JP2851443B2 - シバツトガの配偶行動攪乱剤 - Google Patents

シバツトガの配偶行動攪乱剤

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JP2851443B2
JP2851443B2 JP2414676A JP41467690A JP2851443B2 JP 2851443 B2 JP2851443 B2 JP 2851443B2 JP 2414676 A JP2414676 A JP 2414676A JP 41467690 A JP41467690 A JP 41467690A JP 2851443 B2 JP2851443 B2 JP 2851443B2
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shibattoga
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浩 野口
喜一 清水
利幸 河名
福田  寛
昭 山本
毅彦 福本
俊明 井原
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CHIBAKEN
NORINSUISANSHO NOGYO KANKYO GIJUTSU KENKYUSHOCHO
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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CHIBAKEN
NORINSUISANSHO NOGYO KANKYO GIJUTSU KENKYUSHOCHO
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芝生に重大な被害を与
えるシバツトガの配偶行動を撹乱して個体の増殖を妨
げ、その防除を行なう、性フェロモンを有効成分とする
シバツトガの配偶行動撹乱剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シバツトガは芝生の主要害虫として知ら
れている。特に我が国ではゴルフ場の芝生に重大な被害
を与えている。この虫の防除には、これまで有機リン
系、カーバメイト系及びピレスロイド系の多くの殺虫剤
が使われてきた。しかし、これらの殺虫剤は散布者に薬
害または中毒症状をもたらす危険が高いだけでなく、環
境汚染の危険性などの問題を抱えているため、毒性がな
く環境汚染をしない防除方法の開発が望まれていた。
【0003】その一つとして近年人工的に合成した昆虫
の性フェロモンを用いて、昆虫の配偶行動を撹乱するこ
とによるクリーンな昆虫防除方法が開発され、既に茶の
ハマキムシ類、果樹のシンクイムシやコスカシバ、野菜
を食害するコナガにおいて実用化されている。
【0004】この性フェロモンによる防除は標的害虫に
のみ効果を及ぼし、人間や他の生物に対して全く毒性が
ないだけでなく、環境汚染の危険性もなく、従来の農薬
の抱えていた諸問題を解決できる方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、芝生
の主要害虫として知られているシバツトガを防除するの
に有効な性フェロモン物質を有効成分とする配偶行動撹
乱剤を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、ま
ずシバツトガの性フェロモン物質の同定を行なった。野
外のシバツトガを採集し処女雌からヘキサンにより性フ
ェロモンを抽出した。この抽出物を、シバツトガの雄の
アンテナを用いた検出器(EAD)とTCDとを組み込
んだガスクロマトグラフにより分析したところ、シバツ
トガの性フェロモンの構成成分は、Z−9−ヘキサデセ
ナール、Z−11−ヘキサデセナール、Z−11−ヘキサデ
セノール及びZ−11−ヘキサデセニルアセテートである
ことが確認された。
【0007】さらに本発明者らは、これらの構成成分
を、それぞれ単独で、もしくは二種以上混合して使用し
たときのシバツトガの雄成虫の配偶行動撹乱剤としての
有効性を検討したところ、Z−11−ヘキサデセナールを
有効成分として使用すれば、最も有効であることを見い
だし本発明を完成させた。
【0008】なお、このZ−11−ヘキサデセナールの害
虫防除効果については、特公昭55-34761号公報におい
て、これが水稲の主要害虫であるニカメイチュウの配偶
行動撹乱剤となることが述べられ公知とされているが、
これが芝生のシバツトガ雄成虫の配偶行動撹乱剤として
有用であることは本発明者らによって初めて見出された
ものである。
【0009】本発明はZ−11−ヘキサデセナールを有効
成分とするシバツトガの配偶行動撹乱剤であるが、この
使用にあたっては構成成分の他の成分や他の昆虫の性フ
ェロモン構成成分を添加してもよい。これには例えばZ
−9−ヘキサデセナール、Z−11−ヘキサデセノールお
よびZ−11−ヘキサデセニルアセテートなどが挙げられ
る。
【0010】また、この配偶行動撹乱剤にはブチルヒド
ロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ハイド
ロキノン、ビタミンE等の抗酸化剤や2−ヒドロキシ−
4−オクトキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤を適量
