JP2851805B2 - 目覚時計のアラーム音穴開閉機構 - Google Patents

目覚時計のアラーム音穴開閉機構

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JP2851805B2
JP2851805B2 JP32690794A JP32690794A JP2851805B2 JP 2851805 B2 JP2851805 B2 JP 2851805B2 JP 32690794 A JP32690794 A JP 32690794A JP 32690794 A JP32690794 A JP 32690794A JP 2851805 B2 JP2851805 B2 JP 2851805B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スイッチ操作されるア
ラーム機能を備えた目覚時計に関し、特に、アラーム機
能がオンオフされているか否かの識別性を向上させたも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アラーム機能を備えた目覚時計
は、使用者が目覚時間等をセットし、この時刻にアラー
ム音を発生するようにしたものであって、時計ケースの
背面側には、目覚時刻を設定する設定ツマミや、時刻修
正を行う修正ツマミが設けられている。
【0003】また、従来の目覚時計にあっては、アラー
ム機能をオンオフする比較的に大型のアラーム・スイッ
チが、時計ケースの頂部や側部等の目立ち且つ操作しや
すい箇所に設けられている。そして、時計ケースには、
アラーム音を発生する発音体が収納され、ケース前面側
の対応箇所には、複数のアラーム音穴(いわゆる発音
穴)が設けられている。
【0004】ところが、このような目覚時計によれば、
アラーム機能をスイッチ操作によりオンオフしているの
で、大型のアラーム・スイッチを用いていても、このス
イッチの動作ポジションだけでは、アラーム機能の作動
状態を一見して識別することが困難である。また、多機
能な目覚時計の場合、このアラーム機能以外に各種機能
の動作表示が行われているので、識別性は低下してしま
う。
【0005】そこで、時計前面にスライド移動するアラ
ーム・スイッチを設けると共に、このスイッチ部材に音
穴まで延在させたカバー板部材を設けることにより、ア
ラーム・スイッチの操作と直接連動して移動するカバー
板部材によって、アラーム音穴を出現・隠蔽させ、アラ
ーム動作状態の識別性を向上させたもの(例えば、実開
昭55−139472号)が知られている。また、前記
カバー板部材によって変化するアラーム音穴の開口面積
の大小により、アラーム音の音量調節を行うもの(例え
ば、実開昭55−14593号)も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来の各機構によれば、アラーム・スイッチ部材に直接ア
ラーム音穴をカバーするカバー板部材を設けているの
で、相互の関係が固定的であり、アラーム・スイッチを
アラーム音穴の周辺に位置させることになる。従って、
互いに離れた箇所や、中間にムーブメント等の妨害物が
ある場合等のように、例えば時計文字板を挟んだ上下、
左右等には設けることができないため、自由な時計デザ
インの可能性を阻害するという不都合がある。
【0007】また、直接的にアラーム・スイッチにカバ
ー板部材を設けていることにより、アラーム・スイッチ
の操作移動量と同じ分だけカバー部材が移動することと
なるので、カバー時と非カバー時との開口面積差が、ア
ラーム動作状態の識別性の確保のためには必ずしも十分
とは言えない不具合があった。
【0008】また、単純にスイッチの操作量を増加させ
るのは、目覚時計としての操作性や外観を損なうので好
ましくない。
【0009】更に、同様に、アラーム・スイッチとカバ
ー板部材を一体に設けていることにより、スイッチの操
作方向と同一方向にカバー板部材が移動するので、安定
した直接的な操作感覚は得られても、興趣に乏しく簡素
すぎる傾向があった。
【0010】また更に、アラーム音穴の開口面積により
