JP2849810B2 - ヒト免疫不全ウイルス(hiv)プロテアーゼ阻害化合物、その製造方法、及びそれを含む組成物 - Google Patents
ヒト免疫不全ウイルス(hiv)プロテアーゼ阻害化合物、その製造方法、及びそれを含む組成物Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト免疫不全ウイ
ルス(HIV)プロテアーゼを阻害する新規化合物とそ
の製造方法、及び上記化合物を有効成分として含むHI
V感染の予防又は後天性免疫不全症候群(AIDS)の
治療のための組成物に関する。
ルス(HIV)プロテアーゼを阻害する新規化合物とそ
の製造方法、及び上記化合物を有効成分として含むHI
V感染の予防又は後天性免疫不全症候群(AIDS)の
治療のための組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】HIV−1は遺伝情報をRNAの形で有
し、後天性免疫不全症候群を誘発するレトロウイルスで
ある。このウイルスの内部には遺伝情報をコードするR
NAと該RNAから逆にDNAを作ることができる逆転
写酵素(reverse transcriptas
e)が存在し、該RNAと逆転写酵素は外膜蛋白質によ
って囲まれており、その外側には脂質膜が保護膜として
形成されている。RNAから二本鎖DNAを複製する逆
転写酵素はRNAウイルス、即ち、レトロウイルスのみ
に存在する酵素である。レトロウイルスが宿主を感染す
ると、逆転写酵素によってウイルスRNAから二本鎖D
NAが作くられ、該ウイルスDNAはインテグラーゼ
(integrase)によって宿主の染色体に導入さ
れる。かくして形質転換された(transforme
d)宿主は、新規ウイルスRNAを作るだけでなく宿主
の酵素機構を用いてウイルス蛋白質を作る。生成された
多蛋白質(polyprotein)は宿主又はウイル
スの酵素によって変形され、新規なウイルスを形成す
る。前術した蛋白質変形を起こす酵素のうち、特に重要
な酵素として、プロテアーゼである。プロテアーゼは多
蛋白質をウイルス複製に必要な構造蛋白質と酵素に分解
させる酵素である。かかるレトロウイルスのプロテアー
ゼのうちHIVプロテアーゼは最も集中的な研究の対象
になっている。前述したように、HIVはmRNAを用
いて外膜蛋白質と酵素を合成するのではなく、HIVプ
ロテアーゼがGag−蛋白質(p55)又はGag−p
ol蛋白質(p165)のような多蛋白質を分解して外
膜蛋白質と逆転写酵素、インテグラーゼ等のようなウイ
ルス複製に必要な酵素を合成する。従って、プロテアー
ゼの活性を阻害するとウイルスの複製が中断されるよう
になる。従前の研究に見れば、プロテアーゼの機能を有
しないウイルスは感染を誘発できないと報告されている
[Kohl et al.,Rroc.Nat.Aca
d.Sci.,U.S.A.,85,4686−469
0(1988);andPeng et al.,J.
Virol.,63,2550(1989)]。従っ
て、HIVプロテアーゼ阻害剤がHIV感染による疾患
の治療剤として有効であるという可能性が提示されてい
る。HIVプロテアーゼは99個のアミノ酸から構成さ
れており、その構造はX−線結晶構造分析によって判明
されている[Navia et al.,Nature
337,615−620(1989);Wlodawe
r et al.,Science,245,616−
621(1989);and Milleret a
l.,Science,246,1149−1152
(1989)]。HIVプロテアーゼは二つの単量体か
らなる二量体として存在しており、各単量体の分子量は
10793であり、反応部位にアスパルテート−トレオ
ニン−グリシンの配列を有するアスパラギンプロテアー
ゼである。HIVプロテアーゼ阻害剤の研究は、該酵素
の転移状態(transition state)と類
似した構造を有する化合物(transition s
tate analogue,TSA)の開発に焦点を
置いているが、このような化合物はプロテアーゼに対し
て高い親和度を有するものであろうという期待に基づい
ている[Roberts, et al.,Scien
ce,248,358(1990);ヨ−ロッパ特許公
開第0337714号;第0346847号;第035
6223号;第0352000号;第0357332
号;第0362002号;及び第0361341号;B
one et al.,JACS 113,9382
(1991)]。しかし、かくして開発されたHIVプ
ロテアーゼ阻害剤は可逆的な阻害剤であり、限定された
活性を有する。即ち、プロテアーゼ活性を完全に遮断で
きる非可逆的阻害剤がさらにAIDS治療剤として高い
活性を示すことが期待できる。それで、本発明者らは、
HIVプロテアーゼの反応部位に非可逆的に結合できる
シス−エポキシド基を有する化合物をより効果的なAI
DS治療剤として開発するため、鋭意研究を行ってきた
(本出願人により1993年6月14日の日付で出願さ
れた大韓民国特許出願第93−10811号参照)。
し、後天性免疫不全症候群を誘発するレトロウイルスで
ある。このウイルスの内部には遺伝情報をコードするR
NAと該RNAから逆にDNAを作ることができる逆転
写酵素(reverse transcriptas
e)が存在し、該RNAと逆転写酵素は外膜蛋白質によ
って囲まれており、その外側には脂質膜が保護膜として
形成されている。RNAから二本鎖DNAを複製する逆
転写酵素はRNAウイルス、即ち、レトロウイルスのみ
に存在する酵素である。レトロウイルスが宿主を感染す
ると、逆転写酵素によってウイルスRNAから二本鎖D
NAが作くられ、該ウイルスDNAはインテグラーゼ
(integrase)によって宿主の染色体に導入さ
れる。かくして形質転換された(transforme
d)宿主は、新規ウイルスRNAを作るだけでなく宿主
の酵素機構を用いてウイルス蛋白質を作る。生成された
多蛋白質(polyprotein)は宿主又はウイル
スの酵素によって変形され、新規なウイルスを形成す
る。前術した蛋白質変形を起こす酵素のうち、特に重要
な酵素として、プロテアーゼである。プロテアーゼは多
蛋白質をウイルス複製に必要な構造蛋白質と酵素に分解
させる酵素である。かかるレトロウイルスのプロテアー
ゼのうちHIVプロテアーゼは最も集中的な研究の対象
になっている。前述したように、HIVはmRNAを用
いて外膜蛋白質と酵素を合成するのではなく、HIVプ
ロテアーゼがGag−蛋白質(p55)又はGag−p
ol蛋白質(p165)のような多蛋白質を分解して外
膜蛋白質と逆転写酵素、インテグラーゼ等のようなウイ
ルス複製に必要な酵素を合成する。従って、プロテアー
ゼの活性を阻害するとウイルスの複製が中断されるよう
になる。従前の研究に見れば、プロテアーゼの機能を有
しないウイルスは感染を誘発できないと報告されている
[Kohl et al.,Rroc.Nat.Aca
d.Sci.,U.S.A.,85,4686−469
0(1988);andPeng et al.,J.
Virol.,63,2550(1989)]。従っ
て、HIVプロテアーゼ阻害剤がHIV感染による疾患
の治療剤として有効であるという可能性が提示されてい
る。HIVプロテアーゼは99個のアミノ酸から構成さ
れており、その構造はX−線結晶構造分析によって判明
されている[Navia et al.,Nature
337,615−620(1989);Wlodawe
r et al.,Science,245,616−
621(1989);and Milleret a
l.,Science,246,1149−1152
(1989)]。HIVプロテアーゼは二つの単量体か
らなる二量体として存在しており、各単量体の分子量は
10793であり、反応部位にアスパルテート−トレオ
ニン−グリシンの配列を有するアスパラギンプロテアー
ゼである。HIVプロテアーゼ阻害剤の研究は、該酵素
の転移状態(transition state)と類
似した構造を有する化合物(transition s
tate analogue,TSA)の開発に焦点を
置いているが、このような化合物はプロテアーゼに対し
て高い親和度を有するものであろうという期待に基づい
ている[Roberts, et al.,Scien
ce,248,358(1990);ヨ−ロッパ特許公
開第0337714号;第0346847号;第035
6223号;第0352000号;第0357332
号;第0362002号;及び第0361341号;B
one et al.,JACS 113,9382
(1991)]。しかし、かくして開発されたHIVプ
ロテアーゼ阻害剤は可逆的な阻害剤であり、限定された
活性を有する。即ち、プロテアーゼ活性を完全に遮断で
きる非可逆的阻害剤がさらにAIDS治療剤として高い
活性を示すことが期待できる。それで、本発明者らは、
HIVプロテアーゼの反応部位に非可逆的に結合できる
シス−エポキシド基を有する化合物をより効果的なAI
DS治療剤として開発するため、鋭意研究を行ってきた
(本出願人により1993年6月14日の日付で出願さ
れた大韓民国特許出願第93−10811号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、HI
Vプロテアーゼに対してより向上された阻害活性を有す
る新規化合物及びその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、前記化合物を有効成分として含む
後天性免疫不全症候群の治療又はHIV感染の予防に有
用な組成物を提供することである。
Vプロテアーゼに対してより向上された阻害活性を有す
る新規化合物及びその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、前記化合物を有効成分として含む
後天性免疫不全症候群の治療又はHIV感染の予防に有
用な組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、シス−エポキ
シド構造を有する下記一般式(I)の化合物及びその薬
剤学的に許容可能な塩、水和物と溶媒和物を提供するこ
とにより、その目的が達成される。
シド構造を有する下記一般式(I)の化合物及びその薬
剤学的に許容可能な塩、水和物と溶媒和物を提供するこ
とにより、その目的が達成される。
【化3】 上記式で、R1 は芳香族基、窒素を含有する芳香族基、
