JP2848574B2 - 色ずれ補正装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は面順次式の撮像装置から入力される親子画面
の映像信号に対し、親画面の色ずれ補正と子画面の色ず
れ補正とを独立して行なう色ずれ補正装置に関する。

［従来技術］ 近年、細長の挿入部の先端側に照明光の出射手段を内
蔵するとともに、該照明光の出射手段で照明された被写
体像を結像する結像手段を内蔵した光学式内視鏡が実用
化された。

また、最近では、挿入部の先端側にCCDなどの固体撮
像素子を内蔵した電子内視鏡が実用化され、ディスプレ
イに被写体像をカラー表示したり、VTRなどの記録装置
に被写体像を記録、再生することも容易にできるように
なった。

さらに、近年の映像信号用A/Dコンバータやディジタ
ルIC、半導体メモリ素子などの発展とともに、画像のフ
リーズや画面割りなどの各種画像処理が容易に行なえる
ようになり、ディスプレイ画面を親画面と子画面との表
示領域に分割し、この親子画面を互いに動画から静止画
に切換えて診断に必要な情報を見やすく表示することが
可能となった。

尚、前記親子画面の表示に係わる技術は、例えば、米
国特許USP4712133号などに開示されている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、前記電子内視鏡においては、被写体のカラ
ー画像を得るため、挿入部の先端部に収納される固体撮
像素子によって先端部の外径が太くなるのを極力避け、
いわゆる面順次カラー撮像方式が採用される場合があ
る。

この面順次カラー撮像方式は、異なる波長域の照明光
で被写体を順次照明し、順次照明された被写体をモノク
ロの撮像素子で順次撮像して画像信号を合成することに
より一枚のカラー画像信号を得るものであり、光学的色
分離フィルタを用いたカラー撮像素子の場合よりも、少
ない画素数の撮像素子で高解像度のカラー画像が得られ
る。

反面、前記面順次カラー撮像方式では、被写体に動き
があると色ずれのあるカラー画像となって再生されてし
まうため、ディスプレイ画面を静止画から動画に切換え
た場合などには、色ずれを検出して色ずれ補正を行なう
必要がある。

しかしながら、従来、この色ずれ補正は全体画像に対
して行われるため、親子画面の一方が静止画であるにも
かかわらず、双方に対して色ずれ補正がなされてしま
い、その結果、静止画である親画面あるいは子画面が色
ずれ補正により画質の劣化を生じ、不自然な画像になる
おそれがある。

本発明は、上記従来例の欠点に鑑みてなされたもので
あり、面順次式の撮像装置から入力される親子画面の映
像信号に対し、親画面及び子画面の状態に応じて、親画
面の色ずれ補正と子画面の色ずれ補正とを独立して行な
い、見やすい画像を得ることのできる色ずれ補正装置を
提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本発明の色ずれ補正装置は、面順次式の撮像装置から
の映像信号の色ずれを補正する色ずれ補正手段と、前記
映像信号の親画面及び子画面の状態に対応した識別信号
を出力する親子画面状態識別手段と、前記親子画面状態
識別手段からの識別信号に応じ、前記色ずれ補正手段に
よる色ずれ補正を前記親画面と前記子画面とに対して独
立に設定する色ずれ補正設定手段とを備えたものであ
る。

［作 用］ 本発明では、面順次式の撮像装置からの映像信号の親
画面及び子画面の状態に応じ、親画面と子画面とに対す
る色ずれ補正が、独立して設定され実行される。

［実施例］ 以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。

第１図〜第５図は本発明の第１実施例を示し、第１図
は本発明による色ずれ補正装置の構成概念図、第２図は
色ずれ補正装置の構成図、第３図は親画面及び子画面に
対する色ずれ補正切換タイミングを示す説明図、第４図
はモード信号と映像切換信号との関係を示す説明図、第
５図は電子内視鏡装置の構成図である。

まず、第１図により、本発明に係わる色ずれ補正装置
を概念的に説明する。

この色ずれ補正装置は、色ずれ補正手段としての色ず
れ抑圧部M1と、親子画面状態識別手段としての親子画面
状態識別部M2と、色ずれ補正設定手段としての切換タイ
ミング設定部M3及び映像信号切換部M4とから構成されて
いる。

