JP2859300B2 - 無機材料充填重合体成型物及びその製造方法 - Google Patents

無機材料充填重合体成型物及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、メタセシス重合性シクロオレフィン系モノ
マーをメタセシス重合触媒の存在下で、重合と同時に成
型をおこなって得られる重合体成型物であって、その無
機材料充填成型物に関するものである。
さらに詳しくは、特定のシランカップリング剤でシラ
ン処理をした無機充填材を用いて、メタセシス重合体と
の接着性を改善した無機材料充填重合体成型物及びその
製法に関するものである。
b.従来技術 環状オレフィンがメタセシス重合触媒系によって開環
重合体を与えることは公知である。そこでジシクロペン
タジエン(DCP)の如く安価に得られるメタセシス重合
性環状オレフィンをメタセシス重合触媒系によって鋳型
内で重合と成型を一段階でおこなって重合成型物を得る
方法が提案された。すなわち、メタセシス重合触媒系
が、塩化タングステンの如き触媒成分と、アルキルアル
ミニウムの如き、活性化剤成分との二成分よりなること
を利用し、各二成分とモノマーとからなる二種類の液を
用いて重合時に急速混合の後鋳型内に流し込み重合体成
型物を得る方法が提案された(例えば、特開昭58−1290
13号公報参照)。
かかる方法によれば安価な低圧鋳型を用いて、大型成
型物が得られる。かつ、かかる成型物は、剛性と耐衝撃
性の良好なバランスを有しており工業的に非常に魅力あ
る方法といえる。
しかしながら用途によっては、より高い剛性とより高
い寸法安定性と、さらに改良された熱変形温度が要求さ
れる場合も多いことが判ってきた。
かかる成型物として重要な3つの性能の向上を同時に
達成しうるための解決方策として無機充填材を用いるこ
と、それも、特に安価で有効なガラス補強材やその他の
無機補強材を用いる方法をあげることができる。ところ
で、無機充填材がその特性を充分発揮しうるためには、
樹脂と充填材とがその界面においてよく接着しているこ
とが必要である。しかし一般に極性の大きい無機充填材
と各種の樹脂の表面エネルギーは、相違していることは
多く、良好な接着性を得るために、シランカップリング
剤を用いる方法が一般に用いられている。かかるシラン
カップリング剤はシラノール系の基を通じて無機充填材
との接着性に寄与する部分と、用いられる樹脂と強い相
互作用を有する有機基の部分の両方を有する化合物で、
既に何種かのものが市販され、ポリアミド樹脂,ポリエ
ステル樹脂,エポキシ樹脂,フェノール樹脂等ガラス強
化してよく用いられる熱硬化性樹脂,熱可塑性樹脂の各
々に適したシランカップリング剤が選択できるようにな
っている。
しかしながら、上述した如き、メタセシス重合体シク
ロオレフィン系化合物のメタセシス重合触媒による重合
と成型を同時におこなって得られる重合体成型物に用い
られる無機充填材、特にガラス補強材の接着性向上に寄
与しうるシランカップリング剤として如何なるものが効
果をもちうるかについては、全く知られていない。か
つ、かかる重合体成型物は重合と同時に成型をおこなう
ことを特徴としているため、無機充填材はメタセシス重
合中に既に系内に存在し、反応剤とその表面は接触して
いることになり、従って、かかるカップリング剤がメタ
セシス重合を阻害するものであってはならないことにな
るが、かかるシランカップリング剤のその挙動について
も知られていない。
さらに、上述の如きメタセシス重合体は一般に不飽和
結合を多く有する炭化水素構造を有することになるが、
成型後、空気と接触する面は、すみやかに酸化され極性
基が導入され、表面の性質は大巾にかわり、極性の接着
剤や塗料との接着性は良好となるが、生成直後は極性が
なく、表面エネルギーが小さい可能性があるが、ガラス
補強材はその生成中あるいは生成した直後の樹脂と接着
することになる訳である。
以上、メタセシス重合体に適したシランカップリング
剤については、全く知られておらず、かつその選定に
は、多くの困難が予測されるが、良好な無機材料充填重
合体成型物を得るためにはその選定をおこなうことが不
可欠となる。
そこで本発明者は、メタセシス重合体成型物用ガラス
補強材用のシランカップリング剤を見出すべく鋭意検討
の結果、工業的に容易に製造しうるものも含めて特定の
構造のシランカップリング剤中に優れた機能を発揮する
シランカップリング剤があることを見出し得て、本発明
に到達したものである。
c.発明の構成 即ち本発明者は、シランカップリング剤のメタセシス
重合に対する影響をみるには、各々のシランカップリン
グ剤で処理したガラス板の存在下でメタセシス重合性を
