置である。以下、本発明を詳し
く説明する。
【0010】
【作用】本発明で用いられる低硫黄原油としては、本発
明で用いるもう一方の原料である後記石油系液体燃料の
使用量を少なくし、また燃焼排ガスの脱硫工程を簡略化
できることから、できるだけ硫黄含量の少ないものが好
ましいことはいうまでもない。大型ガスタービン用燃料
を製造するには通常硫黄含量が1重量%以下、さらに好
ましくは0.9重量%以下の低硫黄原油が用いられる。
同じ理由からバナジウムなどの重金属含量もできるだけ
低いことが好ましい。このような低硫黄原油としては前
記のワックス分の多いミナス産や大慶産低硫黄原油等を
あげることができる。このような低硫黄原油に含まれる
バナジウム量は通常0.4〜0.5ppmである。これ
らの低硫黄原油としてミナス産低硫黄原油は硫黄含量が
約0.1重量%以下と少なく特に好ましい。一般産業用
ガスタービンの燃料を製造するには低硫黄原油の他、さ
らに高い硫黄含量の原油でも用いることができる。
【0011】本発明に用いる前記原油は脱塩処理されて
いることが必要である。脱塩処理は石油系液体燃料と混
合後に得られるガスタービン燃料の塩分含量が前記のよ
うに約0.5ppm以下となればよいが、通常、脱塩後
の原油自体の塩含量が約0.5ppm以下になるように
行われる。また脱塩処理は後記の石油系液体燃料との混
合の直前になされる必要はなく、他の場所でなされても
構わない。しかし、本発明のガスタービン燃料が使用さ
れるコンバインド・サイクル発電の排熱回収ボイラで原
料となる原油を加熱し、次いで静電式により行うことが
好ましい。その場合は、後記石油系液体燃料との混合に
支障のない限り、脱塩された高温度の原油を積極的には
冷却することなく用いることが好ましい。
【0012】本発明に用いる前記原油よりもバナジウム
含量および硫黄含量の低い石油系液体燃料としては、天
然ガス中の重質分でありナフサ相当留分を主留分として
有するコンデンセート、石油精製により得られるナフ
サ、特に好ましくは比較的軽質原油から得られるナフ
サ、LPG、軽油(ケロシン)、ガスオイルを例示する
ことができる。あるいは硫黄含量の多い原油を簡易トッ
パで処理した軽い留分などでもこの要件を満たす。とく
に前記一般産業用ガスタービン燃料を得る場合にはこの
ような安価な石油系液体燃料を用いることができる。通
常これらは蒸留などの工程を経て製造されるので、重金
属含量は事実上殆どゼロに近く、また硫黄含量も比較的
低い。なお、もし前記条件を満たすならば、前記石油系
液体燃料として極低硫黄・極低重金属原油でも構わな
い。これらの石油系液体燃料の中では安価で、かつ硫黄
分が少ない天然ガスコンデンセートあるいはケロシンを
用いることが好ましい。このようなコンデンセートの一
例を示すならばノースウエストシェルフ(オーストラリ
ア)・コンデンセートがあげられる。これは通常バナジ
ウム含量が0.1ppm以下であり、硫黄含量が約10
0ppm(0.01重量%)である。このコンデンセー
トを用い、低硫黄原油として例えば硫黄含量が0.1重
量%の前記ミナス産低硫黄原油を用いる場合は、大型ガ
スタービン用燃料を製造するには両者の混合比は各等重
量で前記制限をほぼ満たすことになる。
【0013】
【実施例】本発明のガスタービン燃料を製造し、それを
用いるコンバインド・サイクル発電の好ましい工程例を
図1によって説明する。図1では主要設備のみ示し、付
属設備は省略してある。前記原油はタンク4から脱塩処
理工程5に送る前に排熱回収ボイラ2で加熱される。加
熱温度は後段の脱塩処理工程5により静電式脱塩に適す
る温度、例えば80〜150℃の範囲、さらにそれぞれ
の原油の粘度と比重により好ましい温度まで加熱する。
加熱された原油は脱塩処理工程5の複数のディソルータ
6により淡水を用いて脱塩処理される。なお、以下の原
油の脱塩処理技術自体は公知である。ディソルータ6は
通常2〜3段で行われる。図1では3段の場合を示して
いる。脱塩処理に使用される淡水は後記の排水により予
備加熱され、2段目ディソルータで脱塩処理された原油
と共に第3段目のディソルータに供給される。ディソル
ータでは加熱された原油と淡水とを混合し、例えば2万
ボルト程度の静電圧を印加して水滴を凝集させて分離す
るものであり、原油の粘度を下げ、また水と原油の比重
差による分離を容易にするため前記のように加熱する。
第3段目のディソルータの下部から分離された塩分を含
む排水は第2段目、さらには第1段目のディソルータで
同様に原油と混合され、分離され、最終的に塩分を含ん
だ排水は第1段目のディソルータの下部から排出され、
前記の淡水の予備加熱を経た後、排水処理設備へ送られ
る。一方排熱回収ボイラ2で加熱された原油は第1段目
のディソルータから第3段目のディソルータに向かって
処理されるに従い脱塩程度が進む。第3段目のディソル
ータの上部から分離された脱塩処理原油は温度80〜1