アラーム音量を調節する場合には、同様な理由から、設
定された音量状態を一見して把握しずらいという不具合
がある。
【0011】そこで、本発明は、アラーム作動状態の識
別性を向上させると共に、該スイッチとアラーム音穴と
の位置関係を自由に設定できる目覚時計を提供すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、アラーム機能
をオンオフするアラーム・スイッチを備えた目覚時計に
おいて、前記アラーム・スイッチをスライド移動可能に
設け、前記アラーム機能の発音体に対応して時計前面側
にアラーム開口部を設け、前記アラーム開口部を開閉す
るカバー部材を設けると共に、該カバー部材を前記アラ
ーム・スイッチにリンク機構を介して接続した目覚時計
のアラーム音穴開閉機構である。
【0013】好ましい態様として、前記カバー部材は、
スライドするカバー部材又は回動するカバー部材であ
り、更に、前記カバー部材に、アラーム音量に応じて異
なる複数の音穴パターンもしくは異なる音穴形状又はこ
れらの組合せを採用することができる。
【0014】
【作用】従って、本発明によれば、アラーム・スイッチ
を、リンク機構を介して、アラーム開口部を開閉するカ
バー部材に接続しているので、このリンク機構により、
アラーム・スイッチとアラーム開口部との相互の位置関
係に比較的大きな自由度を与えることができる。つまり
従来のように固定的に制約されることが無くなる。
【0015】また、アラーム・スイッチの僅かな操作量
をリンク機構により拡大することが可能となり、そし
て、カバー部材によって比較的大面積なアラーム開口部
をカバーすることにより、カバー部材を若干移動するだ
けで、カバー時と非カバー時との開口面積差を十分に大
きくすることができる。
【0016】更に、前記のリンク機構の存在により、ス
イッチ操作方向と異なる方向にカバー部材を移動して
も、アラーム開口部を開閉動作することができる。
【0017】更にまた、設定アラーム音量に応じて互い
に異なる音穴パターンや音穴形状を設けた場合は、アラ
ーム開口部に現われた当該音穴パターンや音穴形状を一
見して、アラーム音量の設定状態を容易に把握すること
ができる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明の第1実施例を図1ないし図
5に基づいて説明する。
【0019】図1及び図2において、本実施例の目覚時
計1は、時計本体ケース2と、このケース2前面に配設
された文字板3と、文字板3の背面に設けられ、この文
字板3の中心に突設された時計軸4を駆動する時計ムー
ブメント5と、時計軸4に装着され、この時計軸4の回
転動作により時刻表示する指針6とから構成されてい
る。
【0020】また、本実施例の目覚時計のアラーム音穴
開閉機構は、時計前面側の文字板に隣接して設けられた
アラーム・スイッチ8と、このアラーム・スイッチ8に
対して文字板3を挟んだ箇所に設けられたアラーム開口
部9と、アラーム開口部9の時計背面側に配設された発
音体10と、時計ケース2内に収納され、このスイッチ
8に中間アーム部材11を介して接続されたカバー部材
12とから構成され、このアラーム・スイッチ8の操作
に連動して、カバー部材12がスライド移動し、このカ
バー部材12によりアラーム開口部9をカバー又は非カ
バーしている。
【0021】すなわち、この時計ムーブメントには、水
晶発振を基準とした計時機構が収納されており、この計
時機構により制御されるモータに時計軸4が接続されて
いる。また、この時計軸4の先端には、長針の分針6a
と短針の時針6b等からなる指針6が装着されている。
そして、この時計軸4が計時機構のモータにより所定に
回転駆動され、この時計軸4に装着された指針6の分針
6a・時針6bが所要の回転角度となり、文字板3上の
指標3aを指し示して現在時刻を表示している。
【0022】前記アラーム開口部9は、文字板3の左側
に隣接して設けられており、この文字板3の外周に沿っ
た帯状に形成されている。また、このアラーム開口部9
には、複数の水平スリット形状部材9aが設けられてお
