JP2852429B2 - モルタル充填調整のし瓦 - Google Patents

モルタル充填調整のし瓦

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JP2852429B2 JP63305009A JP30500988A JP2852429B2 JP 2852429 B2 JP2852429 B2 JP 2852429B2 JP 63305009 A JP63305009 A JP 63305009A JP 30500988 A JP30500988 A JP 30500988A JP 2852429 B2 JP2852429 B2 JP 2852429B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、モルタルまたはシックイ充填によって各
のし瓦の位置・姿勢・幅の調整が容易正確になるととも
に、掛止構造をもって連結固定されて、耐震耐風性能が
強化されるのし瓦および棟構造に関する。
[従来の技術] のし瓦の積載による瓦棟構築に当っては、特に粘土瓦
の場合歪みがあるため、一般にはのし瓦間に粘土・シッ
クイ等を敷いて位置・姿勢の調整を行うが、ここでモル
タルを使用してのし瓦の中間部分に充填保留しやすく
し、同時にのし瓦の連結固定にも有効に利用するためい
くつかの考案等がなされている。
本発明に先行する従来技術1は、実願昭63年第25513
号(実開平1年第129417号)「モルタル充填掛止のし
瓦」によるもので、この実施例2は第20,21図に示す割
のし瓦5Fおよびこれを分割した半のし瓦5Jのように、連
設方向の端部下縁に突条12を有する切欠部11を形成し、
表中央に突堤囲13によって形成された凹部14を設け、該
凹部14の棟心に沿い中央方向に向かう掛止突起16を有す
るのし瓦である。
従来技術2−1は、実願昭63年第99658号(実開平2
年第21217号)「モルタル連結調整のし瓦」の実施例1
によるもので、第22図に示す割のし瓦6Fのように連設端
に掛止突起16を有する端凹部17を、中央に掛止突起19を
有する中間凹部18を、それぞれこの瓦を分割してもその
両片に残る位置に設けるものである。この瓦を分割した
半のし瓦6Jを重ねた状態を第23図に、またこれと基本的
に同形の片のし瓦6Gを第24図に、それぞれ示す。
従来技術2−2は、上記出願の実施例2によるもの
で、第25図に示す割のし瓦Fのように、連設端には上記
と同様に掛止突起16と端凹部17を設け、中央には掛止突
起21を有する中間孔部20を形成するものである。この瓦
を分割した半のし瓦7Jを重ねた状態を第26図に、またこ
れと基本的に同形の片のし瓦7Gを第27図にそれぞれ示
す。
これらによる棟瓦の積層構成を第28図に示すが、中間
孔部20の上段のし瓦の端凹部17が重ね合わされ、ここに
モルタル27が充填されて連設のし瓦間および上下段のし
瓦間が連結されるものである。
この構成は、まず棟列にモルタル27で棟台Mを構設し
て、その側面をシックイ26で塗布仕上げし、この上に片
のし瓦7Gさらに半のし瓦7J等を各段ごとにモルタルを充
填しながら任意段数積載し、最頂部に冠瓦Kを載置する
が、一方あらかじめ棟木24に達する釘25に緊結線28を結
着しておき、これを頂部の分割しないままの割のし瓦7F
と冠瓦Kの通孔23に通して最頂部で締結するものであ
る。
[発明が解決しようとする課題] 従来技術1の課題は、上下段のし瓦間の連結のために
は充填モルタルが貫通している方が望ましく、中間の凹
部14はこの点でやや不適当であることであり、また一方
連設端の切欠部11は利用に値するものである。
従来技術2−1および2−2の課題は、強いていえば
端凹部17の掛止突起16は連設のし瓦間の連結機能上有効
ではあるが、モルタル充填にやや注意を要することであ
る。
この発明は、上記のような欠点を除いて、より合理的
な構造により各のし瓦の位置・姿勢および棟幅の調整作
業の簡易化・正確化、さらに各瓦間のモルタル連結強化
をなし、棟構造の耐震安定性・耐久性向上をはかること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 課題解決手段の第1は、瓦本体の連設方向の両端の棟
心から対称となる位置に端切欠部1を設け、中央域に中
間孔部3とその中のほぼ棟心位置に中央方向に向かう掛
止突起4を突設するモルタル充填調整のし瓦である。ま
たさらに、該端切込部1の裏縁に端突起2を設けること
が望ましい。
手段第2は、上記第1手段の中間孔部3内の掛止突起
4の両側に中間凹部5を形成し、中央部分に中間孔部6
