JP2850167B2 - 分配型燃料噴射ポンプ - Google Patents

分配型燃料噴射ポンプ

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JP2850167B2
JP2850167B2 JP24251891A JP24251891A JP2850167B2 JP 2850167 B2 JP2850167 B2 JP 2850167B2 JP 24251891 A JP24251891 A JP 24251891A JP 24251891 A JP24251891 A JP 24251891A JP 2850167 B2 JP2850167 B2 JP 2850167B2
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宏明 加藤
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Diesel Kiki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分配型燃料噴射ポンプ
に関し、特に燃料噴射時期を調節するロードタイマの作
動の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭57ー119132号公報には分
配型燃料噴射ポンプが開示されている。この燃料噴射ポ
ンプは、内部空間がポンプ室として提供されるハウジン
グ2を備えている。ハウジングには、エンジン回転を伝
達される駆動シャフト6が貫通している。駆動シャフト
のポンプ室に臨む一端には、プランジャ5の一端が、カ
プリングにより回転伝達可能でかつ軸方向の移動を許容
した状態で連結されている。プランジャの他端はハウジ
ングと協働して燃料加圧室14を形成する。プランジャ
の回転運動は、燃料加圧室の燃料を複数の噴射ノズルへ
順に分配するのに寄与する。上記ポンプ室には、プラン
ジャの回転運動に伴って、プランジャを軸方向に往復移
動させるカム機構7,8が収容されている。プランジャ
は、一方向への移動すなわち吸引行程で燃料加圧室へ燃
料吸入させ、他方向への移動すなわちポンプ行程で燃料
加圧室の燃料を加圧する。
【0003】上記プランジャの外周にはコントロールス
リーブ19が軸方向にスライド可能に設けられている。
上記プランジャのカットオフポート31はポンプ行程に
おいてコントロールスリーブにふさがれており、カット
オフポートがコントロールスリーブから離れた時に、燃
料加圧室の加圧燃料がカットオフポートを経てポンプ室
へ逃げ、これにより燃料噴射が終了する。コントロール
スリーブの位置は燃料噴射量を決定する。ハウジング内
には、レバーアッセンブリが回動可能に支持されてお
り、このレバーアセンブリで上記コントロールスリーブ
の位置を調節し、ひいては燃料噴射量を調節する。ハウ
ジング内には、アクセル操作力を受けるガバナスプリン
グ41が収容されている。このガバナスプリング41
は、コントロールスリーブがプランジャのポンプ行程の
方向に移動するように、すなわち燃料噴射量を増やすよ
うに上記レバーアセンブリを回動付勢する。また、ハウ
ジングにはガバナが収容されている。このガバナは、コ
ントロールスリーブがプランジャの吸引行程の方向に移
動するように、すなわち燃料噴射量を減らすように上記
レバーアセンブリを回動付勢する。このガバナは、ハウ
ジングに固定されてポンプ室に突出するガバナシャフト
45と、このガバナシャフトの外周に軸方向にスライド
可能に設けられたガバナスリーブ37と、ガバナシャフ
トに支持され上記駆動シャフトの回転を伝達されて回転
する回転部材46と、回転部材に支持されたフライウエ
イト47とを備えている。回転部材の回転に伴って生じ
るフライウエイトの遠心力によりガバナスリーブが、レ
バーアセンブリを回動付勢する。
【0004】上記ハウジングにはメインタイマ39が設
けられている。このメインタイマは、ポンプ室の圧力に
応じて上記カム機構を調節することにより、燃料噴射時
期を調節する。ポンプ室の圧力が高いほど燃料噴射時期
を早くするように調節する。
【0005】さらに、上記公報の燃料噴射ポンプは、メ
インタイマと協働することによりエンジン負荷に対応し
て燃料噴射時期を調節するロードタイマを備えている。
このロードタイマは上記ガバナを含んでいる。さらにロ
ードタイマは、ガバナシャフト45に形成された軸方向
に延びる逃がし孔49と、ガバナシャフト45の逃がし
孔を囲む周壁を貫通する第1連絡通路と、ガバナスリー
ブ37の周壁を貫通する第2連絡通路とを備えている。
第1連絡通路は、ガバナシャフトの外周面に形成された
唯一の環状溝48と、環状溝を逃がし孔と連通させるポ
ートとを有している。第2連絡通路は、断面積の小さい
唯一の制御孔50からなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記構成のロードタイ
