JP2848051B2 - 表示材 - Google Patents

表示材

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JP2848051B2
JP2848051B2 JP3250033A JP25003391A JP2848051B2 JP 2848051 B2 JP2848051 B2 JP 2848051B2 JP 3250033 A JP3250033 A JP 3250033A JP 25003391 A JP25003391 A JP 25003391A JP 2848051 B2 JP2848051 B2 JP 2848051B2
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一雅 竹内
康夫 宮寺
隆 山寺
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  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線の照射により発
色し、加熱により消色する表示材に関する。
【0002】
【従来技術】光により色相が可逆的に変化するフォトク
ロミック材料、熱により色相が可逆的に変化するサーモ
クロミック材料は各種の表示素子、記録材料、調光材料
として検討がなされている。
【0003】従来、フォトクロミック材料としては、ビ
オロゲン、スピロピラン、フルギド等の低分子化合物が
研究されてきた。近年、これらの低分子フォトクロミッ
ク化合物を高分子マトリックスに分散させたり、高分子
の一部にこれらを共有結合させることにより固体化する
ことが提案されている。これらは樹脂に既知のフォトク
ロミック化合物を取り込んだものである。
【0004】これに対して樹脂の骨格自体にクロミック
性を有する樹脂がみいだされ検討されている。例えば脂
肪族ジアミンを含むポリイミドの紫外線による発色及び
熱による消色が特公昭64―976号公報に示されてい
る。また、特定のジアミノジフェニルメタン誘導体を構
成成分の少なくとも一つとして含み、紫外線による発色
及び熱による消色が可能なポリマーが特開平2―673
90号公報、特開平2―73830号公報等に示されて
いる。
【0005】前記公報に記載の発色及び消色が可能なポ
リマーは、光照射による発色濃度が低く、光の未照射部
と照射部のコントラストが小さいため、実用化のために
はさらに改善が望まれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、第1に紫外
線の照射による発色及び加熱による消色が可能な材料で
あって、前記公報に記載のものと発色−消色の機構が異
なる新規なクロミック樹脂を用いる表示材を提供するも
のであり、第2にその表示材であって、発色部と消色部
のコントラストの大きなものを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における表示材
は、1個の芳香環に2個の窒素原子が芳香環の最も離れ
た対角位置に直接結合しており、その窒素原子の少なく
とも一部にアルキレン基が結合しており、上記2個の窒
素原子が三級化されている構造単位を含んでなるクロミ
ック用樹脂を含有してなるものである。
【0008】上記クロミック樹脂の特徴的な構造は、例
えば、下記化1〔一般式(I)〕で表わされる。
【化1】 (ただし、一般式(I)中、Arは、芳香環を示し、2個
の窒素原子はこの芳香環の最も離れた位置に結合してお
り、符号1〜4は炭素原子を識別するために付されてお
り、1〜4の炭素原子には、水素若しくはアルキル基等
の置換基又はクロミック樹脂を構成する残基が結合して
おり、その残基が符号1〜4の炭素原子に少なくとも一
つ結合しており、この残基のうち少なくとも一つは符号
1〜4の炭素原子のいずれかにアルキレン基を介して結
合している)。上記Arで示される芳香環は、縮合環で
あってもよい。
【0009】一般式(I)中のArとしては、例えば、下
記化2〔一般式(II)〕、下記化3〔一般式(III)〕又は
下記化4〔一般式(IV)〕で表わされる基がある。
【化2】 (一般式(II)中R1、R2、R3及びR4はそれぞれ同一で
も異なっていてもよく水素、フッ素、塩素等のハロゲ
ン、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、スルホン
基、カルボキシ基、水酸基,ニトロ基、シアノ基等の置
換基を示す)。
【化3】 (一般式(III)中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6
それぞれ同一でも異なっていてもよく水素原子又はフッ
素、塩素等のハロゲン、アルキル基、アルコキシ基、ア
リール基、スルホン基、カルボキシ基、水酸基,ニトロ
基、シアノ基等の置換基を示す)。
【化4】 (一般式(IV)中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7
及びR8はそれぞれ同一でも異なっていてもよく水素原
子又はフッ素、塩素等のハロゲン、アルキル基、アルコ
キシ基、アリール基、スルホン基、カルボキシ基、水酸
基,ニトロ基、シアノ基等の置換基を示す)。
【0010】前記クロミック用樹脂は、その分子構造中
に、結合したハロゲン原子を含んでいてもよい。この場
合、その樹脂は、後記する発色及び消色が可能なクロミ
ック樹脂である。ハロゲン原子の量は、前記一般式(I)
で表される構造における窒素原子1個に対して0.01
個以上あるのが好ましい。ハロゲン原子の量が少なすぎ
