JP2851913B2 - 新規な5,11―ジヒドロ―6H―ジピリド〔3,2―b:2′,3′―e〕〔1,4〕ジアゼピン―6―オンおよび該化合物を含有するAIDSの予防および治療用医薬組成物 - Google Patents

新規な5,11―ジヒドロ―6H―ジピリド〔3,2―b:2′,3′―e〕〔1,4〕ジアゼピン―6―オンおよび該化合物を含有するAIDSの予防および治療用医薬組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規な5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド〔3,2
−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オンおよび
その薬学上許容し得る酸付加塩、これら化合物の調製方
法、これら化合物のAIDSの予防または治療用の用途、お
よびこれら化合物を含有する薬剤組成物に関する。
発明の背景 ヒトの病気、後天性免疫不全症候群(AIDS)はヒト免
疫不全ウイルス(HIV)、特にHIV−1として知られる菌
株に起因する。
他のウイルスのように、HIV−1はこれが感染したホ
スト細胞の生合成装置を強制的に取除く以外には複製す
ることができない。HIV−1はこの装置にウイルス子孫
を造る構造たん白質を産生させる。これらのたん白質は
その感染性ウイルス粒子即ちビリオン内に含まれた遺伝
子物質によりコードされる。しかしながら、レトロウイ
ルスであるので、HIVの遺伝子物質はホスト細胞のゲノ
ムにおけるようなDNAではなくRNAである。従って、ウイ
ルスRNAは、ホスト細胞が所要のウイルスたん白質を産
生するためには、先ずDNAに転化し次いでホスト細胞ゲ
ノム中に組み込まれねばならない。RNAのDNAへの転化は
酵素、即ち、逆転写酵素(RT)の使用により行なわれ、
この酵素は感染性ビリオン内でRNAに沿って含有されて
いる。逆転写酵素は3つの酵素機能を有し;RNA依存性DN
Aポリメラーゼとして、リボヌクレアーゼとしておよびD
NA依存性DNAポリメリラーゼとして作用する。先ずRNA依
存性DNAポリメラーゼとして作用して、RTはウイルスRNA
の単一鎖DNAコピーを作る。次に、リボヌクレアーゼと
して作用して、RTは元のウイルスRNAから丁度産生され
たDNAを遊離し次いで元のRNAを破壊する。最後に、再び
DNA依存性DNAポリメラーゼとして作用して、RTは第1の
DNAストランドを鋳型として使用し第2の相補DNAストラ
ンドを作る。2つのストランドは二重鎖DNAを形成し、
このDNAはインテグラーゼと称される他の酵素によりホ
スト細胞ゲノム中に組み込まれる。
HIV−1逆転写酵素の酵素機能を抑制する化合物は感
染細胞中でのHIV−1の複製を抑制するであろう。その
ような化合物はヒトのHIV−1感染の予防または治療に
有用である。
発明の内容 組成物の態様において、本発明は式: (式中、R1およびR2は同一または異なるものであり、水
素、または直鎖または枝分れの1〜5個の炭素原子を有
するアルキルであり得る)の5,11−ジヒドロ−6H−ジピ
リド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−
オン、およびその薬学上許容し得る酸付加塩を含む。
式Iの化合物は公知の方法またはその明らかな変法に
より調製できる。以下に述べる方法A、B、CおよびD
は該化合物を調製する方法の例示である。
方法 A 一般式I a: (式中、R1は前述したような意味を有し、R2′は水素を
除いてはR2の意味を有する) の化合物は、一般式II: (式中、R1およびR2′は式I aについて述べたのど同じ
意味を有し、Halはフッ素、塩素、臭素または沃素を示
す) のカルボン酸アミドを環化することによって得ることが
できる。環化は好ましくは一般式IIの化合物をそのアル
カリ金属塩に転化し、その後、40〜150℃、好ましくは5
0〜80℃の温度で縮合させることによって行う。
一般式IIの出発化合物において、R1が水素と異なる場
合、金属塩化(matallation)には少なくとも1モルの
金属塩化剤を必要とする。一方、R1が水素である場合
に、少なくとも2モルの金属塩剤を使用すべきである。
金属塩化には、チリウム、ナトリウムおよびカリウムの
各水素化合物、n−ブチルリチウムのようなリチウムア
ルキル類の使用が好ましい。
反応は不活性溶媒、例えば、テトラヒドロフラン、1,
4−ジオキサン、グリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジメチルエーテル、ジメチルホルマミド、ベンゼン
またアニソール中で通常行う。環化はまた一般式IIのカ
ルボン酸アミドを双極性非プロトン溶媒中、好ましくは
スルホランまたはジメチルスルホン中で加熱することに
よっても行い得、それには、触媒量の強酸、例えば、硫
酸、塩酸、臭化水素酸、リン酸、ポリリン酸、メタンス
ルホン酸またはp−トルエンスルホン酸の使用が有利で
ある。必要な反応温度は110〜220℃であり、好ましい温
度範囲は130〜170℃である。
方法 B 式 I b: (式中、R1は前記で定義したとおりである) の化合物は、一般式III: (式中、R1は前記で定義したとおりであり、Arはフェニ
ルまたは4−メトキシフェニル基であり得る) の化合物のアリールメチル基の加水分解開裂によって調
製できる。加水分解は−20〜+150℃の温度で強酸また
はルイス酸によって行う。そのような酸は硫酸、メタン
スルホン酸、トリスルオロ酢酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、リン酸またはポリリン酸であり得る。リン酸
またはポリリン酸を使用するときには、ベンゼン、トル
エン、フェノール、アニソールまたはベラトロールのよ
うな溶媒の添加が有利である。
塩化または臭化アルミニウムのようなルイス酸をアリ
ールメチル基を除去するのに使用する場合、芳香族炭化
水素、例えば、ベンゼン、トルエン、アニソール、また
はこれらとジクロロメタンとの混合物のような溶媒が適
する。
方法 C 一般式I c: (式中、R1′は水素を除いてR1と同じ意味を有し、R2
前記で定義したとおりである) の化合物は、式IV: (式中、R2は前記で定義したとおりである) の5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−
e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オンを相応する5−アル
カリ金属またはアルカリ土類金属化合物に転化し、次い
でこのアルカリ金属化合物を式V: R1′X (V) (式中、R1′は式I cにおけるのと同じ意味を有し、X
は反応性エステルの基であって、ハロゲン原子、基OSO2
OR1′メタンスルホニルオキシまたはエタンスルホニル
オキシ、または芳香族スルホニルオキシ基を示す) の反応性エステルと反応させることによって得ることが
できる。一般式IVの化合物を第一段階でその相応するア
ルカリ金属塩に転化させる代りに、式IVの化合物のアル
キル化はトリエチルアミン、ジアゼビシクロウンデセン
または4−(ジメチルアミノ)ピリジンのようなアミノ
の存在下での式Vの化合物と炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウムまたは重炭酸ナトリウムのようなアルアリ炭酸塩ま
