JP2855708B2 - 湿度計測装置 - Google Patents

湿度計測装置

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JP2855708B2 JP27673589A JP27673589A JP2855708B2 JP 2855708 B2 JP2855708 B2 JP 2855708B2 JP 27673589 A JP27673589 A JP 27673589A JP 27673589 A JP27673589 A JP 27673589A JP 2855708 B2 JP2855708 B2 JP 2855708B2
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【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、湿度計測装置、特に湿度検出素子の劣化
量を出力し得る湿度計測装置に関する。
(ロ)従来の技術 一般に湿度計測装置のセンサ(素子)としては、抵抗
型や静電容量型の温度センサが使用され、湿度により変
化する抵抗値や容量値に応じた信号を出力し、この信号
に基づき湿度を計測している。しかし、この種の湿度セ
ンサは、高温、高湿状態で長期間使用されると特性変化
が生じ、測定誤差が大きくなる。そのため、従来は、湿
度発生槽と校正用の湿度計を用いて定期的に校正を行
い、極端に測定誤差の大きいものは素子が劣化したもの
として交換していた。
(ハ)発明が解決しようとする課題 従来の湿度計測装置は、自身に湿度検出素子の劣化を
検出する機能を備えていないので、上記のように湿度発
生槽と校正用の湿度計を用い、定期的に校正を行わねば
ならなかった。そのため、校正用の機器を備えておかね
ばらならず、また定期的に校正を行わねばならぬという
煩雑さがあった。その上、校正から次の校正までの間に
素子の劣化が進むと、その間測定誤差が発生するという
問題があった。
この発明は、上記問題点に着目してなされたものであ
って、検出装置自身に劣化量を出力する機能を持たせ、
特別の機器を用いた校正の不用な湿度計測装置を抵抗す
ることを目的としている。
(ニ)課題を解決するための手段及び作用 この発明の湿度計測装置は、湿度検出素子と、温度検
出素子と、前記湿度検出素子の出力により一定時間間隔
毎に湿度を計測する湿度計測手段と、前記温度検出素子
の出力により温度を計測する温度計測手段と、計測した
湿度が所定値以上か否かを判別する手段と、計測した湿
度が所定値未満の場合には標準ストレス量を読み出し、
計測した湿度が所定値以上の場合には標準ストレス量よ
り大きく、かつその時点で計測された温度に応じたスト
レス量を読み出すストレス量設定手段と、前記ストレス
量を積算する積算手段と、この積算手段の積算値に基づ
いて劣化を判定する手段とを備えている。
この湿度計測装置では、一定時間毎に湿度を計測し、
計測した湿度が所定値以上か否かを判定する。判定の結
果、計測した湿度が所定値未満の場合には、標準ストレ
ス量をストレス量設定手段から読み出し、計測した湿度
が所定値以上の場合には、標準ストレス量より大きく、
かつその時点で計測した湿度に応じたストレス量をスト
レス量設定手段から読み出す。そして、その読み出した
ストレス量を、それまでに積算してきたストレス量に積
算し、その積算値が大きいか否かにより、劣化を判定す
る。
(ホ)実施例 以下、実施例により、この発明をさらに詳細に説明す
る。
第1図は、この発明が実施される湿度計測装置のハー
ド構成を示すブロック図である。この湿度計測装置は、
湿度検出素子1と、この湿度検出素子1の出力信号をデ
ジタル信号に変換するA/D変換器2と、温度検出素子3
と、この温度検出素子3の出力信号をデジタル信号に変
換するA/D変換器4と、A/D変換器2、4からのデジタル
信号を取り込むCPU5と、タイマ6と、メモリ部7と、表
示部8とから構成されている。
湿度検出素子1は、例えば抵抗型湿度センサが使用さ
れる。CPU5は、A/D変換器2を介して取り込まれる湿度
検出素子1の出力し号と、A/D変換器4を介して取り込
まれる温度検出素子3の出力信号とにより、温度補償の
