JP2852180B2 - 電波シールドボックス及びアンテナ校正方法 - Google Patents

電波シールドボックス及びアンテナ校正方法

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JP2852180B2
JP2852180B2 JP6052306A JP5230694A JP2852180B2 JP 2852180 B2 JP2852180 B2 JP 2852180B2 JP 6052306 A JP6052306 A JP 6052306A JP 5230694 A JP5230694 A JP 5230694A JP 2852180 B2 JP2852180 B2 JP 2852180B2
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radio
radio wave
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test antenna
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誠 藤井
正勝 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば携帯電話機等の無
線機の動作を試験するための電波シールドボックス及び
この電波シールドボックス内に取付けられた試験用アン
テナの校正を行うアンテナ校正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信サービス網が整備され
て、企業や個人に対しても自動車に搭載したり、又は持
ち歩く携帯電話機が普及している。
【0003】携帯電話機の普及に伴って、電話会社はこ
の携帯電話機の各加入者に対するアフターサービスの充
実が要求されている。
【0004】電話会社の営業所のサービス窓口に携帯電
話機の加入者が持込む苦情は「全く動作しない」といっ
た明らかに故障であると判断できる苦情と、「時々発信
ができない場合がある」、「通話が途中でとぎれる」、
「相手側の話が聞き取りにくい」等の使用場所や使用環
境や操作誤りや電池消耗等の、本当の故障か加入者の対
応に原因があるのかが不明である苦情も多々ある。
【0005】このような電波を送受信する無線機におけ
る電波の送受信性能を試験するためには、外部から妨害
電波が試験対象の無線機のアンテナに入射しないように
する必要がある。特に、試験対象の無線機が携帯電話機
の場合は、付近の基地局からこの試験対象の無線機で使
用されている周波数と同一周波数帯域の周波数を有する
電波が常時発信されているので、正確な送受信性能試験
を実施できない。
【0006】通常、このような試験は、試験対象の無線
機を電波シールドされた試験室で実施するようにしてい
る。この試験室内には試験対象の携帯電話機に対して電
波の送受信を行うための擬似基地局が設けられている。
【0007】この試験室内に設けられた擬似基地局の試
験用アンテナとしてダイポール型のアンテナを用いた場
合は、この試験用アンテナと試験対象の無線機のアンテ
ナとの間の距離を極度に短くすると、アンテナ相互間に
大きな相互インダクタンスが生じて、正確に無線機の送
受信性能を測定できない。よって、アンテナ相互間の距
離を一定値以上に設定する必要がある。
【0008】また、試験室が狭いと、各アンテナから放
射された各電波が試験室の内壁面で反射されて、相手側
のアナテナに入射される。その結果、各アンテナには直
接入射する直接電波と反射電波とが入射され、フェージ
ング現象が生じたり、受信感度が擬似的に上昇する問題
が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、無線機の
送受信性能をある程度正確に測定するためには、かなり
広い試験室が必要である。このような試験室を例えば電
話会社の営業所のサービス窓口近傍に設けることは実際
上不可能である。
【0010】したかって、従来においては、営業所のサ
ービス窓口の係員は客の苦情原因を即座に特定できない
場合は、この携帯電話機を上述した条件を備えた試験室
が設けらた製造会社のサービスセンターへ配送するよう
にしている。
【0011】そして、このサービスセンターにて、試験
