JP2849272B2 - インターロッキングブロック - Google Patents

インターロッキングブロック

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路又は公園等の舗装
に用いられるインターロッキングブロックに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】道路や公園等の舗装面には、美観の向
上、歩行性の改善または雨水を地下に吸収させるなどの
目的で、種々のインターロッキングブロックが敷設され
ている。
【0003】図4に、従来のインターロッキングブロッ
クの模式図を示す。インターロッキングブロック(1
1)は、コンクリート部材(7)を基材とし、モルタル
部材(5)を該コンクリート部材(7)の上層に配置し
たブロックである。これを製造するには、コンクリート
素材を型枠中にいれ、振動締固めを行ってコンクリート
部材(7)を形成する。その後、該コンクリート部材
(7)の上にモルタル部材(5)を載せて、振動締固め
を行いながらプレス成形してコンクリート部材(7)と
モルタル部材(5)を一体化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このインター
ロッキングブロック(11)は、強度や耐久性には優れ
ているものの、表面が硬いので、歩行する際に、騒音が
発生し、肉体的疲労が甚だしく、転倒したときに危険で
あり、該ブロック表面が濡れた場合に滑り抵抗性が大き
く低下する。さらに、前記ブロックのモルタル部材
(5)が消耗したときは、ブロック全体を取り替えなけ
ればならない。したがって、補修するのに多大な工数を
要した。
【0005】本発明の課題は、歩行の際に生ずる騒音を
少なくし、肉体的疲労を抑え、転倒したときの危険性を
少なくし、インターロッキングブロックの表面が濡れた
場合に滑り抵抗値が低くなるのを防止し、かつ補修を容
易にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンクリート
又はモルタルからなり、側面の全周にわたって溝部分が
設けられている下層部材と、加硫ゴムまたは液状バイン
ダーの硬化物からなり、前記下層部材に固定するための
固定用突起を有しかつ表面に多数の突起が形成されてい
る上層弾性部材とを有するインターロッキングブロック
であって、前記固定用突起が前記溝部分に係止されてい
るインターロッキングブロックに関するものである。
【0007】
【実施例】図1は、本発明に関するインターロッキング
ブロック(1)を模式的に示す斜視図である。図2は、
図1のII−II線矢視断面図であり、図3は、下層部材
(2)を示す斜視図である。本実施例のインターロッキ
ングブロック(1)は、コンクリートまたはモルタル製
の下層部材(2)と、加硫ゴムまたは液状バインダーの
硬化物からなる上層弾性部材(3)とからなっている。
下層部材(2)は、コンクリートまたはモルタルを型枠
内に入れ、振動締固めを行いながらプレス成形すること
で製造できる。
【0008】次いで、上層弾性部材(3)を下層部材
(2)の上に重ね、固定する。上層弾性部材(3)は、
特に図2に示すように、上面部(3a)、側面部(3
b)および固定用突起(3c)から構成されている。側
面部(3b)は細長い薄板状であり、上面部(3a)の
側周縁の全周にわたって設けられており、固定用突起
(3c)は、側面部(3b)の下端の内周面側に全周に
わたって設けられている。上面部(3a)の表面には、
多数の突起(3d)が設けられている。
【0009】下層部材(2)には、特に図3に示すよう
に、その側面全周にわたって溝部分(4)が形成されて
いる。該溝部分(4)に前記固定用突起(3c)を全周
にわたって収容し、係止することにより、下層部材
(2)に上層弾性部材(3)を固定できる。さらに、下
層部材(2)に対する上層弾性部材(3)の剥離強度を
高めるために、必要に応じて接着剤を用いてもよい。
【0010】次に、具体的な実験結果について述べる。
下層部材(2)はコンクリート製とし、下層部材(2)
の厚さを80mmとした。上層弾性部材(3)の主原料
としては、一般工業界で使用される天然ゴム、スチレン
ーブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレ
ンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン等があり、こ
