JP2859796B2 - 光ファイバ被覆用樹脂 - Google Patents

光ファイバ被覆用樹脂

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ被覆用樹脂
に関し、より詳しくは、広い線引速度範囲にわたって、
均一な厚みの樹脂被覆層を形成する光ファイバ被覆用樹
脂に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に光ファイバは、図3に示すよう
に、プリフォーム31をヒーター32で加熱溶融して延
伸し、所定の径を有する光ファイバ裸線33とし、その
光ファイバ裸線33をコーティングダイス34に通過さ
せることにより、その外周に液状樹脂35を塗布し、さ
らに硬化装置36内を通過させるときに、前記塗布した
液状樹脂35を硬化させて樹脂被覆層(1次被覆層)を
形成する。このような線引工程を経て1次被覆された光
ファイバ37は、図示しないが、通常さらに1層の樹脂
被覆層(2次被覆層)を形成した後、ロールに巻取られ
る。これらの樹脂被覆層を形成することにより、光ファ
イバの機械的強度が向上し、折れたり傷ついたりしにく
くなる。
【0003】しかしながら、それらの樹脂被覆層に厚み
の偏り、即ち偏肉が存在すると、その歪みによって光フ
ァイバに応力がかかり、その部分で破断しやすくなる等
の不都合が生じる場合があった。さらに、近年の光ファ
イバ生産量の増加とともに、線引速度も増大してきてお
り、それにともなって、例えば、線引した光ファイバ裸
線が所定の温度まで冷却されないうちに樹脂被覆される
ため、樹脂とファイバの密着性が悪くなり樹脂被覆層が
薄くなったり、また十分冷却してから樹脂被覆しても、
線引速度を高速にすると樹脂被覆層が厚くなる等という
問題が生じていた。従って、偏肉を生じずに均一な樹脂
被覆層を形成するためには、線引速度を変える度に、温
度調節や樹脂の交換をする必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明におけ
る課題は、広い線引速度にわたって、温度等を無調節で
線引でき、なおかつ偏肉せず、均一な厚みをもった樹脂
被覆層を形成できる光ファイバ被覆用樹脂を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、硬化前に
おける誘電損失のピーク温度が、測定周波数を1Hzと
したとき、32℃以下である光ファイバ被覆用樹脂によ
って解決できる。以下に、本発明の光ファイバ被覆用樹
脂について詳細に説明する。
【0006】本発明者らは、上記課題を解決するため鋭
意検討を行った結果、光ファイバ裸線に被覆される樹脂
の誘電損失のピーク温度と、被覆された樹脂層の厚みと
の間の相関を見いだし、本発明を完成するに至った。即
ち、その誘電損失のピーク温度が低い樹脂ほど、その樹
脂を光ファイバ裸線に被覆し、硬化させて形成した樹脂
被覆層の厚みにばらつきが少なく、均一な被覆層が形成
され、さらに線引速度を変えても、その厚みの変動が少
ないのである。
【0007】誘電損失とは、誘電体に交流電場を加えた
ときにエネルギーが熱として失われる現象またはその量
をいい、その大きさは、複素誘電率の損失係数tanδ
によって表わされる。ここでいう複素誘電率は、電束密
度Dと電場Eとの比で定義され、電束密度Dの変化に位
相的遅れがある場合、次式のように複素数表示される。 ε=D/E=ε’−iε” 但し、ε’、ε”は実数である。さらに、角振動数を
ω、損失角をδとして、 E=E0exp(iωt)、D=D0exp(ωt−δ) と表せば、 ε’=(D0/E0)cosδ、ε”=(D0/E0)si
nδ となる。
【0008】誘電損失、即ち損失係数は、ε”/ε’=
tanδで定義される値であって、温度及び周波数によ
って変化する。図1は、一定の周波数における、この誘
電損失の温度特性の典型的な例を示す図であり、横軸を
温度、縦軸を誘電損失(Tanδ)とした場合、極大値
をもった上に凸の曲線となる。そして、その誘電損失が
最大となる温度(Tp)を、ピーク温度とよんでいる。
【0009】この誘電損失のピーク温度と樹脂被覆層の
厚みとが相関する原因は明かではないが、原料樹脂の種
類、あるいはそれら原料樹脂の配合比等を適宜選択し
て、1Hzの周波数で測定したときの誘電損失のピーク
温度が32℃以下であるようにすることによって、本発
明の光ファイバ被覆用樹脂を得ることができる。
【0010】本発明の光ファイバ被覆用樹脂の原料樹脂
は、特に限られるものではなく、光ファイバの被覆に一
般的に使用されている樹脂が用いられる。即ち、紫外線
などの光や熱等で硬化する樹脂が好適に用いられ、高速
線引することを考慮すると、光硬化性樹脂が特に好まし
い。具体的には、紫外線硬化型ウレタン樹脂、紫外線硬
化型(メタ)アクリレート樹脂、紫外線硬化型シリコー
ン樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等や、それらの共重
合体及び混合物等が好適に用いられる。また、本発明の
光ファイバ被覆用樹脂の粘度は特に限定されないが、通
常用いられている樹脂被覆層の厚さを有する光ファイバ
を得るには、1000cpsから4000cpsの範囲
内とするのが好ましい。
