JP2849877B2 - 成育促進及び肉質改善用の腸球菌含有脂肪マイクロカプセル - Google Patents

成育促進及び肉質改善用の腸球菌含有脂肪マイクロカプセル

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 抗生物質としての成長促進剤は家禽類、すなわちニワ
トリや七面鳥に広く利用されている。これら抗生物質と
しては(ジサリチル酸バシトラシンメチレンである)St
afacやBMD(いずれも登録商標)が公知であり、家禽類
の望ましい成長特質を促進するために、飼料配合剤とし
て例えば1トンにつき10グラムや25グラムの獣医学レベ
ル以下で使用されている。ところが、抗生物質をこれら
目的に使用することについて近年いくつの批判がある。
例えば、家禽類が抗生物質耐性を示すようになる結果、
これら抗生物質が成長促進剤として作用しなくなる恐れ
がある。また、合成の抗生物質配合剤やこれらがもつか
もしれない不純物混和作用について健康上の懸念が指摘
されている。にもかかわらず、抗生物質の使用にはいく
つかの利点があるため、飼料転換の改善、肉組成の改善
や成長促進を目的として依然として利用されている。
一方、ある種の細菌について、動物飼料に配合した場
合、それが潜在的に有益であることが知られている。す
なわち、これら細菌は天然の腸内マイクロフローラを与
える点で有益である。いくつかの会社は望ましい細菌を
含む共生物質を市販している。ところが、共生物質の大
きな欠点は安定な製品を維持できないことである。例え
ば、共生物質の配合量はかなり低く、飼料に配合する場
合はおよそ0.1%レベルであるが、農家などでは、共生
物質含有飼料や飼料配合物を、使用しない場合、長期間
保存しなければならない。多くの場合、この保存条件下
では温度が高く、湿度が相当ある。また、細菌が活性
化、即ち成長を開始するのにちょうどよい湿度であって
も、この湿度が細菌を維持するのに不十分な場合があ
る。この結果、細菌が死滅する。換言すれば、共生物質
の活性が失われる。さらに、共生物質含有飼料や飼料配
合物に抗生物質を配合すると、悪いことに、これが細菌
と相互作用することがある。これは特に湿度が低い場合
にいえ、同じように細菌が死滅することになる。このよ
うに、共生物質の長期間保存安定性には大きな問題があ
る。
また、例えばニワトリの飼料に共生物質を配合する場
合、普通、共生物質を配合してから飼料をペレット化す
る。このペレット化時に使用する蒸気からの水分が細菌
を活性化するが、水分が細菌を維持するには不十分であ
る結果、この水分により細菌が死滅することになる。こ
こでもまた、細菌が実際に腸に達する前に、細菌が胃の
酸性環境によって潜在的に不活性化する問題がある。こ
のように、小腸の前にある消化管に存在する湿度条件や
不利なpH条件により早めに放出される前に、共生物質が
腸内において適当な時期でのみ微生物を放出する必要が
依然としてある。
家禽類の場合、可能な限り、実現すべき特質がある。
即ち、体重増加率、すぐれた飼料変換率、肉組成や羽毛
量の均一性である。いうまでもなく、高い体重増加率や
すぐれた飼料変換率はこれら望ましい結果を伴う経済性
にとって望ましいものである。肉組成も重要である。理
由は組織付着にとって最も望ましい領域は上等肉が多量
に得られる胸部であるからである。従って、体重増加だ
けが重要ではなく、胴体のどこの体重が増加するかも重
要である。羽毛量の均一性も重要である。なぜなら、通
常サイズの家禽類が多いほど、手作業が少なくなる。換
言すれば、機械作業量を増やすことができる。一方、家
禽類のサイズに極小から極大までバラツキがあるなら
ば、例えば全体の羽毛量が同じであっても、手作業量が
増え、またサイズが不揃いなので、機械作業が容易では
ない。従って、羽毛量の均一性が標準的な機械類で処理
できる通常サイズ範囲内に高い分布率をもってあること
も望ましい特質である。
同様に、ニワトリや七面鳥などの家禽類だけでなく、
豚などにも有用な直接配合微生物も非常に利益が高いも
のである。
本発明の第1目的は脂肪酸で微小球化(マイクロカプ
セル)化した天然微生物のみを含んで、抗生物質を含ま
