JP2858848B2 - B型肝炎ウイルスコア抗原粒子 - Google Patents

B型肝炎ウイルスコア抗原粒子

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JP2858848B2 JP2033622A JP3362290A JP2858848B2 JP 2858848 B2 JP2858848 B2 JP 2858848B2 JP 2033622 A JP2033622 A JP 2033622A JP 3362290 A JP3362290 A JP 3362290A JP 2858848 B2 JP2858848 B2 JP 2858848B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、抗原性デターミナントを含有し且つキャリ
アーに結合したポリペプチドからなるコンジュゲート
体、その製造及び抗体誘導に用いるその用途に関する。
目標とすべき望ましいワクチンとは、持続時間が長い
免疫化であって、且つその免疫記憶が十分に長く次のワ
クチン接種まであるいは感染性物質の浸入時まで継続す
る免疫化を素早く生ぜしめるワクチンである。またワク
チン製剤は、容易に投与することができて、安定であっ
て、その副作用も少なく、接種した者が感染性物質から
広範囲な保護を得られるようなワクチン製剤でなければ
ならない。
従来用いられているワクチンの多くはこのような要求
をおおよそ満たしている。しかしながら、感染性物質の
ものを不活性化することによって得られている従来のワ
クチンは多くの問題点を有している。例えば、免疫抗原
の特質が不確定であること、不活性化ワクチンが真に無
害であるかどうかという問題点があり、また感染性物質
を大量に取扱う際の危険性、あるいは安定性、安定性の
問題から生じる投与方法の制限などの問題点がある。
より安定で明確なワクチンを開発する試みの1つとし
て、多くの感染性物質に対する免疫応答を詳細に研究し
て、保護免疫を提供するのに関与しているエピトープを
同定するこが行なわれている。このような試みによって
得られた知識に基づき、より短いペプチドを作成してエ
ピトープの類似体を得、これらをワクチンとして用いる
ことが現在では可能となっている。このようなペプチド
を用いたワクチンは多くの利点を有している。即ち、こ
れらは化学的に明確なものであって、安定であり、その
製造工程で感染性物質が混入することもない。更には、
免疫応答が適度に促進されるようにデザインすることが
可能であり、また新たなデリバリーシステムを用いて抗
原を目的部位に投与できるようにすることも可能であ
る。製造の点から見れば、大量生産するためのプラント
を作成する必要性もなくまた複雑な加工工程も必要とし
ない。
このような多くの利点があるにもかかわらず、ペプチ
ドワクチンに対しても多くの問題点が指摘されている。
即ち、ペプチドワクチンの場合には化学的に不明確なキ
ャリアー蛋白を必要とし、またペプチド抗原の免疫原性
は天然の生物抗原の免疫原性と同様になることはないと
考えられている。また、多くの合成ペプチドはその分子
量が比較的小さいためにハプテンのように機能し、従っ
てその免疫原性を高めるためには大きな外来蛋白キャリ
アーを結合することが必要であると一般的に考えられて
いる。このようにキャリアーと結合して得られるコンジ
ュゲード体で免疫した場合には、そのペプチドとキャリ
アーとの結合方法によっては感染性物質のあるいは天然
蛋白を確認できない抗ペプチド抗体が産生されることが
しばしばある。またワクチン接種に関連した他の問題と
しては、キャリアーに用いた外来蛋白に対する高感受性
の問題、あるいはコンジュゲート体を製造する際の各バ
ッチ間の再現性の問題がある。
最近、キャリアー蛋白としてB型肝炎ウイルスコア抗
原(HBcAg)を用いることが検討されている。Clarke et
al., Nature, 330,381−384,1987には、口蹄疫ウイル
ス(FMDV)のVP1カプシド蛋白の主要抗原部位をHBcAgの
アミノ末端に融合した融合蛋白が記載されている。この
融合蛋白は自己集合してレギュラー27nmコア様粒子にな
り、天然ウイルス自体と同様にFMDVに関して免疫原性と
なる。
EP−A−0271302号明細書には、HBcAgがアミノ酸残基
の側鎖を介してポリペプチド免疫原に結合したポリペプ
チドコンジュゲート体が開示されている。また、HBcAg
蛋白がペプチド結合により病原性免疫原に結合した免疫
原性融合蛋白も記載さてれいる。T細胞特異的促進ポリ
ペプチドも記載されている。
本発明者らは、HBcAg粒子にポリペプチドを化学的に
結合することについて研究した。しかしながら満足すべ
き結果は得られなかった。
即ち、 1.本発明者らは、HBcAg粒子をスクシンイミジル−4−
(N−マレイミド−メチル)−シクロヘキサン−1−カ
ルボキシレート(SMCC)で誘導体化してHBcAg上の側鎖
アミノ基を介してB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)
