JP2851202B2 - 超電導コイル - Google Patents
超電導コイルInfo
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- JP2851202B2 JP2851202B2 JP4061692A JP6169292A JP2851202B2 JP 2851202 B2 JP2851202 B2 JP 2851202B2 JP 4061692 A JP4061692 A JP 4061692A JP 6169292 A JP6169292 A JP 6169292A JP 2851202 B2 JP2851202 B2 JP 2851202B2
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- Japan
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- coil
- coil conductor
- bolt
- conductor portion
- conductor
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導線を周回したコイ
ル導体部をボルトでクランプする超電導コイルに関す
る。
ル導体部をボルトでクランプする超電導コイルに関す
る。
【0002】
【従来の技術】周知のように、コイルを構成する導体に
は次の式で表わされる電磁力が発生する。ここで、Fは
電磁力(N/m3 )、jは電流密度(A/m2 )、Bは
磁場の強さ(T)である。 F=j×B
は次の式で表わされる電磁力が発生する。ここで、Fは
電磁力(N/m3 )、jは電流密度(A/m2 )、Bは
磁場の強さ(T)である。 F=j×B
【0003】図5はコイル断面に発生する電磁力Fの様
子を示したものである。図に示すように、超電導線を円
筒形に周回したコイル導体部4に紙面と垂直に上から下
に電流1が流れると、この電流1はコイルが発生する磁
場2との相互作用により、例えばコイル上半分では上記
式によって表される右下方向の電磁力3が働く。この電
磁力3により導体の微小変位を引き起こす。特に、超電
導コイルの場合にはこの微小変位が引き金になってクエ
ンチが誘発される危険があるので、導体の動きを押さえ
込み、コイルをクエンチに対して安定化させる目的でコ
イル全体をボルト等で強力にクランプする等の方法が採
られている。
子を示したものである。図に示すように、超電導線を円
筒形に周回したコイル導体部4に紙面と垂直に上から下
に電流1が流れると、この電流1はコイルが発生する磁
場2との相互作用により、例えばコイル上半分では上記
式によって表される右下方向の電磁力3が働く。この電
磁力3により導体の微小変位を引き起こす。特に、超電
導コイルの場合にはこの微小変位が引き金になってクエ
ンチが誘発される危険があるので、導体の動きを押さえ
込み、コイルをクエンチに対して安定化させる目的でコ
イル全体をボルト等で強力にクランプする等の方法が採
られている。
【0004】従来の超電導コイルは、図6に示すように
ボルト6をコイル内周部および外周部の両方に設け押え
板5を介してコイル導体部4を締め付けるとか、あるい
は図7に示すようにボルト6をコイル外周部のみに設け
押え板5を介してコイル導体部4を締め付けていた。
ボルト6をコイル内周部および外周部の両方に設け押え
板5を介してコイル導体部4を締め付けるとか、あるい
は図7に示すようにボルト6をコイル外周部のみに設け
押え板5を介してコイル導体部4を締め付けていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図6のよう
に構成された超電導コイルでは押え板5とボルト6によ
りコイル導体部4を強固にクランプすることは可能であ
るが、磁場を効果的に発生できるコイル内周部にボルト
6を配置しているため有効内径が小さくなる。従って、
ボルト6を配置しない場合と同じ有効内径を得ようとす
るとコイルが大型化し、必要電源容量および発生電磁力
が大きくなり、また導体最大経験磁場も大きくなる等様
々な不都合な問題が生ずる。
に構成された超電導コイルでは押え板5とボルト6によ
りコイル導体部4を強固にクランプすることは可能であ
るが、磁場を効果的に発生できるコイル内周部にボルト
6を配置しているため有効内径が小さくなる。従って、
ボルト6を配置しない場合と同じ有効内径を得ようとす
るとコイルが大型化し、必要電源容量および発生電磁力
が大きくなり、また導体最大経験磁場も大きくなる等様
々な不都合な問題が生ずる。
【0006】一方、図7のように構成された超電導コイ
ルでは上記の如き問題は生じないが、導体クランプ用の
ボルト6を強固に締め込んでもコイル導体部4の外周側
が押え込まれるばかりで、押え板5に変形が生じ、押え
板5の内周側が浮き上がってしまうためにコイル導体部
4の内周側には全くと言っていいほど圧縮力が伝達され
ない。このため、この部分では超電導状態が常伝導状態
に変移するクエンチが発生し易くなるという問題が生ず
る。
ルでは上記の如き問題は生じないが、導体クランプ用の
ボルト6を強固に締め込んでもコイル導体部4の外周側
が押え込まれるばかりで、押え板5に変形が生じ、押え
板5の内周側が浮き上がってしまうためにコイル導体部
4の内周側には全くと言っていいほど圧縮力が伝達され
