JP2850259B2 - 心房の,ナトリウム排出亢進性ペプチドの環式アナログ - Google Patents

心房の,ナトリウム排出亢進性ペプチドの環式アナログ

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JP2850259B2 JP1504357A JP50435789A JP2850259B2 JP 2850259 B2 JP2850259 B2 JP 2850259B2 JP 1504357 A JP1504357 A JP 1504357A JP 50435789 A JP50435789 A JP 50435789A JP 2850259 B2 JP2850259 B2 JP 2850259B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、心臓血管系の代謝調節の分野に関する。特
に、ナトリウム排出亢進作用、利尿作用および/あるい
は血管弛緩作用のある化合物のクラスに向けられてい
る。
背景技術 1987年5月7日に公開され、参考のためにここに挙げ
られている本出願人のPCT交開公報WO87/02674には、心
房組織中に発見され、心臓血管系においてテンションを
調節するペプチドに類似する血管に作用するペプチドの
クラスを開示する。これらの化合物は、天然の心房の環
式ナトリウム排出亢進性ペプチド(ANP)の合成環式お
よび合成直鎖アナログである。ナトリウム排出亢進、利
尿および/あるいは血管弛緩作用に役立つ特定のクラス
の環式および直鎖ペプチドの他に、公開公報には、前記
のペプチドを合成し、インビボで塩と水のバランスおよ
び心臓血管のテンションを調節する能力を評価する方法
が開示されている。
公開公報で開示されている様に、心房のペプチドの直
鎖型は合成され得る。その場合、N末端は、本来、一般
式に疎水性の非ペプチド基で補われる(前記出願の実施
例306および307には、この様なアナログを合成する方法
が説明されている)。
更に、公開公報には、簡単なインビトロ試験で、イン
ビボで心臓血管の調節剤として機能する被試験化合物の
能力を予測し得る、生物学的アッセイが開示されてい
る。培養されたBASM細胞もしくBAE細胞に結合されるた
めの天然のANPとの競合を使用したレセプター結合アッ
セイは、麻酔されたラットおよび犬における哺乳動物の
全身を用いたアッセイの結果との、相関関係が示され
た。単離した組織アッセイでは、それらの化合物は、イ
ンビボでは活性であったが、一般に活性ではなかった
(例えば、単離した灌流したラットの腎臓)。それにも
かかわらず、これらの単離された組織中の天然ANPの効
果を増強することは可能であった。出願人が特定の理論
に縛られるわけではないが、インビボおよびインビトロ
両方でのアッセイの結果から、本発明の合成アナログ
は、天然のANPのクリアランスレセプターの結合によ
り、少なくともいくぶんかは、効果的であり得る。
公開された出願の実験結果は、参考のためにここに引
用され、編入されている。
発明の開示 本発明の合成アナログ化合物の大部分は、アミノ酸残
基のコアペンタペプチド配列を保持する。この配列は、
Nature(1984)309:717−719のAtlasらの同定システム
を用いて、天然ANPの配列AA8−AA12に対応する。ここ
で、アミノ末端アルギニン残基は、ポジション1にあ
る。既知の天然ANPでは、このコア配列は、ラットにお
いてはRIDRIであり、人においてはRMDRIである。この配
列のある種の確定された交換は、AA12が存在しない場合
を含めて、インビボでの活性を保持し、コアペプチド構
造がペプチドの生物学的活性の重要な要素であることを
示す。しかしながら、ここで説明した様に、これらの化
合物の多数は、利尿もしくはナトリウム排出亢進性活性
のアッセイのインビトロ組織モデル系では、活性ではな
い。これらのアナログは、ペプチドのクリアランスレセ
プターを保護すること、内的なANPの機能を増強するよ
うである。
従って、1つの局面において、本発明は、哺乳類にお
いてナトリウム排出亢進作用、利尿作用および/あるい
は血管弛緩作用を有するペプチド化合物に向けられてお
り、該ペプチド化合物は次式を有する: X1AyX2−AA8−AA9−AA10−AA11−AA12−X3AzX4 (1) ここで、各AA8およびAA11は、独立して、塩基性/非
環式の;中性/無極性/小型の;あるいは中性/極性/
大型/非芳香族のアミノ酸残基であり; AA9は、DまたはL配置の中性/無極性/大型/非芳
香族アミノ酸残基であり; AA10は、酸性のアミノ酸残基であり; AA12は、共有結合であり; AAyおよびAAzは,共に架橋結合を形成するアミノ酸残
基であり,該結合はジスルフィド結合,メチレン結合,
スルフィド/メチレン結合,アミド結合およびエステル
結合からなる群から選択され; X1は,H,1から125のアミノ酸残基のペプチド,または
それらのdesNH2形,あるいは,6から20の炭素原子の疎水
性脂肪族,芳香族,または混合脂肪族/芳香族有機基で
あり; X2は,AA8のアミノ基およびX1AAyX2において発生する
疎水性部の間の距離が,達成可能な立体配座において約
4.5および15Åの間である場合は,結合または1から10
の残基のペプチドであり; X3は,結合または1から10の残基のペプチドであり,
そして X4は、OH、NH2、NHR′、またはNR′R″であり、ここ
でR′,およびR″は直鎖もしくは分枝鎖アルキル(1
〜10のC)であり、ここで、1または2個の非隣接Cは
N、OもしくはSで置き換えられ得、あるいはX4は、そ
のC−末端アミドまたはそれらのアルキルアミド形態を
有する1から20残基のペプチドであり;あるいは、C−
末端カルボキシルが架橋の一部である場合にはX4は存在
せず; 全環の大きさは,5から15のアルファ−アミノ酸によっ
て分離されたシステイン残基の間にジスルフィド架橋が
形成されることによって得られるものと同等である。
もう1つの局面において,本発明は哺乳類において、
ナトリウム排出亢進作用、利尿作用および/あるいは血
管弛緩作用を有するペプチド化合物に向けられており、
該ペプチド化合物は次式を有する: X1AyX2−AA8−AA9−AA10−AA11−AA12−X3AzX4 (1) ここで、各AA8およびAA11は、独立して塩基性/非環
式の;中性/無極性/小型の;あるいは中性/極性/大
型/非芳香族のアミノ酸残基であり; AA9は、DまたはL配置の中性/無極性/大型/非芳
香族のアミノ酸残基であり; AA10は、酸性のアミノ酸残基であり; AA12は、DまたはL配置の中性/無極性/大型/非芳
香族のアミノ酸残基または共有結合であり; AAyおよびAAzは,共に架橋結合を形成するアミノ酸残
基であり,該結合はジスルフィド結合,メチレン結合,
スルフィド/メチレン結合,アミド結合およびエステル
結合からなる群から選択され; X1は遺伝子でコードされたアミノ酸またはそのD型を
除く6から20の炭素原子の,疎水性脂肪族,芳香族,ま
たは混合脂肪族/芳香族有機基であり; X2は,AA8のアミノ基およびX1AAyX2において発生する
疎水性部の間の距離が,達成可能な立体配座において約
4.5おび15Åの間である場合は,結合または1から10の
残基のペプチドであり; X3は,結合または1から10の残基のペプチドであり,
そして X4は、OH、NH2,NHR′、またはNR′R″であり、ここ
でR′およびR″は直鎖もしくは分枝鎖アルキル(1〜
10のC)であり、ここで、1または2個の非隣接Cは
N、OもしくはSで置き換えられ得、あるいは、X4は,
そのC−末端アミドまたはそれらのアルキルアミド形態
を有する1から20残基のペプチドであり;あるいは,C−
末端カルボキシルが架橋の一部である場合にはX4は存在
せず; 全環の大きさは,5から15のアルファ−アミノ酸によっ
て分離されたシステイン残基の間にジスルフィド架橋が
形成されることによって得られるものと同等である。
もう1つの局面において,本発明は哺乳類において、
ナトリウム排出亢進作用、利尿作用および/あるいは血
管弛緩作用を有するペプチド化合物に向けられており、
該ペプチド化合物は次式を有する: X1AyX2−AA8−AA9−AA10−AA11−AA12−X3AzX4 (1) ここで、各AA8およびAA11は、独立して、塩基性/非
環式の;中性/無極性/小型の;あるいは中性/極性/
大型/非芳香族のアミノ酸残基であり; AA9は、DまたはL配置の中性/無極性/大型/非芳
香族アミノ酸残基であり; AA10は、酸性のアミノ酸残基であり; AA12は、DまたはL配置の中性/無極性/大型/非芳
香族のアミノ酸残基または共有結合であり; AAyおよびAAzは,共に架橋結合を形成するアミノ酸残
基であり,該結合はアミド結合およびエステル結合から
なる群から選択され; X1は,H,1から125のアミノ酸残基のペプチド,または
それらのdesNH2形,あるいは,6から20の炭素原子の疎水
性脂肪族,芳香族,または混合脂肪族/芳香族有機基で
あり; X2は,AA8のアミノ基およびX1AAyX2において発生する
疎水性部の間の距離が,達成可能な立体配座において約
4.5おび15Åの間である場合は,結合または1から10の
残基のペプチドであり; X3は,結合または1から10の残基のペプチドであり,
そして X4は、OH、NH2,NHR′、またはNR′R″であり、ここ
でR′,および、R″は直鎖もしくは分枝鎖アルキル
(1〜10のC)であり、ここで、1または2個の非隣接
CはN、OもしくはSで置き換えられ得、あるいは、X4
は,そのC−末端アミドまたはそれらのアルキルアミド
形態を有する1から20残基のペプチドであり;あるい
は,C−末端カルボキシルが架橋の一部である場合にはX4
は存在せず; 全環の大きさは,5から15のアルファ−アミノ酸によっ
て分離されたシステイン残基の間にジスルフィド架橋が
形成されるとによって得られるものと同等である。
もう1つの局面において,本発明は哺乳類において、
ナトリウム排出亢進作用、利尿作用および/あるいは血