たは重炭酸塩との反応によっても行い得る。
一般式IVの化合物の相応するアルカリ金属またはアル
アリ土類金属化合物への転化は式IVの化合物を水酸化リ
チウム、水酸化バリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸
化カリウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金
属水酸化物と、ナトリウムメタノレートまたはカリウム
tert.−ブトキシドのようなアルカリ金属アルコレート
と、ナトリウムアミンまたはカリウムアミンのようなア
ルカリ金属アミンと、または水酸化ナトリウムまたは水
素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物と反応させ
ることによって行い得る。反応は好ましくは適当な有機
溶媒の存在下に昇温下に行う。テトラヒドロフランまた
はグリコールジメチルエーテルのような不活性溶媒がア
ルカリ金属水素化物を金属導入化剤として使用する場合
には好ましく、アルカリまたはアルカリ土類菌初水酸化
物を使用する場合には、メタノールまたはテトラヒドロ
フランのような有機溶媒との水性混合物も使用できる。
かくして得られたアルカリまたはアルカリ土類菌初置換
5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕
〔1,4〕ジアゼピン−6−オンの一般式I cの化合物の転
化のためには、アルカリまたはアルカリ土類化合物の溶
液または懸濁液を直接、即ち、単離することなしに、式
Vの化合物と室温または昇温下で、好ましくは溶媒また
は反応媒体のいずれか低い方の沸点で反応させる。置換
は、1当量の塩基と1当量の式Vの化合物を使用したと
仮定して、式IVの出発物質中のR2が水素原子であっても
ジヒドロジピリオジアゼピノンの5位置の窒素原子で殆
んど全面的に起る。一般式I cの置換生成物は、必要な
らば、その酸付加塩への転化により精製することがで
き、この酸付加塩は通常の方法により調製できる。
方法 D 一般式I d: (式中、R2″は1〜5個の炭素原子を有する直鎖または
枝分れのアルキル基を示し、R1は前述の基を示す) の化合物は一般式I bの5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド
〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン
を一般式VI aの、または式I bの化合物中のR1が水素で
ある場合には式VI b: (式中、R1は前記で定義したとおりであり、Mはリチウ
ム、ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウム
のようなアルカリ金属を示すかまたはMは基MgHalを示
し、Halは塩素、臭素、または沃素原子である) の化合物の相応する金属塩に転化し、次いで式VII: R2″X (VII) (式中、R2″およびXは前記で定義したとおりである) の化合物でアルキル化することによって得ることができ
る。
一般式I bの化合物の式VI aおよびVI bの相応するア
ルカリ金属化合物への転化は式I bの化合物を必要に応
じてのテトラメチルエチレンジアミンの存在下のアルキ
ルリチウム(例えば、n−ブチルリチウムまたはt−ブ
チルリチウム)、リチウムジアルキルアミド(例えば、
リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキ
シルアミドおよびリチウムイソプロピルシクロヘキシル
アミド)、アリールリチウム(例えば、フェニルリチウ
ム)、アルカリ金属水酸化物(例えば、水酸化リチウ
ム、ナトリウムまたはカリウム)、アルカリ金属水素化
物(例えば、水素化ナトリウムまたはカリウム)または
アルカリ金属アミド(例えば、ナトリウムまたはカリウ
ムアミド)、またはグリニャール試薬(例えば、沃化メ
チルマグネシウム、臭化メチルマグネシウムまたは臭化
フェニルマグネシウム)と反応させることによって行い
得る。1当量の塩基を式VI a化合物の調製に必要とし、
また、2当量の塩基を式VI bの化合物の調製に必要とす
る。金属導入は有利には不活性有機溶媒中で−100℃か
ら当該反応混合物の沸点の間の温度で行う。アルキルリ
チウム、アリールリチウム、リチウムジアルキルアミド
またはグリニャール試を金属導入に使用する場合、好ま
しい溶媒に必要に応じてのヘキサンまたはベンゼンのよ
うな脂肪族または芳香族炭化水素との混合物中でのテト
ラヒドロフラン、ジエチルエーテルまたはジオキサンの
ようなエーテルであり、操作は−20〜+80℃の温度で行
う。金属導入をアルカリ金属水素化物およびアルカリ金
属アミドで行う場合、上述の溶媒以外に、キシレン、ト
ルエン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドおよび
ジメチルスルホキシドを使用することもでき、また、ア
ルカリ金属水酸化物を用いる場合には、エタノール、メ
タノールのようなアルコール、およびアセトンのような
脂肪族ケトン、並びにこれら溶媒と水の混合物も使用で
きる。
かくして得られたアルカリ金属5,11−ジヒドロ−6H−
ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−
6−オンの式I bへの転化のために、アルカリ金属化合
物の溶液または懸濁液を直接、即ち、反応生成物を単離
することなしに式VIIの化合物と昇温下で好ましくは溶
媒また懸濁媒の沸点または化合物VIIの沸点のいずれか
低い方で反応させる。
出発物質として使用する一般式IIのカルボン酸アミド
は、例えば、一般式VIII: (式中、R1およびHalは前記で定義したとおりである) の2−クロロ−ニコチン酸アミドの一般式IX: H2N−R2′ (IX) (式中、R2′は前記で定義したとおりである) の第一級アミンによるアミノ化により得られ、このアミ
ノ化においては少なくとも当量の式IXのアミンを用い
る。反応はまたトリエチルアミン、N,N−ジメチルアニ
リン、炭酸ナトリウムおよびカリウムのような無機また
は有機補助塩基の存在下で行い得る。反応は溶媒の使用
なしでも行い得るが、不活性有機溶媒を0℃〜150℃の
温度、好ましくは還流温度で用いることが幾つかの利点
を有する。使用できる適当な溶媒には、過剰量の一般式
IXの第一級アミン;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキ
サン、グリコールジメチルエーテル、ジエチルグリコー
ルジメチルエーテルのような開放鎖または環状エーテ
ル;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼンま
たはピリジンのような芳香族炭化水素;メタノール、エ
タノール、イソプロパノールのようなアルコール;ジメ
チルホルムアミドのような双極性非ピロトン溶媒;1,3−
ジメチル−2−イミダリジノン、1,3−ジメチル−テト
ラヒドロ−2(1H)−ピリミジンおよびスルホランがあ
る。R1が水素と異なる一般式VIIIの出発物質は、一般式
X: の2−クロロニコチン酸アミドから、一般式Vのアルキ
ル化剤と、例えば、トリエチルアミン、ジアザビシクロ
ウンデセン、4−(ジメチルアミノ)ピリジンのような
