JP2862747B2 - 連続式玉子焼装置及び玉子焼皿 - Google Patents

連続式玉子焼装置及び玉子焼皿

Info

Publication number
JP2862747B2
JP2862747B2 JP5043052A JP4305293A JP2862747B2 JP 2862747 B2 JP2862747 B2 JP 2862747B2 JP 5043052 A JP5043052 A JP 5043052A JP 4305293 A JP4305293 A JP 4305293A JP 2862747 B2 JP2862747 B2 JP 2862747B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
egg
dish
grilling
baking
continuous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP5043052A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06253987A (ja
Inventor
武彦 大西
士郎 品川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinagawa Machinery Works Co Ltd
Original Assignee
Shinagawa Machinery Works Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shinagawa Machinery Works Co Ltd filed Critical Shinagawa Machinery Works Co Ltd
Priority to JP5043052A priority Critical patent/JP2862747B2/ja
Publication of JPH06253987A publication Critical patent/JPH06253987A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2862747B2 publication Critical patent/JP2862747B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Baking, Grill, Roasting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、だし巻玉子焼、オムレ
ツ玉子焼等の玉子焼を連続して製造することのできる連
続式玉子焼装置及び玉子焼皿に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の連続式玉子焼装置の第1の従来例
として、連続して回転する無端鎖に所定の間隔で複数の
玉子焼皿が固定された構造が採用されたものがある。そ
のような連続式玉子焼装置に使用される玉子焼皿の一例
が、実公昭51−20298号公報に記載されている。
このような、連続式玉子焼装置では、水平方向に移動中
の玉子焼皿に対して、調整された液卵が所定量づづ挿入
される。また、玉子焼のための加熱も、水平方向に移動
中の玉子焼皿に対して行われる。加熱方法としては、ガ
スバーナ等の加熱手段が使用される。加熱は、玉子焼皿
がベルトコンベア状に連続的に回転する間において、玉
子焼皿が上方を向いているときに行われ、それ以外のと
きにはなされない。すなわち、無端鎖の回転に応じて、
玉子焼皿が装置の下部を水平移動している間は、その玉
子焼皿に対しては、加熱が行われていない。
【0003】この装置によれば、液卵を玉子焼皿に充填
することにより生じる玉子焼皿の温度変化、外気の温度
変化等の諸条件に応じて、ガスバーナのコックを調節
し、その火力を好ましいレベルに調整する必要がある。
特に、液卵は、10℃から40℃程度の種々の温度にて
玉子焼皿に供給されるものであるため、玉子焼皿の温度
変化は、液卵の温度に応じて大きく変化する。なお、火
力が好ましいレベルにあるか否かは、作製された玉子焼
の焼加減を目視することにより判断されることになる。
【0004】この装置では、加熱されながら水平に移動
する玉子焼皿に対して、油塗布工程、液卵充填工程、玉