をHBcAgに結合することを試みた。しかしながら、HBcAg
粒子の誘導体化はほとんど起こらなかった。
2.上記1の試みを、SMCCを用いる代わりにm−マイレイ
ミド−ベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエス
テル(MBS)を用いて実施したが、やはりHBcAg粒子の誘
導体化はほとんど起こらなかった。
3.グルタルアルデヒドを用いてHBcAg粒子にHBsAgを結合
させることを試みた。高濃度のグルタルアルデヒドを用
いた場合には結合させることができた。しかしながら、
高濃度のグルタルアルデヒドを用いた場合にはHBsAgが
ダメージを受け、得られるコンプレックスをマウスに投
与した場合にHBsAgに対する免疫応答が著しく減少し
た。
4.本発明者らは、ピス(マレイミド)メチルエステル
(BMME)を用いて、HBcAgの側鎖アミノ基にCys含有FMDV
VP1 141−160ペプチドを結合させることを試みた。HBc
Ag粒子の量は減少したがBMMFによって誘導体化されたペ
プチドと反応した。結合はしたが、得られるコンプレッ
クスを投与してもFMDVに対する免疫応答は極めて低かっ
た。
本発明者らは上記した困難性を克服するために、HBcA
gのアミノ末端にLys含有短鎖配列を融合した融合蛋白を
用いた。この修正HBcAg蛋白に、そのLys残基の側鎖アミ
ノ基を介してペプチドを結合させた所、結合がうまく行
なわれ、得られるコンジュゲート体は抗ペプチド抗体及
び中和抗体を有効に誘導した。この方法は簡便であって
効果的であり、明確な方法によってペプチドを結合させ
ることができる。
従って本発明によれば、Lys残基を含有するN末端延
長鎖であって最初の14個のN末端側のアミノ酸残基内に
Lys残基を含有するN末端延長鎖を有するHBcAgからなる
粒子であって、該Lys残基の側鎖アミノ基を介して抗原
性エピトープを有するポリペプチドが結合された粒子が
提供される。
上記の修正HBcAg粒子にはいずれのポリペプチドも結
合することができる。しかしながら、HBcAgのN末端延
長鎖中のLys残基の側鎖アミノ基に結合することのでき
る−NH2、−SHなどの官能基がポリペプチド上に存在す
ることが必要である。典型的には、ポリペプチドは、外
来エピトープ、即ち、HBcAgのエピトープでないエピト
ープを有することができる。
ポリペプチドは、ウイルス、バクテリア、プロトゾア
などの感染性物質のエピトープなどの、中和抗体を誘導
することのできる抗原性エピトープを含有している。あ
るいは、成長ホルモン断片などの非感染性物質のエピト
ープを含有していてもよい。またポリペプチドは、例え
ばエピトープの8あるいは4個のコピーまでのエピトー
プの複数コピーを含有していてもよい。エピトープの2
個のコピーが存在していてもよい。2つあるいはそれ以
上の異なるエピトープ、例えば3あるいは4種類のエピ
トープが存在していてもよい。
エピトープの有するウイルスの例としては、例えば、
A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、インフルエンザ
ウイルス、口蹄疫ウイルス、狂犬病ウイルス、ヒト免疫
不全ウイルスタイプ1(HIV−1)、HIV−2、シミアン
免疫不全ウイルス(SIV)、ヒトライノウイルス(HR
V)、デングウイルス、黄熱病ウイルスなどが挙げられ
る。修正HBcAgに結合するポリペプチドはHBsAgあるいは
FMDV VP1主要抗原部位を含むポリペプチドであってもよ
い。エピトープを有するプロトゾアとしてはマラリアパ
ラサイトPlasmodiom faliparomが挙げられる。
FMDV VP1主要抗原部位を含有するペプチドとしては、
FMDVのVP1、例えばいずれかのFMDVセロタイプの137−14
2番目のアミノ酸残基からスタートして160−162番目の
アミノ酸残基で終る配列からなるペプチドを用いること
ができる。典型的な配列は、VP1アミノ酸残基140−16
2、140−160、137−162、137−160あるいは141−160の
配列である。このような配列のタンデムリピートを含有
するポリペプチドあるいはこのような配列の混合セロタ
イプのタンデムリピートを含有するポリペプチドを、修
正HBcAg粒子に結合することができる。
FMDV VP1主要抗原部位のタンデムリピートを含有する
適当なペプチドとしては、それぞれが30個以下のアミノ
酸残基からなる配列が連続していてそれぞれ同じ免疫性
を有している配列から構成されるペプチドが挙げられ
る。この免疫原性配列とは、 ÅFMDVサブタイプO1のVP1のアミノ酸残基137−145か
らスタートしてアミノ酸残基150−162で終る配列;ある
いは lセロタイプでOの他のサブタイプあるいは異なるFM
DVセロタイプのサブタイプの対応するアミノ酸残基から
なる配列である。
従って、ペプチドは免疫原生配列のタンデムリピート