前記色ずれ抑圧部M1では、面順次式の撮像装置（例え
ば後述する第５図参照）からの映像入力（信号）の色ず
れを抑圧し、この色ずれを抑圧した映像信号と、前記面
順次式の撮像装置からの映像入力信号すなわち原映像入
力信号とが前記映像信号切換部M4に入力される。

また、前記親子画面状態識別部M2にて親画面及び子画
面の状態が識別され、各画面が動画であるか静止画であ
るかを示すモード信号が発生されて前記切換タイミング
設定部M3に入力される。

前記切換タイミング設定部M3では、親画面あるいは子
画面のいずれの画面に対して色ずれを抑圧するかを示す
タイミング信号を発生し、前記映像信号切換部M4に出力
する。

その結果、例えば親画面と子画面の状態が異なる場合
には、色ずれが抑圧された映像信号と原映像入力信号と
が、親画面と子画面との表示タイミング毎に前記映像信
号切換部M4にて切換えられ、親画面と子画面とに対して
独立の色ずれ補正がなされた映像出力（信号）が得られ
る。

次に、この色ずれ補正装置を電子内視鏡装置に適用し
た例を、第５図に基づいて説明する。

第５図において、電子内視鏡装置１は、面順次式の電
子スコープ２と、この電子スコープ２に面順次照明光を
供給する面順次式光源装置３及び画像処理装置４とを内
蔵したビデオプロセッサ５と、このビデオプロセッサ５
から出力される映像信号をカラー表示するモニタ６とか
ら構成されている。

前記電子スコープ２は、細長の挿入部18を有し、この
挿入部18の後端には太幅の操作部19が形成されている。
前記挿入部18内には、照明光を伝送するライトガイド20
が挿通され、このライトガイド20は前記操作部19から延
出されたユニバーサルコード21内をさらに挿通され、こ
のユニバーサルコード21の端部のコネクタ22を介して前
記ビデオプロセッサ５に接続されるようになっている。

また、前記光源装置３は、白色光を出射するランプ23
と、このランプ23からの光を集光して前記ライトガイド
20の入射端に入射させる集光レンズ24と、この集光レン
ズ24と前記ライトガイド20入射端との間に設けられ、モ
ータ25によって回転駆動される回転フィルタ26とを備え
ている。前記回転フィルタ26は、円板状の枠体に、周方
向に沿って、R,G,Bの各色透過フィルタ26R,26G,26Bが配
列されて構成されている。

前記ランプ23から出射された光は、前記集光レンズ24
で集光されるとともに前記回転フィルタ26を透過するこ
とにより、R,G,Bの各波長領域の光に時系列的に分離さ
れ、ライトガイド20の入射端に入射される。そして、こ
の面順次の照明光が前記ライトガイド20を経て、配光レ
ンズ27を介して被写体28に照射される。

その結果、前記配光レンズ27を経て照明光で照明され
た被写体28は、前記挿入部18の先端部に取付けた対物レ
ンズ29により、その焦点面に配設したCCD30に結像さ
れ、このCCD30にて光電変換された信号が前記ビデオプ
ロセッサ５内の画像処理装置４に入力される。

前記画像処理装置４は、面順次式プロセス回路７、A/
Dコンバータ8,9、親画面用フレームメモリ10、子画面用
フレームメモリ11、D/Aコンバータ12,13、スーパーイン
ポーズ回路14、静止画と動画とを切換えるためのフリー
ズON/OFF回路15、タイミング信号発生回路16、色ずれ補
正回路17などから構成されている。

前記CCD30からの出力信号は、面順次式プロセス回路
７にて検波され、AGC（オートゲインコントロール）、
γ補正などの種々の信号処理が施された後、A/Dコンバ
ータ8,9によりデジタル信号に変換され、各フレームメ
モリ10,11に、それぞれ、R,G,Bに対応した画像データが
ストアされる。

各フレームメモリ10,11の画像データは、D/Aコンバー
タ12,13によりアナログ信号に変換され、前記スーパー
インポーズ回路14に入力される。このスーパーインポー
ズ回路14では、親画面に対応する信号と子画面に対応す
る信号とを合成処理し、前記タイミング信号発生回路16
からの垂直同期信号、水平同期信号などを付加して複合
映像信号を生成した後、前記色ずれ補正回路17を介して
前記モニタ６に出力する。

その結果、第３図上部に示すように、前記モニタ６の
モニタ画面6aには、走査前半部の小さな表示枠内に子画
面が表示され、走査後半部の表示枠内に親画面が表示さ
れる。

