JP2854737B2 - 電極構造及びその製造方法 - Google Patents

電極構造及びその製造方法

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JP2854737B2 JP3248723A JP24872391A JP2854737B2 JP 2854737 B2 JP2854737 B2 JP 2854737B2 JP 3248723 A JP3248723 A JP 3248723A JP 24872391 A JP24872391 A JP 24872391A JP 2854737 B2 JP2854737 B2 JP 2854737B2
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康一 田中
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界を印加することに
よりエレクトロルミネッセンス(EL)を呈する薄膜E
L素子や液晶表示装置等の表示装置における電極構造及
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】硫化亜鉛(ZnS)に電界を印加するこ
とにより、エレクトロルミネッセンス(Electro Lumine
scence)が得られることが発見されて以来、数多くの研
究が行われている。特に、ZnSに発光センターとして
Mnを加えたZnS:Mn発光層を、絶縁層でサンドイ
ッチし、絶縁層の両側に電極を設けている二重絶縁構造
薄膜EL素子が、高輝度・長寿命の特長を持ち、商品化
されている。薄膜EL素子は、ワークステーションのデ
ィスプレイや計測器のディスプレイなどに使用され、6
40×400ドットマトリックス(15cm×22cm)の
薄膜EL素子が、現在商品化されているが、大面積化や
高精細度化が要望されている。
【0003】図4は、従来より用いられている薄膜EL
素子の断面図である。ガラス基板1の上に透明電極7が
フォトリソグラフィ法を用いてストライプ状に形成さ
れ、透明電極7の上に第1絶縁層3が積層されている。
第1絶縁層3の上に発光層4が形成され、発光層4の上
に第2絶縁層5が積層されている。さらに、第2絶縁層
5の上に、背面電極6が形成されて、図4に示す薄膜E
L素子が作製されている。
【0004】第1絶縁層3以後に形成される各層は、互
いに一定間隔で平行に配列されたストライプ状の透明電
極7の上に積層されるため、透明電極7の膜厚に相当す
る段差(凹凸)の影響を受ける。この様な凹凸のある段
差部側面に積層される膜の厚さが、平坦部の膜厚より減
少することは知られており、図4に示す平坦部に垂直な
方向の距離AB(第1絶縁層3と発光層4と第2絶縁層
5を合わせた厚さ)と段差部側面での電極間距離A'B'
(第1絶縁層3と発光層4と第2絶縁層5を合わせた厚
さ)との間には、AB>A'B'の関係が成立する。
【0005】従って、薄膜EL素子の透明電極7と背面
電極6の間に信号電圧を印加した場合、距離A'B'間の
電圧が距離AB間に比べて高電圧になる。しかし、現在
商品化されている薄膜EL素子の透明電極の膜厚0.1
5μm程度では、各層の膜厚構成を最適化することによ
り、距離A'B'間で絶縁破壊が生じない様に工夫、制御
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】薄膜EL素子では、図
5に示すように、パルス信号を伝える信号線は、透明電
極の片端でのみ接続されている。信号線の接続端と同一
の透明電極上の未接続端の間の全絵素に対して、同時に
交流のパルス信号が印加される。信号線の接続端および
接続端近傍の絵素に対し、パルス信号は正確に伝わる
が、透明電極の配線内部抵抗が、後述するように非常に
大きいため、未接続端及び未接続端近傍の絵素に対して
は、電圧降下やパルス波形になまりの生じたパルス信号
が伝わる。従って、信号線の接続端から遠くの絵素にな
る程、発光輝度が低下する。
【0007】透明電極の配線内部抵抗について、説明す
る。電極材料の比抵抗をρΩ・cm、断面積(膜厚×電極
幅)をScm2、電極長をLcmとすると、配線内部抵抗値
Rは、(式1)で求まる。
【0008】R=(ρ・L)/S ‥‥‥‥‥(式1) 薄膜EL素子の透明電極には、主にITO(Indium-Tin
-Oxide)が用いられており、比抵抗値は約2×10-4Ω
・cmである。薄膜状で細長いストライプ状の透明電極を
形成した場合、電極配線の内部抵抗は、数kΩから二十
数kΩ程度になる。例えば、従来の例として膜厚0.1
5μm、電極幅250μm、電極長10cmのITO電極の
抵抗値は、(式1)より、 R=[10×(2×10-4)]÷[(0.15×10-4)×(250×10-4)] ≒5.3×103Ω となり、電極配線内部抵抗は、5.3kΩとなる。
【0009】薄膜EL素子に対する要求は、大面積化お
よび高精細化であり、必然的に透明電極長は長くなり、
電極幅は狭くなる。例えば、大面積化として膜厚0.1
5μm、電極幅250μm、電極長を20cmとすると、
(式1)より透明電極の配線内部抵抗は10.7kΩに
なる。更に、高精細化して、透明電極幅を1/2の12
5μmに変更すると、透明電極の配線内部抵抗は、21.