管弛緩作用を有するペプチド化合物に向けられており、
該ペプチド化合物は次式を有する: X1AyX2−AA8−AA9−AA10−AA11−AA12−X3AzX4 (1) ここで、各AA8およびAA11は、独立して、塩基性/非
環式の;中性/無極性/小型の;あるいは中性/極性/
大型/非芳香族のアミノ酸残基であり; AA9は、DまたはL配置の中性/無極性/大型/非芳
香族アミノ酸残基であり; AA10は、酸性のアミノ酸残基であり; AA12は、DまたはL配置の中性/無極性/大型/非芳
香族のアミノ酸残基または共有結合であり; AAyおよびAAzは,共に架橋結合を形成するアミノ酸残
基であり,該結合はジスルフィド結合,メチレン結合,
スルフィド/メチレン結合,アミド結合およびエステル
結合からなる群から選択され; X1は,H,1から125のアミノ酸残基またはペプチド,ま
たはそれらのdesNH2形,あるいは,6から20の炭素原子の
疎水性脂肪族,芳香族,または混合脂肪族/芳香族有機
基であり; X2は,AA8のアミノ基およびX1AAyX2において発生する
疎水性部の間の距離が,達成可能な立体配座において約
4.5おび15Åの間である場合は,結合または1から10の
残基のペプチドであり; X3は,結合または1から10の残基のペプチドであり,
そして X4は、OH、NH2,NHR′、またはNR′R″であり、ここ
でR′、R″は直鎖もしくは分枝鎖アルキル(1〜10の
C)であり、ここで、1または2個の非隣接CはN、O
もしくはSで置き換えられ得、あるいは、X4は,そのC
−末端アミドまたはそれらのアルキルアミド形態を有す
る1から20残基のペプチドであり;あるいは,C−末端カ
ルボキシルが架橋の一部である場合にはX4は存在せず; 全環の大きさは,5から15のアルファ−アミノ酸によっ
て分離されたシステイン残基の間にジスルフィド架橋が
形成されることによって得られるものと同等であり; 隣接するアミノ酸残基の間の1つもしくはそれ以上の
アミド結合は,−CH2NH−,−CH2−S−,−CH2CH2−,
−CH=CH−,−COCH2−,−CH(OH)CH2−および−CH2SO
−からなる群から選択される結合によって置き換えら
れ、A12が結合でない場合,X2はトリペプチドであると
いう条件で,X3はヘプタペプチドではない。
本発明の全ての様々な面のペプチド中で、1もしくは
2個のアミノ酸残基は、AA9、および適用出来るならばA
A12に加えて、もしくはその代わりに、対応するD異性
体によって置き換えられ得る。
本発明はまた、マトリウム排出亢進薬、利尿薬、血管
拡張神経薬および/もしくはレニン−アンギオテンシン
−アルドステロン系のモジュレーターとして役立つ薬剤
合成物に向けられている。その組成物は、上記で列挙し
たアナログペプチド化合物を含有し、それらのアミドお
よびエステルとそれらの無毒の添加塩と共に薬剤的に許
容し得る液体、ゲル、もしくは固体担体を含む。前記合
成物の治療上効果的な量の投与は、哺乳類のホストへ上
記に列挙した生物学的活性を効果的に供給し得る。
本発明の更なる面は、この様な化合物および合成物の
製造方法および治療薬としてその化合物および合成物を
使用する方法を提供することである。
図面の簡単な説明 第1図は、ここに用いられるアミノ酸の分類を概説す
る概略図。
第2図は、本発明の様々な化合物のリストである。
第3図は、本発明の化合物に類似しているが、その範
囲外である様々な化合物のリストである。
発明を実施するための形態 本発明により,心房ナトリウム排出亢進作用を有する
天然ペプチド(ANP)化合物の新規なアナログが提供さ
れる。これらのアナログは,インビボにおいて哺乳類の
上記天然ペプチドのナトリウム排出作用,利尿作用およ
び/または血管弛緩作用を示し,もしくはこれらの作用
を調節することができる。
コアペンタペプチドを含む,本発明の,合成による上
記アナログ化合物のアミノ酸残基の配列,およびその好
ましい態様は,特定のサブクラスの,ある特徴と有する
アミノ酸によって定義される。
アミノ酸残基は一般に,以下に述べるとともに第1図
に示す4つの主要サブクラスに分けることができる。
酸性:この残基は生理的pHにおいて水素イオンを失う
ための負の電荷を有し,その残基は,ペプチドが生理的
pHの水性媒体中に存在するとき,この残基が含有される
ペプチドの配座中の表面位置を求めて,水溶液に吸引さ
れる。
塩基性:この残基は生理的pHにおいて水素イオンと結
合するので正の電荷を有し,その残基は,ペプチドが生
理的pHの水性媒体中に存在するとき,この残基が含有さ
れるペプチドの配座中の表面位置を求めて水溶液に吸引
される。
中性/無極性:この残基は生理的pHにおいて電荷をも
たず,この残基は,ペプチドが水性媒体中に存在すると
き,この残基が含有されるペプチドの配座中の内部位置
を求めて,水溶液に反発される。またこれらの残基は,
本明細書においては“疎水性”とも呼ばれる。
中性/極性:この残基は生理的pHにおいて電荷をもた
ないが,この残基は,ペプチドが水性媒体中に存在する
とき,この残基が含有されるペプチドの配座中の外部位
置を求めて水溶液に吸引される。
個々の残基の分子の統計的コレクションでは,いくつ
かの分子は電荷を有し,いくつかは電荷をもっていな
い。従って,大なり小なり,水性媒体の吸引もしくは反
発があることは勿論明らかである。“電荷を有する”と
いう定義に適合するには,有意の割合(少なくとも約25
%)の個々の分子が生理的pHで電荷を持っていることが
必要である。極性もしくは無極性としての分類するのに
必要な吸引もしくは反発の程度は任意的なものであるか
ら,本発明の特定のアミノ酸は,それぞれ特定して分類
されている。特定の名称がないアミノ酸のほとんどのも
のは,公知の挙動に基づいて分類することができる。
アミノ酸残基は,さらに,残基の側鎖の置換基につい
ての,環式もしくは非環式,および芳香族もしくは非芳
香族の自明な分類,ならにび小型もしくは大型という分
類にサブクラス分類することができる。残基は,カルボ
キシル基の炭素原子を含めて合計4個以下の炭素原子し
かない場合,小型とみなしている。小さな残基は,もち
ろん常に非芳香族である。
天然に存在するタンパクのアミノ酸について,先のス
キームによるサブクラス分類は次のとおりである(第1
図もまた参照のこと)。
酸性:アスパラギン酸およびグルタミン酸; 塩基性/非環式:アルギニン,リジン; 塩基性/環式:ヒスチジン; 中性/極性/小型:グリシン,セリンおよびシステイ
ン; 中性/極性/大型/非芳香族:トレオニン,アスパラ
ギン,グルタミン; 中性/極性/大型/芳香族:チロシン; 中性/無極性/小型:アラニン; 中性/無極性/大型/非芳香族:バリン,イソロイシ
ン,ロイシン,メチオニン; 中性/無極性/大型/芳香族:フェニルアラニンおよ
びトリプトファン。
遺伝子がコードするアミノ酸のプロリンは,技術的に
は中性/無極性/大型/環式および非芳香族の群に含ま
れる,ペプチド鎖の二次立体配座に基づいた公知の影響
による特別なケースなので,上記定義の群には含まれな
い。
普通に遭遇するいくつかのアミノ酸で,遺伝コードで
コードされていないものがあり,それには,例えば次の
アミノ酸が含まれる:β−アラニン(β−ala),また
はその他のω−アミノ酸類〔例えば3−アミノプロピオ
ン酸(3−amino proprionic acid),4−アミノ酪酸な
ど〕,α−アミノイソ酪酸(Aib),サルコシン(Sa
r),オルニチン(Orn),シトルリン(Cit),t−ブチ
ルアラニン(t−BuA),t−ブチルグリシン(t−Bu
G),N−メチルイソロイシン(N−Melle),フェニルグ
リシン(Phg),およびシクロヘキシルアラニン(Ch
a),ノルロイシン(Nle),システイン酸(Cya),お
よびメチオニンスルホキシド(MSO)。これらのアミノ
酸は特定の区分に入れるのが便利である。
上記定義に基づいて, Sarおよびβ−alaは中性/無極性/小型; t−BuA,t−BuG,N−Melle,NleおよびChaは中性/無極
性/大型/非芳香族; Ornは塩基性/非環式; Cyaは酸性; Cit,アセチルLysおよびMSOは中性/極性/大型/非芳
香族;ならびに Phgは中性/無極性/大型/芳香族である(第1図参
照)。
種々のω−アミノ酸は,その大きさによって,中性/
無極性/小型アミノ酸として(β−アラニンすなわち3
−アミノプロピオン酸,4−アミノ酪酸)または大型アミ
ノ酸といて(残り全部)分類される。
遺伝子内にコードされているその他のアミノ酸置換体
も,この発明の範囲内のペプチド化合物に含まれ,この
一般のスキームに分類することができる。
この発明のANPアナログ化合物を述べるのに用いる命
名法は,アミノ基が,ペプチドの各アミノ酸の左に位置
し,カルボキシル基が右に位置すると仮定するという従
来の慣行に従っている。本発明の選択された特定の態様
を示す式においては,アミノ末端基およびカルボキシ末
端基は,具体的に示さない場合が多いが,特に指示のな
い限り,生理的pH値においてとる形態であると理解され
る。従って,生理的pHにおけるN末端H+2とC末端O-
は,特定の実施態様もしくは一般式に必ずしも記載し示
してはいないが,存在することが理解される。示された
ペプチドにおいて,コードされている各残基は,それが
適当な場合には,以下の従来のリストに従って,アミノ
酸の慣用名に対応する単一文字の名称で示される。アミノ酸 一文字記号 アラニン A アルギニン R アスパラギン N アスパラギン酸 D システイン C グルタミン Q グルタミン酸 E グリシン G ヒスチジン H イソロイシン I ロイシン L リジン K メチオニン M フェニルアラニン F プロリン P セリン S トレオニン T トリプトファン W チロシン Y バリン V 遺伝子でコードされていないアミノ酸は,上記のよう
に短縮して示す。
本出願で示す特定のペプチドにおいて、光学異性体を
有するいずれのアミノ酸残基も、特に上付きダガー印(
)で示されることのない限り、L型であることを意図
する。本発明のペプチドの残基は通常,天然のL光学異