子を平板状に焼き上げる工程、巻きロールにより焼玉子
をロール状に巻き取る工程、ロール状の焼玉子を並設さ
れた成形皿に移す工程、及び、装置の端部にて焼玉子を
取り出す工程が、順次、実行される。連続的に回転する
無端鎖に所定の間隔で設けられた複数の玉子焼皿に対し
て、上記各工程が実行される。このため、上記各工程を
行うための各手段は、それぞれ、玉子焼皿が移動する方
向に沿って、直列的に、所定間隔を置いて配列されてい
る。この間隔としては、それぞれ、一定以上の距離が要
求される。例えば、玉子を平板状に焼き上げるには一定
の時間が必要であるため、その時間内に玉子焼皿が移動
する距離を充分に確保するように、液卵充填手段と巻き
ロール手段との間に所定距離を置いている。
【0005】玉子焼皿を移動させる代わりに、玉子焼皿
を1箇所に固定した玉子焼装置(玉子焼皿(第2の従来
例)が開発されている。この玉子焼装置によれば、巻き
ローラ手段、充填受け皿及び油拭き手段等を一体として
備えた器具が、固定された玉子焼皿の上方を移動する。
固定された玉子焼皿に対する加熱は、その下方に設けら
れたシーズヒータに電力を供給することにより行われ
る。玉子焼皿の温度調節は、シーズヒータに供給する電
力の量を調節することにより行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術においては、以下に示す問題点がある。
【0007】まず、第1の従来例の問題点について説明
する。
【0008】ガスバーナによる加熱方法を採用する第1
の従来例の第1の問題点は、種々の温度の液卵を玉子焼
皿に充填するときの玉子焼皿の温度変化、外気の温度変
化等の諸条件に応じてガスバーナの火力を最適レベルに
調節する過程で、数多くの製品ロスが生じてしまうこと
である。また、そのような製品ロスを少なくするために
は、ガスバーナの火力を調節するのに熟練した作業者が
必要である。
【0009】第2の問題点は、玉子焼皿がベルトコンベ
ア状に連続的に回転する間において、非加熱領域を玉子
焼皿が移動するとき、玉子焼皿からの放熱が発生するこ
とである。この放熱により、一旦上昇した玉子焼皿の温
度は低下してしまう。このため、ガスバーナによる加熱
効率が低下し、ガスバーナのための燃料ガスが無駄に消
費されてしまうことになる。
【0010】第3の問題点は、連続的に各工程を行うた
めの各手段が一定の距離を置いて配列される必要がある
ため、玉子焼装置全体の大きさを小さくすることが困難
なことである。
【0011】第4の問題点は、ガスによる加熱による場
合、その熱効率は約20パーセントと低く、ほとんどの
熱は外気に放出されてしまうことである。このため、室
温の上昇、及び排気ガスによる外気の汚染によって、作
業環境が劣化してしまう。
【0012】第5の問題点は、ガスバーナによる加熱を
制御する際に、弱火状態で失火する恐れがあることであ
る。失火時のガス漏れを防止し、安全性を確保するるめ
には、ガス漏れ検知器の設置が必要となるばかりではな
く、検知器の定期点検も要求されることとなる。
【0013】シーズヒータを用いる第2の従来例の問題
点は、以下の通りである。
【0014】まず、第1の問題点は、玉子焼皿に液卵を
充填した直後に、玉子焼皿の温度が急激に低下してしま
うことにある。このため、玉子が焼き上がる迄に要する
時間が増加する。
【0015】第2の問題点は、焼き上がった玉子を巻き
取った後、次の液卵を玉子焼皿に充填する迄の間に、玉
子焼皿の表面温度が所定の温度レベルに回復しにくいと
いうことである。
【0016】このような問題が生じる理由は、シーズヒ
ータの熱が玉子焼皿の底面に到達し、そこから更に玉子
焼皿の表面に伝導するためには、相当の時間を要するた
めである。このように液卵に奪われた熱をすぐに補給で
きない結果、1工程の焼時間に大きなロスが発生し、そ
れによって生産性が低下してしまうことになる。
【0017】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、玉子焼皿の
温度制御を容易に行うことができ、しかも、機械寸法に
比較して高い生産能力を有する、安全性の高い連続式玉
子焼装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の連続式玉子焼装
置は、磁性体材料膜を有する玉子焼皿と、該玉子焼皿を