3kΩにもなる。
【0010】透明電極の配線内部抵抗が発光輝度LR
与える影響を調べるため、薄膜EL素子に、可変抵抗R
vを直列に接続して、発光輝度との関係を測定した。直
列に接続した可変抵抗が0、5、10、15、20kΩ
のときの発光輝度LRを、図6に示す。薄膜EL素子に
は、同じパルス信号電圧が印加されているが、直列可変
抵抗の値が増加する程、すなわち信号線の接続端より遠
くにある絵素程、発光輝度LRが減少していることが、
図6に示されている。
【0011】人間の目で発光状態を見ると、各絵素の発
光輝度LRが15ft−L以上になると、薄膜EL素子
の画面全体が均一に発光しているように見え、発光輝度
の異なる絵素間の識別は実際上困難になる。しかし、1
5ft−L以下の発光輝度では、顕著な明暗となって確
認され、図6より、約10kΩ以上の抵抗値の抵抗体を
接続した場合、明らかに輝度の違いが、人間の目で確認
できた。
【0012】先に説明したように、薄膜EL素子に対す
る要求は、大面積化および高精細度化であるから、透明
電極長は長くなり、電極幅は狭くなる。すなわち、(式
1)から導かれるように、透明電極の配線内部抵抗は増
大し、結果として図6に示すように、薄膜EL素子の発
光輝度低下が発生する。従って、透明電極の配線内部抵
抗を減少させる必要があり、対策として、(式1)よ
り、透明電極の膜厚を厚くすることが考えられ、以下の
実験を行った。
【0013】なお、前記従来例と同一構成成分には、同
一符号を付して説明を簡略化する。図7は、図4に示す
従来の薄膜EL素子に対し、透明電極の膜厚のみを2倍
にした薄膜EL素子の断面図である。透明電極の積層時
間以外は図4に示す薄膜EL素子と同一条件で作製し
た。
【0014】図7に示す薄膜EL素子に信号電圧を印加
したところ、透明電極のラインに沿って、絶縁破壊が発
生し、マトリックス状に形成した背面電極が断線する場
合も生じた。これは、図7に示す透明電極の膜厚が増え
たために、透明電極側面の垂直段差が大きくなり、電極
面上の電極間距離CD(第1絶縁層3と発光層4と第2
絶縁層5を合わせた厚さ)に比べて、電極側面での距離
C'D'が狭くなり、透明電極側面に電界が集中して、絶
縁破壊が生じたと考えられる。
【0015】この絶縁破壊を防ぐ方法として、図8に示
すように、第1絶縁層3の膜厚をより厚くして、電極間
距離EF(第1絶縁層3と発光層4と第2絶縁層5を合
わせた厚さ)を長くすることが考えられるが、この方法
では、発光面の絶縁層である第1絶縁層の膜厚が増える
ため、発光開始電圧が従来より高電圧になるという弊害
が発生する。
【0016】以上の実験により、透明電極の膜厚を単に
2倍にして、配線内部抵抗を1/2に下げるだけでは、
信頼性のある薄膜EL素子を作製することが困難である
ことを、本発明者は確認した。
【0017】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたもので、電極の膜厚の増大に関連した新しい電極構
及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の電極構造は、
板上に形成される電極の側面が2段以上の階段状の構造
を有する電極構造であって、該電極が一種類の電極材料
により構成されていることを特徴としている。また、本
発明の電極構造は、基板上に形成される電極の側面が2
段以上の階段状の構造を有する電極構造であって、該電
極は2層以上の電極材料が積層されてなり、該積層され
る上層の電極は下層の電極よりも幅広く、かつ該下層の
電極を覆って構成されているとともに、該各層の電極は
同一の材料により構成されていることを特徴としてい
る。このとき、前記電極側面の各垂直段差が1500〜
2000Åの範囲内であることが好ましい。
【0019】本発明の電極の製造方法は、側面が2段以
上の階段状の構造を有する電極の製造方法であって、基