尚、この際、前記フリーズON/OFF回路15からの信号に
より、例えば、親画面が静止画、子画面が動画の場合に
は、前記子画面用フレームメモリ11内の画像データは所
定のタイミング毎に更新されて読み出され、一方、親画
面用フレームメモリ10内の画像データは一定に保持され
る。

一方、前記色ずれ補正回路17は、第２図に示すよう
に、色ずれ抑圧部17a、切換タイミング発生部17b、モー
ド発生部17c、切換信号コントロール部17d、及び、スイ
ッチ17eから構成され、第１図に示す構成概念図に対
し、色ずれ抑圧部17aが前記色ずれ抑圧部M1に、モード
発生部17cが前記親子画面状態識別部M2に、切換タイミ
ング発生部17bと切換信号コントロール部17dとが前記切
換タイミング設定部M3に、スイッチ17eが前記映像信号
切換部M4に相当する。

前記スーパーインポーズ回路14からの映像入力信号
は、前記色ずれ抑圧部17aに入力され、この色ずれ抑圧
部17aにて色ずれが抑圧された映像信号と前記スーパー
インポーズ回路14からの映像入力信号すなわち原映像入
力信号とが前記スイッチ17eに入力される。

そして、親画面と子画面の状態が異なる場合、これら
の信号が前記スイッチ17eで所定のタイミング毎に切換
えられてモニタ６に出力され、親画面あるいは子画面の
一方が色ずれ抑圧された映像信号によって表示されると
き、他方が原画像入力信号によって表示される。

次に、このスイッチ17eでの映像信号の切換タイミン
グすなわち色ずれ補正切換タイミングについて説明す
る。

前記タイミング信号発生回路16からのクロック信号CL
OCK及び水平同期信号HDが前記切換タイミング発生部17b
に入力されると、第３図に示すように、水平同期信号HD
の立上りエッジでトリガーされてＨレベルとなり時間Ｔ
経過後にＬレベルとなる映像切換信号STが前記切換タイ
ミング発生部17bにて生成され、前記切換信号コントロ
ール部17dに出力される。

同時に、前記モード発生部17cにて、親画面及び子画
面の各画面が動画であるか静止画であるかの状態が、例
えば、前記フリーズON/OFF回路15からの信号により識別
され、モード信号MS,MMが生成されて前記切換信号コン
トロール部17dに出力される。このモード信号MS,MMは、
それぞれ、親画面、子画面の状態を示し、静止画のとき
Ｈレベル、動画のときＬレベルとなっている。

前記切換信号コントロール部17dでは、これらのモー
ド信号MS,MMと前記切換タイミング発生部17bからの映像
切換信号STとにより、第４図に示すスイッチ信号SWを生
成し、前記スイッチ17eへ出力する。

前記スイッチ17eは、前記映像切換信号STがＨレベル
のとき、色ずれ抑圧部17aからの色ずれが抑圧された映
像信号を出力し、前記映像切換信号STがＬレベルのと
き、前記スーパーインポーズ回路14からの原映像入力信
号を出力するよう切換動作する。

すなわち、第４図から明らかなように、動画か静止画
かに応じて前記スイッチ17eの接続状態を設定し、水平
同期期間内の子画面と親画面との間の区間に前記スイッ
チ17eの切換タイミングを設定することにより、前記色
ずれ抑圧部17aからの色ずれが抑圧された映像信号と前
記スーパーインポーズ回路14からの原映像入力信号とを
切換えるため、子画面と親画面とに対して独立に色ずれ
補正を行うことができるのである。

これにより、例えば、親画面が静止画、子画面が動画
の場合に色ずれ補正をかけると、従来では、静止画であ
る親画面にたいしても色ずれ補正がなされ、画質が劣化
して観察部位の検討に支障をきたすという事態が生じる
おそれがあったが、本発明によれば、このような事態が
回避され、常に、診断に必要な情報を見やすく表示する
ことができる。

第６図は本発明の第２実施例を示す色ずれ補正装置の
構成図であり、色ずれ抑圧回路31と、抑圧禁止タイミン
グ発生部32と、抑圧禁止コントロール部33と、前述の第
１実施例のモード発生部17cとから色ずれ補正装置が構
成される。