なされた湿度を計測する機能を備えている。
湿度センサでは、結露状態の連続継続時間を結露量と
すると、結露量が一種のストレスとなって劣化の進行が
促進される。また、湿度センサでは、高温、高湿〔約40
℃以上、90%RH(相対湿度)以上〕で劣化の進行が促進
される。そのため、この実施例装置で、結露の発生を判
別し、継続時間を計測し、累積して劣化量として出力す
る機能と、高温、高湿状態を検出し、高温、高湿となる
時間を累積し、その累積値を劣化量として出力する機能
を備えている。これら2つの劣化検知処理の実行はCPU5
で実行され、実行に際し、使用されるデータはメモリ部
7に記憶されている。
この実施例では、結露量劣化検知と高温、高湿劣化検
知の2つの劣化検知処理機能を備えているが、いずれか
一方の処理のみでも十分に湿度センサの劣化検知は可能
である。
CPU5は、結露量劣化検知、高温、高湿劣化検知のいず
れにおいても、累積値が所定値を越えると、センサエラ
ー信号を表示部8に出力して表示する機能を備えてい
る。
結露時間tq〔min(分)〕は、4minを越えて、大きく
なれば、これに応じてストレスも増大するので、第3図
に示すような結露時間tqとストレス量αの関係を示す
テーブルがメモリ部7に記憶されている。このテーブル
において、K1<K2<…<Knであり、αB1<αB2<…αBn
である。
また、高湿状態(例えば90%RH以上)で、高温状態が
続くほど、ストレスも増大するので、第4図に示すよう
な素子温度情報TX(℃)とストレス量αの関係を示す
テーブルがメモリ部7に記憶されている。このテーブル
において温度T1<T2<…<T(n−1)<Tnであり、応
じてストレス量αもαA1<αA2<…<αAnである。
次に第2図(a)、第2図(b)に示すフロー図を参
照して、上記実施例湿度計測装置の劣化検知処理動作に
ついて説明する。
<高温・高湿劣化検知> 劣化検知処理実行周期は、tP=1minであり、1min毎に
ステップST(以下STと略す)1つの“処理タイミング
か”の判定がYESとなり、次に計測した湿度HXが95%RH
以上か判定する(ST2)。湿度HXが95%RH以上でない場
合に判定NOとなりST3に移る。湿度HXが95%RH以上であ
れば、ST2の判定YESでST13に移る。ST13以降は、結露量
劣化検知処理であり、これについては後述する。
ST3で、フラグFP=0か、つまり結露量劣化検知処理
終了か、の判定がなされ、頭初Fp=0であるから判定NO
となり、ST4に移り、ここから高温、高湿劣化検知処理
に入る。先ずST4で計測した湿度HXが90%RH以上である
か否か判定する。湿度HXが90%RH以上でない場合、ここ
では高湿でないとし、標準寿命ストレス設定を行う。す
なわち値αをαとして記憶する(ST5)。次に、こ
のαとして記憶されたものを、今回のtP間におけるス
トレス量αとして記憶する(ST7)。また、メモリ部
7に記憶されるストレス積算値DMを読出し、前回までの
ストレス積算値ΣS(n−1)とする(ST8)。次に、
前回までのストレス積算値ΣS(n−1)に今回のスト
レス量αを加算し、今回までのストレス積算値ΣS
(n)を算出する(ST9)。そして、このストレス積算
値ΣS(n)をデータDMとしてメモリ部7に記憶する一
方(ST10)、この今回までのストレス積算値ΣS(n)
の劣化判定基準量ΣSMAXと比較し、ΣSMAX≦ΣS(n)
か否か判定する(ST11)。ΣS(n)がΣSMAXに達して
いない場合、ST11の判定NOで今回の処理を終了する。そ
して、さらに次の1minが到来すると、またST1以降の処
理を実行する。今、α=1とし、ΣSMAX=35040Hrに
設定していると、湿度Hxが90%RH未満の状態で、連続し
て4年間、湿度計測を続けると、計測を開始してから、
4年の経過でΣS(n)が35040Hrとなり、ST11の判定
がYESとなり、センサエラー処理が実行され、表示部8
のLEDが点灯される。これにより、湿度検出素子が劣化
したことを報知する(ST12)。
湿度Hxが90%RH未満で計測を継続して4年で湿度検出
素子の劣化を判定するものであるから、湿度Hxが90%RH
以上で計測を継続して行われると、もっとも早い時期に