り、アラーム音穴を形成している。更に、このアラーム
開口部9の時計背面側には、スピーカ等を用いた発音体
10が設けられ、この発音体10から、アラーム設定時
刻に、所定のアラーム音を発生するようになっている。
【0023】前記アラーム・スイッチ8は、アラーム開
口部9に対して文字板3を挟んだ右側に、該文字板3に
隣接して設けられており、この箇所に設けられた時計ケ
ース2の装着孔2aに、上下方向にスライド移動可能に
嵌着されている。そして、このアラーム・スイッチ8が
上方位置にある場合に、アラーム機能がオンとなり、下
方位置にある場合に、オフとなるように設定されてい
る。すなわち、アラーム・スイッチ8の上下位置ポジシ
ョンに連動する接点スイッチ機構(図示を省略)が設け
られており、電気回路的にアラーム機能がオンオフされ
ようになっている。
【0024】前記中間アーム部材11は、更に図3及び
図4に示すように、略長板状に形成され、基端が、時計
ケース2に設けられた装着軸2bに枢着され、この装着
軸2bは、アラーム・スイッチ8よりも外側に設けられ
ている。また、この中間アーム部材11の中間から基端
側寄りには、中間アーム部材11の長手方向に沿った長
孔11aが形成され、この長孔11aには、アラーム・
スイッチ8に装着される支点ピン8aが挿嵌されてい
る。
【0025】従って、アラーム・スイッチ8が上方から
下方、又は、下方から上方へスライド移動するのに伴な
い、アラーム・スイッチ8の支点ピン8aが、中間アー
ム部材11の長孔11a内を下降又は上昇して、基端を
中心に中間アーム部材11が揺動する。また、この場合
は、アラーム・スイッチ8の支点ピン8aが、中間アー
ム部材11の基端近くに係合されているので、この中間
アーム部材11の先端が、アラーム・スイッチ8の移動
量を拡大した、大きな移動量によって揺動することとな
る。更に、このように揺動される中間アーム部材11の
先端には、長手方向に沿った任意深さの係合溝11bが
設けられており、この係合溝11bが、後述するカバー
部材12のアーム部14先端に設けられている係合軸1
4bに係合されている。
【0026】前記カバー部材12は、アラーム開口部9
と同形状のカバー部13と、このカバー部13を時計軸
6を中心に揺動可能に保持する長板形状のアーム部14
とから構成されている。
【0027】前記カバー部13は、文字板3の外周に沿
った略帯状に形成され、僅かにアラーム開口部9より大
きく設けられて、このアラーム開口部9をカバー部13
により完全にカバーできるようにしている。
【0028】また、カバー部13の中央には、長板状の
アーム部14が固着され、このアーム部14の略中央に
は、時計軸6を挿嵌する時計軸孔14aが設けられてお
り、この時計軸14aを中心として、カバー部材12全
体が揺動するようになされている。このアーム部14の
先端には、係合軸14bが設けられており、この係合軸
14bは、前記中間アーム部材11の係合溝11bに係
合されている。
【0029】従って、中間アーム部材11の揺動に応じ
て、アーム部14及びカバー部材12全体が揺動する。
また、この場合にも、アラーム・スイッチ8の支点ピン
8aによる中間アーム部材11の揺動と同様に、カバー
部材12のアーム部14の揺動中心14aからカバー部
13までの長さが、同中心14aから係合軸部14bま
での長さより大きく設定されているので、この中間アー
ム部材11の先端により揺動駆動されるカバー部14
が、中間アーム部材11の揺動移動量を拡大して大きく
揺動されることとなる。これらの結果、比較的に僅かな
アラーム・スイッチ8の操作量が2段階に拡大されて、
カバー部材12を大きな揺動により移動させることとな
り、アラーム開口部9を大きく形成しても、少ないスイ
ッチ操作量によりカバー部13を大きく移動してカバー
することができる。
【0030】使用者がアラーム機能をオフするために、
アラーム・スイッチ8を下方のアラーム・オフ位置にス
イッチ操作した場合は、図5(a)に示すように、アラ
ーム開口部9がカバー部材12のカバー部13によりカ
バーされて、閉じられる。すなわち、図5(b)に示す
ように、中間アーム部材11の先端が、このスイッチ操