加えてもよい。
【0011】本発明の配偶行動撹乱剤は、有効成分とし
てのZ−11−ヘキサデセナールの放出を長期間にわたっ
て持続させるために、これを例えば、特開昭56-14202
号、57-9705号、57-50901号、57-72904号、 57-156403
号、 58-183601号、 59-216802号、 60-215367号、 61-
202643号、 62-195303号、 62-223101号、 62-258301
号、 63-225303号および64-75402号各公報、実開昭57-5
1532号、57-51533号、61-43201号、 62-122801号および
64-45974号各公報に記載の、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル
などの放出量制御機能を有するプラスチックからなる細
管、ラミネート製の袋、カプセル等の容器に充填して用
いられる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の具体的態様を実施例および比
較例によって説明する。 実施例1〜2および比較例3〜5 内径 0.8mm、外径 1.6mm、長さ 200mmのポリエチレンチ
ューブの中に、表に示した性フェロモン物質にその 1.0
重量%のブチルヒドロキシトルエンと 1.0重量%の2−
ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンを加えたも
のを充填した後、チューブの口を封止して徐放化製剤を
作製した。この徐放化製剤を30℃、 0.5m/sec の風速
の下で放出速度を測定したところ、一本当り 1.4mg/日
の速度を示した。
【0013】千葉市にある千葉県農業試験場内の芝生圃
場の1haを20aずつ5区にわけ、1区〜4区のそれぞれ
の区の中央付近に、高さ 1.8mのポールを縦横6本づ
つ、それぞれ 4.5m間隔に合計36本立て、実施例1〜2
と比較例1〜2の製剤では表に示した各区の36本のポー
ルの先に一本当たり製剤2本ずつを取り付けた。なお比
較例3(5区)は製剤を用いない対照区とした。
【0014】ついで各区の中央付近の4本のポール内に
シバツトガの処女雌をつなぎ雌にして25頭ずつ夕方セッ
トし、次の日の朝、回収して交尾の有無を調べた。この
実験を1990年9月24日、9月25日、9月26日、9月30
日、10月2日および10月3日の、夕方から翌朝にかけ行
い、交尾の有無から平均の交尾阻害率を求め、その結果
を表に併記した。これより、実施例のZ−11−ヘキサデ
セナールを有効成分として含む製剤では、交尾阻害率が
高く、配偶行動撹乱剤としてすぐれていることが判っ
た。
【0015】
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明のZ−11−ヘキサデセナールを有
効成分とする配偶行動撹乱剤は、芝生の主要害虫として
知られているシバツトガを防除するのに有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 喜一 千葉県市原市西広874−282−1 (72)発明者 河名 利幸 千葉県千葉市千城台北2−21−4 (72)発明者 福田 寛 千葉県千葉市鎌取町118−4 (72)発明者 山本 昭 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地 の1 信越化学工業株式会社 合成技術 研究所内 (72)発明者 福本 毅彦 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地 の1 信越化学工業株式会社 合成技術 研究所内 (72)発明者 井原 俊明 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地 の1 信越化学工業株式会社 合成技術 研究所内 (56)参考文献 特開 平4−243802(JP,A) 特開 平5−255009(JP,A) 特開 平6−56608(JP,A) Journal of Econom ic Entomology,83 (3),p856−859,1990(June) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 35/02 A01N 63/00 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Z−11−ヘキサデセナールを有効成分とす
    るシバツトガの配偶行動撹乱剤。
JP2414676A 1990-12-27 1990-12-27 シバツトガの配偶行動攪乱剤 Expired - Fee Related JP2851443B2 (ja)

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JP4546195B2 (ja) * 2004-09-15 2010-09-15 信越化学工業株式会社 複数の性フェロモン物質を含む徐放性製剤及び防除方法

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Journal of Economic Entomology,83(3),p856−859,1990(June)

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