JP2857887B2 - 除去式アンカー - Google Patents

除去式アンカー

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JP2857887B2
JP2857887B2 JP1137411A JP13741189A JP2857887B2 JP 2857887 B2 JP2857887 B2 JP 2857887B2 JP 1137411 A JP1137411 A JP 1137411A JP 13741189 A JP13741189 A JP 13741189A JP 2857887 B2 JP2857887 B2 JP 2857887B2
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清司 内藤
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は使用後には撤去する除去式アンカーに関する
ものである。
<従来の技術> 建築物の基礎工事の土留等に使用するアンカーには、
他人の土地が隣接する等の理由から、使用後に撤去しな
ければならない除去式アンカーがある。
何故なら、通常、アンカーの引張材にはPC鋼線が使用
されるが、隣接する土地において地下工事をした場合
に、剪断力に強いPC鋼線が地中に残存していては、シー
トパイルの打ち込み等の作業に支障を来すからである。
しかし、地中にモルタル等で固着させたアンカーの定
着長部を除去するのは容易でない。
そこで従来から、PC鋼線の代わりに、剪断力に弱い炭
素繊維をより合わせて製造した線材をアンカーの全長に
用い、使用後は地中に残留させる方法が考えられてい
る。
即ち、炭素繊維より線は剪断力に弱いため、シートパ
イル等で容易に切断できるから、地中に残留させたまま
でも問題はないとするものである。
しかもこの炭素繊維より線は、上記のように剪断力に
は弱いが、引張り強度はスチールとほぼ同じであり、ま
たスチールの約1/5と軽量である等、スチールと比較し
た場合に多くの利点を有している。
<本発明が解決しようとする問題点> 上記の炭素繊維より線は、PC鋼線と比較すると高価で
あり、従来のようにアンカーの全長に使用するのは不経
済である。
また、剪断力に弱いため、アンカーのヘッド部分等の
定着に、くさび等を使用すると、くさびが炭素繊維より
線に食い込んで亀裂が入り、切断されてしまうおそれが
ある。
そのため、特殊な定着具が必要であり、製造コストが
高く不経済である。
<本発明の目的> 本発明は上記のような問題点を解決するためになされ
たもので、除去式アンカーとして使用する場合の炭素繊
維より線の利点を享受でき、しかも低コストで製作する
ことができる除去式アンカーを提供することを目的とす
る。
<本発明の構成> 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について
説明する。
<イ>炭素繊維より線 炭素繊維より線1は、非常に細い炭素繊維を多数より
合わせて製造した公知の線材である。
この炭素繊維より線は、剪断力には弱いが、引張り強
度はスチールとほぼ同じであり、またスチールの約1/5
と軽量である。
さらに、スチールの約4倍の柔軟性があり、耐薬品
性、耐熱性等にも優れている。
<ロ>連結治具 連結治具2は、コンクリート等の耐圧縮性を有する部
材で形成したブロック体である。
この連結治具2は、アンカー孔内に挿入可能な大きさ
に形成する。
また、連結治具2の外表面には、炭素繊維より線1と
PC鋼線3を、Uターンさせて掛止するための掛止溝21を
複数刻設する。
<ハ>定着長部の製造 炭素繊維より線1を、熱処理してUターン状に加工す
る。
加工した炭素繊維より線1のUターン部から両端部ま
での長さは、計算上からくる定着長の長さを確保する。
そして、Uターン部を連結治具2の掛止溝21に掛止す
る。
<ニ>自由長部の製造 自由長部には、アンボンドタイプのPC鋼線3を使用す
る。
このPC鋼線3もUターン状に折り返して、別途の連結
治具2にUターン部を掛止する。
<ホ>定着長部と自由長部との連結 上記のように構成した定着長部と自由長部との2つの
連結治具2を、向かい合わせて位置させる。
次に、連結用炭素繊維より線11を、同じく熱処理して
Uターン状に加工し、PC鋼線3を取り付けた側の連結治
具2にUターン部を掛止し、両端部は定着長部側に位置
させる。
また、連結用PC鋼線31をUターン状に折り返して、炭
素繊維より線1を取り付けた側の連結治具2にUターン
部を掛止し、両端部を自由長部側に位置させる。
これによって、定着長部と自由長部とが連結される。
