JP2853122B2 - 定速走行装置 - Google Patents
定速走行装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は所定の車速を記憶し、現行の走行車速を前記
記憶速度に維持する定速走行装置に関するもので、特
に、定速走行制御のキャンセルに関する定速走行装置に
関するものである。 [従来の技術] 一般に、この種の定速走行装置は、現在の車輌速度を
検出する車速検出手段と定速走行する走行車速を記憶す
る記憶手段によって、その車速偏差をなくする方向に車
輌のスロットバルブの開度を制御するアクチュエータ手
段を制御している。アクチュエータ手段は現在の車速が
記憶手段に記憶された記憶車速よりも高いとき、スロッ
トルバルブの開度を下げ、現在の車速が記憶車速よりも
低いとき、スロットルバルブの開度を上げるようにして
制御され、走行車速を記憶車速に一致させるように制御
している。 この種の公知技術は、特開昭59-126046号公報、特開
昭60-56640号公報等に掲載されている。 上記定速走行装置は定速走行制御中に、クラッチペダ
ル、ブレーキペダルを踏み込むことによって、その定速
走行制御をキャンセルしていた。しかし、クラッチペダ
ル、ブレーキペダルの踏み込みを検出するスイッチ等の
電気系統に異常が発生すると、定速走行制御のキャンセ
ルが困難になるときも想定される。そこで、特開昭59-1
26046号公報等の技術は、所定値以上に車速偏差が大き
くなるか、または、所定の車速以上に車速が減速される
と、クラッチペダル、ブレーキペダルの踏み込みに無関
係に、定速走行制御を停止するものである。 [発明が解決しようとする問題点] 所が、電気系統の異常発生によりクラッチペダル、ブ
レーキペダルの踏み込みによる定速走行制御のキャンセ
ルができなくなったとき、ブレーキを踏んでも車速偏差
が所定値以上に大きくならないと定速走行制御はキャン
セルされない。したがって、通常よりもブレーキのきき
が悪くなる。車速偏差が所定値になるまでに時間を要す
る場合、或いは車速偏差が所定値に到達せず、定速走行
制御のキャンセルされない場合も生じる。また、車速偏
差が所定値になり定速走行制御がキャンセルされても、
再び、車速偏差が小さくなると、定速走行制御が可能と
なる。クラッチペダル、ブレーキペダルの踏み込みを検
出するスイッチ等の電気系統に異常が発生していて、前
回の定速走行制御のキャンセルが行なわれていたにもか
かわらず、運転者がそれを知らないままで走行している
ことになり、好ましい使用状態でなくなる。 一方、他の先行技術として実開昭62-88635号公報に
は、車輌の減速度が設定値以上のときに定速走行制御を
解除する定速走行制御解除手段を備えた定速走行装置が
開示されている。しかし、この定速走行装置において
は、定速走行を解除した後、リジュームスイッチがオン
されれば、解除された直後の設定車速による定速走行制
御に復帰されるものである。してみれば、この公報に掲
載の技術においても、ブレーキスイッチ、クラッチスイ
ッチによるキャンセル(解除)操作信号が出力されない
電気系統の異常の際には、再度定速走行に入ることが予
測され、キャンセル操作、例えば、ブレーキ操作にも拘
らず、定速走行制御が継続され、スロットルが引き込ま
れ、再加速されることも想定される。 そこで、上記のような問題点を解消すべくなされたも
ので、急激な減速に応答して定速走行制御が停止され、
定速走行制御をキャンセルするキャンセル操作信号の入
力を確認してから、再度、定速走行制御を可能とする定
速走行装置の提供を課題とするものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明にかかる定速走行装置は、現在の走行車速を検
出する車速検出手段と、定速走行する走行車速を記憶す
る記憶手段と、スロットルバルブの開閉の制御を行うア
クチュエータ手段と、前記記憶車速と現在の車速に基ず
く車速偏差によって、その車速偏差をなくす方向に前記
アクチュエータ手段を制御する電子制御回路を具備する
定速走行装置において、車輌の負の加速度を検出する手
段を設け、前記負の加速度を検出する手段によって、定
速走行制御中に所定以上の負の加速度が検出されたと
き、その定速走行制御をキャンセルさせ、その後、キャ
ンセル操作信号が入力されるまでそのキャンセル状態を
継続し、キャンセル操作信号が入力されたときのみ、再
度、定速走行制御を可能とするものである。 [作用] 本発明においては、通常状態では、電子制御回路で記
憶車速と現在の車速に基ずく車速偏差によって、その車
速偏差をなくする方向にアクチュエータ手段を制御す
る。クラッチペダル、ブレーキペダル等の踏み込みによ
って急激な減速が行なわれ、所定以上の負の加速度が検
出されたとき、クラッチペダル、ブレーキペダル等の踏
み込みによって発生するキャンセル操作信号の発生いか
んに関係なく定速走行制御をキャンセルする。 所定以上の負の加速度が検出され、キャンセル操作信
号によらないで、定速走行制御をキャンセルした場合に
は、クラッチペダル、ブレーキペダル等の踏み込みによ
って発生するキャンセル操作信号が到来したときのみ、
再度、定速走行制御を可能とするものである。 [実施例] 以下、上記技術的手段の一具体例を示す実施例につい
て説明する。 第1図は本発明の一実施例の定速走行装置の全体構成
図を示す。 この構成において、電子制御回路CPUはシングルチッ
プマイクロコンピュータにより構成され、車速信号を検
出するリードスイッチSW2、クラッチ(図示せず)の踏
み込みを検出するクラッチスイッチSW3、ブレーキ(図
示せず)の踏み込みを検出するブレーキスイッチSW6、
セットスイッチSW4、リジュームスイッチSW5の出力が入
力される。また、スロットルバルブSVの開度を制御する
負圧アクチュエータACを作動させる負圧をバキュームポ
ンプBPで作り、それを蓄積するサージタンクSTに配設し
たバキュームスイッチSW7の出力が入力されている。 ここで、リジュームスイッチSW5は一旦キャンセルさ
れた定速走行制御を再び更新した記憶車速で再開させる
ものであり、またクラッチスイッチSW3及びブレーキス
イッチSW6は定速走行制御のキャンセルスイッチ手段で
ある。 リードスイッチSW2の近傍には、図示しないスピード
メータケーブルに接続された永久磁石PMが配置されてお
り、車輌の移動によって永久磁石PMが回転すると、リー
ドスイッチSW2の接点が開閉し、車速に比例した周波数
のパルス(車速信号)が電子制御回路CPUに送られる。 クラッチスイッチSW3は、車輌のクラッチペダルに連
動して開閉し、ブレーキスイッチSW6は車輌のブレーキ
ペダルに連動して開閉する。ブレーキスイッチSW6には
ストップランプLが接続されており、ブレーキスイッチ
SW6のオン(閉)でストップランプLが点灯する。 セットスイッチSW4及びリジュームスイッチSW5は、押
しボタンスイッチであり、ドライバの操作のし易い位置
に配置されている。セットスイッチSW4の押圧により車
速が記憶されると共に定速走行制御が開始され、ブレー
キスイッチSW6の押圧で定速走行がキャンセルされる
が、記憶された車速は残る。リジュームスイッチSW5を
押せば、定速走行をキャンセルする前の記憶車速で定速
走行制御が開始される。 なお、ブレーキスイッチSW6にはヒューズFを介して
電源が供給され、電子制御回路CPUには電源スイッチSW1
を介して電源が供給される。 電子制御回路CPUの出力には後述する負圧アクチュエ
ータACを制御するコントロールバルブV1のソレノイドを
駆動回路D1を介して、ベントバルブV2のソレノイドを駆
動回路D2を介して、リリースバルブV3のソレノイドを駆
動回路D3を介してそれぞれ接続される。そして、バキュ
ームポンプBPのモータ等には駆動回路D4を介して接続さ
れる。 負圧アクチュエータACは次のように構成されており、
作動する。 負圧アクチュエータACはハウジングA5内に配設された
ダイアフラムA4によって封止された負圧室A1を構成し、
前記ダイアフラムA4の反対側は大気側A2となる。前記ダ
イアフラムA4は負圧室A1側に配設された圧縮コイルスプ
リングA3により附勢されている。なお、前記ダイアフラ
ムA4はスロットルバルブSVのバルブB2を開閉するスロッ
トルロッドB1か接続されている。 また、前記負圧アクチュエータACの負圧室A1には、サ
ージタンクSTの負圧をコントロールバルブV1及びベント