マは周知の構成である。このロードタイマにおいて、エ
ンジン負荷が低い時には、ガバナスリーブが前方に位置
しているので、制御孔50は環状溝48に連なってお
り、ポンプ室の圧力が逃がし孔へと逃げる。制御孔50
と環状溝48との間の連通面積は、環状溝48の全断面
積に等しいので、ポンプ室の圧力が最低となり、メイン
タイマで決定される燃料噴射時期は最も遅くなる。エン
ジン負荷が上昇すると、ガバナスリーブ37が徐々に後
退するため、制御孔と環状溝との間の連通面積が徐々に
減少し、これに伴いポンプ室の圧力も上昇するので、燃
料噴射時期が早くなってくる。エンジン負荷がさらに高
くなり、ガバナスリーブが後退すると、制御孔がガバナ
シャフトによって閉じられるので、ポンプ室の圧力は高
くなり、燃料噴射時期が最も早くなる。
【0007】上記周知のロードタイマでは、高地におい
て始動直後のアイドル運転の際に、エンジン負荷が低い
ために燃料噴射時期が遅く、そのためにエンジンが停止
したり煙が発生する場合がある。この不都合に対処する
ために、上記公報の燃料噴射ポンプは逃がし孔を開閉す
る電磁弁51と、この電磁弁51を制御するコントロー
ルユニット52を備えている。コントロールユニット5
2は、エンジン冷却水温度、気圧、エンジン負荷の情報
を入力して電磁弁51を制御することにより、低負荷,
低気圧時でも燃料噴射時期を早くすることができるよう
になっている。しかし、電磁弁51およびその制御回路
を必要とするためコスト高となる。
【0008】実公平1ー8674号公報(第3図,第4
図参照)の分配型燃料噴射ポンプは、大気圧が低い時
に、燃料噴射量を減少させるとともに燃料噴射時期を早
めるようにした大気圧補償機構30を備えている。この
大気圧補償機構は、大気圧に応じて伸縮するベローズ3
2を有している。ベローズの下端部にはアジャストピン
35の上端が連結されている。このアジャストピン35
は、テーパ面35aを有するとともにハウジングにより
垂直方向かつ軸方向にスライド可能に支持されており、
ベローズが伸びるにしたがって下方に移動する。さらに
ハウジングには、アジャストピン35と直交する方向に
延びるセンサピン36が軸方向にスライド可能に支持さ
れている。センサピン36の一端はアジャストピンのテ
ーパ面に接し、他端はポンプ室に臨んでいる。ハウジン
グにはリンク25が回動可能に支持され、このリンク2
5の上端がセンサピンの他端に接している。フルロード
時にレバーアッセンブリの一つであるテンションレバー
24の上端がリンクの下端に当たることにより、燃料噴
射量を制限する。大気圧が低い時には、ベローズが伸び
てアジャストピンが下方に移動し、これに伴いセンサピ
ンを介してリンク25が回動し、テンションレバー24
は小さな傾斜度でリンク25の下端に係止され、フルロ
ードでの燃料噴射量は減少させられる。また、ハウジン
グには補助タイマ40が設けられている。この補助タイ
マ40は、ハウジングに固定されたガイドスリーブ41
と、このガイドスリーブ41に軸方向のスライド可能に
収容された弁体43とを備えている。弁体43は上記セ
ンサピン36と同軸をなす。この弁体43には、軸方向
に延びる逃がし孔43aが形成されている。この逃がし
孔43aの一端はポンプ室に連なり、他端は、弁体43
の外周に形成された環状溝43bに貫通孔43cを介し
て連なっている。ガイドスリーブ41には貫通孔41f
が形成されており、この貫通孔41fと環状溝43bと
の間の連通面積に応じてポンプ室からの燃料の逃がし量
が決定される。弁体43はスプリング44に付勢され、
その先端はリンク25の上端を介してセンサピン36に
当たっている。車両が低地にあるため大気圧が高い時に
は、貫通孔41fと環状溝43bとの間の連通面積が大
であり、ポンプ室圧が低いので、メインタイマ16によ
り燃料噴射時期は遅い時期に設定される。車両が高地に
あり大気圧が低いとベローズが伸び、アジャストピン3
5が下方に移動するので、センサピン36がリンク25
を介して弁体43を後退させ、これにより貫通孔41f
と環状溝43bの連通面積が減少してポンプ室圧が高く
なる。その結果、燃料噴射時期が早くなる。
【0009】しかし、上記実公平1ー8674号公報の
分配型燃料噴射ポンプでは、ガバナとは別の構成をなす
補助タイマ40を必要とするため、構造が複雑でコスト
高になる。また、この補助タイマ40では、負荷に対応
して燃料噴射時期を調節することができない。
【0010】特開昭55ー37572号には上記実公平
1ー8674号と似た大気圧補償機構が開示されてい
る。この大気圧補償機構は大気圧に応じてコレクタレバ
ー30を回動調節し、これにより大気圧が低い時に燃料
噴射量を減少させるようにしている。しかし、この大気
圧補償機構は、大気圧に応じて燃料噴射時期を調節する
ものではない。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解消
するためになされたものであり、その要旨は、次の構成