作量より大きく下方に揺動する。そして、これに応じ
て、カバー部材12のアーム部14が時計軸6を中心に
して揺動して略水平状態となり、カバー部材12のカバ
ー部13がアラーム開口部9の位置に揺動移動し、この
カバー部13によりアラーム開口部9がカバーされて閉
じられる。
【0031】以上説明したように、本実施例によれば、
アラーム・スイッチを、リンク機構を介して、アラーム
開口部を開閉するカバー部材に接続しているので、この
リンク機構によりアラーム・スイッチとアラーム開口部
との位置関係の制約が緩和され、例えば、両者を時計文
字板を挟んで設けることができ、目覚時計としてのデザ
イン自由度を向上することができる。
【0032】また、アラーム・スイッチの僅かな操作量
をリンク機構により拡大してカバー部材を移動すること
により、このカバー部材によって比較的大面積なアラー
ム開口部をカバーしているので、カバー時と非カバー時
との開口面積差を十分に大きくでき、アラーム動作状態
の識別性を十分に確保することができる。
【0033】更に、このリンク機構により、スイッチ操
作方向と異なる方向に、カバー部材を移動して、アラー
ム開口部を開閉動作できるので、使用者に興趣を喚起す
ることができる。
【0034】また、僅かなスイッチ操作移動量により、
比較的に大きなアラーム開口部が開閉動作することにな
るので、目覚時計としての操作性及び外観を良好に保っ
たまま、アラーム動作状態の識別性を十分に確保するこ
とができる。
【0035】次に、本発明の第2実施例を図6ないし図
10に基づいて説明する。
【0036】図6ないし図9において、本実施例の目覚
時計1のアラーム音穴開閉機構は、前記第1実施例と異
なり、前記実施例のカバー部材12をアラーム機能をオ
ンするスライド方向に延長し、この延在部分にスリット
形状のアラーム音穴を設けた構成とされている。すなわ
ち、アラーム機能のオフ時には、前記実施例と同様に、
カバー部材12のスライド移動によりアラーム開口部9
をカバーして完全に閉止すると共に、オン時にはスリッ
ト状の音穴をアラーム開口部9に現わすようにして、ア
ラーム動作状態の識別容易性や目覚時計としての外観性
をより向上している。尚、本実施例の目覚時計1は、前
記第1実施例と基本的に同一構成とされ、共通する構成
要素には同一符号を付けて説明を省略することとし、以
降の実施例も同様とする。
【0037】前記アラーム開口部9は、文字板3の外周
に沿った帯状に形成され、この文字板3の左側に設けら
れている。また、このアラーム開口部9には、複数の水
平スリットが設けられておらず、単純な開口形状となっ
ている。更に、このアラーム開口部9の時計背面側に
は、スピーカ等を用いた発音体10が設けられている。
【0038】また、カバー部材12のカバー部13は、
前記第1実施例と比較して、スライド移動方向に延設さ
れ、このカバー部13の一部が常に、アラーム開口部9
と発音体10の間に介在するようになされている。そし
て、この延長部分には、スリット状の音穴13aが貫設
されている。
【0039】従って、使用者がアラーム機能をセットす
るために、アラーム・スイッチ8を上方のアラーム・オ
ン位置にスイッチ操作した場合は、図6に示すように、
アラーム開口部9に、カバー部13の音穴13aが現わ
れ、明確にアラーム機能がオンとなっていることを確認
することができる。
【0040】また、使用者がアラーム機能をオフするた
めに、アラーム・スイッチ8を下方のアラーム・オフ位
置にスイッチ操作した場合は、図10(a)に示すよう
に、アラーム開口部9がカバー部材12のカバー部13
によりカバーされて、閉じられる。すなわち、図10
(b)に示すように、このスイッチ操作量より大きく、
中間アーム部材11の先端が下方に揺動する。そして、
これに応じて、カバー部材12のアーム部14が時計軸
6を中心にして揺動して、カバー部材12のカバー部1
3がアラーム開口部9の位置に揺動移動し、このカバー
部13によりアラーム開口部9がカバーされて閉じられ
る。
【0041】以上説明したように、本実施例によれば、
前述した第1実施例と同様に、アラーム開口部の開閉状