バルブV2及びリリースバルブV3を介して導入している。 前記コントロールバルブV1はそのソレノイドが励磁状
態のとき、サージタンクSTの負圧を負圧アクチュエータ
AC側に送出し、非励磁状態のとき、それを遮断するもの
である。また、ベントバルブV2は、そのソレノイドが励
磁状態のとき、コントロールバルブV1側から送出された
負圧を負圧アクチュエータAC側に送出し、非励磁状態の
とき、負圧アクチュエータAC側の負圧を大気中に排出す
る。そして、リリースバルブV3は制御系に異常が生じ
て、適格な制御が不可能になったとき、負圧アクチュエ
ータACの負圧室A1の負圧を大気中に排出し、負圧室A1を
大気圧状態にするものである。このとき、スロットルバ
ルブSVは、スロットルロッドB1に押し戻され、バルブB2
を閉じる。通常、リリースバルブV3のソレノイドは励磁
状態にあり、ベントバルブV2と負圧アクチュエータACの
負圧室A1とが連通状態となっている。 コントロールバルブV1及びベントバルブV2はその制御
が電子制御回路CPUによってデューティ比制御される。
即ち、定速走行制御時には、電子制御回路CPU内で記憶
車速とその時の車速とが比較され、その差が等しくなる
ように、前記コントロールバルブV1及びベントバルブV2
のソレノイドを励磁する信号のデューティ比を決定す
る。例えば、減速が必要な場合にはデューティ比は小さ
くなり、ベントバルブV2から大気を負圧アクチュエータ
ACに連通させる時間の割合を大きくして、ダイアフラム
A4によってスロットルバルブSVを閉じる。逆に、加速が
必要なときはデューティ比を大きくし、負圧アクチュエ
ータACによりスロットルバルブSVを開ける。 次に、電子制御回路CPUのマイクロコンピュータの動
作を第2図から第12図のフローチャートを用いて説明す
る。 電源スイッチSW1がオンとなり、本プログラムがスタ
ートすると、ステップ1でメモリを初期設定する。この
とき、制御状態分岐プログラムの制御状態S=0の『待
機状態制御フロー』を設定する。ステップ2で各スイッ
チSW2〜SW7の状態を読み込む。 ステップ3は制御状態Sを判断して、それに応じた処
理機能の選択を行う分岐ステップである。即ち、このプ
ログラムが各制御状態に対応して分岐し、その分岐され
たプログラムに従って機能するようにプログラミングさ
れているから、各機能毎に制御状態Sを指示して、各制
御状態のフローの処理に入る。 本プログラムがスタートしたときには、ステップ1で
制御状態S=0に設定されているから、ステップ3でS
=0の『待機状態制御フロー』に入る。 制御状態S=0;『待機状態制御フロー』 このフローでは、リジュームスイッチSW5の操作状態
を検出し、制御系をキャンセル状態とする。 このフローに入ると、まず、ステップ01で全バルブ、
即ち、コントロールバルブV1及びベントバルブV2、リリ
ースバルブV3をオフ状態とし、負圧アクチュエータACの
制御を停止して、定速走行制御の停止を行う。そして、
ステップ02でリジュームスイッチSW5の操作状態を検出
する。オンされているときにはステップ03で記憶車速を
みて、記憶車速Okm/h(クリア状態)でないとき、ステ
ップ04で制御状態S=1の『フルオン制御フロー』を設
定し、更に、ステップ05でバキュームポンプBPを作動状
態とするバキュームポンプフラグを立てる(“H"とす
る)。即ち、制御状態S=1の『フルオン制御フロー』
に入る準備を行う。 また、リジュームスイッチSW5がオンされていないと
き、或いは、記憶車速が0km/h(クリア状態)のとき
は、リジューム機能を否定することであるから、制御状
態S=0を変化させない。 制御状態S=1;『フルオン制御フロー』 このフローは、負圧アクチュエータACを素早く所定の
位置まで駆動するために、見込制御を行うものである。
即ち、後述するように、制御状態S=4の『減速制御フ
ロー』では、コントロールバルブV1がオフとなってお
り、負圧アクチュエータACの負圧室A1内の圧力が低下し
ている。また、『待機制御フロー』では本定速走行制御
に入った時点、或いは、後述の『キャンセル制御フロ
ー』の後であり、負圧アクチュエータACの負圧室A1内の
負圧と設定速度とが一致していない。したがって、この
まま定速走行制御を再開して、コントロールバルブV1を
デューティ比制御しても、直ちには、所定のスロットル
開度に達することができない。そこで、ステップ11で、
このフローに初めて入ったか判断して、初めて入ったと
き、ステップ12で全バルブV1、V2、V3をオンにして、ス
テップ13で予め車速に比例して長くするように定めたフ
ルオン制御時間を設定する。ステップ11でこのフローに
入ってフルオン制御時間を設定した後のときには、ステ
ップ14で設定したフルオン制御時間の経過をみる。フル
オン制御時間を経過すると、まず、ステップ15で、コン
トロールバルブV1をオフとし、ステップ16で制御状態S
=2を設定し、『定速制御フロー』に入る。 制御状態S=2;『定速制御フロー』 このフローは、記憶された車速で定速走行を行うため
のフローである。 ステップ201で車速の測定タイミングの到来か判断し
て車速測定タイミングの時、ステップ202で車速を測定
する。そして、ステップ203で負圧アクチュエータをデ
ューティ比制御するデューティ比の立ち上がりタイミン
グを判断する。デューティ比制御の立ち上がりタイミン
グを判断すると、ステップ206で車速計算を行う。車速
計算はステップ202で車速を測定した値、即ち、車速セ
ンサの値の読み込みに基づいて算出する。また、ステッ
プ207で加速度を計算する。ステップ208で前記ステップ
206の車速計算及びステップ207の加速度計算に基づき仮
想車速計算を行う。前記仮想車速計算は次のように現さ
れる。 Vi=V+a・Kt 但し、 Viは仮想車速、 Vは車速計算の算出による車速、 aは加速度計算の算出による加速度、 Ktは補償時間、 である。 なお、前記補償時間Ktは車速測定タイミングと負圧ア
クチュエータをデューティ比制御する出力との時間遅れ
により設定するものである。 そして、ステップ209で前記仮想車速Viと定速走行制
御する記憶車速MvからコントロールバルブV1またはベン
トバルブV2のバルブオン時間V ONを計算する。即ち、コ
ントロールバルブV1またはベントバルブV2を開閉するデ
ューティ比を決定する。このとき、バルブオン時間V ON
は、記憶車速Mvから仮想車速Viを減算して車速偏差Vdを
求め、その車速偏差Vdに比例定数Gを乗算して得る。な
お、前記比例定数Gは、車速偏差Vdと負圧アクチュエー
タで制御されたスロットルバルブSVの開閉による加減速
量との関係を附与したものである。ステップ210でバル
ブオン時間V ONが所定の値T set1以下か判断して、バル
ブオン時間V ONが所定の値T set1より大きいとき、即
ち、前記所定の値T set1を不感帯に設定しておけば、バ
ルブオン時間V ONが不感帯よりも大きいとき、ステップ
214でバルブオン時間積分用メモリをクリアし、ステッ
プ216でそれを出力する。 ステップ210でバルブオン時間V ONが所定の値T set1
以下のとき、即ち、前記所定の値T set1を不感帯域に設
定した場合には、バルブオン時間V ONが不感帯以下のと
き、ステップ211でバルブオン時間積分用メモリに出力
時間を加算する。そして、ステップ212でバルブオン時
間積分用メモリが任意の値T set2以上か判断して、バル
ブオン時間V ONが所定の値T set2より小さいとき、ステ
ップ215でバルブオン時間V ONをゼロに設定し、ステッ
プ216でバルブをデューティ比制御するバルブオンの出
力時間をゼロとする。ステップ212でバルブオン時間積
分用メモリが任意の値T set2以上のとき、ステップ213
でバルブオン時間V ONを任意の値T set2に設定し、ステ
ップ216でバルブをデューティ比制御するバルブオンの
出力時間を任意の値T set2とする。そして、ステップ21
4でバルブオン時間積分用メモリをクリアする。 そして、ステップ203で負圧アクチュエータをデュー
ティ比制御するデューティ比の立ち上がりタイミングで
ないとき、ステップ204でデューティ比制御するバルブ
オン時間V ONがゼロか判断して、バルブオン時間V ONが
ゼロのとき、ステップ205でコントロールバルブV1及び
ベントバルブV2をオフとする。また、ステップ204でデ
ューティ比制御するバルブオン時間V ONがゼロでないと