ない家禽用直接配合共生物質を提供することにある。
本発明の第2目的は2種類の微生物、即ち、Enteroco
ccus faecium 301、DSM No.DSM−Nr.4789及びEntero
coccus faecium 202、DSM No.DSM−Nr.4788を含む直
接配合共生物質を提供することである。DSMは西独ブラ
ウンシュワイクにある“Deutsche Sammlung von Mik
roorganismen"を表す。これら微生物はATCCにすでに寄
託されている(Enterococcus faecium 301については19
90年6月5日[ATCC寄託番号:55059]、Enterococcus f
aecium 202については1986年7月23日[ATCC寄託番号:5
3519])。従って、本願の査定通知があり次第、あらゆ
る制限を解除する予定である。
本発明の第3目的は、家禽類について、高い体重増加
率、すぐれた飼料転換率、高い胸肉収率、及び通常サイ
ズの範囲内における羽毛量の均一性を与える直接配合共
生物質を提供することにある。
本発明の第4目的は基質として遊離脂肪酸を使用する
特殊な回転法によって微小球化した細菌を含む家禽用飼
料配合物として好適な直接配合共生物質を提供すること
にある。
本発明の第5目的は微生物を実質的に減らすことなく
3〜6月間にわたり所定レベルの安定性を維持する直接
配合共生物質を提供することにある。
本発明の第6目的は、サイズの均一な、乾燥細菌の微
小球を回転形成する方法を提供することにある。
本発明の第7目的は易流動性であるため、家禽用飼料
に容易に配合できる、回転法によって形成した乾燥細菌
の微小球を提供することにある。
本発明の第8目的は所定の細菌を含む脂肪酸基質の微
小球であって、家禽類及び豚両者に有用な微小球を提供
することにある。
図面の簡単な説明 図1、2及び3は基質としてステアリン酸を使用した
菌糸体の安定性を示すグラフである。
図4は本発明の直接配合共生物質組成物を使用する飼
育実験における胸肉収率分布を示すグラフである。
図5は本発明の直接配合共生物質組成物を使用する飼
育実験における体重分布を示すグラフである。
図4及び5は対照抗生物質の使用と本発明の共生物質
の使用を説明する図である。
発明の要約 本発明はEnterococcus faecium 301、DSM No.DSM
−Nr.4789の乾燥脂肪酸微小球、及びEnterococcus fae
cium202、DSM No.DSM−Nr.4788の乾燥脂肪酸微小球を
含む共生物質を少量ではあるが、成育促進に有効な量で
通常の家禽及び豚用飼料に配合することからなる成育促
進方法、及びこれら微小球を配合した成長促進組成物を
提供するものである。本発明では、これら微小球を回転
ディスク回転法で形成するのが好ましい。
発明の詳細な説明 驚くべきことに、所定量のEnterococcus faecium 3
01、DSM No.DSM−Nr.4789及びEnterococcusfaecium 2
02、DSM No.DSM−Nr.4788の脂肪酸微小球を通常の家禽
用飼料に配合すると、家禽類及び豚の成育を促進できる
ことが見いだされた。用いる脂肪酸は炭素原子数が12〜
24の遊離脂肪酸であり、好ましくはステアリン酸であ
る。また、微生物はほぼ等量で使用するのが好ましい
が、一方の微生物を約30〜約70%の量で使用し、残りを
他方の微生物としてもよい。
これら2種類の微生物がなぜ本発明の特徴、即ち、高
い体重増加率、すぐれた飼料転換率、高い胸肉収率、及
び高い羽毛量の均一性を与えるかについては正確にわか
っているわけではない。しかし、両微生物を相互作用す
るように併用する限りは、またこれらを本発明の範囲内
で使用する限りは、これは事実である。相互作用して、
家禽類の胴体を改善し、肉質を改良し、かつ作業を容易
にする本発明の望ましい特徴を達成できるのはこれら特
徴を組み合わせた結果である。同様な結果は、実施例に
よって示されるように、豚についても達成できる。
飼料に配合する直接配合共生物質の量は広い範囲で調
節できるが、一般には、飼料1トンにつき約0.5〜約2.0