アミン類、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸
化カルシウムのようなアルカリまたはアルカリ土類金属
水酸化物、または炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは
炭酸水素カリウムのようなアルカリ金属炭酸塩またはア
ルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸塩のプロトン受容
体の存在下で反応させることにより調製する。
一般式Xの2−クロロニコチン酸アミドは2−クロロ
ニコチン酸クロリドと3−アミノ−2−ハロゲン−ピリ
ジンとの周知の反応条件下での縮合により調製できる。
他の出発物質はすべて文献公知であり、購入し得、あ
るいは文献公知の手順により得ることができる。
式Iの化合物は、必要に応じ、その無毒性の薬学上許
容し得る酸付加塩に通常の方法により、例えば、この遊
離の塩基化合物Iを適当な溶媒に溶解し、得られた溶液
を1モル当量以上の所望の酸で酸性化することにより転
化できる。
式Iの化合物と無毒の薬学上許容し得る酸付加塩を形
成する無機および有機酸の例は次の如くである:塩酸、
臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酒石酸、クエン酸、
メタンスルホン酸、8−クロロ−テオフイリン等も、一
般式Iの化合物は通常1モル当量と酸と酸付加塩を形成
する。
上述の式Iの化合物は、適当な投与形で投与したと
き、HIV−1逆転写酵素に対する抑制活性を有する。こ
れらの化合物はAIDS、ARCおよびHIV感染に伴う関連不整
合の予防または治療において有用である。、従って、本
発明のもう1つの局面はHIV−1に暴露または感染した
ヒトに対し予防または治療量の前記したような新規な式
Iの化合物を投与することを含むHIV−1感染の予防ま
たは治療方法である。
式Iの化合物は経口、非経口または局所的経路により
単一または分割投与で投与できる。式Iの化合物の適当
な経口投与量は約10〜500mg/日の範囲であろう。非経口
製剤においては、適切な投与量単位は1〜50mgの上記化
合物を含有し得、局所的等においては、0.01〜1%の活
性成分を含有する製剤が好ましい。しかしながら、理解
すべきことは投与量は患者間で変化し、ある特定の患者
の投与量はその臨床的判断に依存し、適切な投与量を決
める基準としては、患者の体重および状態並びに患者の
薬剤に対する応答性を用いるであろうということであ
る。
本発明の化合物を経口ルートで投与すべきときには、
これら化合物を適合性ある製剤上のキャリヤー物質と共
に含有する製薬調合物の形の医薬として投与できる。そ
のようなキャリヤー物質は経口投与に適する不活性有機
および無機キャリヤー物質であり得る。そのようなキャ
リヤー物質の例は水、ゼラチン、タルク、スターチ、ス
テアリン酸マグネシウム、アラビアゴム、植物油、ポリ
アルキレグリコール、石油ジェリー等である。
製薬調合物は通常の方法で調製でき、最終の投与形は
固形投与形、例えば、錠剤、ドラジェ、カプセル等また
は液状投与形、例えば、溶液、懸濁液、乳化液等であり
得る。製薬調合物は滅菌のような通常の製薬上の操作に
供し得る。さらに、製薬調合物は防腐剤、安定剤、乳化
剤、風味量剤、湿潤剤、バッファー、浸透圧変化用の塩
類等の通常のアジュバンドを含有し得る。使用できる固
形キャリヤー物質には、例えば、スターチ、ラクトー
ス、マンニトール、メチルセルロース、微結晶性セルロ
ース、タルク、シリカ、二塩基性リン酸カルシウム、お
よび高分子量ポリマー類(ポリエチレングリコールのよ
うな)がある。
非経口用途においては、式Iの化合物を薬学上許容し
得る油または液体混合物中の水性または非水性の溶液、
懸濁液または乳化液で投与することが好ましく、これら
の液は殺菌剤、抗酸化剤、防腐剤、溶液を血液と等張性
にするバッファーまたは他の溶解物、増粘剤、懸濁剤ま
たは他の薬学上許容し得る添加剤を含有し得る。このタ
イプの添加剤には、例えば、酒石酸塩、クエン酸塩およ
び酢酸塩の各バッファー、エタノール、プロピレングリ
コール、ポリエチングリコール、複合体形成剤(EDTAの
ような)、抗酸化剤(重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫
酸ナトリウムおよびアスコルビン酸のような)、粘度調
製用の高分子量ポリマー(液状ポリエチレンオキサイド
のような)およびソルビトール無水物のポリエチレン誘
導体がある。安息香酸、メチルまたはエチルパラベン、
ベンズアルコニウムクロリドおよび他の第4級アンモニ
ウム化合物のような防腐剤も必要に応じて添加し得る。
本発明の化合物または鼻投与用の溶液として投与で
き、本発明の化合物に加え、適当なバッファー、緊張性
調整剤、微生物適防腐剤、抗酸化剤および水性ベヒクル
中での増粘剤を含有し得る。増粘に使用する剤の例はポ
リビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリビニルピ
ロリドン、ポリソルベートまたはゼラチンである。添加
する微生物的防腐剤にはベンズアルコニウムクロライ
ド、チメロサール、クロロブタノール、またはフェニル
エチルアルコールがある。
さらに、本発明の化合物は座薬としても投与できる。
前述したように、本発明の化合物はHIV−1RTの酵素活
性を抑制する。これら化合物のかなり広範な試験に基づ
いて、HIV RTのRNA依存性DNAポリメラーゼ活性が抑制
されることを知見した。それより少ない試験により、DA
N依存性DNAポリメラーゼ活性も抑制されるものと信じて
いる。
以下の逆転酵素(RT)アッセイを用いて、各化合物を
そのHIV RTのRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を抑制す
る能力について試験できる。以下の各実施例で示すある
いくつかの特定の化合物をそのようにして試験した。こ
の試験結果は後の第1表に示す。
逆転写酵素(RT)アッセイ アッセイ理論: ヒト免疫不全ウィルス(HIV−1)がコードする酵素
のなかには、RNA鋳型(テンプレート)からDNAコピーを
転写することからそのように命名された逆転写酵素
(1)が存在する。この活性は、前述した無細胞酵素ア
ッセイ(2)において定量的に測定でき、逆転写酵素が
合成鋳型〔オリゴd(G)で感作したポリr(C)〕を
用いて3H−dGTPを基質として用いた放射標識した酸沈降
性DNAストランドを転写できるという観察に基づく。
材 料: a)酵素の調製 ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1)のLAV株からの逆転
写酵素(1)を発現ベクターpIBI21(4)中のlacプロ
モーターの制御下にあるDNAクローンpBRT prtl+(2)
を発現する菌株JM109(3)から単離した。陽性選択用
の100μg/mlのアンピシリン加2XYT培地中で増殖させた
一夜培養物(37℃、225rpm)(5)を10μg/mlのチアミ
ン、0.5%のカザミノ酸および50μg/mlのアンピシリン
加M9培地(5)中の1:40希釈で接種する。培養物を0.3
〜0.4のOD540に達するまでインキュベートする(37℃、
225rpm)。この時点で、リプレッサーインヒビダーIPTG
(イソプロピルb−D−チオガラクトピラノシド)を0.