き、ステップ216のコントロールバルブV1及びベントバ
ルブV2のオンを継続する。 このとき、前記バルブオン時間積分用メモリが任意の
値T set2以上か判断する任意の値T set2を、不感帯より
も大きい値に設定しておけば、車速偏差Vdが小さくて
も、車速がハンチングを起すことがない。 ステップ217でリジュームスイッチSW5が所定時間(こ
こでは、0.5秒)以上オンされると、ステップ218で制御
状態S=3の『加速制御フロー』を設定する。 そして、ステップ219で現車速が記憶車速より20km/h
以上減速されされた状態であるか判断し、現車速が記憶
車速より20km/h以上減速されているとき、ステップ220
で制御状態S=5の『キャンセル制御フロー』を設定す
る。更に、ステップ221でキャンセル保持フラグを立て
る(“H"とする)。または、ステップ222で現車速を検
出するリードスイッチSW2及び永久磁石PMからなる速度
検出センサ等の車速検出手段の出力から加速度を検出
し、減速されたときの加速度、即ち、加速度が所定の負
の加速度−3.0km/h/s以下に急激に減速されているか判
断し、加速度が所定の負の加速度−3.0km/h/s以下に急
激に減速されているとき、ステップ220で制御状態S=
5の『キャンセル制御フロー』を設定する。更に、ステ
ップ221でキャンセル保持フラグを立てる(“H"とす
る)。 更に、ステップ223でセットスイッチSW4がオンとなる
と、ステップ224で制御状態S=4の『減速制御フロ
ー』を設定する。ステップ225でクラッチスイッチSW3が
オンのとき、ステップ226で制御状態S=1またはS=
2であるかを判断する。即ち、クラッチスイッチSW3に
リジューム機能を持たせているから、『加速制御フロ
ー』または『減速制御フロー』のいずれから、このフロ
ーに入ったかを判断し、両フローのいずれかからこのフ
ローに入ったときは、ステップ227で制御状態S=6の
『クラッチリジューム制御フロー』が設定され、そうで
ないとき、ステップ228でクラッチスイッチSW3のオンに
ともなうキャンセル機能の制御状態S=5の『キャンセ
ル制御フロー』が設定される。ステップ229でブレーキ
スイッチSW6がオンとなると、ステップ230で制御状態S
=5の『キャンセル制御フロー』が設定される。ステッ
プ231及びステップ232で、低速リミットを判断し、仮想
車速Viが所定の制御車速以下であると、制御状態S=7
を設定し、定速走行制御を禁止する。そして、ステップ
233で『バキュームポンプ制御サブルーチン』の処理に
入る。 制御状態S=3;『加速制御フロー』 このフローは、車輌の定速走行制御中に加速して、定
速走行速度を更新するためのフローである。まず、ステ
ップ31で全バルブ、即ち、コントロールバルブV1及びベ
ントバルブV2、リリースバルブV3をオンとし、負圧アク
チュエータACの負圧室A1の負圧を上げ、スロットルバル
ブSVを開き、ステップ32でリジュームスイッチSW5がオ
フされるまで加速される。リジュームスイッチSW5がオ
フされると、ステップ33で制御状態S=2の『定速制御
フロー』を設定し、そのときの車速をステップ34でメモ
リに記憶する。 制御状態S=4;『減速制御フロー』 このフローは定速走行制御中に制御車速を減速し、定
速走行制御を再開するためのフローであり、定速走行制
御中にセットスイッチSW4がオンされると制御状態S=
4となって、この『減速制御フロー』に入る。ステップ
41でキャンセル機能を有するクラッチスイッチSW3また
はブレーキスイッチSW6のいずれかのスイッチがオンで
あるか判断し、いずれか一つでもオンのとき、ステップ
42で全バルブV1、V2、V3をオフとして、『減速制御フロ
ー』に入ってからの定速走行制御の停止を行う。ステッ
プ41でクラッチスイッチSW3またはブレーキスイッチSW6
のいずれのスイッチもオンされていないとき、ステップ
43でコントロールバルブV1及びベントバルブV2をオフ、
リリースバルブV3をオンとする。このように、負圧アク
チュエータACの負圧供給を断つと、徐々にスロットルバ
ルブSVが閉じて行き、車速が漸次減ずることになる。ス
テップ44でセットスイッチSW4のオフを検出して、ステ
ップ45でセットスイッチSW4がオフになった時点の車速
を記憶する。そして、ステップ46で再び、キャンセル機
能を有するクラッチスイッチSW3またはブレーキスイッ
チSW6のいずれかがオンとなって、定速走行制御から脱
しない限り、ステップ48で制御状態S=1を設定し、
『フルオン制御フロー』に入る。即ち、減速制御はセッ
トスイッチSW4がオンされている間継続し、セットスイ
ッチSW4がオフとなった時点での車速で定速走行を再開
する。ステップ46でクラッチスイッチSW3またはブレー
キスイッチSW6のいずれかがオンとなると、スイッチ47
で制御状態S=5を設定し、『キャンセル制御フロー』
に入る。そして、ステップ44でセットスイッチSW4がオ
ンであると、ステップ49でバキュームポンプフラグを立
てる(“H"とする)。 制御状態S=5;『キャンセル制御フロー』 このフローはキャンセル保持フラグが立っていると
き、現車速が記憶車速より20km/h以上減速されたか、ま
たは、加速度が所定の負の加速度−3.0km/h/s以下に急
激に減速されたことによってこのルーチンをコールした
ものであるから、クラッチスイッチSW3またはブレーキ
スイッチSW6の踏み込みによるキャンセル操作信号が入
力されるまでそのキャンセル状態を継続し、制御状態S
=2の『定速制御フロー』の処理中にクラッチスイッチ
SW3またはブレーキスイッチSW6がオンとなると定速走行
制御をキャンセルするものである。 ステップ51でキャンセル保持フラグが立っている
(“H")か判断して、キャンセル保持フラグが立ってい
るとき、ステップ52でクラッチスイッチSW3またはブレ
ーキスイッチSW6の踏み込みによってオンとなり、キャ
ンセル操作信号が発生しているか判断する。キャンセル
操作信号が発生しているとき、キャンセル保持フラグが
不要となるから、ステップ53でキャンセル保持フラグを
降ろし(“L"とし)、ステップ56で全バルブV1、V2、V3
をオフ状態とする。 また、ステップ51でキャンセル保持フラグが降りてい
る(“L"の)とき、現車速が記憶車速より20km/h以上減
速され、または、加速度が所定の負の加速度−3.0km/h/
s以下に急激に減速された場合のキャンセルと異なるこ
とであるから、ステップ54でキャンセル機能を有するク
ラッチスイッチSW3またはブレーキスイッチSW6の動作を
確認して、クラッチスイッチSW3或いはブレーキスイッ
チSW6がオンのときには、制御状態を設定することな
く、ステップ56で全バルブV1、V2、V3をオフ状態とす
る。または、クラッチスイッチSW3またはブレーキスイ
ッチSW6がオフとなると、ステップ55で制御状態S=0
の『待機状態制御フロー』が選択される。 制御状態S=6;『クラッチリジューム制御フロー』 このフローは、制御状態S=2の『定速制御フロー』
の処理中に、クラッチスイッチSW3がオンとなり、一
旦、定速走行制御をキャンセルして、再び、定速走行制
御に入るためのフローである。まず、ステップ61で全バ
ルブV1、V2、V3をオフ状態とし、ステップ62でクラッチ
スイッチSW3がオフとなったことが判断されると、ステ
ップ63で制御状態S=1の『フルオン制御フロー』に入
る。 制御状態S=7;『低速リミット制御フロー』 このフローは、ステップ231及びステップ232で車速が
所定の速度よりも低い場合にキャンセル及び記憶速度を
クリアするものである。ステップ71で記憶車速Mvをクリ
アし、ステップ72で全バルブV1、V2、V3をオフとし、ス
テップ73で制御状態S=0の『待機状態制御フロー』に
入る。 以上が各制御状態フローの説明である。 なお、バキュームポンプBPを駆動してサージタンクST
に所定の負圧を蓄積保持させる『バキュームポンプ制御
サブルーチン』は、本発明の要旨に直接関係しないの
で、その説明を省略する。 上記のように、本発明の定速走行装置では、定速走行
時にリードスイッチSW2のパルスから仮想車速Viを得
て、定速走行する記憶車速MvからコントロールバルブV1
及びベントバルブV2を開閉するバルブオン時間V ONのデ
ューティ比を決定し、負圧アクチュエータACを制御する
ことによって定速走行制御を行なっている。 この定速走行制御は、キャンセル機能を有するクラッ