50℃の高温のまま、混合器7により石油系液体燃料タ
ンク8から供給される石油系液体燃料と混合される。混
合に支障を来す場合は混合器7の前に脱塩処理原油を冷
却する装置を設けてもよい。ガスタービンの種類によ
り、前記各制限を満たすように脱塩処理原油と石油系液
体燃料を混合し、得られるガスタービン燃料はガスター
ビン1に供給される。
【0014】ガスタービン1では図示しない発電機によ
り発電が行われ、580℃程度の燃焼排ガスは熱回収の
ため排熱回収ボイラ2に供給される。ここでは排熱を用
いてスチームタービン9により発電がなされ、スチーム
は復水器10にて凝縮され、ポンプで排熱回収ボイラ2
に循環される。排熱回収ボイラ2で熱回収された燃焼排
ガスは煙突3から大気に排出される。
【0015】なお、図1のように脱塩処理工程をコンバ
インド・サイクル発電と組み合わせることにより、脱塩
処理工程5を経た高温の原油は冷却されることなく混合
器7を経てガスタービン1に供給される。これにより常
温の脱塩原油を用いる場合に比べ燃料を前記脱塩処理後
の温度まで加熱するのに必要な熱量だけガスタービンの
発電効率(熱効率)を向上させることができ、しかもそ
の燃料の加熱に必要な熱エネルギとしては同じガスター
ビン1の排熱回収ボイラ2を用いるので、比較的低位の
(低温の)熱エネルギが有効に利用できる。さらに別の
利点として、脱塩処理を別の個所で行う場合は脱塩処理
した原油は一旦冷却してタンクに貯蔵され、あるいは貯
蔵中に冷却され、その後発電設備に運ばれるため、脱塩
処理のために別途加熱エネルギが必要であり、しかもそ
の加熱エネルギーが有効に利用されない。前記図1のよ
うに脱塩処理工程5とガスタービン1による発電を組み
合わせることにより、排熱回収ボイラ2の低位の熱エネ
ルギが有効に利用でき、その分ガスタービン1の発電効
率を向上させることができることとなる。
【0016】本発明では原油中の塩分を低下させるだけ
の前処理で石油系液体燃料と混合され、ガスタービン燃
料としての制限を満たしてガスタービン1に供給され
る。従って、ガスタービン1の保守・点検、ブレードの
交換などの頻度は従来の精製燃料等を用いた場合と何等
変わらない。また、簡単な混合器7と必要に応じてタン
クを新設する程度で、原油の脱硫・脱重金属などに要す
る経費を大幅に軽減でき、また原料の原油を全てガスタ
ービンに供給できることとなるので、全体としては経済
性が非常に高くなる。
【0017】
【発明の効果】以上詳細に述べたように、本発明により
原油に脱塩処理を施すのみで所定の石油系液体燃料と混
合することにより、原油をフルに熱効率のよいガスター
ビン燃料として用いることができることとなった。すな
わち、従来の低硫黄原油のボイラ焚きスチームタービン
による発電から熱効率のはるかに優れるコンバインド・
サイクル発電に切り替えの際の燃料として、従来より使
用の原油に簡単な脱塩処理を施し、入手容易な所定の石
油系燃料を単に混合するのみで達成てきることとなっ
た。コンバインド・サイクル発電は熱効率がよいので、
一定燃料当たりの発電量を増やすことができ、これは省
エネルギのみならず、発電に伴う発生するCO2 による
地球温暖化防止やSOxなどの有害物質の発生抑制の観
点からも極めて有利である。さらに原油の脱塩処理のた
めの熱エネルギ源として排熱回収ボイラを用いることに
より、省エネルギがより達成される。原油のうち、特に
低硫黄原油を用いると大型で高性能のガスタービンに適
する燃料が得られる。さらに、本発明の脱塩処理工程を
組み込んだコンバインド・サイクル発電方法および装置
は、脱塩処理を行うための原油の加熱およびガスタービ
ンに供給する燃料の加熱を、同一設備内の排熱回収ボイ
ラで行うので、排熱回収ボイラの低位の熱エネルギが有
効に利用でき、コンバインド・サイクル発電効率を大幅
に向上させることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスタービン燃料を製造し、これが適
用されるコンバインド・サイクル発電の好ましい工程の
説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 道雄 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社本社内 (72)発明者 柴田 正俊 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三菱重工業株式会社本社内 (56)参考文献 特開 昭54−1438(JP,A) 特開 昭56−116790(JP,A) 特公 平3−38315(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C10L 1/04 F01K 23/10 F02C 3/24 F02C 7/22