を行い、異常箇所を特定して、修理工場で該当箇所を修
理する。修理が終了した携帯電話機は元のサービス窓口
に配送されて、客に返却される。
【0012】したがって、客にとっては、その場で持参
した携帯電話機が本当に故障しているのか取扱いが不適
当であるのかが判断できない問題がある。
【0013】また、営業所のサービス窓口においても、
即座に客に正確な情報を提供できないので、客に対する
サービスが低下する。
【0014】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、たとえ机上に設置できる程度の大きさであ
っても、試験対象の無線機のアンテナ特性を含む送受信
性能をある程度正確に測定できる電波シールドボックス
及びこの電波シールドボックスク内に取付けられる試験
用アンテナの校正方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、電波を反射す
る金属板で形成され、かつ内部の一方端近傍に試験用ア
ンテナが取付けられたケース内に、アンテナを有した無
線機を収納し、試験用アンテナを介して無線機との間で
信号の送受信を行うことによって、無線機の動作を試験
するための電波シールドボックスに適用される。
【0016】そして、上記課題を解消するために、本発
明においては、ケースの内面に電波吸収体を貼付け、か
つ試験用アンテナの共振周波数を無線機の使用周波数よ
り高い値に設定している。
【0017】また、請求項2の発明は、電波を反射する
金属板で形成され、かつ内部の一方端近傍に試験用アン
テナが取付けられたケース内に、アンテナを有し使用周
波数が互いに異なる複数種類の無線機をそれぞれ個別に
収納し、試験用アンテナを介して各無線機との間で信号
の送受信を行うことによって、各無線機の動作を試験す
るための電波シールドボックスに適用される。
【0018】そして、この発明においては、ケースの内
面における試験用アンテナの近傍部分に各使用周波数の
うち高い使用周波数の電波を吸収する第1の電波吸収体
を貼付け、ケースの内面における試験用アンテナから遠
方部分に各使用周波数のうち低い使用周波数の電波を吸
収する第2の電波吸収体を貼付けている。
【0019】請求項3の発明においては、上述した請求
項2の発明において、試験用アンテナの共振周波数を各
無線機の各使用周波数より高い値に設定している。
【0020】請求項4の発明においては、上述した構成
の各電波シールドボックスにおいて、ケース内に、この
ケース内に収納された無線機のアンテナが試験用アンテ
ナに対向するように、無線機を支持する無線機受け台を
設けている。
【0021】さらに、請求項5の発明は、電波を反射す
る金属板で形成され、かつ内部の一方端近傍に試験用ア
ンテナが取付けられたケース内に、アンテナを有した無
線機を収納し、試験用アンテナを介して前記無線機との
間で信号の送受信を行うことによって、無線機の動作を
試験するための電波シールドボックスにおける試験用ア
ンテナのゲインを校正するアンテナ校正方法に適用され
る。
【0022】そして、このアンテナ校正方法において
は、ケース内に既知伝播係数を有する校正用アンテナを
収納してこの校正用アンテナから基準電波を出力して、
試験用アンテナで基準電波を受信して試験用アンテナの
伝播係数を求め、この求めた伝播係数に基づいて試験用
アンテナのゲインを校正するようにしている。
【0023】
【作用】このように構成された請求項1の電波シールド
ホックスにおいては、電波を反射する金属板で形成され
たケースの内面に電波吸収体を貼付けている。したがっ
て、外部電波が電波シールドボックス内に侵入すること
が防止される。また、無線機のアンテナ又は試験用アン
テナから放射されてケースの内面に衝突した電波は電波
吸収体で吸収されて、理想的にはほとんど反射されな
い。したがって、実際にはたとえ小さなケースであって
も、このケースは無限空間と見なすことができ、反射電
波が相手側のアンテナに入射することはほとんどない。
【0024】また、試験用アンテナの共振周波数を無線
機の使用周波数より高い値に設定している。すなわち、
アンテナ相互間で互いに共振周波数が異なるために、試
験用アンテナが無線機のアンテナから見てハイインピー
ダンス状態となり、たとえアンテナ相互間の距離を短く