を備えたことを特徴とする分配型燃料噴射ポンプにあ
る。 (a)内部空間がポンプ室として提供されるハウジン
グ。 (b)ハウジングを貫通しエンジン回転に伴って回転す
る駆動シャフト。この駆動シャフトの一端はポンプ室に
臨んでいる。 (c)駆動シャフトと同軸をなすプランジャ。プランジ
ャの一端は、カプリングにより駆動シャフトの一端に、
回転伝達を受けることが可能でしかも軸方向の移動を許
容された状態で、連結されている。プランジャの他端は
ハウジングと協働して燃料加圧室を形成する。プランジ
ャには、燃料加圧室と連通するとともにプランジャの外
周面に開口するカットオフポートが形成されている。 (d)プランジャの回転運動に伴って、プランジャに燃
料加圧室への燃料吸入を起こさせる吸引行程と、燃料加
圧室の燃料を加圧するポンプ行程を付与するカム機構。 (e)プランジャの外周にスライド可能に設けられたコ
ントロールスリーブ。上記プランジャのカットオフポー
トはポンプ行程においてコントロールスリーブによりふ
さがれており、カットオフポートがコントロールスリー
ブから離れた時に、燃料加圧室の加圧燃料がポンプ室へ
逃げ、これにより燃料噴射が終了する。コントロールス
リーブの位置は燃料噴射量を決定する。 (f)ハウジング内に収容されて上記コントロールスリ
ーブの位置を調節するレバー機構。このレバー機構は、
ハウジングに対して第1支点を中心に回動可能に支持さ
れた第1レバー手段と、第1レバー手段に対して第2支
点を中心に回動可能に支持された第2レバー手段とを有
している。第2レバー手段の一端部は、上記コントロー
ルスリーブと係合している。 (g)ハウジングに収容されたガバナスプリング手段。
このガバナスプリング手段は、コントロールスリーブが
プランジャのポンプ行程の方向に移動するように、上記
第2レバー手段を回動付勢する。 (h)コントロールスリーブがプランジャの吸引行程の
方向に移動するように、上記第2レバー手段を回動付勢
するガバナ。このガバナは、ハウジングに固定されてポ
ンプ室に突出するガバナシャフトと、このガバナシャフ
トの外周にスライド可能に設けられたガバナスリーブ
と、ガバナシャフトに支持され上記駆動シャフトの回転
を伝達されて回転する回転部材と、回転部材に支持され
たフライウエイトとを備えている。回転部材の回転に伴
って生じるフライウエイトの遠心力によりガバナスリー
ブが、第2レバー手段を回動付勢する。 (i)ハウジングに設けられたメインタイマ。このメイ
ンタイマは、ポンプ室の圧力に応じて上記カム機構を調
節することにより、ポンプ室の圧力が高いほど燃料噴射
時期を早くするように燃料噴射時期を調節する。 (j)上記メインタイマと協働することによりエンジン
負荷に対応して燃料噴射時期を調節するロードタイマ。
このロードタイマは上記ガバナを含んでいる。さらにロ
ードタイマは、ガバナシャフトに形成された軸方向に延
びる逃がし孔と、ガバナシャフトの逃がし孔を囲む周壁
を貫通する第1連絡通路と、ガバナスリーブの周壁を貫
通する第2連絡通路とを備えている。ポンプ室内の圧力
は、この第1,第2連絡通路を経て逃がし孔へと逃げ
る。ガバナスリーブが移動すると、第1,第2連絡通路
の間の連通状態が変化し、これによりポンプ室の圧力を
変化させて、上記メインタイマによる燃料噴射時期調節
を促す。ガバナスリーブが後退するにしたがって、第1
連絡通路と第2連絡通路との間の連通面積が減少する。 (k)大気圧に応じて上記第1レバーの回動位置を変化
させる大気圧補償手段。この大気圧補償手段は、大気圧
が低い時には、第1レバー手段を一方向に回動させるこ
とにより、コントロールスリーブをプランジャの吸引工
程の方向に移動させて燃料噴射量を減少させるととも
に、ガバナスリーブを後退させて燃料噴射時期を早め
る。
【0012】
【作用】高い負荷の時には、ロードタイマのガバナスリ
ーブが後退することにより、ガバナシャフトの第1連絡
通路とガバナスリーブの第2連絡通路との間の連通面積
が減少し、ポンプ圧が高まる。これに応答して、メイン
タイマが燃料噴射時期を早め、煙の発生を防止すること
ができる。低負荷の場合でも大気圧が低いときには、大
気圧補償手段で第1レバー手段を回動させ、ひいてはガ
バナスリーブを後退させることにより、燃料噴射時期を
早め、煙の発生やエンジン停止の不都合を防止すること
ができる。
【0013】
【実施例】以下、この発明を図面を参照して説明する。
図1は分配型燃料噴射ポンプの全体構成を示している。
このポンプは、ハウジング1を備えている。ハウジング
1の内部空間はポンプ室2として提供されている。ハウ
ジング1の図1中左側の部位には、エンジンによって回
転駆動される駆動シャフト3が貫通して、回転可能に支
持されている。ハウジング1内には、駆動シャフト3に
よって駆動されるフィードポンプ4が収容されている。
このフィードポンプ4により、燃料タンクTの燃料がハ
ウジング1に形成された低圧通路5を介して吸引され、
ポンプ室2に吐出される。
【0014】上記駆動シャフト3のポンプ室2内に突出
