JP2860209B2 - 燃料電池用リブ付きセパレータおよびその製造方法 - Google Patents

燃料電池用リブ付きセパレータおよびその製造方法

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JP2860209B2
JP2860209B2 JP4236046A JP23604692A JP2860209B2 JP 2860209 B2 JP2860209 B2 JP 2860209B2 JP 4236046 A JP4236046 A JP 4236046A JP 23604692 A JP23604692 A JP 23604692A JP 2860209 B2 JP2860209 B2 JP 2860209B2
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thin film
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dense
fuel cell
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哲也 谷口
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、積層構造のリン酸形
燃料電池に用いられるリブ付きセパレータおよびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】リン酸を電解質とした積層式のリン酸形
燃料電池は知られている(特開昭63ー318075号
公報、特開昭63ー24561号公報、特開昭60ー2
30366号公報、特開昭60ー20471号公報、特
開昭57ー19981号公報等)。例えば、図13はこ
のような従来の積層式リン酸形燃料電池の積層体の分解
斜視図であり、図において、1は電解質となるリン酸を
含浸させたマトリックス1aの両面を電極としての空気
電極1bと燃料電極1cでみつけた単電池、2は一面側
にガス流路として水平横溝状の空気流路2aを有し、他
面側にガス流路として水平縦溝状の燃料ガス流路2bを
有した両溝形のリブ付きセパレータ、3は単電池1とリ
ブ付きセパレータ2とを交互に複数積層した積層体であ
る。
【0003】図14は上記リブ付きセパレータ2の拡大
断面図であり、図において、10はガス透過性を有する
多孔質炭素板、11は気液シール性を有し、一対の多孔
質炭素板10,10で挟みつけられている緻密質炭素
板、Rは空気流路2a用としておよび燃料ガス流路2b
用として多孔質炭素板10の外面側に形成されているリ
ブ、R1は多孔質炭素板10の両側面からの気液のリー
クを防止するためのシール処理がなされたシールリブで
ある。ここで緻密質炭素板11の板厚は通常0.4〜
1.0mmであり、多孔質炭素板10の板厚は通常1.
0〜2.0mmであるため、リブ付きセパレータ2全体
の厚みは2.4〜5.0mmとなる。また、リブRの高
さは通常0.5〜1.5mm程度であるため、多孔質炭
素板10の溝部分の残肉厚さは0.5mm程度となる。
【0004】つぎにこの積層式リン酸形燃料電池の動作
を説明する。発電にあたり積層体3の側面に設けられた
ガスヘッダ(図示していない)を介してリブ付きセパレ
ータ2の空気流路2aに空気が供給され、燃料ガス流路
2bに水素リッチな燃料ガスが供給される。そして、こ
の空気および燃料ガスは、直接またはリブ付きセパレー
タ2の多孔質炭素板10中を拡散しながらそれぞれ単電
池1の空気電極1bと燃料電極1cとに達し、それぞれ
の触媒のもとで反応を起こす。その際、燃料電極1cで
発生した水素イオンはマトリックス1a中を移動して空
気電極1bまで達するとともに、燃料電極1cで発生し
た電子は導電性のリブ付きセパレータ2を通って隣の単
電池1の空気電極1bまで達し、この空気電極1bで水
を生成させる。そして、このときに単電池1ごとに起電
力が発生し、積層体3全体では単電池1の起電力に単電
池1の数を乗じただけの起電力が発生する。
【0005】この場合、マトリックス1aは電解質であ
るリン酸の作用により、水素イオンのみを通し電子は通
さないという働きを有しているが、このマトリックス1
a中のリン酸は生成された水の蒸発時等に一部電池系外
へ搬出され不足ぎみとなる。このため、リブ付きセパレ
ータ2の多孔質炭素板10の空隙中には予めリン酸が貯
蔵されており、マトリックス1a側でリン酸が不足して
くると、このリン酸はリブ付きセパレータ2の多孔質炭
素板10側から絶えず補給されている。また、発電時に
は起電ロスにより単電池1等には熱が発生し電池系内の
温度を高めようとするが、この熱はリブ付きセパレータ
2を通って、数単電池1ごとに配置された冷却装置(図
示していない)に伝達され、そこから外部に回収され
る。
【0006】積層式リン酸形燃料電池は上記のように動
作するため、リブ付きセパレータ2には導電性および熱
伝導度性が高いとともに、耐熱性および耐リン酸腐食性
を備えていることが要求される。そして、リブ付きセパ
レータ2の緻密質炭素板11には高い気液シール性と高
強度で薄肉化が可能なことが要求され、特にリブ付きセ
パレータ2の多孔質炭素板10にはガス透過性およびリ
ン酸貯蔵性がよいことが要求される。このため、従来よ
り緻密質炭素板11には、通称グラッシーカーボンと呼
ばれる非晶質カーボン材料(例えば昭和電工株式会社製
SGシリーズや神戸製鋼株式会社製GCRシリーズがこ
れに該当する)が0.4〜0.8mm程度の厚さで用い
られ、多孔質炭素板10には、ピッチ系またはPAN
系、あるいはその他の繊維と熱硬化性樹脂とを混合・成
形した後に焼成したカーボン材料(例えば呉羽化学工業
株式会社製KESシリーズや東レ株式会社製TGPシリ
ーズがこれに該当する)が1〜2mmの厚さで用いられ
る。
【0007】さて、多孔質炭素板10と緻密質炭素板1
1とから構成されるリブ付きセパレータ2の使用方法を
分類すると、多孔質炭素板10と緻密質炭素板11とを
独立部材として使用し、組立時に個々に積層していく方
法と、2枚の多孔質炭素板10,10と一枚の緻密質炭
素板11とを予め接合または一体化したものを積層して
いく方法がある。
【0008】ここで、多孔質炭素板10と緻密質炭素板
11とを接合または一体化する方法には、 A:それぞれ焼成が終了したものに接合剤を塗布し、そ
の後これ等を加圧・加熱処理して貼り合わせる接合方法
と、 B:それぞれ焼成が終了したものに熱硬化性樹脂を塗布
して貼り合わせた後、これ等を加圧・焼成する一体化方
法と、 C:一方または双方が未焼成(いわゆるグリーン状態を
いう)のものどうしを加圧して貼り合わせた後、これ等
を焼成する一体化方法とがある。 しかし、実際には多孔質炭素板10と緻密質炭素板11
間には線膨張率や弾性定数および収縮度に違いがあるた
め、およびの一体化方法は困難であり、の接合方
法が多く採用されている。
【0009】上記の方法では接合剤として耐リン酸性
を兼ね備えた材料という観点から、フッ素樹脂系または
これと炭素材料の混合材等が使用される。そして、この
接合剤を緻密質炭素板11の表面に薄く塗布して乾燥し
た後、この緻密質炭素板11を2枚の多孔質炭素板1
0,10で挟んで加圧し、これ等を300〜400℃ま
で昇温して、接合体としてのリブ付きセパレータ2が製
作される。なお、片溝形のリブ付きセパレータは1枚の
多孔質炭素板10と1枚の緻密質炭素板11とを同様に
