JP2861686B2 - マルチチップモジュール - Google Patents

マルチチップモジュール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マルチチップモジュー
ルに関し、特に低コストでかつ高性能なマルチチップモ
ジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、装置の大型化、高速化に伴い実装
回路基板も高性能化が求められている。このためLSI
チップを複数個基板上に実装してなるマルチチップモジ
ュールが多く用いられるようになっている。その一例を
示す文献として、エッチ・ジェイ・レビンシュタイン等
(H.J.Levinstein et al)がアテ
ススシーシー・ダイジェスト(ISSCC Diges
t)、1987年、224〜225ページに発表したマ
ルチ・チップ・パッケージング・テクノロジー・フォア
・ブイエルエスアイ・ベースド・システム (Multi-Chip
Packaging Technology for VLSI-Based System )があ
る。
【0003】このマルチチップモジュールではシリコン
基板上に銅配線等の微細な多層配線形成が行われた実装
回路基板が用いられている。この従来技術ではフリップ
チップ技術を用いてLSIチップを基板上に搭載してい
るがワイヤーで接続する技術や、TAB技術を用いるこ
ともある。
【0004】かかるモジュールの構成としては例えば、
上述した文献ではCPUとMMUとALUという組合せ
であったが、CPUとメモリとG/Aというような組合
せが一般的に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術を用
いたマルチチップモジュールでは実装基板上にLSIチ
ップを数個から十数個搭載していた。ところで、LSI
チップはほぼ1平方cmの大きさがあり、そのため実装
基板の大きさは20〜40平方cmと大きな基板が必要
となる。特にシリコンウエハを基板材料に用いたマルチ
チップモジュールでは直径5または6インチウエハを用
いて実装回路基板を製作する場合には、1枚のウエハか
ら4〜6個の実装回路基板しか作成できない。そのため
当然歩留りも低くなりコストが大きくなるという大きな
問題点が生じることが分かった。
【0006】また、上記従来技術のマルチチップモジュ
ールでは上述したように基板面積が大きくなるため、そ
れだけ配線長が長くなり、高性能化が充分達成できない
という問題点もあった。
【0007】本発明の課題は、モジュールの機能を損な
うことなく基板面積を小さくし、低コスト化、高性能化
を可能にしたマルチチップモジュールを提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、パッケ
ージ基板上の実装回路基板に複数のLSIチップを接続
してなるマルチチップモジュールにおいて、前記実装回
路基板には高速動作を行うLSIチップのみを搭載し、
バッファ回路LSIを含むそのほかのLSIチップは前
記実装回路基板の外部のパッケージ基板上に搭載し、前
記実装回路基板に形成されたI/Oパッドと前記複数の
LSIチップに形成されたI/Oパッドとが電気的接続
されたもので、前記バッファ回路LSI上に形成された
高速バスにつながるI/Oパッドは全て前記実装回路基
板に形成されたI/Oパッドに電気的接続し、前記バッ
ファ回路LSI上に形成された低速システムバスにつな
がるI/Oパッドは全てパッケージ基板に形成されたI
/Oパッドに電気的接続されることを特徴するマルチチ
ップモジュールが得られる。
【0009】本発明によれば、前記マルチチップモジュ
ールにおいて、前記LSIチップに形成されたI/Oパ
ッドと前記実装回路基板に形成されたI/Oパッドがワ
イヤーにより接続されていることを特徴とするマルチチ
ップモジュールが得られた。
【0010】本発明によれば、前記マルチチップモジュ
ールにおいて、前記LSIチップに形成されたI/Oパ
ッドと前記実装回路基板に形成されたI/OパッドがT
ABリードにより接続されていることを特徴とするマル
チチップモジュールが得られる。
【0011】本発明によれば、前記マルチチップモジュ
ールにおいて、前記LSIチップに形成されたI/Oパ
ッドと前記実装回路基板に形成されたI/Oパッドが半
田ボールによりフリップチップ接続されていることを特
徴とするマルチチップモジュールが得られる。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【実施例】次に本発明の第一の実施例を図面に基いて説