一定の位置に支持する支持手段と、該玉子焼皿上に玉子
焼の材料を供給し、該玉子焼皿上に形成された玉子焼シ
ートを一定方向から巻き取るという動作を連続して行う
手段と、該玉子焼皿を加熱する加熱手段と、を備えた連
続式玉子焼装置であって、該加熱手段は、高周波電磁誘
導加熱法により、該玉子焼皿の該磁性体材料膜に渦電流
を生じさせ、それによって該玉子焼皿自体を発熱させ、
上記目的を達成する。
【0019】好ましくは、前記玉子焼皿は、アルミニウ
ム合金からなるケース部分を有しており、かつ、該ケー
ス部分に対して溶射されたメタリコン層を前記磁性体材
料膜として有している。
【0020】本発明の玉子焼皿は、高周波電磁誘導加熱
手段を備えた連続式玉子焼装置に使用される玉子焼皿で
あって、アルミニウム合金からなるケース部分と、該ケ
ース部分に対して溶射されたメタリコン層とを備え、そ
のことにより、上記目的が達成される。
【0021】好ましくは、前記ケース部分は、底部にお
いて、前記一定方向に下り勾配の傾斜面を有している。
【0022】本発明の連続式玉子焼装置は、磁性体材料
膜を有する玉子焼皿であって、少なくとも2個以上設け
られ、各玉子焼皿が水平軸回りに回動可能になった玉子
焼皿と、各玉子焼皿内に玉子焼の材料が供給され、各材
料がシート状の玉子焼に焼き上げられると、隣接する一
方の玉子焼皿を回動させて裏返し、内部の玉子焼きを他
方の玉子焼皿上の玉子焼きの上に重ね合わせる手段と、
玉子焼皿を加熱する加熱手段と、を備えた連続式玉子
焼装置において、該加熱手段は、高周波電磁誘導加熱法
により、該玉子焼皿の該磁性体材料膜に渦電流を生じさ
せ、それによって該玉子焼皿を加熱し、そのことにより
上記目的が達成される。
【0023】好ましくは、前記玉子焼皿は、アルミニウ
ム合金からなるケース部分を有しており、かつ、該ケー
ス部分に対して溶射されたメタリコン層を前記磁性体材
料膜として有している。
【0024】
【作用】加熱手段が、高周波電磁誘導加熱法により、玉
子焼皿の磁性体材料膜中に渦電流を生じさせ、それによ
って玉子焼皿自体を発熱させることができる。
【0025】玉子焼皿は、アルミニウム合金からなるケ
ース部分を有しており、かつ、ケース部分に対して溶射
されたメタリコン層を前記磁性体材料膜として有してい
るため、発熱する磁性体材料膜から玉子焼皿の上面に対
して速やかに熱が伝導する。加えて、ケース部分がアル
ミニウム合金であるので、玉子焼皿が錆にくく、その
分、清掃作業が容易である。玉子焼皿のケース部分は、
底部において、前記一定方向に下り勾配の巻き取り傾斜
面を有しているので、焼き上げられた玉子の巻き取りが
その方向に対して効率的に実行され、焼玉子の形状を崩
すことなく玉子焼皿外への移換が達成される。また、各
玉子焼皿が水平軸回りに回動可能になっており、各玉子
焼皿内に玉子焼の材料が供給され、各材料がシート状の
玉子焼に焼き上げられると、隣接する一方の玉子焼皿を
回動させて裏返し、内部の玉子焼きを他方の玉子焼皿上
の玉子焼きの上に重ね合わせる構成によれば、複数層の
焼玉子層からなる厚手の玉子焼を自動的に得ることがで
きる。従って、手作業でもってこのような玉子焼を作製
する手間を必要としない。 また、玉子焼皿は発熱手段が
層厚の薄い磁性体材料膜であるので、軽量化が図れる。
よって、小さな駆動力で簡単に回動できる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明を実施例について説明する。
【0027】図1に示されるように、本実施例の連続式
玉子焼装置10においては、玉子焼皿1が一定の位置に
支持されている。本実施例では、図面に対して垂直な方
向に、1組の玉子焼皿1が並列している。玉子焼皿1の
詳細は、図4(a)及び(b)に示されている。一方、
固定された玉子焼皿1に油を塗布する油塗布装置、玉子
焼皿1上に玉子焼の材料を供給する液卵充填装置、平板
状に焼き上げられた玉子をロール状に巻き取るロール巻
き装置等が一体化された装置(一体化部分)2は、玉子
焼皿1の上を水平方向に移動するように配置されてい
る。液卵充填装置等の装置は、並列に配置された玉子焼
皿1に対応して配置されている。これらの構成の概略
は、基本的には、前述の第1の従来例の構成に類似して
いる。なお、液卵充填装置は、一体化部分2から分離独
立たものであってもよい。すなわち、連続式玉子焼装置