性体形であるが,1もしくは2個,好ましくは1個のアミ
ノ酸が(AA9および/またはAA12に加えて,もしくはそ
の代わりに),光学異性体であるD形で置換されてもよ
い(AA9およびAA12がともにL型である態様を含む)。
遊離の官能基(カルボキシル末端もしくはアミノ酸末
端が遊離であるものを含む)は,アミド化,アシル化も
しくは他の置換反応により修飾され得,その結果,例え
ばその化合物の活性に影響することなしに,化合物の溶
解度を変えることができる。
特に,心房ナトリウム非出亢進性ペプチドのカルボキ
シ末端のアミドを修飾したアナログが特に強力なのでこ
の発明の好ましい態様であることが発見された。一般
に,アミド基の窒素原子は,カルボニル基の炭素原子と
共有結合しており,NH2,−NHR′もしくはHR′R″の形
態(式中R′およびR″は,直鎖もしくは分枝鎖であ
り,1C〜10C好ましくは1C〜6Cのアルキルもしくはアルキ
ルアシル基であり,これら基の1〜2個の炭素原子は窒
素,酸素もしくは硫黄原子で置換されているものを含
む)である。このようなアミド基の代表的なものは次の
通りである:−NH2,−NHCH3,−N(CH3)2,−NHCH2C
H3,−NHCH6CH5,−NHCH2CH(CH3)2,−NHCH2CH(CH3)CH2
CH3,−NHCH2OH,−NHCH2CH2OCH2CH3および−N(CH3)CH2
CH2SCH2CH3
本発明のアミド化されたアナログを生成するときに,
そのアナログ化合物は,例えばBoc−AAx−pMBHA−樹脂
もしくはBocAAx−BHA−樹脂(式中AAxは,以下に詳述す
る所望のアナログ化合物からの選択されたカルボキシル
末端アミノ酸である)を用いて直接合成することができ
る。あるいは,本発明のアナログ化合物は,当該技術分
野に公知の手段を用いてペプチドを合成した後,化学的
もしくは酵素的にアミド化するか,または標準の溶液相
ペプチド合成法によって製造することができる。
好ましい態様 A.コアペンタペプチド 本発明の化合物はすべて,下記式で表されるペンタペ
プチドのコア配列を有している: AA8−AA9−AA10−AA11−AA12 ここで,AA8−およびAA11は,独立して, 塩基性/非環式の;または, 中性/無極性/小型の;または, 中性/極性/大型/非芳香族のアミノ酸残基; AA9は,DもしくはL配置の中性/無極性/非芳香族の
アミノ酸残基; AA10は酸性アミノ酸残基;そして, AA12は,DもしくはL配置の中性/無極性/大型/非芳
香族のアミノ酸残基,または共有結合である。
このコアの最も好ましい配列は,R(I/M)DRIであり,
この式中の残基はすべてL配置であり,括弧内のアミノ
酸残基はどちらかが選択される。次に好ましいのは,R
(I/M)DRI残基の1つだけが上記定義内の選択された残
基で置換された配列である。好ましい置換基は,次のと
おりである: AA8については,Rの代わりにA,Q,N,K,LまたはNle; AA9については,I/Mの代わりにV,V,L,L,I,M,t
−BuA,t−BugまたはCha; A10については,Dの代わりにEまたはCya; A11については,Rの代わりにA,Q,N,K,OrnまたはCit; AA12についてはIの代わりに、M、M,V,V,L,
L,I,N−MeIle,t−BuAまたは共有結合。
特に好ましいのは,この配列が,下記配列でなる群か
ら選択される態様である: A(I/M)DRI RMDRI R(I/M)DRL K(I/M)DRI RLDRI R(I/M)DRM Q(I/M)DRI R(I/M)ERI R(I/M)DRM+ RVDRI R(I/M)DKI R(I/M)DRI+ RI+DRI R(I/M)DQI R(I/M)DRV 天然に存在するRIDRIもしくはRMDRI配列からの1つを越
える変化した配列も本発明の範囲に含まれるが,余り好
ましくはない。この群の中で特に好ましいサブセットに
は,他の置換に加えて,グルタミン酸残基が,AA10とし
て,アスパラギン酸残基の代わりに入ったものが含まれ
る。
B.環の特性;AAyおよびAAzの好ましい実施態様 本発明に含まれる環式ジスルフィドは,ジスルフィド
結合を形成するためのスルフィドリル基を提供する2つ
のジステイン残基を含み,17のアミノ酸残基−構成要素
ジスルフィド環を含む天然に存在するANPによく類似し
ている。しかし,環式ジスルフィドを含む本発明の化合
物のこれらの実施態様では,環式構造において17より多
くまたは好ましくは少ないアミノ酸残基を含み得る。
上記のように,本発明の環式化合物は,システムイン
残基またはその代わりにアミノ酸残基AAyおよびAAzを,
等価結合または−CH2−CH2−等の連結基で結合すること
によって提供され得る。システイン残基上のスルフィド
リル基の代替基による置換によって,効果的にシステイ
ン残基が代替アミノ酸に置換される。例えば,1つのフル
フィドリル用を−CH2−基と置換するために,システイ
ン残基が類似のアルファ−アミノ酪酸によって置換され
る。これらの環式アナログペプチドは,例えば,Lebl,M.
およびV.J.Hruby,Tetrahedron Lett.(1984)25:2067
−2068の方法または米国特許第4,161,521号に開示され
る手法によって形成され得る。
ジスルフィド,および2つのシステイン,2つのアルフ
ァ−アミノ酪酸残基またはこれらの複合体,すなわち: によって形成されたメチレン架橋に加えてエステルまた
はアミド架橋もまた形成され得る。例えば,エステル架
橋は,セリンまたはスレオニンの−OHおよびアスパラギ
ンまたはグルタミンのカルボキシルを含有し得る。例え
ば, 同様に,アミドは,リシンおよびアスパラギンまたはダ
ルタミンの側鎖を使用して好適に得られ得る。例えば, これらの架橋の合成方法は,Schiller,P.W.,ら,Biochem
Biophys Res Comm(1985)127:558−564;Schiller,P.
W.,ら,Int J Peptide and Protein Res(1985)25:171
−177に見いだされる。
架橋を構成するアミノ酸は,ペプチドを構成する他の
ものと同様に,わずか1または2つの残基(AA9およびA
A12の1つを除いてまたは代わりに)がこのように形成
される限りにおいて,必要に応じてD−型であり得る 従って,Ayは,架橋の形成が可能なすべての残基であ
り得る−−すなわち,Ayは,N−末端部位でなければCly
または直鎖オメガ−アミノ酸であり得ない。しかし、メ
チレン架橋またはメチレン/硫化物架橋に関与するメチ
レンあるいは置換メチレンには,アルファ−アミノ酪
酸,Val,Leu,Ile,および例えば,Phe等の特定芳香族(疎
水性)アミノ酸が供給され得る。ジスルフィド連結原子
は,システインまたはホモシステインによって与えら
え;エステルまたはアミド架橋の構成要素,Ser,Thr,Gl
u,Asp,Cya(スルホンアミドまたはスルホネートエステ
ルのため),Lys等によって提供される。X1がHである場
合,AAyはN−末端アミノ酸であり,架橋の構成要素と
なり得る。
Azは,AAyへの架橋を形成することが可能なアミノ酸
残基から選択される。もちろん,アミドまたはエステル
架橋が形成される場合は,Azによって供給される機能基
はAyの機能基と相補的でなければならないが,AzはAy
同様の一般基から選択される。また,X4がOHである場合
は,AAzはC末端残基であり,この部位におけるいかな
る残基のCOOHも架橋の構成要素となり得る。
アミド架橋のカルボキシルがC−末端によって提供さ
れる好ましい系列には,C−末端が,H2N(CH2)pCOOHの式
で表され,pが3−6であるGly,beta−Ala,またはオメガ
−アミノ酸であるものが含まれる。アミノ成分は,リシ
ンまたはオルニチンの−NH2によって提供される。さら
に,これらの基がC−末端およびN−末端残基の側鎖に
おいて得られる場合は,COOH供与体およびNH2供与体の部
位はリバース(reverse)され得る。
C.X1の好ましい実施態様 X1は,それである必要はないが,疎水性アミノ酸また
は他の疎水基であり得る。X1が,疎水性部である場合,
AyX2は介在連結が約4.5−15オングストロームの間の距
離に一致し得る基である。この実施態様において,X1
して特に好ましいものは,特にフェニルアラニンまたは
そのdes−NH2型および芳香族アセチル,ブチリル,また
はプロピオニル誘導体,特に以下に示すナフチル,ジベ
ンジル,およびインドリルアシル誘導体を含む6−20の
炭素の疎水基である。
従って,現在好ましい1つのクラスの有機置換基が一
般式によって示され得る: R1−CO− ここで,R1は有機疎水基である。この式に含まれるの
は,2−置換アセチル,3−置換プロピオニル,および4−
置換ブチリル基であり,これらの基の置換基としては,
一般クラスの中性,疎水性モノ−および多環式芳香族ま
たは飽和環系が含まれる。他のクラスは,一般式R1−O
−CO−およびR1−O−を有する。好ましい置換基の代表
例には次のような基が包含される: X1の他の好ましい実施態様には,1−6のアミノ酸残基
のペプチドまたはそのdes−NH2形が包含される。X1ペプ
チドは,AA8から4.5−15オングストロームの間隔を置く
ことが可能な疎水残基を含むことが都合がよい。天然の
配列では,X1ペプチドはS−L−R−R−S−Sまたは
推定によるとL−R−R−S−S,R−R−S−S,および
R−S−S等のいくつかのN−末端欠失形である。これ
らの実施態様においても,1またはそれ以上の残基がそれ
と同等のクラスの他のものと置換され得る。例えば,R
が,Kまたは他の塩基性アミノ酸によって,Lが,Vまたは他
の中性/大型/無極性アミノ酸によって,およびSが,G
または他の中性/極性/小型アミノ酸またはAlaによっ
て置換され得る。加えて,X1は,比較可能形態によって
置換可能なS−SまたはS等のN−末端欠失のペプチド
であり得,X1は単に水素であり得る。
D.X2の好ましい実施態様 本発明のペプチドにおいて,ペンタペプチドコアの上
流部位が,疎水部を含む場合は,その上流部位は,約4.