設定したとしても、両者間に大きな相互インダクタンス
が生じることが未然に防止され、本来のアンテナ間の送
受信性能判定の測定精度が低下することはない。
【0025】よって、試験性能を低下することなく、電
波シールドボックス全体を小型軽量に構成できる。
【0026】請求項2の発明においては、使用周波数が
互いに異なる複数種類の無線機に対する試験を可能にし
ている。一般に高い使用周波数のアンテナは短く、低い
使用周波数のアンテナは長い。試験用アンテナと無線機
のアンテナとの相対関係は使用周波数に関係なく一定に
維持されるので、高い使用周波数の無線機の短いアンテ
ナは試験用アンテナの近傍範囲に存在する。したがっ
て、試験用アンテナと無線機のアンテナで受信される電
波は試験用アンテナと無線機のアンテナのごく近傍の空
間を伝播する。よって、ケース内面の試験用アンテナの
近傍部分にこの高い使用周波数の電波を吸収する第1の
電波吸収体を貼付けることによって、この高い使用周波
数の電波の反射波を効率的に低減できる。
【0027】一方、低い使用周波数の無線機の長いアン
テナは試験用アンテナの近傍位置から比較的遠い位置ま
で広い範囲に存在する。よって、ケース内面の試験用ア
ンテナの遠方部分にこの低い使用周波数の電波を吸収す
る第2の電波吸収体を貼付けることによって、この低い
使用周波数の電波の反射波も効率的に低減できる。
【0028】このように、最大吸収効率が得られる周波
数が互いに異なる2種類の電波吸収体をそれぞれ所定の
領域に区別して貼付けることによって、一つの電波シー
ルドボックスで互いに使用周波数が異なる複数種類の無
線機の動作を試験できる。
【0029】また、請求項3においては、試験用アンテ
ナの共振周波数を各使用周波数より異なる値に設定して
いる。よって、前述したように各使用周波数とは異なる
周波数になるので、各無線機の各送受信性能の測定精度
が低下するのが防止されると共に、各使用周波数より高
い周波数に設定することによって、一つの試験用アンテ
ナでもって前記各使用周波数を含む広い周波数範囲をカ
バーすることができる。
【0030】請求項4の発明においては、無線機受け台
をケース内に取付けることによって、無線機のアンテナ
と試験用アンテナとの相対位置が変動しないようにし
て、無線機相互間における測定毎の偏差を含む測定値の
誤差を抑制している。
【0031】請求項5のアンテナ校正方法においては、
本発明の電波シールドボックスを用いて行った送受信性
能試験結果と、正規の試験室で行った無線機の送受信性
能試験結果とが一致するように、さらに、同一無線機に
対して複数の電波シールドボックスで行った各送受信性
能試験結果が一致するように、校正用アンテナを用いて
試験用アンテナのゲインが校正される。
【0032】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。
【0033】図1は実施例の電波シールドボックスが組
込まれた無線機試験装置の外観図である。
【0034】この無線機試験装置1においては、電波シ
ールドボックス2と各種測定用電子部品が収納される電
子部品容器3とが背中合せに接続されている。そして、
互いに接する側壁は共用されている。そして、実施例の
無線機試験装置1は高さ13cm,幅32cm,奥行45cm
程度の大きさである。
【0035】電波シールドボックス2においては、アル
ミ等の外部から侵入した電波を反射する金属板で箱型に
形成されたケース4内の一方端近傍には、モノポール型
の試験用アンテナ5が電子部品容器3側の側壁に固定さ
れている。
【0036】蓋4aを含めたケース4の内面における試
験用アンテナ5側の端面6aの全部,及び底面6b,両
側面6c,蓋4aの内面6dの試験用アンテナ5に対向
す部分より多少広い幅L1 に第1の電波吸収体7が貼付
けられている。
【0037】また、前記底面6b,両側面6c,蓋4a
の内面6dにおける前記第1の電波吸収体7の隣接位置
には所定幅L2 を有した第2の電波吸収体8が貼付けら
れている。
【0038】なお、図1に示す実施例電波シールドボッ
クス2においては、ケース2の内面における第1の電波
吸収体7及び第2の電波吸収体8が貼付けられていない
部分にも第2の電波吸収体8が貼付けられている。
【0039】第1の電波吸収体7は、例えばゴムフェラ