ない。このため、この部分では超電導状態が常伝導状態
に変移するクエンチが発生し易くなるという問題が生ず
る。
【0007】本発明は上記問題を解消するためになされ
たもので、その目的はコイル内周部にボルトを配置する
ことなく、コイル外周側に配置されたボルトによる圧縮
力を導体部内周側および外周側両方に分散伝達させ、コ
イル全体を均一にクランプさせる超電導コイルを提供す
ることにある。
たもので、その目的はコイル内周部にボルトを配置する
ことなく、コイル外周側に配置されたボルトによる圧縮
力を導体部内周側および外周側両方に分散伝達させ、コ
イル全体を均一にクランプさせる超電導コイルを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、超電導線を円筒形に周回したコイル導体
部を、このコイル導体部内周径より大きい内径を有する
ドーナツ円板状の押え板を介して前記コイル導体部の外
周側のみに配設した複数のボルトでクランプし、前記コ
イル導体部の軸方向上下端面と前記押え板の間にこのボ
ルトによる圧縮力を前記コイル導体の径方向の一点で受
けるとともに前記コイル導体部の軸方向上下端面全体に
均一に分散させる前記コイル導体部上下端面と同一の内
周径および外周径を有するドーナツ円板状の圧力分散板
を設けて成ることを特徴とする。
め、本発明は、超電導線を円筒形に周回したコイル導体
部を、このコイル導体部内周径より大きい内径を有する
ドーナツ円板状の押え板を介して前記コイル導体部の外
周側のみに配設した複数のボルトでクランプし、前記コ
イル導体部の軸方向上下端面と前記押え板の間にこのボ
ルトによる圧縮力を前記コイル導体の径方向の一点で受
けるとともに前記コイル導体部の軸方向上下端面全体に
均一に分散させる前記コイル導体部上下端面と同一の内
周径および外周径を有するドーナツ円板状の圧力分散板
を設けて成ることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明によると、コイル外周部に設けたボルト
の圧縮力は、押え板を介し一旦圧力分散板に伝達された
上でコイル導体部に伝達されるので、伝達された圧縮力
は板の端部ではなく、圧力分散板の中央にて受ける。し
たがってボルトによる圧縮力はコイル導体部内周側およ
び外周側両方に均一に分散伝達される。
の圧縮力は、押え板を介し一旦圧力分散板に伝達された
上でコイル導体部に伝達されるので、伝達された圧縮力
は板の端部ではなく、圧力分散板の中央にて受ける。し
たがってボルトによる圧縮力はコイル導体部内周側およ
び外周側両方に均一に分散伝達される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。図1は本発明の一実施例の縦断面図である。図2は
図1のI−I方向からみた平面図、図3は図1のII−II
線による横断面図である。
る。図1は本発明の一実施例の縦断面図である。図2は
図1のI−I方向からみた平面図、図3は図1のII−II
線による横断面図である。
【0011】図1乃至図3に示すように、超電導線を円
筒形に周回したコイル導体部4は周方向に分割された圧
力分散板7及びドーナツ円板状の押え板5を介し、コイ
ル外周部に設けたボルト6によりクランプされている。
したがって、コイル外周部に設けたボルト6の圧縮力
は、押え板5を介し一旦圧力分散板7の中央部に伝達さ
れる。圧力分散板7の一方の片面は押え板5と1点で接
し、他方の片面はコイル導体部4と2点で接するように
なっている。接面間の距離に従って圧縮力は導体部内周
側及び外周側両方に分散伝達され、コイル導体部4を均
一にクランプしている。
筒形に周回したコイル導体部4は周方向に分割された圧
力分散板7及びドーナツ円板状の押え板5を介し、コイ
ル外周部に設けたボルト6によりクランプされている。
したがって、コイル外周部に設けたボルト6の圧縮力
は、押え板5を介し一旦圧力分散板7の中央部に伝達さ
れる。圧力分散板7の一方の片面は押え板5と1点で接
し、他方の片面はコイル導体部4と2点で接するように
なっている。接面間の距離に従って圧縮力は導体部内周
側及び外周側両方に分散伝達され、コイル導体部4を均
一にクランプしている。
【0012】本実施例によれば、コイル外周部に設けた
ボルト6によりコイル導体部4を均一にクランプするこ
とが可能となり、コイル有効内径を小さくすることな
く、導体変位に起因するクエンチに対してコイルを安定
化できる。
ボルト6によりコイル導体部4を均一にクランプするこ
とが可能となり、コイル有効内径を小さくすることな
く、導体変位に起因するクエンチに対してコイルを安定
化できる。
【0013】図4は本発明の他の実施例の縦断面図であ
り、圧力分散板7のコイル側の面を平坦にした例であ
る。この場合は上記実施例とは力の分布は多少異なる
が、上記実施例と同様な効果、すなわちコイル外周部に
設けたボルト6によりコイル導体部4を均一にクランプ
することが可能となり、コイル有効内径を小さくするこ
となく、導体変位に起因するクエンチに対してコイルを
安定化できるという効果が得られる。なお、上記各実施
例においては圧力分散板を周方向に分割しているが、こ
れは一体形状に構成しても同様の効果が得られる。
り、圧力分散板7のコイル側の面を平坦にした例であ
る。この場合は上記実施例とは力の分布は多少異なる