5mMに加えさらに2時間インキュベートする。菌をペレ
ット化し、50mMのトリス、0.6mMのEDTA、0.375MのNaCl
のバッファー中に再懸濁させ、リゾチーム(1mg/ml)を
加えて30分間氷上で消化する。細胞を0.2%のNP−40の
添加により溶解し1MNaClにする。
不溶性細片を遠心により除去したのち、たん白質を3
容量の飽和硫酸アンモニウム水溶液により沈降させる。
得られた酵素をペレット化し、RTバッファー(50mMのト
リスpH7.5、1mMのEDTA、5mMのDTT、0.1%のNP−40、0.1
MのNaCl、および50%のグリセリン)中に再懸濁させ、7
0℃で後の使用のために保存する。
b)2倍濃縮保存反応混合物の組成 保存薬剤 2倍混合濃縮 1MのトリスpH7.4 100mM 1Mのジチオスリエトール 4mM 1MのNaCl 120mM 1%のノニデットP−40 0.1% 1MのMgCl 4mM 〔ポリr(C)/オリゴd(G)〕(5:1) 2μg/ml3 H−dGTP(81μM) 0.6μM アッセイ手順: 2倍濃縮保存反応混合物を小分けし−20℃で保存す
る。混合物は安定であり各アッセイの使用のために溶解
させる。この酵素活性は96ウエルマイクロタイタープレ
ート装置に適合し、従来開示されている(6)。トリス
バッファー(50mM、pH7.4)、ベヒクル(化合物の希釈
に適合するように希釈した溶媒)、またはベヒクル中の
化合物を96ウエルマイクロタイタープレート中に分配す
る(10μ/ウエル;3ウエル/化合物)。HIVRT酵素を
溶解し、50mMのトリスpH7.4中で希釈して希釈酵素の15
μが0.001ユニット(1ユニットは25℃で1分当り1
マイクロモルの基質を形質転換する酵素の量である)を
含有するようにし、各ウエルに分配する。0.12−0.5Mの
EDTAの20μをマイクロタイタープレートの最初の3つ
のウエルに加える。EDTAは存在するMg++をキレート化し
逆転写を防止する。この群はすべての他の群から差引く
背景重合として働く。25μの上記2倍反応混合物をす
べてのウエルに加え、そのアッセイを室温で60分間イン
キュベートさせる。アッセイは各ウエル中でDNAをピロ
リン酸ナトリウム(1%w/v)中トリクロロ酢酸(TCA)
(10%w/v)の50μで沈降させることにより終結させ
る。マイクロタイタープレートを4℃で15分間インキュ
ベートし、沈降物をスカトロン(Skatron)半自動ハー
ベスターを用いて#30ガラス繊維紙(Sehleicher& Sch
ulee社)上に固定する。次いで、このフィルターを追加
の1%のピロリン酸ナトリウムを含有する5%TCAで洗
浄し、70%水性アルコールですすぎ、乾燥させ、シンチ
レーション バイアルに移す(6)。各バイアルは2ml
のシンチレーションカクテルを受け入れベックマンベー
タカウンター内で計数する。
%抑制の計算は次のとおりである: 文 献: 1. Benn,S.等、SCIENCE 230:249,1985 2. Farmerie,W.G.等、SCIENCE 236:305,1987 3. Yanisch−Perron,C.,Viera.J.,およびMessing,J.Ge
ne 33:103,1985 4. International Biotechnologiesd,Icn.P.O.ボック
ス9558,ニューヘブン(コネチカット州)06535 5. Maniatis,T.,Fvitcch,E,F.,およびJ.Sambrook編、M
OLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL,ゴールド ス
プンリングハーバー ラボラトリー社、1982 6. Spira,T.等、J.Clinical Mircobicology,25:97,198
7 RTアッセイにおいて活性である化合物が生体系におい
てもHIV複製を抑制する能力を有することを確認するた
めに、本発明の各化合物を以下に述べるヒトT−細胞培
養アッセイにおいても試験した。
ヒトT細胞培養アッセイ アッセイ理論:融合細胞の生成はHIV−1感染CD4+T
細胞のインビトロ培養物の特徴を有する。このアッセイ
においては、T細胞を推定の複製抑制性化合物で処理し
次いでHIV−1で感染させる。インキュベーション後、
培養物を融合細胞の生成についてチェックする。融合細
胞の不存在または減少を試験化合物のHIV複製を抑制す
る能力の尺度として使用する。
アッセイ方法:ターゲット細胞、標示C8166はT細胞
起源のヒトリンパ細胞のサブクローンであり、9bウエル
平底プレート中のRPMI 1640(+10%ウシ胎児血清)培
地中での5×104/100μの初期密度で確立する。DMSO
中に溶解させた選定量の試験化合物を含有させる。24時
間後、HIV−1のHTLV−III B株の50−100TCID50(試験
培養物の50%において誘起した効果をもたらす投与量)
(2)を各培養物に接種する。対照培養物は化合物また
はウイルスのみを受け入れる。ウイルス攻撃の5日後、
培養物をウイルス誘起巨大細胞融合細胞のひん度および
分布について目視試験する。試験化合物による%抑制を
対照地との比較により決定する。ウイルス複製の存在ま
たは不存在の確認はすべての試験群からの無細胞培養液
を収穫することによって行い、3日後の二次ヒトT細胞
培養物中の融合細胞生成の誘発を介しての感染子孫の存
在または不存在を測定する。
文 献: (1) M.SomasundaranおよびH.L.Robinson、Science
242、1554(1998) (2) G.M.Shaw、R.H.Hahn、S.K.Arya、J.E.Groopma
n、R.C.GalloおよびF.Wong−Steal、Science 226、1165
(1984) 本発明の化合物の酵素抑制活性の特異性を評価するた
めに、それ自体公知の方法を用い、2,3の化合物のネコ
白血病ウイルス由来逆転写酵素およびウシ胸線由来DNA
アルファーポリメラーゼを抑制するその能力について試
験した。かくして試験した化合物で上記の酵素に対して
何らかの抑制活性を有することが観察されたものはなか
った。これらの結果は本発明の化合物の酵素抑制活性が
HIVRTに対してむしろ特異的であることを示している。
本発明の化合物の細胞毒性をおゝよそ評価するため
に、幾つかのそのような化合物を以下に述べるMTT細胞
細胞毒性アッセイで試験した。この試験の結果は第1表
に示す。比較的高いEC50を有する化合物が好ましい。
細胞毒性用のMTTアッセイ アッセイ理論: MTT〔3−(4,5−ジメチルチアゾール−2イル)−2,
5ジフェニルテトラゾリウムブロマイド〕アッセイは代
謝的に活性な細胞によるテトラゾリウムブロマイドの分
裂に基づき、高定量性の青色を生じる。このアッセイは
以前に開示されている(1)、本試験の目的に最適であ
る。
アッセイ方法: H9細胞系(2)、即ち、10%ウシ胎児血清加RPMI1640
中で増殖させた確立ヒトリンパ球懸濁細胞系をこのアッ
セイのターゲット細胞系として用いる。細胞(100μ
)を種々の濃度の抑制剤の存在下で105細胞/mlの濃度
でマイクロテストプレートウエル中に塗沫する。細胞を
37℃で湿潤CO2インキュベーター中でインキュベートす
る。5日後、20μのMTT(音波処理し、0.2ミクロフィ
ルター処理し、4℃で保存したRPMI1640中5mg/ml)を各
ウエル中に加える。37℃で追加の4時間インキュベーシ
ョン後、60μのトリトン−Xを各ウエルに加え、十分
に混合して結晶の溶解を促進する。無水アルコール(5
μ)を各ウエルに加え、得られた混合物を60℃で30分
間インキュベートし、直ちに570nmの波長でプリートリ
ーダー(Dyantech社)を読む。
このアッセイからのデータを用いてEC50,最高無毒濃
度を与える非直線回帰分析を行う。
文 献: 1. Mosmann,Tim,J,Immunol.Methods,65:55,1983 2. Jacobs.J.P.,J.Natl,Cencer Inst.,34:231,1965 実施例 以下の実施例は本発明をさらに具体的に説明するもの
であり、当業者が本発明をより完全に理解するのを可能
にする。しかしながら、本発明は以下の特定の実施例に
限定されるものでないことを理解すべきである。
実施例1 5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド[3,2−b:2′,3′−e]
[1,4]ジアゼピン−6−オン a) 2−クロロ−N−(2−クロロ−3−ピリジニ
ル)−3−ピリジンカルボキシアミド 効率的なレフラックスコンデンサー、機械的撹拌器お
よび滴下ロートを取り付けた3つ口丸底フラスコに、40
0mlのジオキサン、500mlのシクロヘキサンおよび130ml
のピリジンとの混合物中に溶解させた215g(1.672モ
ル)の3−アミノ−2−クロロピリジンを入れた。299.