5−15オングストロームの間隔を置いてAA8から分離され
なければならない。従って,X2の好ましい形態の特性
は,疎水残基が上流(X1においてAAyまたはX2におい
て)に存在するかどうかに依存する。疎水残基が存在し
ない場合には,X2は,好ましくは結合,または残基がAl
a,GlyおよびSerからなる群から選択される1−3のアミ
ノ酸残基のペプチドである。X1が疎水性隣接Ayを含む場
合には,X2は,好ましくは,結合または残基が中性/極
性/小型または中性/非極性/小型アミノ酸,特にGly,
Ser,Ala,Aib,およびSarから選択される1−2のアミノ
酸のペプチドである。特に,好ましい形態には,結合,
G,G−G,A−G,S−G,G−A,G−S,G−Aib,およびG−Sarが
含まれる。Ayそれ自身が疎水性である場合は,X2の好ま
しい形態には、さらに上記のように,残基が中性/極性
/小型および中性/非極性/小型から選択されるトリペ
プチドが含まれる。
天然の環式形態において,AyはCであり,X2は配列F
−G−Gのトリペプチドである。X2がFまたは他の疎水
残基を含む場合,X2の好ましい形態は,X2ペプチドのC
−末端部位が4.5−15オングストロームの必要とされる
間隔を提供するものである。特に,好ましいのは,G−G
あるいはG−Gジペプチドが,Ser,Ala、AibまたはSarに
よって置換された1つの残基を有するまたはG(または
その置換基)の残基が1つだけ存在するものである。
しかし,これらの環式形態においては,上流疎水性は
必要なく,X1AAYX2の基は単にペプチド延長部であり得
ることは明白である。
E.X3の好ましい実施態様 X3は,一般に,環が7−17の残基を含み,AAyおよびA
Azがシステインである場合にAAyおよびAAzを含むような
長さを有するペプチド残基であり,またはAAyおよびAAz
がシステインでない場合にふさわしいサイズの環を形成
する。従って,例えば,X2がトリペプチドである場合に
は,X3は、好ましくは結合または1−6のアミノ酸残基
を有するペプチドである。X3は,好ましくは天然配列G
−A−Q−S−G−L−Gの変異体またはそれらのトラ
ンケート形であり,ここで1またはそれ以上のGlyまた
はSer残基がその他の中性/極性/小型アミノ酸またはA
laによって,Alaがその他の中性/非極性/小型アミノ
酸,GlyまたはSerによって置換され得る。Glnはその他の
中性/極性/大型/非芳香族アミノ酸で置換され得,Leu
はその他の中性/非極性/大型/非芳香族アミノ酸で置
換され得る。
X3に含まれるアミノ酸残基は,特にオメガ−アミノ形
態を含む。従って,好適な実施態様では,X3は,残基の
1つが−HN(CH2)bCO−の式で表され,bが3−6であるモ
ノまたはジペプチドである。
典型的なトランケート形態はまた,G−A−Q−S−G
−L,A−Q−S−G−L−G,G−A−Q−S−G,Q−S−
G−L−G,G−A−Q−S,S−G−L−G,G−A−Q,G−A
−A,G−L−G,L−G,G−A,GおよびdesX3を含む。
F.X4の好ましい実施態様 X4の好ましい実施態様は,(OH)NH2,NHR′であり,こ
こでR′は1−10Cの直鎖または分岐鎖アリルで,1個ま
たは2個のCは非隣接N,O,またはS,あるいは1−5個,
特に1−2個のアミノ酸残基のペプチドおよびそのアミ
ドまたはアルキルアミド形態,特にN−S−F−R−Y,
N−S−F−R,N−S−F,N−S,またはNおよびそのアミ
ド類,ならびに1またはそれ以上の残基がその他の同様
のクラスによって置換された変異体によって置換され得
る。
G.好ましい化合物 好ましい環式化合物の例には,以下のものが含まれ
る。
(2−ナフチルアセチル)−C−G−R−I−D−R−
I−G−A−C−NH2 (2−ナフチルアセチル)−C−G−R−I−D−R−
I−C−NH2 (2−ナフチルアセチル)−G−C−R−I−D−R−
I−C−NH2 (2−ナフチルアセチル)−G−C−R−I−D−R
−I−G−C−NH2および (2−ナフチルアセチル)−G−C−R−I−D−R−
I−G−A−C−NH2 ここで,環を形成するCys残基もまた,D形であり得
る。
本発明の好ましい化合物もまた,ジスルフィドでない
環式化合物を含む。好ましい典型的な化合物には以下の
ものが含まれる。
Kアミノ側鎖およびGカルボキシルの間のアミド連結
を含む,2−ナフチルアセチル−K−G−R−I−D−R
−I−G−G; Kアミノ側鎖およびE側鎖カルボキシルの間のアミド
連結を含む,2−ナフチルアセチル−K−G−R−I−D
−R−I−E−NH2; Kアミノ側鎖およびD側鎖カルボキシルの間のアミド
連結を含む,2−ナフチルアセチル−K−G−R−I−D
−R−I−G−D−NH2
H.非ペプチドの結合 本発明の一実施態様において,コアのペンタペプチド
中のアミド結合(−CO−NH−),またはZ1および/もし
くはZ2およびもしくはZ3内のアミド結合は,当該技術分
野で公知の方法によって,他の種類の結合,例えば−CH
2NH−,−CH2S−,−CH2CH2−,−CH=CH−(シスおよ
びトランス),−COCH2−,−C(OH)CH2−および−CH2SO
−で置換され得る。下記の文献には,これらの代替の連
結部分を有するペプチドアナログの調製について記載さ
れている:Spatola,A.F.,Vega Data(1983年3月)1巻,
3頁,“ペプチド主鎖の修飾”(総説);Spatola,A.F.
“アミノ酸ペプチドとタンパクの化学と生化学",B.Wein
steinら編集,Morcel Dekker,ニューヨーク,267頁(1983
年)(総説);Marley,J.S.,Trends Pharm Sci(1980
年),463〜468頁(総説;Hudson,D.ら,Int J Pept Prot
Res,(1979年)14巻,177−185頁(−CH2NH−,−CH2C
H2−);Spatola,A.F.ら,Life Sci(1986年),38巻,12
43〜1249頁(−CH2−S);Hann,M.M.,J Chem Soc Perki
n Trans I(1982年)307〜314頁,(−CH−CH,シスおよ
びトランス);Almquist,R.G.ら,J Med Chem(1980年)
23巻,1392〜1398頁(−COCH2−);Jennings−White,C.
ら,Tetrahedron Lett(1982年)23巻,2533頁(−COCH2
−);Szelke,M.ら,ヨーロッパ特許出願第EP 45665号C
A:97:39?05(1982年)(−C(OH)CH2−);Holladay,M.W.
ら,Tetrahedron Lett(1983年)24巻,4401〜4404頁(-
C(OH)CH2−);およびHruby,V.J.Life Sci(1982年)31
巻,189−199頁(−CH2−S−)である。
I.合成 本発明の範囲に含まれる化合物は,例えば固相ペプチ
ド合成法のような当該技術分野で公知の手段によって化
学的に合成することができる。この合成法は,α−アミ
ノ基が保護されたアミノ酸を用いてペプチドのカルボキ
シル末端から開始される。t−ブチルオキシカルボニル
(Boc)保護基は,他の保護基が適切である場合でも,
全てのアミノ基に対して用いることができる。例えば,B
oc−Asn−OH,Boc−Ser−OH,Boc−Phe−OH,Boc−Arg−OH
またはBoc−Tyr−OH(すなわち選択されたANPアナログ
のカルボキシル末端アミノ酸)は,クロロメチル化ポリ
スチレン樹脂支持体にエステル化することができる。ポ
リスチレン樹脂支持体は,スチレンと約0.5〜2%のジ
ビニルベンゼンとのコポリマーが好ましいが,このジビ
ニルベンゼンは,架橋剤であって,ポリスチレンポリマ
ーをいくつかの有機溶媒に対して完全に不溶性にする
(Stewartら,“固相ペプチド合成”(1969年)W.H.Fre
eman Co.,サンフランシスコ;およびMerrifield,J.Am C
hem Soc(1963年)85巻,2149−2154頁,参照)。これら
および他のペプチド合成法は,米国特許第3,862,925
号,第3,842,067号,第3,972,859号および第4,105,602
号にも例示されている。
上記の合成法は,手動法を用いても,あるいは、例え
ば,Applied BioSystems 430A Peptide Synthesizer(米
国,カリフォルニア州,フォスター・シティ)またはBi
osearch SAM II automatic peptide synthesizer(Bios
earch,Inc.,米国,カリフォルニア州,サン・ラファエ
ル)を用い,メーカーが供給する指示マニュアルに提示
されている指示に従う自動的方法も利用できる。
本発明のアナログ化合物を合成する過程で本発明の開
示にしたがって構築される中間体は,それ自体新規で有
用な化合物なので本発明の範囲に含まれることは、ペプ
チド合成の一般的な技術を有する当業者ならば容易に分
かるであろう。
あるいは,本発明の選択された化合物は,公知の方法
にしたがって調製された組換え体DNA構造体の発現によ
って製造することができる。このような製造法は,大量
生産法もしくはこのような化合物の別の態様を提供する
のに望ましいものであり得る。このペプチド配列は比較
的短いので,組換え製造法が容易である。
J.投与法と用途 本発明の化合物は,健全な哺乳動物内でナトリウム排
出亢進作用,利尿作用および血圧低下作用があることが
判明しており,および血管弛緩作用を有し,すなわちア
ルデステロンとレニンの放出を阻害する。
したがってこれらの化合物と,これを含有する組成物
は,腎臓の灌流が無効なこと,または糸球体の濾過速度
が低下していることが原因の高血圧と腎不全に加えて,
例えば,うっ血心不全,ネフローゼ症候群および肝硬変
のような各種の浮腫状態の治療の治療剤としての用途を
見出すことができる。
したがって,本発明は,単独で上記の治療上の利益を
与える働きがある,本発明の化合物(それには,化合物
の非毒性付加塩,アミドおよびエステルを包含する)の
有効量を含有する組成物を提供するものである。このよ
うな組成物は,生理学的に許容できる液体,ゲルもしく
は固体の希釈剤,アジュバントおよび賦形剤を含有して
いてもよい。
これらの化合物と組成物は,家畜に対するような獣医
学的用途およびヒトの臨床用途に,他の治療剤と同様の
方式で哺乳類に投与するとができる。一般に,治療効果
を得るのに必要な投与量は,被験体の体重1kg当り約0.0
1〜1000mcgの範囲であり,0.1から1000mcgがより一般的
である。あるいは,これらの範囲内の投与量は,所望の
治療利益が得られるまで,長期間にわたって,通常24時
間を越えて,一定の点滴量で投与することができる。
典型的には,上記の組成物は,液体溶液もしくは懸濁
液の注射可能薬剤として調製されるが,注射する前の液
体の溶液もしくは懸濁液に適切な固体形態としても調製
され得る。製剤は乳濁液にしてもよい。活性成分は,生
理学的に許容できる,活性成分と適合する希釈剤もしく
は賦形剤と混合することが多い。適切な希釈剤と賦形剤
としては,例えば水,生理食塩水,デキストロース,グ
リセリンなど,およびその組合せがある。さらに,所望
により,組成物は,湿潤剤もしくは乳化剤,安定化剤も
しくはpH緩衝剤などの補助剤を少量含有していてもよ
い。
組成物は,通常,例えば皮下もしくは静脈に注射する
ことにより非経口投与される。他の方式の投与に適切な
その他の様式には,坐剤,鼻内用エアロゾルおよびある
場合には,経口用製剤がある。坐剤用の伝統的な結合剤
と賦形剤には,例えばポリアルキレングリコール類もし
くはトリグリセリドがあるが,このような坐剤は,0.5〜
10%,好ましくは1〜2%の範囲の活性成分を含有する
混合物で形成される。経口用製剤は,例えば医薬グレー
ドのマンニトール,ラクトース,デンプン。ステアリン
酸マグネシウム,サッカリンナトリウム,セルロース,
炭酸マグネシウムなどの通常用いられる賦形剤を含有し