であってもよい。あるいは、連続した配列から構成され
るペプチドであって、そのうちの1つあるいはそれ以上
の配列が免疫原生配列の活性部分でない部分を更に付加
的に含んだペプチドであってもよい。このような付加的
なアミノ酸残基はそれぞれの免疫原性配列を連結するの
に用いることができる。このような連結に用いられる配
列としては、6個までのアミノ酸残基、例えば1−3個
のアミノ酸残基からなる配列が挙げられる。このような
連結用配列がなくても、それぞれの免疫原性配列を直接
結合することもできる。
ペプチドは免疫原性配列の任意のリピート数を含有し
ていてもよい。例えば、2−8、より好ましくは2−4
のリピート数が挙げられる。ペプチドは、非天然性のシ
ステイン残基を有するC末端及び/又はN末端で終って
も終らなくともよい。
免疫原性FMDV配列を含有する配列は、30個以下のアミ
ノ酸残基からなる。配列の長さは、付加的な連結用アミ
ノ酸残基及びN末端及び/又はN末端非天然性システイ
ンが存在していても、免疫原性配列の長に依存する。し
かしながら、連続した配列のそれぞれの配列は26個以下
のアミノ酸残基からなるのが好ましい。
ペプチドはFMDV VP1主要免疫原性部位のリピートを有
している。FMDV主要エピトープは、VP1キャプシド蛋白
の少なくともアミノ酸残基142−160によって定義され
る。これは特にセロタイプO1に適用される。従って、く
り返し存在していてもよい免疫原性配列としては、FMDV
セロタイプO1のVP1アミノ酸残基142−160であって任意
にN末端側のアミノ酸残基137及び/又はC末端側のア
ミノ酸残基162まで延びていてもよいアミノ酸配列によ
って定義される配列、あるいは他のセロタイプの対応す
るアミノ酸配列によって定義される配列が挙げられる。
典型的な配列としては、例えばサブタイプO1及びA12
どのセロタイプOまたはAのVP1アミノ酸残基140−16
2、140−160、137−162または137−160が挙げられる。
このような典型的配列は例えば2回くり返し存在してい
てもよい。1文字コードを用いて有用なペプチドを挙げ
れば以下の通りである。
FMDVエピトープのより少さな免疫原性配列であっても
よい。例えば、セロタイプO1のVP1アミノ酸残基145−15
0によって定義される配列でもよい。従って、くり返し
存在していてもよいFMDV配列は、セロタイプO1のVP1ア
ミノ酸残基145−150からなるアミノ酸配列であって任意
にN末端側のアミノ酸残基137及び/又はC末端側のア
ミノ酸残基162まで延びていてもよいアミノ酸配列、あ
るいは他のセロタイプの対応するアミノ酸配列によって
広く定義することができる。有用な少さな配列は以下の
通りである。
FMDV VP1主要抗原性部位の混合セロタイプタンデムリ
ピートからなる適当なペプチドは下記式(I)で表わさ
れる。
C′−X−Y−Z−C″ (I) ここでXは、ÅFMDVセロタイプO1のVP1のアミノ酸残
基137−142からスタートしてアミノ酸残基160−162で終
るアミノ酸配列、あるいはlセロタイプOの他のサブタ
イプまたは異なるFMDVセロタイプのサブタイプの対応す
るアミノ酸配列を表わし、 Yは直接結合、あるいはアミノ酸残基6個までからな
る連結用配列を表わし、 Zは、Xで表わされる配列のセロタイプとは異なるセ
ロタイプの配列であってXと同様にして定義される配列
を表わし、 C′及びC″はそれぞれ独立に任意のシステイン残基
を表わす。
X及びZで表わされるそれぞれの免疫原性配列は、FM
DVセロタイプO1のVP1アミノ酸残基142−160のアミノ酸
配列であって任意にそのN末端側のアミノ酸残基137及
び/又はそのC末端側のアミノ酸残基162まど延びてい
てもよいアミノ酸配列、あるいはセロタイプOの他のサ
ブタイプまたは異なるFMDVセロタイプのサブタイプの対
応するアミノ酸配列によって定義される。典型的な配列
は、VP1アミノ酸残基140−162、140−160、137−162又
は137−160である。
X及びZで表わされる免疫原性配列は、それぞれ異な
るセロタイプのアミノ酸配列である。7種類のFMDVセロ
タイプ、即ち、O、A、C、Asia 1、SAT1、SAT2及びSA
T3がある。有用なペプチドは、セロタイプO1のアミノ酸
配列及びセロタイプA12のアミノ酸配列をいずれかの順
序で含むペプチドである。免疫原性配列は、6個まで例
えば1〜3個のアミノ酸残基を介して連結することがで
きる。C末端の非天然性のシステイン残基が存在してい
るのが好ましい。1文字コードで好ましいペプチドを表
わせば以下の通りである。
修正HBcAg粒子に結合するのに用いる好ましいポリペ
プチドは、EP−A−0287395号明細書に記載されたHRV N
Im−IIエピトープからなるポリペプチドである。このエ
ピトープは、HRV2のVP2のアミノ酸残基156−164のアミ
ノ酸配列あるいは他のHPVのそれと等価のアミノ酸残基
からなるアミノ酸配列によって定義される。これらの配
列におけるアミノ酸残基は、当該配列の抗原性に影響を