2g(1.7モル)の新たに調製した2−クロロ−3−ピリ
ジンカルボン酸クロリドの200mlジオキサン中溶液を制
御下に激しい反応を保持するような速度で加えた。その
後、反応混合物を室温に冷却し、得られた結晶沈澱物を
濾別し、シクロヘキサンとエーテルで連続的に洗浄し
た。
暗褐色生成物を5の水酸化ナトリウム3%水溶液に
溶解させた。得られた溶液を活性炭で処理し、吸引濾過
し、濾液を50%希酢酸を添加して酸性化した。得られた
沈澱物を濾過により集め十分に水洗した。室温の窒素流
中で一夜乾燥させたのち、殆んど無色の生成物は156〜1
59℃のm.p.(融点)を有しておりさらなる反応のために
十分に純粋であった。収量は376.0gであった(理論値の
84%)。
b) N−(2−クロロ−3−ピリジニル)−2−
{〔(4−メトキシフェニル)メチル〕アミノ}−3−
ピリジンカルボキシアミド 13.4g(0.05モル)の工程a)で得た生成物を20mlの
キシレン中に溶解し、得られた溶液を13.8g(0.1モル)
のp−メトキシベンジルアミドと混合した。その後、混
合物を2時間リフラックスさせた。反応混合物を真空蒸
発させ、残留物をシリカゲル(0.2〜0.5mm)上でのカラ
ムクロマトグラフによりジクロロメタン/酢酸エチル10
/1(v/v)を溶出剤として用いて精製した。122〜124℃
で溶融する無色結晶を得た(アセトニトリルからの再結
晶後に)。収量は17.2gであった(理論値の93%)。
c) 5,11−ジヒドロ−11−〔(4−メトキシフェニ
ル)メチル〕−6H−ジピリド−〔3,2−b:2′,3′−e〕
〔1,4〕ジアゼピン−6−オン 16.7g(0.0453モル)の工程b)で得た生成物を150ml
の無水アルコールに溶解し、得られた溶液を6.7g(0.14
モル)の鉱油中50%水素化ナトリウム分散液と混合し
た。その後、混合物を、低窒素流により外的雰囲気に対
して保護しながら、出発物質がTLCにより検出できなく
なるまでリフラックスさせた。水素化ナトリウムの余剰
分を10mlのメタノールとテトラヒドロフラン(50/50v/
v)の混合物を注意深く添加することにより分解させ
た。反応混合物を酢酸の添加により中和し次いで真空蒸
発させた。残留物をシリカゲル(0.2〜0.5mm)上のカラ
ムクロマトグラフィによりジクロロメタン/酢酸エチル
(10/10、v/v)およびジクロロメタン/酢酸エチル1/1
(v/v)を溶出剤として連続的に用いて精製した。適当
なフラクションの蒸発により得た結晶生成物をアセトニ
トリルおよび2−プロパノールから再結晶させた。生成
物は213〜215℃のm.p.を有し、5,11−ジヒドロ−11−
〔(4−メトキシフェニル)メチル〕−6H−ジピリド
(3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピ−6−オンと
して固定した。収量は10.3gであった(理論値の68
%)。RF0.7(Marcherey−Nagel社、ポリグラムSIL G/U
X254、TLC用プリコートプラスチックシート;ジクロロ
メタン/酢酸エチル1/1v/v)。
d) 5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′
−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン 10.0g(0.3モル)の工程c)で得た生成物を50mlのト
リフルオロ酢酸に溶解し、それによって混合物は幾分温
かくなった。その後、反応混合物を60℃で1時間撹拌し
た。出発物質はその時点でTLCによっては検出できなか
った。次いで、混合物を真空蒸発させた。かくして得ら
れた残留物を0.5%アンモニア水と十分に撹拌し次いで
吸引濾過した。生の生成物を150mlのジメチルスルホキ
シドから再結晶させて>340℃のm.p.を有する無色結晶
を得た。収量は4.8gであった(理論値の75%)。C11H8N
4O(212,21) 計算値:C 62/26 H 3/80 N 26/40 分析値: 62/40 3/98 26/52 この生成物はIR、1H−NMRスペクトルおよびMSにより
5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕
〔1,4〕ジアゼピン−6−オンとして同定した。
実施例 2 5,11−ジヒドロ−11−プロピル−6H−ジピリド〔3,2−
b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン a) N−(2−クロロ−3−ピリジニル)−2−(プ
ロピルアミノ)−3−ピリジンカルオキシアミン 26.8g(0.1モル)の2−クロロ−N−(2−クロロ−
3−ピリジニル)−3−ピリジンカルボキサミンを200m
lのジオキサンに溶解し、得られた溶液を21.4g(0.362
モル)のプロピルアミンと混合した。その後、混合物を
ステンレススチール圧力容器中で150℃で6時間振とう
させた。次いで、反応混合物を真空蒸発させ、残留物を
シリカゲル(0.2〜0.5mm)上でのカラムクロマトグラフ
によりジクロメタン/酢酸エチル10/1(v/v)およびジ
クロロメタン/シクロヘキサン/酢酸エチル1/2/1(v/v
/v)を溶出剤として連続的に用いて精製した。蒸発後に
得られた生成物はRF 0.3〔Macherey−Nagel社、ポリグ
ラムSIL G/UV254、TLC用プリコートプラスチックシー
ト;ジクロロメタンシクロヘキサン/酢酸エチル1/2/1
(v/v/v)〕の高粘稠樹脂であり、このものは次の反応
に満足できる品質を有していた。
b) 5,11−ジヒドロ−11−プロピル−6H−ジピリド
〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン 実施例1−c)で記載したのと同じ手順を用いて、5,
11−ジヒドロ−11−プロピル−6H−ジピリド〔3,2−b:
2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン、m.p.184
〜186℃(アセトニトリルから再結晶させて)を上記工
程a)で得られた生成物および水素化ナトリウムとから
調製した。収率は理論値の74%であった。
実施例 3 5,11−ジヒドロ−5−メチル−11−プロピル−6H−ジピ
リド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−
オン a) 2−クロロ−N−(2−クロロ−3−ピリジニ
ル)−N−メチル−3−ピリジンカルボキサミド 機械的撹拌器、滴下ロート、温度計および効率的なリ
フラックスコンデンサーを備えた4つ口丸底フラスコ
に、268.1g(1.0モル)の2−クロロ−N−(2−クロ
ロ−3−ピリジニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
260mlの50%水酸化ナトリウム水溶液、1500mlのトルエ
ンおよび8.0(0.0352モル)のベンジルトリエチルアン
