JP2862359B2 - インクジェット装置及び該装置の回復方法 - Google Patents

インクジェット装置及び該装置の回復方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、インクを吐出して記録を行うインクジェッ
ト装置及び該インクジェット装置の回復方法に関する。
このインクジェット装置としては、プリンター、複写
機、ファクシミリ、ワードプロセッサー、電子タイプラ
イター等の、記録方式としてインクジェット方式を用い
る機器を挙げることができる。
[従来の技術] インクジェット記録装置においては、例えば記録用の
インクが充填されているインクカートリッジからインク
ジェット記録ヘッドにインクを供給して、インクジェッ
ト記録ヘッドに設けられた吐出口から記録液滴としてイ
ンクを吐出せしめることが行われる。
この様なインクジェット記録装置においては、インク
タンクからインクジェット記録ヘッドに至るインク供給
系に塵埃や気泡が混入することがある。インクジェット
記録ヘッドに設けられた吐出口乃至はこれに連通する液
路は一般に内径が数十ミクロン程度と小さいため、塵埃
や気泡がインクジェット記録ヘッドの液路に到達する
と、液路内に付着してインクの流れを阻害し、インクの
吐出効率を低下させたり、記録信号に対する吐出応答性
を低下させたり、甚だしい場合には目詰まりを起こして
インクの吐出不能を含む吐出不良を引き起こしたりする
虞がある。
また、インクジェット記録装置にインクを充填したま
まで長時間インクの吐出を行わなかった場合にも、イン
クを構成する成分が沈澱して同様にインクの吐出異常を
生ぜしめることがある。
これらの問題を解決するため、インクジェット記録ヘ
ッドのインクの吐出状態を良好な状態に回復させること
が望ましい。このための回復手段として加圧回復方法、
吸引回復方法などがある。この内、吸引回復方法はイン
ク吐出口の周辺をキャップで塞ぎ、吸引ポンプ等を用い
て吐出口からインクを吸引し、液路内に堆積するインク
の固着物、気泡、塵埃等の障害物を液路内から除去する
ものである。また、この様な吸引回復機構は、電源ON時
等のイニシャル時に、インクカートリッジからインクジ
ェット記録ヘッドまでインクを充填させるのにも使用さ
れる。
第13図は、この様な吸引回復系を含む従来のインクジ
ェット装置の概略を示す模式図である。吸引回復系は、
吐出口からインクを吸引するための負圧を発生するポン
プ部27は、インクジェット記録ヘッド1の吐出口に対し
て密閉空間を作るキャップ部17と、インク吸引量のコン
トロールを行ったり、キャッピング時にインクジェット
記録ヘッドに空気を押し込むことを防止したりするため
の大気連通部100と、を有する。第13図における吸引回
復系は、一点鎖線で囲まれる部位である。
また、第13図において点線で囲まれるのはシリアルプ
リンタ形態のインクジェット装置のキャリッジ部であ
り、キャリッジ上にはインクジェット記録ヘッド1とサ
ブタンク76とが搭載される。
その他の主要部分はインク供給系と呼ばれ、インクジ
ェット装置本体に着脱可能なインクカートリッジ90、針
171、圧力センサ形態のインクの残量センサ72等を含
み、これらは夫々供給チューブ75、サブタンクチューブ
75a、廃インクチューブ75bで結合される。
ここで、インクカートリッジ90は、インクを収容した
インクパック92と廃インク吸収体93とを有する。インク
パック92はアルミニウムと樹脂とをラミネートして形成
された袋でできており、その中にインクが充填されてい
る。廃インク吸収体93は吸引ポンプ31からの廃インクを
吸収するために設けられたものである。そしてこの廃イ
ンク吸収体93は、インクパック92内のインクがなくなる
とインクカートリッジ90ごと交換されることになる。
針171は、インクジェット装置本体側の、インクパッ
ク92に対向する部位に適宜の固定部材により固定されて
設けられる。この針171は、例えばステンレス製の管の
端を尖端状にして開口部を閉塞した後に、先端部分に数
箇所インク連通用の小孔を設けたものである。
インクセンサ72もインクジェット装置本体側に取り付
けられたものであり、供給チューブ75の途中に設けられ
て供給チューブ75内の圧力(インクパック92内の圧力)
を検出する。即ち、インクパック92内のインクが少なく
なると供給チューブ75内の圧力(インクパック92内の圧
力)が下がるので、インクセンサ72のスイッチがオフに
なり、インクの残量が少なくなったことが検出される。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記した様な従来の例においてインク
の固着が生ずると、ポンプのピストンを上下させるのに
通常に較べて例えば2倍〜3倍の負荷がかかる。そのた
め従来は、最大負荷にあわせて回復動作を行っていた。
即ち、駆動源であるモータを減速させ、又はモーターの
回転数を落とし、ゆっくりとピストンを上下させてい
た。そのため回復動作に時間がかかり、電源投入後の待
ち時間(イニシャル時間)が長いなどといった課題があ
った。
この様に、回復手段にインク固着などによる異常が発
生することを予め想定して、回復手段の最大負荷駆動に
よる回復動作を一律に行うと、回復手段の最大負荷駆動
を行うために回復手段の駆動源の駆動速度を小さくする
必要があるので、装置全体としての処理速度が比較的小
さくなってしまったり、最大負荷駆動による駆動源から
の騒音が比較的大きくなってしまう、という課題があっ
た。
[課題を解決するための手段] 前述した様な課題を解決するために、本発明は次の構
成を有するものである。
「インクを吐出するインクジェットヘッドの吐出口から
のインクの吐出不良の回復動作を行う回復手段と、 該回復手段が回復動作を行っている動作位置を検出す
る検出手段と、 該検出手段によって前記回復手段のイニシャル位置を
検出し、前記回復手段を駆動させて第1の回復動作を行
わせ、然る後前記検出手段によって前記回復手段が前記
イニシャル位置に至るか否かを検出し、前記回復手段が
前記イニシャル位置に至らないことが検出された場合に
前記第1の回復動作時より大きな出力で前記回復手段を
駆動させる第2の回復動作を行わせ、前記回復手段が前
記イニシャル位置に至ることが検出された場合に前記第
2の回復動作を行わせない制御手段と、 を有することを特徴とするインクジェット装置。」 「インクを吐出する吐出口からのインクの吐出不良の回
復動作を行う回復手段のイニシャル位置を検出する工程
と、 該工程の後、前記回復手段を駆動させて第1の回復動