れらをそれぞれ単独で用い、または混合して用いる。前
記ゴムに、加硫剤、加硫促進剤、充填剤、軟化剤、着色
剤等を混ぜ合わせたものを、小さな多数の凹凸を表面に
有するプレス金型内に仕込み、ゴム混合物を加圧加熱処
理することにより、上層弾性部材(3)を作製する。ま
た、加硫ゴムチップ等をウレタンバインダーもしくは液
状ゴム等と混合、加圧、硬化させて作製してもよい。上
層弾性部材(3)の厚みは、10mmとした。
【0011】表1に、本発明と従来のインターロッキン
グブロックの性能を評価した結果を示す。表1中の実施
例は、図1〜図3のインターロッキングブロックを用い
た場合を示す。比較例1においては、実施例と同様の上
層弾性部材(3)を用いるが、ただしその表面には突起
を設けず平滑にする。そして、コンクリート製下層部材
(2)に対して、接着剤だけを用いて上層弾性部材
(3)を接着し、固定した。比較例2においては、図4
に示す従来のインターロッキングブロックを用いた。各
例について、滑り抵抗性評価、歩行性評価、騒音試験、
摩耗性試験および180°剥離試験を行った結果を表1
に示す。
【0012】滑り抵抗性については、5および20℃
(±2℃)における乾燥状態または湿潤環境下におい
て、ASTM E−303−69法により滑り抵抗値を
測定した。歩行性および騒音は、ブロックを歩道に敷設
した際に、ブロック上を歩行し、試験した。 快適性は、次のように評価した。 「〇」歩行が快適にでき、疲労感が少ない。 「×」歩行はさほど快適ではなく、疲労感が残る。 騒音は、次のように評価した。 「〇」騒音がほとんどない。 「×」騒音がする。 摩耗性の項の「〇」は、1年使用後においても、摩耗や
表層の剥離はない。
【0013】
【表1】
【0014】表1より明らかなように、本発明のインタ
ーロッキングブロックは、乾燥および湿潤状態での滑り
抵抗性が比較例に比べて優れていることがわかる。特
に、5℃の温度における湿潤状態では、本発明品の方が
比較品に比べて顕著に優れていることが解る。また、1
80°剥離試験の結果においても、本発明品は充分実用
的なことがわかった。歩行性や騒音、摩耗性について
も、比較品に比べてなんら問題ないことがわかった。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、インターロッキングブ
ロックの上層が加硫ゴムまたは液状バインダーの硬化物
からなるので、歩きやすく、地面から伝わる足腰への衝
撃負担を緩和させることにより疲労感を少なくし、騒音
も小さくできる。また、上層弾性部材の表面には、多数
の突起が形成されていることから、特に低温湿潤時の滑
り抵抗値が大きく、歩行の際には滑りにくく、安全性も
高い。また、仮に歩行の際、転倒した場合でも人体に与
える影響を少なくできる。さらに、上層弾性部材は、下
層部材との嵌合により固定されているので、剥離強度が
高く、前記ゴム部材の使用寿命を長くすることができ
る。また、仮にブロックを補修するとしても、上層弾性
部材を変形させて下層部材から取り外すことで、ワンタ
ッチで簡単に補修できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例に関わるインターロッ
キングブロック(1)の斜視図である。
【図2】図2は、図1のII−II線で切って見た矢視断面
図である。
【図3】図3は、下層部材(2)を示す斜視図である。
【図4】図4は、従来のインターロッキングブロック
(11)の斜視図である。
【符号の説明】
1、11 インターロッキングブロック 2 下層部材 3 上層弾性部材 3a 上面部 3b 側面部 3c 固定用突起 3d 上層弾性部材の表面の突起 4 溝部分 5 モルタル部材 7 コンクリート部材

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート又はモルタルからなり、側
    面の全周にわたって溝部分が設けられている下層部材
    と、加硫ゴムまたは液状バインダーの硬化物からなり、
    前記下層部材に固定するための固定用突起を有しかつ表
    面に多数の突起が形成されている上層弾性部材とを有す
    るインターロッキングブロックであって、前記固定用突
    起が前記溝部分に係止されているインターロッキングブ
    ロック。
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