明する。
【0017】まず図1は本発明の第一の実施例を説明す
るための断面図である。第一の実施例ではパッケージ基
板101上にシリコンを用いた実装回路基板102の上
にマイクロプロセッサ(CPU)チップ103、高速メ
モリチップ104、ゲートアレイチップ105が搭載さ
れている。ここで図に示すように高速メモリチップ10
4およびゲートアレイチップ105は実装回路基板10
2の上には搭載されておらず、実装回路基板102の外
部に配置されている。各チップのI/Oパッドは実装基
板102上に形成された多層配線102′上のI/Oパ
ッドもしくはパッケージ基板101上のI/Oパッドに
ワイヤー106を用いて接続されている。更にこのマル
チチップモジュールは上述した部品以外に入出力ピン1
07、キャップ108、ヒートシンク109で構成され
ている。
【0018】高速メモリチップ104は全てのI/Oパ
ッドがチップ一辺の近傍にあり、それらが実装回路基板
102のI/Oパッドに接続されている。また、ゲート
アレイチップ105の約半数のI/Oパッドは実装回路
基板102のI/Oパッドに接続されており、残りのI
/Oパッドはパッケージ基板101に接続されている。
【0019】上述したように本発明のマルチチップモジ
ュールでは高速メモリチップ104およびゲートアレイ
チップ105が実装回路基板102の外部に配置されて
いる。このため、これらのチップを基板上に形成した場
合よりも基板面積を大幅に小さくできる。
【0020】このことを図2を用いてより分かりやすく
説明する。図2に本発明の第一の実施例の平面図を示
す。従来技術を用いて全てのチップを実装回路基板10
2上に搭載したならば実装回路基板の面積はほぼ図中の
キャビティー110の大きさになり、その場合の基板面
積は25平方cmであった。しかし、図2から分かるよ
うに、第一の実施例の実装回路基板の面積は7.5平方
cmであった。このように本発明を用いれば実装基板面
積を約30%に低減できるという大きな利点を有するこ
とが分かった。この効果により基板の歩留りが約4倍に
なり、モジュール全体のコストも約30%低減すること
ができた。
【0021】前記本発明の第一の実施例において、実装
回路基板102上にはCPUと同期し、80MHzで動
作する高速データバス、アドレスバス、制御バスが形成
されている。ゲートアレイチップ105はCPU側の高
速バスとシステム側(主メモリ、I/O)の低速のシス
テムバスをつなぐFIFO(先入れ先出し)のバッファ
回路LSIであり、図1に示されるようにゲートアレイ
チップの高速バスにつながるI/Oパッドは全て実装回
路基板102のI/Oパッドに接続され、低速のシステ
ムバスにつながるI/Oパッドは全てパッケージ基板の
I/Oパッドに接続されている。そのため80MHz動
作を行うマイクロプロセッチップ103、高速メモリチ
ップ104、ゲートアレイチップ105のチップ間の内
部配線が全て実装回路基板102上に形成されることに
なる。
【0022】上述したように本発明のマルチチップモジ
ュールは従来技術より実装回路基板の面積を1/3にで
きるため、各ネット毎の配線長もそれだけ短縮され、そ
れにより遅延時間も短縮されるため従来技術のものに比
べ大幅な高速動作を行なわせることが可能となるという
大きな利点もある。実際、従来技術を用いたマルチチッ
プモジュールで80MHzであったシステムを本発明の
モジュールを用いることにより83MHzまでの高速動
作を行わせることが可能となった。
【0023】前記マイクロプロセッサチップ103,2
03と高速メモリチップ104,204およびゲートア
レイチップ105,205などのLSIチップに形成さ
れたI/Oパッドと、前記実装回路基板102,202
に形成されたI/Oパッドとは、TABリードにより接
続しても良い。
【0024】次に第二の実施例としてフリップチップ接
続を用いた例を図3に示す。
【0025】図3は本発明の第二の実施例を説明するた
めの断面図である。第二の実施例ではパッケージ基板2
01上に実装回路基板202、マイクロプロセッサ(C
PU)チップ203、高速メモリチップ204、ゲート
アレイチップ205が搭載されている。各チップは実装
回路基板202上に形成された多層配線202′上に半
田バンプ206を用いてフリップチップ接続されてい
る。更に、このマルチチップモジュールは上述した部品
以外に入出力ピン207、キャップ208、ヒートシン
ク209で構成されている。