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱塩処理された原油に、これよりもバナ
    ジウム含量および硫黄含量の低い石油系液体燃料を混合
    してなることを特徴とするバナジウム含量が0.5pp
    m以下でかつ硫黄含量が1.3重量%以下のコンバイン
    ド・サイクル発電用ガスタービン燃料。
  2. 【請求項2】 脱塩処理された低硫黄原油に、これより
    もバナジウム含量および硫黄含量の低い石油系液体燃料
    を混合してなることを特徴とするバナジウム含量が0.
    5ppm以下でかつ硫黄含量が0.05重量%以下のコ
    ンバインド・サイクル発電用ガスタービン燃料。
  3. 【請求項3】 脱塩処理された原油または低硫黄原油
    が、前記原油または低硫黄原油をコンバインド・サイク
    ル発電の排熱回収ボイラで加熱し、次いで静電式脱塩処
    理により塩分含量を低下させた高温度の脱塩処理原油ま
    たは低硫黄原油であることを特徴とする請求項1または
    2記載のコンバインド・サイクル発電用ガスタービン燃
    料。
  4. 【請求項4】 原油または低硫黄原油をコンバインド・
    サイクル発電の排熱回収ボイラで80〜150℃に加熱
    し、次いで静電式脱塩処理装置により脱塩処理を行って
    塩分含量を0.5ppm以下に低下させ、得られた加熱
    脱塩処理原油または低硫黄原油に、これよりもバナジウ
    ム含量および硫黄含量の低い石油系液体燃料を混合し
    て、バナジウム含量が0.5ppm以下でかつ硫黄含量
    が1.3重量%以下となるように調製することを特徴と
    するコンバインド・サイクル発電用ガスタービン燃料の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 原油または低硫黄原油をコンバインド・
    サイクル発電の排熱回収ボイラで80〜150℃に加熱
    し、次いでコンバインド・サイクル発電設備に併設され
    た静電式脱塩処理装置により脱塩処理を行って塩分含量
    を0.5ppm以下に低下させ、得られた加熱脱塩処理
    原油または低硫黄原油に、これよりもバナジウム含量お
    よび硫黄含量の低い石油系液体燃料を混合して、バナジ
    ウム含量が0.5ppm以下でかつ硫黄含量が1.3重
    量%以下となるように調製し、得られた混合燃料をコン
    バインド・サイクル発電用ガスタービンに供給して発電
    し、ガスタービン排ガスを排熱回収ボイラに供給して蒸
    気を発生させてスチ ームタービンにより発電することを
    特徴とするコンバインド・サイクル発電方法。
  6. 【請求項6】 コンバインド・サイクル発電設備、並び
    に該コンバインド・サイクル発電設備に併設された静電
    式脱塩処理装置及び混合装置からなり、原油または低硫
    黄原油をコンバインド・サイクル発電の排熱回収ボイラ
    で80〜150℃に加熱し、次いで前記混合装置におい
    て前記静電式脱塩処理装置により脱塩処理を行って塩分
    含量を0.5ppm以下に低下させ、得られた加熱脱塩
    処理原油または低硫黄原油に、これよりもバナジウム含
    量および硫黄含量の低い石油系液体燃料を混合して、バ
    ナジウム含量が0.5ppm以下でかつ硫黄含量が1.
    3重量%以下となるように調製し、得られた混合燃料を
    コンバインド・サイクル発電用ガスタービンに供給して
    発電し、ガスタービン排ガスを前記排熱回収ボイラに供
    給して蒸気を発生させてスチームタービンにより発電す
    ることを特徴とするコンバインド・サイクル発電装置。
JP4329352A 1992-12-09 1992-12-09 ガスタービン燃料とその製法、並びに発電方法とその装置 Expired - Lifetime JP2865961B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4329352A JP2865961B2 (ja) 1992-12-09 1992-12-09 ガスタービン燃料とその製法、並びに発電方法とその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4329352A JP2865961B2 (ja) 1992-12-09 1992-12-09 ガスタービン燃料とその製法、並びに発電方法とその装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06172762A JPH06172762A (ja) 1994-06-21
JP2865961B2 true JP2865961B2 (ja) 1999-03-08