10の端部に固定され、玉子焼皿1に対して、液卵を供
給する構成をとってもよい。
【0028】より詳細に、本連続式玉子焼装置10の構
成及びその動作を説明する。玉子焼皿1上を水平方向に
移動する一体化部分2には、液卵及び食用油等が適宜供
給される。一体化部分2は、走行用モータ(不図示)の
駆動により、図中水平方向の左右に移動する。一体化部
分2の油塗布装置は、水平方向の図中左側へ移動しなが
ら、玉子焼皿1の巻き取りケース部分の上面に油を塗布
する。次に、液卵充填装置から玉子焼皿1上に玉子焼の
材料である液卵を供給する。液卵充填により玉子焼皿1
の表面温度を大きく変化させないようにするためには、
液卵の温度が室温よりも幾らか高い温度(例えば60
℃)に維持されていることが好ましい。所定時間経過
後、玉子焼皿1の巻き取りケース内で充填された液卵が
シート状に焼き上げられたならば、図中左端から水平方
向右側へ一体化部分2が移動しながら、ロール巻き装置
が焼き上げられた玉子をロール状に巻き取る。この様子
は、図2に模式的に示されている。ロール巻き装置に対
しては、その巻き取り部分(図2に於て「21」で示さ
れる部分)を回転させるための回転力がモータにより供
給されている。そのようなモータは、走行用モータと共
に、例えば、玉子焼皿1の下方に設けられていてもよ
い。
【0029】玉子焼皿1の巻き取りケースは、図1及び
図4に示されるように、その両端部において傾斜する2
つの斜面1a及び1bを有している。この結果、焼玉子
を容易に巻き取り始めることができ、また、一体化部分
2が玉子焼皿1の右端に達すると、玉子焼皿1の右端に
隣接する場所に設けられた整形ケース(成形皿)3a及
び3b内に、巻き取られた玉子が容易に移換される。図
面中で隣接する2つの整形ケース3a及び3bは、それ
ぞれ、水平方向に平行で図面に垂直な軸について回転可
能に支持されている。その軸に対する回転により、左の
整形ケース3a内の玉子は、右隣の整形ケース3bに移
換され、また、右の整形ケース3b内の玉子は、取り出
しベルトコンベア4上に移換されることとなる。これら
の整形ケース3a及び3bも、玉子焼皿1に対応して、
図面に垂直方向に1組並列している。
【0030】図中左の整形ケース3a内に移換された玉
子は、まず、その整形ケース3a中で上方から加圧整形
され、所定形状に整えられる。その後、整形ケース3a
が前記軸に関して180度回転した後、右の整形ケース
3b内において上方から再び加圧整形される。この後、
右の整形ケース3bを前記軸に関して更に180度回転
し、整形の完了した玉子焼を取り出し用ベルトコンベア
4上に移動させる。コンベア用モータ5により駆動され
る取り出し用ベルトコンベア4の回転に従って、コンベ
ア4上の玉子焼は、図中右側へ搬送され、装置10の右
端部にて、装置外へ移動される。一体化部分2が図中左
へ移動する際、再び油塗布装置によって効率的に玉子焼
皿1に油が塗布される。本装置10によれば、このよう
な一連の動作が連続して実行されることにより、玉子焼
が連続して大量に生産される。本発明の主要な特徴の一
つは、玉子焼皿1を加熱する技術手段にある。本実施例
では、玉子焼皿1を加熱するための加熱手段6、玉子焼
皿1の構造及び材料について、新規な改良が施されてい
る。以下に、その点を詳細に説明する。
【0031】まず、玉子焼皿1に対する加熱法として、
高周波電磁誘導加熱法を採用している。高周波電磁誘導
加熱は、高周波磁束を磁性体に通過させ、それによっ
て、磁性体に渦電流を発生させ、その結果、渦電流によ
るジュール熱を生じさせるというものである。高周波磁
束の表皮効果により、被加熱物の吸収電力が高められ、
瞬間的な加熱が達成される。こうして、種々の温度にあ
る液卵の充填による玉子焼皿1表面の温度回復が速く、
焼時間が短縮される、また、焼き上げられた玉子焼を巻
き取った後、次の液卵を充填する迄に所定温度に回復す
る時間も短縮される。特に、玉子焼皿1を固定する構成
を採用しているために、玉子焼皿1に対する加熱が常に
行われ得て、玉子焼皿1からの無駄な放熱が防止される
結果、装置の生産能力が大幅に上昇する。また、伝熱効
率が80から90パーセント程度と高いため、ランニン
グコストも低下する。一方、ガスの燃焼を伴わないた
め、作業環境も良好に維持される。
【0032】高周波加熱手段6としては、例えば、市販
されているものを使用することができる。例えば、電源