作を行う工程と、 該工程の後、前記回復手段が前記イニシャル位置に至
るか否かを検出する工程と、 該工程の結果、前記回復手段が前記イニシャル位置に
至らないことが検出された場合に前記第1の回復動作時
より大きな出力で前記回復手段を駆動させる第2の回復
動作を行い、前記回復手段が前記イニシャル位置に至る
ことが検出された場合に前記第2の回復動作を行わない
工程と、 を有することを特徴とするインクジェット装置の回復方
法。」 [作用] 本発明では、検出手段によって回復手段のイニシャル
位置を検出し、回復手段を駆動させて第1の回復動作を
行わせ、然る後検出手段によって回復手段がイニシャル
位置に至るか否かを検出し、回復手段がイニシャル位置
に至らないことが検出された場合に第1の回復動作時よ
り大きな出力で回復手段を駆動させる第2の回復動作を
行わせ、回復手段がイニシャル位置に至ることが検出さ
れた場合に第2の回復動作を行わせない。すなわち、第
1の回復動作の後に回復手段がイニシャル位置に至らな
い場合には、インク固着などによる異常が発生したもの
として、この場合にだけ第1の回復動作時より大きな出
力による第2の回復動作を行わせる。これにより、回復
手段の状態に応じた適切な回復手段の駆動を行わせるこ
とができる。従って、本発明によれば、回復手段の駆動
負荷を一律に最大とすることがないので装置全体として
の処理速度を比較的大きく保つことができ、駆動源から
の騒音も比較的小さく保つことができる。詳細について
は後述するが、駆動源としてのモーターの回転数と出力
トルクとの関係、即ち回転数が小さいと大きな出力トル
クを得ることができ、回転数が大きいと出力トルクが小
さくなることを利用している。
つまり、この様な本発明によれば、イニシャル時間の
短縮を図ることが可能となる。また、ポンプの最大負荷
に合わせてモーターを駆動することができるため、イン
クジェット装置による騒音も一層格段に小さくすること
ができる。加えて、モーターの減速を大きくしないで済
むため、減速ギアの一部を省くことができ、それ故コス
トダウンを図ることもできる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
第1図は、本発明のインクジェット記録装置の吸引回
復装置の一実施例を示す斜視図である。第1図におい
て、符号1はインクを吐出するために利用されるエネル
ギーを発生するエネルギー発生体(電気熱変換体、圧電
素子等)と記録情報に基づいた信号に応じてインク滴を
吐出する複数の吐出口を備えた記録ヘツド、2は記録ヘ
ツド1を搭載して主走査方向へ移動するキヤリツジ、3
はキヤリツジ2を摺動自在に支持するキヤリツジ軸、4
は記録対象の記録媒体、5は記録媒体4を記録状況に応
じて搬送するフイードローラである。
6はフイードローラ5および自動給紙を行なうための
駆動源となるパルスモータ、7はキヤツプユニツトを回
復およびキヤリツジ軸3に平行移動可能なポンプキヤリ
ツジ、8はポンプキヤリツジ7の平行移動をガイドする
ガイド軸、9はポンプキヤリツジ7を図の右方向へ付勢
するための戻しバネである。ポンプキヤリツジ7にはア
ーム部7aが設けられ、その先端部にはキヤリツジ2の右
側面に設けられた突起2aが嵌入可能な穴7bが設けられて
いる。この穴7bにはキヤリツジ2が左に移動してきたと
きに突起2aが嵌入し、記録ヘツド1の吐出面にキヤツプ
17をかぶせるときに、キヤリツジ2が上下方向に回動す
るのを防止している。
ポンプキヤリツジ7の後部には、第2図に示すよう
に、キヤリツジ走行方向に弾力性を持った板バネ10の一
端が固定されている。さらに、板バネ10の他端は、スラ
イドギアア11を支持しているスライドギア支持台12には
さみこまれるように保持されている。また、スライドギ
ア支持台12は、スライド軸13に沿ってキヤリツジ走行方
向に移動可能に設けられている。したがって、スライド
ギア11は板バネ10の弾性力で押圧された位置で停止して
いる。このため、キヤリツジ2が移動して、キヤリツジ
2の突起2aがポンプキヤリツジ7のアーム部7aに当接
し、一体となって移動することにより、スライドギア11
はキヤリツジ走行方向に移動する。
スライドギア11は第3図に示すように、キヤリツジ走
行方向と平行に独立して回動するギアに噛合している。
図中、14は紙送りギアに駆動力を伝達するフイードギ
ア、15はASF紙送りの駆動力を伝達するASFギア、16は吸
引回復装置に駆動力を伝達するポンプギアである。
ポンプギア16は2枚のギアが一体にされ、左側のギア
16bが吸引回復装置のアイドラギア70に噛合している。
したがってキヤリツジ2の停止位置によってポンプキヤ
リツジ7および板バネ10を介してスライドギア11がギア
14,15,16のいずれかに噛合しパルスモータ6の駆動力を
選択的に伝達できるようになされている。
第4図はキヤツピングユニツトの詳細を示す断面図で
ある。
キヤツプ17は、ヘツドの吐出面の外縁部に弾性力をも
って圧接するゴムなどの弾性部材を用いて構成され、通
気口17aおよび駆動空間17bを有している。また、キヤツ
プ17はキヤツプホルダー18に支持され、このキヤツプホ
ルダー18はホルダー19に保持されている。キヤツプホル
ダー18の背面には、棒状でかつ先端部がホルダー19の後
壁を貫通する突起18aが形成され、この突起18aにコイル
バネ20が外嵌されている。また、突起18aの先端部に
は、キヤツプホルダー18のヘツド方向への移動を規制す
るEリング21が装着されている。なお、キヤツプホルダ
ー18は、ホルダー19に対してホルダー19に設けられた不
図示のガイドによって図の左右方向に移動可能であると
共に、ホルダー19はポンプキヤリツジ7に対してポンプ
キヤリツジ7に設けられた不図示のガイドにより図の左
右方向へ移動可能にされている。
ホルダー19の後部には、溝19aが設けられており、こ
の溝19aにレール22が挿入されている。レール22は、上
下方向に2分割されており(この場合、レール22aおよ
び22bは独立して動きさえすればよく、互いに独立して
いても、1つのレールが途中で2分割されてもよい)、
下側のレール22bは記録ヘツド1に対して前、後進させ
るために用いられ、上側のレール22aは大気開放弁23を
開閉させるために用いられる。このレール22の背部に
は、レールアーム部22cが設けられ、その先端にレール
ダボ部22dが設けられている。なお、レール22は、第5
図に示すようにポンプベース25に止められている。
また、ホルダー19の背面には、大気開放弁23が設けら
れており、バネ24によって図の左側に付勢されている。