C1 −4 のアルキル、芳香族基に置換されたC1 −4 の
アルキル、窒素を含有する芳香族基に置換されたC1 −
4 のアルキル、C1 −4 のアルコキシ基、芳香族基に置
換されたC1 −4 のアルコキシ基又は窒素を含有する芳
香族基に置換されたC1 −4 のアルコキシ基;R2 はア
ミノ酸の残基又はC1 −4 のアルキルスルホニル基に置
換されたC1 −8 のアルキル;R3 はC1 −4 のアルキ
ル又は芳香族基に置換されたC1−4 のアルキル;R4
は水素又はC1 −2 のアルキル;R5 はC1 −10のアル
キル又は芳香族基に置換されたC1 −10のアルキル;n
は1又は2である。
C1 −4 のアルキル、芳香族基に置換されたC1 −4 の
アルキル、窒素を含有する芳香族基に置換されたC1 −
4 のアルキル、C1 −4 のアルコキシ基、芳香族基に置
換されたC1 −4 のアルコキシ基又は窒素を含有する芳
香族基に置換されたC1 −4 のアルコキシ基;R2 はア
ミノ酸の残基又はC1 −4 のアルキルスルホニル基に置
換されたC1 −8 のアルキル;R3 はC1 −4 のアルキ
ル又は芳香族基に置換されたC1−4 のアルキル;R4
は水素又はC1 −2 のアルキル;R5 はC1 −10のアル
キル又は芳香族基に置換されたC1 −10のアルキル;n
は1又は2である。
【0005】
【発明の実施の形態】本明細書で使用された用語“芳香
族基”は未置換又は任意に置換されたベンゼン又はナフ
タレンラジカルを意味し、“窒素を含有する芳香族基”
は未置換又は任意に置換されたピリジン又はキノリンラ
ジカルを意味する。また、一般式(I)の化合物は複数
の不斉炭素を有し、従って本発明の化合物は全ての形態
の立体異性体、例えば光学的に純粋な単一異性体、ラセ
ミ体、ジアステレオマーの混合物などを含む。本発明の
一態様によって、R1 は、好ましくフェニル、ベンジ
ル、キノリル、キノリルメチル、フェノキシ、ベンジル
オキシ、キノリルオキシ、キノリルメトキシ、フェノキ
シメチル又はキノリルオキシメチル基であり、最も好ま
しくはキノリル、ベンジルオキシ又はキノリルオキシメ
チル基である。R2 は、好ましくアミド又はスルホン基
を有するC1 −4 のアルキルであり、最も好ましくはア
スパラギン残基又は2−メタンスルホニル−2−プロピ
ル基である。R3 は、好ましくは芳香族基によって置換
されたC1 −2 のアルキルであり、最も好ましくはベン
ジル基である。R4 は、好ましく水素、メチル、又はエ
チルであり、最も好ましくは水素である。R5は、好ま
しくC2 ー8 のアルキル又は芳香族基に置換されたC2
−8 のアルキルであり、最も好ましくはC3 −7 のアル
キル又はフェニル基に置換されたC3 −7 のアルキルで
ある。
族基”は未置換又は任意に置換されたベンゼン又はナフ
タレンラジカルを意味し、“窒素を含有する芳香族基”
は未置換又は任意に置換されたピリジン又はキノリンラ
ジカルを意味する。また、一般式(I)の化合物は複数
の不斉炭素を有し、従って本発明の化合物は全ての形態
の立体異性体、例えば光学的に純粋な単一異性体、ラセ
ミ体、ジアステレオマーの混合物などを含む。本発明の
一態様によって、R1 は、好ましくフェニル、ベンジ
ル、キノリル、キノリルメチル、フェノキシ、ベンジル
オキシ、キノリルオキシ、キノリルメトキシ、フェノキ
シメチル又はキノリルオキシメチル基であり、最も好ま
しくはキノリル、ベンジルオキシ又はキノリルオキシメ
チル基である。R2 は、好ましくアミド又はスルホン基
を有するC1 −4 のアルキルであり、最も好ましくはア
スパラギン残基又は2−メタンスルホニル−2−プロピ
ル基である。R3 は、好ましくは芳香族基によって置換
されたC1 −2 のアルキルであり、最も好ましくはベン
ジル基である。R4 は、好ましく水素、メチル、又はエ
チルであり、最も好ましくは水素である。R5は、好ま
しくC2 ー8 のアルキル又は芳香族基に置換されたC2
−8 のアルキルであり、最も好ましくはC3 −7 のアル
キル又はフェニル基に置換されたC3 −7 のアルキルで
ある。
【0006】本発明による好ましい化合物の代表的な例
としては次のようである。
としては次のようである。
【化4】
【化5】 本発明による一般式(I)の化合物は下記反応図式1に
示したように製造できる。
示したように製造できる。
【0007】反応図式1
【化6】 (上記式で、R1は芳香族基、窒素を含有する芳香族
基、C1−4のアルキル、芳香族基に置換されたC1−
4のアルキル、窒素を含有する芳香族基に置換されたC
1−4のアルキル、C1−4のアルコキシ基、芳香族基
に置換されたC1−4のアルコキシ基又は窒素を含有す
る芳香族基に置換されたC1−4のアルコキシ基;R2
はアミノ酸の残基又はC1−4のアルキルスルホニル基
に置換されたC1−8のアルキル;R3はC1−4のア
ルキル又は芳香族基に置換されたC1−4のアルキル;
R4は水素又はC1−2のアルキル;R5はC1−10
のアルキル又は芳香族基に置換されたC1−10のアル
キル;R6はC1−4アルキル;R7はC1−4アルキ
ル;Cbzはベンジルオキシカルボニル基;mCPBA
はメタクロロペルオキシ安息香酸である)
基、C1−4のアルキル、芳香族基に置換されたC1−
4のアルキル、窒素を含有する芳香族基に置換されたC
1−4のアルキル、C1−4のアルコキシ基、芳香族基
に置換されたC1−4のアルコキシ基又は窒素を含有す
る芳香族基に置換されたC1−4のアルコキシ基;R2
はアミノ酸の残基又はC1−4のアルキルスルホニル基
に置換されたC1−8のアルキル;R3はC1−4のア
ルキル又は芳香族基に置換されたC1−4のアルキル;
R4は水素又はC1−2のアルキル;R5はC1−10
のアルキル又は芳香族基に置換されたC1−10のアル
キル;R6はC1−4アルキル;R7はC1−4アルキ
ル;Cbzはベンジルオキシカルボニル基;mCPBA
はメタクロロペルオキシ安息香酸である)
【0008】反応図式1の段階1に示すように、まず、
一般式(a)の化合物をmCPBAでエポキシした後、
エポキシ化された化合物を一般式(b)の化合物とカッ
プリング(Coupling)反応させて一般式(c)
の化合物を得る。段階2では、一般式(c)の化合物の
ベンジルオキシカルボニル保護基を除いて一般式(d)
の化合物を得、続いて、段階3で化合物(d)を一般式
(e)の化合物とカップリング反応させて一般式(f)
の化合物を得る。R2 がスルホン基を有するアルキル基
である場合は、段階3の替わりに、化合物(d)と一般
式(e′)の化合物とをカップリング反応させた後、そ
の生成物を酸化してスルホン基を含有する一般式(f)
の化合物を得る段階(3′)の方法を用いることができ
る。段階4で一般式(f)の化合物のベンジルオキシカ
ルボニル保護基を除いて一般式(g)の化合物を収得
し、段階5では前記化合物(g)を一般式(h)又は
(i)の化合物とカップリング反応させて目的とする一
般式(I)の化合物を得る。上記のカップリング反応に
おいては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、3−エチル−3′−(ジメチルアミノ)−プロピ
ルカルボジイミド(EDC)、ビス−(2−オキソ−3
−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸クロライド(BO
P−Cl)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)
などのカップリング試薬を使用できるが、これらに限ら
れない。一方、一般式(e)の化合物のようなカルボン
酸は、カップリング反応前に酸ハロゲン化物、又は、活
性エステル誘導体に転換させることもできる。酸ハロゲ
ン化物誘導体には酸塩化物が含まれ、活性エステル誘導
体は、アミンとのカップリング反応によりアミド結合
を、又は、アルコールとのカップリング反応によりエス
テル結合を形成するために通常的に使用されるものなど
である。例えば、塩化メトキシカルボニル、塩化イソブ
トキシカルボニルなどのハロゲン化アルコキシカルボニ
ル、カルボン酸無水物、およびN−ヒドロキシベンゾト
リアゾール、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロ
キシ−5−ノルボルネン−2′,3′−ジカルボン酸ア
ミド、または2,4,5−トリクロロフェノールを用い
て製造したエステル誘導体が含まれる。ベンジルオキシ
カルボニル基の離脱反応は常法に従って、Pd/C触媒
存在下で水素化反応(hydrogenolysis
reaction)を行って除くことができる。
一般式(a)の化合物をmCPBAでエポキシした後、
エポキシ化された化合物を一般式(b)の化合物とカッ
プリング(Coupling)反応させて一般式(c)
の化合物を得る。段階2では、一般式(c)の化合物の
ベンジルオキシカルボニル保護基を除いて一般式(d)
の化合物を得、続いて、段階3で化合物(d)を一般式
(e)の化合物とカップリング反応させて一般式(f)
の化合物を得る。R2 がスルホン基を有するアルキル基
である場合は、段階3の替わりに、化合物(d)と一般
式(e′)の化合物とをカップリング反応させた後、そ
の生成物を酸化してスルホン基を含有する一般式(f)
の化合物を得る段階(3′)の方法を用いることができ
る。段階4で一般式(f)の化合物のベンジルオキシカ
ルボニル保護基を除いて一般式(g)の化合物を収得
し、段階5では前記化合物(g)を一般式(h)又は
(i)の化合物とカップリング反応させて目的とする一
般式(I)の化合物を得る。上記のカップリング反応に
おいては、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DC
C)、3−エチル−3′−(ジメチルアミノ)−プロピ
ルカルボジイミド(EDC)、ビス−(2−オキソ−3
−オキサゾリジニル)−ホスフィン酸クロライド(BO
P−Cl)、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)
などのカップリング試薬を使用できるが、これらに限ら
れない。一方、一般式(e)の化合物のようなカルボン
酸は、カップリング反応前に酸ハロゲン化物、又は、活
性エステル誘導体に転換させることもできる。酸ハロゲ
ン化物誘導体には酸塩化物が含まれ、活性エステル誘導
体は、アミンとのカップリング反応によりアミド結合