【0026】高速メモリチップ204のI/Oパッドは
片側では半田バンプ206を介し実装回路基板202の
I/Oパッドに接続され、もう片側ではダミー半田バン
プ209を介しパッケージ基板201に接続されてい
る。また、ゲートアレイチップ205のI/Oパッドは
片側では半田バンプ206を介し実装回路基板202の
I/Oパッドに接続され、反対側では半田バンプ206
を介してパッケージ基板201に接続されている。
【0027】本発明の第二の実施例ではフリップチップ
を用いてチップ接続が行われているため、接続部のイン
ダクタンスを大幅に低減できるだけでなく、チップ当り
の接続ピン数を低減できるためより高性能なモジュール
が実現可能となる。
【0028】なお、前記マイクロプロセッサチップ10
3,203と高速メモリチップ104,204およびゲ
ートアレイチップ105,205などのLSIチップに
形成されるI/Oパッドは、該LSIチップの特定の一
辺の端部より500μm以内に範囲にのみ形成すること
が望ましい。また、前記LSIチップの特定した第一の
辺の端部より5mm以内にある第一のI/Oパッドは全
て、前記実装回路基板102,202の高速バスにつな
がるI/Oパッドに接続されてることおよび前記第一の
辺に対向した位置にある第二の辺の端部より5mm以内
にある第二のI/Oパッドは全てパッケージ基板10
1,201のI/Oパッドに接続されることが望まし
い。
【0029】
【発明の効果】以上に述べたように本発明のマルチチッ
プモジュールは、実装回路基板の面積を大幅に低減でき
るため、従来技術より低コストで、しかも高性能なモジ
ュールを提供することができ、かつ、装置の大型化、高
速化に伴う実装回路基板の高性能化の要求に応えること
ができるという非常に大きな利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例を説明するための断面図
である。
【図2】本発明の第一の実施例の効果を補足説明するた
めの平面図である。
【図3】本発明の第二の実施例を説明するための断面図
である。
【符号の説明】
101…パッケージ基板 102…実装回路基板 103…マイクロプロセッサ(CPU)チップ 104…高速メモリチップ 105…ゲートアレイチップ 106…ワイヤー 107…入出力ピン 108…キャップ 109…ヒートシンク 110…キャビティ 201…パッケージ基板 202…実装回路基板 203…マイクロプロセッサ(CPU)チップ 204…高速メモリチップ 205…ゲートアレイチップ 206…半田バンプ 207…入出力ピン 208…キャップ 209…ダミー半田バンプ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パッケージ基板上の実装回路基板に複数の
    LSIチップを接続してなるマルチチップモジュールに
    おいて、前記実装回路基板には高速動作を行うLSIチ
    ップのみを搭載し、バッファ回路LSIを含むそのほか
    のLSIチップは前記実装回路基板の外部のパッケージ
    基板上に搭載し、前記実装回路基板に形成されたI/O
    パッドと前記複数のLSIチップに形成されたI/Oパ
    ッドとが電気的接続されたもので、前記バッファ回路L
    SI上に形成された高速バスにつながるI/Oパッドは
    全て前記実装回路基板に形成されたI/Oパッドに電気
    的接続し、前記バッファ回路LSI上に形成された低速
    システムバスにつながるI/Oパッドは全てパッケージ
    基板に形成されたI/Oパッドに電気的接続されること
    を特徴するマルチチップモジュール。
  2. 【請求項2】前記LSIチップに形成されたI/Oパッ
    ドと前記実装回路基板に形成されたI/Oパッドがワイ
    ヤーにより接続されていることを特徴とする請求項1の
    マルチチップモジュール。
  3. 【請求項3】前記LSIチップに形成されたI/Oパッ
    ドと前記実装回路基板に形成されたI/OパッドがTA
    Bリードにより接続されていることを特徴とする請求項
    1のマルチチップモジュール。
  4. 【請求項4】前記LSIチップに形成されたI/Oパッ
    ドと前記実装回路基板に形成されたI/Oパッドが半田
    ボールによりフリップチップ接続されていることを特徴
    とする請求項1のマルチチップモジュール。
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