おこなわせ、重合の進行速度の変化を比較する方法等
を、また、メタセシス重合体とガラスの接着性の改善の
状態を定性的にスクリーニングする方法としては、各々
のシランカップリング剤で処理したガラス板上で、メタ
セシス重合性モノマーをメタセシス重合触媒によって重
合せしめ、生じた樹脂とガラス板との接着を比較する方
法を案出することによって、シランカップリング剤のメ
タセシス重合体との適合性をテストした。
さらにより直接的に、その効果を見る方法としてシラ
ンカップリング剤以外の紡糸油剤等の影響を容易に排除
したサンプルが得られるガラス織布に着目し、バーニン
グ処理をして表面をきれいにしたガラス織布に、各々の
各種シランカップリング剤で処理し、そのシラン処理ガ
ラス織布を強化材として用いて、ガラス繊維メタセシス
重合体コンポシットを作成し、ガラスと樹脂のぬれ、接
着の状況が最もよく現れる曲げ強度,曲げモジュラスを
測定し比較する方法を重ねることにした。
その結果、メタセシス反応活性の鎖状オレフィン結合
を置換基として有するシランカップリング剤がメタセシ
ス重合成型物用の無機充填材に用いるシランカップリン
グ剤として非常に優れた特性を有することを見出し得た
ものである。
即ち、本発明は下記発明を包含する。
(1)(a)式−CH=CH−で表わされる鎖状オレフィン
基を少なくとも1つ有するシランカップリング剤で処理
した無機充填材と、 (b)少なくとも1種のメタセシス重合性シクロオレ
フィン系化合物から、メタセシス重合触媒系によって重
合と成型とを同時に行なって得られる重合体と、 より少なくともなる無機材料充填重合体成型物。
(2)メタセシス重合性シクロオレフィン系化合物の少
なくとも1種を、式−CH=CH−で表わされる鎖状オレフ
ィン基を少なくとも1つ有するシランカップリング剤で
処理した無機充填材の存在下、メタセシス重合触媒系に
よって重合と成型を同時におこなうことを特徴とする無
機材料充填重合体成型物の製造方法。
かかるシラン処理剤が、メタセシス重合体と無機充填
材との良好な接着性を与える理由は、かかるシラン処理
剤中のオレフィン基が主鎖に同様のオレフィン基を有す
るメタセシス重合体と類似の表面エネルギーを与えると
ともに、前記の如くかかるオレフィン基がメタセシス重
合反応に対し活性で連鎖移動基としてメタセシス重合体
と結合しうるためと考えられる。
本発明において使用するシランカップリング剤は式 R1−CH=CH−R2で表わさせる基を少なくとも1つ有するシランカップリ
ング剤が好適である。
具体的には、式 R1−CH=CH−R2−Si(R′)(X)3-n で表わされるシランカップリング剤がよい。
かかるシラン処理剤は、その代表例として下記式
(I)で表わされる。
代表的な無機充填材であるガラスの表面との親和性の
見地から特にm=3の場合、即ち R1−CH=CH−R2−Si(OR3 …(I′) R3はかかるシランカップリング剤がガラス等の無機充
填材と接合する場合には、加水分解してカップリング状
態では残らない基であり、従ってシランカップリング剤
の無機充填材への処理条件によって適当なものが選択さ
れればよい。
即ち、シランカップリング剤の適用は、一般に前もっ
てシランカップリング剤で処理した無機充填材を用いる
方法と、逆にシランカップリング剤を重合性の溶液中に
添加しておき、硬化と同時に無機充填材へのシラン処理
も同時に行う方法との2法がある。
後者の方法は、無機充填材へのシラン処理の工程を省
略できる長所があるが、無機充填材へのシラン処理は、
重合性の溶液との接触も同時に起りかつ、その条件下で
シラン処理もおこなわねばならないことになり、シラン
カップリング剤は、理論必要量よりも、かなり多量に添
加される必要があり、かつ、このように添加されたシラ
ンカップリング剤は、重合反応に影響がないことが要求
されるばかりでなく、シラン処理剤の分解によって生じ
たヒドロキシル基を有するROHにあたる化合物がさらに
重合反応及び生じた重合体に悪影響をうけないことにな
り、かつ、重合体の表面にも存在しうるシラン残基が重
合体成型物の以後の加工、例えば塗装等に悪影響を与え
ないこと等の条件が要求され、その要求に適したRが選
択されることになる。本発明のメタセシス重合体の場合
は、前述の如く、メタセシス重合反応が極性化合物の共
存に敏感であり、かつ、重合の進行が早いので、シラン
処理との同時進行に困難がともない、前者の方法の適用
が好ましい。
前者の場合は、無機充填材のシラン処理の際に一般に
溶媒を用いて希釈したシランカップリング剤を無機充填
材に接触させ、乾燥,熱処理によって、シランカップリ
ング剤を無機充填材表面に固着させることになる。かか