イト系材料で形成されており、厚さd1 は6,3mmに
設定されている。この厚さd1 (=6.3mm )を有する第
1の電波吸収体7の吸収特性は1.5GHzで最大値を示
す。すなわち、周波数1.5GHzの電波を最も効率的に
吸収する。
【0040】第2の電波吸収体8は第1の電波吸収体7
と同一材料で形成されており、厚さd2 が6,7mmに
設定されている。この厚さd1 (=6.7mm )を有する第
2の電波吸収体8の吸収特性は800MHzで最大値を示
す。すなわち、周波数800MHzの電波を最も効率的に
吸収する。
【0041】電波シールドボックス2内の底面6bに無
線機受け台9が所定位置に装着されている。そして、こ
の無線機受け台9に、アンテナ10を伸ばした状態の無
線機としての携帯電話機11が載置される。なお、この
無線機受け台9はアンテナ10が試験用アンテナ5に正
確に対向するように、携帯電話機11の電波シールドボ
ックス2内での位置を常に一定に維持する機能を有す
る。
【0042】図2に示すように、携帯電話機11の前面
には表示器12やダイヤルボタンを含む多数の操作ボタ
ンが配設された操作パネル13が設けられている。さら
に、下面には外部インタフェース端子14が設けられて
いる。携帯電話機10に対する動作試験を実施する場合
には、この外部インタフェース端子14に対して接続ケ
ーブル15を接続する。
【0043】電子部品容器3の上面には試験結果を印字
した用紙を排出する用紙排出口16が設けられている。
また、電子部品容器3の正面には、試験結果を表示する
表示ランプ17a.17b.17c、試験する携帯電話
機11の種類を入力するための複数の選択キー19、機
種表示器19a、試験開始キー20a、試験中止キー2
0b、試験結果の印字出力を指示する印字キー21、電
源スイッチ22が設けられていてる。
【0044】この無線機試験装置1でもって試験を実施
できる携帯電話機11の使用周波数は800MHz及び
1.5GHzの2種類である。図3(a)に示す1.5G
Hzの周波数を使用した携帯電話機11aのアンテナ10
aは、図3(b)に示す800MHzの周波数を使用した
携帯電話機11bのアンテナ10bの約1/2程度の長
さである。
【0045】ここで、各携帯電話機11a,11bの各
送受信性能を同一の条件で測定するためには、各アンテ
ナ10a,10bと測定用アンテナ5との各相対位置が
図3(a)(b)に示すように、一致している必要があ
る。そのために、それぞれ専用の無線機受け台9a,9
bを準備しておき、試験しようとする携帯電話機11
a,11bの種類に応じた無線機受け台9a,9bを電
波シールドボックス2内の底面6bに突設された係止部
に固定する。その後、対応する機種の携帯電話機11
a,11bをその無線機受け台9a,9b上に載置す
る。よって、たとえ携帯電話機11の機種が変わったと
しても、携帯電話機11a,11bの各アンテナ10
a,10bと試験用アンテナ5との間の相対位置は変化
しない。
【0046】よって、1.5GHzの周波数を使用してい
る携帯電話機11aのアンテナ10aと試験用アンテナ
5との間で送受信される電波は、図3(a)に示すよう
に、周囲に1.5GHzで最大吸収特性を有する第1の電
波吸収体7が貼付けられた空間内を伝播する。したがっ
て、ケース4の内面で反射された電波が各アンテナ10
a,5に入射することはほとんどない。
【0047】また、800MHzの周波数を使用している
携帯電話機11bのアンテナ10bと試験用アンテナ5
との間で送受信される電波は、図3(b)に示すよう
に、周囲に1.5GHzで最大吸収特性を有する第1の電
波吸収体7及び800MHzで最大吸収特性を有する第2
の電波吸収体8が貼付けられた空間を伝播する。しか
し、電波はアンテナ10b全体で送受信されるために、
ケース4の内面に衝突する800MHzの電波の大部分は
第2の電波吸収体8で吸収される。したがって、ケース
4の内面で反射された電波が各アンテナ10b,5に入
射することはほとんどない。
【0048】また、試験用アンテナ5の共振周波数fC
は各携帯電話機11a,11bの各使用周波数1.5G
Hz,800MHzより若干高い値に設定されている。
【0049】図4のアンテナ利得特性A,Bに示すよう
に、各携帯電話機11a,11bの各アンテナ10a.