したがって、大気開放弁23は、レール22aに沿って図の
左右方向へ移動可能である。
なお、大気開放弁23の取付けは、ホルダー19の上方向
から挿入して固定する。また、大気開放弁23はキヤツプ
17に設けた通気口17aの正面に位置しており、この通気
口17aを大気開放弁23で閉じることにより、空間17bを密
閉状態にすることができる。さらに、キヤツプ17内の底
部にはインク吸収体69が配設され、インクの吸引時にイ
ンクを吸収保持し、キヤツピング時のノズルの乾燥を防
止している。
レール22は、弾性体で形成されており、プリンタ上部
から見ると第7図の各図に示すように図の方向へ向かう
につれて記録ヘツド1側にせり出して形状を成してい
る。したがって、ポンプキヤリツジ7のアーム部7aにキ
ヤリツジ2の突起2aが当接し、ポンプキヤリツジ7とキ
ヤリツジ2が一体に移動し、ホルダー19と大気開放弁23
がレール22の形状に沿って移動し、第7図(b)の段階
でキヤツプ17がヘツド吐出面に圧接する。
まず、キヤリツジ2が第1図のように、印字範囲にあ
るとき、ポンプキヤリツジ7は戻しバネ9によって付勢
されており、第7図(a)のようにポンプベース25の側
面に当接している。この状態でキヤツプ17は記録ヘツド
1とオーバーラツプしないよう位置関係にあり、かつ大
気開放弁23は通気口17aを閉じていない。
次にキヤリツジ2が印字範囲を越えて左に移動し、突
起2aがアーム部7aに当接し、更に左に移動すると大気開
放弁23とホルダー19が、レール22aおよび23bに沿って移
動し、第7図(b)の位置にキヤリツジ2が移動したと
きにキヤツプ17が記録ヘツド1の吐出面に圧接する。な
お、このときの圧接力は、バネ20により約300gである。
このとき、第7図(b)に示すように、ホルダー19がレ
ール22に当接している位置と、大気開放弁23がレール22
に当接している位置とは、レール22が長手方向に距離l
だけずれているため、レール22aと22bの立ち上がり位置
を、立ち上がり角度、およびレール22の変位置が同じで
も大気開放弁23はレール22aを登りきっておらず、キヤ
ツプ17の通気口17aを閉じていないため、キヤツプ17と
記録ヘツド1との空間17bは大気と連通状態にあり、キ
ヤツピングによって記録ヘツド1が加圧されない為、吐
出口部でのメニスカス後退による不吐出を生じることは
無い。
さらに、キヤリツジ2が左に移動し、大気開放弁23が
レール22aを登りきったときに大気開放弁23がキヤツプ1
7の通気口17aを閉じ、空間17bが密閉状態になる。この
状態から更にキヤリツジ2が左に移動して第7図(c)
の位置に来ると、スライドギア11がポンプギア16に噛合
し、吸引回復装置が作動する。このとき、第4図〜第6
図に示すように、キヤツプ17に吸引チユーブ26が接続さ
れており、他端は第6図に示すようにシリンダ27に接続
されているので、このシリンダ27で発生した負圧が吸引
チユーブ26を介して空間17bに導かれる。
第7図(c)の位置にキヤリツジ2が位置することに
よって、吸引回復装置にパルスモータ6の回転力がポン
プギア16→ギア16b→アイドラギア70のギア70a→アイド
ラギア70のギア70b→ポンプカム28のギア部に順次伝達
される。アイドラギア70にはポンプカム28に噛合するギ
ア部70bと擦り部材37を駆動するカム部70cが一体に形成
されている。ポンプカム28と29は不図示の位置決め用ダ
ボと一体化されており、ポンプカム軸30に対して回動可
能にされている。ポンプカム28と29の対向面には、第6
図に示すようにピストン31に一体的に結合された平行ピ
ン32の両端が摺動可能なように楕円形の溝部が設けら
れ、カムの回転に応じて平行ピン32が上下動し、ピスト
ン31を上下動させる。
また、第5図に示すように、ポンプカム29にはポンプ
フラグ33の一端を押し下げる突起34が設けられており、
このポンプフラグ33はガイド軸8を回転中心として回転
運動が可能にされている。また、ポンプフラグ33の他端
部33aの対向位置(第1図に示すキヤリツジ2の下部
に)に、透過型センサ35が設けられている。突起34が回
転して来てポンプフラグ33の一端に当接している間、他
端部33aが透過型センサ35の発光部より受光部に送られ
ている光線を遮断することにより、この遮断時点からパ
ルスモータ6のパルス数を管理することにより吸引回復
装置の位置制御が可能になる。
この状態から更に突起34が回転してポンプフラグ33の
一端を外れると、ポンプフラグ33は自重もしくはバネに
よる弾性力により、ガイド軸8を回転中心として逆回転
する。ポンプフラグ33の他端33aは、透過型センサ35か
ら出た光線が、透過できるようになる。なお、ポンプフ
ラグ33は、ポンプベース25に設けられた不図示のストツ
パにより回転が停止する。ポンプカム28の右側面には、
レール22aに設けられたアーム22cのダボ部22dをガイド
するカム28bが設けられている。
擦り部材37は第8図に示す様に擦りレバー36に保持さ
れており擦りレバーに設けたダボ36aがアイドラギアの
カム部70cに結合されている。
従ってモータ6の駆動がポンプギア16bからアイドラ
ギア70に伝わり、アイドラギアに一体で形成されてカム
70cが回転することでカム70cに設けた溝部(不図示)に
沿ってダボ36aが動く為、擦りレバー36は回転中心36bを
中心として回転モーメントを受け、記録ヘツドに対して
前進・後進することになる。
従って、擦り部材37(材料としては例えばエーテル系
ポリウレタン連続気孔体が用いられる)を記録ヘツド1
に対してオーバーラツプする位置まで前進させることが
可能なようにされている。そして、擦り部材37を前進さ
せた状態でキヤリツジ2が擦り部材37の前面に来るまで
左から右へ移動することにより、記録ヘツド1の吐出面
のインク、不純物などが除去され、記録ヘツド1の吐出
安定性が確保される。なお、擦り部材37の記録ヘツド1
に対する圧接力は第8図のバネ71により管理することが
出来る。(その圧接力は例えば100g程度である)。なお
72は擦り部材37を保持するホルダーである。ここで、ポ
ンプカムのギア部28aとアイドラギア70のギア部70bのギ
ア比で整数であることが重要である。なぜなら、ポンプ
カム29とギア部28bは一体になっており、ポンプカム29
に設けた突起34がポンプフラグ33を駆動してキヤリツジ
2に設けた透過型センサ35の光線を遮断することにより
この遮断時点からパルスモータ6のパルス数を管理する
ことで吸引回復装置の位置制御を行っているからであ