ている。これらの組成物は,溶液,懸濁液,錠剤,丸
剤,カプセル剤,除放性製剤または散剤の形態をとり,
活性成分を10〜95%含有し,好ましくは25〜70%含有し
ている。
ペプチド化合物は,中性もしくは塩の形態で組成物に
処方され得る。薬理学的に許容できる非毒性塩には,
(遊離のアミノ基で形成された)酸付加塩が含まれ,こ
れら酸付加塩は,例えば塩酸もしくはリン酸のような無
機酸,または塩酸もしくはリン酸あるいは酢酸,シュウ
酸,酒石酸,マンデル酸などの有機酸で形成される。遊
離カルボキシル基で形成された塩は,水酸化ナトリウ
ム,水酸化カリウム,水酸化アンモニウム,水酸化カル
シウムまたは水酸化第二鉄のような無機塩基,およびイ
ソプロピルアミン,トリメチルアミン,2−エチルアミノ
エタノール,ヒスチジン,プロカインなどの有機塩基か
ら誘導することができる。
ナトリウム排出亢進作用,利尿作用および血管弛緩作
用を示す本発明の化合物に加えて,本発明の化合物は,
有用な化合物を合成する際の中間体として利用すること
もできる。あるいは,適切に選択することによって,活
性レベルが減少するか全く消失する本発明の化合物は,
例えば他の受容体に結合し,受容体の代謝回転を刺激
し,また分解酵素活性もしくは分解受容体活性を有する
別の基質を与えて,その結果これらの酵素もしくは受容
体を阻害することによって,本発明の範囲以外の化合物
を含む他の利尿性,ナトリウム排出亢進性もしくは血管
弛緩性化合物の活性を調節するのに利用できる。このよ
うな方法で用いる場合,このような化合物は,他の活性
化合物との混合物として用いるか,または例えばそれ自
体の担体中に入れて別個に用いることもできる。
本発明の化合物は,標識をつけた試薬を利用する免疫
検定法に用いる抗血清,通常は抗体を製造するのに使う
こともできる。ポリペプチドを、必要に応じてジアルデ
ヒド,カルボジイミドにより,もしくは市販のリンカー
を用いる抗原性を付与する担体に,簡便に接合すること
ができる。これらの化合物と免疫試薬には,発色団,例
えばフルオレセインもしくはローダミンのような螢光
体,125I,35S,14C,もしくは3Hのような放射性同位元素,
または磁化粒子のような各種の標識を用いて,当該技術
分野で公知の方法で標識してもよい。
これらの標識化合物と試薬,またはそれらを認識し特
異的に結合することができる標識試薬は,例えば,診断
薬としての用途がある。生物学的試料由来の試料は,本
発明の化合物によって,共通抗原決定基を有する物質の
存在もしくは量を検定することができる。さらにモノク
ローナル抗体を当該技術分野の公知の方法で製造するこ
とができ,この抗体は,例えばインビボでの免疫学的類
緑化合物の過剰産生を中和する治療用途がある。
以下の実施例は,本発明の限定を意味するものではな
く,実例のために提供される。
実施例 以下の実験に基づく開示では,化学合成されたANPア
ナログ化合物のアミノ酸配列は、Nature(1984)309:71
7−719のAtlasらで開示される天然のねずみから誘導さ
れた心房のナトリウム排出亢進性ペプチド配列のポジシ
ョン1に見られるアルギニン残基に対応するアミノ末端
アルギニン残基から番号を付けられている。
I.心房のナトリウム排出亢進性ペプチドアナログ化合物
の化学合成 A.合成手順 本発明の化合物は,手作業で行われるかもしくは、製
造者の指示に従ってt−Bocアミノ酸を用いて、アプラ
イドバイオシステムズ430Aペプチドシンセサイザー(Ap
plied BioSystems430A Peptide Synthesizer)(カリフ
ォルニア州フォスターシティー)もしくはバイオサーチ
サムII自動ペプチドシンセサイザー(Biosearch Sam II
automated peptide synthesizer)(バイオサーチ、カ
リフォルニア州サンラフィアル)で行われる固体相技術
によって合成された。
手順A Boc−AA1…AAn-1−AAn−樹脂 ヒドロキシメチルポリスチレンエステルの調製 1グラムの選択されたBoc−AAn−O−ポリスチレン樹
脂(0.2−0.6mmole/g樹脂)(例えば、Peninsula Labs,
Inc.より入手可能)を、Boc−AAn-1−OHの結合のために
計画Aに従って処理する。
計画A 1)ジクロロメタン(CH2Cl2)で3回洗浄; 2)TFA:CH2Cl2:エタンジチオール(EDT)(体積比45:
50:5)で1分間処理; 3)TFA:CH2Cl2:EDT(体積比45:50:5)で20分間処理; 4)CH2Cl2で3回洗浄; 5)CH2Cl2中のジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)
(10%V/V)で1分間処理することを2回繰り返す; 6)CH2Cl2で2回洗浄; 7)メタノール(MeOH)で2回洗浄; 8)(5−7)を一度繰り返す; 9)CH2Cl2で3回洗浄; 10)あらかじめ調製した適切に保護されたBoc−アミノ
酸の対称の無水物をCH2Cl2もしくはジメチルホルムアミ
ド(DMF)/CH2Cl2(50:50体積)、中に溶解した溶液の
1〜6当量を添加(Boc−N−OH,Boc−Q−OHおよびBoc
−R(TOS)−OHがN−ヒドロキシベンゾトリアゾール
を用いて活性エステルとして結合された); 11)CH2Cl2で2回洗浄; 12)10%DIPEAで2回洗浄; 13)CH2Cl2で2回洗浄; 14)MeOHで2回洗浄; 15)CH2Cl2で2回洗浄; 16)段階(11−15)を一度繰り返し; 17)Kaiserら,Anal.Biochem. 34:595(1970)に従って
ニヒドリン反応によって試験。結合反応が不十分な場合
には、段階(10−16)を繰り返すか、N−アセチルイミ
ダゾール(DMF中、0.30M)、もしくはCH2Cl2中で過剰の
無水酢酸を用いてキャップ合成 手順B Boc−AAn−p−メチルベンズヒドリルアミン樹脂の調製 選択されたBoc−AAn−OHを、以下に示す様に、N,N′
−ジシクロヘキシルカーボジイミドを介してp−メチル
ベンズヒドリルアミン(pMBHA)樹脂に結合させた。
計画B 1)pMBHA HCl樹脂を洗浄; 2)上記樹脂をDIPEAのCH2Cl2溶液10%(V/V)で2回洗
浄; 3)CH2Cl2で2回洗浄; 4)MeOHで2回洗浄; 5)CH2Cl2で2回洗浄; 6)反応時間0.5〜24時間でCH2Cl2中で溶解した、あら
かじめ調製した適切に保護されたBoc−アミノ酸の対称
も無水物の1〜6の当量を添加; 反応しなかったアミノ群は、0.30M N−アセチルイミ
ダゾール:DMFもしくは無水酢酸:CH2Cl2でアセチル化す
る。次の実施例は、典型的なアナログANP化合物(AP#
として示される)の化学合成を示しており、本発明のあ
る局面を例示する。
実施例1 *AP1 R−S−S−C−F−G−G−R−I−D−R−
I−G−A−Q−S−G−C−N−S−F−R−Y 1gmのBoc−Tyr(2BrZ)−O−樹脂(0.54meg/gm,Peni
nsula Lads Inc.,Belmont,CA)を,必要な配列のアミノ
酸(Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−Phe−OH,Boc−Ser(Bz
l)−OH,Boc−Asn−OH,Boc−Cys(4−CH3Bzl)−OH,Bo
c−Gly−OH,Boc−Ser(Bzl)−OH,Boc−Gln−OH,Boc−A
la−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Ile−OH 1/2H2O,Boc−Arg
(Tos)−OH,Boc−Asp(OBzl)−OH,Boc−Ile−OH 1/2H
2O,Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Gly−OH,B
oc−Phe−OH,Boc−Gys(4−CH3Bzl)−OH,Boc−Ser−
(Bzl)−OH,Boc−Ser−(Bzl)−OH,Boc−Arg(Tos)
−OH)の順に導入されている)と共に手順Aにかけた。
保護されたペプチジル樹脂を,TFA:CH2Cl2:EDT(45:50:5
v/v/v)で1分間,次いで20分間処理し,CH2Cl2で3回
洗浄し,MeOHで2回洗浄し,ペプチジル樹脂のTFA塩を生
成し,真空内で乾燥した。
上記ペプチジル樹脂をその後,10%アニソール,2%エ
チルメチルスルフィドを含有する無水HF中で−10℃で30
分間,および0℃で30分間懸濁した。真空下で蒸発させ
ることによりHFを取り除き,ペプチド/樹脂混合物をジ
エチルエーテル中で懸濁した。ペプチド/樹脂混合物
を,ジエチルエーテルで2度,クロロホルムで1度,ジ
エチルエーテルで1度,クロロホルムで1度,そしてジ
エチルエーテルで再度洗浄した。その後,ペプチドを2.
0M酢酸で混合物から抽出し,H2Oで希釈し,凍結乾燥
し,非酸化SHペプチドを生成した。
粗ペプチドを,酸素分離した0.01Mの酢酸アンモニウ
ム(NH4OAc),pH7.9中で0.5mg/mlまで溶解し,次いで0.
01Mのフェリシアン化カルシウム(KCN)溶液をわずかに
過剰量滴下することによって酸化し,20分間かくはん
し,酢酸でpH5に調節した。このペプチド溶液を,DOWEX
AG3X4アニオン交換樹脂で処理し,濾過し,H2Oで希釈
し,凍結乾燥し,粗環化ペプチドを生成した。
溶出液として0.5MのAcOHを使用し,Sephadex G−25F
(Pharmacia Fine Chemicals)上で脱塩し,次いで300m
M NH4OAc,pH6.5を,10mM NH4OAc,pH4.5の溶液に加えるこ
とによって調製した溶離グラディエントを用いたCM−Se
pharose (Pharmacia Fine Chemicals)またはCM−セ
ルロース(Whatman)でのイオン交換クロマトグラフィ
ーによって,上記ペプチドを精製した。逆相HPLCで判断
し,最低97%の純度を持つ留分を収集してプールし、H2
Oから数回凍結乾燥して、純粋なAP1アセテート塩を得
た。
実施例2 *AP2 R−S−S−C−G−R−I−D−R−I−G−
A−Q−S−G−C−N−S−F−R−Y 1gmのBoc−Tyr(2BeZ)−O−樹脂(0.54meg/gm,Peni
nsula Lads Inc.,Belmont,CA)を,必要な配列のアミノ
酸(Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−Phe−OH,Boc−Ser(Bz
l)−OH,Boc−Asn−OH,Boc−Cys(4−CH3Bzl)−OH,Bo
c−Gly−OH,Boc−Ser(Bzl)−OH,Boc−Gln−OH,Boc−A
la−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Ile−OH 1/2H2O,Boc−Arg
(Tos)−OH,Boc−Asp(OBzl)−OH,Boc−Ile−OH 1/2H
2O,Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Gys(4CH
3Bzl)−OH,Boc−Ser(Bzl)−OH,Boc−Ser(Bzl)−O
H,Boc−Arg(Tos)−OHの順に導入されている)と共に
手順Aにかけた。保護されたペプチジル樹脂を,TFA:CH2
Cl2:EDT(45:50:5 v/v/v)で1分間,次いで20分間処理
し,CH2Cl2で3回洗浄し,MeOHで2回洗浄し,真空内で
乾燥し,ペプチジル樹脂のTFA塩を生成した。
上記ペプチジル樹脂をその後,10%アニソール,2%エ
チルメチルスルフィドを含有する無水HF中で−10℃で30
分間,および0℃で30分間懸濁した。真空下で蒸発させ
ることによりHFを取り除き,ペプチド/樹脂混合物をジ
エチルエーテル中で懸濁した。ペプチド/樹脂混合物
を,ジエチルエーテルで2度,クロロホルムで2度,ジ
エチルエーテルで2度洗浄した。その後,ペプチドを2.