して接合すればよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リブ付
きセパレータ2を別々に独立した2枚の多孔質炭素板1
0と1枚の緻密質炭素板11とで構成する場合は、前も
ってこれ等を接合する必要がなく製作コストが安いとい
うメリットはあるが、その分積層回数が増えるため、積
層コストの上昇を招いてしまうという課題がある。また
この場合、溝加工した板剛性の低い多孔質炭素板10を
単独で積層しなければならないため、ハンドリング時に
この多孔質炭素板10に破損が生じやすいという課題が
ある。このため、多孔質炭素板10の積層を熟練工の手
作業により行なわなければならず、その分組立コストの
上昇を招いてしまうという課題もある。なお、多孔質炭
素板10の板剛性の向上を図るには厚肉化や高密度化が
考えられるが、このことは電池のコンパクト化に反する
とともに、多孔質炭素板10に要求される導電性・熱伝
導性の向上やガス透過性の向上に反し妥当でない。
【0011】また、多孔質炭素板10や緻密質炭素板1
1を別々に積層していく場合には、積層体3の面圧分布
やクリープ変形による面圧緩和に対応して、局所的
触部分に大きな電気抵抗や熱抵抗が生じやすく、電池寿
命を短くしてしまうという課題がある。
【0012】これに対して、リブ付きセパレータ2を2
枚の多孔質炭素板10と1枚の緻密質炭素板11とを一
体的に接合して構成する場合は、上記の場合に対して、
積層体3の組み立てにあたり積層回数が大幅に減少する
というメリットと、前もってこれ等の接合作業をする必
要があり、製作コストの上昇を招いてしまうというデメ
リットは当然あるが、特にこの場合、接合剤としてフッ
素系樹脂を使用するため、接合状態が良好でない部分
(多孔質炭素板10と緻密質炭素板11とが完全に密接
されていない部分)では、その導電性および熱伝導性が
低下してしまうという課題がある。また、1個の接合体
全体としては電気抵抗や熱抵抗が許容値以下となってい
ても、実際には接合面内でのばらつきは大きいため、こ
のばらつきが単電池1内での電流の流れ方や温度分布に
も影響を与え、最終的には単電池1の特性や電池の発電
効率に悪影響を与えてしまうという課題がある。
【0013】さらに、接合にあたり、フッ素系樹脂を溶
融可能な温度まで加熱する必要があるが、加熱時の板面
内での温度分布がそのまま接合強度に影響を与えるた
め、必要温度より高温度に加熱してしまう傾向がある。
このためフッ素系樹脂の一部が蒸発して多孔質炭素板1
0内に拡散し、炭素繊維表面を覆ってしまい、多孔質炭
素板10のリン酸貯蔵性が悪くなってしまうという課題
がある。
【0014】また、リブ付きセパレータ2を接合して一
体形とする場合でも、しない場合でも、このリブ付きセ
パレータ2では緻密質炭素板11の両面について接触ま
たは接合箇所が生じ、この部分において電気抵抗および
熱抵抗を大きく増大させてしまうという課題がある。そ
してこのリブ付きセパレータ2の接触または接合箇所は
積層体3全体では莫大な数となるため、これ等が燃料電
池の発電効率や積層体3の冷却に悪影響を及ぼすという
課題がある。
【0015】この発明は、上記のような課題を解決する
ためになされたものであり、要求される性能・品質を満
たし、かつ電気抵抗や熱抵抗を小さく抑えることができ
るとともに、積層コストの低減を図ることができる燃料
電池用のリブ付きセパレータを提供することを目的とす
る。また、この発明は、上記燃料電池用のリブ付きセパ
レータを歩留まりよく低コストで製造できる燃料電池用
のリブ付きセパレータの製造方法を提供することを目的
とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明
は、それぞれガス流路用のリブが一面側に形成された一
対のハーフセパレータからなり、それぞれの他面側が相
対するように該一対のハーフセパレータを重ね合わせ
て、電解質を保持するマトリックスの両側に電極を有し
た単電池と交互に積層される燃料電池用リブ付きセパレ
ータにおいて、一対のハーフセパレータのそれぞれが、
ガス流路用のリブが一面側に形成され、かつ、熱硬化性
樹脂の薄膜が他面側に形成された多孔質炭素板を加熱処
理して該薄膜をシール性のある緻密質炭素層に変えて形
成された一定厚さの多孔質炭素層の一面側に薄くてシー
ル性のある緻密質炭素層を有した一体形の傾斜炭素板
構成されていることである。
【0017】この発明の第2の発明は、それぞれガス流
路用のリブが一面側に形成された一対のハーフセパレー
タからなり、それぞれの他面側が相対するように該一対
のハーフセパレータを重ね合わせて、電解質を保持する
マトリックスの両側に電極を有した単電池と交互に積層
れる燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法におい
て、一面側にガス流路用のリブを有する一定厚さの多孔
質炭素板を製作する第1の工程と、多孔質炭素板の他面
側に熱硬化性樹脂の薄膜を形成する第2の工程と、薄膜
が形成された多孔質炭素板を加熱処理して、薄膜をシー
ル性のある緻密質炭素層に変えてハーフセパレータを製
作する第3の工程とを有することである。
【0018】この発明の第3の発明は、電解質を保持す
るマトリックスの両側に電極を有した単電池と交互に積
層され、その両面にガス流路用のリブが形成されている
燃料電池用リブ付きセパレータにおいて、熱硬化性樹脂
の薄膜が一方の面に形成された一対の多孔質炭素板が、
該薄膜側どうしを重ね合わされ、加熱処理により両薄膜
をシール性のある一体の緻密質炭素層に変えて一体化さ
れた一定厚さの一対の多孔質炭素層の間に薄い緻密質炭
素層を有する傾斜炭素板で構成され、ガス流路用のリブ
を、傾斜炭素板の両外面側に形成していることである。
【0019】この発明の第4の発明は、電解質を保持す
るマトリックスの両側に電極を有した単電池と交互に積
層され、その両面にガス流路用のリブが形成されている
燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法において、一
面側にガス流路用のリブを有する一定厚さの多孔質炭素
板を製作する第1の工程と、多孔質炭素板の他面側に熱
硬化性樹脂の薄膜を形成する第2の工程と、薄膜が形成
された一対の多孔質炭素板の薄膜側どうしを重ね合わ
せ、加熱処理して、これ等を一体化するとともに、薄膜
をシール性のある緻密質炭素層に変える第3の工程とを
有することである。
【0020】この発明の第5の発明は、電解質を保持す
るマトリックスの両側に電極を有した単電池と交互に積
層され、その両面にガス流路用のリブが形成されている
燃料電池用リブ付きセパレータにおいて、熱硬化性樹脂
の薄膜を加熱処理して得られたシール性のある緻密質炭
素層が多孔質炭素板の一方の面に形成されてなる一定厚
さの多孔質炭素層の一方の面に薄い緻密質炭素層を有す
る一対の傾斜炭素板を、該緻密質炭素層側どうしを接合
して一体に形成して構成され、ガス流路用のリブを、
体化された一対の傾斜炭素板の両外面側に形成している
ことである。
【0021】この発明の第6の発明は、電解質を保持す
るマトリックスの両側に電極を有した単電池と交互に積
層され、その両面にガス流路用のリブが形成されている
燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法において、一