この第２実施例は、前述の第１実施例におけるスイッ
チ17eを省略し、前記色ずれ抑圧回路31を直接制御する
ことにより色ずれ抑圧動作の許可及び禁止のタイミング
を切換えるものである。

前記抑圧禁止タイミング発生部32で、水平同期信号HD
の立上りでＨレベルとなり時間Ｔ経過後にＬレベルとな
る禁止タイミング信号STが生成され、この禁止タイミン
グ信号STと前記モード発生部17cからのモード信号MS,MM
とが、前記抑圧禁止コントロール部33に入力されると、
これらの信号ST,MS,MMにより前記抑圧禁止コントロール
部33で禁止信号SWが生成され、前記色ずれ抑圧回路31に
出力される。

前記禁止タイミング信号ST及び前記禁止信号SWは、前
述の第１実施例における各信号と同じであり、前記色ず
れ抑圧回路31の色ずれ抑圧動作の禁止タイミング信号と
して使用される。

そして、前記禁止信号SWがＨレベルのとき前記色ずれ
抑圧回路31が色ずれ抑圧動作するよう制御され、一方、
前記禁止信号SWがＬレベルのときには、色ずれ抑圧動作
を禁止されて面順次式の撮像装置からの映像入力信号を
そのまま出力するよう制御され、前述の第１実施例同
様、水平同期期間内の子画面と親画面との間の区間で親
画面及び子画面に対する色ずれ補正が独立に行なわれ
る。

第７図は本発明の第３実施例を示す色ずれ補正装置の
構成図であり、第１実施例の色ずれ抑圧回路17a,切換タ
イミング発生部17b,切換信号コントロール部17d,スイッ
チ17eと、子画面動き検知部34と、親画面動き検知部35
とから色ずれ補正装置が構成される。

この第３実施例は、前述の第１実施例におけるモード
発生部17cに代えて、面順次式の撮像装置からの映像入
力信号より子画面の状態を直接検知し、この状態に応じ
たモード信号MMを発生する子画面動き検知部34と、前記
映像入力信号より親画面の状態を直接検知し、この状態
に応じたモード信号MSを発生する親画面動き検知部35と
を設けたものである。

すなわち、前記子画面動き検知部34では、子画面の表
示領域をカバーする水平同期信号HDの立上りから時間Ｔ
までの区間において、映像入力信号の動きを捕らえて動
画か静止画かを検知し、動画の場合、Ｌレベルのモード
信号MMを出力し、静止画の場合、Ｈレベルのモード信号
MMを出力する。

一方、前記親画面動き検知部35では、親画面の表示領
域をカバーする水平同期信号HDの立上りから時間Ｔが経
過した以降の区間において、映像入力信号の動きを捕ら
えて動画か静止画かを検知し、動画の場合、Ｌレベルの
モード信号MSを出力し、静止画の場合、Ｈレベルのモー
ド信号MSを出力する。

これにより、前述した第１実施例と同一の作用効果が
得られることはいうまでもない。

［発明の効果］ 以上述べたように本発明によれば、面順次式の撮像装
置から入力される親子画面の映像信号に対し、親画面及
び子画面の状態に応じて、親画面の色ずれ補正と子画面
の色ずれ補正とを独立して行なうことができるため、自
然で見やすい画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本発明の第１実施例を示し、第１図は
本発明による色ずれ補正装置の構成概念図、第２図は色
ずれ補正装置の構成図、第３図は親画面及び子画面に対
する色ずれ補正切換タイミングを示す説明図、第４図は
モード信号と映像切換信号との関係を示す説明図、第５
図は電子内視鏡装置の構成図、第６図は本発明の第２実
施例を示す色ずれ補正装置の構成図、第７図は本発明の
第３実施例を示す色ずれ補正装置の構成図である。 M1……色ずれ抑圧部 M2……親子画面状態識別部 M3……切換タイミング設定部 M4……映像信号切換部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】面順次式の撮像装置からの映像信号の色ず
   れを補正する色ずれ補正手段と、 前記映像信号の親画面及び子画面の状態に対応した識別
   信号を出力する親子画面状態識別手段と、 前記親子画面状態識別手段からの識別信号に応じ、前記
   色ずれ補正手段による色ずれ補正を前記親画面と前記子
   画面とに対して独立に設定する色ずれ補正設定手段とを
   備えたことを特徴とする色ずれ補正装置。