JP2862917B2 - 二・三輪車の後部トランク構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、二・三輪車の後部トランクの改良に関す
る。

（従来の技術） 近年、都市部において道路混雑中の配達等で、その機
動性が買われ二・三輪車が好んで採用されている。この
二・三輪車は、使用目的に応じてシート後方に大型のト
ランクを常設するものがある。

（発明が解決しようとする課題） 前記トランクは小・中型の荷物を収納するに適してい
る。

しかし、二・三輪車の使用目的が多様化し、例えば上
記トランクには収納困難なやや大きな物品を扱う場合に
は、トランクが邪魔になる。この場合はトランク無しの
二・三輪車に乗り換える必要があり不便である。

また、上記トランクは二・三輪車の積載荷重に加算さ
れるので軽量化が望まれる。

（課題を解決するための手段） 上記不具合を解決するために本発明は、メインフレー
ム（２）の後部に床パネル取付メンバ（20,21）を設
け、床パネル取付メンバ（20,21）の下に下部カバー（2
2）を取付け、床パネル取付メンバ（20,21）の上に荷台
としての床パネル（23）を取付け、更に前記床パネル取
付メンバ（20,21）にロープ掛け用フック（27）の止め
部（21b,21d）を着脱可能に取付けてフック（27）の先
端を床パネル（23）と下部カバー（22）との合せ部付近
から側方へ突出させ、前記床パネル（23）に無底ボック
ス状トランク（13）を着脱可能に取付けることで、床パ
ネル（23）にフック（27）を組合わせることと床パネル
（23）にトランク（13）を組合わせることの何れかの組
合わせが可能である構造にしたことを特徴とする。

（作用） トランクに収納した荷物の荷重は専ら床パネルが支承
する。仍って、トランクは底を不要とし、その分、軽量
化を図れる。

トランクが不要な場合には、ビスをゆるめてトランク
を外し、床パンを露出してこの床パンに大型の荷物を載
置し、ロープ等で係止すれば良い。

（実施例） 本発明の実施例を添付図面に基づいて以下に説明す
る。

第１図は本発明に係る三輪車側面図、第２図は同平面
図、第３図は同正面図、第４図は同背面図である。

三輪車１は、メインフレーム２の前部にフロントフォ
ーク３を介して前輪４を軸支し、メインフレーム２の中
央下部から揺動自在にパワーユニット５を後方へ延出
し、パワーユニットの出力軸両端に後輪6,6を配置した
所謂三輪車である。

パワーユニット５は、エンジン5a及びミッションを一
体的に含み、前端のピン5bと図示せぬ垂直ピンとリヤサ
スペンション5cの作用にて上下及び水平に揺動可能であ
る。

一方、フロントフォーク上部のハンドル７と、その後
方のシート８とは、図示するごとくルーフ９で覆われて
いる。このルーフ９の前部は立下ってウインドシールド
10を形成し、このウインドシールド10下端はレッグシー
ルド11に接続する。また、ルーフ９の後部は柱状のルー
フピラー12,12で支承されている。

このルーフピラー12,12はメインフレーム２のシート
後方から立上り、更にルーフピラーの後方にトランク13
が設けられている。

以下、各構成について詳述する。

第３図において、ワイパー14はメインアーム14aとサ
ブアーム14bとで平行リンクを組み、メインアーム14aの
回転軸14cを車体中心線Ｌから寸法ｄだけ水平に変位さ
せたことを特徴とする。

このワイパー14の左右には、ウインカ15,15が常備さ
れている。

第５図はウインカ廻り分解斜視図であり、第１図のメ
インフレーム２から前方上方へ突出したサブフレーム2a
に折曲げプレート16a、ウインカ15がボルト16b,16bでと
も締めされる。

第６図はウインカ取付部の断面図であり、ボルト止め
されたプレート16aに硬質ゴム又はプラスチック製のプ
ロテクタ17を嵌め込み係止する。ウインカのレンズ15a
がプロテクタ17から車体中心に寄っていることを特徴と
する。なお、第５図で18はバックミラーである。

第７図はシート後部の分解斜視図であり、メインフレ
ーム２の後部に床パネル取付メンバとしてのクロスメン
バ20,21を掛け渡して溶接固定し、これらクロスメンバ
の下に下部カバー22、クロスメンバの上に床パネル23と
トランク13が上下に重ねられビス止めされている。

トランク13はトランク本体13aに開閉自在なリッド13b
を具備したボックスであって、底が無い五面で構成した
ことを特徴とする。

一方、メインフレーム２のクロスメンバ20の前部に
は、図示する如く座2b,2bが設けられていて、これら座
に逆Ｕ字フレーム24がビス止めされ、更に逆Ｕ字フレー
ムの上部に設けた２個のクランパー25,25へラバーブー
ツ25a,25aを介して、２本のルーフピラー12,12の下端部
が締結され、更にルーフピラー12,12の途中にはヘッド
レスト26が取付けられる。

即ち、ヘッドレスト26は半円柱状の弾性材26aと半円
柱状の受け材26bとを合せて一本の円柱とし、これらを
ビス26c,26cで接合しつつルーフピラー12,12に取付ける
ものである。なお、受け材26bの後面にはハイマウント
ストップランプを付設しても良い。

