JP2851141B2 - たわみ試験機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は管などの円筒体の強度試験を行うためのたわ
み試験機に関する。

従来の技術 従来、管などの円筒体状をなす試験片の強度試験を行
うためのたわみ試験機は、ロードセルを有した荷受テー
ブルと油圧シリンダに連動する加重テーブルとを備えて
おり、荷受テーブルと加重テーブルとの間に試験片を挟
持して油圧シリンダで負荷を加えながらロードセルで試
験片が圧壊する荷重値を検出し、試験片のたわみに対す
る強度を測定していた。

発明が解決しようとする課題 しかし、上記した従来の構成において、正確な測定を
行うためには油圧シリンダとロードセルとを結ぶ直線上
に試験片を配置する必要があり、如何にして正確なセン
タリング作業を行うが課題であった。

本発明は上記課題を解決するもので、試験片を牽引棒
で牽引することにより試験片を正確にセンタリングする
ことができるたわみ試験機を提供することを目的とす
る。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、軸心を上下方向
に向けて配置される筒体状の試験片を摺動自在に保持す
る作業テーブルと、作業テーブルの上方に水平方向に向
けて設けられた荷受テーブルと、荷受テーブルに加わる
荷重を測定する荷重測定手段と、荷受テーブルに対向す
る位置に荷受テーブルに向けて水平方向に出退自在に設
けられた加重テーブルと、加重テーブルを荷受テーブル
に向けて押圧する加重手段と、作業テーブルの上方に加
重テーブルの出退方向に沿って移動自在に設けられた移
動台座と、移動台座を荷受テーブルに向けて押圧する付
勢手段と、移動台座に軸心を上下方向にして昇降自在に
垂設されて加重テーブルに対する加重手段の作用点と荷
受テーブルに対する荷重測定手段の作用点とを結ぶ直線
上に位置する牽引棒と、牽引棒を昇降駆動する昇降手段
とを備えた構成としたものである。

作用 上記した構成により、始めに作業テーブル上に試験片
を載置し、昇降手段を駆動して牽引棒を試験内の内部に
位置するまで降下させる。そして、付勢手段を駆動して
移動台座を荷受テーブルに向けて移動させるとともに、
牽引棒を加重テーブルに対する加重手段の作用点と荷受
テーブルに対する荷重測定手段の作用点とを結ぶ直線上
で移動させ、試験片の内周面に当接する牽引棒で試験片
を荷受テーブルに向けて押圧し、試験片を荷受テーブル
に向けて移動させる。

このとき、牽引棒に押圧される試験片は牽引棒に押圧
される作用点が移動方向の先端となるように移動し、加
重テーブルに対する加重手段の作用点と荷受テーブルに
対する荷重測定手段の作用点とを結ぶ直線上に試験片の
中心が位置するようにセンタリグされる。

そして、試験片を牽引棒と荷受テーブルとで挟持した
状態で加重手段によって加重テーブルを荷受テーブルに
向けて押圧し、加重テーブルの加重面を試験片に当接さ
せて加重手段によって試験片に負荷を加え、荷重測定手
段によって荷重量を測定しながら試験片を圧縮させてた
わみに対する強度を測定する。

実施例 以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。第
１図〜第３図において、走行台座１は両側をリニアガイ
ド２を介して指示するリニアレール３に沿って移動自在
に設けられており、走行台座１にはリニアレール３に沿
って敷設したチェーン軌道４に噛合する鎖車５を備えた
駆動モータ６が設けられている。そして、走行台座１に
は水平面を有する作業テーブル７が昇降自在に設けられ
るとともに、作業テーブル７を昇降駆動するテーブル昇
降シリンダ装置８が設けられている。また、作業テーブ
ル７の上には筒体状の試験片９が軸心を上下方向に向け
て載置されている。

そして、走行台座１の走行路を跨いで架台10が設けら
れており、架台10には作業テーブル７の上方に位置して
荷受テーブル11と加重テーブル12が相対向する位置に水
平方向に向かいあって配置されている。また、荷受テー
ブル11および加重テーブル12は架台10にテーブルガイド
13を介して支持されており、互いに向かい合う方向にテ
ーブルガイド13に沿って移動自在になされている。さら
に、荷受テーブル11と架台10の間には荷重測定手段とし
てロードセル14が設けられている。そして、加重テーブ
ル12は荷受テーブル11に向かい合う方向に出退する油圧
シリンダ装置15のロッドの先端に連結されており、油圧
シリンダ装置15は加重手段をなすもので架台10に支持さ
れている。