0M酢酸で抽出し,凍結乾燥し,非酸化SHペプチドを生成
した。
粗ペプチドを,酸素分離した0.01MのNH4OAc,pH7.9中
で0.5mg/mlまで溶解し,次いで0.01MのKCN溶液をわずか
に過剰量滴下することによって酸化し,20分間かくはん
し,酢酸でpH5に調節した。このペプチド溶液を,DOWEX
AG3X4アニオン交換樹脂で処理し,濾過し,H2Oで希釈
し,凍結乾燥し,粗環化ペプチドを生成した。
溶出液として0.5MのAcOHを使用し,Sephadex G−25F
上で脱塩し,次いで300mM NH4OAc,pH6.5を,10mM NH4OA
c,pH4.5の溶液に加えることによって調製した溶離グラ
ディエントを用いたCM−Sepharose またはCM−セルロ
ース(Whatman)でのイオン交換クロマトグラフィーに
よって,上記ペプチドを精製した。逆相HPLCで判断し,
最低97%の純度を持つ留分を収集してプールし、H2Oか
ら数回凍結乾燥して、純粋なAP2アセテート塩を得た。
実施例3 *AP3 R−S−S−C−F−G−G−R−I−D−R−
I−G−A−Q−S−C−N−S−F−R−Y 1gmのBoc−Tyr(2BeZ)−O−樹脂(0.54meg/gm,Peni
nsula Labs Inc.,Belmont,CA)を,必要な配列のアミノ
酸(Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−Phe−OH,Boc−Ser(Bz
l)−OH,Boc−Asn−OH,Boc−Cys(4−CH3Bzl)−OH,Bo
c−Ser(Bzl)−OH,Boc−Gln−OH,Boc−Ala−OH,Boc−G
ly−OH,Boc−Ile−OH 1/2H2O,Boc−Arg(Tos)−OH,Boc
−Asp(OBzl)−OH,Boc−Ile−OH 1/2H2O,Boc−Arg(To
s)−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Phe−OH,Boc
−Gys(4CH3Bzl)−OH,Boc−Ser(Bzl)−OH,Boc−Ser
(Bzl)−OH,Boc−Arg(Tos)−OHの順に導入されてい
る)と共に手順Aにかけた。保護されたペプチジル樹脂
を,TFA:CH2Cl2:EDT(45:50:5 v/v/v)で1分間,次いで
20分間処理し,CH2Cl2で3回洗浄し,MeOHで2回洗浄
し,ペプチジル樹脂のTFA塩を生成し,真空内で乾燥し
た。
上記ペプチジル樹脂をその後,10%アニソール,2%エ
チルメチルスルフィドを含有する無水HF中で−10℃で30
分間,および0℃で30分間懸濁した。真空下で蒸発させ
ることによりHFを取り除き,ペプチド/樹脂混合物をジ
エチルエーテル中で懸濁した。ペプチド/樹脂混合物
を,ジエチルエーテルで2度,クロロホルムで1度,ジ
エチルエーテルで1度,クロロホルムで1度,そしてジ
エチルエーテルで1度洗浄した。その後,ペプチドを2.
0M酢酸で混合物から抽出し,H2Oで希釈し,凍結乾燥
し,非酸化SHペプチドを生成した。
粗ペプチドを,酸素分離した0.01MのNH4OAc,pH8中で
0.5mg/mlまで溶解し,次いで0.01MのKCN溶液をわずかに
過剰量滴下することによって酸化し,20分間かくはん
し,酢酸でpH5に調節した。このペプチド溶液を,DOWEX
AG3X4アニオン交換樹脂で処理し,濾過し,H2Oで希釈
し,凍結乾燥し,粗環化ペプチドを生成した。
溶出液として0.5MのAcOHを使用し,Sephadex G−25F
上で脱塩し,次いで300mM NH4OAcを10mM NH4OAc,pH4.5
の溶液に加えることによって調製した溶液グラディエン
トを用いたCM−Sepharose またはCM−セルロース(Wha
tman)でのイオン交換クロマトグラフィーによって,上
記ペプチドを精製した。逆相HPLCで判断し,最低97%の
純度を持つ留分を収集してプールし、H2Oから数回凍結
乾燥して、純粋なAP3アセテート塩を得た。
実施例4 *AP4 R−S−S−C−F−G−G−R−I−D−R−
I−G−A−C−N−S−F−NH2 計画Bを用いて得られた1gmのBoc−Phe−pMBHA樹脂
を,必要な配列のアミノ酸(Boc−Ser(Bzl)−OH,Boc
−Asn−OH,Boc−Cys(4−CH3Bzl)−OH,Boc−Ala−OH,
Boc−Gly−OH,Boc−Ile−OH 1/2H2O,Boc−Arg(Tos)−
OH,Boc−Asp(OBzl)−OH,Boc−Ile−OH 1/2H2O,Boc−A
rg(Tos)−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Phe−
OH,Boc−Gys(4CH3Bzl)−OH,Boc−Ser(Bzl)−OH,Boc
−Ser(Bzl)−OH,Boc−Arg(Tos)−OHの順に導入され
ている)と共に手順Aにかけた。ペプチジル樹脂を,そ
の後,10%アニソール,2%エチルメチルスルフィドを含
有する無水HF中で−10℃で30分間,および0℃で30分間
懸濁した。真空下で蒸発させることによりHFを取り除
き,ペプチド/樹脂混合物をジエチルエーテル中で懸濁
した。ペプチド/樹脂混合物を,ジエチルエーテルで2
度,クロロホルムで1度,ジエチルエーテルで1度,ク
ロロホルムで1度,そしてジエチルエーテルで1度洗浄
した。その後,ペプチドを2.0M酢酸で混合物から抽出
し,H2Oで希釈し,凍結乾燥し,非酸化SHペプチドを生
成した。
粗ペプチドを,酸素分離した0.01MのNH4OAc,pH8中で
0.5mg/mlまで溶解し,次いで0.01MのKCN溶液をわずかに
過剰量滴下することによって酸化し,20分間かくはん
し,酢酸でpH5に調節した。このペプチド溶液を,DOWEX
AG3X4アニオン交換樹脂で処理し,濾過し,H2Oで希釈
し,凍結乾燥し,粗環化ペプチドを生成した。
溶出液として0.5MのAcOHを使用し,Sephadex G−25F
上で脱塩し,次いで300mM NH4OAcを10mM NH4OAc,pH4.5
の溶液に加えることによって調製した溶液グラディエン
トを用いたCM−Sepharose またはCM−セルロース(Wha
tman)でのイオン交換クロマトグラフィーによって,上
記ペプチドを精製した。逆相HPLCで判断し,最低97%の
純度を持つ留分を収集してプールし、H2Oから数回凍結
乾燥して、純粋なAP4アセテート塩を得た。
以下の実施例は,代表的な有機置換基変性アナログペ
プチド化合物(AP#として同定される)の化学合成を示
しており,本発明の特定の局面を例示する。
実施例306 *AP306 (2−ナフチルアセチル)−G−G−R−I−
D−R−I−G−A−NH2 計画Bを用いて得られた1gmのBoc−Ala−pMBHA樹脂
(0.4meg/gm)を、必要な配列のアミノ酸およびアミノ
末端置換基(Boc−Gly−OH,Boc−Ile−OH 1/2H2O,Boc−
Arg(Tos)−OH,Boc−Asp(OBzl)−OH,Boc−Ile−OH 1
/2H2O,Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−Gly−OH,Boc−Gly−O
H,2−ナフチル酢酸の順に導入されている)と共に手順
Aにかけた。保護されたペプチジル樹脂を,CH2Cl2で3
回洗浄し、MeOHで3回洗浄し、真空内で乾燥した。
上記ペプチジル樹脂をその後、10%アニソール,2%エ
チルメチルスルフィドを含有する無水HF中で−10℃で30
分間,および0℃で30分間懸濁した。真空下で蒸発させ
ることによりHFを取り除き,ペプチド/樹脂混合物をエ
チルエーテル中で懸濁した。フリット化したロートに移
動させた後、ペプチド/樹脂混合物を,エチルエーテル
で2度,クロロホルムで1度,エチルエーテルで1度,
クロロホルムで1度,そしてエチルエーテルで再度洗浄
した。その後,ペプチドを2.0M酢酸で混合物から抽出
し,H2Oで希釈し,凍結乾燥した。
100mM NH4OAc,pH6.5を、10mM NH4OAc、pH4.5に加える
ことによって調製した溶離グラディエントを用いたCM−
Sepharose(Pharmacia)でのイオン交換クロマトグラフ
ィーによって、上記ペプチドを精製した。254nmで、留
分をモニターし、逆相HPLCで分析した。最低97%の純度
を持つ留分をプールし、H2Oから数回凍結乾燥して、純
粋なAP306アセテート塩を得た。
実施例307 *AP307 (2−ナフトキシアセチル)−NH(CH2)4CO−R
−I−D−R−I−NH2 計画Bを用いて得られた1gmのBoc−Ile−pMBHA樹脂
(0.4meg/gm)を、必要な配列のアミノ酸およびアミノ
末端置換基(Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−Asp(OBzl)−
OH,Boc−Ile−OH 1/2H2O,Boc−Arg(Tos)−OH,Boc−NH
(CH2)4COOH,2−ナフトキシ酢酸の順に導入されている)
と共に手順Aにかけた。保護されたペプチジル樹脂を,
CH2Cl2で3回洗浄し、MeOHで3回洗浄し、真空内で乾燥
した。
上記ペプチジル樹脂をその後、10%アニソール,2%エ
チルメチルスルフィドを含有する無水HF中で−10℃で30
分間,および0℃で30分間、懸濁した。真空下で蒸発さ
せることによりHFを取り除き,ペプチド/樹脂混合物を
エチルエーテルで懸濁した。フリット化したロートに移
動させた後、ペプチド/樹脂混合物を,エチルエーテル
で2度,クロロホルムで1度,エチルエーテルで1度,
クロロホルムで1度,そしてエチルエーテルで再度洗浄
した。その後,ペプチドを2.0M酢酸で混合物から抽出
し,H2Oで希釈し,凍結乾燥した。
100mM NH4OAc,pH6.5を、10mM NH4OAc、pH4.5に加える
ことによって調製した溶離グラディエントを用いたCM−
Sepharose(Pharmacia)でのイオン交換クロマトグラフ
ィーによって、上記ペプチドを精製した。254nmで、留
分をモニターし、逆相HPLCで分析した。最低97%の純度
を持つ留分をプールし、H2Oから数回凍結乾燥して、純
粋なAP307アセテート塩を得た。
次に挙げるのは、実施例1から6で(アナログペプチ
ドAP1〜4および306および307を生産するために)概説
した手順に適切な改良を加えたものであり,第2図およ
び第3図に示されるANPアナログが合成される。化合物
が2つの“C"残基を含む場合には,ジスルフィドによっ
て形成された環が包含され,さもなければ,環が示され
ている。表のパートAは,実施例1から4に類似する方
法によって合成された化合物を;パートBは実施例306
から307に類似する方法によって合成された化合物をそ