与えない他のアミノ酸残基によって置換してもよい。HR
V2のNIm−II配列は以下の通りである。
他のHRVのこれと等価のアミノ酸残基は、HRV2のVP2ア
ミノ酸残基156−164に対応するVP2アミノ酸残基であ
る。換言すれば、それらは他のHRVセロタイプの対応す
るVP2アミノ酸残基である。これらは、HRV2のVP2配列と
他のHRVのVP2の配列とを並べることによって容易に決定
することができる。このことは、HRVの異なるタイプのV
P2配列間においては相同性があるため、容易に行なうこ
とができる。
ポリペプチドは、50個まで、例えば40又は30個までの
アミノ酸残基からなる比較的短かいペプチドであってよ
い。あるいは、例えば100又は200個のアミノ酸残基の長
さの長いものであってもよい。それらは蛋白であっても
よい。それらは化学合成あるいは組換えDNA技術によっ
て得ることができる。
ポリペプチドが結合する粒子は、Lys残基を含有する
N末端延長鎖を持ったHBcAgから本質的になるものであ
る。HBcAgは自己集中することによって直径27nmの粒子
となる。本発明で用いる修正HBcAgも自己集中すること
によってコア状の粒子を形成する。N末端延長鎖上には
1個より多くのLys残基が存在していてもよい。6個ま
で、例えば4個までのLys残基が存在していてもよい。
N末端延長鎖は、このN末端延長鎖をそなえたHBcAg
が自己集中してコア状の粒子を形成し該延長鎖上のLys
残基が結合用に用いられるようにさらされていれば、ど
のような長さであってもよい。N末端延長鎖は、250個
まで、例えば200個又は100個までのアミノ酸残基からな
る長さのものでもよい。あるいは、60個まで、例えは4
0、20、10又は5個までのアミノ酸残基からなるような
短いものでもよい。
好ましいN末端延長鎖は、SabinまたはMahoney株など
のポリオウイルスタイプ1(PV1)株のVP1キャプシド蛋
白のアミノ酸残基95−102、例えば95−104からなるアミ
ノ酸配列である。これらを示すと以下の通りである。
これらは1文字コード(Eur.J.Biochem.138,9−37,19
84)により示したものであってKはLysを表わす。これ
らの配列は、PV1 VP1の主要抗原性部位上に広がる配列
である。他の適当な延長鎖としては、HRV2のVP2キャプ
シド蛋白のアミノ酸残基156−164、例えば156−170のア
ミノ酸配列、あるいは他のHRVのそれと等価のアミノ酸
残基からなるアミノ酸配列が挙げられる。HRV2について
のこれらのアミノ酸配列は以下の通りである。
PV1あるいはHRV由来の配列のいずれかの末端あるいは
両末端に、例えば5もしくは3個までのアミノ酸残基か
らなるリンカー配列を設けてもよい。HBcAgのいずれの
N末端延長鎖の場合にも、最初の14個のN末端側のアミ
ノ酸残基内に少なくとも1つのLys残基が存在している
必要がある、即ち、例えば、最初の5個もしくは12個の
N末端側のアミノ酸残基内に1個のLys残基、あるいは
最初の14個のN末端側のアミノ酸残基内に2個のLys残
基が存在していることが必要である。結合に用いるポリ
ペプチドとしては、N末端延長鎖自体のN末端の近にLy
s残基を有するN末端延長鎖を備えたHBcAgを用いるのが
望ましい。またN末端延長鎖は親水性であるのが望まし
い。
これらの配列のうちの1つあるいは他の配列からなり
Lys残基を含有するN末端延長鎖を持った修正HBcAgは、
遺伝子工学技術、例えばJP−A−196299/88号明細書に
記載された方法によって得ることができる。より具体的
には、このような修正HBcAgは、この修正HBcAgをコード
する遺伝子を適当な発現ベクター中に導入し、該ベクタ
ーで形質転換した宿主中で該修正HBcAgを発現すること
によって得ることができる。
修正HBcAgをコードする遺伝子は、目的とするN末端
延長鎖をコードするDNA配列を合成し、必要に応じて適
当なリンカーを用いてこのDNA配列をHBcAgをコードする
DNA配列の5′末端に連結することによって調製するこ
とができる。かくして得られるDNA配列を、適当な転写
及び翻訳調節配列のコントロール下で発現ベクター中に
導入する。修正HBcAgは、E.coli,Salmonellaまたは酵母
などの適当な真核または原核宿主中で発現せしめて、粒
子として回収することができる。
HBcAgをコードするDNA配列の5′末端部位に制限酵素
部位が存在する場合には、HBcAgを発現することのでき
るプラスミドなどの発現ベクターを用いることができ
る、所望のN末端延長鎖をコードするDNA配列を、この
制限酵素部位に挿入する。N末端延長鎖を有しHBcAgの
アミノ末端に連結した融合蛋白が発現される。
適当な発現ベクターはプラスミドpBc404である。この
プラスミドを有するE.coli(JM101)は、National Coll
ection of Industrial and Marine Bacteria,Aberdeen,