態により、アラーム機能の動作状態を一見して識別する
ことができる。すなわち、アラーム機能のオン時には、
アラーム開口部内に、カバー部材12に設けられたスリ
ット状の音穴が出現する一方、アラーム機能のオフ時に
は、このカバー部材により、アラーム開口部が完全にカ
バーされる。従って、これらのアラーム開口部のカバー
状態又は音穴の出現状態を視認して確認することもでき
る。また、アラーム機能を用いないオフ操作時には、こ
のカバー部材により、アラーム開口部が完全に閉じられ
るので、すっきりしたスマートな外観性を得ることがで
きる。
【0042】更に、本発明の第3実施例を図11ないし
図15に基づいて説明する。
【0043】本実施例の目覚時計1のアラーム音穴開閉
機構は、図11ないし図13に示すように、前記第2実
施例のカバー部材12を、更にスライド方向に拡張し、
スリット形状の通常アラーム音量のアラーム音穴と、音
穴を設けない非アラームとの中間に、低アラーム音量の
音穴を設けたものである。すなわち、開口面積の異なる
2種類の音穴を、カバー部材12に設け、アラーム設定
音量も容易に識別できるようにしている。
【0044】すなわち、前記アラーム開口部9は、文字
板3の左側に設けられ、文字板3の外周に沿った帯状に
形成された単純な開口形状となっている。このアラーム
開口部9の時計背面側には、スピーカ等を用いた発音体
10が設けられている。
【0045】また、アラーム・スイッチ8は、前記第2
実施例と比べてスイッチ移動範囲が増加され、また、ス
イッチ・ポジションとして、上方,中間,下方の3ポジ
ションが設定されている。すなわち、このアラーム・ス
イッチ8の3ポジション位置に準じて、通常アラーム音
量、低アラーム音量、及びアラーム・オフを使用者が任
意にセットできるようになっている。
【0046】更に、カバー部材12のカバー部13は、
前記第2実施例と比較して、更にスライド移動方向に延
設され、カバー部13の一部が常に、アラーム開口部9
と発音体10の間に介在するようになされている。ま
た、このカバー部13全体は、スライド方向に均等に3
分割され、上方の分割部分には、通常アラーム音量を示
すスリット状の音穴13aが貫設され、中間の分割部分
には、低アラーム音量を示す丸穴パターンの音穴13b
が貫設されている。
【0047】従って、使用者がアラーム機能をセットす
るために、アラーム・スイッチ8を上方位置にスイッチ
操作した場合には、図11に示すように、アラーム開口
部9に、カバー部13に設けたスリット状の音穴13a
が現われ、アラーム機能がオンとなり、且つ、通常アラ
ーム音量にセットされていることを明瞭に確認すること
ができる。
【0048】また、使用者がアラーム音量を低音量にセ
ットするために、アラーム・スイッチ8を中間位置にス
イッチ操作した場合には、図14(a)に示すように、
アラーム開口部9に、カバー部材12のカバー部13の
中音量を示す丸穴パターンの音穴13bが現われる。す
なわち、図14(b)に示すように、このスイッチ操作
量より大きく、中間アーム部材11の先端が下方に揺動
する。そして、これに応じて、カバー部材12のアーム
部14が時計軸6を中心にして揺動して、アーム部14
がほぼ水平状態となり、カバー部13の中間部分がアラ
ーム開口部9位置に揺動移動し、このアラーム開口部9
に、このカバー部13の中央部分に設けられている丸穴
パターンの音穴13bが現われる。従って、このアラー
ム開口部9に現われたカバー部13の音穴13bによ
り、使用者は、アラーム機能がオンとなり、且つ、低音
アラーム音量にセットされていることを容易に把握する
ことができる。
【0049】更に、使用者がアラーム機能をオフするた
めに、アラーム・スイッチ8を下方のアラーム・オフ位
置にスイッチ操作した場合には、図15(a)に示すよ
うに、アラーム開口部9がカバー部13のカバー部分に
よりカバーされ、閉じられる。すなわち、図15(b)
に示すように、このスイッチ操作量より大きく、中間ア
ーム部材11の先端が下方に揺動する。そして、これに
応じて、カバー部材12のアーム部14が時計軸6を中