板上に一種類の電極材料を積層する工程と、前記一種類
の電極材料をエッチングして電極を形成する工程と、前
記基板上に形成した電極の側面の厚み方向の一部分を再
度エッチング除去して、側面に段差を有する電極を形成
する工程と、を含むことを特徴としている。また、本発
明の電極の製造方法は、側面が2段以上の階段状の構造
を有する電極の製造方法であって、基板上に一種類の電
極材料を積層する工程と、前記電極材料をエッチングし
て下層の電極を形成する工程と、前記下層の電極を形成
した基板上に、再度該下層の電極材料と同一の電極材料
を積層する工程と、前記下層の電極上に積層した電極材
料を、該下層の電極よりも幅広で、かつ該下層の電極を
覆うようにエッチングして、側面に段差を有する電極を
形成する工程と、を含むことを特徴としている。
【0020】図3は、本発明の電極の側面の階段形状を
示す断面図である。各垂直段差値bは、図4に示す従来
例の透明電極7の膜厚1500Å〜2000Å程度を用
いる。各垂直段差値bが大きすぎると、先に述べた様に
第1絶縁層で充分に電極を覆うことが出来なくなり、電
極の側面に絶縁破壊が生じる。逆に、各垂直段差値bが
小さい場合、絶縁破壊の問題は生じないが、所定の抵抗
値を得るためには、電極の側面での階段数が多くなり、
製造工程数が増加し、コスト高につながる。
【0021】各水平段差値aは、各垂直段差値bより大
きいことが必要であるが、各水平段差値aが大きすぎる
、電極の断面積増大に伴う、配線内部抵抗値の低減効
果が小さくなる。
【0022】逆に、各水平段差値aが小さすぎると、第
1絶縁層で充分に電極を覆うことが出来なくなり、絶縁
破壊が発生する。
【0023】従って、a値は、電極幅の5%以下に設定
することが望ましく、更には2〜20μm程度が望まし
い。
【0024】ここで、側面が階段状の構造の電極を形成
する方法として、2方法を以下に説明する。
【0025】(形成方法1)電極用材料を充分に厚く基
板上に全面に一様堆積した後、フォトリソグラフィ法を
用いて、基本となるストライプ状の電極を形成する。更
にフォトリソグラフィ法を繰り返して、電極の周囲の厚
み方向の一部分のみをエッチングする。電極の周囲の厚
み方向の一部分のエッチングを、徐々に内側に向けて繰
り返すことにより、側面が階段状の電極を作製する。
【0026】(形成方法2)電極用材料を基板上に全面
に一様堆積した後、フォトリソグラフィ法を用いて電
を形成する。形成した電極の上に電極用材料を更に積層
し、下層の電極を充分に覆うように、フォトリソグラフ
ィ法を用いて積層した上層の電極層をエッチングし、新
い電極を形成する。目的とする抵抗値になるまで、電
極用材料の積層及びエッチングを繰り返す。積層した電
極層が下層の電極を充分に覆うように、積層した上層
極層をエッチングすることで、側面が階段状の電極を
作製する。
【0027】
【作用】本願発明によれば、電極の側面が階段状の構造
を有しているため、一種類の材料からなる電極の膜厚を
十分に厚くすることが可能となり、表示素子作製プロセ
スの中で電極を形成する工程以外を変えること無く、
種類の材料からなる電極の配線内部抵抗値を低下させる
ことが可能となる。従って、表示素子の輝度低下やばら
つきを生じることが無くなり、表示素子の大面積化や高
精細度化が容易に達成できる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例に基づいて、
詳細に説明する。
【0029】〔実施例1〕図1は、本発明の透明電極の
一実施例を示す断面図である。薄膜EL素子は、図1に
示すように、ガラス基板1上に透明電極2、第1絶縁層
3、発光層4、第2絶縁層5、および背面電極6が積層
された構造を持ち、透明電極2と背面電極6はそれぞれ
ストライプ状に加工され、直交する方向に互いに一定間
隔で平行に配列されたX−Yマトリックスを構成する。
通常、背面電極に使用される材料、例えばAlの比抵抗