が、上記実施例と同様な効果、すなわちコイル外周部に
設けたボルト6によりコイル導体部4を均一にクランプ
することが可能となり、コイル有効内径を小さくするこ
となく、導体変位に起因するクエンチに対してコイルを
安定化できるという効果が得られる。なお、上記各実施
例においては圧力分散板を周方向に分割しているが、こ
れは一体形状に構成しても同様の効果が得られる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コイル外周部に設けたボルトにより、コイル導体部を均
一にクランプすることが可能となり、コイル有効内径を
小さくすることなく、導体変位に起因するクエンチに対
してコイルを安定化できる。また、内外周におけるクラ
ンプ力の大きさは、接面間の腕の長さにより自由に選択
できるので、電磁力分布に従ってより有効に設定でき
る。さらに、室温から極低温に至る冷却過程でボルト材
とコイル導体部の熱収縮率の違いにより発生するボルト
のゆるみも押え板のバネ効果によって吸収することが可
能となるなどの効果を奏する。
コイル外周部に設けたボルトにより、コイル導体部を均
一にクランプすることが可能となり、コイル有効内径を
小さくすることなく、導体変位に起因するクエンチに対
してコイルを安定化できる。また、内外周におけるクラ
ンプ力の大きさは、接面間の腕の長さにより自由に選択
できるので、電磁力分布に従ってより有効に設定でき
る。さらに、室温から極低温に至る冷却過程でボルト材
とコイル導体部の熱収縮率の違いにより発生するボルト
のゆるみも押え板のバネ効果によって吸収することが可
能となるなどの効果を奏する。
【図1】本発明の一実施例の縦断面図。
【図2】図1のI−I線から見た平面図。
【図3】図1のII−II線に沿う横断面図。
【図4】本発明の他の実施例の縦断面図。
【図5】コイルに働く電磁力を示す図。
【図6】従来の超電導コイルの断面図。
【図7】従来の他の超電導コイルの断面図。
1…電流、2…磁場、3…電磁力、4…コイル導体部、
5…押え板、6…ボルト、7…圧力分散板。
5…押え板、6…ボルト、7…圧力分散板。
Claims (1)
- 【請求項1】 超電導線を円筒形に周回したコイル導
体部を、このコイル導体部内周径より大きい内径を有す
るドーナツ円板状の押え板を介して前記コイル導体部の
外周側のみに配設した複数のボルトでクランプし、前記
コイル導体部の軸方向上下端面と前記押え板の間にこの
ボルトによる圧縮力を前記コイル導体の径方向の一点で
受けるとともに前記コイル導体部の軸方向上下端面全体
に均一に分散させる前記コイル導体部上下端面と同一の
内周径および外周径を有するドーナツ円板状の圧力分散
板を設けて成ることを特徴とする超電導コイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4061692A JP2851202B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 超電導コイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4061692A JP2851202B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 超電導コイル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05267045A JPH05267045A (ja) | 1993-10-15 |
JP2851202B2 true JP2851202B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=13178561
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4061692A Expired - Fee Related JP2851202B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 超電導コイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2851202B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2015189881A1 (ja) * | 2014-06-09 | 2015-12-17 | 株式会社日立製作所 | 超電導磁石 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59176113U (ja) * | 1983-05-12 | 1984-11-24 | 住友電気工業株式会社 | 超電導マグネツトのコイル締付構造 |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP4061692A patent/JP2851202B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05267045A (ja) | 1993-10-15 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
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