心にして揺動して、カバー部材12のカバー部13がア
ラーム開口部9位置に揺動移動し、このカバー部13に
よりアラーム開口部9がカバーされて閉じられる。
【0050】尚、本実施例においては、アラーム音量の
大小に応じて、スリット状と複数の丸穴の音穴等のよう
に、異なる形状の音穴を設けたが、これに限らず、同一
形状の音穴の大きさの大小や数の多少、及びこれらを組
合せるようにしてもよい。
【0051】また、発音体から常に同一のアラーム音量
を発するようにし、このカバー部材12の音穴の合計開
口面積により、音量を調節するようにしてもよいし、ア
ラーム・スイッチ8により複数の電気回路を択一的に選
択して音量調節をするように構成してもよい。更に、こ
のように回路的に構成する場合にも、音量調節ではな
く、異なるアラーム音やアラーム・メロディ等を選択で
きるようにしてもよく、この場合にも、アラーム開口部
に現われる異なる音穴パターン・形状により、容易にア
ラーム音・メロディの設定状態を把握することができ
る。
【0052】以上説明したように、本実施例によれば、
前述した第2実施例と同様な効果を奏するのみならず、
カバー部材を動作方向に延設させると共に、各音量に応
じて異なる丸穴やスリット状等の音穴形状を設けたこと
により、アラーム機能のオン時には、アラーム開口部に
ある音穴形状やパターンを一見して、アラーム機能の音
量状態を把握することができ、目覚時計としての取扱い
性を向上することができる。
【0053】更に、本発明の第4実施例を図16ないし
図19に基づいて説明する。
【0054】図16ないし図18に示すように、本実施
例の目覚時計1のアラーム音穴開閉機構は、時計ケース
2の側部に設けられたアラーム・スイッチ16と、時計
文字板3の下方に設けられたアラーム開口部9と、この
アラーム開口部9にはめ込まれるものであって、アラー
ム・スイッチ16に中間アーム部材17を介して接続さ
れ、開閉動作が可能なカバー部材18とから構成されて
いる。そして、アラーム・スイッチ16のスライド移動
を中間アーム部材17により揺動運動に変換し、この揺
動運動によりカバー部材18を回動駆動させ、アラーム
開口部9を開閉扉状に開閉動作させている。尚、図示を
省略したが、アラーム開口部9のカバー部材18より時
計背面側には、アラーム発音体が配設されている。
【0055】すなわち、このアラーム・スイッチ16
は、台座状のツマミ部16aと、このツマミ部16a下
端から時計ケース2の内面形状に合わせて湾曲されたア
ーム部16bとから構成され、このアーム部16bの先
端には、支点ピン16cが装着され、中間アーム部材1
7の後端に係合している。尚、19は押え部材で、アラ
ーム・スイッチ16が、時計ケース2のアラーム・スイ
ッチ装着孔2aから脱落することを防止する部材であ
る。
【0056】前記中間アーム部材17は、長板状に形成
され、前後端には、それぞれ、係合溝17a,17bが
設けられ、アラーム・スイッチ16とカバー部材18に
接続されている。すなわち、中間アーム部材17後端の
係合溝17a内には、アラーム・スイッチ16のアーム
部16b先端に設けられた支点ピン16cが係合され、
先端の係合溝17b内には、カバー部材18のアーム部
18b先端に設けられた支点軸18cが係合されてい
る。
【0057】また、この中間アーム部材17の中間より
アラーム・スイッチ16側寄りには揺動中心軸17cが
設けられ、この揺動中心軸17cを介して、時計ケース
2側に固定された保持部材20に装着され、中間アーム
部材17が時計ケース2側に揺動可能に保持されてい
る。従って、中間アーム部材17の揺動中心軸17c
が、アラーム・スイッチ16側寄りに設けられているの
で、これらの支点間の関係により、この中間アーム部材
17のカバー部材18側先端が、アラーム・スイッチ8
の移動量を拡大した、大きな移動量によって揺動するこ
ととなる。
【0058】また、時計ケース2の文字板3下方には、
円弧状に切欠かれた形状のアラーム開口部9が設けられ
ており、このアラーム開口部9には、同一形状のカバー
部材18が、はめ込まれている。このカバー部材18