面側にガス流路用のリブを有する一定厚さの多孔質炭素
板を製作する第1の工程と、多孔質炭素板の他面側に熱
硬化性樹脂の薄膜を形成する第2の工程と、薄膜が形成
された多孔質炭素板を加熱処理して、薄膜をシール性の
ある緻密質炭素層に変える第3の工程と、緻密質炭素層
が形成された一対の多孔質炭素板の緻密質炭素層側どう
しを接合して一体化する第4の工程とを有することであ
る。
【0022】この発明の第7の発明は、電解質を保持す
るマトリックスの両側に電極を有した単電池と交互に積
層され、その両面にガス流路用のリブが形成されている
燃料電池用リブ付きセパレータにおいて、熱硬化性樹脂
の薄膜を加熱処理して得られたシール性のある緻密質炭
素層が多孔質炭素板の一方の面に形成されてなる一定厚
さの多孔質炭素層の一方の面側に薄い緻密質炭素層を有
する一対の傾斜炭素板と、薄い強度のある炭素板とから
なり、炭素板を一対の傾斜炭素板の緻密質炭素層側どう
しで挟みつけて合体接合して構成され、ガス流路用のリ
ブを、合体接合された一対の傾斜炭素板の両外面に形成
していることである。
【0023】この発明の第8の発明は、電解質を保持す
るマトリックスの両側に電極を有した単電池と交互に積
層され、その両面にガス流路用のリブが形成されている
燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法において、一
面側にガス流路用のリブを有する一定厚さの多孔質炭素
板を製作する第1の工程と、多孔質炭素板の他面側に熱
硬化性樹脂の薄膜を形成する第2の工程と、薄膜が形成
された多孔質炭素板を加熱処理して、薄膜をシール性の
ある緻密質炭素層に変える第3の工程と、薄い強度のあ
る炭素板を緻密質炭素層が形成された一対の多孔質炭素
板の緻密質炭素層側どうしで挟みつけて接合し、これ等
を一体化する第4の工程とを有することである。
【0024】
【作用】この発明の第1の発明では、多孔質炭素層側に
ガス流路用リブが形成された傾斜炭素板(以下ハーフセ
パレータという)を2枚重ね合わせることにより、リブ
付きセパレータが得られる。すなわち、このハーフセパ
レータが多孔質炭素層の一側に薄くてシール性のある緻
密質炭素層を有する一体形の傾斜炭素板で構成されてい
るため、2つのハーフセパレータの互いの緻密質炭素層
側を重ね合わせることにより、リブ付きセパレータが得
られる。またリブ付きセパレータは2枚のハーフセパレ
ータにより形成されるため、接触箇所が一箇所しかなく
電気抵抗や熱抵抗を小さく抑えることができるととも
に、単電池とともに積層体を形成する場合でも、その積
層作業は容易となる。さらに、ハーフセパレータ20は
緻密質炭素層を有しているため、単体強度の向上が図
れ、ハンドリング時の破損の低減が図られる。
【0025】この発明の第2の発明では、第1の工程で
一面側にガス流路用のリブを有した一定厚さの多孔質炭
素板を製作し、第2の工程でこの多孔質炭素板の他面側
に熱硬化性樹脂の薄膜を形成する。そして第3の工程で
薄膜が形成された多孔質炭素板を加熱処理してこの薄膜
をシール性のある緻密質炭素層に変える。すなわち、こ
れ等の工程により、第1の発明に係るハーフセパレータ
が製造される。これ等の工程では多孔質炭素板の一側に
薄い緻密質炭素層を割れなく形成できる。
【0026】この発明の第3の発明では、傾斜炭素板の
両側に有する多孔質炭素層の外面側にガス流路用リブを
形成することにより、リブ付きセパレータを形成してい
る。この場合の傾斜炭素板は一定厚さの一対の多孔質炭
素層間に薄くてシール性のある緻密質炭素層を一体的に
有したものであるため、その両面にガス流路用リブを形
成すれば、リブ付きセパレータとなる。このリブ付きセ
パレータは一体形のものであるため、積層時に接触箇所
が生じず、第1の発明のリブ付きセパレータより電気抵
抗や熱抵抗を下げることができるとともに、積層体を形
成する場合の積層作業もさらに容易となる。またハンド
リング時の破損もさらに低減することができる。
【0027】この発明の第4の発明では、第1の工程と
第2の工程は第2の発明のそれと同一であるが、第3の
工程で、薄膜が形成された一対の多孔質炭素板の前記薄
膜側どうしを重ね合わせ、加熱処理して、これらを一体
化するとともに、前記薄膜をシール性のある緻密質炭素
層に変えている。すなわち、これらの工程により、第3
の発明に係るリブ付きセパレータ2が製造される。これ
らの工程では一対の多孔質炭素板の間に薄い緻密質炭素
層を割れなく形成できる。
【0028】この発明の第5の発明では、リブ付きセパ
レータを第1の発明に係る一対のハーフセパレータの緻
密質炭素層側を接合して一体的に構成した場合であり、
第1の発明のリブ付きセパレータの場合より、積層体を
形成する場合の積層作業が容易となり、かつハンドリン
グ時の破損もさらに低減する。
【0029】この発明の第6の発明では、第1の工程か
ら第3の工程までは第2の発明のそれと同一であり、第
4の工程で、一対のハーフセパレータの緻密質炭素層側
を接合して接合形のリブ付きセパレータが得られる。す
なわち、これらの工程により第5の発明に係るリブ付き
セパレータが製造される。
【0030】この発明の第7の発明では、第1の発明に
係る一対のハーフセパレータの緻密質炭素層側間に、薄
くて強度のある炭素板を挟みつけて接合し、3者を一体
的に合体させることにより、リブ付きセパレータを形成
した場合であり、第5の発明のリブ付きセパレータの場
合より、その強度を上げてハンドリング時の破損のさら
なる防止が図られている。
【0031】この発明の第8の発明では、第1の工程か
ら第3の工程までは第2の発明のそれと同一であり、第
4の工程で、一対のハーフセパレータの緻密質炭素層側
に薄くて強度のある炭素板を挟みつけて接合し、接合形
のリブ付きセパレータが得られる。すなわち、これらの
工程により第7の発明に係るリブ付きセパレータが製造
される。
【0032】
【実施例】以下、この発明の実施例を図について説明す
る。 実施例1.この発明の第1発明に係る燃料電池用リブ付
きセパレータの一実施例を図1乃至図3を参照して説明
する。図1は積層式リン酸形燃料電池の積層体の部分的
斜視図、図2はリブ付きセパレータの部分的断面図、図
3は傾斜炭素板の断面図である。なお、図13で示され
る従来の積層式リン酸形燃料電池の積層体と同一または
相当部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0033】図において、20は一面側にリブRが形成
されたハーフセパレータ(片溝形リブ付きセパレータ)
であり、20Aは一面側に空気流路2a用のリブRが形
成された空気電極用ハーフセパレータ、20Bは一面側
に空気流路2a用のリブRと直交する向きに燃料ガス流
路2b用のリブRが形成された燃料ガス電極用ハーフセ
パレータである。21は空気電極用ハーフセパレータ2
0Aと燃料ガス電極用ハーフセパレータ20Bとを重ね
合わせてリブ付きセパレータ2を形成する場合に、その
間に塗布される導電性の黒鉛ペーストである。
【0034】ハーフセパレータ20は、図3で示される
ように、その材料が所定厚さの通気性を有した多孔質炭
素層40の一面側に、100〜200μmの薄い気液シ
ール性を有する緻密質炭素層41を有した例えば厚さ
1.5mmの一体形の傾斜炭素板30から構成されてお
り、そのリブRが多孔質炭素層40側の面に高さ1mm
で形成されている。なお、この場合その残肉厚さは0.