を、又は、アルコールとのカップリング反応によりエス
テル結合を形成するために通常的に使用されるものなど
である。例えば、塩化メトキシカルボニル、塩化イソブ
トキシカルボニルなどのハロゲン化アルコキシカルボニ
ル、カルボン酸無水物、およびN−ヒドロキシベンゾト
リアゾール、N−ヒドロキシフタルイミド、N−ヒドロ
キシ−5−ノルボルネン−2′,3′−ジカルボン酸ア
ミド、または2,4,5−トリクロロフェノールを用い
て製造したエステル誘導体が含まれる。ベンジルオキシ
カルボニル基の離脱反応は常法に従って、Pd/C触媒
存在下で水素化反応(hydrogenolysis
reaction)を行って除くことができる。
【0009】一方、一般式(a)の化合物は、下記反応
図式2に示す方法によって製造できる。反応図式2
図式2に示す方法によって製造できる。反応図式2
【化7】 *KHMDS:ヘキサメチルジシラザンカリウム PPTS :パラトルエンスルホン酸ピリジウム X :Br または I 上の反応図式2は、一般式(a)のシス−エン−アリル
アルコールの製造方法を示したものであり、Hiros
hiらの方法[J.Chem.Soc.,Chem.C
ommu.,311−312(1987):and A
dolphcBohnstedt et al.,Te
trahedron Letters、34(33),
5217−5220(1993)]に従って、一般式
(k)の化合物からウィッティッヒ反応を行って得られ
る。
アルコールの製造方法を示したものであり、Hiros
hiらの方法[J.Chem.Soc.,Chem.C
ommu.,311−312(1987):and A
dolphcBohnstedt et al.,Te
trahedron Letters、34(33),
5217−5220(1993)]に従って、一般式
(k)の化合物からウィッティッヒ反応を行って得られ
る。
【0010】本発明において、一般式(b)のアミン
は、下記反応図式3及び4に示した方法によって製造で
きる。反応図式3
は、下記反応図式3及び4に示した方法によって製造で
きる。反応図式3
【化8】 * tBOC : t−ブトキシカルボニル反応図式4
【化9】 *Cbz:ベンジルオキシカルボニル 上記式で、R4 ,R5 及びXは前述の定義に従う。反応
図式3はニトリル(R4 CN)から、グリニャール反応
およびNaBH4を用いた還元反応を行って一般式
(b)のアミンを製造する過程を示す。ここで得られる
アミンはラセミ体であるので、これをN−t−ブトキシ
カルボニルフェニルアラニンとカップリングした後、t
−ブトキシカルボニル保護基を除いて得られる一般式
(o)の化合物をカラムクロマトグラフィーを実施して
2つのジアステレオマーに分離し、エドマン法を用いて
相応する光学的に純粋なアミンを得る。反応図式4は、
本発明で使用されるに一般式(b)に該当するアミンの
他の製造方法を示す。一般式(p)のL−又はD−アミ
ノ酸とメトキシメチルアミンをカップリングした後、グ
リニャール反応を行って一般式(q)の化合物を得る。
次いで、ヘキサメチルジシラザンカリウム(KHMD
S)を使用して−20℃でウィッティッヒを行って一般
式(r)の化合物を得た後、水素化して一般式(s)の
アミンを得る。反応図式1の段階3で使用される一般式
(e′)の化合物は下記反応図式5に示す方法によって
製造できる。反応図式5
図式3はニトリル(R4 CN)から、グリニャール反応
およびNaBH4を用いた還元反応を行って一般式
(b)のアミンを製造する過程を示す。ここで得られる
アミンはラセミ体であるので、これをN−t−ブトキシ
カルボニルフェニルアラニンとカップリングした後、t
−ブトキシカルボニル保護基を除いて得られる一般式
(o)の化合物をカラムクロマトグラフィーを実施して
2つのジアステレオマーに分離し、エドマン法を用いて
相応する光学的に純粋なアミンを得る。反応図式4は、
本発明で使用されるに一般式(b)に該当するアミンの
他の製造方法を示す。一般式(p)のL−又はD−アミ
ノ酸とメトキシメチルアミンをカップリングした後、グ
リニャール反応を行って一般式(q)の化合物を得る。
次いで、ヘキサメチルジシラザンカリウム(KHMD
S)を使用して−20℃でウィッティッヒを行って一般
式(r)の化合物を得た後、水素化して一般式(s)の
アミンを得る。反応図式1の段階3で使用される一般式
(e′)の化合物は下記反応図式5に示す方法によって
製造できる。反応図式5
【化10】 X :ハロゲン 反応図式5は、システインに導入されたチオール基を塩
基の存在下でアルキル化させた後、ベンジルオキシ保護
基を導入する課程を示す。
基の存在下でアルキル化させた後、ベンジルオキシ保護
基を導入する課程を示す。
【0011】本発明の化合物はHIVプロテアーゼの阻
害活性を有するので、後天性免疫不全症候群(AID
S)の治療又はHIV感染の予防の目的に使用できる。
この目的で患者に与えられる本発明の化合物の一日容量
は、体重1kgあたり100乃至600mg/日である
が、この投与量は全ての関連要因、例えば、患者の種類
と程度、体重、年齢、性別、健康状態、および、共に投
与する薬剤の種類と投与方法を考慮して調節する。本発
明の化合物は、目的によって非経口投与、または、経口
投与することができる。注射用製剤、例えば、滅菌注射
用水性又は油性懸濁液は公知の技術に従って適合な分散
剤、水和剤又は懸濁化剤を用いて製造でき、ここでポリ
エチレングリコール、エチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、エタノールなどを溶媒として使用でき
る。経口投与用の固体組成物としてはカプセル剤、錠
剤、環剤、散剤及び粒剤などがあるが、腸溶被剤の形に
製造することが有用であり、この組成物は蔗糖、乳糖又
はデンプンのような不活性希釈剤及びステアリン酸マグ
ネシウムのような滑剤を含有し得る。 本発明の化合物
を含む組成物は、他の杭AIDS剤、および免疫調節剤
と共に投与し得る。HIV感染の治療及び予防のための
本発明の化合物の製剤は、上述の組成物に限定されるこ
とではなく、HIV感染の治療及び予防のための本発明
の化合物を含む薬学組成物であればいずれも含まれるこ
とができる。
害活性を有するので、後天性免疫不全症候群(AID
S)の治療又はHIV感染の予防の目的に使用できる。
この目的で患者に与えられる本発明の化合物の一日容量
は、体重1kgあたり100乃至600mg/日である
が、この投与量は全ての関連要因、例えば、患者の種類
と程度、体重、年齢、性別、健康状態、および、共に投
与する薬剤の種類と投与方法を考慮して調節する。本発
明の化合物は、目的によって非経口投与、または、経口
投与することができる。注射用製剤、例えば、滅菌注射
用水性又は油性懸濁液は公知の技術に従って適合な分散
剤、水和剤又は懸濁化剤を用いて製造でき、ここでポリ
エチレングリコール、エチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、エタノールなどを溶媒として使用でき
る。経口投与用の固体組成物としてはカプセル剤、錠
剤、環剤、散剤及び粒剤などがあるが、腸溶被剤の形に
製造することが有用であり、この組成物は蔗糖、乳糖又
はデンプンのような不活性希釈剤及びステアリン酸マグ
ネシウムのような滑剤を含有し得る。 本発明の化合物
を含む組成物は、他の杭AIDS剤、および免疫調節剤
と共に投与し得る。HIV感染の治療及び予防のための
本発明の化合物の製剤は、上述の組成物に限定されるこ
とではなく、HIV感染の治療及び予防のための本発明
の化合物を含む薬学組成物であればいずれも含まれるこ
とができる。
【0012】
【実施例】下記の製造例と実施例は本発明による新規化
合物に対する理解を深めるために示すものだけであり、
本発明の範囲は制限しない。製造例1 :N−ベンジルオキシカルボニル−β−(S−
メチル)−L−バリンの製造 β−メルカプト−L−バリン8.9g(0.06mo
l)をジオキサン120mlと水40mlの混合物に添
加し、0℃で6N NaOH水溶液20mlに溶かし
た。この溶液にヨードメタン9.24g(0.066m
ol)を加え、0℃で3時間及び常温で2時間撹拌して
メチル化反応を行った。上記メチル化反応物を0℃に冷
却し、6N NaOH水溶液15mlとクロロ蟻酸ベン
ジル10.2g(0.09mol)を徐々に加えた。反
応物を0℃で1時間、次いで5℃で2時間撹拌して反応
を終結した後、溶媒を減圧留去した。水とエーテルの混
合物を添加して未反応のクロロ蟻酸ベンジルを分解した
後、有機層を分離、廃棄し、水層に酢酸エチル60ml
を加えて6N塩酸でpHを3以下とし、有機層を分離し
た後、無水MgSO4 上で乾燥し、溶媒を減圧留去して
標題化合物14.25g(収率80%)を得た。1 H NMR(CD3 OD)δ 1.2(s,6H)、
2.1(s,3H)、4.3(d,1H)、5.1
(s,2H)、7.1(m,5H)
合物に対する理解を深めるために示すものだけであり、
本発明の範囲は制限しない。製造例1 :N−ベンジルオキシカルボニル−β−(S−
メチル)−L−バリンの製造 β−メルカプト−L−バリン8.9g(0.06mo
l)をジオキサン120mlと水40mlの混合物に添
加し、0℃で6N NaOH水溶液20mlに溶かし
た。この溶液にヨードメタン9.24g(0.066m
ol)を加え、0℃で3時間及び常温で2時間撹拌して
メチル化反応を行った。上記メチル化反応物を0℃に冷
却し、6N NaOH水溶液15mlとクロロ蟻酸ベン
ジル10.2g(0.09mol)を徐々に加えた。反
応物を0℃で1時間、次いで5℃で2時間撹拌して反応
を終結した後、溶媒を減圧留去した。水とエーテルの混
合物を添加して未反応のクロロ蟻酸ベンジルを分解した
後、有機層を分離、廃棄し、水層に酢酸エチル60ml
を加えて6N塩酸でpHを3以下とし、有機層を分離し
た後、無水MgSO4 上で乾燥し、溶媒を減圧留去して
標題化合物14.25g(収率80%)を得た。1 H NMR(CD3 OD)δ 1.2(s,6H)、
2.1(s,3H)、4.3(d,1H)、5.1
(s,2H)、7.1(m,5H)
【0013】製造例2 段階1:2−メチル−3−R−ベンジルオキシカルボニ
ルアミノ−4−フェニル−1−ブテンの製造 臭化メチルトリフェニルホスホニウム5.7g(0.0
12mol)をトルエン40mlに溶かした後、−20
℃に冷却し、窒素雰囲気下で0.5Nヘキサメチルジシ
ラザンカリウム(KHMDS)溶液22ml(0.01