GBに1989年2月9日に寄託されており、受託番号NCIB40
111が付与されている。このプラスミドは選択マーカー
としてアンピシリナーゼ遺伝子をコードとしており、HB
cAg遺伝子の上流に強力バクテリアプロモーターtacを持
っている。また、制限酵素部位EcoRI及びBamHIを有して
いるため、所望のN末端延長鎖をコードする合成オリゴ
ヌクレオチドを挿入することが可能である。
本発明のコンジュゲード体は、抗原性デターミナント
を有するポリペプチドを、修正HBcAgの最終的な14個の
N末端アミノ酸残基内のLys残基の側鎖アミノ基を介し
て、該修正HBcAgに結合することによって調製すること
ができる。これは、アミノ酸及びスルフヒドリル基に結
合することのできる2官能性試薬と修正HBcAgとを反応
させることによって達成することができる。かくして得
られる誘導体化された修正HBcAgを、ポリペプチドであ
ってフリーのスルフヒドリル基を持っていない場合には
スルフヒドリル基が導入されたポリペプチドと反応させ
る。
適当な二官能性試薬としては、例えば、SMCC、MBS、
N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)プ
ロピオネート(SPDP)などが挙げられる。二官能性試薬
は、一般に、ペプチド結合を形成する官能基とジスルフ
ィドもしくはチオエステル結合を形成する官能基とを有
している。スルフヒドリル基はポリペプチド上に存在し
ていてもよい。この場合には、N末端呼び/又はC末端
のCys残基を介して、あるいはそのアミノ基と2−イミ
ノチオランまたは3−(3−ジチオピリジル)プロピオ
ネートもしくはS−アセチルチオグリコール酸のN−ヒ
ドロキシスクシンイミドエステルと反応することによ
り、ポリペプチドが修正HBcAgに結合される。S−アセ
チルグリコール酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステ
ル(SATA)との反応後、例えばヒドロキシアミンでSATA
をデアセチル化をすることにより−SH基が得られる。
実際には、修正HBcAg粒子は、pH約7のリン酸バッフ
ァーなどの緩衝液中にて得られる。過剰モルの二官能性
試薬をジメチルホルムアミノなどの非プロトン性溶媒等
の不活性溶媒に溶解し、この溶液を加える。これにより
HBcAg粒子の誘導体化が起こる。次いで過剰のポリペプ
チドを加えて修正HBcAg粒子に結合させる。カップリン
グが起こり、修正HBcAg粒子にポリペプチドが結合した
コンジュゲード体が得られ、これを濾過などによって回
収する。
修正HBcAgコア粒子は使用する前にカルボキシメチル
化することができる。これは、コア粒子上に存在するス
ルフヒドリル基を誘導体化する前にブロックして、二官
能性試薬を用いてコア粒子上のN末端側鎖アミノ基とポ
リペプチド上の−SH基とを結合せしめる債にコア粒子蛋
白が架橋するのを防ぐためである。カルボキシメチル化
は、コア粒子とヨードアセタミドとを反応することによ
って達成される。過剰の試薬はゲル濾過あるいは透析に
より分離することができる。
かくして得られるコンジュゲート体は、 HBcAg粒子に結合したポリペプチド上に存在する抗原性
デターミナントに対する抗体を誘導するのに極めて有用
である。従って、このコンジュゲート体はヒトまたは動
物のワクチンとして用いることができる。このコンジュ
ゲート体の有効量をヒトあるいは動物に投与することに
よってワクチン接種を行なうことができる。経口投与、
あるいは皮下、静脈、筋肉などの非経口投与により投与
することができる。典型的には、経口あるいは非経口投
与により、1回当り1−1,000μg、好ましく10−100μ
gの投与量で投与される。
コンジュゲート体は、投与用には薬学的に許容し得る
担体もしくは希釈剤とともに製剤化される。慣用的に用
いられている剤形、担体、希釈剤を用いることができ
る。これらはもちろん投与ルートによって決定すること
ができる。適当な担体及び希釈剤としては、例えば、フ
ロイントの不完全アジュバンド(IFA)、水酸化アルミ
ニウム、サポニン、DEAE−デキストラン、ムラミルジペ
プチド、ミネラルオイル、ミグリオールなどの中性オイ
ル、ピーナッツオイルなどのベジタブルオイル、イスコ
ム(Iscoms)、リポゾーム、プルロニック(トレードマ
ーク)ポリオール、Ribiアジュバント系(GB−A−2189
141)などが挙げられる。
以下の実施例により本発明を説明する。添付した図面
にはプラスミドpBc404が示されている。図面において、
B、E及びPはそれぞれBamH I、EcoR I及びPst I部位
を示し、tacはtacプロモータを示し、oriは複製オリジ
ンを示し、blaはβ−ラクタマーゼを示し、SDはシャイ
ンダルガーノ配列を示す。
例1 N末端に、PV1 Mahoney VP1アミノ酸残基95−104を含有
する短い延長鎖を持つHBcAg(PVコア)の調製 図面に示した親プラスミドpBc404に基づいて、PVコア