る溶剤としては工業的見地では見が最も好ましく、次い
で、水とアルコールやアセトン等の極性有機溶媒との混
合物が用いられることになり、それとの混和性と、処理
速度等の面で適当なものが選ばれることになる。
かかるシランカップリング剤におけるR1−としては、
前述の如く水素,メチル,エチル,n−又はイソ−プロピ
ルの各基を挙げることができるが、水素,メチル基、特
にα−オレンフィンとなりうる水素が好ましい。
−R2−としては原子価のみメチレン,エチレン,プロ
ピレン,トリメチレン等の各基を挙げることができる
が、原子価のみ及びメチレンが好ましく、R1,R2の両方
をあわせてシラン原子に結合している基(R1−CH=CH−
R2−)として、ビニル,アリル,3−ブテニル等を挙げる
ことができるが、工業的入手性を考慮するとビニル基,
アリル基が好ましい。
R3としては、メチル,エチル,メトキシエチル,アセ
チル等が一般に用いられる。加水分解性の面からは、一
般にアセチル>メチル>エチルの順となり、一般のシラ
ンカップリング剤ではR3はメチル基が原料的にも安価で
一般に用いられるが、ビニルシラン及びアリルシラン類
の場合は、ビニルトリメトキシシラン及びアリルトリメ
トキシシランが、揮発性が大きくなるためそれが問題に
ならない場合に用いられ、一般には、ビニルトリエトキ
シシラン,アリルトリエトキシシラン,ビニルトリス
(メトキシエトキシ)シラン等が用いられ、ビニルトリ
アセトキシシランは特別の場合に用いられる。
さらに、上記のビニルシラン類の原料にあたるビニル
トリクロルシランも、加水分解すれば、上記のビニルシ
ラン類の加水分解物に同じ化合物となるところから、こ
のもの自体、ビニルシラン系シランカップリング剤の1
種として用いることができる。
無機充填材としては、ガラス補強材を最も一般に用い
られるものとして挙げることができる。
ガラス補強材は、繊維状,粉末状等いかなるものをも
用いることができる。
ガラス繊維補強材としては、ガラス長繊維を各種の方
法で織ったガラス織布または編んだガラス編物,ガラス
長繊維の繊維ストランドをランダムコイル状に平面に広
げてバインダーで固定したコンティニュアスガラススト
ランドマット、カットした繊維ストランドを表面上にラ
ンダムにからみあわせバインダーで固定したチョップド
ストランドマット、該チョップドラストランドを、ある
立体的に形に吹きつけバインダーで固定したチョップド
ストランドプリフォーム、ガラス繊維を通常の不織布を
作る方法と同じ方法、例えばニードルパンチ法を適用し
たガラス繊維不織布,ガラス繊維トウを一方向に平行に
引揃え平面に並べ、他種のマットに張り合わせるか、横
方向をスティッチでとめた、一方向性平行布等をあげる
ことができる。また形態が限定されるが、特別な例とし
てガラスブレイドやガラス繊維の三次元織物を用いるこ
ともできる。
また、繊維以外の形態のものとしては、ガラスを粉末
状にくだいてミルドガラス、粉末状ではあるが大きなア
スペクト比をもったいわゆるマイクロファイバー状ガラ
ス,ガラスマイクロバルーン,リン片状ガラス等をあげ
ることができる。
本発明において、メタセシス重合体の補強用として用
いる場合、前者のガラス繊維系のものと後者の粉末状ガ
ラス補強材は、一般にその適用方法が異なり、使用効果
についても異なる。
即ち、ガラス繊維系補強材は、一般に、成型金型内に
予め、マットやプリフォーム状のものを配置しておき、
そこへ反応性のモノマー液を注入する方法がとられる。
かかる方法においては、モノマー液がガラス繊維束内に
出来るだけ空隙をつくらないよう、充分に繊維束中に浸
透して固化する必要があり、成型上の難しさが増しかつ
成形速度も遅くなることが多い。しかしそれが出来れ
ば、その補強効果は大きく、剛性,強度,寸法安定性,
熱変形温度の向上ばかりでなく、例えばノッチ付アイゾ
ットで代表される耐衝撃強度も大巾に向上する。
一方、粉末状のガラス補強材の場合は、反応性モノマ
ー液に予め分散したものを金型内に注入する方法が用い
られる。分散液の安定性や、反応射出成形の場合、噴出
ノズルの摩耗やつまり等の問題はあるが、原則的には補
強材のないものと同様に成形が可能である利点は有して
いるが、ガラス繊維に比して、アスペクト比が小さくな
るため、剛性,強度,寸法安定性および熱変形温度の向
上の程度が同じガラス含有率でも、大きく劣ってしま
い、かつ、ノッチ着きアイゾット耐衝撃強度は、補強材
−樹脂間のマイクロクラックのため一般に低下する等、
補強効果が限られていることになる。
ガラス補強材へのビニルシラン系シランカップリング
剤への適用処理は前記の如く、一般のシランカップリン