モニウムクロリドとを装入した。撹拌を開始し、1の
トルエン中134ml(178.5g、1.415モル)の硫酸ジメチル
の溶液を約3時間に亘って滴下して加え、それによって
温度は50〜60℃に上昇した。硫酸ジメチルの添加終了後
に、60℃での撹拌をさらに2時間続行した。
反応混合物を室温に冷却し、1の水を加えた。各層
を分離し、水性相を300ml部のトルエンで3回抽出し
た。有機相は一緒にし、300mlの水、300mlの1%酢酸水
溶液および300mlの水で連続的に洗浄した。一緒にした
有機抽出物を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧下
ての蒸留により除去した。残留物をシリカゲル(0.2〜
0.5mm)上でのカラムクロマトグラフにより溶出剤とし
てトルエンと酢酸エチル/シクロヘキサン/テトラヒド
ロフラン1/9/10(v/v/v)とを連続的に用いて精製し
た。適当なフラクションの蒸発により得た生成物をアセ
トニトリル/t−ブチルメチルエーテル1/1(v/v)から再
結晶させた。生成物はジクロロメタンに高度に溶解性で
あり、98〜101℃の融点を有し、2−クロロ−N−(2
−クロロ−3−ピリジニル)−N−メチル−3−ピリジ
ンカルボキサミドであると同定した。収量は232.5gであ
った(理論値の82.5%)。
b) 5,11−ジヒドロ−5−メチル−11−プロピル−6H
−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン
−6−オン 溶媒としてジオキサンの代りにテトラヒドロフランを
用いたまた当モル量のみの水素化ナトリウムを用いた以
外は、実施例1−c)で記載したのと同じ手順を用い
て、5,11−ジヒドロ−5−メチル−11−プロピル−6H−
ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕−ジアゼピン
−6−オン、RF 0.2(Macheray−Nagel社、ポリグラムS
IL G/UV254、TLC用のプリコートプラスチックシート;
ジクロロメタン/酢酸エチル9/1v/v);0.3(ジクロロメ
タン/シクロヘキサン/酢酸エチル1/2/1v/v/v);0.75
(ジクロロメタン/酢酸エチル/シクロヘキサン/メタ
ノール/アンモニア水3/5/1.5/0/46/0/46/0/06v/v/v/v/
v)の高粘稠油状物を上記工程a)で得た生成物から調
製た。収率は理論値の75%であった。
実施例 4 5,11−ジエチル−5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド〔3,2
−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン 6.4g(0.03モル)の5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド
〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン
を100mlの無水ジメチルホルムアミドに溶解し、得られ
た溶液を3.4g(0.071モル)の鉱油中50%水素化ナトリ
ウム分散液と混合した。窒素流により外気に対して保護
しながら、混合物を50〜70℃で1時間撹拌した。水素の
発生が終ったのち、混合物を30℃に冷却し、10.9g(0.0
7モル)の沃化エチルを15分間で滴下しながら添加し
た。発熱反応の終了のために、混合物をさらに1時間80
〜90℃で加熱した。溶媒を減圧下での蒸留により除去し
た。残留物を水と混合し、そのようにして得た懸濁液を
ジクロロメタンで完全に抽出した。通常の処理後に得た
生成物を150mlのイソオクタンから再結晶させた。生成
物は102〜103℃でのm.p.を有しており、5,11−ジエチル
−5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3−e〕
〔1,4〕ジアゼピン−6−オンとして同定した。収量は
5.7gであった(理論値の71%)。
実施例 5 5,11−ジヒドロ−5−エチル−6H−ジピリド〔3,2−b:
2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン a) N−(2−クロロ−3−ピリジニル−2−〔(フ
ェニルメチル)アミノ〕−3−ピリジンカルオキサミド キシレンの代りに溶媒としてジエチレングリコールジ
メチルエーテルを用いた以外は、実施例1−b)で記載
したのと同じ手順を用いて、N−(2−クロロ−3−ピ
リジニル)−2〔(フェニルメチル)アミノ〕−3−ピ
リジンカルボキサミド、m.p.95〜97℃(ジエチレングリ
コールジメチルエーテルから再結晶させて)を2−クロ
ロ−N−(2−クロロ−3−ピリジニル)−3−ピリジ
ンカルボキサミドとベンジルアミンより調製した。収率
は理論値の72%であった。
b) 5,11−ジヒドロ−11−(フェニルメチル)−6H−
ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−
6−オン ジオキサンの代りに溶媒としてジエチレングリコール
ジメチルエーテルを用いた以外は、実施例1−c)dで
記載したのと同じ手順を用いて、5,11−ジヒドロ−11−
(フェニルメチル)−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−
e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン、m.p.212〜213℃
(1−プロパノールから再結晶させて)、RF 0.7(Mach
erey−Nagel社、ポリグラムSIL G/UV254、TLC用のプリ
コートプラスチックシート;ジクロロメタン/酢酸エチ
ル1/1v/v)を工程a)で得た生成物と水素化ナトリウム
から調製した。収率は理論値の61%であった。
c) 5,11−ジヒドロ−5−エチル−11−(フェニルメ
チル)−6H−ジピリド−〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,
4〕ジアゼピン−6−オン 実施例3−a)で記載したのと同じ手順を用いて、5,
11−ジヒドロ−5−エチル−11−(フェニルメチル)−
6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3−e〕〔1,4〕ジアゼピン
−6−オン、m.p.209〜211℃(トルエン/アセトニトリ
ル1/1v/vから再結晶させて)、RF 0.5(Macherey−Nage
l社、ポリグラムSIL G/UV254、TLC用のプリコートプラ
スチックシート;ジクロロメタン/メタノール99/1v/
v)を工程b)で得た生成物と硫酸ジエチルとから調製
した。収率は理論値の82%であった。
d) 5,11−ジヒドロ−5−エチル−6H−ジピリド〔3,
2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕−ジアゼピン−6−オン 開放容器の代りに圧力容器を用いまた混合物を120℃