チスイッチSW3またはブレーキスイッチSW6のいずれかの
スイッチがオンとなり、電子制御回路CPUにキャンセル
操作信号が入力されると、この定速走行制御をキャンセ
ルすることができる。 また、クラッチスイッチSW3及びブレーキスイッチSW6
のいずれのスイッチからも、電子制御回路CPUにキャン
セル操作信号が入力されなくても、定速走行制御中に20
km/h以上に車速偏差が大きくなったとき、或いは、所定
以上の負の加速度、即ち、−3.0km/h/s以下の急激な減
速が検出されると、その定速走行制御を停止させ、その
停止を行なった信号種別がフラグに記憶されることによ
り、その後、クラッチスイッチSW3またはブレーキスイ
ッチSW6によるキャンセル操作信号が入力されフラグに
記憶された記憶が消去されるまで、そのキャンセル状態
を継続するものである。 したがって、クラッチスイッチSW3及びブレーキスイ
ッチSW6のいずれのスイッチからも電子制御回路CPUにキ
ャンセル操作信号が入力されないような事態が生じて
も、或いは、定速走行制御中に20km/h以上に車速偏差が
大きくならなくても、所定以上の負の加速度、即ち、−
3.0km/h/s以下の急激な減速が検出されると定速走行制
御をキャンセルすることができ、しかも、そのキャンセ
ル状態を維持することができるから、運転者がクラッチ
スイッチSW3及びブレーキスイッチSW6の電気系統の異常
を知らないままに、再度定速走行に入ることを避けるこ
とができ、フェールセーフ制御を行なうことができる。 上記実施例の定速走行装置では、現在の走行車速を検
出するリードスイッチSW2及び永久磁石PMからなる速度
検出センサ等の車速検出手段と、定速走行する走行車速
を記憶する電子制御回路を構成するマイクロコンピュー
タの内蔵するメモリ等からなる記憶手段と、スロットル
バルブSVの開閉の制御を行う負圧アクチュエータAC等か
らなるアクチュエータ手段と、前記記憶車速と現在の車
速に基ずく車速偏差によって、その車速偏差をなくする
方向に前記アクチュエータ手段を制御するマイクロコン
ピュータ等からなる電子制御回路CPUを具備する定速走
行装置において、定速走行制御中に所定以上の負の加速
度が検出されたとき、その定速走行制御を停止させ、そ
の後、クラッチスイッチSW3またはブレーキスイッチSW6
からキャンセル操作信号が入力されるまでそのキャンセ
ル状態を継続するものである。 したがって、クラッチスイッチSW3及びブレーキスイ
ッチSW6等からキャンセル操作信号が入力されないよう
な事態が生じても、或いは、定速走行制御中に所定以上
に車速偏差が大きくならない事態が生じても、所定以上
の負の加速度が検出されると定速走行制御をキャンセル
することができる。しかも、そのキャンセル状態を維持
することができるから、運転者が電気系統の異常を知ら
ないままに、再度定速走行に入ることを避けることがで
きる。 また、所定以上の負の加速度が検出されると定速走行
制御をキャンセルすることができ、譬え、フルオン制
御、加速制御状態下の制御であってもフェールセーフ制
御を行なうことができる。 ところで、上記実施例の定速走行装置では、定速走行
制御中に所定以上の負の加速度が検出されたとき、その
定速走行制御を停止させ、その後、クラッチスイッチSW
3またはブレーキスイッチSW6からキャンセル操作信号が
入力されるまでそのキャンセル状態を継続するものであ
り、定速走行制御中に所定以上の負の加速度を検出する
手段として、現在の走行車速を検出するリードスイッチ
SW2及び永久磁石PMからなる速度検出センサ等の車速検
出手段の出力で、その加速度を判断しているが、本発明
を実施する場合には、他の加速度センサを設置して、そ
の加速度センサの動作を判断することによって行なって
もよい。 また、定速走行制御中に所定以上の負の加速度が検出
されたときの判断は、加速度が所定の変化パターンとな
ったときとすることができる。或いは加速度の微分値が
負の所定値以下になったときとすることができる。 そして、キャンセル操作信号が入力されるまでそのキ
ャンセル状態を継続する手段として、マイクロコンピュ
ータ等からなる電子制御回路CPUで構成したものである
が、本発明を実施する場合にはマイクロコンピュータを
構成するメモリを使用してもよいし、或いは外付けのフ
リップフロップ等に記憶させてもよい。 なお、本発明の実施例の定速走行装置では、記憶車速
Mvと仮想車速Viとを比較し、その車速差をなくす方向に
アクチュエータ手段を制御する電子制御手段は、シング
ルチップマイクロコンピュータ等の電子制御回路CPUに
よって構成したが、本発明を実施する場合は、前記シン
グルチップマイクロコンピュータに限定されるものでは
ない。 また、上記実施例では、車速偏差を算出する手段とし
て、定速走行の走行速度を設定された記憶車速と仮想車
速とを比較しているが、前記仮想車速とは、比較時の現
車速の検出がその信号処理時間の遅れから実質的に困難
であるから、信号処理の遅れを勘案して算出したものを
使用している。しかし、本発明を実施する場合は、検出
時点の車速を用いてもよい。この場合も実際の車速とは
一致しないから仮想速度となる。或いは、車速偏差を算
出する手段として、定速走行の走行速度を設定された記
憶車速と現在の車速とを比較して車速偏差を算出しても
よい。 [発明の効果] 以上のように、本発明の定速走行装置は、現在の走行
車速を検出する車速検出手段と、車輌の負の加速度を検
出する手段と、定速走行する走行車速を記憶する記憶手
段と、スロットルバルブの開閉の制御を行うアクチュエ
ータ手段と、前記記憶車速と現在の車速に基ずく車速偏
差によって、その車速偏差をなくす方向に前記アクチュ
エータ手段を制御する電子制御回路を具備し、定速走行
制御中に所定以上の負の加速度が検出されたとき、その
定速走行制御を停止させ、その後、キャンセル操作信号
が入力されるまでそのキャンセル状態を継続し、キャン
セル操作信号が入力されたときのみ、再度、定速走行制
御を可能とするものである。 したがって、キャンセル操作信号が入力されないよう
な事態が生じても、或いは、定速走行制御中に所定以上
に車速偏差が大きくならない事態が生じても、所定以上
の負の加速度が検出されると定速走行制御をキャンセル
することができ、実際の走行状態に対応した制御が可能
となる。しかも、その解除状態を維持することができる
から、運転者が電気系統の異常を知らないままに、再度
定速走行に入ることを避けることができ、譬え、フルオ
ン制御、加速制御状態下の制御であってもフェールセー
フ制御を行なうことができる。
記憶速度に維持する定速走行装置に関するもので、特
に、定速走行制御のキャンセルに関する定速走行装置に
関するものである。 [従来の技術] 一般に、この種の定速走行装置は、現在の車輌速度を
検出する車速検出手段と定速走行する走行車速を記憶す
る記憶手段によって、その車速偏差をなくする方向に車
輌のスロットバルブの開度を制御するアクチュエータ手
段を制御している。アクチュエータ手段は現在の車速が
記憶手段に記憶された記憶車速よりも高いとき、スロッ
トルバルブの開度を下げ、現在の車速が記憶車速よりも
低いとき、スロットルバルブの開度を上げるようにして
制御され、走行車速を記憶車速に一致させるように制御
している。 この種の公知技術は、特開昭59-126046号公報、特開
昭60-56640号公報等に掲載されている。 上記定速走行装置は定速走行制御中に、クラッチペダ
ル、ブレーキペダルを踏み込むことによって、その定速
走行制御をキャンセルしていた。しかし、クラッチペダ
ル、ブレーキペダルの踏み込みを検出するスイッチ等の
電気系統に異常が発生すると、定速走行制御のキャンセ
ルが困難になるときも想定される。そこで、特開昭59-1
26046号公報等の技術は、所定値以上に車速偏差が大き
くなるか、または、所定の車速以上に車速が減速される
と、クラッチペダル、ブレーキペダルの踏み込みに無関
係に、定速走行制御を停止するものである。 [発明が解決しようとする問題点] 所が、電気系統の異常発生によりクラッチペダル、ブ
レーキペダルの踏み込みによる定速走行制御のキャンセ
ルができなくなったとき、ブレーキを踏んでも車速偏差
が所定値以上に大きくならないと定速走行制御はキャン
セルされない。したがって、通常よりもブレーキのきき
が悪くなる。車速偏差が所定値になるまでに時間を要す
る場合、或いは車速偏差が所定値に到達せず、定速走行
制御のキャンセルされない場合も生じる。また、車速偏