れぞれ示す。パートBにおいて,次に挙げた略語を用い
た。
AA=アダマンチルアセチル BPA=ビフェニルアセチル CHA=シクロヘキシルアセチル DBA=ジベンジルアセチル DPP=ジフェニルプロピオニル IB=インドールブチリル IP=インドールプロピオニル NA=ナフチルアセチル NL=ナフチル NM=ナフチルメチル NO=ナフトキシ NOA=ナフトキシアセチル NTA=ナフチルチオアセチル NYL=ナフトイル POP=フェノキシプロピオニル TPP=トリフェニルプロピオニル NeONAP=メトキシナフチルプロピオニル 星印を付けた化合物は,配列分析によって配列が証明さ
れたものである。
II.生物学的試験:レセプター結合アッセイ 上記に開示したように合成された本発明の選択された
心房の、ナトリウム排出亢進性ペプチド(ANPs)アナロ
グの生物学的活性のデータを、レセプター結合アッセイ
の結果として以下に示す。単離した組織のアッセイと、
全体の哺乳類の生物学的アッセイとの、相関関係は、WO
87/02674に記載されている。
どの様な理論にも縛られるものではないが、本発明の
ANPアナログ化合物の活性は、腎臓、および内生的なANP
のクリアランスに影響する責のある他の位置中のレセプ
ターへの親和性に依存すると考えられる。以下のインビ
トロでの生物学的データには、本発明のアナログ化合物
が、培養されたウシ属の大静脈の平滑筋(BASM)細胞お
よびウシ属の内皮(BAE)細胞からのレセプターに結合
するヨウ素化天然ANP分子と競合することが示されてい
る。前記競合は、明らかに、関連したクリアランセレセ
プターへの結合に特徴的である。この相関関係は、上記
記載のWO87/0264のデータで確かめられる。更に、本発
明のアナログは、低減された環式のGMPの活性、つまりA
NPの直接の生物学的な機能の顕著な特徴である活性を示
す。
更に発明者は、ここで開示されたペプチドおよびペプ
チドアナログが、多くはなくとも、いくらかの経口活性
をも有すると考えている。
特定のANPレセプター位置が、腎臓、副腎、血管およ
び培養細胞の様なターゲット組織について同定されてき
た。Napier,M.A.ら、Proc Nat Acad Sci USA(1984)8
1:5946−5940;DeLean,A.ら、Endocrinology(1984)11
5:1636−1638;Schenk,D.B.ら、Biochem Biophys Res Co
mm(1985)127:433−422。前記の特定のレセプター位置
へのANPもしくはANPアナログの結合は、生物学的活性の
先行必須条件と考えられるので、前記レセプターのANP
アナログの結合は、生物学的活性の前兆と考えられてい
る。
一般的に、前出のSchenk、およびScarborough,R.M.
ら、J Biol Chem(1986)261:12960−12964に従って、
アッセイが発達しており、ANPアナログが標識された天
然のANPと競合して培養BASM細胞および培養BAE細胞に結
合する能力を評価する。この天然ANPは: のアミノ酸配列を持ち、アルボキシ末端Y残基でヨウ素
化された。前記ANPは、(125I)−rANP(126−150)と
して同定される。類似の「競合置換」レセプター結合ア
ッセイは、特定のリガンドレセプター相互作用を試験す
るには一般的な技術と考えられている。
このアッセイでは、0.5nM(125I)−rANP(126−15
0)を、様々な量の標識されていないrANP(126−150)
もしくは試験化合物の存在するBASM細胞の各個別標本で
培養する。最大50%の(125I)−rANP(126−150)結合
が置換される標識されていないペプチドの濃度は、Ki
(app)と呼ばれ、レセプター結合親和性を反映する。
従って、Ki(app)=100nMを持つ仮定のペプチドAは、
Ki(app)=100nMを持つ仮定のペプチドBよりも、レセ
プターと実質的に弱い相互作用を示す。これらのANPア
ナログが、ひとつもしくはそれ以上のANPレセプター位
置で作用すると仮定すると、増加したレセプター親和性
は、増加した生物学的有効性を反映するはずである。
表1は、本発明のアナログ化合物が、BASMもしくはBA
E細胞の特定のレセプター位置から(125I)−rANP(126
−150)結合を置換する濃度を比較するデータを示す。
レセプター結合アッセイは、ANPに特異的であること
を示すために、rANP(126−150)と相互作用をするANP
レセプターと、関連のないペプチドホルモンであるアン
ギオテンシンII、グルカゴン、上皮小体のホルモンおよ
びガンマ−MSHと、を比較するデータを示す。ペプチド Ki(app) rANP(126−150) 7.50 アンギオテンシンII >500 グルカゴン >500 上皮小体ホルモン >500 ガンマ−MSH >500 上記に示されるように、rANP(126−150)のみが、検
出し得るANPリセプター類似性を示す。このことは、本
レセプターに関連したANP特異性を立証する。
上記の表のデータは、本発明の化合物の多くの典型的
なサンプルは、上記特異的レセプター結合アッセイにお
いて親和性を示すことを証明している。
フロントページの続き (72)発明者 ジョンソン,ロリン ケー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 94566 プレザントン,ドロレス ドラ イブ 4979 (56)参考文献 国際公開87/2674(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】哺乳類において、ナトリウム排出亢進作
    用、利尿作用および/あるいは血管弛緩作用を有する環
    式ペプチド化合物であって、該ペプチド化合物は次式を
    有する: X1 AAyX2−AA8−AA9−AA10−AA11−AAzX4 (1) ここで、各AA8およびAA11は、独立して、非環式の塩基
    性アミノ酸残基、カルボキシル基の炭素原子を含めて合
    計4以下の炭素原子を有する無極性の中性アミノ酸残
    基、あるいはカルボキシル基の炭素原子を含めて合計5
    以上の炭素原子を有する非芳香族の極性の中性アミノ酸
    残基であり; AA9は、DまたはL配置のカルボキシル基の炭素原子を
    含めて合計5以上の炭素原子を有する非芳香族の無極性
    の中性アミノ酸残基であり; AA10は、酸性のアミノ酸残基であり; AAyおよびAAzは、共に架橋結合を形成するアミノ酸残基
    であり、該結合はジスルフィド結合、メチレン結合、ス
    ルフィド/メチレン結合、アミド結合およびエステル結
    合からなる群から選択され; X1は、H、1から125のアミノ酸残基のペプチド、また
    はそれらのdesNH2形、あるいはR1が有機疎水基である6
    から20の炭素原子のR1−CO−、またはナフチルもしくは
    ナフトキシルであり; X2は、結合または1から10の残基のペプチドであり、こ
    こでAA8のアミノ基とX1AAyX2に存在する疎水性部との間
    の距離が、達成され得る立体配座において約4.5と15Å
    との間であり; X4は、OH、NH2、NHR′、またはNR′R″であり、ここで
    R′およびR″は直鎖もしくは分枝鎖アルキル(1〜10
    のC)であり、ここで、1から2個の非隣接CはN、
    O、もしくはSで置き換えられ得、あるいはX4は、その
    C−末端アミドまたはそれらのアルキルアミド形態を含
    む1から20残基のペプチドであり;あるいは、C−末端
    カルボキシルが架橋の一部である場合にはX4は存在せ
    ず; 全環の大きさは、5から15のアルファ−アミノ酸によっ
    て分離されたシステイン残基の間にジスルフィド架橋が
    形成されることによって得られるものと同等である。
  2. 【請求項2】哺乳類において、ナトリウム排出亢進作
    用、利尿作用および/あるいは血管弛緩作用を有する環
    式ペプチド化合物であって、該ペプチド化合物は次式を
    有する: X1AAyX2−AA8−AA9−AA10−AA11−AA12−X3AAzX4(1) ここで、各AA8およびAA11は、独立して、非環式の塩基
    性アミノ酸残基、カルボキシル基の炭素原子を含めて合
    計4以下の炭素原子を有する無極性の中性アミノ酸残
    基、あるいはカルボキシル基の炭素原子を含めて合計5
    以上の炭素原子を有する非芳香族の極性の中性アミノ酸
    残基であり; AA9は、DまたはL配置のカルボキシル基の炭素原子を
    含めて合計5以上の炭素原子を有する非芳香族の無極性
    の中性アミノ酸残基であり; AA10は、酸性のアミノ酸残基であり; AA12は、DまたはL配置のカルボキシル基の炭素原子を
    含めて合計5以上の炭素原子を有する非芳香族の無極性
    の中性アミノ酸残基または共有結合であり; AAyおよびAAzは、共に架橋結合を形成するアミノ酸残基
    であり、該結合はジスルフィド結合、メチレン結合、ス
    ルフィド/メチレン結合、アミド結合およびエステル結
    合からなる群から選択され; X1は、R1が有機疎水基である6から20の炭素原子のR1
    CO−、またはナフチルもしくはナフトキシルであり; X2は、結合または1から10の残基のペプチドであり、こ
    こでAA8のアミノ基とX1AAyX2に存在する疎水性部との間
    の距離が、達成され得る立体配座において約4.5と15Å
    との間であり; X3は、結合または1から10の残基のペプチドであり、そ
    して X4は、OH、NH2、NHR′、またはNR′R″であり、ここで
    R′およびR″は直鎖もしくは分枝鎖アルキル(1〜10
    のC)であり、ここで、1から2個の非隣接CはN、
    O、もしくはSで置き換えられ得、あるいはX4は、その
    C−末端アミドまたはそれらのアルキルアミド形態を含
    む1から20残基のペプチドであり;あるいは、C−末端
    カルボキシルが架橋の一部である場合にはX4は存在せ
    ず; 全環の大きさは、5から15のアルファ−アミノ酸によっ
    て分離されたシステイン残基の間にジスルフィド架橋が
    形成されることによって得られるものと同等である。
  3. 【請求項3】哺乳類において、ナトリウム排出亢進作
    用、利尿作用および/あるいは血管弛緩作用を有する環
    式ペプチド化合物であって、該ペプチド化合物は次式を
    有する: X1AAyX2−AA8−AA9−AA10−AA11−AA12−X3AAzX4(1) ここで、各AA8およびAA11は、独立して、非環式の塩基