<ヘ>アンカー孔への定着 上記のように構成したアンカー体を、炭素繊維より線
1の両端部側からアンカー孔内に挿入し、炭素繊維より
線1及び連結用炭素繊維より線11を、所定の定着長部に
位置させる。
そして、定着長部にモルタル等を打設し、モルタルの
養生、硬化後に、PC鋼線3及び連結用PC鋼線31を緊張
し、くさび等の定着具によって、アンカーヘッドを定着
する。
<ト>アンカー体の撤去 本発明は、定着長部の炭素繊維より線1及び連結用炭
素繊維より線11を残留させるものであるから、自由長部
のPC鋼線3及び連結用PC鋼線31のみを撤去すればよい。
そのためには、先ずアンカーヘッドの定着具を取り外
して緊張を開放し、PC鋼線3及び連結用PC鋼線31のそれ
ぞれ一端を引っ張って、アンカー孔から引き抜いて撤去
する。
<本発明の作用> アンカーの緊張時において、炭素繊維より線1及び連
結用炭素繊維より線11は、Uターン部の曲面によって緊
張時の荷重を受けるため、炭素繊維自体が剪断力に弱く
ても、引張材として十分な引張り強度を確保できる。
また、アンカー体の撤去後は、地中には炭素繊維より
線1及び連結用炭素繊維より線11と、2つの連結治具2
が残留する。
しかし、炭素繊維より線1及び連結用炭素繊維より線
11は剪断力に弱いため、また連結治具2はコンクリート
等の破壊可能な部材で形成してあるため、緊張の開放後
は自然物となんら変わるところはない。
そのため、別途の工事においてシートパイル等を打ち
込む作業を行っても、炭素繊維より線1及び連結用炭素
繊維より線11と、連結治具2はシートパイルによって容
易に切断することができるため、工事に支障を来さな
い。
<本発明の効果> 本発明は以上説明したようになるので、次のような効
果を期待することができる。
<イ>炭素繊維より線は、PC鋼線と比較すると高価であ
り、従来のようにアンカーの全長に使用するのは不経済
である。
それに対して本発明は、炭素繊維より線を、アンカー
の定着長部にのみ使用するものである。
そのため、炭素繊維より線の使用量が少なくて済み、
コストを低減することができる。
<ロ>従来のようにアンカーの全長に炭素繊維より線を
使用する場合、炭素繊維より線は剪断力に弱いため、ア
ンカーのヘッド部分等の定着具に、くさび等を使用する
と、亀裂が入り切断されてしまうおそれがある。
そのため、特殊な定着具が必要であり、製造コストが
高く不経済である。
しかし本発明は、アンカーの自由長部には通常のPC鋼
線を使用するものである。
そのため、アンカーヘッドをくさび等によって定着し
ても、PC鋼線は剪断力に強いため、切断されるおそれは
ない。
従って、くさびその他の通常の定着具によって定着す
ることができ、特殊な定着具が不要であり、経済的であ
る。
<ハ>本発明は、アンカーの除去時には、自由長部のみ
を撤去すればよく、定着長部は地中に残して置いてもよ
いため、アンカーの除去作業が容易である。
<ニ>炭素繊維より線及び連結治具は剪断力に弱いた
め、地中に残存させたままでも、シートパイル等の打ち
込みの際に支障になることがない。
<ホ>本発明に使用する炭素繊維より線は、引張り強度
はスチールとほぼ同じであり、またスチールの約1/5と
軽量である等、スチールと比較した場合に多くの利点を
有している。
【図面の簡単な説明】
第1図:本発明の一実施例の説明図 第2図:連結治具の説明図
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E02D 5/80

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】使用後に除去する除去式アンカーにおい
    て、 アンカー孔の定着長部に配置した炭素繊維をより合わせ
    て形成した線材と、 アンカー孔の自由長部に配置したPC鋼線と、 上記線材とPC鋼線とを連結する連結治具とより構成し、 炭素繊維の線材とPC鋼線とを前記連結治具にUターン状
    に掛止させて一体化できると共に、PC鋼線を回収自在と
    することを特徴とする、 除去式アンカー。
JP1137411A 1989-06-01 1989-06-01 除去式アンカー Expired - Fee Related JP2857887B2 (ja)

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JPS62296012A (ja) * 1986-06-17 1987-12-23 Kouzou Koji Kk ア−スアンカ

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