(2.74μΩ・cm)に比べて、透明電極に使用される
材料、ITOの比抵抗(200μΩ・cm)は、非常に大
きいので、短い電極の側に透明電極を形成する。
【0030】20cm×30cmのガラス基板1上に、電子
ビーム蒸着法により厚さ3000ÅのITO膜を積層す
る。電極幅270μm、基板の短い方向に電極長20cm
のストライプ状のITO電極をフォトリソグラフィ法を
用いて形成する。
【0031】次に、再度、フォトリソグラフィ法を用い
て、先に形成したITO電極の周囲の一部分(幅10μ
m、上面から厚さ1500Åの部分)をエッチング除去
し、厚さ3000Åで幅250μmの領域2aと厚さ1
500Åで幅10μmの周囲領域2bをもった、側面が
階段状の透明電極2を形成する。
【0032】厚さ3000ÅのITO透明電極2の抵抗
値は5.13kΩとなり、従来の膜厚1500Åで電極
幅270μm、電極長20cmのITO透明電極の抵抗値
9.88kΩの約半分の値に低減されている。
【0033】本発明の透明電極2の上に、反応性スパッ
タ法を用いて、SiO2とSi34を積層して、厚さ2
000〜3000Åの第1絶縁層3を形成する。
【0034】ZnSに適量(0.1〜0.5wt%)のM
nを混合し、ペレット状に成型した後、焼成を行い、タ
ーゲットを作製する。このターゲットを蒸発源とした電
子ビーム蒸着法を用いて、第1絶縁層3の上に厚さ60
00〜8000Åの発光層4を積層する。発光層4を積
層した後、真空中で500〜650℃に加熱して、1時
間の熱処理を行い、発光層の結晶性改善を図る。
【0035】次に、発光層4の上に、反応性スパッタ法
を用いて、Si34とAl23を積層して、厚さ150
0〜2500Åの第2絶縁層5を形成する。さらに、第
2絶縁層5の上に厚さ3000〜5000Åのアルミニ
ウムを蒸着し、電極幅270μm、電極長30cmのスト
ライプ状にエッチングして、ITOの透明電極2と直交
する方向に、背面電極6を形成する。
【0036】ITOの透明電極2と背面電極6の間に交
流パルス信号電圧を印加したところ、薄膜EL素子全面
にわたって、均一な発光が得られた。また、透明電極2
の膜を厚くしたにもかかわらず、図7に示す従来の透明
電極7の場合、ラインに沿って絶縁破壊が発生したが、
本発明の透明電極2を用いた場合、絶縁破壊は発生しな
かった。これは、図1に示す透明電極2の側面が階段構
造となっているだけでなく、透明電極2の側面の垂直段
差が、従来の透明電極の膜厚1500〜2000Åと等
しいので、図4に示す従来の薄膜EL素子と同等の信頼
性を得ることができると考えられる。
【0037】本実施例1では、電極の周囲の厚み方向の
一部分をエッチングして、側面が階段状の透明電極2を
形成する方法について説明したが、2層のITO層によ
り、側面が階段状の透明電極2を形成しても良い。例え
ば、最初に厚さ1500ÅのITO層をガラス基板1の
上に積層した後、幅250μm、長さ20cmのストライ
プ状ITO電極を形成する。ITO電極の上に、厚さ1
500ÅのITO膜を再度積層し、下層のITO電極の
周囲を10μmの幅で上層のITO層により覆うよう
に、上層のITO層をエッチングし、幅270μm、長
さ20cmの側面が階段状の透明電極2を形成する。
【0038】また、薄膜EL素子の大面積化がより進ん
で、透明電極長を20cmから倍の40cmにした場合で
も、本発明による側面が階段状の構造で膜厚を6000
Å程度に厚くした透明電極を用いることで、透明電極の
配線内部抵抗を5kΩ程度にすることができる。従っ
て、薄膜EL素子を全面発光させた時に輝度低下、バラ
ツキを生じることが無く、薄膜EL素子の大面積化が本
発明の透明電極により可能となる。
【0039】〔実施例2〕実施例1では、電極ピッチ3
40μm(電極幅270μm、電極間距離70μm)、す
なわち3本/mmの透明電極数で、大面積化が可能である
ことを説明した。実施例2では、電極ピッチ170μm
