JP2862092B2 - 厚膜パターン形成方法 - Google Patents

厚膜パターン形成方法

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順彦 酒井
典克 小野
徳一 峰尾
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、液晶表示装置、蛍光表示管ディスプレイパ
ネル、プラズマディスプレイパネル、混成集積回路等の
製造工程における厚膜パターン形成方法に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来、この種の厚膜パターン形成方法としては、ガラ
スやセラミックス基板上に導体或いは絶縁体用のペース
トをスクリーン印刷によりパターン状に印刷を行った後
にこのペーストを乾燥、焼成する工程を繰り返して厚膜
パターンを形成する方法が知られている。また、最近ガ
ラス等の基板の上にセラミック材料で厚膜パターンを形
成することが種々の分野で行われてきているが、この場
合にも、セラミック材料をバインダー中に分散させてペ
ースト状としたものを用い、前記したのと同様にして、
スクリーン印刷により重ね印刷を行った後に乾燥、焼成
する工程を繰り返すことにより厚膜パターンを形成する
ようにしている。
[発明が解決しようとする課題] 従来のスクリーン印刷によりガラス基板上にセラミッ
ク材料により厚膜パターンを形成する方法においては、
上述のように複数回のスクリーン印刷により重ね刷りを
して所定の厚さにする必要があるが、この方法では例え
ば50〜100μmの厚膜を得るために5〜10回の重ね塗り
を必要とし、そのたびごとに乾燥工程が入ることとな
り、その結果として極めて生産性が悪く歩留りを低下さ
せるという問題点があった。さらに、ペーストの粘度、
チクソトロピー等によりパターン線幅精度が損なわれる
という問題点もあった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するた
めに創案されたものであり、生産性を改善し歩留りを向
上させ、かつ良好な線幅精度を得ることのできる厚膜パ
ターン形成方法を提供することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、本発明に係る第1の厚膜
パターン形成方法は、ガラス等の基板の上にセラミック
材料で厚膜パターンを形成する方法であって、少なくと
も、所望の厚さになるまでドライフィルムを複数層積層
する工程と、所望のパターンが形成されているマスクを
介して前記積層したドライフィルムを一括してパターン
露光する工程と、未硬化のドライフィルムを現像除去し
て雌型を作製する工程と、該雌型により得られた空間に
セラミック材料を充填する工程と、雌型を消失せしめる
と共にセラミック材料を基板の上に残す工程とを行うこ
とにより前記セラミック材料による目的パターンを得る
ことを特徴とするものである。
また、同様の目的を達成するために、本発明に係る第
2の厚膜パターン形成方法は、ガラス等の基板の上にセ
ラミック材料で厚膜パターンを形成する方法であって、
少なくとも、所望パターンの溝が形成された原版におけ
る当該溝の中に紫外線硬化性樹脂を充填した状態で原版
と基板とを密着させる工程と、紫外線を照射して紫外線
硬化性樹脂を硬化せしめる工程と、原版を紫外線硬化性
樹脂との界面より剥離して基板上に紫外線硬化性樹脂か
らなる雌型を作製する工程と、この雌型内の空間にセラ
ミック材料を充填する工程と、雌型を消失させると共に
セラミック材料の基板の上に残す工程とを行うことによ
り前記セラミック材料による目的パターンを得ることを
特徴とするものである。
[作用] 図面を用いて本発明の作用を説明する。
第1図(a)に示すように、ガラス等の基板1の上に
複数層のドライフィルムを用いてフォトリソグラフィー
により雌型2を形成する。或いは、紫外線硬化性樹脂を
用いて2P法により目的パターン雌型2を形成する。しか
る後、第1図(b)に示すように、雌型2により得られ
た空間にセラミック材料3を充填し、続いて第1図
(c)に示すように、薬品処理或いは焼成等の手段によ
り雌型2を消失せしめてセラミック材料3で構成された
所望のパターンを得る。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
<実施例1> 第2図(a)〜(e)は本発明に係る第1の厚膜パタ