差が所定値になり定速走行制御がキャンセルされても、
再び、車速偏差が小さくなると、定速走行制御が可能と
なる。クラッチペダル、ブレーキペダルの踏み込みを検
出するスイッチ等の電気系統に異常が発生していて、前
回の定速走行制御のキャンセルが行なわれていたにもか
かわらず、運転者がそれを知らないままで走行している
ことになり、好ましい使用状態でなくなる。 一方、他の先行技術として実開昭62-88635号公報に
は、車輌の減速度が設定値以上のときに定速走行制御を
解除する定速走行制御解除手段を備えた定速走行装置が
開示されている。しかし、この定速走行装置において
は、定速走行を解除した後、リジュームスイッチがオン
されれば、解除された直後の設定車速による定速走行制
御に復帰されるものである。してみれば、この公報に掲
載の技術においても、ブレーキスイッチ、クラッチスイ
ッチによるキャンセル(解除)操作信号が出力されない
電気系統の異常の際には、再度定速走行に入ることが予
測され、キャンセル操作、例えば、ブレーキ操作にも拘
らず、定速走行制御が継続され、スロットルが引き込ま
れ、再加速されることも想定される。 そこで、上記のような問題点を解消すべくなされたも
ので、急激な減速に応答して定速走行制御が停止され、
定速走行制御をキャンセルするキャンセル操作信号の入
力を確認してから、再度、定速走行制御を可能とする定
速走行装置の提供を課題とするものである。 [問題点を解決するための手段] 本発明にかかる定速走行装置は、現在の走行車速を検
出する車速検出手段と、定速走行する走行車速を記憶す
る記憶手段と、スロットルバルブの開閉の制御を行うア
クチュエータ手段と、前記記憶車速と現在の車速に基ず
く車速偏差によって、その車速偏差をなくす方向に前記
アクチュエータ手段を制御する電子制御回路を具備する
定速走行装置において、車輌の負の加速度を検出する手
段を設け、前記負の加速度を検出する手段によって、定
速走行制御中に所定以上の負の加速度が検出されたと
き、その定速走行制御をキャンセルさせ、その後、キャ
ンセル操作信号が入力されるまでそのキャンセル状態を
継続し、キャンセル操作信号が入力されたときのみ、再
度、定速走行制御を可能とするものである。 [作用] 本発明においては、通常状態では、電子制御回路で記
憶車速と現在の車速に基ずく車速偏差によって、その車
速偏差をなくする方向にアクチュエータ手段を制御す
る。クラッチペダル、ブレーキペダル等の踏み込みによ
って急激な減速が行なわれ、所定以上の負の加速度が検
出されたとき、クラッチペダル、ブレーキペダル等の踏
み込みによって発生するキャンセル操作信号の発生いか
んに関係なく定速走行制御をキャンセルする。 所定以上の負の加速度が検出され、キャンセル操作信
号によらないで、定速走行制御をキャンセルした場合に
は、クラッチペダル、ブレーキペダル等の踏み込みによ
って発生するキャンセル操作信号が到来したときのみ、
再度、定速走行制御を可能とするものである。 [実施例] 以下、上記技術的手段の一具体例を示す実施例につい
て説明する。 第1図は本発明の一実施例の定速走行装置の全体構成
図を示す。 この構成において、電子制御回路CPUはシングルチッ
プマイクロコンピュータにより構成され、車速信号を検
出するリードスイッチSW2、クラッチ(図示せず)の踏
み込みを検出するクラッチスイッチSW3、ブレーキ(図
示せず)の踏み込みを検出するブレーキスイッチSW6、
セットスイッチSW4、リジュームスイッチSW5の出力が入
力される。また、スロットルバルブSVの開度を制御する
負圧アクチュエータACを作動させる負圧をバキュームポ
ンプBPで作り、それを蓄積するサージタンクSTに配設し
たバキュームスイッチSW7の出力が入力されている。 ここで、リジュームスイッチSW5は一旦キャンセルさ
れた定速走行制御を再び更新した記憶車速で再開させる
ものであり、またクラッチスイッチSW3及びブレーキス
イッチSW6は定速走行制御のキャンセルスイッチ手段で
ある。 リードスイッチSW2の近傍には、図示しないスピード
メータケーブルに接続された永久磁石PMが配置されてお
り、車輌の移動によって永久磁石PMが回転すると、リー
ドスイッチSW2の接点が開閉し、車速に比例した周波数
のパルス(車速信号)が電子制御回路CPUに送られる。 クラッチスイッチSW3は、車輌のクラッチペダルに連
動して開閉し、ブレーキスイッチSW6は車輌のブレーキ
ペダルに連動して開閉する。ブレーキスイッチSW6には
ストップランプLが接続されており、ブレーキスイッチ
SW6のオン(閉)でストップランプLが点灯する。 セットスイッチSW4及びリジュームスイッチSW5は、押
しボタンスイッチであり、ドライバの操作のし易い位置
に配置されている。セットスイッチSW4の押圧により車
速が記憶されると共に定速走行制御が開始され、ブレー
キスイッチSW6の押圧で定速走行がキャンセルされる
が、記憶された車速は残る。リジュームスイッチSW5を
押せば、定速走行をキャンセルする前の記憶車速で定速
走行制御が開始される。 なお、ブレーキスイッチSW6にはヒューズFを介して
電源が供給され、電子制御回路CPUには電源スイッチSW1
を介して電源が供給される。 電子制御回路CPUの出力には後述する負圧アクチュエ
ータACを制御するコントロールバルブV1のソレノイドを
駆動回路D1を介して、ベントバルブV2のソレノイドを駆
動回路D2を介して、リリースバルブV3のソレノイドを駆
動回路D3を介してそれぞれ接続される。そして、バキュ
ームポンプBPのモータ等には駆動回路D4を介して接続さ
れる。 負圧アクチュエータACは次のように構成されており、
作動する。 負圧アクチュエータACはハウジングA5内に配設された
ダイアフラムA4によって封止された負圧室A1を構成し、
前記ダイアフラムA4の反対側は大気側A2となる。前記ダ
イアフラムA4は負圧室A1側に配設された圧縮コイルスプ
リングA3により附勢されている。なお、前記ダイアフラ
ムA4はスロットルバルブSVのバルブB2を開閉するスロッ
トルロッドB1か接続されている。 また、前記負圧アクチュエータACの負圧室A1には、サ
ージタンクSTの負圧をコントロールバルブV1及びベント
バルブV2及びリリースバルブV3を介して導入している。 前記コントロールバルブV1はそのソレノイドが励磁状
態のとき、サージタンクSTの負圧を負圧アクチュエータ
AC側に送出し、非励磁状態のとき、それを遮断するもの
である。また、ベントバルブV2は、そのソレノイドが励
磁状態のとき、コントロールバルブV1側から送出された
負圧を負圧アクチュエータAC側に送出し、非励磁状態の
とき、負圧アクチュエータAC側の負圧を大気中に排出す
る。そして、リリースバルブV3は制御系に異常が生じ
て、適格な制御が不可能になったとき、負圧アクチュエ
ータACの負圧室A1の負圧を大気中に排出し、負圧室A1を
大気圧状態にするものである。このとき、スロットルバ
ルブSVは、スロットルロッドB1に押し戻され、バルブB2
を閉じる。通常、リリースバルブV3のソレノイドは励磁
状態にあり、ベントバルブV2と負圧アクチュエータACの
負圧室A1とが連通状態となっている。 コントロールバルブV1及びベントバルブV2はその制御
が電子制御回路CPUによってデューティ比制御される。
即ち、定速走行制御時には、電子制御回路CPU内で記憶
車速とその時の車速とが比較され、その差が等しくなる
ように、前記コントロールバルブV1及びベントバルブV2
のソレノイドを励磁する信号のデューティ比を決定す
る。例えば、減速が必要な場合にはデューティ比は小さ
くなり、ベントバルブV2から大気を負圧アクチュエータ
ACに連通させる時間の割合を大きくして、ダイアフラム
A4によってスロットルバルブSVを閉じる。逆に、加速が
必要なときはデューティ比を大きくし、負圧アクチュエ
ータACによりスロットルバルブSVを開ける。 次に、電子制御回路CPUのマイクロコンピュータの動
作を第2図から第12図のフローチャートを用いて説明す
る。 電源スイッチSW1がオンとなり、本プログラムがスタ
ートすると、ステップ1でメモリを初期設定する。この
とき、制御状態分岐プログラムの制御状態S=0の『待
機状態制御フロー』を設定する。ステップ2で各スイッ
チSW2〜SW7の状態を読み込む。 ステップ3は制御状態Sを判断して、それに応じた処
理機能の選択を行う分岐ステップである。即ち、このプ
ログラムが各制御状態に対応して分岐し、その分岐され