mol)を徐々に加えた。次いで、ナーム(Nahm)
の方法[Tetrahedron Letter,5
4,3815(1981)]によって合成されたR−3
−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2
−ブタノン2.63g(0.01mol)を徐々に加
え、−20℃で30分間反応させた後、反応物の温度を
徐々に上昇させて常温で更に3時間撹拌した。反応終結
後、溶媒を減圧留去し、残留物をカラムクロマトグラフ
ィー(溶出剤;酢酸エチル:ヘキサン=10:90)で
精製して標題化合物2.2g(84%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 1.77(s,3
H)、2.65−2.95(m,2H)、4.27(b
r,1H)、4.51(b,1H)、4.80(d,2
H),5.15(s,2H)、7.19−7.33
(m,10H) 段階2:(R)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニ
ルブタンの製造 2−メチル−3−R−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−4−フェニル−1−ブテン2.61g(0.01mo
l)をメタノール30mlに溶かし、10%Pd/C1
00mgを加えた後、1気圧の水素雰囲気のもとで3時
間撹拌した。反応溶液をセライトに通過させて触媒を除
いた後、溶媒を除いて標題化合物1.43g(収率87
%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.98(t,6
H)、1.65(m,1H)、2.39(m,1H)、
2.82(m,2H)、7.19−7.33(m,5
H)
ルアミノ−4−フェニル−1−ブテンの製造 臭化メチルトリフェニルホスホニウム5.7g(0.0
12mol)をトルエン40mlに溶かした後、−20
℃に冷却し、窒素雰囲気下で0.5Nヘキサメチルジシ
ラザンカリウム(KHMDS)溶液22ml(0.01
mol)を徐々に加えた。次いで、ナーム(Nahm)
の方法[Tetrahedron Letter,5
4,3815(1981)]によって合成されたR−3
−ベンジルオキシカルボニルアミノ−4−フェニル−2
−ブタノン2.63g(0.01mol)を徐々に加
え、−20℃で30分間反応させた後、反応物の温度を
徐々に上昇させて常温で更に3時間撹拌した。反応終結
後、溶媒を減圧留去し、残留物をカラムクロマトグラフ
ィー(溶出剤;酢酸エチル:ヘキサン=10:90)で
精製して標題化合物2.2g(84%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 1.77(s,3
H)、2.65−2.95(m,2H)、4.27(b
r,1H)、4.51(b,1H)、4.80(d,2
H),5.15(s,2H)、7.19−7.33
(m,10H) 段階2:(R)−2−アミノ−3−メチル−1−フェニ
ルブタンの製造 2−メチル−3−R−ベンジルオキシカルボニルアミノ
−4−フェニル−1−ブテン2.61g(0.01mo
l)をメタノール30mlに溶かし、10%Pd/C1
00mgを加えた後、1気圧の水素雰囲気のもとで3時
間撹拌した。反応溶液をセライトに通過させて触媒を除
いた後、溶媒を除いて標題化合物1.43g(収率87
%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.98(t,6
H)、1.65(m,1H)、2.39(m,1H)、
2.82(m,2H)、7.19−7.33(m,5
H)
【0014】製造例3 段階1:2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブタン
の塩酸塩の製造 無水THF(テトラヒドロフラン)50mlに溶解させ
たイソブチロニトリル13.8g(0.2mol)に
2.0M塩化ベンジルマグネシウム110ml(0.2
2mol)を常温で添加し、1時間環流した後、常温に
冷却した。次いで、メタノール200mlとNaBH4
11.4g(0.3mol)を添加した後、常温で1時
間撹拌した。ここに1N塩酸を加えてpHを約11に調
整した。上記混合物をクロロホルムで抽出し、無水Na
2 SO4 上で乾燥した後、塩酸メタノール溶液を加えて
標題化合物37.5g(収率94%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 1.08(m,6
H)、1.96(m,1H)、2.90−3.16
(m,2H)、3.37(m,1H)、7.15−7.
31(m,5H)、8.36(b,3H) 段階2:N−[L−(N−t−ブトキシカルボニル)−
フェニルアラニル]−2−(1−フェニル−3−メチル
ブチル)アミンの製造 N−t−ブトキシカルボニルフェニルアラニン26.5
g(0.1mol)にそれぞれ1.5当量のEDCとH
OBTを加えた後、DMF130mlとトリエチルアミ
ン15mlを加えて溶解させた。生成された溶液に上記
段階1の生成物20g(0.1mol)を0℃で加えた
後、常温で5時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧留去し
て得られた残留物を酢酸エチルに溶かし、1N塩酸とN
aHCO3 飽和溶液で洗浄した。有機層を無水MgSO
4 上で乾燥した後、溶媒を除いて標題化合物37.7g
(収率92%)を得た。 段階3:N−(L−フェニルアラニル)−2−(1−フ
ェニル−3−メチルブチル)アミンの製造 前記段階2の生成物20.5g(0.05mol)をジ
クロロメタン30mlとトリフルオロ酢酸15mlの混
合物に溶かし、常温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去
し、酢酸エチルを溶出剤として用いてカラムクロマトグ
ラフィーを行って2つの異性体を分離した。その結果、
Rf値が0.50である異性体8.0gとRf値が0.
45である異性体7.4gを得た。全体の収率は99%
であった。1 H NMR(CDCl3 )δ 1。Rf=0.50:0.93(m,6H)、1.80
(m,1H)、2.22(m,1H)、2.63(m,
1H)、2.85(m,1H)、3.05(m,1
H)、3.51(m,1H)、4.11(m,1H)、
7.10−7.34(m,10H) 2。Rf=0.45:0.91(m,6H)、1.79
(m,1H)、2.65−2.70(m,2H)、2.
83(m,1H)、3.18(m,1H)、3.44
(m,1H)、4.08(m,1H)、7.10−7.
32(m,10H) 段階4:2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブタン
の製造 前記段階3の各異性体1.46g(4.7mmol)を
無水ジクロロメタン50mlに溶解し、イソチオシアン
酸フェニル0.66ml(5.5mmol)を加えて2
時間環流した後、常温に冷却した。ここにフルオロ酢酸
10mlを加えて60℃で40分間環流させてから溶媒
を減圧留去した。次いで、残留物を水20mlに溶かし
た後、エーテルで洗浄し、NaOHでpHを約11に調
整した。これをクロロホルムで抽出して標題化合物の各
異性体を82ないし85%の収率で得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.94(m,6
H)、1.11(bs,2H)、1.65(m,1
H)、2.39(m,1H)、2.82(m,2H)、
7.16−7.32(m,5H) [α]D =1.−38.1(c=0.12,ジクロロメタン) 2.+38.1(c=0.12,ジクロロメタン)
の塩酸塩の製造 無水THF(テトラヒドロフラン)50mlに溶解させ
たイソブチロニトリル13.8g(0.2mol)に
2.0M塩化ベンジルマグネシウム110ml(0.2
2mol)を常温で添加し、1時間環流した後、常温に
冷却した。次いで、メタノール200mlとNaBH4
11.4g(0.3mol)を添加した後、常温で1時
間撹拌した。ここに1N塩酸を加えてpHを約11に調
整した。上記混合物をクロロホルムで抽出し、無水Na
2 SO4 上で乾燥した後、塩酸メタノール溶液を加えて
標題化合物37.5g(収率94%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 1.08(m,6
H)、1.96(m,1H)、2.90−3.16
(m,2H)、3.37(m,1H)、7.15−7.
31(m,5H)、8.36(b,3H) 段階2:N−[L−(N−t−ブトキシカルボニル)−
フェニルアラニル]−2−(1−フェニル−3−メチル
ブチル)アミンの製造 N−t−ブトキシカルボニルフェニルアラニン26.5
g(0.1mol)にそれぞれ1.5当量のEDCとH
OBTを加えた後、DMF130mlとトリエチルアミ
ン15mlを加えて溶解させた。生成された溶液に上記
段階1の生成物20g(0.1mol)を0℃で加えた
後、常温で5時間撹拌した。次いで、溶媒を減圧留去し
て得られた残留物を酢酸エチルに溶かし、1N塩酸とN
aHCO3 飽和溶液で洗浄した。有機層を無水MgSO
4 上で乾燥した後、溶媒を除いて標題化合物37.7g
(収率92%)を得た。 段階3:N−(L−フェニルアラニル)−2−(1−フ
ェニル−3−メチルブチル)アミンの製造 前記段階2の生成物20.5g(0.05mol)をジ
クロロメタン30mlとトリフルオロ酢酸15mlの混
合物に溶かし、常温で1時間撹拌した。溶媒を減圧留去
し、酢酸エチルを溶出剤として用いてカラムクロマトグ
ラフィーを行って2つの異性体を分離した。その結果、
Rf値が0.50である異性体8.0gとRf値が0.
45である異性体7.4gを得た。全体の収率は99%
であった。1 H NMR(CDCl3 )δ 1。Rf=0.50:0.93(m,6H)、1.80
(m,1H)、2.22(m,1H)、2.63(m,
1H)、2.85(m,1H)、3.05(m,1
H)、3.51(m,1H)、4.11(m,1H)、
7.10−7.34(m,10H) 2。Rf=0.45:0.91(m,6H)、1.79
(m,1H)、2.65−2.70(m,2H)、2.
83(m,1H)、3.18(m,1H)、3.44
(m,1H)、4.08(m,1H)、7.10−7.