5mmとなるため、リブRの谷部が緻密質炭素層41ま
でくい込むことはない。そして、2つのハーフセパレー
タ20A,20Bの緻密質炭素層41側面どうしを黒鉛
ペースト21を介して重ね合わせることにより厚さ3m
mのリブ付きセパレータ2が形成される。なお、ハーフ
セパレータ20の両側のリブRはガスシール処理がなさ
れたシールリブR1となっている。
【0035】つぎにこの傾斜炭素板30から構成される
ハーフセパレータ20A,20Bを2枚合わせて形成さ
れるリブ付きセパレータ2Aの動作を説明する。ハーフ
セパレータ20は多孔質炭素層40と緻密質炭素層41
からなる傾斜炭素板30から構成されているため、その
性質上、従来のリブ付きセパレータ2を構成する多孔質
炭素板10および緻密質炭素板11の性能・品質をすべ
て有している。したがって、この空気電極用ハーフセパ
レータ20Aと燃料ガス電極用ハーフセパレータ20B
とを黒鉛ペースト21を介して重ね合わせて形成される
リブ付きセパレータ2は従来のリブ付きセパレータ2と
同一機能を有しており、その発電時の動作は従来のリブ
付きセパレータ2と同一である。
【0036】いっぽう、従来のリブ付きセパレータ2は
2枚の多孔質炭素板10,10と1枚の緻密質炭素板1
1の3部品から構成され、その接触又は接合箇所が2箇
所となっているのに対し、この実施例のリブ付きセパレ
ータ2は2つのハーフセパレータ20A,20Bから構
成され、その接触箇所が1箇所であるため、その電気抵
抗および熱抵抗は著しく低減され、これらの値は従来の
リブ付きセパレータ2の値の約1/2以下になっている
ことが実験により確かめられた。また、接触箇所の減少
にともない接触箇所に起因する種々のトラブルを減少さ
せることができる。
【0037】また、2枚の多孔質炭素板10,10と1
枚の緻密質炭素板11とが別々に独立して構成されてい
る従来のリブ付きセパレータ2に対して、この実施例1
のリブ付きセパレータ2は、2つのハーフセパレータ2
0A,20Bで構成されるため、積層体3の組み立てに
当たりその積層コストの低減を図ることができるととも
に、ハーフセパレータ20の曲げ強度は、緻密質炭素層
41を有する分、従来の多孔質炭素板10の2倍以上と
なっているため、ハンドリング時における部品の破損も
大幅に減少させることができる。したがって、熟練工以
外の者による組み立ても可能となる。さらに、本実施例
のリブ付きセパレータ2では上記従来のリブ付きセパレ
ータ2に比べ、積層時における接触部分が少なくなる
分、積層体3の面圧分布やクリープ変形による面圧緩和
に対応して接触部分に局所的に大きな電気抵抗や熱抵抗
が生じにくくなり、それだけ電池寿命を長くすることが
できる。
【0038】また、2枚の多孔質炭素板10,10と1
枚の緻密質炭素板11とが接合され合体して構成されて
いる従来のリブ付きセパレータ2に対して、本実施例の
リブ付きセパレータ2では、接合箇所がないため接合状
態が良好でない部分が生じることはなく、かつリブ付き
セパレータ2内で電気抵抗や熱抵抗に大きなばらつきが
生じることもない。さらに、この実施例1のリブ付きセ
パレータ2では、接着箇所がないため接合剤(フッ素系
樹脂)が多孔質炭素層40内に拡散し、この多孔質炭素
層40のリン酸貯蔵性を悪くしてしまうこともない。
【0039】実施例2.図4はこの発明の第2の発明に
係る燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法の一実施
例を示す図である。実施例1では2つのハーフセパレー
タ20A,20Bを重ね合わせてリブ付きセパレータ2
を構成しているが、この実施例2はこのハーフセパレー
タ20の製造方法に関するものである。
【0040】この製造方法は一面側にガス流路用のリブ
Rを有する一定厚さの多孔質炭素板を製作する第1の工
程A1と、前記多孔質炭素板の他面側に熱硬化性樹脂の
薄膜を形成する第2の工程A2と、前記薄膜が形成され
た多孔質炭素板を加熱処理して前記薄膜をシール性のあ
る緻密質炭素層41に変える第3の工程A3とから構成
されている。
【0041】第1の工程A1は従来から知られている一
面側にガス流路用リブRを有する多孔質炭素板を製作す
る工程である(例えばその方法は特開昭59ー6817
0号公報に詳述されている)。この工程では、例えば短
炭素繊維、フェノール樹脂バインダーおよび有機粒状物
質を混合した後、これを加熱・加圧して一定厚さの成形
品とし、その後この成形品を2000℃で焼成した後、
できた多孔質炭素材(これは例えば呉羽化学工業株式会
社製のKESー400と同等品となる)を所定サイズに
加工し、さらにリブ加工をすることにより、一面側にガ
ス流路用リブを有する多孔質炭素板が製作される。な
お、リブRを含む形状加工は成形品の段階で行なっても
よい。
【0042】第2の工程A2は熱硬化性樹脂(例えば日
清紡株式会社製のポリカルボジイミド樹脂)の容液を平
滑なガラス板上に展開して溶媒を除去し、熱硬化性樹脂
の薄膜を得た後、この薄膜を前記第1の工程A1ででき
た多孔質炭素板のリブRを有さない側の面に展開して、
これを乾燥させるものである。第3の工程A3はその一
面側に薄膜が展開・乾燥された第2の工程A2の多孔質
炭素板をチッ素雰囲気中で室温から600℃まで徐々に
昇温し、その後直ちに放冷するものである。このことに
より薄膜は焼成されて多孔質炭素板の一面側に緻密質炭
素層となって一体的に付着する。そして両端部のリブR
をシール処理してシールリブR1とすれば、その板厚が
1.5mmのハーフセパレータ20が完成する。
【0043】この場合この薄膜から形成される緻密質炭
素層の厚さは100〜200μm と薄いため、多孔質炭
素板の多孔質部分の空隙容積の減少も少ないとともに、
この緻密質炭素層のガスシール性能は、その値が1.0
×10-6(N・cc/min/cm2 )[N2 ガス、差
圧0.2Kg/cm2 、室温]以下であり、非常に高い
ため、この緻密質炭素層の板厚方向の気液シール性能に
は問題は生じない。なお、ポリカルボジイミド樹脂から
薄い緻密質炭素材を形成する方法は特開平2ー1521
67号公報に詳述されている。
【0044】以上の第1、第2、第3の工程A1,A
2,A3によって、多孔質炭素板が多孔質炭素層40と
なり熱硬化性樹脂の薄膜が緻密質炭素層41となった傾
斜炭素板30が製造されるとともに、この傾斜炭素板3
0の多孔質炭素層40側にガス流路用のリブRが形成さ
れた実施例1のハーフセパレータ20と同じハーフセパ
レータ20が歩留まりよく低コストで製造される。な
お、この場合、空気電極用ハーフセパレータ20Aと燃
料ガス電極用ハーフセパレータ20Bとは上記工程によ
り別々に製造される。
【0045】従来技術では、緻密質炭素材を製造するに