    性アミノ酸残基、カルボキシル基の炭素原子を含めて合
    計4以下の炭素原子を有する無極性の中性アミノ酸残
    基、あるいはカルボキシル基の炭素原子を含めて合計5
    以上の炭素原子を有する非芳香族の極性の中性アミノ酸
    残基であり; AA9は、DまたはL配置のカルボキシル基の炭素原子を
    含めて合計5以上の炭素原子を有する非芳香族の無極性
    の中性アミノ酸残基であり; AA10は、酸性のアミノ酸残基であり; AA12は、DまたはL配置のカルボキシル基の炭素原子を
    含めて合計5以上の炭素原子を有する非芳香族の無極性
    の中性アミノ酸残基または共有結合であり; AAyおよびAAzは、共に架橋結合を形成するアミノ酸残基
    であり、該結合はアミド結合およびエステル結合からな
    る群から選択され; X1は、H、1から125のアミノ酸残基のペプチド、また
    はそれらのdesNH2形、あるいはR1が有機疎水基である6
    から20の炭素原子のR1−CO−、またはナフチルもしくは
    ナフトキシルであり; X2は、結合または1から10の残基のペプチドであり、こ
    こでAA8のアミノ基とX1AAyX2に存在する疎水性部との間
    の距離が、達成され得る立体配座において約4.5と15Å
    との間であり; X3は、結合または1から10の残基のペプチドであり、そ
    して X4は、OH、NH2、NHR′、またはNR′R″であり、ここで
    R′およびR″は直鎖もしくは分枝鎖アルキル(1〜10
    のC)であり、ここで、1から2個の非隣接CはN、
    O、もしくはSで置き換えられ得、あるいはX4は、その
    C−末端アミドまたはそれらのアルキルアミド形態を含
    む1から20残基のペプチドであり;あるいは、C−末端
    カルボキシルが架橋の一部である場合にはX4は存在せ
    ず; 全環の大きさは、5から15のアルファ−アミノ酸によっ
    て分離されたシステイン残基の間にジスルフィド架橋が
    形成されることによって得られるものと同等である。
  4. 【請求項4】哺乳類において、ナトリウム排出亢進作
    用、利尿作用および/あるいは血管弛緩作用を有する環
    式ペプチド化合物であって、該ペプチド化合物は次式を
    有する: X1AAyX2−AA8−AA9−AA10−AA11−AA12−X3AAzX4(1) ここで、各AA8およびAA11は、独立して、非環式の塩基
    性アミノ酸残基、カルボキシル基の炭素原子を含めて合
    計4以下の炭素原子を有する無極性の中性アミノ酸残
    基、あるいはカルボキシル基の炭素原子を含めて合計5
    以上の炭素原子を有する非芳香族の極性の中性アミノ酸
    残基であり; AA9は、DまたはL配置のカルボキシル基の炭素原子を
    含めて合計5以上の炭素原子を有する非芳香族の無極性
    の中性アミノ酸残基であり; AA10は、酸性のアミノ酸残基であり; AA12は、DまたはL配置のカルボキシル基の炭素原子を
    含めて合計5以上の炭素原子を有する非芳香族の無極性
    の中性アミノ酸残基または共有結合であり; AAyおよびAAzは、共に架橋結合を形成するアミノ酸残基
    であり、該結合はジスルフィド結合、メチレン結合、ス
    ルフィド/メチレン結合、アミド結合およびエステル結
    合からなる群から選択され; X1は、H、1から125のアミノ酸残基のペプチド、また
    はそれらのdesNH2形、あるいは、R1が有機疎水基である
    6から20の炭素原子のR1−CO−、またはナフチルもしく
    はナフトキシルであり; X2は、結合または1から10の残基のペプチドであり、こ
    こでAA8のアミノ基とX1AAyX2に存在する疎水性部との間
    の距離が、達成され得る立体配座において約4.5と15Å
    との間であり; X3は、結合または1から10の残基のペプチドであり、そ
    して X4は、OH、NH2、NHR′、またはNR′R″であり、ここで
    R′およびR″は直鎖もしくは分枝鎖アルキル(1〜10
    のC)であり、ここで、1から2個の非隣接CはN、O
    もしくはSで置き換えられ得、あるいはX4は、そのC−
    末端アミドまたはそれらのアルキルアミド形態を含む1
    から20残基のペプチドであり;あるいは、C−末端カル
    ボキシルが架橋の一部である場合にはX4は存在せず; 全環の大きさは、5から15のアルファ−アミノ酸によっ
    て分離されたシステイン残基の間にジスルフィド架橋が
    形成されることによって得られるものと同等であり; 隣接するアミノ酸残基の間の1つもしくはそれ以上のア
    ミド結合は、−CH2NH−、−CH2−S−、−CH2CH2−、−
    CH=CH−、−COCH2−、−CH(OH)CH2−および−CH2SO−
    からなる群から選択される結合によって置き換えられ
    る。
  5. 【請求項5】請求項1から4に記載の化合物であって、
    X1は、フルオレニルメチルオキシカルボニル、ベンジル
    オキシカルボニル、2−(2′−(6′−メトキシナフ
    チル))プロピオニル、ジフェニルプロピオニル、ビフ
    ェニルアセチル、トリフェニルプロピオニル、シクロヘ
    キシルアセチル、3−インドールプロピオニル、4−イ
    ンドールブチリル、1−アダマンチルアセチル、1−ナ
    フチルアセチル、2−ナフチルアセチル、1−ナフトキ
    シアセチル、2−ナフトキシアセチル、ジベンジルアセ
    チル、ビス(1′−ナフチルメチル)アセチル、2−ナ
    フチルチオアセチル、3−フェノキシプロピオニル、2
    −ナフトイル、2−ナフトキシ、2−ナフチルおよびde
    s−NH2−フェニルアラニルからなる群から選択される。
  6. 【請求項6】請求項1、3または4に記載の化合物であ
    って、X1は、水素または1から6のアミノ酸残基からな
    るペプチドであり、 該ペプチドは: S−L−R−R−S−S、L−R−R−S−S、R−R
    −S−S、R−S−S、S−S、およびSからなる群か
    ら選択される。
  7. 【請求項7】請求項1、3または4に記載の化合物であ
    って、X2は、結合、およびカルボキシル基の炭素原子を
    含めて合計4以下の炭素原子を有する極性の中性アミノ
    酸残基またはカルボキシル基の炭素原子を含めて合計4
    以下の炭素原子を有する無極性の中性アミノ酸残基のサ
    ブクラスである1から3のアミノ酸のペプチド、あるい
    は、F−(AA)aであり、ここでaは1または2であり、
    そしてAAはカルボキシル基の炭素原子を含めて合計4以
    下の炭素原子を有する極性の中性アミノ酸残基またはカ
    ルボキシル基の炭素原子を含めて合計4以下の炭素原子
    を有する無極性の中性アミノ酸残基のサブクラスであ
    る。
  8. 【請求項8】請求項1から4に記載の化合物であって、
    X3は: G−A−Q−S−G−L−G、G−A−Q−S−G−
    L、 A−Q−S−G−L−G、G−A−Q−S−G、Q−S
    −G−L−G、 G−A−Q−S、S−G−L−G、G−A−Q、G−A
    −A、G−L−G、 L−G、G−A、Gおよび結合からなる群から選択さ
    れ、そしてここで1つの残基が同様のサブクラスのその
    他の残基;およびbが3から6である−NH(CH2)bCOによ
    って置換される。
  9. 【請求項9】請求項1から4に記載の化合物であって、
    X4は(OH)NH2、NHR′であり、R′は1〜10のCの直鎖ま
    たは分岐鎖アリルであり、1から2個の非隣接CはN、
    O、またはSによって置換されるか、あるいはR′は1
    から5個のアミノ酸残基のペプチドあるいはアミドまた
    はそれらのアルキルアミドであり、あるいはC−末端カ
    ルボキシルが架橋の一部である場合、X4は存在しない。
  10. 【請求項10】請求項1から4に記載の化合物であっ
    て、AA8−AA9−AA10−AA11−AA12はR(I/M)DRIであ
    り、多くてもその中の残基1つの残基は、 AA8としてRの代わりに、A、Q、N、K、LもしくはN
    MeIleに、 AA9としてIまたはMの代わりに、V、V、L、
    、I、M、t−BuA、t−BuGもしくはChaに、 AA10としてDの代わりに、EまたはCyaに、 AA11としてRの代わりに、A、Q、N、K、Ornもしく
    はCitに;そして AA12としてIの代わりに、M、M、V、V、L、L
    、I、N−MeIle、t−BuAもしくは共有結合に、 置換することによって置換されている。
  11. 【請求項11】請求項1から4に記載の化合物であっ
    て、AA8−AA9−AA10−AA11−AA12は、 A(I/M)DRI RMDRI R(I/M)DRL K(I/M)DRI RLDRI R(I/M)DRM Q(I/M)DRI R(I/M)ERI R(I/M)DRM RVDRI R(I/M)DKI R(I/M)DRI RIDRI R(I/M)DQI R(I/M)DRV およびR(I/M)DRIでなる群から選択される。
  12. 【請求項12】第2図に示されるものからなる群から選
    択される、請求項1から4に記載の化合物。
  13. 【請求項13】ナトリウム排出亢進薬、利尿薬および/
    あるいは血管拡張薬として有用な組成物であって、該組
    成物は、薬学的に受容され得るキャリアと共に、治療上
    効果のある量の請求項1から4に記載の化合物を有す
    る。
  14. 【請求項14】哺乳類において、ナトリウム排出亢進作
    用、利尿作用および/あるいは血管拡張作用を有する、
    ペプチド化合物の製造方法であって、該ペプチド化合物
    は、請求項1から4に記載の化合物もしくは、その中に
    薬剤的に受容され得る塩の構造を有し、該方法は、次の
    工程を包含する: a.反応混合物中で固体樹脂担体に結合した保護ペプチド
    を調製すること、ここで、該ペプチドは、上記のアミノ
    酸配列を有する; b.該ペプチドから固体樹脂担体を除去し、ペプチドを脱
    保護すること; c.必要に応じて該ペプチドから環化合物を形成するこ
    と; d.必要に応じて、上記の所望の有機置換基が加えられる
    ように、ペプチドを修飾すること;および e.反応混合物からペプチドを単離し、必要に応じて、該
    ポリペプチドを酸添加塩に変換すること。
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