ポンド、好ましくは約0.8〜約1.2ポンド、特に約1ポン
ドである。また、微生物数、即ち、直接配合共生物質1
グラムにつき存在する微生物のコロニー形成単位数は約
1x106CFU/グラム〜約2x109CFU/グラムの範囲内にある
が、好ましくは約2x108CFU/グラムである。
前記の直接配合共生物質を任意に家禽用飼料に配合す
ると、併用したこれら2種類の微生物が成育促進剤とし
て作用する。従来から公知の成育促進剤には、既述のSt
afacやBMD等の抗生物質がある。成育促進配合剤として
抗生物質を薬用レベル以下で使用する場合、本発明によ
る天然微生物を使用する必要がある。ただし、いうまで
もなく、直接配合共生物質を本発明に従い調製し、本明
細書に開示する方法で配合しなければならない。事実、
直接配合共生物質と成育促進剤とを併用した方がよい場
合があることを示す実験例があり、所望ならば、使用す
ることもできるが、多くの場合、共生物質を単独で使用
するほうが好ましい。なぜなら、本発明の目的の一つは
成育促進剤の併用を避けることであるからである。
微生物が生きたまま動物に運ばれ、飼料と良好に結合
する形をとり、また配合量の調節を可能にするほぼ均一
なサイズであれば、微生物の処理方法には制限はない。
これら条件を実現する好ましい手段は基質として脂肪
酸を使用して微生物を微小球化することである。ここ
で、微小球とは複数種の微生物を配合した脂肪酸基質を
指もので、個々の微生物をそれぞれカプセル化してマイ
クロカプセルとは別なものである。微小球の場合、チョ
コレート片が微生物群を示すクッキー生地とチョコレー
ト片との関係になぞることができる複合的な機能を示
す。この方法は共同発明者であるRutherfordらによる本
願の親出願明細書に記載してある。この方法を用いる
と、微生物を加熱された脂肪酸に結合させることができ
る。脂肪酸の温度、及び微生物と脂肪酸との接触時間に
ついては、微生物が生きたまま、脂肪酸と混合されるよ
うに設定する。基質として作用する脂肪酸で微生物を微
小球化するには、混合物を回転している回転ディスクで
処理する。この方法の使用には、いくつかの大きな利点
がある。第1に、微生物を処理中生かしておくことがで
きる。第二に、回転ディスク方法を併用すると、微小球
のサイズを均一にできるので、配合を改善できる。第3
に、基質として脂肪酸を使用するので、特徴のある微小
球を形成できる。これらによって直接配合共生物質を高
度に安定化でき、従って最大の効率を実現できる。
上記の親出願明細書の方法では、脂肪酸の被膜状層に
各微生物を微小球化するのではなく、複数の微生物を脂
肪酸基質に微小球化することが重要である。こうすると
安定性が高くなり、配合効率をいっそう高くできる。
好ましい基質は炭素原子数が12〜24の遊離脂肪酸であ
る。これら脂肪酸は混合物としても使用できるが、単独
使用が好ましい。また、脂肪酸としては不飽和脂肪酸が
好ましく、最適なのはステアリン酸である。
一般的にいって重要なことは、脂肪酸が75℃以下の融
点、好ましくは40℃〜75℃の融点をもつことである。ま
た、いうまでもなく、有効な基質であるためには、室温
で個体でなければならない。このような遊離脂肪酸はす
べて本発明に使用できる。
飼料の安定性を高くするために、微生物は飼料中に凍
結乾燥状態で配合する。再生するには、水分を加えれば
よい。
微小球を以下に述べる方法で得た場合、脂肪酸成分の
含有量は約50%〜90%以上で、残りが微生物になる。脂
肪酸の好ましい含有量は約60%〜約75%である。脂肪酸
が過小な場合には、保護が不十分になる。また、過剰な
場合には、厚くなり過ぎ、腸への放出が不十分になる。
本発明に使用する方法は回転ディスク微小球化法であ
る。一般的にいって、この方法では、微生物と脂肪酸成
分のスラリーを完全に混合するが、混合物はステンレス
スチール製の回転ディスクの中心に一定の速度で加え
る。遠心力により微小球化が生じる。次に、周囲条件か
それ以下の条件に維持された冷却室にマイクロカプセル
即ち微小球を回収し、包装に合う大きさにする。
回転ディスクカプセル化方法は知られているが、外皮
のない基質で微小球を得ることは知られていない。まし