ーン形成方法の工程図であり、それぞれ第2図(a)は
基板上にドライフィルムをラミネートする工程、第2図
(b)はパターン露光工程、第2図(c)は現像工程、
第2図(d)はセラミック材料を充填する工程、第2図
(e)は焼成工程を示している。
以下に順を追って各工程を説明する。まず、第2図
(a)に示すように、ガラス基板11の上にドライフィル
ム14(東京応化工業(株)製「AE−250」)を加熱ラミ
ネート法で4層積層し厚みを200μmとした。その後、
第2図(b)に示すように、超高圧水銀灯を光源とする
平行光プリンターを用い、線幅100μm、ピッチ300μm
のラインパターンマスク15を介してパターン露光を行っ
た。露光条件は波長365nmで測定した時に、強度200μw/
cm2、照射量72mJ/cm2である。続いて、第2図(c)に
示す現像工程では、無水炭酸ナトリウム1wt%水溶液に
より液温30〜50℃でスプレー現像を行い、現像終了点は
目視にて確認した。以上の工程により線幅200μm、ピ
ッチ300μm、高さ150μmの雌型12を得た。そして、続
いて行った第2図(d)のセラミック材料の充填工程で
は、セラミック材料13として、低融点ガラスフリット、
耐熱顔料、充填剤を有機バインダー中に分散させたペー
スト状のものを用い、平板ゴム16を雌型12に接しさせな
がらパターンを斜めに横切るように移動させてペースト
状のセラミック材料13を充填するととともに、雌型12か
らはみ出した余分なものを掻き取るようにした。このよ
うにして得られた基板11はペースト中の有機バインダー
に含まれる溶剤を除去するため80〜120℃で乾燥を行っ
て次の焼成工程へ供した。なお、このペースト充填工程
は、必要ならば複数回繰り返してもよいものである。第
2図(e)に示す焼成工程では、ピーク温度585℃、保
存時間10〜20分の条件で焼成を行い、ドライフィルムで
形成された雌型12を消失せしめるとともに、前記セラミ
ック材料13をガラス基板11上で結着させた。以上の工程
により、線幅100〜200μm、ピッチ300μm、高さ150μ
mのセラミック材料13からなる厚膜パターンを得た。
<実施例2> 第3図(a)〜(c)は本発明に係る第2の厚膜パタ
ーン形成方法の工程図であり、それぞれ第3図(a)は
2P(Photopolymerization)法による型取り工程、第3
図(b)はセラミック材料を充填する工程、第3図
(c)は焼成工程をそれぞれ示している。
また、第4図(a)〜(c)は上記の2P法を説明する
ための工程図であり、それぞれ第4図(a)は紫外線硬
化性樹脂を介しての原版と基板との密着工程、第4図
(b)は紫外線照射工程、第4図(c)は剥離工程を示
すものである。
第4図(a)〜(c)の工程において、本実施例で
は、原版27として市販の真鍮板に線幅200μm、ピッチ3
00μm、深さ150μmの溝を切削加工したものを用い、
基板21としてガラス板を用いた。これらの原版27と基板
21は第4図(b)に示す紫外線照射工程のため、少なく
とも一方が透明でなければならないものである。次に、
紫外線硬化性樹脂28としては、ヒドロキシエチルアクリ
レート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート等のアクリル系モノマー、エポキシア
クリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアク
リレート等のアクリル系オリゴマー或いは前記モノマー
とオリゴマーの混合物等が考えられるが、本実施例では
ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコール
ジアクリレートを用いた。また、光開始剤としては、市
販試薬の範囲内で広く考えられるが、本実施例では1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを用いた。紫
外線硬化性樹脂28として前記のモノマー、オリゴマーの
どれを選択するかは本発明を限定するものではないが、
第3図(c)に示した焼成工程にて消失しやすいものが
好ましい。また、前記紫外線硬化性樹脂28が単独で基板
21上に密着しない場合には適宜プライマーを用いるよう
にしてもよいものである。
以下、第4図(a)〜(c)の各工程を順に説明す
る。まず、第4図(a)に示すように、紫外線硬化性樹