グ剤をガラス補強材へ適用する方法として確立している
方法をそのまま用いることができる。特にチョップドあ
るいはコンティニュアスストランドを基材とするガラス
繊維補強材の場合は、紡糸の際の油剤の一成分にシラン
カップリング剤を加えておき、紡糸工程中の同時にシラ
ンカップリング剤を付着させてしまう方法をとることも
できる。
ガラス補強材以外にも、表面にシラン処理剤と結合し
うる−OH基を有する無機充填材は、同様にシラン処理剤
によってメタセシス重合体との接着性を向上せしめるこ
とができる。かかる無機材料としては酸化物系無機物は
勿論のこと、窒化物や炭化物も、実際に表面は酸化され
てOH基を有している場合が多く、効果が発揮できる場合
が多い。
かかる繊維状無機充填材としては、ウォラストナイ
ト,チタン酸カリ,アルミナ繊維等をあげることがで
き、板状物として各種マイカ類をあげることができる。
粉末状物としては、カオリン,焼成クレー,石英粉,珪
石粉,長石粉,タルク,珪酸アルミニウム,アルミナ,
その他各種セラミックス粉末をあげることができる。か
かる無機充填材の特別な例として、各種無機顔料類もあ
げることができる。即ち、酸化チタン,鉄黒等の微粉末
顔料の分散性改良のために用いることもできる。
本発明に用いられるメタセシス重合性シクロオレフィ
ン系化合物の好適な具体例としては、ジシクロペンタジ
エン,トリシクロペンタジエン,シクロペンタジエン−
メチルシクロペンタジエン共二量体,5−エチリデンノル
ボルネン,ノルボルネン,ノルボルナジエン,5−シクロ
ヘキセニルノルボルネン,1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8,8a−オクタヒドロナフタレン,1,4−メタノ−
1,4,4a,5,6,7,8,8,8a−オクタヒドロナフタレン,6−エ
チリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−ヘ
プタヒドロ−ナフタレン,6−メチル−1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−ヘプタヒドロナフタレン,1,4,
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロナフタレ
ン,エチレンビス(5−ノルボルネン)などの1〜3個
のノルボルネン構造を有する環状オレフィンの一種また
は二種以上の混合物をあげることができるが特にジシク
ロペンタジエン又は、それを主体とするモノマー混合物
が好適に用いられる。
また、必要に応じて、酸素,窒素等の異種元素を有す
るメタセシス重合性環状化合物を用いることもできる。
かかる極性モノマー類は、ジシクロペンタジエン等との
共重合で用いられることが多い。
かかる極性モノマーも、ノルボルネン構造単位を有す
るものが好ましく、かつ、極性基としてはエステル基,
エーテル基,シアノ基,N−置換イミド等が好ましい。
かかる共重合モノマーの具体例としては、5−メトキ
シカルボニルノルボルネン,5−(2−エチルヘキシロキ
シ)カルボニル−5−メチルノルボルネン,5−フェニロ
キシメチルノルボルネン,5−シアノノルボルネン,6−シ
アノ−1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン,N−ブチルナディック酸イミド等をあ
げることができる。
上述した如き、メタセシス重合性モノマーは、メタセ
シス重合触媒を不活性化する如き不純物が極力少ないも
のであることが要求される。
本発明で用いるメタセシス重合接触系における主触媒
成分としてはタングステン,レニウム,タンタル,モリ
ブデン等のハライドなどの塩類が用いられるが、タング
ステン及びモリブデンの化合物が好ましく特にタングス
テン化合物が好ましい。かかるタングステン化合物とし
ては、タングステンハライド,タングステンオキシハラ
イドなどが好ましく、より具体的には、タングステンヘ
キサクロライド,タングステンオキシクロライドなどが
好ましい。また、有機アンモニウムタングステン酸塩な
どが用いることができる。かかるタングステン塩化合物
は、直接モノマーに添加すると、ただちにカチオン重合
を開始することが判っており好ましくない。従ってタン
グステン塩化合物は不活性溶媒例えばベンゼン,トルエ
ン,クロロベンゼンなどに予め懸濁し、少量のアルコー
ル系化合物またはフェノール系化合物を添加することに
よって可溶化させて使用するのが好ましい。
さらに、上述した如き、好ましくない重合を予防する
ためにタングステン化合物1モルに対し、約1〜5モル
のルイス塩基又はキレート化剤を添加することが好まし