てや、カプセル化方法に凍結乾燥微生物を使用すること
は知られていない。一般的な回転ディスク微小球化方法
については、サン・アントニオのサウスウエスト研究所
のJohnson等の“Journal of Gas Chromatography"、
第345〜347頁(1065年10月)を参照すればよい。また、
USP4,675,140(1987年6月23日発行、発明者Sparks、発
明の名称:液滴粒子の被覆方法)には、本発明に好適な
回転ディスク微小球化装置が詳しく記載されている。し
かし、最適なのは前記の親出願明細書に記載されている
ものである。
この微小球化方法の場合、得られる微小球は従来のタ
ワー・スプレー式乾燥法やマイクロカプセル化方法の場
合と非常に異なっている。従来のタワー・スプレー式乾
燥法の場合、粒子が塊状化したり、被膜が不均一になる
傾向があり、このため製品の安定性が数日〜数週間で大
幅に変化する傾向がある。また、従来のマイクロカプセ
ル化方法の場合には、外皮被膜を目的物の周囲に形成す
るので、細菌等の微生物を処理するのが難しい。という
のは、微生物は実際の用途にあうような均一なサイズで
生かしておくにはあまりにも小さく、また固いからであ
る。本発明の配合剤を特に使用する微小球化方法の場合
には、例えある程度の水分や抗生物質の作用を受けて
も、微生物は3〜6ケ月の間安定であり、また微生物の
生存力は均一に分布している粒子に維持される。
本発明の遊離脂肪酸微小球を前記の範囲内で使用する
場合、回転ディスク、例えば4〜6インチの回転ディス
クの回転速度は2,000〜4,000rpm好ましくは約2,500〜3,
200rpmで、供給量は50〜200グラム/分である。本発明
による好ましい条件は、ステアリン酸、上記2種類の微
生物、4インチの回転ディスク、3,000rpmの回転速度、
100グラム/分の供給量、微生物35%及びステアリン酸6
5%からなる微生物/ステアリン酸スラリーである。こ
れら条件で得られる微小球のサイズは75〜300ミクロン
であるが、好ましいレベルは250ミクロン以下である。
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、これ
らは本発明を制限するものではない。実施例は図1、
2、3について説明する。なお、実施例1〜4及び図
1、2、3は本発明の先発明に関する。即ち、家禽用直
接配合共生物質についての本発明に関するのは実施例5
及び表2〜10である。また、実施例6は七面鳥に、実施
例7は豚に関する 実施例1 実施例1に対応する図は図1である。図1には4℃及
び27℃における2種類の微生物Enterococcus faecium
の安定性を示す。図1には、35重量%レベルでステアリ
ン酸を使用する回転ディスク装置でカプセル化したEnte
rococcus faeciumの安定性を示す。微小球化条件は前
述と同じである。即ち、60℃の温度で35/65微生物/ス
テアリン酸スラリーを使用し、4インチの回転ディスク
を3,000rpmで回転させ、供給量を100グラム/分にし
た。形成したマイクロカプセルをヒートシーリングした
上記バリヤ式袋に容れ、1週間に一度破壊サンプリング
してCFUを求めた。本発明のよるマイクロカプセルは最
長70日にわたる保存期間中すぐれたコロニー形成単位
(CFU)を示した。
実施例2 次に、実施例2を図2について説明する。図2には、
3種類の家禽用抗生物質を存在させた状態で代表的な飼
料と混合した場合の個々の微小球化微生物の安定性を示
す。飼料成分を以下に示す。
細かくひき割りしたコーン:54% 大豆粉: 26% 魚粉: 2% 燐酸二カルシウム: 1.5% 石灰: 1% 大豆油: 5.5% 水分: 12% 以下の3種類の抗生物質を以下の配合量で配合した。
デコキノエート(decoquinoate)6%(454ppm)、サリ
ノマイシン(salinomycin)(50ppm)及びモネンシン
(monensin)ナトリウム(120ppm)である。
約1x106CFU/グラムになるレベルで混合物に培養物を
加えた。これをヒートシーリングした袋に包装し、室温
で保温した。1週間に1度サンプリングし、CFUを求め