電圧200/220V、電源周波数数50/60Hzの
動作条件のもとで、3kWの電力を投入することによ
り、充分な加熱がもたらされる。
【0033】また、玉子焼皿1として、新規な構造の皿
を開発し、採用している。この玉子焼皿1は、構成上、
大きく2つの部分に分かれている。第1の部分は、玉子
焼皿1に適したアルミニウム合金材料からなる皿形状部
分(巻き取りケース部分)であり、第2の部分は、この
皿形状部分の底面部に対して溶射されたメタリコン層部
分である。メタリコン層は磁性体の一つであるため、高
周波電磁誘導により、その内部に渦電流が生じ、それに
よって熱が発生する。
【0034】図4(a)は、1組の玉子焼皿1の平面構
造を示し、図4(b)は、その断面構造を示している。
メタリコン層部分は、典型的には厚さは約1mm以上で
ある(図4(b)には特に明示されていない)。図4
(a)に示されるように、本実施例の玉子焼皿1のそれ
ぞれには、温度検出用センサ7が埋め込まれている。こ
のセンサ7の検出する温度に従って、加熱手段6へ供給
する電力が調整され、その結果、玉子焼皿1の温度が所
定温度にコントロールされる。本実施例によれば、玉子
焼皿1が固定されているために、温度検出用センサ7を
玉子焼皿1に直接に接触するようにして設けることが可
能となる。玉子焼皿がコンベア上を移動する構成では、
玉子焼皿の温度は、非接触式の温度センシング法によら
なければならない。
【0035】本実施例によれば、メタリコン層自身にほ
ぼ均一に熱が発生するため、このメタリコン層に密着し
たアルミニウム合金部分にも、速やかに、しかも、均等
に熱が伝えられる。このため、液卵充填直後の玉子焼皿
1の表面温度の回復が速くなり、また焼時間も短縮され
る。また、玉子を取り出した後、次の液卵を充填する迄
の間に玉子焼皿1の温度を所定温度に急速に回復するこ
とができる。特に、発熱する部分に接するように温度セ
ンサが設けられているため、温度制御が時間のズレなく
実行される。
【0036】本連続式玉子焼装置に使用する玉子焼皿1
の形状は、通常の玉子焼皿1に比較して、特殊な形状を
有している。すなわち、前述したように、玉子焼皿1に
おいて液卵が充填される凹部の底面は、その両端で勾配
のある傾斜面1a及び1bを有している。このような構
造によって、固定された玉子焼皿1上で焼き上げられた
玉子を移動式の巻き取りローラでうまく巻き取ることが
可能となる。このような特殊形状の玉子焼皿1を作製す
るためには、加工の容易なアルミニウム合金材料を用い
て皿形状部分をつくることが好ましい。しかし、アルミ
ニウム合金は磁性体ではないため、そのままでは、高周
波電磁誘導加熱法を適用することができない。一方、磁
性体材料のみを用いて、玉子焼皿1を形成すると、玉子
焼皿1として好ましいものが得られない。例えば、鉄を
用いると、錆やすいという問題がある。そこで、本発明
の玉子焼皿1には前述の2重構成を採用した。
【0037】なお、本実施例では玉子焼皿1は一定位置
に支持されているが、ローラ(図2において、参照番号
「21」で示されている)による巻き取りがスムーズに
なるように、ローラ21の応圧に応じて玉子焼皿1が上
下するような構成を採用してもよい。本発明では、高周
波電磁誘導加熱手段6を用いているため、玉子焼皿1と
加熱手段6との距離間隔が多少変動しても、玉子焼皿1
の温度変動が生じない。 以下に、本発明を他の実施例
(第2実施例)について説明する。 図3(a)から
(e)に示されるように、本実施例の連続式玉子焼装置
においては、少なくとも2個で1組の玉子焼皿30a及
び30bが使用される。一組の玉子焼皿30a及び30
bのうち一方の玉子焼皿30aに充填された液卵は、シ
ート状に焼き上げられたあと、他方の玉子焼皿30bで
シート状に焼き上げられた玉子焼上に重ねられる。こう
して、2枚に重ねられた玉子焼は、次に、最初の玉子焼
皿30a上でシート状に焼き上げられ玉子焼上に重ねら
れ、3枚のシートからなる玉子焼にされる。図3(a)
から(e)に示されるように、一連の動作が繰り返さ
れ、例えば、6枚シートの玉子焼が得られる。
【0038】これらの玉子焼皿30a及び30bとして
は、基本的には、第1の実施例に使用される玉子焼皿1
の構成と同じ2重構成が採用されている。ただし、本実
施例の玉子焼皿30a及び30bの形状は、第1の実施