する右端部には、プランジャ9の左端部が連結されてい
る。詳述すると、プランジャ9の左端部には後述するカ
ム機構10のカムディスク11が固定されている。カム
ディスク11は、カプラ15により駆動シャフト3に対
して、回転伝達を受けることが可能でしかも軸方向に往
復動を許容された状態で連結されている。
【0015】プランジャ9は、回転運動する際に上記カ
ム機構10によって往復運動を付与される。このカム機
構10は、上述のカムディスク11と、リング形状をな
しハウジング1に回動可能に支持されたローラホルダ1
2と、このローラホルダ12に回転可能に支持された複
数のローラ13(図中1個のみ示す)と、カムディスク1
1をローラ13へ付勢するスプリング14とを備えてい
る。カムディスク11がローラ13に対して回転した
時、カムディスク11が軸方向に往復動し、これに伴な
いプランジャ9が軸方向に往復動する。
【0016】ハウジング1の図1中右側の部位には、上
記駆動シャフト3と同軸をなしてバレル20が貫通固定
されている。バレル20はハウジング1の一部として提
供される。バレル20には上記プランジャ9の右端部が
挿入されている。上記プランジャ9の右端部とバレル2
0とにより燃料加圧室21が形成されている。上記プラ
ンジャ9の左方向の移動行程、すなわち吸引行程におい
て、ポンプ室2の燃料が、ハウジング1に形成された燃
料供給通路22、バレル20に形成されたポート23,
プランジャ9の右端部周面に形成された複数のインレッ
トスリット24の一つを経て、燃料加圧室21に吸引さ
れる。
【0017】プランジャ9の右方向への移動行程、すな
わちポンプ行程において、燃料加圧室21の加圧燃料
は、プランジャ9の軸方向に延びる軸孔25、この軸孔
25の中途部からプランジャ9の径方向に延びるポート
26、プランジャ9の周面に形成されたアウトレットス
リット27、バレル20に形成された径方向に延びる複
数のポート28のうちの一つ、ハウジングに形成された
複数の燃料吐出通路29のうちの一つを経て、ハウジン
グ1に装着された複数のデリバリバルブ30の一つに送
られ、さらに、このデリバリバルブ30から、パイプ
(図示しない)を介してエンジンに装着された複数の噴射
ノズルの一つに至り、ここで噴射される。プランジャ9
の回転は、燃料加圧室21の燃料を複数の噴射ノズルに
順に供給するのに寄与する。
【0018】プランジャ9には、上記軸孔25の左端部
から径方向に延びてプランジャ9の外周面に開口するカ
ットオフポート31が形成されている。プランジャ9の
外周には、コントロールスリーブ35が軸方向にスライ
ド可能にはめられている。このコントロールスリーブ3
5はプランジャ9のポンプ行程においてカットオフポー
ト31を塞ぐ。カットオフポート31がコントロールス
リーブ35から離れた時に、燃料加圧室21の加圧され
た燃料が、軸孔25およびカットオフポート31を経て
ポンプ室2へスピルし、燃料噴射が終了する。したがっ
て、コントロールスリーブ35を右方向へ変位させる
と、燃料加圧開始から燃料噴射が終了するまでのプラン
ジャ9の移動ストロークが長くなり、ひいては燃料噴射
量が増大する。これとは逆に、コントロールスリーブ3
5を左方向へ変位させると燃料噴射量が減少する。
【0019】次に、上記コントロールスリーブ35の位
置を調節して、燃料噴射量を調節するメカニズムについ
て詳述する。ハウジング1内には、レバーアッセンブリ
40が収容されている。このレバーアッセンブリ40
は、コレクタレバー41(第1レバー手段)と、テンシ
ョンレバー42と、スタートレバー43とを備えてい
る。テンションレバー42とスタートレバー43は、第
2レバー手段を構成している。コレクタレバー41は、
ピン44(第1支点)を中心にして回動可能に支持され
ている。コレクタレバー41は、下端部を強いスプリン
グ45により付勢され、上端が後述する大気圧補償機構
90のリンク98の端部に当たっている。テンションレ
バー42とスタートレバー43の下部は、ピン47(第
2支点)を介してコレクタレバー41の下部に回動可能
に支持されている。テンションレバー42とスタートレ
バー43の上部間には、これらを互いに離す方向に付勢
する弱いスタートスプリング48が介在されている。ス
タートレバー43の下端には係合部材49が取り付けら
れており、この係合部材49が、コントロールスリーブ
35に形成された凹部35aに入り込んでいる。
【0020】上記レバーアッセンブリ40は、ハウジン
グ1に収容されたガバナ50およびガバナスプリング6
0から互いに反対方向の回動モーメントを受ける。ガバ
ナ50は、ハウジング1に貫通固定されるとともに駆動
シャフト3と平行に延びるガバナシャフト51を備えて
いる。このガバナシャフト51には歯車52が回転自在
に支持されており、駆動シャフト3に固定された歯車5
3と噛み合っている。歯車52にはガバナケース54
(回転部材)が固定されており、このガバナケース54