(電極幅130μm、電極間距離40μm)、すなわち
透明電極数を6本/mmにして、薄膜EL素子の高精細度
化が可能であることを説明する。
【0040】15cm×22cmのガラス基板上に、厚さ1
500ÅのITO膜を積層し、電極数を6本/mmとする
ため、電極長15cm、電極幅130μm、電極間距離4
0μmのストライプ状電極をフォトリソグラフィ法を用
いて形成すると、透明電極7の配線内部抵抗は約15.
4kΩとなり、パルス信号の未接続端近傍の絵素では、
発光輝度の低下領域が生じる。
【0041】図2は、高精細度化を行った薄膜EL素子
の構造を示す断面図であり、透明電極2は、3層のIT
O電極層で構成されている。
【0042】15cm×22cmのガラス基板1の上に、厚
さが1500ÅのITO膜を積層した後、フォトリソグ
ラフィ法を用いてエッチングし、幅110μm、長さ1
5cmのストライプ状電極を形成する。次に厚さ1500
ÅのITO膜を再度積層し、下層のITO電極の周囲を
5μmの幅で覆うように、上層のITO層をエッチング
して、幅120μm、長さ15cmで側面が階段状のI
TO電極を形成する。さらに、厚さ1500ÅのITO
膜を積層し、下層のITO電極の周囲を5μmの幅で覆
うように、上層のITO層をエッチングして、幅130
μm、長さ15cmで側面が階段状の透明電極2を形成
する。
【0043】この結果、幅110μmで膜厚4500Å
の領域2cと両側に幅5μmで膜厚3000Åの階段状
の領域2d、さらに幅5μmで膜厚1500Åの階段状
の領域2eを含む透明電極が形成される。側面の階段が
3段である本発明のITO電極について電気抵抗を求め
ると、5.6kΩであった。
【0044】本発明の透明電極2上に、Al23膜とT
25膜をそれぞれ積層し、膜厚2500Åの第1絶縁
層3を形成する。Al23膜及びTa25膜は、それぞ
れAl(O−iC373及びTa(OC255のアル
コキシドを原料として用い、熱分解CVD法を用いて形
成する。なお、成膜後、400〜600℃のオゾン雰囲
気中(O3/O2≒1〜10%、0.1〜760torr)
で、1時間の熱処理を行い、酸化膜の膜質改善を図る。
【0045】母体原料のZnSをH2ガスにより、また
発光センター原料のMnをHClガスにより第1絶縁層
3の上にそれぞれ輸送し、CVD法を用いて、ZnS:
Mnによる膜厚6000〜8000Åの発光層4を形成
する。ZnS原料は、固体のZnSを約900〜100
0℃に加熱し、蒸気となったものをH2キャリアガスを
用いることにより供給する。発光センター原料Mnは、
約800〜900℃に加熱した固体Mn上に、HClガ
スを接触させることにより、MnCl2(g)を生成
し、反応管へ供給する。
【0046】第1絶縁層3と同様な方法により、Al2
3膜とTa25膜の積層して、厚さ1500Åの第2
絶縁層5を発光層4の上に形成する。さらに、アルミニ
ウムを第2絶縁層5の上に蒸着し、フォトリソグラフィ
法を用いて、電極幅130μm、電極長22cmのストラ
イプ状にエッチングして、ITOの透明電極2と直交す
る方向に背面電極6を形成する。
【0047】積層構造のITOの透明電極を用いている
ため、電極幅130μm(6本/mm)、電極長15cmで
あるにもかかわらず、透明電極の配線内部抵抗5.6k
Ωが得られ、均一な全面発光が得られると同時に、透明
電極2の断差部における絶縁破壊の発生もなく、高精細
度化に対する本発明の効果が実証された。
【0048】なお、実施例1、実施例2では、電極材料
として、ITOを用いて説明したが、他の電極材料、例
えば、SnO2、In23、ZnO、CdO、Cd2Sn
4なども利用出来る。
【0049】また、実施例1、実施例2では、薄膜EL
素子への利用について説明したが、本発明は、薄膜EL
素子に限るものでは無く、液晶表示装置にも応用でき
る。
【0050】
【発明の効果】本発明の電極を用いることにより、従来