た。図2のグラフからわかるように、安定性は優れてい
る。
実施例3 次に、実施例3を図3について説明する。図3に、異
なる抗生物質の存在下における飼料中のEnterococcus
faeciumの安定性を示す。飼料成分は細かくひき割りし
たコーン60%、大豆粉38%、石灰2%で、水分は約14%
であった。20℃で10ポンドのアリコットをシーリング処
理した袋に保存し、16週間にわたり1週間に1度サンプ
リングした。以下の抗生物質を以下のレベルで配合し
た。
ジサリチル酸バシトラシンメチレン 50グラム/トン カルバドックス 50グラム/トン クロルテトラサイクリン 200グラム/トン ラサロシド(lasalocid) 30グラム/トン リンコマイシン 100グラム/トン ネオマイシン 140グラム/トン オキシテトラサイクリン 150グラム/トン スルファメタジン 100グラム/トン チロシン 100グラム/トン バージニアマイシン 20グラム/トン ASP250 100グラム/トン フラドックス 10グラム/トン 表1に、コロニー形成単位(CFU)における1log減少
の最短時間を示す。
表1 水分が14%のマッシュ飼料における20℃ で求めたCFU1log減少の最短時間 抗生物質 保存日数 対照 103 ジサリチル酸バシトラシンメチレン 88 カルバドックス 54 クロルテトラサイクリン 60 ラサロシド(lasalocid) 57 リンコマイシン 75 ネオマイシン 53 オキシテトラサイクリン 59 スルファメタジン 62 チロシン 52 バージニアマイシン 112 ASP250 67 フラドックス 53 実施例4 実施例4では、ニワトリの飼料として使用するペレッ
ト化後の飼料の安定性を調べた。微小球化条件は前述の
通りであった。本例では以下のものを使用した。
粗タンパク 18.0%以上 粗脂肪 5.0%以上 粗繊維 6.0%以下 以下の成分及び条件を用いて、抗生物質(CTC50グラ
ム/トン)を含むペレット及び抗生物質を含まないペレ
ットを調製した。コーン、SBM、ホエー、大豆油、燐酸
二カルシウム、石灰、微量ミネラルプリミックス、ビタ
ミンプリミックス、セレン、硫酸銅。飼料1グラムにつ
いて約5x105CFUのレベルで培養物を加えた。
状態温度は70℃で、ペレット化装置から78℃でペレッ
トを取り出した。
次に、ペレットをシーリング処理していない袋に保存
し、1週間1度にサンプリングしてCFUを求めた。
いずれの場合も、ペレットの安定性はペレット条件の
影響を受けなかった。特に、ペレットの安定性はペレッ
ト化していないもの同等であった。
実施例5 5,560匹のPeterson×Arbor Acresブロイラーをラン
ダムにフロア・ペン(表2)に割当て、45日間飼育し
た。最初の5日間に死亡したブロイラーはすべて同性の
ブロイラーと交換した。基本的な初期、中期及び終期飼
料の組成を表3に示す。初期、中期及び終期飼料は90グ
ラム/トンのモネシンと共に、それぞれ1,425、1,450及
び1,475kcalのME/lbを含むように配合した。初期飼料は
1〜21日齢のものに、中期飼料は21〜42日齢のものに、
そして終期飼料は42〜49日齢のものに与えた。配合剤は
陰性対照であるマッシュ(対照M)、実施例1で説明し
た回転ディスク脂肪酸カプセル化方法で得た、Enteroco
ccus faecium301、DSM No.DSM−Nr.4789及びEnteroco
ccus faecium202、DSM No.DSM−Nr.4788を含むカプセ
ル化直接配合共生物質培養物(共生物質は飼料1グラム
につき1x105CFUで使用、(共生物質M))、陰性対照で
あるペレット(対照P)、マッシュ1グラムにつき1x10
6CFUレベルで使用するペレット化共生物質(共生物質
P)、及びバージニアマイシン1トンにつき10グラムで
使用する陽性対照(Stafac10)であった。初期飼料は砕
いてから、ペレット化した。各実験飼料と共に12の複製
したペンに35匹の雄、35匹の雌をいれた。体重、飼料消
費量、最初の5日後の死亡率をペン毎に記録した。各ペ
ン毎に飼料転換率、調節飼料転換率、体重調節飼料転換