には、フライウエイト55が周方向に等間隔をなして収
容されている。ガバナシャフト51のポンプ室2に臨む
部分の外周には、ガバナスリーブ56が軸方向にスライ
ド可能にはめらている。ガバナスリーブ56の先端部は
レバーアセンブリ40のスタートレバー43に常に当た
っている。ガバナスリーブ56の基端部外周にはフラン
ジ56aが形成されており、このフランジ56aにフラ
イウエイト55の基端部が係合されている。駆動シャフ
ト3の回転に伴いガバナケース54が回転すると、フラ
イウエイト55が遠心力により開き、これにより、ガバ
ナスリーブ56をレバーアッセンブリ40に向かって前
進させる方向に付勢し、スタートレバー43に時計回り
方向の回動モーメントを付与する。
【0021】他方、ハウジング1の上部には、シャフト
61が回動可能に貫通しており、シャフト61の下端に
は、中心軸から偏心して突起61aが設けられている。
この突起61aには、係合部材62を介してガバナスプ
リング60の一端が引っかけられている。このシャフト
62の上端にはコントロールレバー63が取り付けられ
ている。ガバナスプリング60の他端には係合部材64
が取り付けられている。この係合部材64は、テンショ
ンレバー42の上端部を貫通しており、両者の間には弱
いアイドルスプリング65が介在されている。
【0022】上記コントロールレバー63はアクセルペ
ダル(図示しない)の踏み込みに応じて回る。これによ
り、ガバナスプリング60が引っ張られてテンションレ
バー42に反時計回りの回動モーメントを付与する。
【0023】エンジン始動時には、ガバナスプリング6
0の力によりテンションレバー42が反時計方向に回動
し、ストッパ66に当たる。この状態では、スタートス
プリング48の力で、スタートレバー43が反時計回り
に回動してガバナスリーブ56は最も後退した位置にあ
る。したがって、コントロールスリーブ35は最も右よ
りに位置し、燃料噴射量は大となる。
【0024】始動時からエンジンの回転速度が上昇する
と、フライウエイト55の遠心力でガバナスリーブ56
が前進し、これにより、弱いスタートスプリング48に
抗してスタートレバー43を時計回りに回動させ、コン
トロールスリーブ35を左方向に移動させ、その上部を
テンションレバー42に当接させる。これ以後、スター
トレバー43とテンションレバー42とは上部を当接さ
せたまま、一緒に回動する。
【0025】アイドリング時には、アイドルスプリング
65の力によるテンションレバー42の反時計回りの回
動モーメントと、ガバナスリーブ56の前進力によるス
タートレバー43の時計回りの回動モーメントが釣り合
うようにして、両レバー42,43の回動位置が決定さ
れ、ひいてはコントロールスリーブ35の位置が決定さ
れる。アイドルスプリング65の力が弱いので、コント
ロールスリーブ35は、最も左よりに位置し、燃料噴射
量が小となる。
【0026】通常のエンジン運転状態にあっては、ガバ
ナスプリング60の力によるテンションレバー42の反
時計回りの回動モーメントと、ガバナスリーブ56の前
進力によるスタートレバー43の時計回りの回動モーメ
ントが釣り合うようにして、両レバー42,43の回動
位置が決定され、ひいてはコントロールスリーブ35の
位置が決定される。アクセルペダルの踏み込み量が大き
い程、すなわちコントロールレバー63の回動量が大き
く、ガバナスプリング60の引っ張り力が強い程、コン
トロールスリーブ35は右方向(プランジャ9のポンプ
行程の方向)に移動され、燃料噴射量を増大させる。ま
た、エンジンの回転速度が上昇する程、すなわちガバナ
スリーブ56の前進力が増す程、コントロールスリーブ
35が左方向(プランジャ9の吸引行程の方向)に移動
され、燃料噴射量が減少する。
【0027】上記の作用は、次のように論じることもで
きる。エンジン負荷が増大すると、燃料噴射量が増大
し、エンジン負荷が減少すると燃料噴射量が減少する。
上記ガバナスリーブ56の位置は、燃料噴射量に対応し
ており、ひいてはエンジン負荷に対応している。
【0028】次に、燃料噴射時期を調節するメカニズム
について説明する。図1に示すように、ハウジング1の
下部にはメインタイマ70が設置されている。なお、こ
のメインタイマ70は実際には図1において紙面と直交
するように配置されているが、構成を容易に理解できる
ように紙面と平行にして示した。このメインタイマ70
は、ハウジング1の下部に形成されたシリンダ部71
と、シリンダ部71にスライド可能に収容されたピスト
ン72とを備えている。シリンダ部71は、ピストン7
2に仕切られた高圧室73と低圧室74とを有してい
る。高圧室73はピストン72に形成された通路75を
介してポンプ室2に連なっている。ピストン72は、こ
の高圧室73の圧力すなわちポンプ室2の圧力により、
低圧室74方向へ付勢されている。一方、低圧室74内
には、ピストン72を高圧室73方向へ付勢するばね7
6が収容されている。このばね76の付勢力と高圧室7