劣化が判定される。すなわちST4で“Hx≧90%RHか”の
判定がYESの場合、高湿であり、この場合は、計測され
た温度Txより、ストレス量αを算出する。例えば温度
TxがT2<Tx<T3であるとすると、第4図のテーブルを参
照してメモリ部7よりストレス量αA3が読み出され、こ
のストレス量αA3が今回のストレス量αとして記憶さ
れ(ST7)、それまでのストレス量積算値ΣS(n−
1)に、今回のストレス量α(αA3)を加算して、今
回までのストレス積算値ΣS(n)を算出する(ST8、S
T9)。ストレス量αA3は標準ストレス量αより、何倍
か大きく設定してあり、したがってtp間にαずつ累積
してゆくと、ΣSMAXに達するが、4年よりもはるかに早
く達することになり、センサエラーの表示が早くなされ
ることになる。計測温度TxがT4<Tx<T5であると累積さ
れるストレス量はαA5であり、、αA3<αA5であるか
ら、累積値ΣS(n)がΣSMAXに達するのが、さらに早
くなる。このように、この実施例では、高湿状態で、よ
り高温な状態が継続する程、大きな劣化量が出力され、
湿度検出素子が劣化したと判定する時期が早くなるよう
にしている。
<結露量劣化検知> 計測湿度Hxが95%RH以上であると、ここでは結露状態
であると判定している。結露状態と判定するのは、計測
湿度Hxが95%〜100%RHの適宜の値に設定してよいが95
%としているのは、周囲温度25%における測定精度が±
5%RHであり、さらに5%RHの差を温度換算比較すると
約0.5℃の変動分に相当し、この値は制御環境の安定性
を考慮すると十分小さいと判断できるからである。
ST2で“Hx≧95%RHか”の判定がYESとなると、結露状
態になったことを意味し、ST13に移り、フラグFp=1
か、つまり結露量劣化検知処理中か否か判定する。結露
状態に達した頭初は、この判定がNOであり、ここで結露
保持時間tqをリセットし(ST14)、フラグFpを“1"と
し、結露量劣化をスタートする(ST15)。そして、それ
までの結露保持時間tq(n-1)にtpを加算して、今回まで
の結露保持時間tq(n)を算出する(ST16)。次に、結露
保持時間tq(n)が4min以上であるか判定し(ST17)、t
q(n)≧4minでない場合は、判定NOで結露によるストレス
を考慮せず、ST4に移る。ST17でtq(n)≧4minであると、
表示部8の結露アラーム表示用のLEDのセグメントを点
灯し、湿度検出素子が結露状態にあることを報知して
(ST18)、ST4に移る。計測湿度Hxが95%RH以上の間
は、結露状態が続いているものとして、ST2、ST13、
…、ST18、…の処理を繰り返し、結露保持時間tq(n)
測定を継続する。この間は、結露量劣化によるストレス
量の積算処理は行わない。
やがて、計測湿度Hxが95%RHより小さくなると、つま
り結露状態が途切れると、ST2の判定NOとなり、ST3に移
る。ST3で、フラグFpがそれまで“1"であるから、“結
露量劣化検知処理終了か”の判定がYESとなり、ここ
で、フラグFpを“0"とし(ST19)、結露保持時間t
q(n-1)>4minか否かを判定し(ST20)、tq(n-1)が4min
以下の場合は、この結露状態は無視し、ST4に飛ぶ。
ST20で結露量保持時間tq(n-1)が4minを越えている
と、結露量によるストレス有として、第3図に示したメ
モリ部7のストレス量選択テーブルを参照して結露量保
持時間tqに対応するストレス量αを読出し(ST21)、
このストレス量αを加算用のストレス量αとして記
憶する。第3図に示すストレス量αB1、αB2、…、αBn
は、Hr(時間)オーダの大きな値である。例えば結露保
持時間tqがK4以上K5未満であると、ストレスαB4がα
として記憶される(ST22)。そして、ST8に移り、それ
までのストレス量の累積値DMをメモリ部7から読み出し
て、それまでの累積ストレス量ΣS(n−1)として記
憶し、このストレス量ΣS(n−1)に、ストレス量α
(αB4)を加算し、今回の累積ストレスΣS(n)を
算出し(ST9)、このΣS(n)をメモリ部7にDMとし
て記憶する(ST10)一方、劣化判定基準量ΣSMAXとスト