10bは各使用周波数1.5GHz,800MHzで最大利
得(ゲイン)が得られるように各共振周波数が設定され
ている。したがって、共振周波数fC が1.5GHz,8
00MHzより高い試験用アンテナ5のアンテナ利得特性
Cは、図示するように共振周波数fC より低い1.5G
Hz,800MHzを含む広い周波数領域をカバーする。
【0050】このように、試験用アンテナ5の共振周波
数fC を各携帯電話機11a,11bの各使用周波数
1.5GHz,800MHzより高い値に設定している。そ
の結果、試験用アンテナ5と各アンテナ10a.10b
相互間で互いに共振周波数が異なるために、試験用アン
テナ5が各携帯電話機11a,11bの各アンテナ10
a.10bから見てハイインピーダン状態となり、たと
えアンテナ相互間の距離を短く設定したとしても、両者
間に大きな相互インダクタンスが生じることが未然に防
止される。
【0051】その結果、各アンテナ5,10a,10b
の見掛上の受信ゲインが変化することはないので、試験
対象の各携帯電話機11a,11bにおける送受信性能
の測定精度が低下することはない。
【0052】次に、このように故意に試験対象の各携帯
電話機11a,11bの各使用周波数1.5GHz,80
0MHzより若干高い共振周波数fC を有する試験用アン
テナ5で、各各携帯電話機11a,11bとの間で電波
を受信及び送信する場合における受信レベル及び送信レ
ベルの補正方法を説明する。
【0053】図4における試験用アンテナ5のアンテナ
利得特性C上における1.5GHz及び800MHzの各利
得(ゲイン)をGa,Gbとする。また、各携帯電話機
11a,11bの各アンテナ10a,10bと試験用ア
ンテナ5の最大利得(ゲイン)GM は互いに等しいと仮
定すると、試験用アンテナ5と携帯電話機11aとの間
で1.5GHzの周波数の電波を送受信している場合にお
ける試験用アンテナ5で得られる利得Gは、この試験用
アンテナ5が1.5GHzの共振周波数を有した正規の基
地局のアンテナの利得に比較して、(Ga/GM )倍し
た値となる。したがって、この試験用アンテナ5で得ら
れる受信電波の受信レベルを(GM /Ga)倍すれば正
しい受信レベルが得られる。
【0054】また、試験用アンテナ5から携帯電話機1
1aに対して1.5GHzの電波を送信する場合は、試験
用アンテナ5に印加する送信信号の出力を(GM /G
a)倍に上昇させておくと、携帯電話機11aは1.5
GHzの共振周波数を有した正規の基地局のアンテナから
送信された電波であると認識して受信することが可能で
ある。
【0055】すなわち、試験用アンテナ5にて携帯電話
機11aに対して送信し、受信する信号レベルを(GM
/Ga)するのみでよい。
【0056】同様に、試験用アンテナ5と携帯電話機1
1bとの間で800MHzの周波数の電波を送受信してい
る場合における試験用アンテナ5で得られる利得Gは、
この試験用アンテナ5が800MHzの共振周波数を有し
た正規の基地局のアンテナの利得に比較して、(Gb/
M )倍した値となる。したがって、この試験用アンテ
ナ5で得られる受信電波の受信レベルを(GM /Gb)
倍すれば正しい受信レベルが得られる。また、800M
Hzの電波を携帯電話機11bに対して送信する場合も、
送信出力(GM /Gb)倍すればよい。
【0057】試験対象の各携帯電話機11a,11bの
送受信性能を定量的に測定して、良否を判断するために
は、試験用アンテナ5のアンテナ利得(ゲイン)の絶対
値を予め校正しておく必要がある。この試験用アンテナ