例の玉子焼皿2の形状と異なっている。これは、本実施
例では、ローラによる焼玉子の巻き取りを行われないか
らである。
【0039】玉子焼皿30a及び30bに対する加熱
は、第1の実施例の加熱手段6と同様の高周波電磁誘導
加熱手段を用いて実行される。この結果、第1の実施例
と同様に、玉子焼皿のメタリコン層自身にほぼ均一に熱
が発生するため、このメタリコン層に密着したアルミニ
ウム合金部分にも、速やかに、しかも、均等に熱が伝え
られる。従って、液卵充填直後の玉子焼皿の表面温度の
回復が速くなり、また焼時間も短縮される。また、玉子
を取り出した後、次の液卵を充填する迄にの間に玉子焼
皿30a及び30bの温度を所定温度に急速に回復する
ことができる。このことは、液卵の充填及び焼き上げを
繰り返して多数枚のシートからなる焼玉子を製造する本
実施例の装置では、特に有用である。
【0040】本実施例でも、温度センサ(不図示)が玉
子焼皿に埋め込まれている。なお、玉子焼皿としては、
オムレツに適した形状を有するものであってもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果が得られる。
【0042】(1) 高周波電磁誘導加熱手段と、これ
に適した新規な玉子焼皿とを採用することにより、玉子
焼皿の温度を速やかに所望温度に調節することができ
る。このため、液卵を皿に充填するときの皿の温度変化
や外気の温度変化等の諸条件に応じて玉子焼皿の温度を
最適化する過程において、製品ロスが生じにくくなる。
また、温度調節に熟練した作業者も不要となる。
【0043】(2) 玉子焼皿の位置が加熱手段の位置
に対して固定されており、玉子焼皿がベルトコンベア状
に連続的に回転するということがない。このため、玉子
焼皿は非加熱領域を移動することなく、玉子焼皿からの
無駄な放熱が発生しにくい。このため、一旦上昇した玉
子焼皿の温度は著しく低下することなく、加熱効率が高
く維持される。この結果、高周波電磁誘導加熱手段のた
めの電気エネルギが有効に利用される。
【0044】(3) 玉子焼皿の位置が加熱手段の位置
に対して固定されており、連続的に各工程を行うための
各手段が一定の距離を置いて配列される必要がない。こ
のため、玉子焼装置全体の大きさを小さくすることでき
る。
【0045】(4) 高周波電磁誘導加熱の熱効率は高
く、発生した熱が外気に放出されてしまう割合が少な
い。このため、室温の上昇生じにくい。また、ガスの燃
焼を利用しないため、排気ガスによる外気の汚染による
作業環境劣化が防止される。
【0046】(5) 高周波電磁誘導加熱手段による加
熱の程度を制御する際に、低い加熱状態でも、ガスバー
ナによる失火のような危険はない。ガス漏れ検知器は不
要となり、安全性が確保される。
【0047】(6) 玉子焼皿の一部(磁性体材料膜)
が発熱体として機能するため、発生した熱は、玉子焼皿
の表面に速やかに伝導する。このため、玉子焼皿に液卵
を充填した直後においても、熱の供給が充分に達成さ
れ、その結果、玉子焼皿の温度が急激に低下してしまう
こともない。このため、玉子が焼き上がる迄に要する時
間が短縮される。
【0048】(7) また、同様の理由により、焼き上
がった玉子を巻き取った後、次の液卵を玉子焼皿に充填
する迄の間に、玉子焼皿の表面温度が所定の温度レベル
に回復しにくいということもない。
【0049】 (8) こうして、1工程の焼き時間に大きなロスが発
生せず、生産性が向上する。(9)ケース部分がアルミニウム合金であるので、玉子
焼皿が錆にくく、その分、清掃作業が容易である。 (10)また、各玉子焼皿が水平軸回りに回動可能にな
っており、各玉子焼皿内に玉子焼の材料が供給され、各
材料がシート状の玉子焼に焼き上げられると、隣接する
一方の玉子焼皿を回動させて裏返し、内部の玉子焼きを
他方の玉子焼皿上の玉子焼きの上に重ね合わせる構成の
連続式玉子焼装置によれば、複数層の焼玉子層からなる
厚手の玉子焼を自動的に得ることができる。従って、手
作業でもってこのような玉子焼を作製する手間を必要と
しない。 また、玉子焼皿は発熱手段が層厚の薄い磁性体
材料膜であるので、軽量化が図れる。よって、小さな駆
動力で簡単に回動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による連続式玉子焼装置の構成を示す図
である。
【図2】図1の装置の動作の一部を模式的に示すであ