第８図は第１図のＡ−Ａ線断面図であり、トランク部
の取付状態を示す。

クロスメンバー21の一端部には４個の孔と、３個の各
ナットが溶接止めされている。これら孔は内から外へ順
に床パネル取付部21a、フック止め部21b、床パネル−下
部カバー共締め部21c、フック止め部21dとして設けられ
ている。

よって、床パネル23は左右前後を４本のボルトB2…に
て床パネル取付部21a…へ締付けられ、この床パネル23
に下部カバー22は長いビスB3…でとも締めされ、且つト
ランク13は床パネル23にビスB5…にて締結される。

又、第12図に示す通り、Ｊフック27…はボルトB1,B1
にてフック止め部21b,21dに締付け可能とされている。

トランク13は無底であるから、床パネル23がトランク
の底の作用をする。

以上の構成からなる三輪車の作用を次に述べる。

第１図において三輪車使用者は、リッド13bを開け、
トランク本体13aに物品を出入れする。走行中には、ヘ
ッドレスト26へ頭を載せることは自在であり、雨天にあ
っては、ワイパー14でウインドシールド10を拭く。

この際に、ワイパーのメインアーム14aが運転者の正
面右方中心からｄだけへ寄っているので、運転者の視界
を遮る度合は少ない。

第９図は第３図の別実施例図であり、本例はサブアー
ム14dが湾曲し、正面視で、メインアーム14aの背後に隠
れるようにしたものである。よって、視界を遮る度合は
更に減少する。

また三輪車１は、正面視で左右端にウインカ15,15を
備えている。これらウインカ15,15はできるだけ車両の
外側に配置された方が良いが、その分、万一転倒した場
合等には破損の虞れが増す。しかし、三輪車１はウイン
カ15,15の外方にプロテクタ17,17を常備しているので、
ウインカレンズ15a,15aの破損は免れる。

更に、プロテクタとウインカとを共締めするので格別
に部品点数が増す心配は無く、被視認性に優れたウイン
カ配置を提供する。

次に、やや大きな物品を運搬するなどの理由からトラ
ンク13を取り外す場合について述べる。

この場合、第８図においてトランク13に係るビスB5…
のみをゆるめて、トランク13を上方へ撤去すると、床パ
ネル23が露出する。また、トランク13で隠されていた逆
Ｕ字フレーム24も露出する。

従って、第10図に示す如く化粧カバー28でカバーす
る。

第11図はトランク無し荷台を示し、床パネル23に自在
に物品を載せ、これをロープ（図示せず）などでＪフッ
ク27…に係止する。床パネル23は左右及び後方が開放さ
れているので長尺物を積載可能である。

なお、第12図に示すごとくＪフック27はクロスメンバ
20,21に偏心してビス止めされているので、Ｊフック27
はボルトB1〜B3と干渉する恐れは無い。

更に、本発明は二輪車にも有用である。

（発明の効果） 以上に述べた通り、本発明はメインフレームの後部に
床パネル取付メンバを設け、この床パネル取付メンバに
荷物を載せる為の床パネルを取付け、この床パネルに無
底ボックス状トランク若しくはロープ掛け用フックを組
合わせる構造としたので、トランクが不要なときにはフ
ックを設けることにより、床パネルに載せた荷物をロー
プ及びフックで固定することができる。そして、トラン
クは底が無いので軽量であるため、トランクの取付け、
取外しは極めて容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る三輪車側面図、 第２図は同平面図、 第３図は同正面図、 第４図は同背面図、 第５図はウインカ廻り分解斜視図、 第６図はウインカ取付部の断面図、 第７図はシート後部の分解斜視図、 第８図は第１図のＡ−Ａ線断面図、 第９図は第３図の別実施例図、 第10図は化粧カバー取付け図、 第11図はトランク無し荷台を示す図、 第12図はＪフックの取付け図。 １……三輪車、２……メインフレーム ８……シート、13……トランク 23……床パネル、B4……ビス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長田 直明 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 金沢 賢悟 埼玉県和光市中央１丁目４番１号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−85775（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−118471（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−57172（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−190281（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−132991（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−28683（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B62J 9/00 B62J 7/08

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】メインフレーム（２）の後部に床パネル取
   付メンバ（20,21）を設け、床パネル取付メンバ（20,2
   1）の下に下部カバー（22）を取付け、床パネル取付メ
   ンバ（20,21）の上に荷台としての床パネル（23）を取
   付け、更に前記床パネル取付メンバ（20,21）にロープ
   掛け用フック（27）の止め部（21b,21d）を着脱可能に
   取付けてフック（27）の先端を床パネル（23）と下部カ
   バー（22）との合せ部付近から側方へ突出させ、前記床
   パネル（23）に無底ボックス状トランク（13）を着脱可
   能に取付けることで、床パネル（23）にフック（27）を
   組合わせることと床パネル（23）にトランク（13）を組
   合わせることの何れかの組合わせが可能である構造にし
   たことを特徴とする二・三輪車の後部トランク構造。