3の圧力による力とが釣り合うように、ピストン72が
位置している。ピストン72の中央部には駒77が回転
可能にはめ込まれている。駒77と前述したローラホル
ダ12とはロッド78により連結されている。
【0029】上記メインタイマ70の高圧室73の圧
力、すなわちポンプ室2の圧力は、フィードポンプ4の
回転速度すなわちエンジンの回転速度が高い程高くな
る。高圧室73の圧力上昇に伴ってピストン72が低圧
室74方向へ移動すると、ローラホルダ12がカムディ
スク11の回転方向と逆方向へ回動変位せしめられる。
したがって、燃料噴射時期が早まる。逆に、高圧室73
の圧力低下に伴ってタイマピストン72が高圧室73側
へ移動すると、ローラホルダ12がカムディスク11の
回転方向と同方向へ回動変位する。したがって、燃料噴
射時期が遅くなる。
【0030】上記メインタイマ70だけでは、エンジン
回転速度に対応した燃料噴射時期の調節しかできない。
このメインタイマ70と協働するロードタイマ80を設
けることにより、エンジン負荷に対応した燃料噴射時期
の調節を行うことができる。このロードタイマ80は、
ガバナ50を含んでおり、さらに、図2(A)〜(C)に最
もよく示されているように、ガバナシャフト51に形成
された軸方向に延びる逃がし孔81と、ガバナシャフト
51の周壁に形成された第1連絡通路82と、ガバナス
リーブ56の周壁に形成された第2連絡通路84とを備
えている。第1連絡通路82は、ガバナシャフト51の
外周面に形成された環状溝82aと、径方向に延びてこ
の環状溝82aと逃がし孔81とを連通させる孔82b
とを有している。第2連絡通路84は、径方向に延びて
ガバナスリーブ56を貫通する孔からなる。逃がし孔8
1の基端部はタンクTに連なっている。
【0031】また、ハウジング1の上部には、大気圧に
応じて燃料噴射量および燃料噴射時期を調節できる大気
圧補償機構90が設けられている。以下、この大気圧補
償機構90について詳述する。
【0032】ハウジング1の上面には、ケーシング91
が固定されている。このケーシング91は円筒形状の周
壁と平坦な上壁を有し、その周壁には、ケーシング91
内に大気圧を導入するための孔91aが形成されてい
る。ケーシング91内には、軸芯をケーシング91の軸
芯と一致させたベローズ92が配置されている。このベ
ローズ92は、大気圧が低下すると伸び、大気圧が上昇
すると縮む。ベローズ92の下端部には、ベローズ92
と同軸をなすアジャストピン93の上端部が固定されて
いる。アジャストピン93は、ガイドスリーブ94に軸
方向すなわち垂直方向にスライド可能に支持されてい
る。このガイドスリーブ94は、ハウジング1に形成さ
れた円筒形状のガイド部95内に固定されている。アジ
ャストピン93は、下端部に形成された円筒面93a
と、この円筒面93aから上に向かって径が漸次減少す
るテーパ面93bとを有している。上記ガイド部94に
はセンサピン96が貫通し、上記アジャストピン93の
スライド方向と直交する方向にスライド可能に支持され
ている。センサピン96の図中左端は、アジャストピン
93のテーパ面93a,円筒面93bのいずれかに接し
ている。センサピン96の右端はハウジング1のポンプ
室2に臨んでいる。ハウジング1には、リンク98がピ
ン97を介して回動可能に支持されている。リンク98
は、その上端部において上記センサピン96の右端に当
接する第1当接部98aを有している。また、リンク9
8の下端部左側には、上記コレクタレバー41の上端部
に当接する当接部98bが形成されている。コレクタレ
バー41の下端に配置されたスプリング45の弾性力に
より、コレクタレバー41の上端とリンク98の第2当
接部98bとの当接、リンク98の第1当接部98aと
センサピン96の右端との当接、およびセンサピン96
の左端とアジャストピン93の外周面との当接が、それ
ぞれ維持される。上記アジャストピン93はスプリング
99によって常時上方へ付勢されている。これにより、
ベローズ92の上端はケーシング91の上壁に当たって
いる。なお、スプリング99の弾性力は、ベローズ92
の長さに影響を及ぼさない。
【0033】次に、ロードタイマ80および大気圧補償
機構90の作用を、図2(A)〜(C)および図3,図4を
参照して説明する。まず、燃料噴射量の大気圧補償につ
いて概略的に説明すると、大気圧補償機構90が大気圧
に応じてコレクタレバー41の回動位置を調節し、この
コレクタレバー41の下端部に設けられたピン47の位
置を調節する。この結果、コントロールスリーブ35の
位置が調節されて燃料噴射量が調節される。
【0034】また、燃料噴射時期の大気圧補償について
説明する。上記コレクタレバー41のピン47の位置調
節に伴い、ガバナスリーブ56の位置が調節され、これ
により、ガバナシャフト51の環状溝82aとガバナス
リーブ56の貫通孔84との連通状態が調節される。こ
れにより、ポンプ室2の燃料の逃がし量が変化し、ポン
プ室2の圧力が変化する。このポンプ室2の圧力変化に