【0011】本発明の光ファイバ被覆用樹脂は、上記の
原料樹脂を、設定した配合比で混練して製造される。ま
た、それらの樹脂を溶解する溶媒を加えて粘度調節する
ようにしてもよい。そのようにして製造された、本発明
の光ファイバ被覆用樹脂は、1Hzの周波数で測定した
誘電損失のピーク温度が32℃以下である。この誘電損
失のピーク温度は、光ファイバ被覆に使用するのに先だ
って測定しておく。測定は、例えばホイートストーンブ
リッジ型回路を用いた方法等の、従来から誘電率測定に
用いられている方法に従って行なわれる。また、その測
定周波数は1Hzとするのが好ましい(岡野ら、「理化
学研究所報告」、486頁(1949年)参照)。
【0012】この誘電損失のピーク温度の測定は、微量
な試料で、しかも短時間で行うことができる。また、一
定の周波数で測定する限り、誘電損失の温度特性は、昇
温あるいは降温のどちらで測定してもピーク温度が一致
する、即ちヒステリシスがないことがわかっており、例
えば周波数を1Hzに規定しておけば、再現性よく測定
できる。また、本発明の光ファイバ被覆用樹脂の測定温
度範囲は、およそ5℃〜70℃であり、この領域におい
ては、上記誘電損失Tanδを定義する式中のε’は殆
ど変化せず、ε”が主に変動する。従って、ε”の温度
特性を測定して誘電損失のピーク温度を知るようにして
もよい。
【0013】以下に、具体的な例を挙げて本発明の光フ
ァイバ被覆用樹脂を詳しく説明する。 (実施例1〜5)周波数1Hzで測定したときの誘電損
失のピーク温度が32℃以下である紫外線硬化型樹脂5
種類(樹脂A、B、C、D、E)を用意した。それらの
樹脂の誘電損失のピーク温度を表1及び表2に示し、例
として、樹脂AとCの測定周波数1HZでのε”の温度
特性を図2に示した。次に、各々の樹脂を、図1に示し
たような線引装置で、外径125μmの光ファイバ裸線
に被覆した。そのときの線引速度は200m/分〜14
00m/分の間で変化させた。被覆後、硬化装置で紫外
線を照射して硬化させ、光ファイバとした。そして、そ
の樹脂被覆層を形成した光ファイバの外径を測定した。
各々の樹脂を、各線引速度で被覆したときの樹脂被覆層
を形成した光ファイバの外径を表1及び表2に示す。ま
た、各々の樹脂につき、線引速度を変えたときに生ずる
外径のばらつきを表す指標として、得られた光ファイバ
の外径の最大値と最小値との差を用い、表1及び表2に
示した。
【0014】(比較例1〜3)周波数1Hzで測定した
ときの誘電損失のピーク温度が、32℃より高い紫外線
硬化型樹脂(樹脂F、G)を用意した。これらのうち、
樹脂Gの、測定周波数1Hzにおけるε”の温度特性を
図2に示す。これら2種の樹脂につき、実施例と同様に
して光ファイバ裸線に樹脂被覆層を形成し、得られた光
ファイバの外径を測定した。結果を表2にまとめて示
す。
【0015】これらの結果から明らかなように、周波数
1Hzで測定したときの誘電損失のピーク温度が低くな
るに従い、硬化後の外径のばらつきは減少する傾向が見
られる。そして、その誘電損失のピーク温度が32℃以
下である樹脂A〜Eを用いた実施例1〜5では、得られ
た光ファイバの外径のばらつきが、いずれも4μm以下
であった。それに対して、誘電損失のピーク温度が32
℃より高い樹脂F及びGを用いた比較例1及び2では、
外径のばらつきが10μm以上となり、線引速度を変え
ることによって樹脂被覆層の厚みが大幅に変動している
ことがわかる。
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の効果】本発明の光ファイバ被覆用樹脂によれ
ば、樹脂の交換や温度の調整等の操作を行なうことな
く、例えば線引速度を200m/分から1400m/分
という広い範囲で変化させても、得られる光ファイバの
樹脂被覆層のばらつきは4μm以下に抑えられる。従っ
て、線引速度を種々変化させても、均一で高品質の光フ
ァイバを効率よく製造することができる。また、本発明
の光ファイバ被覆用樹脂は、周波数1Hzでの誘電損失
のピーク温度によって規定されている。この誘電損失の
温度特性は、一定の周波数で測定する限り、ヒステリシ
スがなく、ピーク温度を再現性よく測定できるので信頼
性がある。さらに、この測定は、微量な試料で行うこと
ができ、測定時間も短いので、樹脂や時間を節約でき、
コストの点からも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘電損失のピーク温度を説明する図である。
【図2】実施例1、3、及び比較例2で使用した光ファ
イバ被覆用樹脂の誘電損失の温度特性を示すグラフであ
る。
【図3】光ファイバの線引装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
31…プリフォーム、32…ヒーター、33…光ファイ
バ裸線、34…コーティングダイス、36…硬化装置、
37…被覆光ファイバ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬化前における誘電損失のピーク温度が、
    測定周波数を1Hzとしたとき、32℃以下であること
    を特徴とする光ファイバ被覆用樹脂。
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