を形成させるモルタル充填調整のし瓦である。
手段第3は上記手段第1または第2ののし瓦の、端切
欠部1の切込部分の位置に底部を閉塞した形の端凹部7
を設けるモルタル充填調整のし瓦である。
手段第4は、のし瓦の連設方向の両端側面の棟心から
対称の位置に止水切欠部8を形成するモルタル充填調整
のし瓦である。この止水切欠部8は、連設のし瓦間で両
側を合わせた空隙部を形成する。この措置は単独でも実
施して有効であるし、上記第1または第2もしくは第3
の手段の構成に組み合わせて実施してもよいものであ
る。
また一般に、のし瓦の中で量的に主体を占めるのは割
のし瓦であり、これは棟心線より分割することを前提に
つくられるもので、諸々の部分構造も当然分割された半
のし瓦の何れにも残留するように組み込むのが常例であ
る。従って、この発明もこれを前提に一々断ることな
く、後段の実施例の図面に基づき説明する。
[作用] この発明の作用は、次のとおりである。
1)のし瓦を積載したとき、中間孔部または中間凹部に
端切欠部が納まって孔部を形成し、上下も連通となり、
モルタル充填も容易になる。
2)上下段のし瓦間および対峙のし瓦間のモルタル連結
が、端切欠部の端突起と端中央部および中間凹部または
中間孔部の掛止突起により掛止される。
3)のし瓦の連設端部の縁に沿って強風に伴われて侵入
する雨水は、止水切欠部の突き合わされた空隙部分で減
速され、落下して棟外側に誘導流出される。
4)掛止突条と裏縁凹部が互いに嵌合して係止される。
[実施例] 発明の実施例1は、第1,2,3図に示す割のし瓦Fのよ
うに、連設端の棟心から対称となる位置に端切欠部1を
各1対形成し、中央部には中間孔部3を形成し、その中
に棟心線に沿って中央方向に向かう掛止突起4を突設す
るものである。この実施例には、さらに望ましい形とし
て端切欠部1に面する下端に端突起2を設けたものをも
って示す。
こののし瓦を分割した半のし瓦Jの積み重ねた状態を
第4図に示し、この半のし瓦Jと基本的に同じ構造の片
のし瓦Gの例を図5に示す。この2個の端切欠部1の中
間となる端中央部22は掛止部の役割を果たすことにもな
る。
これらののし瓦による棟瓦積層構成は、基本的に後述
の実施例2と同様であるのでここでは省略し、実施例2
において説明する。
実施例2は、第6,7図に示す割のし瓦2Fのように、端
切欠部1と端突起2を実施例1と同様に設け、中央域で
は実施例1の中間孔部3内の掛止突起1の両側に底部を
閉塞した形の中間凹部5を形成し、中央部分を孔部のま
まの中間孔部6として、棟心位置に中央方向に向かう掛
止突起4を設けておくものである。
この割のし瓦2Fを分割した半のし瓦2Jを重ねた状態を
第8図に示し、これと基本的に同じ構造の片のし瓦2Gを
第9図に示す。
これらののし瓦を用いた棟瓦構成は、第10図に示すよ
うに、まず棟列沿いに桟瓦Sを配置しその上および列間
にモルタル27を載置して棟台Mを構設し、その側面をシ
ックイ26により塗布仕上げして、この上に片のし瓦2Gを
載置しモルタル27により幅・位置・姿勢等の調整ならび
に連設のし瓦間の接合固定を行なう。
さらにその上に、割のし瓦2Fを分割した半のし瓦2Jを
載置して、同様にモルタル27により調整・接合固定を行
ないこれを任意段数繰り返して、最上部に分割しない割
のし瓦2Fとさらに冠瓦Kを載置する。なお、冠瓦Kの固
定は、緊結線28を1段ないし2段下方の半のし瓦2Jに穿
孔してある通孔23に通しておき、これを冠瓦K通孔23に
通して最頂部で緊締することによって行なう。
実施例3は、第11,12図に示す割のし瓦3Fのように、
中央域には実施例1と同様に中間凹部5、中間孔部6、
掛止突起をそれぞれ設けて、連設端には実施例1または
実施例2の端切欠部1に代わって端凹部7形成してもの
を基準として、さらに連設端の側面に止水切欠部8に設
けたものである。この止水切欠部8は、連設のし瓦間で
突き合わされて大きい空隙部が形成され、連設隙間から
の雨水侵入防止が効果的に行われるものであり、特に葺
き施工に粘土を使用しないのし瓦の場合、雨水侵入防止
をより慎重に行なう必要のあること考慮した措置であ
る。
この割のし瓦3Fを分割した半のし瓦3Jを重ねた状態を
第13図に示し、これと基本的に同じ構造の片のし瓦3Gを
第14図に示す。これらののし瓦を用いた棟瓦構成もま
た、基本的に実施例2と同様であるので図示説明を省略
する。
実施例4は、第15,16図に示す割のし瓦4Fのように、
実施例1と同様に端切欠部1と端突起2および中間部孔
部3と掛止突起4をそれぞれ形成したものを基準とし
て、さらに連設端の下縁には1対ないし複数対の裏縁凹
部9を形成し、表側には1対の連続もしくは部分的の掛