応じて、メインタイマ70がカム機構10のローラホル
ダ12を調節することにより、燃料噴射時期が調節され
る。
【0035】まずエンジンのアイドリング状態での大気
圧補償の作用について説明する。車両が低地にあるため
大気圧が高い時には、ベローズ92は縮んでおり、アジ
ャストピン93は上方に位置している。センサピン96
の左端はアジャストピン93の円筒面93aに当接して
おり、センサピン96の右端は最も右に位置している。
コレクタレバー41の下端部に設けられたピン47は最
も右に位置し、コントロールスリーブ35も右に位置し
ている。したがって、燃料噴射量はアイドリング状態の
燃料噴射量としては最も多い。また、図2(A)に示す
ようにガバナスリーブ56はアイドルスプリング65と
釣り合う位置まで前進しており、貫通孔84は全開状態
でガバナシャフト51の環状溝82aと連通している。
このように貫通孔84と環状溝82aとの連通面積が最
大であるので、ポンプ室圧は、アイドリング状態でのポ
ンプ室圧としては最も低い。その結果、メインタイマ7
0で設定される燃料噴射時期は、アイドリング状態での
燃料噴射時期としては、最も遅い。
【0036】大気圧が低いほど、ベローズ92が伸びア
ジャストピン93が下方に移動する。センサピン96の
左端はテーパ面93bに当接し、大気圧の低下に伴って
左方向に移動する。これに伴い、リンク98は反時計方
向に回り、リンク98の第2当接部98bが右方向に後
退する。これに伴い、コレクタレバー41が時計方向に
回り、ピン47が左方向に移動するため、コントロール
スリーブ35も左方向に移動する。その結果、図3に示
すように大気圧が低くなるほど燃料噴射量は減少する。
【0037】また、大気圧の低下に伴いコレクタレバー
41が時計方向に回動してピン47が左方向に移動する
と、ガバナスリーブ56が後退する。その結果、図2
(B)に示すように、ガバナスリーブ56の貫通孔84の
一部がガバナシャフト51の外周面によって閉塞され、
貫通孔84と環状溝82aとの間の連通面積が減少し、
ポンプ室2の圧力が上昇する。そして、大気圧があるレ
ベル以上にさがると、図2(C)に示すように、貫通孔
84はガバナシャフト51の外周面によってふさがれ、
貫通孔84と環状溝82aとの連通は遮断され、ポンプ
室2の圧力はアイドリング状態での圧力としては最高と
なる。その結果、図4に示すように、大気圧が低くなる
程、燃料噴射時期が早くなる。上述した燃料噴射量およ
び燃料噴射時期の大気圧補償については、アイドリング
を除く通常のエンジン運転状態でも実行される。
【0038】次に、エンジンの負荷に対応する燃料噴射
時期の調節について説明する。以下の議論では、理解を
容易にするためにエンジンの回転速度を一定として説明
する。前述したように、エンジン負荷に応じてガバナス
リーブ56が移動する。エンジンの負荷が小さいと、ガ
バナスリーブ56は前進位置にあり、エンジン負荷が増
大するにしたがってガバナスリーブ56が後退する。そ
の結果、負荷の増大に応じて燃料噴射時期を早くするこ
とができる。
【0039】上述したようにして、大気圧が低い状態で
は、燃料噴射量を少なくして煙の発生を防止することが
できる。また、大気圧が低い状態でのアイドル運転の際
には、燃料噴射時期を早めることによりエンジン停止を
防止することができる。また大気圧が低い状態での通常
運転でも、燃料噴射時期を早めて燃焼時間を長くするこ
とにより、煙の発生を防止することができる。さらに、
大気圧が高い状態でも高負荷であれば燃料噴射時期を早
めて燃焼時間を長くすることができ、煙の発生を防止す
ることができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の分配型燃
料噴射ポンプでは、高い負荷の時に燃料噴射時期を早く
することができることは勿論のこと、低負荷でも大気圧
が低いときには燃料噴射時期を早くすることができ、煙
の発生やエンジン停止の不都合を防止することができ
る。また、大気圧補償のために特別な電磁弁や制御回路
を必要とせず、またロードタイマが負荷のみならず大気
圧に対する燃料噴射時期の調節に係わるため、構成の簡
略化と低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる分配型燃料噴射ポンプの断面図
である。
【図2】アイドリング状態でのロードタイマの断面図で
ある。(A)は大気圧が高い時、(C)は大気圧が低い
時、(B)は大気圧が中間レベルにある時の状態をそれ
ぞれ示す。
【図3】大気圧に対する燃料噴射量の変化を示す図であ
る。