たプログラムに従って機能するようにプログラミングさ
れているから、各機能毎に制御状態Sを指示して、各制
御状態のフローの処理に入る。 本プログラムがスタートしたときには、ステップ1で
制御状態S=0に設定されているから、ステップ3でS
=0の『待機状態制御フロー』に入る。 制御状態S=0;『待機状態制御フロー』 このフローでは、リジュームスイッチSW5の操作状態
を検出し、制御系をキャンセル状態とする。 このフローに入ると、まず、ステップ01で全バルブ、
即ち、コントロールバルブV1及びベントバルブV2、リリ
ースバルブV3をオフ状態とし、負圧アクチュエータACの
制御を停止して、定速走行制御の停止を行う。そして、
ステップ02でリジュームスイッチSW5の操作状態を検出
する。オンされているときにはステップ03で記憶車速を
みて、記憶車速Okm/h(クリア状態)でないとき、ステ
ップ04で制御状態S=1の『フルオン制御フロー』を設
定し、更に、ステップ05でバキュームポンプBPを作動状
態とするバキュームポンプフラグを立てる(“H"とす
る)。即ち、制御状態S=1の『フルオン制御フロー』
に入る準備を行う。 また、リジュームスイッチSW5がオンされていないと
き、或いは、記憶車速が0km/h(クリア状態)のとき
は、リジューム機能を否定することであるから、制御状
態S=0を変化させない。 制御状態S=1;『フルオン制御フロー』 このフローは、負圧アクチュエータACを素早く所定の
位置まで駆動するために、見込制御を行うものである。
即ち、後述するように、制御状態S=4の『減速制御フ
ロー』では、コントロールバルブV1がオフとなってお
り、負圧アクチュエータACの負圧室A1内の圧力が低下し
ている。また、『待機制御フロー』では本定速走行制御
に入った時点、或いは、後述の『キャンセル制御フロ
ー』の後であり、負圧アクチュエータACの負圧室A1内の
負圧と設定速度とが一致していない。したがって、この
まま定速走行制御を再開して、コントロールバルブV1を
デューティ比制御しても、直ちには、所定のスロットル
開度に達することができない。そこで、ステップ11で、
このフローに初めて入ったか判断して、初めて入ったと
き、ステップ12で全バルブV1、V2、V3をオンにして、ス
テップ13で予め車速に比例して長くするように定めたフ
ルオン制御時間を設定する。ステップ11でこのフローに
入ってフルオン制御時間を設定した後のときには、ステ
ップ14で設定したフルオン制御時間の経過をみる。フル
オン制御時間を経過すると、まず、ステップ15で、コン
トロールバルブV1をオフとし、ステップ16で制御状態S
=2を設定し、『定速制御フロー』に入る。 制御状態S=2;『定速制御フロー』 このフローは、記憶された車速で定速走行を行うため
のフローである。 ステップ201で車速の測定タイミングの到来か判断し
て車速測定タイミングの時、ステップ202で車速を測定
する。そして、ステップ203で負圧アクチュエータをデ
ューティ比制御するデューティ比の立ち上がりタイミン
グを判断する。デューティ比制御の立ち上がりタイミン
グを判断すると、ステップ206で車速計算を行う。車速
計算はステップ202で車速を測定した値、即ち、車速セ
ンサの値の読み込みに基づいて算出する。また、ステッ
プ207で加速度を計算する。ステップ208で前記ステップ
206の車速計算及びステップ207の加速度計算に基づき仮
想車速計算を行う。前記仮想車速計算は次のように現さ
れる。 Vi=V+a・Kt 但し、 Viは仮想車速、 Vは車速計算の算出による車速、 aは加速度計算の算出による加速度、 Ktは補償時間、 である。 なお、前記補償時間Ktは車速測定タイミングと負圧ア
クチュエータをデューティ比制御する出力との時間遅れ
により設定するものである。 そして、ステップ209で前記仮想車速Viと定速走行制
御する記憶車速MvからコントロールバルブV1またはベン
トバルブV2のバルブオン時間V ONを計算する。即ち、コ
ントロールバルブV1またはベントバルブV2を開閉するデ
ューティ比を決定する。このとき、バルブオン時間V ON
は、記憶車速Mvから仮想車速Viを減算して車速偏差Vdを
求め、その車速偏差Vdに比例定数Gを乗算して得る。な
お、前記比例定数Gは、車速偏差Vdと負圧アクチュエー
タで制御されたスロットルバルブSVの開閉による加減速
量との関係を附与したものである。ステップ210でバル
ブオン時間V ONが所定の値T set1以下か判断して、バル
ブオン時間V ONが所定の値T set1より大きいとき、即
ち、前記所定の値T set1を不感帯に設定しておけば、バ
ルブオン時間V ONが不感帯よりも大きいとき、ステップ
214でバルブオン時間積分用メモリをクリアし、ステッ
プ216でそれを出力する。 ステップ210でバルブオン時間V ONが所定の値T set1
以下のとき、即ち、前記所定の値T set1を不感帯域に設
定した場合には、バルブオン時間V ONが不感帯以下のと
き、ステップ211でバルブオン時間積分用メモリに出力
時間を加算する。そして、ステップ212でバルブオン時
間積分用メモリが任意の値T set2以上か判断して、バル
ブオン時間V ONが所定の値T set2より小さいとき、ステ
ップ215でバルブオン時間V ONをゼロに設定し、ステッ
プ216でバルブをデューティ比制御するバルブオンの出
力時間をゼロとする。ステップ212でバルブオン時間積
分用メモリが任意の値T set2以上のとき、ステップ213
でバルブオン時間V ONを任意の値T set2に設定し、ステ
ップ216でバルブをデューティ比制御するバルブオンの
出力時間を任意の値T set2とする。そして、ステップ21
4でバルブオン時間積分用メモリをクリアする。 そして、ステップ203で負圧アクチュエータをデュー
ティ比制御するデューティ比の立ち上がりタイミングで
ないとき、ステップ204でデューティ比制御するバルブ
オン時間V ONがゼロか判断して、バルブオン時間V ONが
ゼロのとき、ステップ205でコントロールバルブV1及び
ベントバルブV2をオフとする。また、ステップ204でデ
ューティ比制御するバルブオン時間V ONがゼロでないと
き、ステップ216のコントロールバルブV1及びベントバ
ルブV2のオンを継続する。 このとき、前記バルブオン時間積分用メモリが任意の
値T set2以上か判断する任意の値T set2を、不感帯より
も大きい値に設定しておけば、車速偏差Vdが小さくて
も、車速がハンチングを起すことがない。 ステップ217でリジュームスイッチSW5が所定時間(こ
こでは、0.5秒)以上オンされると、ステップ218で制御
状態S=3の『加速制御フロー』を設定する。 そして、ステップ219で現車速が記憶車速より20km/h
以上減速されされた状態であるか判断し、現車速が記憶
車速より20km/h以上減速されているとき、ステップ220
で制御状態S=5の『キャンセル制御フロー』を設定す
る。更に、ステップ221でキャンセル保持フラグを立て
る(“H"とする)。または、ステップ222で現車速を検
出するリードスイッチSW2及び永久磁石PMからなる速度
検出センサ等の車速検出手段の出力から加速度を検出
し、減速されたときの加速度、即ち、加速度が所定の負
の加速度−3.0km/h/s以下に急激に減速されているか判
断し、加速度が所定の負の加速度−3.0km/h/s以下に急
激に減速されているとき、ステップ220で制御状態S=
5の『キャンセル制御フロー』を設定する。更に、ステ
ップ221でキャンセル保持フラグを立てる(“H"とす
る)。 更に、ステップ223でセットスイッチSW4がオンとなる
と、ステップ224で制御状態S=4の『減速制御フロ
ー』を設定する。ステップ225でクラッチスイッチSW3が
オンのとき、ステップ226で制御状態S=1またはS=
2であるかを判断する。即ち、クラッチスイッチSW3に
リジューム機能を持たせているから、『加速制御フロ
ー』または『減速制御フロー』のいずれから、このフロ
ーに入ったかを判断し、両フローのいずれかからこのフ
ローに入ったときは、ステップ227で制御状態S=6の
『クラッチリジューム制御フロー』が設定され、そうで
ないとき、ステップ228でクラッチスイッチSW3のオンに
ともなうキャンセル機能の制御状態S=5の『キャンセ
ル制御フロー』が設定される。ステップ229でブレーキ
スイッチSW6がオンとなると、ステップ230で制御状態S
=5の『キャンセル制御フロー』が設定される。ステッ