率を計算した。
データすべてを分散分析し、フィッシャーLSDを使用
して差を求めた。
研究する前に、直接配合共生物質の濃厚培養物を炭酸
カルシウムで展開した。共生物質M及びPの論理値はそ
れぞれ1x108及び2x109CFU/グラムであった。それぞれ11
グラムのサンプルを2度評価して、実際の値を求めた。
パイオニア標準平板培養法によって各サンプルを平板培
養して、乳酸菌をカプセル化した。
各段階毎に混合試験を実施した。共生物質を飼料中に
適当なレベルで均一に分散し、ペレット化後に生存する
ようにした。各試験で、マッシュ配合剤の場合には等間
隔の4つのサンプル、そしてペレット化配合剤の場合に
は等間隔の10のサンプルを袋にいれるときにサンプリン
グした(即ち、袋1、3、5、・・・、35、37、39)。
汚染されていない飼料をいれたフロア・ペンを1週間
毎及び4週間毎でサンプリングし、残りのペンを2週間
毎及び6週間毎にサンプリングした。
性別毎に等数のブロイラーを犠牲にして、胸部重さ、
体重、小腸の重さ、小腸の長さを求めた。ブロイラー毎
に胸肉収率、及び小腸の重さ/長さ比を算出した。
データはすべて分散分割分析し、対比評価法により差
を求めた。処理毎に60匹のブロイラーを大学に送って、
試食パネル試験に回した。
直接配合共生物質は、処理にかかわらず、飼料転換率
がいずれの対照よりも改善(P<0.05)し、一方、マッ
シュ飼料の対照の場合だけ体重が増加(P<0.05)した
(表4)。直接配合共生物質Pは、飼料転換率が、対照
Pと同じ(P>0.05)であるStafact10よりも改善(P
>0.05)した。
飼料製品は所望レベルにあり、微生物組成を有してい
た(表5)。直接配合共生物質は飼料中に均一に分散し
た。直接配合共生物質Mはその所望レベルにあったが、
直接配合共生物質Pは初期及び中期飼料にとって望まし
いレベルよりも1〜1−1/2log高かった(表6)。これ
は、ペレット化後に微生物を十分回収するために、オー
バーエンジニアリングした結果である。
直接配合共生物質Pのフロア・ペンサンプルは混合試
験の値と密接に対応していた(表7)。しかし、直接配
合共生物質Pは中期及び終期混合飼料では4及び6週間
で2log低下した。
直接配合共生物質Mは胸肉重さ及び収率が対照Mより
高く(P<0.05)(表8)、また直接配合共生物質Pも
対照Pよりも高かった(P>0.05)。マッシュ飼料にお
ける改善は以前の実験の結果と一致していた。直接配合
共生物質Pは、共生物質Mに比較した場合、胸肉収率に
改善が認められなかった。これはペレット化によるエネ
ルギー利用率が向上したためであり、改善の余地が小さ
い。ペレット化の場合は、マッシュの場合よりも体重増
加が平均で96グラム大きい。直接配合共生物質は体重を
均一化し(図5)、最大の改善はマッシュ飼料で認めら
れる。
ペレット化の場合は、マッシュの場合よりも胸肉増加
が平均で15グラム大きい。直接配合共生物質の場合は、
対照よりも平均胸肉重さ及び均一性ですぐれ、最大の改
善はマッシュで認められた。Stafac10はペレット化飼料
の場合に最大の改善を示した。
マッシュに比較した場合、ペレット化により胸肉収率
が0.53%高くなった。直接配合共生物質Mは対照Mに比
較した0.84%高くなった。この対照は大きさにおいてペ
レット化と同等である。体重あるいは胸肉の重さとの比
として表した場合、直接配合共生物質の場合、対照やSt
afac10の場合よりも小腸の長さが短い(P>0.05)(表
9)。体重あるいは胸肉の重さの比として表した場合、
直接配合共生物質の場合、対照やStafac10よりも小腸の
重さが小さかった(P>0.05)。腸の重さが小さくな
り、また長さが短くなるのは、維持に必要なエネルギー
が少なくなり、また改善された飼料転換率及び胸肉収率
で表されるように、成長に利用できるエネルギーが増え
ることを意味する。
直接配合共生物質Pで処理したものはStafac10に比較
して異臭が少なかった(表10)。第2回の実験で、共生
物質Pは、対照Pと比較した場合、もも肉/脚肉の風味
を改善した。この風味の改善は第1回の実験では認めら
れなかった。