あたり、特に焼成時の収縮率が大きく、かつその緻密性
を確保するには板厚を一定厚さ(0.4〜1.0mm)
まで厚肉化しなければならなかった。そのため、従来は
緻密質炭素層を第3の工程A3のような方法で焼成済み
の多孔質炭素材(1.5mm)の一側に形成するのは、
緻密質層が厚くなり割れ発生するため、困難であっ
た。いっぽう、例えばポリカルボジイミド樹脂は非常に
薄肉(200μm 以下)に成形できるとともに、その焼
成時の収縮率が小さく、かつその焼成温度が600℃と
比較的低いため、第3の工程A3により割れを生じるこ
となく緻密質炭素層が形成できると考えられる。
【0046】なお、この実施例2では熱硬化性樹脂とし
て日清紡株式会社製のポリカルボジイミド樹脂を使用し
ているが、熱硬化性樹脂はこれに限らず薄い緻密質炭素
層を焼成ずみの多孔質炭素板の一側に割れなく形成でき
るものであれば他のものでもよいのは勿論である。
【0047】実施例3.この発明の第3発明係る燃料電
池用リブ付きセパレータの一実施例を図5乃至図7を参
照して説明する。図5は積層式リン酸形燃料電池の積層
体の部分的斜視図、図6はリブ付きセパレータの部分的
断面図、図7は傾斜炭素板の断面図である。なお、実施
例1の積層式リン酸形燃料電池の積層体と同一または相
当部分には同一符号を付しその説明を省略する。
【0048】この実施例3のリブ付きセパレータ2は一
体形ものであり、その材料が、図7で示されるように、
所定厚さの通気性を有した2つの多孔質炭素層40,4
0間に200〜400μm の薄い気液シール性を有する
緻密質炭素層42を有した例えば厚さ3.0mmの一体
形の傾斜炭素板31から構成されている。そして、高さ
1mmの複数のリブRがこの傾斜炭素板31の両外面、
すなわち、多孔質炭素層40,40の各外面に形成され
ており、この傾斜炭素板31の一方の面に空気流路2
a、他方の面に燃料ガス流路2bが形成されているとと
もに、両端のリブRはガスシール処理がなされたシール
リブR1となっている。
【0049】したがって、この傾斜炭素板31から構成
される一体形のリブ付きセパレータ2も従来のリブ付き
セパレータ2と同一の性能・品質を有すとともに、同一
の機能を有している。またこのリブ付きセパレータ2は
1個の単体から構成されているため、その内部に接触箇
所がなく、この部分における電気抵抗や熱抵抗の増大が
ないため、その電気抵抗や熱抵抗は従来のリブ付きセパ
レータ2の1/10以下になっている。さらに、実施例
のリブ付きセパレータ2は接触箇所がないため、この
接触箇所に起因した他の種々のトラブルが生じることも
ない。
【0050】また、この実施例3のリブ付きセパレータ
2は1個の単体から構成されているため、実施例1のリ
ブ付きセパレータ2に比べその積層コストの低減を図る
ことができるとともに、黒鉛ペースト21も不要であ
り、その分製作コストの低減をも図ることができる。さ
らに、実施例3のリブ付きセパレータ2の気液シール
性、曲げ強度、多孔質部分の空隙容積は実施例1のリブ
付きセパレータ2と同等またはそれ以上の性能を有して
いることが評価テストにて確認されている。
【0051】実施例4.図8はこの発明の第4の発明に
係る燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法の一実施
例を示す図である。この実施例4は実施例3の一体形の
リブ付きセパレータ2の製造方法に関するものである。
【0052】この製造方法は一面側にガス流路用のリブ
Rを有する一定厚さの多孔質炭素板を製作する第1の工
程B1と、前記多孔質炭素板の他面側に熱硬化性樹脂の
薄膜を形成する第2の工程B2と、前記薄膜が形成され
た一対の多孔質炭素板の前記薄膜側どうしを重ね合わ
せ、加熱処理して、これらを一体化するとともに、前記
薄膜をシール性のある緻密質炭素層に変える第3の工程
B3とから構成されている。
【0053】第1の工程B1と第2の工程B2は実施例
2の第1の工程A1と第2の工程A2とそれぞれ同一で
あるため、その説明を省略する。第3の工程B3では、
その一面側に薄膜が展開・乾燥された一対の第2の工程
B2で形成された多孔質炭素板をその薄膜どうしを合わ
せるようにして重ね合わせた後、これらをチッ素雰囲気
中で室温から600℃まで徐々に昇温し、その後直ちに
放冷する。このことにより薄膜は焼成されて多孔質炭素
板の一面側に緻密質炭素層となって一体的に付着すると
ともに、緻密質炭素層どうしが合体する。そして、この
一体化した炭素板の所定リブRをシール処理してシール
リブR1とすれば、その板厚が3.0mmのリブ付きセ
パレータ2が完成する。
【0054】以上の第1、第2および第3の工程B1,
B2,B3によって、2つの多孔質炭素板が一対の多孔
質炭素層40,40となり、2つの熱硬化性樹脂の薄膜
が緻密質炭素層42となった傾斜炭素板31が製造され
るとともに、この傾斜炭素板31の一対の多孔質炭素層
40,40の外面側にガス流路用のリブRが形成された
実施例3のリブ付きセパレータ2と同じリブ付きセパレ
ータ2が歩留りよく低コストで製造される。なお、この
場合、傾斜炭素板31の一方の面側のリブRの向きと他
方の面側のリブRの向きは直交しており、傾斜炭素板3
1の一方の面側には空気流路2aが形成され、他方の面
側には燃料ガス流路2bが形成されている。
【0055】実施例5.図9はこの発明の第5の発明に
係る燃料電池用リブ付きセパレータの一実施例を示す図
である。この実施例5のリブ付きセパレータ2は、実施
例1の空気電極用ハーフセパレータ20Aと燃料ガス電
極用ハーフセパレータ20Bとの互いの緻密質炭素層4
1側どうしを導電性を有する黒鉛入りの耐熱接着剤22
(例えば英国サーモン社製のサーモセメント等)を介し
て接合して一体化したものである。なお、このリブ付き
セパレータ2の厚さは、ハーフセパレータ20A,20
Bの厚さがそれぞれ1.5mmであり、耐熱接着剤22
の厚さが100μm であるため、3.1mmとなる。
【0056】この実施例5のリブ付きセパレータ2は実
施例1の一対のハーフセパレータ20A,20Bを接合
して一体化したものであるため、実施例1のリブ付きセ
パレータ2と同様な効果を得ることができるとともに、
接合して一体化した分、実施例1のリブ付きセパレータ
2より積層コストの低減を図ることができるとともに、
強度の向上を図ることができる。
【0057】なお、この実施例5では耐熱接着剤22と
して英国サーモン社製のサーモセメントを使用している
が、これに限らず導電性機能を損なわず、耐熱性を有す
るものであればよいのは勿論である。
【0058】実施例6.図10はこの発明の第6の発明
に係る燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法の一実