止突条10を突設するもので、これらは積載したとき互い
に嵌合するものである。この割のし瓦4Fを分割した半の
し瓦4Jを第17図に、同片のし瓦4Gを第18図に示す。これ
らののし瓦による棟瓦構成例は第19図に示す通りで、下
段のし瓦の掛止突条10と上段のし瓦の裏面凹部9が互い
に嵌合掛止されるほか、実施例2と基本的に同様であ
る。
なお、以上はこの発明の代表的実施例を示したもの
で、これらの要部の構造を適宜組み合わせ、また棟台構
成を適宜変えてもよい訳である。
[発明の効果] この発明を列記すると次の通りである。
1)のし瓦の位置・棟幅・姿勢等の調整作業が容易かつ
迅速正確にでき、従って仕上がりもきれいで耐久性も向
上する。
2)連結が極めて強固になり、耐震耐風性が強化され、
耐久性が向上する。
3)突き合わされた止水切欠部で雨水侵入が防止され、
棟部の耐久性が向上する。
4)上下段のし瓦間の組み合わせが容易になり、また安
定する。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の表斜視図、第2図は実施例1の要部
a−a断面図、第3図は実施例1の要部b−b断面図、
第4図は実施例1の分割重ね斜視図、第5図は実施例1
の片のし瓦の表斜視図、第6図は実施例2の表斜視図、
第7図は実施例2の要部c−c断面図、第8図は実施例
2の分割重ね斜視図、第9図は実施例2の片のし瓦の表
斜視図、第10図は実施例2の積層棟断面図、第11図は実
施例3の表斜視図、第12図は実施例3の要部d−d断面
図、第13図は実施例3の分割重ね斜視図、第14図は実施
例3の片のし瓦の表斜視図、第15図は実施例4の表斜視
図、第16図は実施例4の要部e−e断面図、第17図は実
施例4の分割重ね斜視図、第18図は実施例4の片のし瓦
の表斜視図、第19図は実施例4の積層棟断面図、第20図
は従来技術1の表斜視図、第21図は従来技術1の分割重
ね斜視図、第22図は従来技術2−1の表斜視図、第23図
は従来技術2−1の分割重ね斜視図、第24図は従来技術
2−1の片のし瓦の表斜視図、第25図は従来技術2−2
の表斜視図、第26図は従来技術2−2の分割重ね斜視
図、第27図は従来技術2−2の片のし瓦の表斜視図、第
28図は従来技術2−2の積層棟断面図である。 (主要部分の符号の説明) F,2F,3F,4F,5F,6F,7F:割のし瓦、G,2G,3G,4G,6G,7G:片
のし瓦、J.2J,3J,4J,5J,6J,7J:半のし瓦、K:冠瓦、M:棟
台、S:桟瓦、1:端切欠部、2:端突起、3:中間孔部、4:掛
止突起、5:中間凹部、6:中間孔部、7:端凹部、8:止水切
欠部(端)、9:裏縁凹部、10:掛止突条(表)、11:切欠
部(端)、12:突条(下縁)、13:突堤囲、14:凹部、15:
掛止突起、16:掛止突起(端)、17:端凹部、18:中間凹
部、19:掛止突起(底)、20:中間孔部、21:掛止突起
(側)、22:端中央部、23:通孔、24:棟木、25:釘、26:
シックイ、27:モルタル、28:緊結線、

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】瓦本体の連設方向の両端の棟心から対称と
    なる位置に端切欠部(1)を設け、中央域に中間孔部
    (3)とその中のほぼ棟心位置に中央方向に向かう掛止
    突起(4)を突設してなるモルタル充填調整のし瓦。
  2. 【請求項2】請求項1記載の中間孔部(3)内の掛止突
    起(4)の両側に底部を閉塞した形の中間凹部(5)を
    形成し、中央部分に中間孔部(6)を形成してなるモル
    タル充填調整のし瓦。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2記載ののし瓦の、
    端切欠部(1)の切込部分の位置に底部を閉塞した形の
    端凹部(7)を設けてなるモルタル充填調整のし瓦。
  4. 【請求項4】瓦本体の連設方向の両端側面の棟心から対
    称の位置に止水切欠部(8)を形成してなるモルタル充
    填調整のし瓦。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2もしくは請求項3
    記載ののし瓦に、請求項4記載の止水切欠部(8)を形
    成してなるモルタル充填調整のし瓦。
JP63305009A 1988-11-30 1988-11-30 モルタル充填調整のし瓦 Expired - Lifetime JP2852429B2 (ja)

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