用の発現プラスミドを作成した。
PV1 MahoneyのVP1のアミノ酸残基95−104をコードす
る合成オリゴヌクレオチドを、T4リガーゼを用いてスタ
ンダード法によりpBc404に連結した。合成オリゴヌクレ
オチド、それらのアニール化の仕方、及びN末端延長鎖
のコード配列は以下の通りである。
組換えプラスミドを保持したバクテリア(E.coli JM1
01)を、イソプロピル−β−D−チオガラクトピラノシ
ド(IPTG)60μg/mlを用いて6時間発現誘導させた。細
胞を遠心分離により採取し、リゾチーム及び非イオン性
洗浄剤処理により溶解した。10000rpmで5分間遠心して
バクテリア破片を除去した。
上清サンプルを、20℃で50000rpmで1時間15分間、15
−45%リニア−シュクロースグラジエントで分画した。
260nmでの光学密度により粒子を検出した。粒子を40000
rpmで1時間遠心して濃縮した。あるいは、シュクロー
スの透析後、そのまま誘導体化に直接用いた。
例2 FMDV VP1アミノ酸残基141−160のアミノ酸配列からなる
ペプチドであってC末端Cys残基を有するペプチド(FMD
V141−160Cys)のPVコアへの結合 2回の連続したシュクロースを用いた分画により精製
したPVコアを、pH7.2の10mMリン酸バッファー溶液に溶
解して5mg/mlの濃度で、セファデックス(トレードマー
ク)G100カラムに通した。次いで10mMリン酸バッファー
中にPVコアーが2mg/mlの濃度で溶解した溶液を用いて、
これに、ドライジメチルホルムアミドに溶解した1/20容
量のSMCCを加えてPVコアサンプル中でのSMCCの終濃度が
PVコア蛋白に対して50倍モル過剰となるようにして、誘
導体化を実施した。
室温で30分後、pH7.2の10mMリン酸バッファー中のセ
ファデックスG100に通して濾過してSMCCを除去した。新
たに溶解したFMDV141−160Cysを1/10容量で加えて、誘
導体化したPVコアに対して10倍モル過剰となるようにし
た。室温で2時間撹拌後、未結合のペプチドを、セファ
デックスG200を用いた濾過により誘導体化したPVコアか
ら分離した。ペプチドが結合したPVコアを回収した。
例3 HRV2ペプチドへのPVコアの結合 例2に記載された方法に従って、Nin−IIエピトープ
を含有し以下のアミノ酸配列を有するHRV2ペプチドをRV
コアに結合した。
VKAETRLNPDLQPTC HRV2ペプチドが結合したPVコアを回収した。
例4 PVコアのカルボキシメチル化 シュクロースを透析し、遠心により濃縮後、PVコアを
200μg/mlの量で、暗所中で室温で1時間、pH8.0の0.5M
Trisに溶解した10mMヨードアセトアミドと反応させ
た。ゲル濾過により過剰の試薬をカルボキシメチル化PV
コアから除去した。
例5 B型肝炎ウイルス表面抗原(HbsAc)のカルボキシメチ
ル化PVコアへの結合 例4で得られたカルボキシメチル化PVコアを、等モル
量のSMCCを溶解したジメチルホルムアミド(DMF)溶液
で誘導体化した。SMCCの量はDMFの1/20の量であった。
酵母中で発現したHbsAg粒子を200μg/ml濃度で、S−ア
セチルチオグリコール酸N−ヒドロキシスクシンイミド
エステル(SATA)を用いてDMF中で等モル比で誘導体化
した。SATAの量はDMFの量の1/20であった。ヒドロキシ
アミンでSATAをデアセチル化してフリーの−SH基を得た
後、2つの誘導体化粒子の等量(それぞれ200μg/ml)
を混合した。HBsAgが結合したPVコアを回収した。
例6 FMDVペプチド及びHRV2ペプチドのカルボキシメチル化PV
コアへの結合 例5に記載された方法に従って、FMDV141−160Cysペ
プチドをカルボキシメチル化PVコアに結合した。別の実
験では、例3で記載したHRV2ペプチドを同様にしてカル
ボキシメチル化PVコアに結合した。しかしながら、両者
の場合には、誘導体化は、pH7.8の50mMリン酸バッファ
ー中で行ない。誘導体化後できるだけ早くマレイミド基
を安定化させるためにpH6.8の50mMリン酸バッファー中
に移した。
例7 FMDVペプチド及びHRV2ペプチドのPVコアへの結合につい
ての分析テスト結果 例2及び6で得られた、FMDVペプチドが結合したPVコ
ア、及び例3及び6で得られた、HRV2ペプチドが結合し
たPVコアの分析テストを次のようにして実施した。
(a)ポリアクリルアミドゲル電気泳動 これによって、すべてのコア蛋白は、ペプチドの付加
により、高分子量側へシフトしたことが示された。
(b)ウエスタンブロッティング ゲル電気泳動後、蛋白をニトロセルロースへ移動し、
抗コア抗血清あるいは抗ペプチド抗血清と反応させた。
得られた結果により、結合後に得られたより高分子量の
蛋白が期待通りに両者の抗血清と反応したことが示され
た。
(c)ELISA ÅELISAプレートに結合した抗コア血清を用いて誘導
体化コア粒子をトラップするサンドイッチ法によりアッ