施例を示す図である。この実施例6は実施例5の接合形
のリブ付きセパレータの製造方法に関するものである。
【0059】この製造方法は一面側にガス流路用のリブ
Rを有する一定厚さの多孔質炭素板を製作する第1の工
程C1と、前記多孔質炭素板の他面側に熱硬化性樹脂の
薄膜を形成する第2の工程C2と、前記薄膜が形成され
た多孔質炭素板を加熱処理して、前記薄膜をシール性の
ある緻密質炭素層に変える第3の工程C3と、前記緻密
質炭素層41が形成された一対の多孔質炭素板の前記緻
密質炭素層側どうしを接合して一体化する第4の工程C
4とから構成されている。
【0060】第1の工程C1から第3の工程C3までは
実施例2の第1の工程A1から第3の工程A3までとそ
れぞれ同一であるため、その説明を省略する。第4の工
程C4では、第3の工程C3までにおいてできあがった
空気電極用ハーフセパレータ20Aと燃料ガス電極用ハ
ーフセパレータ20Bとの互いの緻密質炭素層41側ど
うしの面を有機溶剤にて洗浄した後、この面に導電性を
有する黒鉛入りの耐熱接着剤22を均一に塗布して、こ
の塗布面どうしを合わせて2つのハーフセパレータ20
A,20Bを互いに貼り合わせる。その後これらを、一
定の面圧を加えたまま80℃で2時間加熱後、250〜
300℃まで昇温して加熱処理し、この2つのハーフセ
パレータ20A,20Bを接合する。
【0061】以上の第1、第2、第3、第4の工程C
1,C2,C3,C4によって、2つのハーフセパレー
タ20A,20Bを接合させたリブ付きセパレータ2が
歩留りより低コストで製造される。
【0062】実施例7.図11はこの発明の第7の発明
に係る燃料電池用リブ付きセパレータの一実施例を示す
図である。この実施例7のリブ付きセパレータ2は比較
的緻密で強度のある薄い炭素板23(例えば日清紡株式
会社製のアモルファスニューカーボンフィルム)を実施
例1の空気電極用ハーフセパレータ20Aと燃料ガス電
極用ハーフセパレータ20Bとの互いの緻密質炭素層4
1側で挟みつけ、耐熱接着剤22を介してこれらを接合
して一体化したものである。なお、このリブ付きセパレ
ータ2の厚さは、ハーフセパレータ20A,20Bの厚
さがそれぞれ1.5mm、炭素板23の厚さが200μ
m 、炭素板23の両面側の耐熱接着剤22の厚さがそれ
ぞれ100μm であるため、3.4mmとなる。
【0063】この実施例7のリブ付きセパレータ2は3
部材を接合して一体化したものであるが、炭素板23を
ハーフセパレータ20A,20Bで挟みつけたものであ
るため、曲げ強度が強く、かつ傾斜炭素板30から構成
されるハーフセパレータ20A,20Bの特性上、電気
抵抗および熱抵抗も、従来の同程度の厚さのリブ付きセ
パレータ2に比べて小さくなる。もちろん、積層コスト
の低減を図ることもできる。
【0064】なお、この実施例7では炭素板23として
日清紡株式会社製のアモルファスニューカーボンフィル
ムを使用しているが、これに限らず高強度で緻密質であ
ればたのものでもよい。
【0065】実施例8.図12はこの発明の第8の発明
に係る燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法の一実
施例を示す図である。この実施例8は実施例7の接合形
のリブ付きセパレータの製造方法に関するものである。
【0066】この製造方法は一面側にガス流路用のリブ
Rを有する一定厚さの多孔質炭素板を製作する第1の工
程D1と、前記多孔質炭素板の他面側に熱硬化性樹脂の
薄膜を形成する第2の工程D2と、前記薄膜が形成され
た多孔質炭素板を加熱処理して、前記薄膜をシール性の
ある緻密質炭素層に変える第3の工程D3と、薄い強度
のある炭素板23を、前記緻密質炭素層が形成された一
対の多孔質炭素板の緻密質炭素層側どうしで挟みつけて
接合し、これらを一体化する第4の工程D4とから構成
される。
【0067】第1の工程D1から第3の工程D3までは
実施例2の第1の工程A1から第3の工程A3までとそ
れぞれ同一であるため、その説明を省略する。第4の工
程D4では、第3の工程D3までにおいてできあがった
空気電極用ハーフセパレータ20Aと燃料ガス電極用ハ
ーフセパレータ20Bとの互いの緻密質炭素層41側ど
うしの面、および薄くて強度のある炭素板23の両面を
有機溶剤にて洗浄した後、これらの面に耐熱接着剤22
を均一に塗布して、この塗布面どうしを合わせて2つの
ハーフセパレータ20A,20Bと炭素板23とを互い
に貼り合わせる。その後、これらを、一定の面圧を加え
たまま80℃で2時間加熱後、250〜300℃まで昇
温させて加熱処理し、この2つのハーフセパレータ20
A,20Bを接合する。
【0068】以上の第1、第2、第3、第4の工程D
1,D2,D3,D4によって、2つのハーフセパレー
タ20A,20Bの間に炭素板23を接合させたリブ付
きセパレータ2が歩留りより低コストで製造される。
【0069】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0070】この発明の第1の発明によれば、それぞれ
ガス流路用のリブが一面側に形成された一対のハーフセ
パレータからなり、それぞれの他面側が相対するように
該一対のハーフセパレータを重ね合わせて、電解質を保
持するマトリックスの両側に電極を有した単電池と交互
に積層される燃料電池用リブ付きセパレータにおいて、
一対のハーフセパレータのそれぞれが、ガス流路用のリ
ブが一面側に形成され、かつ、熱硬化性樹脂の薄膜が他
面側に形成された多孔質炭素板を加熱処理して該薄膜を
シール性のある緻密質炭素層に変えて形成された一定厚
さの多孔質炭素層の一面側に薄くてシール性のある緻密
質炭素層を有した一体形の傾斜炭素板で構成されている
ため、性能・品質を満たした状態でこのリブ付きセパレ
ータの電気抵抗や熱抵抗を小さく抑えることができ、か
つ積層コストの低減を図ることができる。
【0071】この発明の第2の発明によれば、それぞれ
ガス流路用のリブが一面側に形成された一対のハーフセ
パレータからなり、それぞれの他面側が相対するように
該一対のハーフセパレータを重ね合わせて、電解質を保
持するマトリックスの両側に電極を有した単電池と交互
に積層される燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法
において、一面側にガス流路用のリブを有する一定厚さ
の多孔質炭素板を製作する第1の工程と、多孔質炭素板
の他面側に熱硬化性樹脂の薄膜を形成する第2の工程
と、薄膜が形成された多孔質炭素板を加熱処理して、薄
膜をシール性のある緻密質炭素層に変えてハーフセパレ
ータを製作する第3の工程とを有するため、第1の発明
に係るリブ付きセパレータを歩留まりよく低コストで製
造できる。