は、左右両端を時計ケース2側に軸支され、開閉可能に
支持されている。すなわち、アラーム機能がオン状態の
時には、図19(a)及び同図(b)に示すように、こ
のカバー部材18が開状態とされ、このカバー部材18
の背面側に設けられた発音体(図示を省略)が出現し
て、アラーム発音が可能になる。
【0059】このカバー部材18の外形状は、アラーム
開口部9と同じ円弧状に形成され、左右両端には、左右
方向に突出した支持軸部18aが設けられている。そし
て、この支持軸部18aに対応して、アラーム開口部9
の時計ケース2の内側には、軸受部材21が設けられて
おり、この時計ケース2の軸受部材21を介して、カバ
ー部材18が、時計ケース2に揺動可能に保持されてい
る。
【0060】また、この支持軸部18aのアラーム・ス
イッチ16側には、アーム部18bが設けられ、このア
ーム部18bの先端には係合軸部18cが設けられてい
る。そして、このアーム部18bの係合軸部18cは、
中間アーム部材17先端の係合溝17bに係合してい
る。
【0061】従って、使用者がアラーム機能をオンする
ために、アラーム・スイッチ16を上方のアラーム・オ
ン位置にスイッチ操作した場合には、図19(a)に示
すように、アラーム開口部9内に位置するカバー部材1
8が、水平状態となり、アラーム開口部9が全開状態と
なる。すなわち、図19(b)に示すように、中間アー
ム部材17の後端が、このアラーム・スイッチ操作によ
り上方に持上げられ、先端が下方に降下し前傾揺動す
る。そして、これに応じて、カバー部材18のアーム部
13bが、支持軸13aを中心にして揺動して略水平状
態となり、アラーム開口部9が全開状態となる。
【0062】以上説明したように、本実施例によれば、
前記第1実施例と同様な効果を奏するのみならず、上下
にスライド移動するアラーム・スイッチ操作によって、
このスイッチのスライド移動と異なる、アラーム開口部
のカバー部材が開閉蓋状に開閉動作するので、使用者
に、より大きな興趣を喚起することができる。
【0063】また、このカバー部材により、このアラー
ム開口部を完全に閉じると共に、時計ケース外面と同一
平面とすることができるので、アラーム機能のオフ時に
は、すっきりしたスマートな外観を得ることができる。
【0064】更に、前面から視認しにくい時計ケースの
側部にアラーム・スイッチを設けても、一見して判別で
きる前面のアラーム開口部の開閉状態により、アラーム
機能の動作状態を把握することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アラーム・スイッチを、リンク機構を介して、アラーム
開口部を開閉するカバー部材に接続しているので、この
リンク機構によりアラーム・スイッチとアラーム開口部
との位置関係の制約が緩和され、時計デザインの自由度
を向上することができる。
【0066】また、アラーム・スイッチの僅かな操作量
をリンク機構により拡大してカバー部材を移動すること
ができ、このカバー部材によって比較的大きい面積のア
ラーム開口部をカバーすることができるので、カバー時
と非カバー時との開口面積差を十分に大きくでき、アラ
ーム動作状態の識別性を十分に確保することができる。
【0067】更に、このリンク機構により、スイッチ操
作方向と異なる方向に、カバー部材を移動して、アラー
ム開口部を開閉動作できるので、使用者に興趣を喚起す
ることができる。
【0068】更に、設定アラーム音量に応じて互いに異
なる音穴パターンや音穴形状を設けた場合は、アラーム
開口部に現われた当該音穴パターンや音穴形状を一見し
て、アラーム音量の設定状態を容易に把握することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の目覚時計のアラーム音穴開閉機構の第
1実施例に係り、アラーム・オン時の状態を示す目覚し
時計の正面図。
【図2】本第1実施例の目覚し時計の横断面図。
【図3】本実施例のアラーム音穴開閉機構の概略構成を
示す正面図。
【図4】本実施例のアラーム音穴開閉機構の分解斜視
図。
【図5】本実施例のアラーム音穴開閉機構に係り、