セイを実施した。テスト後抗ペプチド抗血清と反応させ
た。これにより、誘導体化粒子はコア抗原性とペプチド
抗原性を両者を有していた。
lHRV2ペプチド配列がコア蛋白のN末端に融合した融
合コア粒子に対する抗HRV2ペプチド抗血清、及びHRV2ペ
プチドが結合したPVコアに対する抗HRV2ペプチド抗血清
の力価をELISAにより測定した所、同じ結果が得られ
た。このアッセイでは、上記の2つの粒子については同
じ量を用いたため、N末端融合粒子と化学結合した粒子
の抗原性活性は実質的に同じであった。抗HRV2ペプチド
抗血清は、例3及び6のHRV2ペプチドに対して誘導され
た抗血清である。
(d)シュクロース密度グラジエント この分析により、FMDVペプチドがコアに結合して粒子
凝集が起こったことが示された。これらはチューブの底
にペレット化した。HRVペプチドが結合したPVコアは、
未処理コアと同様の位置に沈降し、ELISAによる分析結
果から、コア免疫原性及びペプチド免疫原性の両者を有
していた。
(e)電子顕微鏡 HRV2ペプチドが結合したPVコアを調べた所、規制正し
い粒子が観察された。HRV2ペプチドに結合したPVコアと
抗HRV2ペプチド抗血清との間で形成された免疫複合体を
電子顕微鏡で調べた所、コア粒子は抗体によって結合し
ていることが判った。
(f)免疫原性 Åコアに結合したFMDV粒子は20μg以下で(ペプチド
の2μg以下)中和活性を有していた。
lHRV2ペプチドN末端融合コア粒子及び化学的結合粒
子の免疫原性活性を、それぞれ20μgをギニアピッグに
投与して比較した、インジェクション後の各種時間で、
HRV2ペプチドに対する抗血清をELISAによりテストし
た。結果は以下の通りである、日数 化学的結合コア 融合コア 0 <1 <1 14 2.9 2.3 28 3.9 3.3 56 3.9 4.0 63 4.1 3.9 70 4.1 3.9 84 4.2 3.9 不完全フロイントアジュバンドに溶解して筋注投与し
た。
例8 FMDVタンデムリピートペプチドの調製 以下に示すペプチドを固相法により合成した。
より具体的には、Hovghten,Proc.Natl.Acad.Sci.USA
82,5131−5135,1985に記載されたMerrifield法(Merrif
ield,JACS 85,2149−2154,1963)の応用法を用いて合成
を行なった。それぞれのペプチドは、ペプチド199を除
いてそのC末端に非天然性システイン残基を付加的に有
している。ペプチド199はC末端に非天然性のグリシン
残基を有している。
それぞれのペプチドはP−メチルベンズヒドリルアミ
ンジビニルベンゼン樹脂上で合成した。それぞれのアミ
ノ酸のアルファアミノ保護基はt−ブトキシカルボニル
(Boc)を用いた、それぞれのカップリング反応サイク
ルは次の通りである。
1.ジクロロメタンにより樹脂の洗浄−10分間 2.5%ジイソプロピルエチルアミンのジクロロメタン溶
液による洗浄−2分間×3 3.ジクロロメタン洗浄−1分間×2 4.t−ブトキシカルボニルアミノ酸のジクロロメタン溶
液と0.3Mジイソプロピルカルボジイミドを用いたカップ
リング−60分間 5.上記3と同じ 6.50%トリフルオロ酢酸のジクロロメタン溶液を用いた
脱保護−20分間 7.ジクロロメタン洗浄−1分間×6 8.上記2へ戻る。
カップリングサイクルが完了した時に、アニソールス
カベンジャ−10%とともに水素化フルオライドを用いて
1時間処理してペプチドを樹脂から解離させた。かくし
て。カルボキシ末端にアミド基を有するペプチドが得ら
れた。次いでエーテルで洗浄して乾燥し、15%酢酸中に
溶解して凍結乾燥した。
例9 FMDV混合セロタイプタンデムリピートペプチドの調製 例8に記載した固相法により以下のペプチドを合成し
た。
例10 HRV2 VP2アミノ酸残基156−170のアミノ酸配列を含む延
長鎖をN末端に有するHBcAg(HRV2コア)の調製 VP2アミノ酸残基156−170を含む特異的N末端HRV2 VP
2エピトープをコードするキメラ融合粒子を構築するた
めに、5′末端にEcoR I及び3′末端にBamH I用の粘着
末端を有する合成オリゴヌクレオチドをApplied Biosys
tems 381A DNAシンセサイザーにより調製した。これら
のオリゴヌクレオチドを、EcoR I−BamH Iで消化して1
%低融点アガロースでスタンダード法Francis and Clar
ke,Meth.Enzymology 178,659−676,1989)により精製し
たpBc404に連結した。次いでこのDNAをE.coli JM101株
に導入し、小スケールDNA調製品から制限酵素マップを
作成した。合成オリゴヌクレオチド、これらのアニール
化の仕方、及びN末端延長鎖のコード配列は以下に示し
た通りである。
組換えプラスミドを有するバクテリアをL−Amp培地
中で一晩高細胞密度になるまで成育せしめて、次の日に
新鮮なL−ブロース(1:10)で希釈した。IPTG(終濃度