る。つまり、ポンプカム28のギア部28aの1回転(軸30
に対して360°回転すること)に対してアイドラギア70
が整数回、回転することで、カム部70cも同じ整数回、
回転し、それにともない擦り部材37も同じ整数回前進、
後退をくりかえす。従って、ポンプカム28が回転する前
のポンプカム28と擦り部材37の位相関係が、ポンプカム
1回転終了時においても保たれることになる。
すなわち、ポンプカム28の回転位置制御を行うことで
擦り部材37の前進、後退を管理出来ることになる。本実
施例ではポンプカムのギア部28aの歯数を50としアイド
ラギア70のギア部70bの歯数を25とし、ギア比を2:1とし
た。その結果ポンプカム28の1回転に対し、アイドラギ
ア70が2回転し、擦り部材37も2回前進、後退をくり返
すことになる。そしてポンプカムが回転する前のポンプ
カム28と擦り部材37の位相関係がポンプカム1回転終了
時においても保たれることになる。
また記録ヘツドの吐出安定性を確保するために、ポン
プベース25の右側板にワイパー38が設けられている。こ
のワイパー38は、たとえば肉厚0.3mmのシリコンゴム板
が用いられ、記録ヘツド1に対して常時オーバーラツプ
(そのオーバーラツプ量は、例えば、1.0mm)するよう
に固定されている。これにより、記録ヘツド1がワイパ
ー38の前を通過するときには、必ず吐出面が拭き取られ
るので、吐出面に付着する紙粉、塵、インクかすなどが
除去される。
次に、回復動作について、第7図(a)〜(d)およ
び第9図のタイミングチヤートを参照して説明する。
回復動作の信号が制御ユニツトのCPU(或いはMPU)に
与えられると、キヤリツジ2は印字領域から、吸引回復
装置が作動可能な領域へと移動する。移動過程におい
て、ワイパー38の前を通過する際に記録ヘツド1の吐出
面がクリーニングされる。
ついで、キヤリツジ2の突起2aがポンプキヤリツジ7
のアーム部7aに当接し、そのまま一体になって第7図
(a)の左方向へ移動する。ホルダー19および大気開放
弁23がレール22a,22bの斜面を登り、最初にキヤツプ17
の表面部が記録ヘツド1に圧接する。このとき、第7図
(b)に示すように、ホルダー19および大気開放弁23が
レール22に接する位置がlだけずれているため、キヤツ
プ17は閉じておらず、吐出口が加圧されることなく、キ
ヤツピングによる吐出は発生しない。
この状態から、更にキヤリツジ2が左に移動すると、
吸引回復装置が駆動される位置に来る。この状態では、
すでに大気開放弁23がキヤツプ17の通気口17aを閉じて
おり、記録ヘツド1とキヤツプ17との空間部17bは、密
閉状態になっている。
ここで、アイドラギア70、ポンプカム28,29が回転を
始め、最初にポンプカム29面上にある突起34がポンプフ
ラグ33の一端を押し上げ、ポンプフラグ33の他端に設け
られた他端部33aがキヤリツジの下部に配設された透過
型センサ35の光線を遮断する。この位置を吸引回復装置
のイニシヤル位置と定め、パルスモータ6のパルス数を
管理する。この状態から更にアイドラギア70、ポンプカ
ム28,29が回転し、突起34がポンプフラグ33の位置を通
過すると、ポンプフラグ33は元の位置に戻り、透過型セ
ンサ35の光線は非遮断状態になる。アイドラギア70、ポ
ンプカム28がさらに回転すると、アイドラギア70の右側
面に設けたカム70cにより、擦りレバー36のダボ部36aが
モーメントを受け、その結果、擦りレバー36が回転中心
36bを中心として回転を受け、擦り部材37が記録ヘツド
1とオーバーラツプする位置まで前進して来る。ここ
で、一旦、アイドラギア70の回転を停止させ、すなわち
ポンプカム28の回転を停止させ、擦り部材37を通過する
ようにキヤリツジ2を右へ移動させる。このとき、記録
ヘツド1の吐出面が擦り部材37によって擦られ、吐出面
に付着していたインク、固着物などが除去される。
ついで、キヤリツジ2を再び左に移動させ、吸引回復
装置の駆動が可能になる位置にセツトする。そしてアイ
ドラギア70、ポンプカム28を回転させて擦り部材を後退
させ、ポンプカム28,29の回転によりピストン31を押し
下げる。このときにシリンダ27に生じた負圧が吸引チユ
ーブ26を介して、キヤツプ17内に形成された空間に作用
し、吐出口内のインクを吸収する。これにより、吐出不
良の原因である吐出口内の微小気泡および吐出口前面に
付着する塵、不純物などが除去される。
しかし、この状態のままでは、記録ヘツド1の吐出口
より吸引されたインクがキヤツプ17内および吸引チユー
ブ26に残留しており、これが吐出面に再付着して、不吐
出および吐出方向の偏向を生じさせ、インク滴の着弾点
位置精度を悪化させる。また、ワイパー38で拭かれる際
に飛散したインクが記録装置内を汚染する可能性もあ
る。
そこで、この問題を解決するために、本実施例では、
カム28bによってレール22先端に設けたダボ22dを後方に
引くようにし、レール22aが弾性変形して後方に引か
れ、大気開放弁23が後退するようにしている。これによ
り、キヤツプ17の通気口が開かれ、キヤツプ17の空間部
17bが大気に連通し、吐出口からのインク吸引が停止
し、シリンダ27内の負圧により通気口17aより空気が流
れ込み、空間部17bのインクと共にシリンダ27内に吸引
される。したがって、キヤツプ17内にはインク溢れを生
ぜず、吐出面に付着したインクが除去される。ポンプカ
ム28が更に回転することにより、レール22aの後方への
引っ張りは解除され、レール22aの弾性により元の形状
に復帰し、通気口17aが再び大気開放弁23によって閉じ
られる。
このとき、ポンプカム28と擦り部材37とは、ポンプカ
ム28のギア部28aとアイドラギア70のギア部70bとのギア
比が整数倍になっているため、回復動作前と同じ位相関
係になっている。
なお、吸引されたインクは、ピストン31が上方向に移
動するときにシリンダ27内が加圧されることにより、廃
インクとして廃インクチューブを介して廃インク取入れ
口からインクカートリッジ内の廃インク溜めに排出され
る。
さて、この様にしてポンプカムの位相360°、即ち位
相0°に戻った後、本実施例では特徴的に、再び位相12
0°まで動作させ、然る後位相0°に戻す動作を行う。
この様にしてポンプフラグを再びONとさせて複数回の位
相検出を行うわけである。複数回目の位相検出の結果、
位相に異常が検出された場合には、回復手段の駆動方法
を変更して回復動作を行う。これにより、一回目の回復
動作内容と複数回目の回復動作内容とを異ならしめる。
詳細については後述するが、好ましくは、インクジェッ
