JP2858369B2 - 自動二輪車のエアークリーナー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動二輪車のエアークリーナーに関す
る。

〔従来の技術〕

自動二輪車は、フレームの前下部にエンジンを搭載
し、少し前傾させたシリンダーの後側に気化器を配置
し、気化器の後側にエアークリーナーを配置している。
そして、エアークリーナーで埃を取除いた吸気に、気化
器で燃料を霧化混入して吸気ガスにし、エンジンの吸気
孔に吸引させるようにしている。このため、エアークリ
ーナーは、フレーム中央上部のシートの下側に位置する
ことになる。フレームの中央には、後ホークのクッショ
ンユニットなどが取付けられ、スペース上の制約があ
り、クリーナーボックスの容積が小さく制約されたり、
クリーナーボックスの一部に凹みを作る必要があるなど
の制約を受ける。尚、エアークリーナーのフィルターを
上下二段に重ねるものとしては、実開昭60−14271号な
どが知られている。

〔発明が解決しようとする課題〕

エアークリーナーのクリーナーボックスの容積が制約
を受けて小さくなったり、クリーナーボックスが変形し
たものになると、内側が挿入するエレメントの大きさが
小さくなり、濾過面積が少なくなって吸気抵抗が増し、
エンジンの吸気効率が低下する不都合がある。

この発明は、かかる点に鑑み、変形したクリーナーボ
ックス内に、外径の大きさに変えた上下二段のフィルタ
ーを挿入し、フィルターの濾過面積を十分にできて、吸
気抵抗が少なく、吸気効率のよい自動二輪車のエアーク
リーナーを得ることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、この発明の自動二輪車の
エアークリーナーは、大径のフィルターの下側に、後側
に寄せて小径のフィルターを連結して連通孔で内側を連
通させ、大径のフィルターの上板に内側に挿入してイン
レットチューブを取付け、クリーナーボックス上面の取
付け孔に大径のフィルターの上板を嵌合せて締着し、ク
リーナーボックスの前上端にアウトレットチューブを連
結し、クリーナーボックスを前下部に凹みを設けるよう
にしたことにある。

〔作 用〕

前下部に凹みを設けた変形したクリーナーボックス内
に、大径のフィターと小径のフィルターを上下に重ねた
ものにして挿入でき、フィルターの濾過面積を十分に確
保できて吸気抵抗が少ない吸気効率のよいエアークリー
ナーにできる。そして、大径のフィルターと小径のフィ
ルターは、上下に重ねて連通孔で内側を連通させてある
ので、長いインレットチューブを挿入できて吸入音を少
なくできる。又、クリーナーボックスの前下部の凹みに
は、後ホークのクッションユニットの上部が位置でき
る。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面によって説明する。第１
図及び第２図は本発明の一実施例を示すものである。

大径のフィルター１は、鋼板の上下の板２の外周に沿
って筒状に配置して接着してある。小径のフィルター３
も同様に上下の板４に接着してある。大径のフィルター
１の下側に、小径のフィルター３を後側に寄せて重ね
る。重ね合せた部分は、大径のフィルター１の下板２と
小径のフィルター３の上板４をスポット溶接などで結合
し、重ね合せた部分内側には、連通孔５を設けて、連通
させる。大径のフィルター１は濾過孔を粗にし、小径の
フィルター３は濾過孔を密にするなど、濾過孔を変えて
もよい。大径のフィルター１の上板２には、インレット
チューブ６の上端を取付ける。インレットチューブ６
は、下端を小径のフィルター３の内側まで挿入し、上下
のフィルター１、３への配分よくするために、下端を斜
めに切断してある。インレットチューブ６は、第３図に
示すように、全体に小径のフィルター３の内側まで全体
を挿入してもよく、第４図に示すように、分配に応じ
て、多数の通孔15を設けるようにしてもよい。クリーナ
ーボックス７は、合成樹脂を用いて型成形して作るもの
で、上面に取り付け孔８を設け、前上端にアウトレット
チューブ９を連結する。又、前下部には凹み10が設けて
ある。取付け孔８には、大径のフィルター１の上板２を
嵌合せ、ビスで締着する。アウトレットチューブ９の先
端は、エンジン11の気化器12に連結し、クリーナーボッ
クス７の前下部の凹み10には、後ホーク13のクッション
ユニット14の上部が位置する。

凹み10を設けて変形させたクリーナーボックス７内
に、大径のフィルター１と小径のフィルター３を重ねた
ものを挿入でき、濾過面積を十分にできて、吸気抵抗の
少ない吸気効率のよいものにできる。又、インレットチ
ューブ６の長さも長くできて、吸気音の少ないものにで
きる。こうして、クリーナーボックス７が制約を受けて
も性能のよいものにできる。又、大径のフィルターと小
径のフィルターは、吸気の通過率を選択することができ
る。

〔発明の効果〕

以上説明したように、この発明は、上述のように構成
したので、大径と小径のフィルターを重ねることによっ
て、変形のクリーナーボックスでも濾過面積を大きくで
きて吸気抵抗が少くて吸気効率のよいものにできる。
又、インレットチューブが長く吸気音の小さいものにで
き、大径と小径のフィルターの利用率を選択できる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の一実施例を示し、 第１図は要部縦断側面図、 第２図は平面図、 第３図及び第４図は各々本発明のインレットチューブ部
分の他の実施例を示す縦断面図、 第５図は本発明のエアークリーナーを取付けた自動二輪
車の全体側面図、 である。 １……大径のフィルター、２……板、３……小径のフィ
ルター、５……連通孔、６……インレットチューブ、７
……クリーナーボックス、８……取付け孔、９……アウ
トレットチューブ、10……凹み。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】大径のフィルターの下側に、後側に寄せて
   小径のフィルターを連結して連通孔で内側を連通させ、
   大径のフィルターの上板に内側に挿入してインレットチ
   ューブを取付け、クリーナーボックス上面の取付け孔に
   大径のフィルターの上板を嵌合せて締着し、クリーナー
   ボックスの前上端にアウトレットチューブを連結し、ク
   リーナーボックスの前下部に凹みを設けるようにしたこ
   とを特徴とする自動二輪車のエアークリーナー。