レス積算値ΣS(n)を比較し、ΣSMAX<ΣS(n)で
ない場合は、tP経過後の次の処理タイミングが到来する
まで待機するが、ΣSMAX<ΣS(n)の場合は、表示部
8のセンサエラーLEDを点灯し、湿度検出素子が劣化し
たとみなすべき時機にきていることを報知する。
結露時間tqがK1、K2、K3、…と大きいほど、ストレス
量も極端に増大するので劣化量の累積が大幅に促進さ
れ、4年の標準寿命に対し、はるかに早い時期に寿命が
到来し、かつこれを的確に報知できる。
なお、上記実施例において、高湿状態における計測温
度に対応するストレス量を求めるには、温度とストレス
量の関係をテーブル化してメモリに記憶しているが、こ
れに代え、温度とストレスの関係を示す近似式を記憶し
ておき、計測温度をこの近似式に適用し、ストレス量を
算出してもよい。
また、上記実施例において、計測湿度が90%RH以上で
高湿とし、高湿状態において温度に応じ、累積するスト
レス量を変えているが、湿度も何段階かに分け、湿度と
温度の組合せに応じ、ストレス量を変更するようにして
もよい。
また、上記実施例では、高温、高湿の場合にストレス
量を重みづけして加算するようにしているが、温度が高
い場合に、あるいは湿度が高い場合に、ストレス量をそ
れぞれ重みづけ加算するようにしてもよい。
(ヘ)発明の効果 この発明によれば、湿度検出素子と、温度検出素子
と、前記湿度検出素子の出力により一定時間間隔毎に湿
度を計測する湿度計測手段と、前記温度検出素子の出力
により温度を計測する温度計測手段と、計測した湿度が
所定値以上か否かを判別する手段と、計測した湿度が所
定値未満の場合には標準ストレス量を読み出し、計測し
た湿度が所定値以上の場合には標準ストレス量より大き
く、かつその時点で計測された温度に応じたストレス量
を読み出すストレス量設定手段と、前記ストレス量を積
算する積算手段と、この積算手段の積算値に基づいて劣
化を判定する手段とを備えるものであるから、劣化を量
的に把握でき、特別の計器を使用しなくても、自身で湿
度検出素子の劣化を報知することができ、許容の範囲で
早めに湿度検出素子が交換可能となり、常に小さい測定
誤差で湿度計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明が実施される湿度計測装置のハード
構成を示すブロック図、第2図(a)、第2図(b)
は、同湿度計測装置の劣化検知処理動作を説明するため
のフロー図、第3図は、同湿度計測装置のメモリ部に記
憶される結露時間とストレス量との対応を示すテーブル
図、第4図は、同湿度計測装置のメモリ部に記憶される
素子温度情報とストレス量との対応を示すテーブル図で
ある。 1:湿度検出素子、3:温度検出素子、 5:CPU、6:タイマ、 7:メモリ部、8:表示部。
フロントページの続き (72)発明者 四方 敏雄 京都府京都市右京区花園土堂町10番地 立石電機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−235744(JP,A) 特開 昭55−136905(JP,A) 実開 昭56−137064(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 27/00 - 27/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿度検出素子と、温度検出素子と、前記湿
    度検出素子の出力により一定時間間隔毎に湿度を計測す
    る湿度計測手段と、前記温度検出素子の出力により温度
    を計測する温度計測手段と、計測した湿度が所定値以上
    か否かを判別する手段と、計測した湿度が所定値未満の
    場合には標準ストレス量を読み出し、計測した湿度が所
    定値以上の場合には標準ストレス量より大きく、かつそ
    の時点で計測された温度に応じたストレス量を読み出す
    ストレス量設定手段と、前記ストレス量を積算する積算
    手段と、この積算手段の積算値に基づいて劣化を判定す
    る手段とを備えたことを特徴とする湿度計測装置。
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