表示素子の信頼性を維持したまま電極の抵抗値を下げ
ることができ、表示素子の大面積化及び高精細度化に対
応することが可能であり、表示素子の高性能化に貢献で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明電極の一実施例を示す薄膜EL素
子の断面図である。
【図2】本発明の透明電極の側面の階段数を変えた一実
施例を示す薄膜EL素子の断面図である。
【図3】本発明の透明電極の形状を示す断面図である。
【図4】従来の方法により作製した薄膜EL素子の断面
図である。
【図5】薄膜EL素子のマトリックス配線の構成図であ
る。
【図6】透明電極の配線内部抵抗値と発光輝度の関係を
示す特性図である。
【図7】本発明を説明するため、従来の方法を用いて作
製した薄膜EL素子の断面図である。
【図8】本発明を説明するため、従来の方法を用いて、
第1絶縁層を従来より厚くして作製した薄膜EL素子の
断面図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 本発明の透明電極 3 第1絶縁層 4 発光層 5 第2絶縁層 6 背面電極 7 従来の透明電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−224192(JP,A) 特開 昭62−291896(JP,A) 特開 平4−213427(JP,A) 特開 平1−231024(JP,A) 特開 平4−276723(JP,A) 実開 昭60−159417(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H05B 33/28

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成される電極の側面が2段以
    上の階段状の構造を有する電極構造であって、該電極が
    一種類の電極材料により構成されていることを特徴とす
    る電極構造。
  2. 【請求項2】 基板上に形成される電極の側面が2段以
    上の階段状の構造を有する電極構造であって、該電極は
    2層以上の電極材料が積層されてなり、該積層される上
    層の電極は下層の電極よりも幅広く、かつ該下層の電極
    を覆って構成されているとともに、該各層の電極は同一
    の材料により構成されていることを特徴とする電極構
    造。
  3. 【請求項3】 前記電極側面の各垂直段差が1500〜
    2000Åの範囲内であることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の電極構造。
  4. 【請求項4】 側面が2段以上の階段状の構造を有する
    電極の製造方法であって、 基板上に一種類の電極材料を積層する工程と、 前記一種類の電極材料をエッチングして電極を形成する
    工程と、 前記基板上に形成した電極の側面の厚み方向の一部分を
    再度エッチング除去して、側面に段差を有する電極を形
    成する工程と、 を含むことを特徴とする電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 側面が2段以上の階段状の構造を有する
    電極の製造方法であって、 基板上に一種類の電極材料を積層する工程と、 前記電極材料をエッチングして下層の電極を形成する工
    程と、 前記下層の電極を形成した基板上に、再度該下層の電極
    材料と同一の電極材料を積層する工程と、 前記下層の電極上に積層した電極材料を、該下層の電極
    よりも幅広で、かつ該下層の電極を覆うようにエッチン
    グして、側面に段差を有する電極を形成する工程と、 を含むことを特徴とする電極の製造方法。
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