ト装置の電源投入後等の一回目の回復動作内容は、モー
ターの単位時間当りの回転数が比較的大きい回復動作、
即ちスピーディな初期回復動作とし、複数回目の位相検
出の結果による複数回目の回復動作内容は、モーターの
単位時間当りの回転数は比較的小さいが出力トルクが大
きい回復動作、即ち回復力が大きい回復動作とする。
また、第9図に示す様に、位相360°から位相240°ま
でモーターを逆転させ、然る後に位相360°までモータ
ーを正転させると、大気開放弁が開の状態でポンプの引
き上げ動作を行うことができる。これにより、キャップ
内のインクを廃インク溜めの方へ吸引する所謂空吸引動
作を行うことができる。
以下、第10図(a)〜第10図(e)、第11図及び第12
図を用いて本発明の実施例に係るインクジェット装置の
回復動作全体のフローチャートを説明する。
第10図(a)〜第10図(c)は、本発明の実施例に係
るインクジェット装置の電源投入後の初期回復動作を説
明するためのフローチャートであり、第10図(d)及び
第10図(e)は夫々第10図(a)〜第10図(c)中のエ
ラーループを説明するためのフローチャートである。ま
た、第11図及び第12図は、夫々キー操作によってなされ
る回復動作を説明するためのフローチャートである。こ
れらの図において、フローの左側に示されたA〜Gは、
複数のステップをブロック化したモードである。
第10図(a)のAブロックでは、主にフラグがONとな
る位置を検出する。インクジェット装置の電源が投入さ
れた後、「ICG」ステップにおいて、インクカートリッ
ジがインクジェット装置本体に装着されているか否かを
判断する。この結果、装着されていれば次のステップに
進む。装着されていなければ、直ちにモーターの駆動を
止め、インクカートリッジなしを表示する。表示された
後にインクカートリッジがインクジェット装置本体に装
着された場合には、再び第10図(a)の「START」から
始める。
次に「フラグ OFF」ステップにおいて、フラグがON
かOFFかが判断される。フラグがOFFならば次のステップ
に進む。フラグがONならば「LF 288(R)」ステップに
進む。この「LF 288(R)」ステップでは、モーターを
288ステップ分、ポンプカムの位相を負の方向に進め
る、即ちモーターを逆転させる。本実施例では、24ステ
ップで10°位相が進む。従って、この「LF 288(R)」
ステップでは、120°モーターを逆転させる。この逆転
がなされてもフラグがOFFにならなければ、「エラー
1」としてモーターの駆動を止める。「LF 288(R)」
ステップでフラグがOFFになれば、次のステップに進
む。「M=0」ステップ以降のAブロックでは、モータ
ーを正転させて位相が360°(864ステップ分)になる前
にフラグがONにならなければ「エラーループ1」に入
る。一方、フラグがONになればBブロックに移行する。
「エラーループ1」については第10図(d)を用いて後
述する。
ところで、以後、本明細書では一部について前述した
様に、LFステップに関し次の様に定義する。
LFの後の数字:モーターの回転ステップ数 該数字の後に記号がない場合 :モーターのノーマルモードの回転 (通常は正転で、600pps) 該数字の後のL :モーターのローモードの回転 (通常は正転で、400pps) 該数字の後のLL :モーターのスーパーローモードの回転 (通常は正転で、200pps) 該数字の後のR:モーターの逆転 さて、第10図(a)のBブロックでは、主にフラグが
OFFとなる位置を検出する。機構的なチャタリングを除
去するために、先ず「LF10」でモーターを10ステップ分
駆動させる。その後、モーターを正転させて位相が120
°(288ステップ分)進む前にフラグがOFFにならなけれ
ば「エラー2」としてモーターの駆動を止める。一方、
フラグがOFFになればCブロックに移行する。
Cブロックでは、「LF 144−(N/2)」ステップで第
9図の位相60°の辺りをフラグ中心として設定する。こ
の様な処置を行うのは、カムの形状の対称性に関しては
精度の高いものを得ることが比較的容易にできるが、カ
ムとセンサーとの間の距離が大きい場合等に、センサー
がONになるタイミングのみを用いてフラグ中心を設定す
るとばらつきが大きくなってしまうからである。
ところで、このCブロックではポンプの押し下げによ
る吸引回復がなされるが、この押し下げ時には通常時よ
りトルクが大きくなる。従って、第9図において対応す
る位相130°〜300°では、「LF 84(L)」ステップで
ローモード駆動によるポンプの押し下げを行う。この際
に、「ICG」ステップでインクカートリッジが装置本体
に装着されているか否かをチェックしながら行う。
Cブロック終了後、本実施例では350msecの待ち時間
を設ける。この待ち時間を変えることにより、廃インク
量を変えることができる。
次に、第10図(b)を用いてDブロックに関して説明
する。Dブロックでは、主にフラグの検出を再度行い、
その結果に基づいて場合によっては先の回復とは内容の
異なる回復を行わせる。「LF 384(L)」ステップでロ
ーモード駆動で160°(384ステップ分)正転させる。こ
れにより、モーターの位相は360°辺りに至る。然る
後、80°(192ステップ分)進む前にフラグがONになら
なければ「エラーループ2」に入る。フラグがONになれ
ば、次のステップに進む。
Dブロックの後半では、モーターをノーマルモード駆
動で正転させ、位相が120°(288ステップ分)進む前に
フラグがOFFにならなければ「エラー3」としてモータ
ーの駆動を止める。一方、フラグがOFFになればEブロ
ックに移行する。
Eブロックでは、主にフラグ中心を再度設定する。先
ず「LF 24」ステップでは、ノーマルモード駆動で1°
(24ステップ分)正転させる。然る後、本実施例では0.
2secの待ち時間を設ける。その後、モーターをノーマル
モード駆動で逆転させ、位相が120°(288ステップ分)
進む前にフラグがONにならなければ「エラー4」として
モーターの駆動を止める。一方、フラグがONになれば次
のステップに進む。
Eブロックの後半の「LF 10(R)」ステップでは、
機構的なチャタリングを除去するために、ノーマルモー
ド駆動で10ステップ分逆転させる。然る後、モーターを
ノーマルモード駆動で逆転させ、位相が120°(288ステ
ップ分)逆転する前にフラグがOFFにならなければ「エ
ラー5」としてモーターの駆動を止める。一方、フラグ
がOFFになれば次のステップに進む。「LF 168−(N/2)