い。かかる添加剤としてはアセチルアセトン,アセト酢
酸アルキルエステル類,テトラヒドロフラン,ベンゾニ
トリルなどをあげることができる。
かくして、触媒成分を含むモノマー溶液(溶液A)
は、実用上充分な安定性を有することになる。
一方メタセシス重合触媒系における活性化剤成分は、
周期律第I〜第III族の金属のアルキル化物を中心とす
る有機金属化合物、特にテトラアルキルスズ,アルキル
アルミニウム化合物,アルキルアルミニウムハライド化
合物が好ましく、具体的には、塩化ジエチルアルミニウ
ム,ジ塩化エチルアルミニウム,トリオクチルアルミニ
ウム,ジオクチルアルミニウムアイオダイド,テトラブ
チル錫などをあげることができる。これら活性化剤成分
としての有機金属化合物を、原料単量体に溶解すること
により、もう一方の溶液(溶液Bと呼ぶ)が形成され
る。
前述の如く、かかる溶液中に前記シランカップリング
剤を添加して、重合と同時に無機充填材処理も同時にお
こなう方法をとることもできるが、同様に前述の如き理
由によってシラン処理を予めおこなった無機充填材を用
いる方が好ましい。
本発明においては、基本的に前記溶液A及び溶液Bを
混合することによって、架橋重合体成形物を得ることが
できるが、上記組成のままでは、重合反応が非常に速く
開始されるので、成形用鋳型に充分流れ込まない間に硬
化が起こることがあり、度々問題となる場合が多く、前
述の如くそのために活性調節剤を用いることが好まし
い。
かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一般に用いら
れ、就中エーテル類,エステル類,ニトリル類などが用
いられる。具体例としては安息香酸エチル,ブチルエー
テル,ジグライムなどをあげることができる。かかる調
節剤は両液は加えることができるが一般的に、有機金属
化合物の活性化剤の成分の溶液の側に添加した方が効果
が大きい場合がある。前述と同様にルイスベース基を有
するモノマーを使用する場合には、それに調節剤の役目
をかねさせることができる。
メタセシス重合触媒系の使用量は例えば触媒成分とし
てタングステン化合物を用いる場合は、上記原料単量体
に対するタングステン化合物の比率は、モル基準で、約
1000対1〜15000対1、好ましくは2000対1の付近であ
りまた、活性化剤成分はアルキルアルミニウム類を用い
る場合には、上記原料単量体に対するアルミニウム化合
物の比率はモル基準で約100対1〜約3000対1、好まし
くは約300対1〜約1000対1の付近が用いられる。更に
上述した如き、マスク剤や調節剤については、実験によ
って上記触媒系の使用量に応じて、適宜、調節して用い
ることができる。
本発明による架橋重合体成型物には、実用に当って、
その特性を改良または維持するために、さらに各種添加
剤を配合することができる。かかる添加剤としては、充
填剤,顔料,酸化防止剤,光安定剤,難燃化剤,高分子
改良剤などがある。このような添加剤においても本発明
における無機充填材と同じく重合と同時に成型物が得ら
れて後は添加することが不可能であるから、添加する場
合には予め前記した原料溶液に添加しておく必要があ
る。
その最も容易な方法としては、前記溶液Aおよび溶液
Bのいずれか又は両方に前もって添加しておく方法をあ
げることができるが、その場合、その液中の反応性の強
い触媒成分や、活性化剤成分と実用上さしつかえある程
度には反応せず、かつ重合を阻害しないものでなくては
ならない。どうしても、その反応がさけえないが共存し
ても、重合は実質的に阻害しないものの場合は、単量体
と混合して、第三液を調整し、集合直前には、混合使用
することもできる。
また、本発明の架橋重合体成型物は、酸化防止剤を添
加しておくことが好ましく、そのためフェノール系又は
アミン系の酸化防止剤を予め溶液中に加えておくことが
望ましい。これら酸化防止剤の具体例としては、2,6−
t−ブチル−P−クレゾール,N,N′−ジフェニル−P−
フェニレンジアミン,テトラキス[メチレン(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメート)]メタン
などがあげられる。
また、本発明による重合体成形物は、他の重合体を単
量体溶液状態の特に添加しておくことができる。かかる
重合体添加剤としてはエラストマーの添加が成型物の耐
衝撃性を強めること及び溶液の粘度を調節する上で効果
があるのは前述の如くである。かかる目的に用いられる
エラストマーとしては、スチレン−ブタジエンゴム,ス
チレン−ブタジエンスチレントリブロックゴム,スチレ
ン−イソプレン−スチレントリブロックゴム,ポリブタ