Family

ID=18220501

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4329352A Expired - Lifetime JP2865961B2 (ja) 1992-12-09 1992-12-09 ガスタービン燃料とその製法、並びに発電方法とその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2865961B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0338315A (ja) * 1989-07-04 1991-02-19 Shinko Serubitsuku:Kk 入子式樹脂成形用金型

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06172762A (ja) 1994-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100440845B1 (ko) 석유 연료 연소식 일체형 복합 사이클 발전 시스템 및 방법
JP2000273467A (ja) ガスタ−ビン燃料油及びその製造方法並びに発電方法
RU2018140018A (ru) Экологичное судовое топливо
JP3572176B2 (ja) コンバインド・サイクル発電方法及び発電装置
JP4627468B2 (ja) ガスタービン燃料の製造方法、ガスタービン発電方法及び発電装置
JP4495791B2 (ja) コンバインドサイクル発電システム
EP3565873B1 (en) Processes for power generation
WO1997008276A1 (en) Emulsion fuels and their use in gas turbines
DE4032045C2 (ja)
US5911875A (en) Method and system for generating power from residual fuel oil
JP2865961B2 (ja) ガスタービン燃料とその製法、並びに発電方法とその装置
JP2554229B2 (ja) コンバインド・サイクル発電方法
JP2862118B2 (ja) 発電方法
US6223522B1 (en) Combined cycle power plant and method using both light and heavy oils
JP2554230B2 (ja) コンバインド・サイクル発電方法
US20140259889A1 (en) System and process for handling heavy oil residue
WO2007144661A2 (en) Method for the generation of electrical power
JP2554228B2 (ja) コンバインド・サイクル発電方法
JP2735991B2 (ja) 発電方法
JP2576006B2 (ja) 発電方法
JP2511227B2 (ja) 発電燃料の製造方法と発電方法
JP2000282060A (ja) ガスタ−ビン燃料油及びその製造方法並びに発電方法
JPH10331609A (ja) コンバインド・サイクル発電方法及びその発電装置
JP2000282069A (ja) ガスタービン燃料油の製造方法及びガスタービン燃料油
CN115340892A (zh) 一种复合型表面活性剂乳化船用煤焦燃料油及制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19981117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071218

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081218

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091218

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091218

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101218

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101218

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111218

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111218

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121218

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term