そして、作業テーブル７の上方には移動台座16が台座
ガイド17に沿って加重テーブル12の出退方向に移動自在
に設けられており、架台10には移動台座16を荷受テーブ
ル11に向けて押圧する付勢手段として台座駆動シリンダ
装置18が設けられている。さらに、移動台座16には昇降
台座19が昇降シリンダ装置20を介して懸下されており、
昇降台座19には軸心を上下方向にして牽引棒21が垂設さ
れている。また、牽引棒21は加重テーブル12に対する油
圧シリンダ装置15の作用点と荷受テーブル11に対するロ
ードセル14の作用点とを結ぶ直線上に位置している。

以下、上記構成における作用について説明する。始め
に、荷受位置に待機する走行台座１の作業テーブル７の
上に試験片９を載置し、駆動モータ６を駆動して鎖車５
とチェーン軌道４の噛合により走行台座１を架台10の下
の設定位置に移動させる。そして、昇降シリンダ装置20
を駆動して昇降台座19に懸下された牽引棒21を試験片９
の内部に位置するまで降下させる。さらに、台座駆動シ
リンダ装置18を駆動して移動台座16を荷受テーブル11に
向けて移動させるとともに、牽引棒21を加重テーブル12
に対する油圧シリンダ装置15の作用点と荷受テーブル11
に対するロードセル14の作用点とを結ぶ直線上で移動さ
せ、試験片９の内周面に当接する牽引棒21で試験片９を
荷受テーブル11に向けて押圧し、試験片９を荷受テーブ
ル11に向けて移動させる。

このとき、第３図に示すように、牽引棒21に押圧され
る試験片９は牽引棒21に押圧される作用点が移動方向の
先端となるように移動し、加重テーブル12に対する油圧
シリンダ装置15の作用点と荷受テーブル11に対するロー
ドセル14の作用点とを結ぶ直線上に試験片９の中心が位
置するようにセンタリングされる。

そして、試験片９を牽引棒21と荷受テーブル11とで挟
持した状態で油圧シリンダ装置15によって加重テーブル
12を荷受テーブル11に向けて押圧し、加重テーブル12の
加重面を試験片９に当接させて油圧シリンダ装置15によ
って試験片９に負荷を加え、ロードセル14によって荷重
量を測定しながら試験片９を圧壊させてたわみに対する
強度を測定する。

発明の効果 以上述べたように本発明によれば、牽引棒によって試
験片を内周面側から押圧して移動させることにより、試
験片を確実にセンタリングすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すたわみ試験機の全体正
面図、第２図は同実施例の全体側面図、第３図は同実施
例における試験片の移動状態を示す動作図である。 ７……作業テーブル、11……荷受テーブル、12……加重
テーブル、14……ロードセル、15……油圧シリンダ装
置、16……移動台座、20……昇降シリンダ装置、21……
牽引棒。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軸心を上下方向に向けて配置される筒体状
   の試験片を摺動自在に保持する作業テーブルと、作業テ
   ーブルの上方に水平方向に向けて設けられた荷受テーブ
   ルと、荷受テーブルに加わる荷重を測定する荷重測定手
   段と、荷受テーブルに対向する位置に荷受テーブルに向
   けて水平方向に出退自在に設けられた加重テーブルと、
   加重テーブルを荷受テーブルに向けて押圧する加重手段
   と、作業テーブルの上方に加重テーブルの出退方向に沿
   って移動自在に設けられた移動台座と、移動台座を荷受
   テーブルに向けて押圧する付勢手段と、移動台座に軸心
   を上下方向にして昇降自在に垂設されて加重テーブルに
   対する加重手段の作用点と荷受テーブルに対する荷重測
   定手段の作用点とを結ぶ直線上に位置する牽引棒と、牽
   引棒を昇降駆動する昇降手段とを備えたことを特徴とす
   るたわみ試験機。