で10時間加熱した以外は、実施例1−d)で記載したの
同じ手順を用いて、5,11−ジヒドロ−5−エチル−6H−
ジピリド〔3,2−b;2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−
6−オン、m.p.161〜163℃(イソオクタン/酢酸エチル
1/1v/vから再結晶させて)、RF 0.3(Macherey−Nagel
社、ポリグラムSIL G/UV254、TLC用プリコートプラス
チックシート;ジクロロメタン/メタノール99/1v/v)
を工程c)で得た生成物から調製した。収率は理論値の
57%であった。
実施例 6 5,11−ジヒドロ−5−メチル−6H−ジピリド(3,2−b:
2′,3′−e)[1,4]ジアゼピン−6−オン a) N−(2−クロロ−3−ピリジニル)−N−メチ
ル−2−〔(フェニルメチル)アミノ〕−3−ピリジン
カルボキサミド 実施例1−b)で記載したのと同じ手順を用いて、N
−(2−クロロ−3−ピリジニル)−N−メチル−2−
〔(フェニルメチル)アミノ〕−3−ピリジンカルボキ
サミド、m.p.114〜116℃(t−ブチルメチルエーテルか
ら再結晶させて)、RF 0.75(Macherey−Nagel社、ポリ
グラムSIL G/UV254、TLC用のプリコートプラスチック
シート;ジクロロメタン/酢酸エチル3/1v/v)を2−ク
ロロ−N−(2−クロロ−3−ピリジニル)−N−メチ
ル−3−ピリジン−カルボシサミドとベンジンアミンか
ら調製した。収率は理論値の87%であった。
b) 5,11−ジヒドロ−5−メチル−11−(フェニルメ
チル)−6H−ジピリド−(3,2−b:2′,3′−e)〔1,
4〕ジアゼピン−6−オン 実施例3−b)で記載したのと同じ手順を用いて、5,
11−ジヒドロ−5−メチル−11−(フェニルメチル)−
6H−ジピリド(3,2−b:2′−3′−e)〔1,4〕ジアゼ
ピン−6−オン、m.p.198〜199℃(アセトニトリルから
再結晶させて)、RF 0.45(Marcherey−Nagel社、ポリ
グラムSIL G/UV254、TLC用のプリコートプラスチック
シート;ジクロロメタン/シクロヘキサン/酢酸エチル
1/2/1v/v/v)を工程a)で得た生成物から調製した。収
率は理論値の80%であった。
c) 5,11−ジヒドロ−5−メチル−6H−ジピリド〔3,
2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン 75.5(0.239モル)の工程b)で得た生成物、2.5kgの
ポリリン酸、および425mlのアニソールとからなる混合
物を140〜160℃で2時間撹拌した、まだ熱いあいだに、
反応混合物を砕氷中に撹拌した。その後、混合物をアン
モニア水の添加によりわずかにアルカリ性とし次いでジ
クロロメタンで完全に抽出した。一緒にした有機相を硫
酸ナトリウムで乾燥させ真空蒸発させた。残留物をシリ
カゲル(0.2〜0.5mm)上でジクロロメタン/酢酸エチル
1/1(v/v)を溶出剤として用いるクロマトグラフィー処
理した。適当なフラクションの蒸留により得られた生成
物をアセトニトリルから再結晶させて236〜237℃のm.
p.、RF 0.35(Macherey−Nagel社、ポリグラムSIL G/U
V254、TLC用プリコートプラスチックシート;ジクロロ
メタン/酢酸エチル1/1/v/v)を有する21.6g/理論値の4
0%)の無色結晶を得た。
実施例 7 5,11−ジヒドロ−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕
〔1,4〕ジアゼピン−6−オン 3.8g(0.012モル)の実施例5−b)で得た生成物を2
0mlのトリフルオロ酢酸に溶解し、それによって混合物
はわずかに温まった。その後、反応混合物を8時間リフ
ラックスさせた。出発物質はその時点でTLCにより検出
できなかった。次いで、混合物を真空蒸発させ、そのよ
うにして得られた残留物を0.5%アンモニア水と十分に
撹拌し次いで吸引濾過した。生の物質を20mlのアセトニ
トリル中に懸濁させ、15分間リフラックスさせ、熱いう
ちに吸引濾過した。フィルターケーキを熱ジメチルスル
ホキシドから再結晶させて1.2g(理論値の45%)の無色
結晶を得、この結晶は.m.p.>340℃を有し、m.p.、混合
m.p.,およUV−、IR−およびMSスペクトルにより実施例
1−d)で得た化合物と同一であると同定した。
実施例 8 5,11−ジヒドロ−11−エチル−5−メチル−6H−ジヒド
ロ〔3,2−b;2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オ
ン a) 2−クロロ−N−(2−クロロ−3−ピリジニ
ル)−3−ピリジンカルボキサミド実施例1−a)で記
載したのと同じ手順を用いて、2−クロロ−N−(2−
クロロ−3−ピリジニル)−3−ピリジンカルボキサミ
ドを調製した。精製生成物は反応混合物を室温に冷却し
上澄液を沈澱物からデカンテーションすることによって
得た。次いで、固形物を塩化メチレンに溶解し、溶液を
水洗し、乾燥させ(無水硫酸ナトリウム)、溶媒を真空
除去した。次いで、固形物を酢酸エチルで洗浄し乾燥さ
せて次の反応に適する7.24g(理論値の84%)の生成物
を得た。
b) N−(2−クロロ−3−ピリジニル)−2−
〔〔(4−メトキシフェニル)メチル〕アミノ〕−3−
ピリジンカルボキサミド 実施例1−b)で記載したのと同じ手順を用いて、N
−(2−クロロ−3−ピリジニル)−2−〔〔(4−メ
トキシフェニル)メチル〕アミノ〕−3−ピリジンカル
ボキサミドを調製した。精製生成物は溶媒を真空除去
し、残留物に水を加え、生成物を塩化メチレンで抽出す
ることによって得た。この溶液を乾燥させ(無水硫酸ナ
トリウム)、溶媒を除去して褐色油状物を得、これを10
mlのエーテルで処理した。結晶化した生成物を濾過し、
エーテルとヘキサンで順次洗浄して78.0g(理論値の91
%)のベージュ色粉末、m.p.121〜122℃を得た。
c) 5,11−ジヒドロ−11−〔(4−メトキシフェニ
ル)メチル〕−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3−e〕〔1,
4〕ジアゼピン−6−オン 1.44gの鉱油中50%水素化ナトリウム分散液を100mlの
ジメチルホルムアミド中3.69g(0.010モル)のN−(2
−クロロ−3−ピリジニル)−2〔〔(4−メトキシフ
ェニル)メチル〕アミノ〕−3−ピリジンカルボキサミ
ドの溶液に加えた。水素の発生が停止したのち、混合物
を16時間加熱し(100℃)、次いで8時間リフラックス
させた。混合物を冷却したのち、過剰の水素化ナトリウ
ムを氷のゆっくりした添加により分解させた。混合物を
水でさらに希釈し、生成物をエーテルで抽出し濃縮し
た。結晶化残留物を濾過し、エーテルで洗浄して1.60g
の5,11−ジヒドロ−11−〔(4−メトキシフェニル)メ