(R)」ステップでフラグ中心を再設定し、次のFブロ
ックに進む。
次に、第10図(c)を用いてFブロックに関して説明
する。このFブロックでは、主に所謂空吸引を行う。
「LF 96(L)(R)」ステップ等ではローモード駆動
でモーターを逆転させる。この際に、「ICG」ステップ
でインクカートリッジが装置本体に装着されているか否
かをチェックしながら行う。位相240°の辺りまでモー
ターを逆転させて所謂空吸引を行う。然る後、0.2secの
待ち時間を設け、「LF 168+5(L)」ステップ等によ
り位相360°まで戻す。これにより、本実施例の初期回
復モードの一セットシーケンスが終了する。
第10図(d)を用いて「エラーループ1」について説
明する。このエラーループ1は、回復動作中にユーザー
がインクジェット装置を止めた場合等に主に使用するル
ープである。ノーマルモード駆動の場合、ポンプが押し
下げられた状態で止められると負荷が大きくなり、モー
ターが脱調したりギアが歯飛びを起こす場合がある。こ
の問題を解決するために、エラーループ1に入ったらモ
ーターをローモードで駆動する。しかしそれでもポンプ
が固着して重くて動きにくい場合等には、第10図(d)
で位相360°分(864ステップ分)モーターをローモード
で正転させてもフラグがONとならない。この場合には、
モーターをスーパーローモードで動かす。しかしそれで
もポンプが固着して重くて動きにくい場合等には、第10
図(d)で位相360°分(864ステップ分)モーターをス
ーパーローモードで正転させてもフラグがONとならな
い。この場合には、「エラー6」としてモーターの駆動
を止める。
第10図(e)を用いて「エラーループ2」について説
明する。このエラーループ2は、本発明の最たる特徴要
件の一つを示すものである。即ち、第10図(a)のCブ
ロックではローモード駆動での吸引回復がなされている
が、その後位相360°まで進んだ後に再度フラグが検出
されなければ、モーターをスーパーローモードで動か
す。フラグが再度検出されないことを、ポンプが固着し
て重くて動きにくい等の異常事態と見なすわけである。
しかしそれでもポンプが固着して重くて動きにくい場合
等には、第10図(d)で位相360°分(864ステップ分)
モーターをスーパーローモードで正転させてもフラグが
ONとならない。この場合には、「エラー7」としてモー
ターの駆動を止める。
以上述べたインクジェット装置の制御は、CPUなどの
不図示の制御手段を用いてなされている。即ち、例えば
この制御手段は、第10図(a)のA,Bブロックでの回復
手段の位相の検出結果が正常である場合、第10図(a)
のCブロックの様に回復手段を駆動させて第1の回復動
作を行わせる。然る後、第10図(b)のDブロックの前
半での、検出手段による第2の検出結果が異常である場
合に、エラーループ2に示す様に第1の回復動作時とは
異なる駆動方法で回復手段を駆動させて第2の回復動作
を行わせしめる。
次に、第11図に示した回復モード(I)について説明
する。この回復モード(I)は、ユーザーが印字不良を
検知して、インクジェット装置のクリーニングキーを押
した際などに実行されるモードである。初期回復モード
と異なり、吸引回復動作後にフラグの検出を行わずに終
了する。これは、既に初期回復モードを実行した後のモ
ードなので、ポンプの固着は解除されたものと見なせる
からである。
回復モード(I)では、先ずAブロックのステップ
(以下、「モードA」とも称す)を実行し、ウレタンか
らなる擦り部材でインクジェットヘッドの吐出口面を清
掃してから位相を0°に戻す。然る後、モードA、B、
Cを実行し、吸引待ち時間350msecを経てからモードF
で空吸引して終了する。
次に、第12図に示した回復モード(II)について説明
する。この回復モード(II)は、インクジェット装置が
長期にわたって使用されなかった結果インク供給チュー
ブ内のインクが少なくなってきた場合、或いはインクジ
ェットヘッドを交換してインク液位が下がった場合など
の、インク供給系内に速やかにインクを供給したいとき
に、キー操作などによって実行されるモードである。
回復モード(II)では、吸引回復を含む位相0°から
360°までのサイクルを4回繰り返す。然る後、所謂空
吸引を2回実行し、最後にモードG(即ち回復モード
(I))を一回実行して終了する。
さて、インクジェット装置の電源投入後の初期回復動
作に関して前述したが、この回復動作は例えば次の様な
タイミングでなされてもよい。
1)吐出口からのインクの予備吐出が所定回数に達した
ら行う。
2)カット紙への印字が所定枚数に達したら行う。
3)吐出口からのインクの予備吐出が所定回数に達した
後紙なしになってから行う。
4)吐出口からインクの予備吐出が所定回数に達した後
連続紙の頁の先頭(T.O.F.:Top of Form)になってから
行う。
しかし、いずれにしても、前述した実施例の回復動作
は、インクジェット装置の電源投入後の初期回復動作と
してなされることが最適である。なぜならば、インクジ
ェット装置の電源投入後というのはある期間装置が使用
されずに放置されていた場合がほとんどなので、供給回
復系、特にポンプにおいてインクの固着が生じることが
最も多いからである。
従って、前述した4つのタイミングでなされる回復動
作の内容は、必ずしも初期回復動作の内容と同じでなく
てもよい。例えば、イニシャルモードの中のモードD及
びEを省略し、モードFの前に「LF 288(L)」と「LF
2 4(R)」とを実行してもよい。
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、キ
ヤノン株式会社が提唱するところのバブルジェット方式
の記録ヘッド、記録装置に於いて、優れた効果をもたら
すものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特
許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示され
ている基本的な原理を用いて行なうものが好ましい。こ
の方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場
合には、液体(インク)が保持されているシートや液路
に対応して配置されてい電気熱変換体に、記録情報に対
応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少な
くとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱
変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作
用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対
応し液体(インク)内の気泡を形成出来るので有効であ
る。この気泡の成長,収縮により吐出用開口を介して液
体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成
する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に
気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れた
液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。この
パルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号
明細書、同第4345262号明細書に記載されているような
ものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関
する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されてい
る条件を採用すると、更に優れた記録を行なうことがで
きる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示さ
れているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わ
せ構成(直線上液流路又は直角液流路)の他に熱作用部
が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特
許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用
いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数
の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変
換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59年第123670
号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部
に対応せる構成を開示する特開昭59年第138461号公報に
基づいた構成としても本発明は有効である。
更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応
した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとして
は、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘ
ッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一
体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいず
れでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発
揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との
電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能にな
る交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録
ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
又、本発明の記録装置の構成として設けられる、記録
ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加
することは本発明の効果を一層安定できるので好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対しての、キャピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別
の吐出を行なう予備吐出モードを行なうことも安定した
記録を行なうために有効である。
更に、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色
のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に
構成するか複数個の組み合わせによってでもよいが、異
なる色の複数カラー又は、混色によるフルカラーの少な
くとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有効であ
る。
以上説明した本発明実施例においては、液体インクを
用いて説明しているが、本発明では室温で固体状である
インクであっても、室温で軟化状態となるインクであっ
ても用いることができる。上述のインクジェット装置で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で室温調整を
行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制
御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時
に、インクが液状をなすものであれば良い。加えて、積
極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から
液体状態への態変化のエネルギーとして使用せしめるこ
とで防止するか又は、インクの蒸発防止を目的として放
置状態で固化するインクを用いるかして、いずれにして
も熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインク
が液化してインク液状として吐出するものや記録媒体に
到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のような、
熱エネルギーによって初めて液化する性質のインク使用
も本発明には適用可能である。このような場合インク
は、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号