60μg/ml)を添加して発現を誘導し、更に37℃で6−8
時間複製させた。次いでバクテリアを採取し、N末端ペ
プチドエピトープを有するキメラコア粒子を精製し、公
知の方法(Clarke et al,Nature330,381−383,1987;Fra
ncis and Clarke,1989)でその特性を調べた。
例11 HBsAgのHRV2コアへの結合 例10のHRV2コアを等モル量のSMCCを含むDMF溶液で誘
導体化した。SMCCの量はDMF量の1/20であった。酵母中
で発現されたHBsAgを200μg/mlの濃度で、等モル比のDM
F中に溶解したSATAで誘導体化した。SATAの量はDMF量の
1/20であった。ヒドロキシアミンでSATAをデアセチル化
してフリーの−SH基を得た後、等量の2つの誘導体化粒
子(それぞれ200μg/ml)を混合した。
HBsAgが結合したHRV2コアを回収した。
【図面の簡単な説明】
第1図はプラスミドpBc404の構成を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 バーウィン エワート クラーケ イギリス国ビーアール3 3ビーエス ケント,ベッケンハム,ラングリイ コ ート(番地なし)ザ ウエルカム ファ ウンデーション リミテッド 気付 (72)発明者 マイクル ジェームス フランシス イギリス国ビーアール3 3ビーエス ケント,ベッケンハム,ラングリイ コ ート(番地なし)ザ ウエルカム ファ ウンデーション リミテッド 気付 (56)参考文献 特開 昭63−196299(JP,A) 特開 平1−25800(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 19/00 C07K 14/02 A61K 39/29 BIOSIS(DIALOG)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗原性エピトープを有するポリペプチドを
    保持したB型肝炎ウイルスコア抗原(HBcAg)粒子であ
    って、該HBcAg粒子は、Lys残基を有するN末端延長鎖で
    あって最初の14個のN末端側のアミノ酸残基内にLys残
    基を有するN末端延長鎖を備えたHBcAgから構成されて
    おり、該ポリペプチドは該Lys残基の側鎖アミノ基を介
    して該粒子に結合している上記HBcAg粒子。
  2. 【請求項2】該ポリペプチドが、中和抗体を誘導できる
    抗原性エピトープを持つポリペプチドである請求項1の
    粒子。
  3. 【請求項3】該エピトープが、ウイルス、バクテリアま
    たはプロトゾアのエピトープである請求項2の粒子。
  4. 【請求項4】該ポリペプチドが、50個までのアミノ酸残
    基からなる長さのポリペプチドである請求項1から3の
    いずれかの粒子。
  5. 【請求項5】該N末端延長鎖が、60個までのアミノ酸残
    基からなる長さのものである請求項1から4のいずれか
    の粒子。
  6. 【請求項6】該N末端延長鎖が、タイプ1のポリオウイ
    ルスのVP1キャプシド蛋白のアミノ酸残基95−102のアミ
    ノ酸配列、あるいはヒトライノウイルス(HRV)タイプ
    2のVP2キャプシド蛋白のアミノ酸残基156−164のアミ
    ノ酸配列もしくは他のHRVのそれと等価のアミノ酸残基
    からなるアミノ酸配列を含む請求項1から5のいずれか
    の粒子。
  7. 【請求項7】N末端延長鎖を備えたHBcAgがカルボキシ
    メチル化されている請求項1から6のいずれかの粒子。
  8. 【請求項8】抗原性エピトープを有するポリペプチドを
    保持したHBcAg粒子の調製法であって、さらされたLys残
    基を有するN末端延長鎖であって最初の14個のN末端側
    のアミノ酸残基内にさらされたLys残基を有するN末端
    延長鎖を備えたHBcAgから構成されるHBcAg粒子に、該Ly
    s残基の側鎖アミノ基を介して該ポリペプチドを結合さ
    せることを特徴とする上記調製法。
  9. 【請求項9】N末端延長鎖を備えたHBcAgを、該ポリペ
    プチドに結合する前に、カルボキシメチル化する請求項
    8の調製法。
  10. 【請求項10】抗原性エピトープを有するポリペプチド
    を保持したB型肝炎ウイルスコア抗原(HBcAg)粒子で
    あって、該HBcAg粒子は、Lys残基を有するN末端延長鎖
    であって最初の14個のN末端側のアミノ酸残基内にLys
    残基を有するN末端延長鎖を備えたHBcAgから構成され
    ており、該ポリペプチドは該Lys残基の側鎖アミノ基を
    介して該粒子に結合している上記HBcAg粒子を活性成分
    として含有する、ワクチンに用いるための薬学的組成
    物。
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