チル〕−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕
ジアゼピン−6−オン(理論値の50%)を脱白色粉末、
m.p.209〜210℃として得た。
d) 5,11−ジヒドロ−11−〔(4−メトキシフェニ
ル)メチル〕−5−メチル−6H−ジピリド〔3,2−b:
2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン 10.0g(0.030モル)の5,11−ジヒドロ−11−〔(4−
メトキシフェニル)メチル〕−6H−ジピリド〔3,2−b:
2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オンを2.16gの
鉱油中50%水素化ナトリウム分散液および100mlのジメ
チルホルムアミドを含有するフラスコに加えた。得られ
た混合物を室温で30分間撹拌し次いで30分で50℃に加熱
した。冷却後、10mlのジメチルホルムアミド中の8.51g
(0.060モル)の沃化メチルを適下しながら加え、混合
物を室温で一夜撹拌させた。過剰の水素化ナトリウムを
氷の注意深い添加により分散させた。次に、水を加え、
生成物をエーテルで抽出し、乾燥させ(無水硫酸ナトリ
ウム)、濃縮して10.3g(理論値の99%)の5,11−ジヒ
ドロ−11−〔(4−メトキシフェニル)メチル〕−5−
メチル−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕
ジアゼピン−6−オンの次の反応により適する淡黄色油
状物として得た。
e) 5,11−ジヒドロ−5−メチル−6H−ジピリド〔3,
2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オン 50mlのトリフルオロ酢酸を10.3g(0.030モル)の5,11
−ジヒドロ−11−〔(4−メトキシフェニル)メチル〕
−5−メチル−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕
〔1,4〕ジアゼピン−6−オンに加え、混合物を室温で
1時間撹拌した。酸を真空除去し、残留物を0.5%アン
モニアと1時間撹拌した。固形物を濾過し乾燥させて6.
70(理論値の98%)の純粋5,11−ジヒドロ−5−メチル
−6H−ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼ
ピン−6−オン、m.p.230〜232℃を得た。
f) 5,11−ジヒドロ−11−エチル−5−メチル−6H−
ジピリド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−
6−オン 2.00gの鉱油中50%水素化ナトリウム分散液を100mlの
ジメチルホルムアミド中5.75g(0.025モル)の5,11−ジ
ヒドロ−5−メチル−6H−ジヒドロ〔3,2−b:2′,3′−
e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オンの溶液に加えた。水
素の発生が停止したとき、混合物を50℃に30分間加熱
し、得られた混合物を室温で一夜撹拌せしめた。過剰の
水素化ナトリウムを氷次いで水の注意深い添加により分
解させた。生成物をエーテルで抽出し、乾燥させ(無水
硫酸ナトリウム)、蒸発させて4.5g(理論値の70%)の
5,11−ジヒドロ−11−エチル−5−メチル−6H−ジピリ
ド〔3,2−b:2′,3′−e〕〔1,4〕ジアゼピン−6−オ
ン、m.p.130〜132℃を得た。
実施例 A 実施例2の化合物を潤滑剤を除いた上記の予備混合賦
形剤物質と混合して粉末混合物にする。次いで、潤滑剤
を混合して、得られた混合物を錠剤に圧縮加工するかあ
るいは硬質ゼラチンカプセルに充填する。
実施例 B 付形剤物質を水と混合し、その後、実施例2の化合物
を加える。混合を溶液が透明になるまで続行する。この
溶液のpHを3.0に調製し次いで適当なバイアルまたはア
ンブルに濾過して入れオートクレイブ処理により滅菌す
る。
実施例 C 付形剤物質を水と混合し、その後、実施例2の化合物
を加え、混合を溶液が透明になるまで続行する。この溶
液のpHを4.0に調製し、次いで、適当なバイアルまたは
アンプルに濾過して入れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ギュンテル シュミット ドイツ連邦共和国 デー8000 ミュンヘ ン 19 ニュンフェンブルゲル シュト ラーセ 155 (72)発明者 ヴォルフハルト エンゲル ドイツ連邦共和国 デー7950 ビベラッ ハ 1 モーツァルトシュトラーセ 13 (72)発明者 ギュンテル トルムリッツ ドイツ連邦共和国 デー7951 ヴァルト ハウゼン ブッヘンヴェーク 27 (72)発明者 ヴォルフガンク エーベルライン ドイツ連邦共和国 デー7950 ビベラッ ハ 1 オーベル アウ 6 (72)発明者 カール ディー ハーグレイヴ アメリカ合衆国 コネチカット州 06805 ブルックフィールド エドナ ドライヴ 4 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 471/14 REGISTRY(STN) MEDLINE(STN) WPIL(DERWENT)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式I: (式中、R1、およびR2は同一または異なるものであっ
    て、水素、1〜5個の炭素原子を有する直鎖または枝分
    れのアルキル基である)の5,11−ジヒドロ−6H−ジピリ
    ド[3,2−b:2′,3′,e][1,4]ジアゼピン−6−オ
    ン、またはその薬学上許容し得る塩。
  2. 【請求項2】5,11−ジヒドロ−11−プロピル−6H−ジピ
    リド[3,2−b:2′,3′−e][1,4]ジアゼピン]−6
    −オン、またはその薬学上許容し得る塩。
  3. 【請求項3】5,11−ジヒドロ−5−メチル−11−プロピ
    ル−6H−ジピリド[3,2−b:2′,3′−e][1,4]−ジ
    アゼピン−6−オン、またはその薬学上許容し得る塩。
  4. 【請求項4】5,11−ジエチル−5,11−ジヒドロ−6H−ジ
    ピリド[3,2−b:2′,3′−e][1,4]−ジアゼピン、
    またはその薬学上許容し得る塩。
  5. 【請求項5】5,11−ジヒドロ−11−エチル−5−メチル
    −6H−ジピリド[3,2−b:2′,3′−e][1,4]ジアゼ
    ピン−6−オン、またはその薬学上許容し得る塩。
  6. 【請求項6】予防上または治療上の有効量の請求項1、
    2、3,4または5記載の式Iの化合物、および薬学上許
    容し得るキャリヤーとを含むHIV−1感染の予防または
    治療用医薬組成物。
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