32(m,10H) 段階4:2−アミノ−3−メチル−1−フェニルブタン
の製造 前記段階3の各異性体1.46g(4.7mmol)を
無水ジクロロメタン50mlに溶解し、イソチオシアン
酸フェニル0.66ml(5.5mmol)を加えて2
時間環流した後、常温に冷却した。ここにフルオロ酢酸
10mlを加えて60℃で40分間環流させてから溶媒
を減圧留去した。次いで、残留物を水20mlに溶かし
た後、エーテルで洗浄し、NaOHでpHを約11に調
整した。これをクロロホルムで抽出して標題化合物の各
異性体を82ないし85%の収率で得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.94(m,6
H)、1.11(bs,2H)、1.65(m,1
H)、2.39(m,1H)、2.82(m,2H)、
7.16−7.32(m,5H) [α]D =1.−38.1(c=0.12,ジクロロメタン) 2.+38.1(c=0.12,ジクロロメタン)
【0015】製造例4 段階1:4S−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミ
ノ−5−フェニル−シス−2−ペンテン−1−イル 2
−テトラヒドロピラニルエーテルの製造 2−(2−ブロモエチルオキシ)テトラヒドロピランと
当量のトリフェニルホスフィンからなる塩5.64g
(12mmol)をTHF40mlに溶解し、−78℃
で撹拌した。0.5MKHMDS溶液25mlを加えて
−78℃で1時間撹拌し、次いで、L−(N−ベンジル
オキシカルボニル)フェニルアラニナル(phenyl
alaninal)3.0g(10.6mmol)をT
HF15mlに溶かし、−78℃でに徐々に加えた後、
−78℃で1時間次いで常温で1時間撹拌した。水を加
えて反応を終結させた。溶媒を除いて得られる残留物を
酢酸エチルに溶かし、NaHCO3 飽和溶と水で順次洗
浄した。有機層を無水MgSO4 上で乾燥した後、カラ
ムクロマトグラフィーを行って標題化合物1.96g
(収率45%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 1.81(m,6
H)、3.01(m,2H)、3.63(m,1H)、
4.21(m,3H)、4.6−4.9(br,3
H)、5.13(s,2H)、5.41(t,1H)、
5.62(m,1H)、7.0−7.4(m,10H) 段階2:4S−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミ
ノ−5−フェニル−シス−2−ペンテン−1−オールの
製造 上記段階1で得られた化合物2.47g(6mmol)
をエタノール80mlに溶解し、0.2当量のPPTS
(p−トルエンスルホン酸ピリジニウム)を加えて常温
で24時間撹拌した。次いで、減圧蒸留により溶媒を除
き、残留物をジクロロメタン溶媒に溶かしてNaHCO
3 飽和溶液で洗浄した。有機層を無水MgSO4 上で乾
燥し、溶媒を除いた後、カラムクロマトグラフィーを行
って標題化合物1.67g(収率90%)を収得した。1 H NMR(CDCl3 )δ 2.82(m,2
H)、3.41(m,3H)、4.32(m,1H)、
4.83(br,1H)、5.01(s,2H)、5.
21(t,1H)、5.42(m,1H)、7.0−
7.4(m,10H) 段階3:4S−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミ
ノ−5−フェニル−(3R,2S)−エポキシペンタン
−1−オールの製造 上記段階2の生成物311mg(1mmol)をジクロ
ロメタン20mlに溶解し、これに3当量のメタクロロ
ペルオキシ安息香酸(mCPBA)を加えて常温で24
時間撹拌した。ここで濃Na2 S2 O3 溶液30mlを
添加して30分間撹拌した後、有機層をNaHCO3 飽
和溶液で洗浄した。次いで、有機層を無水MgSO4 上
で乾燥し、有機溶媒を除いて標題化合物198mg(収
率63%)を収得した。1 H NMR(CDCl3 )δ 2.8−3.2(m,
6H)、3.81(m,1H)、4.83(br,1
H)、5.01(s,2H)、7.0−7.4(m,1
0H)
ノ−5−フェニル−シス−2−ペンテン−1−イル 2
−テトラヒドロピラニルエーテルの製造 2−(2−ブロモエチルオキシ)テトラヒドロピランと
当量のトリフェニルホスフィンからなる塩5.64g
(12mmol)をTHF40mlに溶解し、−78℃
で撹拌した。0.5MKHMDS溶液25mlを加えて
−78℃で1時間撹拌し、次いで、L−(N−ベンジル
オキシカルボニル)フェニルアラニナル(phenyl
alaninal)3.0g(10.6mmol)をT
HF15mlに溶かし、−78℃でに徐々に加えた後、
−78℃で1時間次いで常温で1時間撹拌した。水を加
えて反応を終結させた。溶媒を除いて得られる残留物を
酢酸エチルに溶かし、NaHCO3 飽和溶と水で順次洗
浄した。有機層を無水MgSO4 上で乾燥した後、カラ
ムクロマトグラフィーを行って標題化合物1.96g
(収率45%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 1.81(m,6
H)、3.01(m,2H)、3.63(m,1H)、
4.21(m,3H)、4.6−4.9(br,3
H)、5.13(s,2H)、5.41(t,1H)、
5.62(m,1H)、7.0−7.4(m,10H) 段階2:4S−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミ
ノ−5−フェニル−シス−2−ペンテン−1−オールの
製造 上記段階1で得られた化合物2.47g(6mmol)
をエタノール80mlに溶解し、0.2当量のPPTS
(p−トルエンスルホン酸ピリジニウム)を加えて常温
で24時間撹拌した。次いで、減圧蒸留により溶媒を除
き、残留物をジクロロメタン溶媒に溶かしてNaHCO
3 飽和溶液で洗浄した。有機層を無水MgSO4 上で乾
燥し、溶媒を除いた後、カラムクロマトグラフィーを行
って標題化合物1.67g(収率90%)を収得した。1 H NMR(CDCl3 )δ 2.82(m,2
H)、3.41(m,3H)、4.32(m,1H)、
4.83(br,1H)、5.01(s,2H)、5.
21(t,1H)、5.42(m,1H)、7.0−
7.4(m,10H) 段階3:4S−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミ
ノ−5−フェニル−(3R,2S)−エポキシペンタン
−1−オールの製造 上記段階2の生成物311mg(1mmol)をジクロ
ロメタン20mlに溶解し、これに3当量のメタクロロ
ペルオキシ安息香酸(mCPBA)を加えて常温で24
時間撹拌した。ここで濃Na2 S2 O3 溶液30mlを
添加して30分間撹拌した後、有機層をNaHCO3 飽
和溶液で洗浄した。次いで、有機層を無水MgSO4 上
で乾燥し、有機溶媒を除いて標題化合物198mg(収
率63%)を収得した。1 H NMR(CDCl3 )δ 2.8−3.2(m,
6H)、3.81(m,1H)、4.83(br,1
H)、5.01(s,2H)、7.0−7.4(m,1
0H)
【0016】実施例1:4S−[N−(2−キノリンカ
ルボニル)−L−アスパラギニル]アミノ−(3R,2
S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル N−2
R−(1−フェニル−3−メチルブチル)カルバメート
の製造 段階1:4S−(N−ベンジルオキシカルボニル)−
(3R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチ
ル N−2R−(1−フェニル−3−メチルブチル)カ
ルバメートの製造 前記製造例4の段階3で得られた生成物198mg
(0.6mmol)からゴーシらの方法[Arunk.
Ghosh et el.,Tetrahedron
Letter 33,2781−2784(199
2)]に従って合成した[4S−[(N−ベンジルオキ
シカルボニル)アミノ]−(3R,2S)−エポキシ−
5−フェニル−1−ペンチル]スクシンイミジルカーボ
ネイト198mg、前記製造例2の段階2で得られた生
成物122mg(0.7mmol)および3当量のトリ
メチルアミンをジクロロメタン30mlに溶解し、常温
で2時間撹拌した。次いで、反応溶液をNaHCO3 飽
和溶液で洗浄し、有機層を無水MgSO4 上で乾燥し、
有機溶媒を除いた後、残留物をカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=3:7)で精製して標題化
合物258mg(収率81%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.81(dd,6
H)、2.02(m,1H)、2.8−3.1(m,6
H)、3.6−4.0(m,4H)、4.9−5.3
(m,4H)、7.0−7.4(m,15H) 段階2:4S−[N−(2−キノリンカルボニル)−L
−アスパラギニル]アミノ−(3R,2S)−エポキシ
−5−フェニル−1−ペンチル N−2R−(1−フェ
ニル−3−メチルブチル)カルバメートの製造 前記段階1の生成物258mg(0.5mmol)をメ
タノール50mlに溶かし、10%のPc/C25mg
を加え、1気圧の水素雰囲気のもとで3時間撹拌した。
反応溶液をセライトに通過させて触媒を除いた後、溶媒
を減圧留去した。N−(2−キノリンカルボニル)アス
パラギン173mg(0.6mmol)とそれぞれ1.
5当量のEDC及びHOBTをジメチルホルムアミド1
0mlに溶かし、これに上記で得られたアミンを0℃で
添加して常温で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去した
後、残留物をジクロロメタンに溶解し、NaHCO3 飽
和溶液で洗浄した。有機層を無水Na2 SO4 上で乾燥
し、溶媒を減圧留去した後、残留物をカラムクロマトグ
ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:7)で精製して
標題化合物140mg(収率43%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.81(dd,6
H)、2.01(m,1H)、2.6−3.0(m,8
H)、3.6−4.4(m,5H)、5.02(m,1
H)、5.41(br,2H)、6.43(br,1
H)、7.0−7.4(m,10H)、7.5−8.3
(m,7H)、9.43(br,1H) FAB MS(M+1)652
ルボニル)−L−アスパラギニル]アミノ−(3R,2
S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル N−2
R−(1−フェニル−3−メチルブチル)カルバメート
の製造 段階1:4S−(N−ベンジルオキシカルボニル)−
(3R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチ
ル N−2R−(1−フェニル−3−メチルブチル)カ
ルバメートの製造 前記製造例4の段階3で得られた生成物198mg
(0.6mmol)からゴーシらの方法[Arunk.
Ghosh et el.,Tetrahedron
Letter 33,2781−2784(199
2)]に従って合成した[4S−[(N−ベンジルオキ
シカルボニル)アミノ]−(3R,2S)−エポキシ−
5−フェニル−1−ペンチル]スクシンイミジルカーボ
ネイト198mg、前記製造例2の段階2で得られた生
成物122mg(0.7mmol)および3当量のトリ
メチルアミンをジクロロメタン30mlに溶解し、常温
で2時間撹拌した。次いで、反応溶液をNaHCO3 飽
和溶液で洗浄し、有機層を無水MgSO4 上で乾燥し、
有機溶媒を除いた後、残留物をカラムクロマトグラフィ
ー(ヘキサン:酢酸エチル=3:7)で精製して標題化
合物258mg(収率81%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.81(dd,6
H)、2.02(m,1H)、2.8−3.1(m,6
H)、3.6−4.0(m,4H)、4.9−5.3
(m,4H)、7.0−7.4(m,15H) 段階2:4S−[N−(2−キノリンカルボニル)−L
−アスパラギニル]アミノ−(3R,2S)−エポキシ
−5−フェニル−1−ペンチル N−2R−(1−フェ
ニル−3−メチルブチル)カルバメートの製造 前記段階1の生成物258mg(0.5mmol)をメ
タノール50mlに溶かし、10%のPc/C25mg
を加え、1気圧の水素雰囲気のもとで3時間撹拌した。
反応溶液をセライトに通過させて触媒を除いた後、溶媒
を減圧留去した。N−(2−キノリンカルボニル)アス
パラギン173mg(0.6mmol)とそれぞれ1.
5当量のEDC及びHOBTをジメチルホルムアミド1
0mlに溶かし、これに上記で得られたアミンを0℃で
添加して常温で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去した
後、残留物をジクロロメタンに溶解し、NaHCO3 飽
和溶液で洗浄した。有機層を無水Na2 SO4 上で乾燥
し、溶媒を減圧留去した後、残留物をカラムクロマトグ
ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:7)で精製して
標題化合物140mg(収率43%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.81(dd,6
H)、2.01(m,1H)、2.6−3.0(m,8
H)、3.6−4.4(m,5H)、5.02(m,1
H)、5.41(br,2H)、6.43(br,1
H)、7.0−7.4(m,10H)、7.5−8.3
(m,7H)、9.43(br,1H) FAB MS(M+1)652
【0017】実施例2及び3 前記実施例1と類似な方法を用いて下記表1に示した化
合物を収得した。
合物を収得した。
【0018】実施例4:4S−[N−(2−ベンジルオ
キシカルボニル)−β−メタンスルホニル−L−バリニ
ル]アミノ−(3R,2S)−エポキシ−5−フェニル
−1−ペンチル N−2R−(1−フェニル−3−メチ
ルブチル)カルバメ−トの製造 前記実施例1の段階1の生成物258mg(0.5mm
ol)をメタノール50mlに溶かし、10%のPc/
C25mgを加え、1気圧の水素雰囲気のもとで3時間
撹拌した。反応溶液をセライトに通過させて触媒を除い
た後、溶媒を減圧留去した。製造例1の標題化合物14
8mg(0.5mmol)、それぞれ1.5当量のED
C、HOBT及びトリエチルアミンをジメチルホルムア
ミド50mlに溶解し、これに上記で得られたアミンを
0℃で加えた後、常温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留
去した後、残留物をジクロロメタンに溶かし、NaHC
O3 の飽和溶液で洗浄した。有機層を無水MgSO4 上
で乾燥し、5当量のメタクロロペルオキシ安息香酸(m
CPBA)を加えて常温で2時間撹拌した。これに10
%Na2 S2 O3 溶液を加えて30分撹拌した後、有機
層をNaHCO3 飽和溶液で洗浄した。有機層を無水M
gSO4 上で乾燥し、溶媒をの除いた後、残留物をカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:
7)で精製して標題化合物263mg(収率76%)を
得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.82(d,6
H)、1.4−2.0(m,7H),2.6−3.9
(m,13H)、4.63(br,1H)、4.81
(d,1H),5.0(s,2H)、5.82(br,
1H)、7.0−7.5(m,11H) FAB MS(M+1)694
キシカルボニル)−β−メタンスルホニル−L−バリニ
ル]アミノ−(3R,2S)−エポキシ−5−フェニル
−1−ペンチル N−2R−(1−フェニル−3−メチ
ルブチル)カルバメ−トの製造 前記実施例1の段階1の生成物258mg(0.5mm
ol)をメタノール50mlに溶かし、10%のPc/
C25mgを加え、1気圧の水素雰囲気のもとで3時間
撹拌した。反応溶液をセライトに通過させて触媒を除い
た後、溶媒を減圧留去した。製造例1の標題化合物14
8mg(0.5mmol)、それぞれ1.5当量のED
C、HOBT及びトリエチルアミンをジメチルホルムア
ミド50mlに溶解し、これに上記で得られたアミンを
0℃で加えた後、常温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留
去した後、残留物をジクロロメタンに溶かし、NaHC
O3 の飽和溶液で洗浄した。有機層を無水MgSO4 上
で乾燥し、5当量のメタクロロペルオキシ安息香酸(m
CPBA)を加えて常温で2時間撹拌した。これに10
%Na2 S2 O3 溶液を加えて30分撹拌した後、有機
層をNaHCO3 飽和溶液で洗浄した。有機層を無水M
gSO4 上で乾燥し、溶媒をの除いた後、残留物をカラ
ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:
7)で精製して標題化合物263mg(収率76%)を
得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.82(d,6
H)、1.4−2.0(m,7H),2.6−3.9
(m,13H)、4.63(br,1H)、4.81
(d,1H),5.0(s,2H)、5.82(br,
1H)、7.0−7.5(m,11H) FAB MS(M+1)694
【0019】実施例5及び6 前記実施例4と類似な方法を用いて下記表1に示した化
合物を収得した。実施例7 :4S−[N−(2−キノリンカルボニル)−
β−メタンスルホニル−L−バリニル]アミノ−(3
R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル
N−2S−(1−フェニル−3−メチルブチル)カルバ
メートの製造 前記実施例4の生成物347mg(0.5mmol)を
メタノール20mlに溶解し、10%のPd/C34m
gを加え、1気圧の水素雰囲気のもとで3時間撹拌し
た。反応溶液をセライトに通過させて触媒を除いた後、
溶媒を減圧留去した。2−キノリンカルボン酸86.6
mg(0.5mmol)とそれぞれ1.5当量のEDC
及びHOBTをジメチルホルムアミド10mlに溶解
し、これに上記で得られたアミンを0℃で添加して常温
で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残留物をジ
クロロメタンに溶かし、NaHCO3 飽和溶液で洗浄し
た。有機層を無水Na2 SO4 上で乾燥し、溶媒を減圧
留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=3:7)で精製して標題化合物22
1mg(収率62%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.81(m,6
H)、1.4−2.0(m,7H)、2.6−3.8
(m,12H)、4.12(m,2H)、4.63(b
r,1H)、4.82(d,1H)、5.42(br,
1H)、7.0−7.5(m,10H)、9.33(b
r,1H) FAB MS(M+1)715
合物を収得した。実施例7 :4S−[N−(2−キノリンカルボニル)−
β−メタンスルホニル−L−バリニル]アミノ−(3
R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル
N−2S−(1−フェニル−3−メチルブチル)カルバ
メートの製造 前記実施例4の生成物347mg(0.5mmol)を
メタノール20mlに溶解し、10%のPd/C34m
gを加え、1気圧の水素雰囲気のもとで3時間撹拌し
た。反応溶液をセライトに通過させて触媒を除いた後、
溶媒を減圧留去した。2−キノリンカルボン酸86.6
mg(0.5mmol)とそれぞれ1.5当量のEDC
及びHOBTをジメチルホルムアミド10mlに溶解
し、これに上記で得られたアミンを0℃で添加して常温
で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残留物をジ
クロロメタンに溶かし、NaHCO3 飽和溶液で洗浄し
た。有機層を無水Na2 SO4 上で乾燥し、溶媒を減圧
留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=3:7)で精製して標題化合物22
1mg(収率62%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.81(m,6
H)、1.4−2.0(m,7H)、2.6−3.8
(m,12H)、4.12(m,2H)、4.63(b
r,1H)、4.82(d,1H)、5.42(br,
1H)、7.0−7.5(m,10H)、9.33(b
r,1H) FAB MS(M+1)715
【0020】実施例8及び9 前記実施例7と類似な方法を用いて下記表2に示した化
合物を収得した。実施例10 :4S−[N−(5−イソキノリニルオキシ
メチルカルボニル)−β−メタンスルホニル−L−バリ
ニル]アミノ−(3R,2S)−エポキシ−5−フェニ
ル−1−ペンチル N−2R−(1−フェニル−3−メ
チルブチル)カルバメートの製造 前記実施例4の生成物347mg(0.5mmol)を
メタノール20mlに溶かし、10%Pd/C34mg
を加え、1気圧の水素雰囲気のもとで3時間撹拌した。
反応溶液をセライトに通過させて触媒を除いた後、溶媒
を減圧留去した。5−イソキノリニルオキシ酢酸101
mg(0.5mmol)とそれぞれ1.5当量のEDC
及びHOBTをジメチルホルムアミド10mlに溶か
し、これに上記で得られたアミンを0℃で添加して常温
で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残留物をジ
クロロメタンに溶解し、NaHCO3 飽和溶液で洗浄し
た。有機層を無水Na2 SO4 上で乾燥し、溶媒を減圧
留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=3:7)で精製して標題化合物31
6mg(収率85%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.83(m,6
H)、1.5−2.0(m,7H),2.4−3.8
(m,12H)、4.13(m,1H)、4.63(b
r,1H),4.71(s,2H)、4.82(d.1
H)、5.82(br,1H)、7.0−8.5(m,
16H)、9.32(br,1H) FAB MS(M+1)745
合物を収得した。実施例10 :4S−[N−(5−イソキノリニルオキシ
メチルカルボニル)−β−メタンスルホニル−L−バリ
ニル]アミノ−(3R,2S)−エポキシ−5−フェニ
ル−1−ペンチル N−2R−(1−フェニル−3−メ
チルブチル)カルバメートの製造 前記実施例4の生成物347mg(0.5mmol)を
メタノール20mlに溶かし、10%Pd/C34mg
を加え、1気圧の水素雰囲気のもとで3時間撹拌した。
反応溶液をセライトに通過させて触媒を除いた後、溶媒
を減圧留去した。5−イソキノリニルオキシ酢酸101
mg(0.5mmol)とそれぞれ1.5当量のEDC
及びHOBTをジメチルホルムアミド10mlに溶か
し、これに上記で得られたアミンを0℃で添加して常温
で6時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残留物をジ
クロロメタンに溶解し、NaHCO3 飽和溶液で洗浄し
た。有機層を無水Na2 SO4 上で乾燥し、溶媒を減圧
留去した後、残留物をカラムクロマトグラフィー(ヘキ
サン:酢酸エチル=3:7)で精製して標題化合物31
6mg(収率85%)を得た。1 H NMR(CDCl3 )δ 0.83(m,6
H)、1.5−2.0(m,7H),2.4−3.8
(m,12H)、4.13(m,1H)、4.63(b
r,1H),4.71(s,2H)、4.82(d.1
H)、5.82(br,1H)、7.0−8.5(m,
16H)、9.32(br,1H) FAB MS(M+1)745
【0021】実施例11及び12 前記実施例10と類似な方法を用いて下記表2に示した
化合物を収得した。
化合物を収得した。
【表1】
【表2】
【0022】HIVプロテアーゼの阻害効能分析 本発明の化合物のHIVプロテアーゼに対する阻害効能
を確かめるために下記の方法を使用した。50mM酢酸
ナトリウム、pH0.5、1mMジチオトレイトール
(dithiothreitol)、1mMエチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、0.75M硫酸アンモニウ
ムと0.1%NP40を含む緩衝溶液に様々な濃度の実
施例1乃至12の化合物を加えて予備培養溶液を作っ
た。これに2.6nMのHIV−1プロテアーゼを加え
ることによって阻害反応を開始した。一定時間ごとに反
応溶液を10μlずつ取り、上記と同一な緩衝溶液に反
応基質100μlを含む分析溶液80μlを加えて残留
酵素活性を検定した。この際、反応基質としては、H−
His−Lys−Ala−Arg−Val−Leu−P
he−(p−NO2 )−(Glu−Ala−Ile−S
er−NH2 )の11個のアミノ酸からなるオリゴペプ
チドを使用した。該基質は、HIVプロテアーゼにより
LeuとPhe−(p−NO2 )の間のアミド結合が切
られるが、その反応速度は、Phe−(p−NO2 )の
280nmでの強い吸光度を用い、反応前の基質と反応
後の生成物をHPLCで分離して生成物の相対量を測定
することにより決定した。酵素活性の経時減少量を求
め、減少量の自然対数値(1n)を時間に対しグラフに
プロットしてkobs を求めた。阻害常数は下記式によっ
て求めた。 (ここで、kobs は阻害剤の存在下における酵素活性の
減少速度を表す速度定数、KI は酵素と阻害剤とから形
成されるミカエリス−メンテン(Michaelis−
Menten)複合体の生成の平衡定数によって表され
る阻害定数、kin a はミカエリス−メンテン複合体にお
いて酵素と阻害剤との間に不可逆的な共有結合が形成さ
れる速度を表す速度定数、及び[I]は阻害剤の濃度を
示す) 上記の方法は阻害剤濃度が酵素濃度より格段に高い条件
(定常状態条件)に適用可能である。しかし、阻害剤が
高活性のため、阻害剤の濃度が本発明に低くなる場合は
下記式を直接用いる。 (ここで、E:遊離酵素、I:遊離阻害剤、EI:ミカ
エリス−メンテン複合体、EI′:酵素と阻害剤の共有
結合を有する複合体)即ち、定常状態の仮定をしない
で、各時間ごとに活性酵素の相対的濃度[E]/
([E]+[EI]+[EI′])の値をKINSIM
/FITSIMのプログラムに入力して阻害常数KI と
kina そして2次速度常数(second order
rate constant)であるkina /KI を
求めた。kina /k1 が非常に高く、109以上である
場合はKINSIM/FITSIMによって正確な値を
求めるに限界がある[Williams,J.W.an
d Morrison, J.F.(1979)Met
hods Enzymol.63,437−466(1
079);Zimmerle,C.T.and Fri
eden,C.J.Bochem.258,381−3
87(1989)]。かくして求めた阻害常数は下記表
3に示した。本発明の化合物の場合、いずれも2次阻害
常数(kina /KI )の値が高いので、HIVプロテア
ーゼと本発明の化合物の間に非可逆的な反応が起ること
がわかる。
を確かめるために下記の方法を使用した。50mM酢酸
ナトリウム、pH0.5、1mMジチオトレイトール
(dithiothreitol)、1mMエチレンジ
アミン四酢酸(EDTA)、0.75M硫酸アンモニウ
ムと0.1%NP40を含む緩衝溶液に様々な濃度の実
施例1乃至12の化合物を加えて予備培養溶液を作っ
た。これに2.6nMのHIV−1プロテアーゼを加え
ることによって阻害反応を開始した。一定時間ごとに反
応溶液を10μlずつ取り、上記と同一な緩衝溶液に反
応基質100μlを含む分析溶液80μlを加えて残留
酵素活性を検定した。この際、反応基質としては、H−
His−Lys−Ala−Arg−Val−Leu−P
he−(p−NO2 )−(Glu−Ala−Ile−S
er−NH2 )の11個のアミノ酸からなるオリゴペプ
チドを使用した。該基質は、HIVプロテアーゼにより
LeuとPhe−(p−NO2 )の間のアミド結合が切
られるが、その反応速度は、Phe−(p−NO2 )の
280nmでの強い吸光度を用い、反応前の基質と反応
後の生成物をHPLCで分離して生成物の相対量を測定
することにより決定した。酵素活性の経時減少量を求
め、減少量の自然対数値(1n)を時間に対しグラフに
プロットしてkobs を求めた。阻害常数は下記式によっ
て求めた。 (ここで、kobs は阻害剤の存在下における酵素活性の
減少速度を表す速度定数、KI は酵素と阻害剤とから形
成されるミカエリス−メンテン(Michaelis−
Menten)複合体の生成の平衡定数によって表され
る阻害定数、kin a はミカエリス−メンテン複合体にお
いて酵素と阻害剤との間に不可逆的な共有結合が形成さ
れる速度を表す速度定数、及び[I]は阻害剤の濃度を
示す) 上記の方法は阻害剤濃度が酵素濃度より格段に高い条件
(定常状態条件)に適用可能である。しかし、阻害剤が
高活性のため、阻害剤の濃度が本発明に低くなる場合は
下記式を直接用いる。 (ここで、E:遊離酵素、I:遊離阻害剤、EI:ミカ
エリス−メンテン複合体、EI′:酵素と阻害剤の共有
結合を有する複合体)即ち、定常状態の仮定をしない
で、各時間ごとに活性酵素の相対的濃度[E]/
([E]+[EI]+[EI′])の値をKINSIM
/FITSIMのプログラムに入力して阻害常数KI と
kina そして2次速度常数(second order
rate constant)であるkina /KI を
求めた。kina /k1 が非常に高く、109以上である
場合はKINSIM/FITSIMによって正確な値を
求めるに限界がある[Williams,J.W.an
d Morrison, J.F.(1979)Met
hods Enzymol.63,437−466(1
079);Zimmerle,C.T.and Fri
eden,C.J.Bochem.258,381−3
87(1989)]。かくして求めた阻害常数は下記表
3に示した。本発明の化合物の場合、いずれも2次阻害
常数(kina /KI )の値が高いので、HIVプロテア
ーゼと本発明の化合物の間に非可逆的な反応が起ること
がわかる。
【0023】杭ウイルス活性及び細胞毒性測定 杭ウイルス効果は、シンシチウム形成の調査と逆転写酵
素の検定によってウイルス複製を50%阻止する濃度
(IC50)を持って表した。それぞれ1X105 個のH
9細胞(ATCC HTB176)とSup T1細胞
株を24ウェル平板に入れ、これに種々の濃度の本発明
の化合物を加えた。次いで、200TCID50(50%
細胞感染濃度(tissue culture inf
ectious doseの200倍)の量のHIV−
1接種源とRpmi−1640培地を加えた後、37℃
で培養した。Sup T1の場合は、3ないし9日後に
形成されたシンシチウムの個数を調べた。H9の場合
は、3日間隔に培養液の3/4を新しい培養液で代え
た。9日後、培養液6mlを取って2.5mlの30%
PEG(ポリエチレングリコール、分子量約6000な
いし約8000)と0.4MNaClを加え、0℃で一
晩静置してウイルスを沈殿させた。2000rpmで4
5分間遠心分離し、上澄液は捨て、沈殿物に20μlの
逆転写酵素懸濁液を加えて希釈させ、エフェンドルフ管
に入れて−70℃で保管した。なお、この懸濁液には、
50mMのトリス緩衝液(Sigma)、pH7.5、
1mMのジチオトレイトール、20%のグリセロール、
0.25M KCIとトリトンX−100 0.25%
が含まれている。前記懸濁液をドライアイスで2分間凍
らせてから2分間37℃で溶かす課程を3回繰り返した
後、4℃で遠心分離し、上燈液を用いて逆転写酵素を検
定した。逆転写酵素の検定溶液としては、前記ウイルス
懸濁液10μl、10μlのトリス緩衝液(250mM
トリス、pH7.5、37.5mM MgCl2 、0.
25%トリトンX−100)、1.2μlの200mM
のジチオトレイトール、5μlの100μlの100μ
Mオリゴ(dT)−ポリ(A)(ベリンガーマンハイム
(Boeringer Mannheim)、12−1
8オリゴマー)、 3Hの含まれたTTP(三リン酸チミ
ン)1μl(1μCi)、及び23.6μlの水を混合
して使用した。1時間後、前記溶液をWHATMAN
DEBI濾紙に通した後、この濾紙を2 X SSC緩
衝溶液で3回洗浄し(1回に10分程度所要)、次い
で、95%のメタノールで10秒間2回洗浄した。濾紙
をアルミニウム・ホイルに載せて赤外線ランプで乾かし
た後、液体閃光計数器で定量した。効AIDS剤の最大
許容値を決定するための細胞毒性を検査するために、H
9細胞又はSup Ti細胞に0.1μMないし100
μM範囲の化合物を加えた後、Rpmi−1640培地
で37℃に培養し、3日間隔に培養液を代えながら細胞
の増殖度をトリパンブルー染料排除法(Trypan
blue dyeexclusion techniq
ue)に従って血球計算器で2週間観察して細胞毒性C
T50を決定した。測定された杭ウイルス活性及び細胞毒
性の結果を下記表3に示した。
素の検定によってウイルス複製を50%阻止する濃度
(IC50)を持って表した。それぞれ1X105 個のH
9細胞(ATCC HTB176)とSup T1細胞
株を24ウェル平板に入れ、これに種々の濃度の本発明
の化合物を加えた。次いで、200TCID50(50%
細胞感染濃度(tissue culture inf
ectious doseの200倍)の量のHIV−
1接種源とRpmi−1640培地を加えた後、37℃
で培養した。Sup T1の場合は、3ないし9日後に
形成されたシンシチウムの個数を調べた。H9の場合
は、3日間隔に培養液の3/4を新しい培養液で代え
た。9日後、培養液6mlを取って2.5mlの30%
PEG(ポリエチレングリコール、分子量約6000な
いし約8000)と0.4MNaClを加え、0℃で一
晩静置してウイルスを沈殿させた。2000rpmで4
5分間遠心分離し、上澄液は捨て、沈殿物に20μlの
逆転写酵素懸濁液を加えて希釈させ、エフェンドルフ管
に入れて−70℃で保管した。なお、この懸濁液には、
50mMのトリス緩衝液(Sigma)、pH7.5、
1mMのジチオトレイトール、20%のグリセロール、
0.25M KCIとトリトンX−100 0.25%
が含まれている。前記懸濁液をドライアイスで2分間凍
らせてから2分間37℃で溶かす課程を3回繰り返した
後、4℃で遠心分離し、上燈液を用いて逆転写酵素を検
定した。逆転写酵素の検定溶液としては、前記ウイルス
懸濁液10μl、10μlのトリス緩衝液(250mM
トリス、pH7.5、37.5mM MgCl2 、0.
25%トリトンX−100)、1.2μlの200mM
のジチオトレイトール、5μlの100μlの100μ
Mオリゴ(dT)−ポリ(A)(ベリンガーマンハイム
(Boeringer Mannheim)、12−1
8オリゴマー)、 3Hの含まれたTTP(三リン酸チミ
ン)1μl(1μCi)、及び23.6μlの水を混合
して使用した。1時間後、前記溶液をWHATMAN
DEBI濾紙に通した後、この濾紙を2 X SSC緩
衝溶液で3回洗浄し(1回に10分程度所要)、次い
で、95%のメタノールで10秒間2回洗浄した。濾紙
をアルミニウム・ホイルに載せて赤外線ランプで乾かし
た後、液体閃光計数器で定量した。効AIDS剤の最大
許容値を決定するための細胞毒性を検査するために、H
9細胞又はSup Ti細胞に0.1μMないし100
μM範囲の化合物を加えた後、Rpmi−1640培地
で37℃に培養し、3日間隔に培養液を代えながら細胞
の増殖度をトリパンブルー染料排除法(Trypan
blue dyeexclusion techniq
ue)に従って血球計算器で2週間観察して細胞毒性C
T50を決定した。測定された杭ウイルス活性及び細胞毒
性の結果を下記表3に示した。
【表3】 以上のように、本発明の一般式(I)の化合物は、HI
Vプロテアーゼに非可逆的阻害剤として作用するのでそ
の阻害効果が高く、かつ、細胞毒性が低いので、後天性
免疫不全症候群(AIDS)の治療又はHIV感染の予
防のための薬剤学的組成物として有用に使用できる。
Vプロテアーゼに非可逆的阻害剤として作用するのでそ
の阻害効果が高く、かつ、細胞毒性が低いので、後天性
免疫不全症候群(AIDS)の治療又はHIV感染の予
防のための薬剤学的組成物として有用に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 孫 永 燦 大韓民国大田廣域市儒城区道龍洞エルジ 寄宿舎305 (72)発明者 李 昌 宣 大韓民国大田廣域市儒城区道龍洞ラッキ ー アパート 5−304 (72)発明者 尹 興 植 大韓民国大田廣域市儒城区道龍洞ラッキ ー アパート 9−103 (72)発明者 金 聖 天 大韓民国大田廣域市西区三川洞13−1ブ ロック 新東亜 アパート 306−1001 (72)発明者 高 鍾 聲 大韓民国大田廣域市儒城区道龍洞ラッキ ー アパート 9−404 (72)発明者 金 忠 烈 大韓民国大田廣域市儒城区道龍洞ラッキ ー アパート 6−304 (56)参考文献 特開 平7−2820(JP,A) 特開 平8−193077(JP,A) 特開 平6−56812(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07D 405/00 - 405/14 A61K 31/335 A61K 31/47 C07D 303/00 - 303/48 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI/L(QUESTEL)
Claims (8)
- 【請求項1】 シス−エポキシドの構造を有する下記一
般式(I)の化合物及びその薬剤学的に許容可能な塩、
水和物と溶媒和物: 【化1】 上記式で、R1 は芳香族基、窒素を含有する芳香族基、
C1 −4 のアルキル、芳香族基に置換されたC1 −4 の
アルキル、窒素を含有する芳香族基に置換されたC1 −
4 のアルキル、C1 −4 のアルコキシ基、芳香族基に置
換されたC1 −4 のアルコキシ基又は窒素を含有する芳
香族基に置換されたC1 −4 のアルコキシ基;R2 はア
ミノ酸の残基又はC1 −4 のアルキルスルホニル基に置
換されたC1 −8 のアルキル;R3 はC1 −4 のアルキ
ル又は芳香族基に置換されたC1 −4 のアルキル;R4
は水素又はC1 −2 のアルキル、R5 はC1 −10のアル
キル又は芳香族基に置換されたC1 −10のアルキル;n
は1又は2である。 - 【請求項2】 R3 はベンジル基であり、R4 は水素で
あり、nは1である請求項1に記載のシス−エポキシド
化合物。 - 【請求項3】 R1 がキノリンラジカル、ベンジルオキ
シ基又は5−イソキノリンオキシメチル基である請求項
2に記載のシス−エポキシド化合物。 - 【請求項4】 R2 がアスパラギンの残基又は2−メタ
ンスルホニル−2−プロピルである請求項2に記載のシ
ス−エポキシド化合物。 - 【請求項5】 R5 が2、4−ジメチル−ペンチル、1
−フェニル−3−メチル−2−ブチル又は1−フェニル
−2−メチル−1−プロピルである請求項2に記載のシ
ス−エポキシド化合物。 - 【請求項6】 4S−[N−(2−キノリンカルボニ
ル)−L−アスパラギニル]アミノ−(3R,2S)−
エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル N−2R−
(1−フェニル−3−メチルブチル)カルバメート;4
S−[N−(2−キノリンカルボニル)−L−アスパラ
ギニル]アミノ−(3R,2S)−エポキシ−5−フェ
ニル−1−ペンチル N−1S−(1−フェニル−2−
メチルプロピル)カルバメート;4S−[N−(2−キ
ノリンカルボニル)−L−アスパラギニル]アミノ−
(3R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチ
ル N−3−(2,4−ジメチルペンチル)カルバメー
ト;4S−[N−(2−ベンジルオキシカルボニル)−
β−メタンスルホニル−L−バリニル]アミノ−(3
R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチルN
−2R−(1−フェニル−3−メチルブチル)カルバメ
ート;4S−[N−(2−ベンジルオキシカルボニル)
−β−メタンスルホニル−L−バリニル]アミノ−(3
R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチルN
−1S−(1−フェニル−2−メチルプロピル)カルバ
メート;4S−[N−(2−ベンジルオキシカルボニ
ル)−β−メタンスルホニル−L−バリニル]アミノ−
(3R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチ
ルN−3−(2、4−ジメチルペンチル)カルバメー
ト;4S−[N−(2−キノリンカルボニル)−β−メ
タンスルホニル−L−バリニル]アミノ−(3R,2
S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル N−2
R−(1−フェニル−3−メチルブチル)カルバメー
ト;4S−[N−(2−キノリンカルボニル)−β−メ
タンスルホニル−L−バリニル]アミノ−(3R,2
S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル N−1
S−(1−フェニル−2−メチルプロピル)カルバメー
ト;4S−[N−(2−キノリンカルボニル)−β−メ
タンスルホニル−L−バリニル]アミノ−(3R,2
S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル N−3
−(2、4−ジメチルペンチル)カルバメート;4S−
[N−(5−イソキノリニルオキシメチレンカルボニ
ル)−β−メタンスルホニル−L−バリニル]アミノ−
(3R,2S)−エポキシ−5−フェニル−1−ペンチ
ル N−2R−(1−フェニル−3−メチルブチル)カ
ルバメート;4S−[N−(5−イソキノリニルオキシ
メチレンカルボニル)−β−メタンスルホニル−L−バ
リニル]アミノ−(3R,2S)−エポキシ−5−フェ
ニル−1−ペンチル N−1S−(1−フェニル−2−
メチルプロピル)カルバメート;4S−[N−(5−イ
ソキノリニルオキシメチレンカルボニル)−β−メタン
スルホニル−L−バリニル]アミノ−(3R,2S)−
エポキシ−5−フェニル−1−ペンチル N−3−
(2,4−ジメチルペンチル)カルバメート;からなる
群から選ばれた請求項1に記載の化合物。 - 【請求項7】 下記式(a)の化合物をエポキシ化して
得られた生成物と下記式(b)の化合物をカップリング
反応させて下記式(c)の化合物を製造する段階と; 下記式(c)の化合物からベンジルオキシカルボニル保
護基を除いて一般式(d)の化合物を得る段階と; 下記式(d)の化合物と下記式(e)の化合物をカップ
リングして下記式(f)の化合物を製造する段階、又
は、下記式(d)の化合物と下記式(e′)の化合物を
カップリングして得られる生成物を酸化反応することに
よって下記式(f)の化合物を製造する段階と; 下記式(f)の化合物からベンジルオキシカルボニル保
護基を除いて下記式(g)の化合物を得る段階、及び; 下記式(g)の化合物を下記式(h)の化合物又は下記
式(i)の化合物とカップリング反応を行う段階とを含
むことを特徴とする請求項1に記載の一般式(I)の化
合物の製造方法。 【化2】 上記式で、 R1は芳香族基、窒素を含有する芳香族基、C1−4の
アルキル、芳香族基に置換されたC1−4のアルキル、
窒素を含有する芳香族基に置換されたC1−4のアルキ
ル、C1−4のアルコキシ基、芳香族基に置換されたC
1−4のアルコキシ基又は窒素を含有する芳香族基に置
換されたC1−4のアルコキシ基;R2はアミノ酸の残
基又はC1−4のアルキルスルホニル基に置換されたC
1−8のアルキル;R3はC1−4のアルキル又は芳香
族基に置換されたC1−4のアルキル;R4は水素又は
C1−2のアルキル;R5はC1−10のアルキル又は
芳香族基に置換されたC1−10のアルキル;R6はC
1−4アルキル;R7はC1−4アルキル;Cbzはベ
ンジルオキシカルボニル基である。 - 【請求項8】 請求項1ないし請求項6のシス−エポキ
シド化合物及びその薬剤学的に許容な塩、水和物、溶媒
和物と薬剤学的に許容な担体を含むHIV感染の予防或
いは後天性免疫不全症候群の治療のための薬学組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8168348A JP2849810B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | ヒト免疫不全ウイルス(hiv)プロテアーゼ阻害化合物、その製造方法、及びそれを含む組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8168348A JP2849810B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | ヒト免疫不全ウイルス(hiv)プロテアーゼ阻害化合物、その製造方法、及びそれを含む組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH107672A JPH107672A (ja) | 1998-01-13 |
JP2849810B2 true JP2849810B2 (ja) | 1999-01-27 |
Family
ID=15866404
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8168348A Expired - Lifetime JP2849810B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | ヒト免疫不全ウイルス(hiv)プロテアーゼ阻害化合物、その製造方法、及びそれを含む組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2849810B2 (ja) |
-
1996
- 1996-06-07 JP JP8168348A patent/JP2849810B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH107672A (ja) | 1998-01-13 |
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