【図4】大気圧に対する燃料噴射時期の変化を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 … ハウジング 2 … ポンプ室 3 … 駆動シャフト 9 … プランジャ 10 … カム機構 15 … カプリング 21 … 燃料加圧室 31 … カットオフポート 35 … コントロールスリーブ 40 … レバー機構 41 … 第1レバー手段 42,43 … 第2レバー手段 45 … スプリング 50 … ガバナ 51 … ガバナシャフト 54 … 回転部材 55 … フライウエイト 56 … ガバナスリーブ 60,65 … ガバナスプリング手段 70 … メインタイマ 80 … ロードタイマ 81 … 逃がし孔 82 … 第1連絡通路 84 … 第2連絡通路 90 … 大気圧補償手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の構成を備えたことを特徴とする分配型
    燃料噴射ポンプ。 (a)内部空間がポンプ室として提供されるハウジン
    グ。 (b)ハウジングを貫通しエンジン回転に伴って回転す
    る駆動シャフト。この駆動シャフトの一端はポンプ室に
    臨んでいる。 (c)駆動シャフトと同軸をなすプランジャ。プランジ
    ャの一端は、カプリングにより駆動シャフトの一端に、
    回転伝達を受けることが可能でしかも軸方向の移動を許
    容された状態で、連結されている。プランジャの他端は
    ハウジングと協働して燃料加圧室を形成する。プランジ
    ャには、燃料加圧室と連通するとともにプランジャの外
    周面に開口するカットオフポートが形成されている。 (d)プランジャの回転運動に伴って、プランジャに燃
    料加圧室への燃料吸入を起こさせる吸引行程と、燃料加
    圧室の燃料を加圧するポンプ行程を付与するカム機構。 (e)プランジャの外周にスライド可能に設けられたコ
    ントロールスリーブ。上記プランジャのカットオフポー
    トはポンプ行程においてコントロールスリーブによりふ
    さがれており、カットオフポートがコントロールスリー
    ブから離れた時に、燃料加圧室の加圧燃料がポンプ室へ
    逃げ、これにより燃料噴射が終了する。コントロールス
    リーブの位置は燃料噴射量を決定する。 (f)ハウジング内に収容されて上記コントロールスリ
    ーブの位置を調節するレバー機構。このレバー機構は、
    ハウジングに対して第1支点を中心に回動可能に支持さ
    れた第1レバー手段と、第1レバー手段に対して第2支
    点を中心に回動可能に支持された第2レバー手段とを有
    している。第2レバー手段の一端部は、上記コントロー
    ルスリーブと係合している。 (g)ハウジングに収容されたガバナスプリング手段。
    このガバナスプリング手段は、コントロールスリーブが
    プランジャのポンプ行程の方向に移動するように、上記
    第2レバー手段を回動付勢する。 (h)コントロールスリーブがプランジャの吸引行程の
    方向に移動するように、上記第2レバー手段を回動付勢
    するガバナ。このガバナは、ハウジングに固定されてポ
    ンプ室に突出するガバナシャフトと、このガバナシャフ
    トの外周にスライド可能に設けられたガバナスリーブ
    と、ガバナシャフトに支持され上記駆動シャフトの回転
    を伝達されて回転する回転部材と、回転部材に支持され
    たフライウエイトとを備えている。回転部材の回転に伴
    って生じるフライウエイトの遠心力によりガバナスリー
    ブが、第2レバー手段を回動付勢する。 (i)ハウジングに設けられたメインタイマ。このメイ
    ンタイマは、ポンプ室の圧力に応じて上記カム機構を調
    節することにより、ポンプ室の圧力が高いほど燃料噴射
    時期を早くするように燃料噴射時期を調節する。 (j)上記メインタイマと協働することによりエンジン
    負荷に対応して燃料噴射時期を調節するロードタイマ。
    このロードタイマは上記ガバナを含んでいる。さらにロ
    ードタイマは、ガバナシャフトに形成された軸方向に延
    びる逃がし孔と、ガバナシャフトの逃がし孔を囲む周壁
    を貫通する第1連絡通路と、ガバナスリーブの周壁を貫
    通する第2連絡通路とを備えている。ポンプ室内の圧力
    は、この第1,第2連絡通路を経て逃がし孔へと逃げ
    る。ガバナスリーブが移動すると、第1,第2連絡通路
    の間の連通状態が変化し、これによりポンプ室の圧力を
    変化させて、上記メインタイマによる燃料噴射時期調節
    を促す。ガバナスリーブが後退するにしたがって、第1
    連絡通路と第2連絡通路との間の連通面積が減少する。 (k)大気圧に応じて上記第1レバーの回動位置を変化
    させる大気圧補償手段。この大気圧補償手段は、大気圧
    が低い時には、第1レバー手段を一方向に回動させるこ
    とにより、コントロールスリーブをプランジャの吸引工
    程の方向に移動させて燃料噴射量を減少させるととも
    に、ガバナスリーブを後退させて燃料噴射時期を早め
    る。
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