脂28を介してガラス基板21と原版27とを平板プレス或い
はラミネートロールで密着させ、次いで、第4図(b)
に示すように、ガラス基板21側から紫外線を照射して紫
外線硬化性樹脂28を硬化せしめた。なお、紫外線源とし
ては、高圧水銀灯(40w/cm)を用い、約1000mJ/cm2照射
した。しかる後、第4図(c)に示すように、原版27を
紫外線硬化性樹脂28との界面より剥離することにより、
ガラス基板21上に線幅200μm、ピッチ300μm、高さ15
0μmの紫外線硬化性樹脂28からなる雌型22を作成し
た。
以上のようにして第3図(a)に示す雌型2の形成さ
れた基板21が得られた。続いて、実施例1と同様に、第
3図(b)に示すセラミック材料23を充填する工程、第
3図(c)に示す焼成工程を経て、線幅100μm、ピッ
チ300μm、高さ150μmのセラミック材料23による厚膜
パターンを得た。
[発明の効果] 本発明は、上述のとおり構成されているので次に記載
する効果を奏する。
一回の操作で高さ100μm以上のパターンが得られる
ため、これまでのスクリーン印刷による積層等に比べ、
処理時間が短縮されるとともに、位置合わせ等の操作も
一回でよいため、工程の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)〜(c)は本発明の厚膜パターン形成方法
を説明するための工程図、第2図(a)〜(e)は本発
明に係る第1の厚膜パターン形成方法の工程図、第3図
(a)〜(c)は本発明に係る第2の厚膜パターン形成
方法の工程図、第4図(a)〜(c)は2P法を説明する
ための工程図である。 1……基板、2……雌型、3……セラミック材料、11…
…基板、12……雌型、13……セラミック材料、14……フ
ォトレジスト、15……ラインパターンマスク、16……平
板ゴム、21……基板、22……雌型、23……セラミック材
料、26……平板、27……原版、28……紫外線硬化性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 武司 東京都新宿区市谷加賀町1丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−251534(JP,A) 特開 昭64−21846(JP,A) 特開 昭59−198792(JP,A) 特開 平1−171806(JP,A) 特開 平1−171807(JP,A) 特開 昭54−69133(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B28B 1/00 - 1/54 H01J 9/00 - 9/18 G02F 1/133 - 1/347

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス等の基板の上にセラミック材料で厚
    膜パターンを形成する方法であって、少なくとも、所望
    の厚さになるまでドライフィルムを複数層積層する工程
    と、所望のパターンが形成されているマスクを介して前
    記積層したドライフィルムを一括してパターン露光する
    工程と、未硬化のドライフィルムを現像除去して雌型を
    作製する工程と、該雌型により得られた空間にセラミッ
    ク材料を充填する工程と、雌型を消失せしめると共にセ
    ラミック材料を基板の上に残す工程とを行うことにより
    前記セラミック材料による目的パターンを得ることを特
    徴とする厚膜パターン形成方法。
  2. 【請求項2】ガラス等の基板の上にセラミック材料で厚
    膜パターンを形成する方法であって、少なくとも、所望
    パターンの溝が形成された原版における当該溝の中に紫
    外線硬化性樹脂を充填した状態で原版と基板とを密着さ
    せる工程と、紫外線を照射して紫外線硬化性樹脂を硬化
    せしめる工程と、原版を紫外線硬化性樹脂との界面より
    剥離して基板上に紫外線硬化性樹脂からなる雌型を作製
    する工程と、この雌型内の空間にセラミック材料を充填
    する工程と、雌型を消失させると共にセラミック材料を
    基板の上に残す工程とを行うことにより前記セラミック
    材料による目的パターンを得ることが特徴とする厚膜パ
    ターン形成方法。
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