JP2853525B2 - 芝生折り畳み回収装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、マット状に育成した芝
生を取り込み回収すると共に、保管・移送するための装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】本出願人は、網状の敷物の上に土を入れ
て芝生種を蒔き芝生をマット状に育成したものを巻き取
る装置を既に考えている。又、この巻き取りをモータで
行なう装置も考えている。このようにマット状の芝生を
そのままの形で回収し、搬送し、敷き詰めることによ
り、大量の芝生を一度に扱え、隙間のない見栄えの良い
天然芝生を移植することができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マット
状の芝生を巻き取る装置は、芝生を巻き取るに従って芝
生の重量が大きくなるにもかかわらず巻き取る速度が早
くなり、モータに大きな無理な力が加わる。又、巻き取
った芝生を送り出し敷き詰める際には、送り出しが進む
に従い、送り出す速度が小さくなる。このように、力や
速度が変動してしまうため、作業がやりずらくなる可能
性があった。

【０００４】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたもので、芝生を取込む速度に変動のない芝生折
り畳み回収装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するためになされたもので、車体に設けられたフレ
ームと、該フレームの上部に配置され、上記車体の進行
方向前方からマット状の芝生を巻き上げて取り込むと共
に取り込んだ該芝生を下方へ送り出す取り込みローラ
と、送り出される上記芝生を振り動かすために上記フレ
ームに設けたレール上で上記取り込みローラをその送り
出し動作と同時に往復動させる往復動手段と、上記取り
込みローラから振り動かされつつ送り出される上記芝生
を受ける台車と、を備えたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】車体が芝生に向って前進すると、マット状の芝
生はフレームの上部の取り込みローラを通って取り込ま
れ、下方へ向う。更に、芝生は往復動手段によって前方
後方へ振り動かされる。この振り動きにより、芝生は折
り畳まれていく。折り畳まれる芝生は台車に受けられ
る。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１に従って説明
する。車体１は４つの車輪３を有し、移動動力機構５に
より移動できるようになっている。又、図示しない操舵
機構により移動方向を変えられるようになっている。

【０００８】車体１の上にはフレーム９が設けられてい
る。フレーム９は、車体１の左右に設けられた２本の柱
１１と、これらの柱１１によって支えられる水平な台座
１３とを有する。台座１３の上には、車体の前後方向に
レール１５設けられ、このレールに沿って往復動手段１
７が移動する。往復動手段１７は駆動部１９によって往
復駆動される。駆動部１９は、回動するアーム機構、ス
プロケットやチェーンによる機構、またはクランク機構
により構成される。

【０００９】往復動手段１７には取り込みローラ２１が
設けられている。取り込みローラ２１は１対の駆動ロー
ラ２３と従動ローラ２５とからなり、駆動ローラ２３は
往復動手段１７に搭載されたモータにより回転される。
或いは、前記駆動部１９により回転されるようにしても
良い。従動ローラ２５は表面がゴム製であり、芝生２６
が滑るのを防止する。

【００１０】フレーム９の下方位置には、台車２７が配
置される。台車２７は車輪２８を有して、車体１ととも
に移動し、車体１から容易に切り離される。また、台車
２７には籠２９が設けられ、芝生２６の荷崩れを防いで
いる。

【００１１】駆動部１９や図示しないモータなどは制御
スイッチ３１によって制御される。以下、本実施例の作
用を説明する。芝生２６を取り込むには、まず芝生２６
の端部を取り込みローラ２１の間を通して台車２７に導
いておく。この状態で、車体１が移動動力機構５により
芝生２６に向って移動する。同時に、駆動部１９が取り
込みローラ２１を回転駆動する。これにより、芝生２６
には大きな張力が加わることなく、取り込みが行なわれ
る。この取り込みと同時に、往復動手段１７が往復運動
をゆっくりと行なう。よって、この往復動手段１７に設
けられた取り込みローラ２１に案内される芝生２６も、
前方及び後方へ振り動かされる。この振り動きにより、
芝生２６は折り畳まれていく。

【００１２】折り畳まれた芝生２６の高さが高くなり籠
２９に入りきらなくなると、台車２７は車体１から切り
離され、別の台車と交換される。

【００１３】以上説明したように、本実施例によれば、
マット状の芝生２６は取り込みローラ２１により取り込
まれ、籠２９の中へ折り畳まれていく。従って、芝生２
６を巻き取って取り込む場合に比べ、取り込んだ芝生２
６の量が大きくなっても、取り込みローラ２１の回転数
は変化することがなく、安定した取り込みが行なわれ
る。又、芝生２６は巻き取った場合に比べ、折り畳んだ
方が間に隙間ができ空気の流通が良いので、芝生２６の
保存にも適する。又、台車２７に籠２９を設け芝生２６
を上方に高く折り畳んでいくことで、水平方向のスペー
スは同じままで、多量の芝生２６を上方に向って保存で
きる。従って保存スペースを節約できる。

【００１４】なお、以上の実施例では往復動手段１７は
フレーム９に設けられた駆動部１９によって駆動される
ものであったが、他の実施例では往復動手段１７自体に
設けられたモータなどの自走装置で自走するものとして
も良い。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の芝生折り
畳み回収装置によれば、芝生を巻き取って取り込むもの
ではなく、前方後方へ往復動する取り込みローラにより
芝生を折り畳んで取り込んでいくので、取り込み速度に
は変動がなく、取り込み作業が安定し容易に行なえる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す正面図である。

【図２】図１の側面図である。

【符号の説明】

１ 車体 ３ 車輪 ５ 移動動力機構 ９ フレーム １１ 柱 １３ 台座 １５ レール １７ 往復動手
段 １９ 駆動部 ２１ 取り込み
ローラ ２３ 駆動ローラ ２５ 従動ロー
ラ ２６ 芝生 ２７ 台車 ２８ 車輪 ２９ 籠 ３１ 制御スイッチ

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体に設けられたフレームと、 該フレームの上部に配置され、上記車体の進行方向前方
   からマット状の芝生を巻き上げて取り込むと共に取り込
   んだ該芝生を下方へ送り出す取り込みローラと、送り出される上記芝生を振り動かすために上記フレーム
   に設けたレール上で上記取り込みローラをその送り出し
   動作と同時に 往復動させる往復動手段と、上記取り込みローラから振り動かされつつ送り出される
   上記 芝生を受ける台車と、 を備えたことを特徴とする芝生折り畳み回収装置。