5を校正する手順を説明する。
【0058】先ず、図1に示す電波シールドボックス2
内に、試験対象の各携帯電話機11a.11bの代り
に、校正用アンテナを所定位置に収納する。この校正用
アンテナの収納位置を常に一定位置に制御するために校
正用アンテナ専用の受け台を、前述した無線機受け台9
と同様な手法によって、電波シールドボックス2の底面
6bに装着固定する。
【0059】校正用アンテナは各周波数毎に準備されて
いる。そして、各校正用アンテナは例えば各周波数毎に
共振するダイポールアンテナである。そして、この校正
用アンテナに別途準備した基準信号発生装置から基準信
号を印加して、校正用アンテナから基準電波を出力させ
る。
【0060】試験用アンテナ5でこの基準電波を受信す
る。試験用アンテナ5の伝播係数を求める。そして、こ
の伝播係数に基づいて試験用アンテナ5の各周波数fに
おける校正用アンテナを基準とした相対値で示されるア
ンテナ利得(ゲイン)を求める。
【0061】なお、周波数特性に関しては、別途校正さ
れたダイポールアンテナ等の標準アンテナとこの校正用
アンテナとを置換法でそのアンテナ係数の周波数特性の
相互関係を予め求めておく。そして、この校正用アンテ
ナの周波数特性を試験用アンテナ5のアンテナ利得に補
正する。
【0062】このように、各使用周波数1.5GHz,8
00MHzより高い共振周波数fC を要する1種類の試験
用アンテナ5を用いて、各使用周波数が互いに異なる複
数種類の携帯電話機11a.11bとの間で正常に電波
による信号の送信及び受信が可能となる。さらに、試験
対象の各携帯電話機11a,11bの送信性能及び受信
性能を定量的に試験できる。
【0063】また、試験用アンテナ5のゲインを標準ア
ンテナを基準として校正しているので、この電波シール
ドボックス2を用いて行った各携帯電話機11a,11
bの送受信性能試験結果と、例えば製造工場のサービス
センターにおける正規の試験室で行った各携帯電話機1
1a,11bの送受信性能試験結果との間で相関が取れ
る。さらに、同一携帯電話機に対して複数の電波シール
ドボックス2で行った各送受信性能試験結果が不一致に
なることはない。したがって、サーピス窓口における試
験結果の信頼性を大幅に向上できる。
【0064】このように構成された電波シールドボック
ス2が組込まれた無線機試験装置1において、操作員
は、試験対象の携帯電話機11の機種に対応する無線機
受け台9を底面6bに装着して、該当携帯電話機11を
アンテナ10を伸ばした状態で電波シールドボックス2
内の無線機受け台9に載置して、蓋4aを閉じて、機種
選択キー19で該当携帯電話機11の機種を指定して、
試験開始キー20aを押す。すると、該当機種に対応し
た800MHz又は1.5GHzの周波数の電波で試験装置
側と携帯電話機11との間で信号の送受信が自動的に実
行されて、送受信レベル判定等を含む試験結果が表示ラ
ンプ17a〜17cに表示される。
【0065】よって、電話会社の営業所のサービス窓口
に簡単に設置できる程度に小さい容積の電波シールドボ
ックス2であっても、使用周波数が異なる複数種類の携
帯電話機11の動作を簡単にかつ精度よく試験できる。
【0066】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。実施例装置においては、携帯電話機1
1を試験対象の無線機としたが、電波で送受信する情報
をデジタル情報に変換して処理する機能を有した無線機
であればよい。また、使用周波数も800MHz及び1.