公報に記載されるような、多孔質シート凹部又は貫通孔
に液状又は固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としても良い。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
[発明の効果] 以上詳述した様に、本発明では、検出手段によって回
復手段のイニシャル位置を検出し、回復手段を駆動させ
て第1の回復動作を行わせ、然る後検出手段によって回
復手段がイニシャル位置に至るか否かを検出し、回復手
段がイニシャル位置に至らないことが検出された場合に
第1の回復動作時より大きな出力で回復手段を駆動させ
る第2の回復動作を行わせ、回復手段がイニシャル位置
に至ることが検出された場合に第2の回復動作を行わせ
ない。すなわち、第1の回復動作の後に回復手段がイニ
シャル位置に至らない場合には、インク固着などによる
異常が発生したものとして、この場合にだけ第1の回復
動作時より大きな出力による第2の回復動作を行わせ
る。これにより、回復手段の状態に応じた適切な回復手
段の駆動を行わせることができる。従って、本発明によ
れば、回復手段の駆動負荷を一律に最大とすることがな
いので装置全体としての処理速度を比較的大きく保つこ
とができ、駆動源からの騒音も比較的小さく保つことが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のインクジェット記録装置の吸引回復
装置の一実施例を示す斜視図である。 第2図及び第3図は、紙送り駆動とキャップ駆動との切
り換えを行うギア機構の斜視図である。 第4図は、キャッピングユニットの詳細を示す断面図で
ある。 第5図及び第6図は、吸引回復装置の詳細を示す斜視図
である。 第7図(a)〜(d)は、キャッピング及び大気開放弁
の動作を説明する平面図である。 第8図は、擦りレバーの説明図である。 第9図は、本発明のインクジェット記録装置の吸引回復
装置の一実施例の動作を説明するためのタイミングチャ
ートである。 第10図(a)〜(e)は、本発明のインクジェット記録
装置の吸引回復装置の一実施例の動作を説明するための
フローチャートである。 第11図及び第12図は、夫々インクジェット記録装置の回
復動作の例を示すフローチャートである。 第13図は、従来のインクジェット記録装置の回復系の概
略を示す模式図である。 1…インクジェット記録ヘッド 2…キャリッジ 6…パルスモータ 7…ポンプキャリッジ 7a…アーム部 8…ガイド軸 10…板バネ 16…ポンプギア 17…キャップ 22…レール 27…シリンダ 28,29…ポンプカム 31…ピストン 36…擦りレバー 37…擦り部材

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクを吐出するインクジェットヘッドの
    吐出口からのインクの吐出不良の回復動作を行う回復手
    段と、 該回復手段が回復動作を行っている動作位置を検出する
    検出手段と、 該検出手段によって前記回復手段のイニシャル位置を検
    出し、前記回復手段を駆動させて第1の回復動作を行わ
    せ、然る後前記検出手段によって前記回復手段が前記イ
    ニシャル位置に至るか否かを検出し、前記回復手段が前
    記イニシャル位置に至らないことが検出された場合に前
    記第1の回復動作時より大きな出力で前記回復手段を駆
    動させる第2の回復動作を行わせ、前記回復手段が前記
    イニシャル位置に至ることが検出された場合に前記第2
    の回復動作を行わせない制御手段と、 を有することを特徴とするインクジェット装置。
  2. 【請求項2】前記回復手段は前記吐出口からインクを吸
    引する吸引ポンプであり、前記制御手段は前記第1の回
    復動作より前記第2の回復動作の方が前記吸引ポンプの
    出力トルクが大きくなる様に設定する請求項1に記載の
    インクジェット装置。
  3. 【請求項3】前記インクジェットヘッドは前記吐出口か
    らインクを吐出するために利用される熱エネルギーを発
    生する電気熱変換体を有する請求項1に記載のインクジ
    ェット装置。
  4. 【請求項4】インクを吐出する吐出口からのインクの吐
    出不良の回復動作を行う回復手段のイニシャル位置を検
    出する工程と、 該工程の後、前記回復手段を駆動させて第1の回復動作
    を行う工程と、 該工程の後、前記回復手段が前記イニシャル位置に至る
    か否かを検出する工程と、 該工程の結果、前記回復手段が前記イニシャル位置に至
    らないことが検出された場合に前記第1の回復動作時よ
    り大きな出力で前記回復手段を駆動させる第2の回復動
    作を行い、前記回復手段が前記イニシャル位置に至るこ
    とが検出された場合に前記第2の回復動作を行わない工
    程と、 を有することを特徴とするインクジェット装置の回復方
    法。
  5. 【請求項5】前記回復手段は前記吐出口からインクを吸
    引する吸引ポンプであり、前記第1の回復動作より前記
    第2の回復動作の方が前記吸引ポンプの出力トルクが大
    きい請求項4に記載のインクジェット装置の回復方法。
  6. 【請求項6】前記回復手段のイニシャル位置を検出する
    工程は、インクジェット装置の電源投入に応じてなされ
    る請求項4に記載のインクジェット装置の回復方法。
  7. 【請求項7】前記回復手段のイニシャル位置を検出する
    工程は、前記吐出口からのインクの予備吐出が所定回数
    に達したらなされる請求項4に記載のインクジェット装
    置の回復方法。
  8. 【請求項8】前記回復手段のイニシャル位置を検出する
    工程は、カット紙への印字が所定枚数に達したらなされ
    る請求項4に記載のインクジェット装置の回復方法。
  9. 【請求項9】前記回復手段のイニシャル位置を検出する
    工程は、前記吐出口からのインクの予備吐出が所定回数
    に達した後紙なしになってからなされる請求項4に記載
    のインクジェット装置の回復方法。
  10. 【請求項10】前記回復手段のイニシャル位置を検出す
    る工程は、前記吐出口からのインクの予備吐出が所定回
    数に達した後連続紙の頁の先頭になってからなされる請
    求項4に記載のインクジェット装置の回復方法。
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