マッシュ及びペレット化飼料における直接配合共生物
質の効果を求めるためにブロイラー試験を行った。直接
配合共生物質は、処理にかかわらず、飼料転換率がいず
れの対照よりも改善(P<0.05)し、一方マッシュ飼料
の対照の場合だけ体重が増加(P<0.05)した。直接配
合共生物質Pは、飼料転換率が、対照Pと同じ(P>0.
05)であるStafact10よりも改善(P>0.05)した。直
接配合共生物質Mは胸肉重量及び収量が対照Mよりも増
加(P<0.05)し、また直接配合共生物質Pはその対照
Pに比較した場合改善(P>0.05)を示した。さらに、
直接配合共生物質PはStafac10に比較した場合、異臭が
なかった。
実施例6 (平均初期体重が41.5ポンドの)144頭の飼育豚を床
がスレート製のペンに体重・性別にランダムに割当て
(表11)、119日間飼育した。基本的な飼育飼料及び最
終飼料の組成を表12に示す。成育飼料をペンの平均体重
が120ポンドになるまで与えてから、最終飼料を与え、
その後屠殺した。いずれの飼料にも、体重が75ポンドに
なるまでMecadox(登録商標)(50g/t)を配合し、その
後体重が120ポンドになるまでクロルテトラサイクリン
を100g/t配合した。(対照)として陰性対照を使用し、
所定の微小球状直接配合共生物質を飼料1gにつき1×10
4cfuで配合した。すべての飼料はマッシュの形で与え
た。各実験飼料毎に12頭の豚について6の複製ペンを使
用した。
研究施設で、Ivomec(登録商標)を与えて内部及び外
部寄生虫を殺した。また、4週間後にSafeguard(登録
商標)を与えてベンチュウを殺した。
体重、飼料消費量、及び死亡率をペン別に記録した。
また、ペン毎に飼料転換率を算出した。
研究する前に、微小球濃厚培養物を炭酸カルシウムで
展開した。理論値は2x107cfu/gであった。それぞれ11グ
ラムのサンプルを2度評価して、実際の値を求めた。標
準平板培養法によって各サンプルを平板培養して、乳酸
菌を微小球化した。
また、さらに1gのサンプルを2度評価して、コロニー
形成単位数及び菌糸体の組成を調べた。
飼育中1週間1度サンプルを取り、微小球状乳酸細菌
について試験した。
所望の微生物レベルにあることが確認された(表1
4)。
ペンのサンプル回収率は飼料につき1×101〜1.6×10
5cfu/gであった(表15)。2つの極端なサンプルはサン
プリングエラー/平板培養エラーが原因であった。これ
ら以外のサンプルはいずれも平均して1×104cfu/gの目
的レベルにあった。
28日後の時点で、体重増加及び飼料転換率において微
小球配合飼料は対照よりも改善を示した(表13)。実験
の第1週目では、TGEが大発生した。この大発生が、豚
の消化管が飼料に対応するのに必要な時間とともに、反
応が見られる前に28日の遅れがあった理由であると考え
られる。本発明による直接配合共生物質の微小球は豚だ
けでなく、ニワトリ及び七面鳥にも有効である。
以上の実施例から、本発明によれば、上記目的のいず
れも達成できることが理解できるはずである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 1/20 C12N 1/20 C //(C12N 1/20 C12R 1:01) (72)発明者 デニス,スコット エム. アメリカ合衆国 アイオア州 50322, デモイン,エヌ.ダブリュ.セヴンティ イス 3404 (72)発明者 ハインズ,マーク エイ. アメリカ合衆国 アイオア州 50167, ミンバーン,ノース アヴェニュ 2059 (72)発明者 ダナ,グレゴリイ アール. アメリカ合衆国 アイオア州 50265, ウエスト デモイン,アスピン ドライ ヴ 5509 (56)参考文献 英国公開2016043(GB,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23K 1/16 A23K 1/18

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本質的にEnterococcus faecium 301,DSM N