る。
【図3】(a)から(e)は、本発明による他の連続式
玉子焼装置の動作の一部を模式的に示す図である。
【図4】(a)は、図1の装置に使用される玉子焼皿の
上面図、(b)は、(a)のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 玉子焼皿 2 一体化部分 3a 整形ケース 3b 整形ケース 4 コンベアベルト 5 モータ 6 高周波電磁誘導加熱手段 7 温度検出用センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47J 37/04 101 A47J 29/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体材料膜を有する玉子焼皿と、 該玉子焼皿を一定の位置に支持する支持手段と、 該玉子焼皿上に玉子焼の材料を供給し、該玉子焼皿上に
    形成された玉子焼シートを一定方向から巻き取るという
    動作を連続して行う手段と、 該玉子焼皿を加熱する加熱手段と、を備えた連続式玉子
    焼装置であって、 該加熱手段は、高周波電磁誘導加熱法により、該玉子焼
    皿の該磁性体材料膜に渦電流を生じさせ、それによって
    該玉子焼皿自体を発熱させる連続式玉子焼装置。
  2. 【請求項2】 前記玉子焼皿は、アルミニウム合金から
    なるケース部分を有しており、かつ、該ケース部分に対
    して溶射されたメタリコン層を前記磁性体材料膜として
    有している請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 高周波電磁誘導加熱手段を備えた連続式
    玉子焼装置に使用される玉子皿であって、アルミニウム
    合金からなるケース部分と、該ケース部分に対して溶射
    されたメタリコン層とを備えた玉子焼皿。
  4. 【請求項4】 前記ケース部分は、底部において、前記
    一定方向に下り勾配の傾斜面を有している請求項3に記
    載の玉子焼皿。
  5. 【請求項5】 磁性体材料膜を有する玉子焼皿であっ
    て、少なくとも2個以上設けられ、各玉子焼皿が水平軸
    回りに回動可能になった玉子焼皿と、 各玉子焼皿内に玉子焼の材料が供給され、各材料がシー
    ト状の焼玉子に焼き上げられると、隣接する一方の玉子
    焼皿を回動させて裏返し、内部の焼玉子を他方の玉子焼
    皿上の焼玉子の上に重ね合わせる手段と 玉子焼皿を加熱する加熱手段と、を備えた連続式玉子
    焼装置において、 該加熱手段は、高周波電磁誘導加熱法により、該玉子焼
    皿の該磁性体材料膜に渦電流を生じさせ、それによって
    該玉子焼皿を加熱する連続式玉子焼装置。
  6. 【請求項6】 前記玉子焼皿は、アルミニウム合金から
    なるケース部分を有しており、かつ、該ケース部分に対
    して溶射されたメタリコン層を前記磁性体材料膜として
    有している請求項5に記載の装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項5に記載の連続式
    玉子焼装置であって、 該連続式玉子焼装置は、更に、前記玉子焼皿の温度を検
    出するセンサを備え、該センサにより検出した温度に応
    じて、前記加熱手段による加熱の程度を制御する装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項5に記載の連続式
    玉子焼装置であって、 前記玉子焼皿が、該玉子焼皿の温度を検出するセンサを
    備えている装置。
JP5043052A 1993-03-03 1993-03-03 連続式玉子焼装置及び玉子焼皿 Expired - Fee Related JP2862747B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5043052A JP2862747B2 (ja) 1993-03-03 1993-03-03 連続式玉子焼装置及び玉子焼皿

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5043052A JP2862747B2 (ja) 1993-03-03 1993-03-03 連続式玉子焼装置及び玉子焼皿