【0072】この発明の第3の発明によれば、電解質を
保持するマトリックスの両側に電極を有した単電池と交
互に積層され、その両面にガス流路用のリブが形成され
ている燃料電池用リブ付きセパレータにおいて、熱硬化
性樹脂の薄膜が一方の面に形成された一対の多孔質炭素
板が、該薄膜側どうしを重ね合わされ、加熱処理により
両薄膜をシール性のある一体の緻密質炭素層に変えて一
体化された一定厚さの一対の多孔質炭素層の間に薄い緻
密質炭素層を有する傾斜炭素板で構成され、ガス流路用
のリブを、傾斜炭素板の両外面側に形成しているため、
このリブ付きセパレータでは第1の発明に係るリブ付き
セパレータより電気抵抗や熱抵抗をさらに小さく抑える
ことができ、かつ積層コストのさらなる低減を図ること
ができる。
【0073】この発明の第4の発明によれば、電解質を
保持するマトリックスの両側に電極を有した単電池と交
互に積層され、その両面にガス流路用のリブが形成され
ている燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法におい
て、一面側にガス流路用のリブを有する一定厚さの多孔
質炭素板を製作する第1の工程と、多孔質炭素板の他面
側に熱硬化性樹脂の薄膜を形成する第2の工程と、薄膜
が形成された一対の多孔質炭素板の薄膜側どうしを重ね
合わせ、加熱処理して、これらを一体化するとともに、
薄膜をシール性のある緻密質炭素層に変える第3の工程
とを有するため、第3の発明に係るリブ付きセパレータ
を歩留まりよく、かつ、低コストで製造できる。
【0074】この発明の第5の発明によれば、電解質を
保持するマトリックスの両側に電極を有した単電池と交
互に積層され、その両面にガス流路用のリブが形成され
ている燃料電池用リブ付きセパレータにおいて、熱硬化
性樹脂の薄膜を加熱処理して得られたシール性のある緻
密質炭素層が多孔質炭素板の一方の面に形成されてなる
一定厚さの多孔質炭素層の一方の面に薄い緻密質炭素層
を有する一対の傾斜炭素板を、該緻密質炭素層側どうし
を接合して一体に形成して構成され、ガス流路用のリブ
を、一体化された一対の傾斜炭素板の両外面側に形成し
ているため、このリブ付きセパレータでは第1の発明に
係るリブ付きセパレータと同一の効果を有することがで
きるとともに、この第1の発明に係るリブ付きセパレー
タより積層コストの低減を図ることができる。
【0075】この発明の第6の発明によれば、電解質を
保持するマトリックスの両側に電極を有した単電池と交
互に積層され、その両面にガス流路用のリブが形成され
ている燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法におい
て、一面側にガス流路用のリブを有する一定厚さの多孔
質炭素板を製作する第1の工程と、多孔質炭素板の他面
側に熱硬化性樹脂の薄膜を形成する第2の工程と、薄膜
が形成された多孔質炭素板を加熱処理して、薄膜をシー
ル性のある緻密質炭素層に変える第3の工程と、緻密質
炭素層が形成された2枚の多孔質炭素板の緻密質炭素層
側どうしを接合して一体化する第4の工程とを有するた
め、第5の発明に係るリブ付きセパレータを歩留まりよ
く、かつ、低コストで製造できる。
【0076】この発明の第7の発明によれば、電解質を
保持するマトリックスの両側に電極を有した単電池と交
互に積層され、その両面にガス流路用のリブが形成され
ている燃料電池用リブ付きセパレータにおいて、熱硬化
性樹脂の薄膜を加熱処理して得られたシール性のある緻
密質炭素層が多孔質炭素板の一方の面に形成されてなる
一定厚さの多孔質炭素層の一方の面側に薄い緻密質炭素
層を有する一対の傾斜炭素板と、薄い強度のある炭素板
とからなり、炭素板を一対の傾斜炭素板の緻密質炭素層
側どうしで挟みつけて合体接合して構成され、ガス流路
用のリブを、合体接合された一対の傾斜炭素板の両外面
に形成しているため、リブ付きセパレータの単体の強度
を上げることができ、かつ積層コストの低減を図ること
ができる。
【0077】この発明の第8の発明によれば、電解質を
保持するマトリックスの両側に電極を有した単電池と交
互に積層され、その両面にガス流路用のリブが形成され
ている燃料電池用リブ付きセパレータの製造方法におい
て、一面側にガス流路用のリブを有する一定厚さの多孔
質炭素板を製作する第1の工程と、多孔質炭素板の他面
側に熱硬化性樹脂の薄膜を形成する第2の工程と、薄膜
が形成された多孔質炭素板を加熱処理して、薄膜をシー
ル性のある緻密質炭素層に変える第3の工程と、薄い強
度のある炭素板を緻密質炭素層が形成された2枚の多孔
質炭素板の緻密質炭素層側どうしで挟みつけて接合し、
これらを一体化する第4の工程とを有するため、第7の
発明に係るリブ付きセパレータを歩留まりよく、かつ、
低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例1に関する積層式リン酸形燃
料電池の積層体の部分的斜視図である。
【図2】この発明の実施例1に関するリブ付きセパレー
タの断面図である。
【図3】この発明の実施例1に関する傾斜炭素板の断面
図である。
【図4】この発明の実施例2に関するリブ付きセパレー
タの製造工程を示す工程フロー図である。
【図5】この発明の実施例3に関する積層式リン酸形燃
料電池の積層体の部分的斜視図である。
【図6】この発明の実施例3に関するリブ付きセパレー
タの断面図である。
【図7】この発明の実施例3に関する傾斜炭素板の断面
図である。
【図8】この発明の実施例4に関するリブ付きセパレー
タの製造工程を示す工程フロー図である。
【図9】この発明の実施例5に関するリブ付きセパレー
タの断面図である。
【図10】この発明の実施例6に関するリブ付きセパレ
ータの製造工程を示す工程フロー図である。
【図11】この発明の実施例7に関するリブ付きセパレ
ータの断面図である。
【図12】この発明の実施例8に関するリブ付きセパレ
ータの製造工程を示す工程フロー図である。
【図13】従来の積層式リン酸形燃料電池の積層体の斜
視図である。
【図14】従来のリブ付きセパレータの断面図である
【符号の説明】 1 単電池 1a マトリックス 1b 空気電極(電極) 1c 燃料電極(電極) 2 リブ付きセパレータ 2a 空気流路(ガス流路) 2b 燃料ガス流路(ガス流路) 23 炭素板 30 傾斜炭素板 31 傾斜炭素板 40 多孔質炭素層 41 緻密質炭素層 42 緻密質炭素層 A1 第1の工程 A2 第2の工程 A3 第3の工程 B1 第1の工程 B2 第2の工程 B3 第3の工程 C1 第1の工程 C2 第2の工程 C3 第3の工程 C4 第4の工程 D1 第1の工程 D2 第2の工程 D3 第3の工程 D4 第4の工程 R リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 8/00 - 8/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれガス流路用のリブが一面側に形