ジエン,ポリイソプレン,ブチルゴム,エチレンプロピ
レン−ジエンタ−ポリマー,ニトリルゴムなど広範なエ
ラストマーをあげることができる。また本発明の成型物
において残留モノマーが多く残ると特有の臭が発せられ
ることがある。かかる残留モノマー減少剤としてα,
α,α−トリクロルトルエン,トリクロル酢酸エステ
ル,フタル酸クロライド,安息香酸無水物,オキシ塩化
リン,ベンゼンスルホン酸クロライド等を挙げることが
できる。
本発明の重合体成型物は、前述した如く、重合と成型
とを同時に行うことによって製造される。
かかる成型法としては前述の如く、触媒と原料単量体
とをスタテックミキサー等の簡単なミキサーで混合する
か、前もって混合したプレミックスを型の中に流入せし
めるレジンインジェクション方式,触媒系を二つに分け
た溶液Aと溶液Bをヘッド部で衝突混合せしめてそのま
ま型に流し込むRIM方式を採用することができる。特にR
IM方式が一般に用いられる。
いずれの場合も鋳型(モールド)への注入圧力は比較
的低圧であることができ、従って安価な鋳型を使用する
ことが可能である。また、型内の重合反応が開始される
と反応熱によって型内の温度は急速に上昇し、短時間に
重合反応が終了する。ポリウレタン−RIMの場合と異な
り、モールドから離脱は容易であり、特別の離型剤を必
要としない場合が多い。
ガラス補強材等無機充填材の適用は、前述の如く、一
定長以上の繊維形態の場合は予め型内に充填しておく方
法がとられ、粉末状の場合には反応性溶液AおよびBの
少なくとも一方に分散しておきそれを型内に注入する方
法がとられる。各々の利害損失および留意すべき点につ
いては前述した通りである。
かかる無機充填材の補強効果は、本発明による特定の
シランカップリング剤の適切なる使用により良好な接着
が実現されたことにより、一般に、補強材の添加量に比
例して改善される物性が多くなる。従って、その用途よ
り、要求される物性に応じて添加量を定めればよい。一
般に、より高い剛性が望まれる場合、より高い無機充填
材の添加量が必要となるが、その添加量が多くなるにつ
れて、繊維形態の場合は、反応性溶液が空隙をつくるこ
となく、単繊維間に充分浸透するのが難しくなり、粉末
の場合は、粉末が懸濁された反応液の流動性が悪くな
り、自ら技術的な限界が生じることになる。ただ、かか
る限界は同じ繊維であっても、その単繊維の寸法,集合
体の形態等によって異なり、その面での最適化も、良好
な補強体を得るために必要である。
一般に、無機充填材の充填率は、一般に好ましくは体
積分率で0.03〜0.5、より好ましくは0.05〜0.4の範囲が
一般に用いられる。
なお、かかる無機充填材の適用にあって成型物中に均
一に分布する必要はなく、要求性能をより満足せしめる
最適配置を考えればよいことになる。粉末補強材で、反
応液に分散して用いる場合は、特別の方法を用いなけれ
ば、かかる補強材を目的に応じて偏在させることは難し
いが、繊維集合体を型内に配置する方式の場合は、それ
を容易に実施することができる。
例えば、同一成型物中の特定の部分の剛性等をあげた
い場合、その対応する場所にのみ、あるいはその部分に
より高い充填率で、繊維集合体補強材を布置すればよい
ことになる。また、板状物の曲げ剛性を効率的に高くし
たい場合、両面により高い充填率で補強材をおくように
すればよい。一方、表面が、凹凸の少ないスムーズな表
面が要求される場合、表面の部分にのみ、補強効果を多
少犠牲にしても、例えばファインデニルのガラス繊維を
からみ合せたガラスベールと呼ばれる集合体をおく方法
をとることもできる。また、さらに有機繊維のベールや
紙等を表面にのみ用いることもできる。
また、かかる補強材の使用によって強度的に余裕が出
来た部分を、フォーム状物で充填することによって、曲
げ強度を維持しながら、軽量化する等の方法の適用も可
能となる。
d.発明の効果 かくして得られた無機材料充填重合体成型物は、改良
された機械及び熱特性を有しており、従来のメタセシス
重合体成型物よりも、高い剛性,寸法安定性,熱変形温
度等の要求される用途に好適に用いることができる。即
ち、自動車,オートバイ,ボート,スノー・モービル等
の陸上,水上,各種運搬機器の部材、ゴルフ・カート,
トラクター等の産業用,レジャー用,スポーツ用,自走
機器,移動機器類の部材、電機,電子,機械類のハウジ
ング等、広範な用途に用いることができる。
e.実施例 以下に実施例をあげて本発明を説明する。実施例は説
明のためであってそれは限定されるものではない。
[主触媒濃縮液の調製] 高純度六塩化タングステン19.80g(0.05モル)を乾燥
トルエン90mlに窒素気流下で添加し、t−ブタノール0.