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06253987A JPH06253987A (ja) 1994-09-13
JP2862747B2 true JP2862747B2 (ja) 1999-03-03

Family

ID=12653116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5043052A Expired - Fee Related JP2862747B2 (ja) 1993-03-03 1993-03-03 連続式玉子焼装置及び玉子焼皿

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2862747B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5426552B2 (ja) 2007-09-11 2014-02-26 杏林製薬株式会社 Gsk−3阻害剤としてのシアノアミノキノロン及びテトラゾロアミノキノロン

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5120298Y2 (ja) * 1973-08-20 1976-05-27
JPS5838175B2 (ja) * 1980-03-21 1983-08-20 株式会社 品川工業所 連続卵焼製造方法及びその装置
JPS6461Y2 (ja) * 1985-05-28 1989-01-05
JP3035694U (ja) * 1996-09-12 1997-03-28 株式会社レプリコンジャパン 芳香器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06253987A (ja) 1994-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3005916B1 (en) Cooking apparatus
CA1080029A (en) Method of and apparatus for heating an item of food
US4191881A (en) Food oven
US5722315A (en) System and device for grilling food
CN104363804B (zh) 烹调设备和控制所述烹调设备的方法
US20090320694A1 (en) Induction wafer baking system
US6867397B2 (en) Heating apparatus and heating stabilization device in thereof
JP2862747B2 (ja) 連続式玉子焼装置及び玉子焼皿
JP4161550B2 (ja) 焼き餃子の製造方法
US20020069764A1 (en) Cooking apparatus with cycling heat element
US20020152898A1 (en) Flat bread and tortilla warmer
JP4422492B2 (ja) グリル構成要素
JP3547413B2 (ja) 食品の通電加熱方法
JP3260877B2 (ja) 真空包装焼き物食品の調理方法
JP4183368B2 (ja) 食品の焼成装置
CN2914670Y (zh) 一种食品电烤炉
JPH088743Y2 (ja) 電気式連続フライヤ
CN215533705U (zh) 一种烧烤均匀的乳猪炉
KR102526657B1 (ko) 부침개 조리방법
KR102445164B1 (ko) 전기식 튀김솥
US2149538A (en) Method of producing biscuits
JP3009738U (ja) 卵焼器
US1563353A (en) Electric cooky baker
JPS5913538Y2 (ja) オ−ブンの棚装置
JPH10229943A (ja) 高周波誘導加熱式積層状卵焼装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19981126

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees