JP2849597B2 - 段ボール製緩衝材及び緩衝具 - Google Patents

段ボール製緩衝材及び緩衝具

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、梱包用ケースの内部に
収納して、ケースの搬送時に内部の梱包製品や、製品の
各隅部を効果的に保護するようにした段ボール製緩衝材
及び緩衝具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】段ボール紙を使用し、梱包用ケースの内
部に収納して梱包製品を保護する緩衝材としては、例え
ば実開平4−124631号公報、特開平4−2794
72号公報に記載のものが従来より知られている。上記
した実開平4−124631号公報に記載のものは、積
層段ボールにV字状の溝を設けた構成で、また特開平4
−279472号公報に記載のものは積層段ボールから
なる左右の支持板間に、アングル板を架設した構成であ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、前者の緩
衝材は梱包製品の隅部しか保護することができないし、
後者の緩衝材は特定の形状にしか使用することができな
い。しかし、最近の電化製品、電子製品、家具等は構
造、機能、形状等がきわめて変化に富み、外観が複雑と
なって多様化された品目が増加するため、各製品ごとの
梱包用ケースが必要になり、汎用することができない。
したがって、1種類の梱包用ケースで数種類の製品を梱
包することができれば、その数だけケースの種類を軽減
することができ、ケースの作製や資材の節約となって経
済的効果が高いため、多種類の製品を1種類のケースに
収納することができる緩衝材が要望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した従来
の欠点を解消し、また従来からの要望に対処するために
提案されたもので、段ボール素材に、少なくとも左右の
側縁部を除いて横幅方向のほぼ全長に達する長さのスリ
ットと、前記スリットに対して直交する方向で段ボール
素材の厚さ程度の長さの補助スリットとを形成してスリ
ット全体をH字状にしてなる第1のスリットを貫通状に
形成して、第1のスリットによる切断部分と第1のスリ
ットを設けていない非切断部分とを有する第1の折曲部
分を一定の間隔で並列状に複数形成すると共に、横幅方
向の全長に達する長さで段ボール素材の厚さの一部を切
断した第2のスリットを、隣り合う前記第1の折曲部分
の間に設けて、第2のスリットによる切断部分によって
第2の折曲部分を、第1の折曲部分と交互に一定の間隔
で並列状に複数形成し、上記第1の折曲部分と第2の折
曲部分とによって挾まれる平面状部分を、第1の折曲部
分と第2の折曲部分の位置で交互に折返状に折曲して重
合させてなる段ボール製緩衝材、及び上記段ボール製緩
衝材を、上方が開放して四面の周壁と下端の底壁とより
構成され、隣合う周壁の上部を連続して切欠いた保護枠
の内部に収納してなる緩衝具に関するものである。
【0005】
【作用】前記段ボール製緩衝材は、段ボールを重合した
構成であるからきわめて弾力性に富み、しかも重合する
段ボールの枚数によりどのような厚さにでも、またどの
ような寸法にでも作製することができる。
【0006】また、段ボール製緩衝材を収納する緩衝具
は、隣合う周壁の上部を連続して切欠いた保護枠である
ので、梱包用ケース内の隅部に配置することにより、収
納する梱包製品の隅部を支持して保護することができ
る。
【0007】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の最も基本的な第1実施例を示すも
ので、横長な段ボール素材1には、左右の側縁部を除い
て横幅方向のほぼ全長に達する長さの第1のスリット2
を貫通状に形成し、上記第1のスリット2による切断部
分3と、第1のスリット2を設けていない非切断部分4
とを設け、この切断部分3と非切断部分4とが連続する
線上を第1の折曲部分5とする。
【0008】図1の第1実施例では、上記第1のスリッ
ト2が段ボール素材1の中央部分に横幅方向を横切るよ
うに形成してあるので、切断部分3が段ボール素材1の
中央部分に、非切断部分4が段ボール素材1の左右縁部
に位置する。そしてこの第1の折曲部分5は、段ボール
素材1に一定の間隔で長さ方向に並列状に複数形成す
る。
【0009】そして、第1の折曲部分5における第1の
スリット2の両端部に、段ボール素材1の厚さ程度、若
しくはやや長い程度の補助スリット10を、第1のスリ
ット2に直交する方向に形成して、第1の折曲部分5の
スリット全体をH字状にした構成である。
【0010】また、前記段ボール素材1において、隣り
合う第1折曲部分5の中間部分には、横幅方向の全長に
達する長さで段ボール素材1の厚さの一部を切断した第
2のスリット6が夫々設けられ、この第2のスリット6
よって第2の折曲部分7が、第1の折曲部分5と交互に
一定の間隔で並列状に複数形成される。
【0011】上記した第1の折曲部分5と第2の折曲部
分7とは、段ボール素材1の横幅方向に交互に存在して
いるので、第1の折曲部分5と第2の折曲部分7とによ
って挾まれる平面状部分8を、第1の折曲部分5と第2
の折曲部分7の位置において交互に、折返状に折曲して
重合させることにより、複数枚の平面状部分8が重合し
てクッション性の高い本発明の段ボール製緩衝材9を構
成することができることになる。
【0012】この場合、第2の折曲部分7を形成する第
2のスリット6は、段ボール素材1の横幅方向の全長に
達する長さであり、しかも段ボール素材の厚さの一部、
例えば裏面フラップを除いた表面フラップと波状の中芯
フラップ、若しくは段ボール素材が2層の段ボールから
なる場合は1層の段ボール部分を切断してなるので、折
曲が簡単且つ確実であり、特に段ボール素材1が硬質で
あったり、厚肉の場合に有効で適している。
【0013】本発明の上記した段ボール製緩衝材9は、
平面状部分8の横幅と縦幅、及び重合枚数により自由に
寸法を設定することができ、梱包ケースと内部に収納す
る梱包製品とにより、最適な寸法のものを作製すること
ができる。また、段ボール素材1の中芯フラップの波方
向は、図1では第1の折曲部分5或いは第2の折曲部分
7に直交する方向であるが、第1の折曲部分5或いは第
2の折曲部分7に平行であっても良い。
【0014】なお、1本の第1の折曲部分5に対して2
本以上の第1のスリット2を並列してミシン目状に形成
すると、段ボール素材1の横幅が長い場合に折曲し易く
て有効である。
【0015】本発明の第2実施例を上記の構成にする
と、例えば段ボール素材1が比較的硬質な場合、または
段ボール素材1の厚手の場合に有効で、第1の折曲部分
5で折り曲げ易いし、折り曲げた場合に第1のスリット
2の切断端面や非切断部分4が崩れたり、破損すること
が少ない。
【0016】図2、3に示す本発明の第2実施例は、本
発明の前記第1実施例における補助スリット10の両端
部に、第1のスリット2と平行であって、段ボール素材
1の側縁部にまで延びる折曲用の折れ線11を左右1対
で形成した構成である。
【0017】本発明の第2実施例を上記の構成にする
と、第1の折曲部分5を折曲した場合に非切断部分4に
おいて折れ線11の部分が折曲することになり、前記第
1実施例と同様に段ボール素材1が硬質な場合、厚手の
場合に特に有効で、しかも非切断部分4の位置において
折曲される部分が折れ線11により明瞭となる。したが
って体裁が良いばかりでなく、崩れたり破損することが
少ない。
【0018】次に、図4に示す本発明の第3実施例は、
前記した第1、2実施例において、第2のスリット6を
中心にして、左右の第1の折曲部分5によって挾まれる
2つの平面状部分8に上端が開放する方形状の欠如部1
2を形成し、第2の折曲部分7を短くした構成である。
【0019】本発明の第3実施例を上記の構成にする
と、各平面状部分8がL字状になるので、第1の折曲部
分5と第2の折曲部分7との位置において平面状部分8
を交互に折返状に折曲して重合させることにより、複数
枚の平面状部分8が重合して本発明の段ボール製緩衝材
9を構成することになるが、この場合、方形状の欠如部
12によって構成された段ボール製緩衝材9はL字形状
となる。
【0020】図5に示す本発明の第4実施例では、前記
した第2実施例の段ボール製緩衝材9の一端に、第3実
施例に示す構成の段ボール製緩衝材9を連続して一体に
して1枚の段ボール素材から作製したものである。した
がって、第2実施例の緩衝材と第3実施例のL字状の緩
衝材とが連続して一体に構成される。
【0021】図6は、上記した各実施例で示した段ボー
ル製緩衝材9を収納して構成される緩衝具13の保護枠
の展開図を示すもので、上方が開放され、四面の周壁1
4と下端の底壁15とより構成され、隣合う周壁14
a、14bの上部を連続して切欠いた構成の保護枠とな
っている。
【0022】上記した保護枠の上部に連続して形成され
る切欠き部分は、左右に隣り合う周壁14a、14bの
一方の周壁14a部分を適宜位置で上端から下部にかけ
て垂直に切断すると共に、この垂直切断部分から水平に
他方の周壁14b方向に切断し、更にそのまま他方の周
壁14b部分を適宜量だけ水平に切断して構成されるも
ので、この他方の周壁14b部分の水平切断端部分で、
他方の周壁14b部分を上端にかけて垂直に折り曲げ、
隣合う周壁14a、14bの切り欠いた残存部によって
フラップ14cを構成するものである。
【0023】そして、四面の周壁14をそれぞれ直角に
折って筒壁構造にし、解放する下面を底壁15により閉
じることにより、上方が開放された保護枠が形成される
が、図7で示すように、この保護枠の一部の内部に前記
した第1、2実施例の段ボール製緩衝材9の何れかを隙
間なく収納すると共に、フラップ14cを有する部分
に、第3実施例に示した構成のL字状の段ボール製緩衝
材9を、隣合う周壁14a、14bの上部に連続して形
成された切欠き部分に、 この欠如部12が対応する形
態で隙間なく収納すると、前記保護枠の内部に第1実施
例または第2実施例の緩衝材と、第3実施例の緩衝材と
が充満した緩衝具13となるのである。
【0024】また、前記本発明の第4実施例に示した段
ボール製緩衝材9は、第2実施例と第3実施例との緩衝
材を一体に連続させた構成であるから、前記保護枠の内
部に上から、または下から収納することができる。そし
て、フラップ14cを第3実施例の緩衝材のL字形状の
垂直部分に当接させ、更に第3実施例の段ボール製緩衝
材9と、第1、2実施例の段ボール製緩衝材9との間に
フラップ14cの端部を挿入して嵌め込みすることによ
り、フラップ14cがL字形状部分を包む形態となっ
て、接着剤を使用することなく各段ボール製緩衝材9は
ケース内に隙間なく密に収納される。
【0025】この緩衝具13は、切り欠かれた部分で、
第4実施例に示した段ボール製緩衝材9のL字形状の水
平部分が位置するので、緩衝具13を梱包ケースの隅部
に配置して、梱包製品を収納した場合に、梱包製品の隅
部がこのL字形状の水平部分に乗載し、梱包製品の隅部
を保護することになる。
【0026】以上、本発明を図面の実施例に基づいて説
明したが、本発明は上記した実施例に限定されるもので
はなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限り
どのようにでも実施することができる。
【0027】
【発明の効果】以上要するに本発明は、段ボール素材
に、少なくとも左右の側縁部を除いて横幅方向のほぼ全
長に達する長さのスリットと、前記スリットに対して直
交する方向で段ボール素材熱さ程度の長さの補助スリッ
トとを形成してスリット全体をH字状にしてなる第1の
スリットを貫通状に形成して、第1のスリットによる切
断部分と第1のスリットを設けていない非切断部分とを
有する第1の折曲部分を一定の間隔で並列状に複数形成
すると共に、横幅方向の全長に達する長さで段ボール素
材の厚さの一部を切断した第2のスリットを、隣り合う
前記第1の折曲部分の間に設けて、第2のスリットによ
る切断部分によって第2の折曲部分を、第1の折曲部分
と交互に一定の間隔で並列状に複数形成し、上記第1の
折曲部分と第2の折曲部分とによって挾まれる平面状部
分を、第1の折曲部分と第2の折曲部分の位置で交互に
折返状に折曲して重合させた段ボール製緩衝材、若しく
は、上記段ボール製緩衝材を、上方が開放され、四面の
周壁と下端の底壁とより構成され、隣合う周壁の上部を
連続して切欠いた構成の保護枠の内部に収納した緩衝具
であるから、構造が簡単であって低廉に作製できるばか
りでなく、段ボール素材の長さに対応して全体的にどの
ような幅、熱さ寸法にでもすることができ、どのような
梱包ケース、梱包製品でおいても利用することができ
る。