925gを5mlのトルエンに溶解したものを加え1時間撹拌
し、次いでノニルフェノール11.05g(0.05モル)及びト
ルエン5mlよりなる溶液を添加し1時間窒素パージ下に
撹拌する。10gのアセチルアセトンを混合物に加え、副
生する塩化水素ガスを追い出しながら窒素パージ下に一
晩撹拌を継続し、その後、一部留出したトルエンを補い
0.5Mタングステン含有触媒濃縮液を調整した。
[活性化剤濃縮液の調製] ジ−n−オクチルアルミニウムアイオダイド5.70g,ト
リ−n−オクチルアルミニウム31.17g,ジグライム13.42
gを窒素気流下で混合し、次いでDCPを添加し全体で100m
lになるように希釈し1.0Mアルミニウム含有活性化剤濃
縮液を得た。
[シランカップリング剤] 本発明のシランカップリング剤の代表として、最も入
手及び取扱いの容易なビニルトリエトキシシラン及びア
リルトリエトキシシランを用いた。比較のために、表1
に示す如き、他の一般市販のシランカップリング剤を使
用した。
なお、ガラス補強材処理のため使用した媒体を同表に
併記した。シランカップリング剤は、かかる媒体中に溶
解及び/又は分散状態で処理に用いられる。かかる処理
に用いる場合、シランカップリング剤は媒体に対し1重
量%の濃度にした。
実施例1 [各シランカップリング剤のメタセシス重合阻害性及び
接着性テスト] ジャー型ガラス容器の内面を、前記表1のシランカッ
プリング剤の媒体溶液で処理し、120℃,10分間熱処理し
て、内面が各々のシランカップリング剤で処理されたガ
ラス容器を調製した。
一方、前記主触媒濃縮液及び活性化剤濃縮液の各々を
DCP96.5wt%,エチリデンノルボルネン3.5wt%のモノマ
ー混合物に添加して、タングステン含量0.001Mの反応性
溶液A及びアルミニウム分0.003Mの反応性溶液Bを調製
した。
かかる溶液A,Bの各々10mlを別のシリンジに取り出し3
0℃にした後、上記処理ガラス容器内に窒素気流下急速
撹拌下に、両方を同時に押出し、二液の混合を終わった
時点で、撹拌機をあげ、かわりに熱電対を挿入し、両液
のシリンジからの注入が終わった時点から100℃に到達
した時間(重合時間)を測定した。
結果を表2に示す。かかる重合時間を比較することに
より、シランカップリング剤のメタセシス重合に与える
影響が判ることになるが、(A)のビニルシランは重合
性に与える影響が小さいことが判る。さらに生じた重合
体固体がシラン処理したガラス容器とよく密着したか、
簡単に離れたかを観測した。その結果を同様に表2に併
記した。それで判る通りビニルシラン及びアリルシラン
のみが、成型物がシラン処理したガラス容器によく密着
し、なかなか離れなかった。他は重合の際の収縮もあっ
て、ガラス容器から離れたり容易に離れるようになって
おり定性的ではあるが、ビニルシラン及びアリルシラン
処理ガラスがメタセシス重合体と良好な接着性を示すこ
とが確認された。
実施例2 [ガラス板を用いた接着性テスト] 実施例1のガラス容器の代りに、顕微鏡用プレパラー
トガラス板上に、同様に、各々、シランカップリング処
理した。
一方、実施例1と同様に調製した反応溶液A,Bを各
々、10mlづつシリンジにとり、かかるシリンジを同一割
合で機械的に押出し、両方の液がノズルより吹き出し衝
突混合し小型の型内に流れ込んだようにした超小型机上
RIM装置によって成型板を作成した。その際、成型型内
の片面に上記シラン処理したガラス板を取り付けておき
成型板はガラスと接触して生成されるようにした。この
ようにした重合の結果、ビニルシラン(A)及びアリル
シラン(B)で処理した場合には、生成した樹脂の収縮
によってガラス板は多数の片にくだけたが一つ一つは樹
脂とよく固着していた。それに対し、比較のためのシラ
ン処理剤(C)〜(F)で処理したものと、シラン処理
を全くしなかったガラス板は二つにおかれただけだが生
成した樹脂と離れてしまっており、良好な接着性を示さ
なかった。
実施例3 [ガラス織布入コンポジット強度テスト] バーニング処理をして防止油剤等を揮散させ表面をき
れいにしたガラス織布(目付215g/m2,平織,厚さ0.22m
m)を表1の各シランカップリング剤溶液に浸漬、引き
上げてローラでしぼり、1日間風乾した後、熱風炉中で
120℃,10分熱処理した。
このように処理したガラス織布10枚を、厚さ3.5mmた
てよこ30cm×30cmの平板状の成型鋳型内に重ねておき、
その型内に実施例1と同じモノマー組成にFirestone社
製SBR−Steron720を2重量%溶解したものに、主触媒濃
縮液,活性化剤濃縮液の各々を同様に溶解しタングステ
ン含量0.001Mにした反応性溶液A及びアルミニウム含量
0.003Mの濃度にした反応性溶液Bを調製し、これを実用