    成された一対のハーフセパレータからなり、それぞれの
    他面側が相対するように該一対のハーフセパレータを重
    ね合わせて、電解質を保持するマトリックスの両側に電
    極を有した単電池と交互に積層される燃料電池用リブ付
    きセパレータにおいて、前記一対のハーフセパレータの
    それぞれが、前記ガス流路用のリブが一面側に形成さ
    れ、かつ、熱硬化性樹脂の薄膜が他面側に形成された多
    孔質炭素板を加熱処理して該薄膜をシール性のある緻密
    質炭素層に変えて形成された一定厚さの多孔質炭素層の
    一面側に薄くてシール性のある緻密質炭素層を有した一
    体形の傾斜炭素板で構成されていることを特徴とする燃
    料電池用リブ付きセパレータ。
  2. 【請求項2】 それぞれガス流路用のリブが一面側に形
    成された一対のハーフセパレータからなり、それぞれの
    他面側が相対するように該一対のハーフセパレータを重
    ね合わせて、電解質を保持するマトリックスの両側に電
    極を有した単電池と交互に積層される燃料電池用リブ付
    きセパレータの製造方法において、一面側にガス流路用
    のリブを有する一定厚さの多孔質炭素板を製作する第1
    の工程と、前記多孔質炭素板の他面側に熱硬化性樹脂の
    薄膜を形成する第2の工程と、前記薄膜が形成された多
    孔質炭素板を加熱処理して、前記薄膜をシール性のある
    緻密質炭素層に変えて前記ハーフセパレータを製作す
    第3の工程とを有することを特徴とする燃料電池用リブ
    付きセパレータの製造方法。
  3. 【請求項3】 電解質を保持するマトリックスの両側に
    電極を有した単電池と交互に積層され、その両面にガス
    流路用のリブが形成されている燃料電池用リブ付きセパ
    レータにおいて、熱硬化性樹脂の薄膜が一方の面に形成
    された一対の多孔質炭素板が、該薄膜側どうしを重ね合
    わされ、加熱処理により両薄膜をシール性のある一体の
    緻密質炭素層に変えて一体化された一定厚さの一対の多
    孔質炭素層の間に薄い緻密質炭素層を有する傾斜炭素板
    で構成され、前記ガス流路用のリブを、前記傾斜炭素板
    の両外面側に形成していることを特徴とする燃料電池用
    リブ付きセパレータ。
  4. 【請求項4】 電解質を保持するマトリックスの両側に
    電極を有した単電池と交互に積層され、その両面にガス
    流路用のリブが形成されている燃料電池用リブ付きセパ
    レータの製造方法において、一面側にガス流路用のリブ
    を有する一定厚さの多孔質炭素板を製作する第1の工程
    と、前記多孔質炭素板の他面側に熱硬化性樹脂の薄膜を
    形成する第2の工程と、前記薄膜が形成された一対の多
    孔質炭素板の前記薄膜側どうしを重ね合わせ、加熱処理
    して、これ等を一体化するとともに、前記薄膜をシール
    性のある緻密質炭素層に変える第3の工程とを有するこ
    とを特徴とする燃料電池用リブ付きセパレータの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 電解質を保持するマトリックスの両側に
    電極を有した単電池と交互に積層され、その両面にガス
    流路用のリブが形成されている燃料電池用リブ付きセパ
    レータにおいて、熱硬化性樹脂の薄膜を加熱処理して得
    られたシール性のある緻密質炭素層が多孔質炭素板の一
    方の面に形成されてなる一定厚さの多孔質炭素層の一方
    の面に薄い緻密質炭素層を有する一対の傾斜炭素板を、
    該緻密質炭素層側どうしを接合して一体に形成して構成
    され、前記ガス流路用のリブを、一体化された前記一対
    傾斜炭素板の両外面側に形成していることを特徴とす
    る燃料電池用リブ付きセパレータ。
  6. 【請求項6】 電解質を保持するマトリックスの両側に
    電極を有した単電池と交互に積層され、その両面にガス
    流路用のリブが形成されている燃料電池用リブ付きセパ
    レータの製造方法において、一面側にガス流路用のリブ
    を有する一定厚さの多孔質炭素板を製作する第1の工程
    と、前記多孔質炭素板の他面側に熱硬化性樹脂の薄膜を
    形成する第2の工程と、前記薄膜が形成された多孔質炭
    素板を加熱処理して、前記薄膜をシール性のある緻密質
    炭素層に変える第3の工程と、前記緻密質炭素層が形成
    された一対の多孔質炭素板の前記緻密質炭素層側どうし
    を接合して一体化する第4の工程とを有することを特徴
    とする燃料電池用リブ付きセパレータ。
  7. 【請求項7】 電解質を保持するマトリックスの両側に
    電極を有した単電池と交互に積層され、その両面にガス
    流路用のリブが形成されている燃料電池用リブ付きセパ
    レータにおいて、熱硬化性樹脂の薄膜を加熱処理して得
    られたシール性のある緻密質炭素層が多孔質炭素板の一
    方の面に形成されてなる一定厚さの多孔質炭素層の一方
    の面側に薄い緻密質炭素層を有する一対の傾斜炭素板
    と、薄い強度のある炭素板とからなり、前記炭素板を前
    一対の傾斜炭素板の緻密質炭素層側どうしで挟みつけ
    て合体接合して構成され、前記ガス流路用のリブを、合
    体接合された前記一対の傾斜炭素板の両外面に形成して
    いることを特徴とする燃料電池用リブ付きセパレータ。
  8. 【請求項8】 電解質を保持するマトリックスの両側に
    電極を有した単電池と交互に積層され、その両面にガス
    流路用のリブが形成されている燃料電池用リブ付きセパ
    レータの製造方法において、一面側にガス流路用のリブ
    を有する一定厚さの多孔質炭素板を製作する第1の工程
    と、前記多孔質炭素板の他面側に熱硬化性樹脂の薄膜を
    形成する第2の工程と、前記薄膜が形成された多孔質炭
    素板を加熱処理して、前記薄膜をシール性のある緻密質
    炭素層に変える第3の工程と、薄い強度のある炭素板を
    前記緻密質炭素層が形成された一対の多孔質炭素板の緻
    密質炭素層側どうしで挟みつけて接合し、これ等を一体
    化する第4の工程とを有することを特徴とする燃料電池
    用リブ付きセパレータの製造方法。
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