(a)は、アラーム・オフ時の状態を示す目覚し時計の
正面図、(b)は、同状態のアラーム音穴開閉機構の動
作を示す正面図。
【図6】本発明の目覚時計のアラーム音穴開閉機構の第
2実施例に係り、アラーム・オン時の状態を示す目覚し
時計の正面図。
【図7】本第2実施例の目覚し時計の横断面図。
【図8】本実施例のアラーム音穴開閉機構の概略構成を
示す正面図。
【図9】本実施例のアラーム音穴開閉機構の分解斜視
図。
【図10】本実施例のアラーム音穴開閉機構に係り、
(a)は、アラーム・オフ時の状態を示す目覚し時計の
正面図、(b)は、同状態のアラーム音穴開閉機構の動
作を示す正面図。
【図11】本発明の目覚時計のアラーム音穴開閉機構の
第3実施例に係り、アラーム・オン時の状態を示す目覚
し時計の正面図。
【図12】本第3実施例のアラーム音穴開閉機構の概略
構成を示す正面図。
【図13】本実施例のアラーム音穴開閉機構の分解斜視
図。
【図14】本実施例のアラーム音穴開閉機構に係り、
(a)は、低アラーム音量セット時の状態を示す目覚し
時計の正面図、(b)は、同状態のアラーム音穴開閉機
構の動作を示す正面図。
【図15】本実施例のアラーム音穴開閉機構に係り、
(a)は、アラーム・オフ時の状態を示す目覚し時計の
正面図、(b)は、同状態のアラーム音穴開閉機構の動
作を示す正面図。
【図16】本発明の目覚時計のアラーム音穴開閉機構の
第4実施例に係り、アラーム・オフ時の状態を示す目覚
し時計の正面図。
【図17】本第4実施例のアラーム音穴開閉機構の分解
斜視図。
【図18】本実施例のアラーム音穴開閉機構に係り、
(a)は、アラーム・オフ時のアラーム音穴開閉機構の
動作を説明する正面図、(b)は、同側面図。
【図19】本実施例のアラーム音穴開閉機構に係り、
(a)は、アラーム・オン時のアラーム音穴開閉機構の
動作を説明する正面図、(b)は、同側面図。
【符号の説明】
1 目覚時計 2 時計本体ケース 2a アラーム・スイッチ装着孔 2b 中間アーム部材装着軸 3 文字板 3a 指標 4 時計軸 5 時計ムーブメント 6 指針 6a 分針 6b 時針 8 アラーム・スイッチ 8a アラーム・スイッチの支点ピン 9 アラーム開口部 9a 水平スリット状部材 10 発音体 11 中間アーム部材 11a 中間アーム部材の長孔 11b 中間アーム部材の係合溝 12 カバー部材 13 カバー部材のカバー部 13a カバー部の通常音量の音穴 13b カバー部の低音量の音穴 14 カバー部材のアーム部 14a アーム部の揺動中心軸孔(時計軸挿嵌孔) 14b アーム部の係合軸部 16 アラーム・スイッチ 16a ツマミ部 16b アーム部 16c 支点ピン 17 中間アーム部材 17a 後端(アラーム・スイッチ)側の係合溝 17b 先端(カバー部材)側の係合溝 17c 揺動中心軸 18 カバー部材 18a 支持軸部 18b アーム部 18c 係合軸部 19 アラーム・スイッチ用押え部材 20 中間アーム部材用保持部材 21 カバー部材用軸受部材

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラーム機能をオンオフするアラーム・
    スイッチを備えた目覚時計において、 前記アラーム・スイッチをスライド移動可能に設け、 前記アラーム機能の発音体に対応して時計前面側にアラ
    ーム開口部を設け、 前記アラーム開口部を開閉するカバー部材を設けると共
    に、該カバー部材を前記アラーム・スイッチにリンク機
    構を介して接続したことを特徴とする目覚時計のアラー
    ム音穴開閉機構。
  2. 【請求項2】 前記カバー部材は、スライドするカバー
    部材又は回動するカバー部材であり、更に、前記カバー
    部材に、アラーム音量に応じて異なる複数の音穴パター
    ンもしくは異なる音穴形状又はこれらの組合せを設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の目覚時計のアラーム音
    穴開閉機構。
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