型のRIM成型機を用いて衝突混合注入しガラス繊維含有
率(Vol−含量)22%のガラス織布強化メタセシス重合
体成型板を得た。
かかる成型板から、常法に従いサンプルを切り出し
て、曲げ強度,曲げモジュラスを測定した。その結果を
表3に示す。ビニルシラン及びアリルシランで処理した
ガラス織布を用いたコンポジット板が、他のシランカッ
プリング剤で処理した織布を用いたコンポジット板や、
シラン処理なしの織布を用いたコンポジット板に比し、
非常に高い曲げ強度,曲げモジュラスを示していること
が判る。かかる曲げ強度,曲げモジュラスは、ガラス繊
維強化樹脂材の場合、ガラス繊維と樹脂との接着性の良
否が最も鋭敏に影響する性質とされておりビニルシラ
ン,アリルシランが良好な接着性を与えることを示して
いる。
さらに、不適当なシランカップリング剤を用いるとむ
しろ無処理の場合よりも悪い曲げ強度,曲げモジュラス
しか得られないことが判る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール・アラン・シルバー アメリカ合衆国 デラウェア州 19802, ウィルミントン市 リトル ロック ド ライブ 4607 (56)参考文献 特開 昭52−39752(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 65/00 C08K 9/04 - 9/06

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)式−CH=CH−で表わされる鎖状オレ
    フィン基を少なくとも1つ有するシランカップリング剤
    で処理した無機充填材と、 (b)少なくとも1種のメタセシス重合性シクロオレフ
    ィン系化合物から、メタセシス重合触媒系によって重合
    と成型とを同時に行なって得られる重合体と、 より少なくともなる無機材料充填重合体成型物。
  2. 【請求項2】シランカップリング剤が式 R1−CH=CH−R2で表わされる基を少なくとも1つ有するシランカップリ
    ング剤である請求項1記載の成型物。
  3. 【請求項3】無機充填材がガラス織布、ガラス編物、コ
    ンティニュアスガラスストランドマット、チョップドス
    トランドマット、チョップドストランドプリフォーム、
    ガラス繊維不織布、ミルドガラス、マイクロファイバー
    状ガラス、ガラスマイクロバルーン及びリン片状ガラス
    から選ばれた少なくとも一種の充填材である請求項1記
    載の成型物。
  4. 【請求項4】無機充填材が、ガラス、ウォラストナイ
    ト、チタン酸カリ、アルミナ、カオリン、焼成クレー、
    石英粉、珪石粉、長石粉、タルク、珪酸アルミニウム、
    アルミナ、酸化チタン及び鉄黒からなる群より選ばれた
    少なくとも一種の充填材である請求項1記載の成型物。
  5. 【請求項5】シランカップリング剤が式 R1−CH=CH−R2−Si(R′)(X)3-n で表わされる請求項1記載の成型物。
  6. 【請求項6】メタセシス重合性シクロオレフィン系化合
    物の少なくとも1種を、式 −CH=CH−で表わされる鎖状オレフィン基を少なくとも
    1つ有するシランカップリング剤で処理した無機充填材
    の存在下、メタセシス重合触媒系によって重合と成型を
    同時におこなうことを特徴とする無機材料充填重合体成
    型物の製造方法。
  7. 【請求項7】シランカップリング剤が式 R1−CH=CH−R2で表わされる基を少なくとも1つ有するシランカップリ
    ング剤である請求項6記載の製造方法
  8. 【請求項8】無機充填材がガラス織布、ガラス編物、コ
    ンティニュアスガラスストランドマット、チョップドス
    トランドマット、チョップドストランドプリフォーム、
    ガラス繊維不織布、ミルドガラス、マイクロファイバー
    状ガラス、ガラスマイクロバルーン及びリン片状ガラス
    から選ばれた少なくとも一種の充填材である請求項6記
    載の製造方法。
  9. 【請求項9】無機充填材がガラス、ウォラストナイト、
    チタン酸カリ、アルミナ、カオリン、焼成クレー、石英
    粉、珪石粉、長石粉、タルク、珪酸アルミニウム、アル
    ミナ、酸化チタン及び鉄黒からなる群より選ばれた少な
    くとも一種の充填材である請求項6記載の製造方法。
  10. 【請求項10】シランカップリング剤が式 R1−CH=CH−R2−Si(R′)(X)3-n で表わされる請求項6記載の製造方法。
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