5GHzに限定されるものではない。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電波シール
ドボックスによれば、ケースの内面に電波吸収体を貼付
け、かつ試験用アンテナの共振周波数を無線機の使用周
波数より高い値に設定している。したがって、たとえ机
上に設置できる程度の大きさであっても、試験対象の無
線機のアンテナ特性を含めた送受信性能をある程度正確
に測定できる。
【0068】また、ケースの内面における試験用アンテ
ナの近傍部分に各使用周波数のうち高い使用周波数の電
波を吸収する第1の電波吸収体を貼付け、ケースの内面
における試験用アンテナから遠方部分に各使用周波数の
うち低い使用周波数の電波を吸収する第2の電波吸収体
を貼付けている。したがって、一つの電波シールドボッ
クスによって、使用周波数が異なる複数種類の無線機の
動作試験を精度よく実施できる。
【0069】さらに、ケース内に既知伝播係数を有する
校正用アンテナを収納してこの校正用アンテナから基準
電波を出力して、試験用アンテナでこの基準電波を受信
して試験用アンテナのゲインを校正している。したがっ
て、正規の電波シールド試験室で行う試験や他の電波シ
ールドボックスを用いて行った試験結果の互換性を確保
でき、試験の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係わる電波シールドボッ
クスが組込まれた無線機試験装置の外観図
【図2】 同実施例電波シールドボックスに収納される
無線機受け台及び試験対象の携帯電話機を示す外観図
【図3】 同実施例電波シールドボックスの動作を説明
するための図
【図4】 各アンテナのアンテナ利得特性を示す図
【符号の説明】
1…無線機試験装置、2…電波シールドボックス、3…
電子部品容器、4…ケース、5…試験用アンテナ、7…
第1の電波吸収体、8…第2の電波吸収体、9…無線機
受け台、10,10a,10b…アンテナ、11,1
a,11b…携帯電話機、12…表示器、13…操作パ
ネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04B 17/00 H04B 7/26 H04M 1/24 H05K 9/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波を反射する金属板で形成され、かつ
    内部の一方端近傍に試験用アンテナ(5) が取付けられた
    ケース(4) 内に、アンテナ(10)を有した無線機(11)を収
    納し、前記試験用アンテナを介して前記無線機との間で
    信号の送受信を行うことによって、前記無線機の動作を
    試験するための電波シールドボックス(2) おいて、 前記ケースの内面に電波吸収体(7,8) を貼付け、かつ前
    記試験用アンテナの共振周波数を前記無線機の使用周波
    数より高い値に設定したことを特徴とする電波シールド
    ボックス。
  2. 【請求項2】 電波を反射する金属板で形成され、かつ
    内部の一方端近傍に試験用アンテナ(5) が取付けられた
    ケース(4) 内に、アンテナ(10)を有し使用周波数が互い
    に異なる複数種類の無線機(11a,11b) をそれぞれ個別に
    収納し、前記試験用アンテナを介して前記各無線機との
    間で信号の送受信を行うことによって、前記各無線機(1
    1a,11b) の動作を試験するための電波シールドボックス
    (2) において、 前記ケースの内面における前記試験用アンテナの近傍部
    分に前記各使用周波数のうち高い使用周波数の電波を吸
    収する第1の電波吸収体(7) を貼付け、前記ケースの内
    面における前記試験用アンテナから遠方部分に前記各使
    用周波数のうち低い使用周波数の電波を吸収する第2の
    電波吸収体(8) を貼付けたことを特徴とする電波シール
    ドボックス。
  3. 【請求項3】 前記試験用アンテナの共振周波数を前記
    各無線機の各使用周波数より高い値に設定したことを特
    徴とする請求項2記載の電波シールドボックス。
  4. 【請求項4】 前記ケース内に、このケース内に収納さ
    れた無線機のアンテナが前記試験用アンテナに対向する
    ように、前記無線機を支持する無線機受け台(9) を設け
    たことを特徴とする請求項2又は3記載の電波シールド
    ボックス。
  5. 【請求項5】 電波を反射する金属板で形成され、かつ
    内部の一方端近傍に試験用アンテナが取付けられたケー
    ス内に、アンテナを有した無線機を収納し、前記試験用
    アンテナを介して前記無線機との間で信号の送受信を行
    うことによって、前記無線機の動作を試験するための電
    波シールドボックスにおける前記試験用アンテナのゲイ
    ンを校正するアンテナ校正方法において、 前記ケース内に既知伝播係数を有する校正用アンテナを
    収納してこの校正用アンテナから基準電波を出力して、
    前記試験用アンテナで前記基準電波を受信して前記試験
    用アンテナの伝播係数を求め、この求めた伝播係数に基
    づいて前記試験用アンテナのゲインを校正するアンテナ
    校正方法。
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