    o.4789(ATCC No.55059)の生存力のある、安定な乾燥
    脂肪酸微小球及びEnterococcus faecium 202,DSM No.47
    88(ATCC No.53519)の生存力のある、安定な乾燥脂肪
    酸微小球からなる直接配合共生物質を少量ではあるが、
    育成促進に有効な量で通常の動物用飼料に配合すること
    からなる動物の成育促進方法。
  2. 【請求項2】脂肪酸微小球を回転ディスクを使用して形
    成する請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】直接配合共生物質組成物が一方の該脂肪酸
    微小球を約30%〜約70%含み、残りが他方の微小球であ
    る請求の範囲第1項に記載の方法。
  4. 【請求項4】脂肪酸が炭素原子数が12〜24の遊離脂肪酸
    である請求の範囲第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】脂肪酸がステアリン酸である請求の範囲第
    4項に記載の方法。
  6. 【請求項6】飼料に配合する直接配合共生物質組成物の
    量が飼料1トンにつき約0.5ポンド〜約2.0ポンドである
    請求の範囲第1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】直接配合共生物質組成物の量が飼料1トン
    につき約0.8ポンド〜約1.2ポンドである請求の範囲第6
    項に記載の方法。
  8. 【請求項8】直接配合共生物質組成物の微生物数が約1x
    105CFU/グラム〜約2x108CFU/グラムである請求の範囲第
    6項に記載の方法。
  9. 【請求項9】直接配合共生物質組成物の微生物数が約1x
    105CFU/グラムである請求の範囲第8項に記載の方法。
  10. 【請求項10】動物がニワトリである請求の範囲第1項
    に記載の方法。
  11. 【請求項11】動物が豚である請求の範囲第1項に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】本質的にEnterococcus faecium 301,DSM
    No.4789(ATCC No.55059)の生存力のある、安定な乾
    燥脂肪酸微小球及びEnterococcus faecium 202,DSM No.
    4788(ATCC No.53519)の生存力のある、安定な乾燥脂
    肪酸微小球からなる動物の育成促進用直接配合共生物質
    組成物。
  13. 【請求項13】脂肪酸が炭素原子数が12〜24の遊離脂肪
    酸である請求呑範囲第12項に記載の直接配合共生物質組
    成物。
  14. 【請求項14】脂肪酸が脂肪酸がステアリン酸である請
    求の範囲第12項に記載の直接配合共生物質組成物。
  15. 【請求項15】動物がニワトリである請求の範囲第12項
    に記載の直接配合共生物質組成物。
  16. 【請求項16】動物が豚である請求の範囲第12項に記載
    の直接配合共生物質組成物。
  17. 【請求項17】該Enterococcus faecium 301及び該Ente
    rococcus faecium 202をほぼ等量存在させる請求の範囲
    第1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】該Enterococcus faecium 301及び該Ente
    rococcus faecium 202のいずれかを約20%〜約30%含
    み、残りが上記微生物の他方である請求の範囲第12項に
    記載の直接配合共生物質組成物。
  19. 【請求項19】該Enterococcus faecium 301及び該Ente
    rococcus faecium 202をほぼ等量存在させた請求の範囲
    第16項に記載の直接配合共生物質組成物。
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