【0028】また、緩衝効果が著しく良好なばかりでな
く、使用する場合には単に梱包ケースと製品との間に介
在させるだけであるから、梱包作業が容易で能率が良
い。しかも、段ボール素材を一定の寸法に切断してスリ
ットを形成するだけであるから作製が簡単であるし、段
ボール素材を無駄にすることがなく、更には梱包ケース
の種類を少なくして多種類の製品を収納することがで
き、実用的価値がきわめて高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の平面図である。
【図2】本発明の第2実施例の平面図である。
【図3】本発明の第2実施例の組立て状態の斜視図であ
る。
【図4】本発明の第3実施例の平面図である。
【図5】本発明の第4実施例の平面図である。
【図6】本発明の緩衝具の保護枠の展開図である。
【図7】本発明の緩衝具の分解斜視図である。
【図8】本発明の緩衝具の組立て状態の平面図である。
【図9】本発明の緩衝具の組立て状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 段ボール素材 2 第1のスリット 3 切断部分 4 非切断部分 5 第1の折曲部分 6 第2のスリット 7 第2の折曲部分 8 平面状部分 9 段ボール製緩衝材 10 補助スリット 11 折れ線 12 欠如部 13 緩衝具 14 周壁 15 底壁

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 段ボール素材に、少なくとも左右の側縁
    部を除いて横幅方向のほぼ全長に達する長さのスリット
    と、前記スリットに対して直交する方向で段ボール素材
    の厚さ程度の長さの補助スリットとを形成してスリット
    全体をH字状にしてなる第1のスリットを貫通状に形成
    して、第1のスリットによる切断部分と第1のスリット
    を設けていない非切断部分とを有する第1の折曲部分を
    一定の間隔で並列状に複数形成すると共に、横幅方向の
    全長に達する長さで段ボール素材の厚さの一部を切断し
    た第2のスリットを、隣り合う前記第1の折曲部分の間
    に設けて、第2のスリットによる切断部分によって第2
    の折曲部分を、第1の折曲部分と交互に一定の間隔で並
    列状に複数形成し、上記第1の折曲部分と第2の折曲部
    分とによって挾まれる平面状部分を、第1の折曲部分と
    第2の折曲部分の位置で交互に折返状に折曲して重合さ
    せてなる段ボール製緩衝材。
  2. 【請求項2】 補助スリットの両端部に、段ボール素材
    の側縁にまで延びる折曲用の折れ線を形成してなる請求
    項1に記載の段ボール製緩衝材。
  3. 【請求項3】 第2のスリットを中心にして、1対の第
    1の折曲部分によって挾まれる平面状部分に方形状の欠
    如部を形成してなる請求項1又は2に記載の段ボール製
    緩衝材。
  4. 【請求項4】 段ボール素材の一部に欠如部を形成して
    なる請求項3に記載の段ボール製緩衝材。
  5. 【請求項5】 段ボール素材に、少なくとも左右の側縁
    部を除いて横幅方向のほぼ全長に達する長さの第1のス
    リットを貫通状に形成して、第1のスリットによる切断
    部分と第1のスリットを設けていない非切断部分とを有
    する第1の折曲部分を一定の間隔で並列状に複数形成す
    ると共に、横幅方向の全長に達する長さで段ボール素材
    の厚さの一部を切断した第2のスリットを、隣り合う前
    記第1の折曲部分の間に設けて、第2のスリットによる
    切断部分によって第2の折曲部分を、第1の折曲部分と
    交互に一定の間隔で並列状に複数形成し、上記第1の折
    曲部分と第2の折曲部分とによって挾まれる平面状部分
    を、第1の折曲部分と第2の折曲部分の位置で交互に折
    返状に折曲して重合させてなる段ボール製緩衝材を、四
    面の周壁と下端の底壁とより構成されて上方が開放し、
    隣合う周壁の上部を連続して切欠いた構成の保護枠の内
    部に収納してなる緩衝具。
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