プ231及びステップ232で、低速リミットを判断し、仮想
車速Viが所定の制御車速以下であると、制御状態S=7
を設定し、定速走行制御を禁止する。そして、ステップ
233で『バキュームポンプ制御サブルーチン』の処理に
入る。 制御状態S=3;『加速制御フロー』 このフローは、車輌の定速走行制御中に加速して、定
速走行速度を更新するためのフローである。まず、ステ
ップ31で全バルブ、即ち、コントロールバルブV1及びベ
ントバルブV2、リリースバルブV3をオンとし、負圧アク
チュエータACの負圧室A1の負圧を上げ、スロットルバル
ブSVを開き、ステップ32でリジュームスイッチSW5がオ
フされるまで加速される。リジュームスイッチSW5がオ
フされると、ステップ33で制御状態S=2の『定速制御
フロー』を設定し、そのときの車速をステップ34でメモ
リに記憶する。 制御状態S=4;『減速制御フロー』 このフローは定速走行制御中に制御車速を減速し、定
速走行制御を再開するためのフローであり、定速走行制
御中にセットスイッチSW4がオンされると制御状態S=
4となって、この『減速制御フロー』に入る。ステップ
41でキャンセル機能を有するクラッチスイッチSW3また
はブレーキスイッチSW6のいずれかのスイッチがオンで
あるか判断し、いずれか一つでもオンのとき、ステップ
42で全バルブV1、V2、V3をオフとして、『減速制御フロ
ー』に入ってからの定速走行制御の停止を行う。ステッ
プ41でクラッチスイッチSW3またはブレーキスイッチSW6
のいずれのスイッチもオンされていないとき、ステップ
43でコントロールバルブV1及びベントバルブV2をオフ、
リリースバルブV3をオンとする。このように、負圧アク
チュエータACの負圧供給を断つと、徐々にスロットルバ
ルブSVが閉じて行き、車速が漸次減ずることになる。ス
テップ44でセットスイッチSW4のオフを検出して、ステ
ップ45でセットスイッチSW4がオフになった時点の車速
を記憶する。そして、ステップ46で再び、キャンセル機
能を有するクラッチスイッチSW3またはブレーキスイッ
チSW6のいずれかがオンとなって、定速走行制御から脱
しない限り、ステップ48で制御状態S=1を設定し、
『フルオン制御フロー』に入る。即ち、減速制御はセッ
トスイッチSW4がオンされている間継続し、セットスイ
ッチSW4がオフとなった時点での車速で定速走行を再開
する。ステップ46でクラッチスイッチSW3またはブレー
キスイッチSW6のいずれかがオンとなると、スイッチ47
で制御状態S=5を設定し、『キャンセル制御フロー』
に入る。そして、ステップ44でセットスイッチSW4がオ
ンであると、ステップ49でバキュームポンプフラグを立
てる(“H"とする)。 制御状態S=5;『キャンセル制御フロー』 このフローはキャンセル保持フラグが立っていると
き、現車速が記憶車速より20km/h以上減速されたか、ま
たは、加速度が所定の負の加速度−3.0km/h/s以下に急
激に減速されたことによってこのルーチンをコールした
ものであるから、クラッチスイッチSW3またはブレーキ
スイッチSW6の踏み込みによるキャンセル操作信号が入
力されるまでそのキャンセル状態を継続し、制御状態S
=2の『定速制御フロー』の処理中にクラッチスイッチ
SW3またはブレーキスイッチSW6がオンとなると定速走行
制御をキャンセルするものである。 ステップ51でキャンセル保持フラグが立っている
(“H")か判断して、キャンセル保持フラグが立ってい
るとき、ステップ52でクラッチスイッチSW3またはブレ
ーキスイッチSW6の踏み込みによってオンとなり、キャ
ンセル操作信号が発生しているか判断する。キャンセル
操作信号が発生しているとき、キャンセル保持フラグが
不要となるから、ステップ53でキャンセル保持フラグを
降ろし(“L"とし)、ステップ56で全バルブV1、V2、V3
をオフ状態とする。 また、ステップ51でキャンセル保持フラグが降りてい
る(“L"の)とき、現車速が記憶車速より20km/h以上減
速され、または、加速度が所定の負の加速度−3.0km/h/
s以下に急激に減速された場合のキャンセルと異なるこ
とであるから、ステップ54でキャンセル機能を有するク
ラッチスイッチSW3またはブレーキスイッチSW6の動作を
確認して、クラッチスイッチSW3或いはブレーキスイッ
チSW6がオンのときには、制御状態を設定することな
く、ステップ56で全バルブV1、V2、V3をオフ状態とす
る。または、クラッチスイッチSW3またはブレーキスイ
ッチSW6がオフとなると、ステップ55で制御状態S=0
の『待機状態制御フロー』が選択される。 制御状態S=6;『クラッチリジューム制御フロー』 このフローは、制御状態S=2の『定速制御フロー』
の処理中に、クラッチスイッチSW3がオンとなり、一
旦、定速走行制御をキャンセルして、再び、定速走行制
御に入るためのフローである。まず、ステップ61で全バ
ルブV1、V2、V3をオフ状態とし、ステップ62でクラッチ
スイッチSW3がオフとなったことが判断されると、ステ
ップ63で制御状態S=1の『フルオン制御フロー』に入
る。 制御状態S=7;『低速リミット制御フロー』 このフローは、ステップ231及びステップ232で車速が
所定の速度よりも低い場合にキャンセル及び記憶速度を
クリアするものである。ステップ71で記憶車速Mvをクリ
アし、ステップ72で全バルブV1、V2、V3をオフとし、ス
テップ73で制御状態S=0の『待機状態制御フロー』に
入る。 以上が各制御状態フローの説明である。 なお、バキュームポンプBPを駆動してサージタンクST
に所定の負圧を蓄積保持させる『バキュームポンプ制御
サブルーチン』は、本発明の要旨に直接関係しないの
で、その説明を省略する。 上記のように、本発明の定速走行装置では、定速走行
時にリードスイッチSW2のパルスから仮想車速Viを得
て、定速走行する記憶車速MvからコントロールバルブV1
及びベントバルブV2を開閉するバルブオン時間V ONのデ
ューティ比を決定し、負圧アクチュエータACを制御する
ことによって定速走行制御を行なっている。 この定速走行制御は、キャンセル機能を有するクラッ
チスイッチSW3またはブレーキスイッチSW6のいずれかの
スイッチがオンとなり、電子制御回路CPUにキャンセル
操作信号が入力されると、この定速走行制御をキャンセ
ルすることができる。 また、クラッチスイッチSW3及びブレーキスイッチSW6
のいずれのスイッチからも、電子制御回路CPUにキャン
セル操作信号が入力されなくても、定速走行制御中に20
km/h以上に車速偏差が大きくなったとき、或いは、所定
以上の負の加速度、即ち、−3.0km/h/s以下の急激な減
速が検出されると、その定速走行制御を停止させ、その
停止を行なった信号種別がフラグに記憶されることによ
り、その後、クラッチスイッチSW3またはブレーキスイ
ッチSW6によるキャンセル操作信号が入力されフラグに
記憶された記憶が消去されるまで、そのキャンセル状態
を継続するものである。 したがって、クラッチスイッチSW3及びブレーキスイ
ッチSW6のいずれのスイッチからも電子制御回路CPUにキ
ャンセル操作信号が入力されないような事態が生じて
も、或いは、定速走行制御中に20km/h以上に車速偏差が
大きくならなくても、所定以上の負の加速度、即ち、−
3.0km/h/s以下の急激な減速が検出されると定速走行制
御をキャンセルすることができ、しかも、そのキャンセ
ル状態を維持することができるから、運転者がクラッチ
スイッチSW3及びブレーキスイッチSW6の電気系統の異常
を知らないままに、再度定速走行に入ることを避けるこ
とができ、フェールセーフ制御を行なうことができる。 上記実施例の定速走行装置では、現在の走行車速を検
出するリードスイッチSW2及び永久磁石PMからなる速度
検出センサ等の車速検出手段と、定速走行する走行車速
を記憶する電子制御回路を構成するマイクロコンピュー
タの内蔵するメモリ等からなる記憶手段と、スロットル
バルブSVの開閉の制御を行う負圧アクチュエータAC等か
らなるアクチュエータ手段と、前記記憶車速と現在の車
速に基ずく車速偏差によって、その車速偏差をなくする
方向に前記アクチュエータ手段を制御するマイクロコン
ピュータ等からなる電子制御回路CPUを具備する定速走
行装置において、定速走行制御中に所定以上の負の加速
度が検出されたとき、その定速走行制御を停止させ、そ
の後、クラッチスイッチSW3またはブレーキスイッチSW6
からキャンセル操作信号が入力されるまでそのキャンセ
ル状態を継続するものである。 したがって、クラッチスイッチSW3及びブレーキスイ
ッチSW6等からキャンセル操作信号が入力されないよう
な事態が生じても、或いは、定速走行制御中に所定以上
に車速偏差が大きくならない事態が生じても、所定以上
の負の加速度が検出されると定速走行制御をキャンセル
することができる。しかも、そのキャンセル状態を維持
することができるから、運転者が電気系統の異常を知ら
ないままに、再度定速走行に入ることを避けることがで
きる。 また、所定以上の負の加速度が検出されると定速走行
制御をキャンセルすることができ、譬え、フルオン制
御、加速制御状態下の制御であってもフェールセーフ制
御を行なうことができる。 ところで、上記実施例の定速走行装置では、定速走行
制御中に所定以上の負の加速度が検出されたとき、その
定速走行制御を停止させ、その後、クラッチスイッチSW
3またはブレーキスイッチSW6からキャンセル操作信号が
入力されるまでそのキャンセル状態を継続するものであ
り、定速走行制御中に所定以上の負の加速度を検出する
手段として、現在の走行車速を検出するリードスイッチ
SW2及び永久磁石PMからなる速度検出センサ等の車速検
出手段の出力で、その加速度を判断しているが、本発明
を実施する場合には、他の加速度センサを設置して、そ
の加速度センサの動作を判断することによって行なって
もよい。 また、定速走行制御中に所定以上の負の加速度が検出
されたときの判断は、加速度が所定の変化パターンとな
ったときとすることができる。或いは加速度の微分値が
負の所定値以下になったときとすることができる。 そして、キャンセル操作信号が入力されるまでそのキ
ャンセル状態を継続する手段として、マイクロコンピュ
ータ等からなる電子制御回路CPUで構成したものである
が、本発明を実施する場合にはマイクロコンピュータを
構成するメモリを使用してもよいし、或いは外付けのフ
リップフロップ等に記憶させてもよい。 なお、本発明の実施例の定速走行装置では、記憶車速
Mvと仮想車速Viとを比較し、その車速差をなくす方向に
アクチュエータ手段を制御する電子制御手段は、シング
ルチップマイクロコンピュータ等の電子制御回路CPUに
よって構成したが、本発明を実施する場合は、前記シン
グルチップマイクロコンピュータに限定されるものでは
ない。 また、上記実施例では、車速偏差を算出する手段とし
て、定速走行の走行速度を設定された記憶車速と仮想車
速とを比較しているが、前記仮想車速とは、比較時の現
車速の検出がその信号処理時間の遅れから実質的に困難
であるから、信号処理の遅れを勘案して算出したものを
使用している。しかし、本発明を実施する場合は、検出
時点の車速を用いてもよい。この場合も実際の車速とは
一致しないから仮想速度となる。或いは、車速偏差を算
出する手段として、定速走行の走行速度を設定された記
憶車速と現在の車速とを比較して車速偏差を算出しても
よい。 [発明の効果] 以上のように、本発明の定速走行装置は、現在の走行
車速を検出する車速検出手段と、車輌の負の加速度を検
出する手段と、定速走行する走行車速を記憶する記憶手
段と、スロットルバルブの開閉の制御を行うアクチュエ
ータ手段と、前記記憶車速と現在の車速に基ずく車速偏
差によって、その車速偏差をなくす方向に前記アクチュ
エータ手段を制御する電子制御回路を具備し、定速走行
制御中に所定以上の負の加速度が検出されたとき、その
定速走行制御を停止させ、その後、キャンセル操作信号
が入力されるまでそのキャンセル状態を継続し、キャン
セル操作信号が入力されたときのみ、再度、定速走行制
御を可能とするものである。 したがって、キャンセル操作信号が入力されないよう
な事態が生じても、或いは、定速走行制御中に所定以上
に車速偏差が大きくならない事態が生じても、所定以上
の負の加速度が検出されると定速走行制御をキャンセル
することができ、実際の走行状態に対応した制御が可能
となる。しかも、その解除状態を維持することができる
から、運転者が電気系統の異常を知らないままに、再度
定速走行に入ることを避けることができ、譬え、フルオ
ン制御、加速制御状態下の制御であってもフェールセー
フ制御を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の定速走行装置の全体構成
図、第2図から第12図は電子制御回路の定速走行制御動
作のフローチャートである。 図において、 BP……バキュームポンプ、SV……スロットルバルブ、AC
……負圧アクチュエータ、ST……サージタンク、CPU…
…電子制御回路、V1……コントロールバルブ、V2……ベ
ントバルブ、V3……リリースバルブ、 である。 なお、図中、同一符号及び同一記号は、同一または相当
部分を示す。
図、第2図から第12図は電子制御回路の定速走行制御動
作のフローチャートである。 図において、 BP……バキュームポンプ、SV……スロットルバルブ、AC
……負圧アクチュエータ、ST……サージタンク、CPU…
…電子制御回路、V1……コントロールバルブ、V2……ベ
ントバルブ、V3……リリースバルブ、 である。 なお、図中、同一符号及び同一記号は、同一または相当
部分を示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名)
B60K 31/00
F02D 29/02 301
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.現在の走行車速を検出する車速検出手段と、定速走
行する走行車速を記憶する記憶手段と、スロットルバル
ブの開閉の制御を行うアクチュエータ手段と、前記記憶
車速と現在の車速に基ずく車速偏差によって、その車速
偏差をなくす方向に前記アクチュエータ手段を制御する
電子制御回路を具備する定速走行装置において、 車輌の負の加速度を検出する手段を設け、前記負の加速
度を検出する手段によって、定速走行制御中に所定以上
の負の加速度が検出されたとき、その定速走行制御をキ
ャンセルさせ、その後、キャンセル操作信号が入力され
るまでそのキャンセル状態を継続し、キャンセル操作信
号が入力されたときのみ、再度、定速走行制御を可能と
することを特徴とする定速走行装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62291147A JP2853122B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 定速走行装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62291147A JP2853122B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 定速走行装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01132430A JPH01132430A (ja) | 1989-05-24 |
JP2853122B2 true JP2853122B2 (ja) | 1999-02-03 |
Family
ID=17765051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62291147A Expired - Fee Related JP2853122B2 (ja) | 1987-11-18 | 1987-11-18 | 定速走行装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2853122B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6288635U (ja) * | 1985-11-26 | 1987-06-06 |
-
1987
- 1987-11-18 JP JP62291147A patent/JP2853122B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01132430A (ja) | 1989-05-24 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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