るとクロミック樹脂としての機能が不十分である。
【0011】前記クロミック用樹脂には、カチオンラジ
カル安定化剤がその中に分散されている組成物の形態で
あってもよい。この場合、その組成物は、後記する発色
及び消色が可能なクロミック樹脂組成物である。カチオ
ンラジカル安定化剤は、前記一般式(I)で表される構造
を有する樹脂が、その構造に基づきカチオンラジカル化
するときに、放出される電子を捕捉してアニオンラジカ
ル化することにより系全体を安定化させる能力があり、
アニオンラジカル化した後の加熱時には電子を放出する
物質である。
【0012】前記クロミック用樹脂は、下記化5〔一般
式(V)〕で表わされるジアミン化合物とエポキシ樹脂を
反応させることを特徴とする方法により製造することが
できる。この場合、エポキシ樹脂としてハロゲン化エポ
キシ樹脂を用いると、後記する発色及び消色が可能なク
ロミック樹脂を得ることができる。
【化5】 〔ただし、一般式(V)中、Q1、Q2、Q3及びQ4は水素
又は置換基を有していてもよいアルキル基であり、これ
らは同一でも異なっていてもよく、また、これらのうち
少なくとも2個は水素であり、Arは一般式(I)に同じ
であり、2個の窒素原子はArの最も離れた位置に結合
している〕。
【0013】上記一般式(V)において、Arとしては前
記一般式(II)、前記一般式(III)又は前記一般式(IV)で
表わされる基があり、Q1、Q2、Q3又はQ4がアルキル
基のときは、アルキル基としてはメチル基、エチル基、
n-プロピル基、i-プロピル基、ブチル基、ラウリル基、
ステアリル基、ベンジル基等がある。Arには、溶媒へ
の溶解性の向上、エポキシ樹脂との相溶性の向上、発色
波長の制御、発色の安定性の向上等のために適宜置換基
が導入される。
【0014】上記ジアミン化合物のうち2個のアミノ基
を有するものとして、パラフェニレンジアミン、2,5
−ジメチル−1,4−フェニレンジアミン、2−メチル
−1,4−フェニレンジアミン、2,6−ジクロロ−1,
4−フェニレンジアミン、5−クロロ−2−メチル−
1,4−フェニレンジアミン、2,5−ジアミノ安息香
酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、2−ニトロ−1,4
−フェニレンジアミン、2−シアノ−1,4−フェニレ
ンジアミン、2−メトキシ−1,4−フェニレンジアミ
ン、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、2,5−ジア
ミノフェノ−ル、2,3,5,6−テトラメチル−1,4−
フェニレンジアミン、2,3,5,6−テトラクロロ−1,
4−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノナフタレ
ン、1−メチル−2,6−ジアミノナフタレン、3−ク
ロロ−2,6−ジアミノナフタレン、3−フルオロ−2,
6−ジアミノナフタレン、1,4−ジメチル−2,6−ジ
アミノナフタレン、1,5−ジメチル−2,6−ジアミノ
ナフタレン、1,4−ジクロロ−2,6−ジアミノナフタ
レン、1,5−ジクロロ−2,6−ジアミノナフタレン、
1,4−ジフルオロ−2,6−ジアミノナフタレン、1,
5−ジフルオロ2,6−ジアミノナフタレン、3,5−ジ
メチル−2,6−ジアミノナフタレン、1,5−ジニトロ
−2,6−ジアミノナフタレン、4,8−ジヒドキシ−
2,6−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノ−1,3,
4,5,7,8−ヘキサメチルナフタレン、2,6−ジアミ
ノ−1,3,4,5,7,8−ヘキサクロロナフタレン、2,
6−ジアミノ−1,3,4,5,7,8−ヘキサフルオロナ
フタレン、2,6−ジアミノ−1,3,4,5,7,8−ヘキ
サシアノナフタレン、2,6−ジアミノアントラセン、
1−メチル−2,6−ジアミノアントラセン、3−クロ
ロ−2,6−ジアミノアントラセン、3−フルオロ−2,
6−ジアミノアントラセン、1,4−ジメチル−2,6−
ジアミノアントラセン、1,5−ジメチル−2,6−ジア
ミノアントラセン、1,4−ジクロロ−2,6−ジアミノ
アントラセン、1,5−ジクロロ−2,6−ジアミノアン
トラセン、1,4−ジフルオロ−2,6−ジアミノアント
ラセン、1,5−ジフルオロ2,6−ジアミノアントラセ
ン、3,5−ジメチル−2,6−ジアミノアントラセン、
1,5−ジニトロ−2,6−ジアミノアントラセン、4,
8−ジヒドキシ−2,6−ジアミノアントラセン、2,6
−ジアミノ−1,3,4,5,7,8−ヘキサメチルアント
ラセン、2,6−ジアミノ−1,3,4,5,7,8−ヘキサ
クロロアントラセン、2,6−ジアミノ−1,3,4,5,
7,8−ヘキサフルオロアントラセン、2,6−ジアミノ
−1,3,4,5,7,8−ヘキサシアノアントラセン、9,
10−ジアミノアントラセン等があげられる。
【0015】上記ジアミン化合物のうちモノアルキルア
ミノ基又はジアルキルアミノ基を有するものとして、
N,N−ジメチルパラフェニレンジアミン、N,N−ジ
エチルパラフェニレンジアミン、N,N−ジ−n−プロ
ピルパラフェニレンジアミン、N,N−ジ−i−プロピ
ルパラフェニレンジアミン、N,N−ジブチルパラフェ
ニレンジアミン、N,N−ジラウリルパラフェニレンジ
アミン、N,N−ジステアリルパラフェニレンジアミ
ン、N,N−ジベンジルパラフェニレンジアミン、N,
N−ジメチル−2,6−ナフタレンジアミン、N,N−
ジエチル−2,6−ナフタレンジアミン、N,N−ジ−
n−プロピル−2,6−ナフタレンジアミン、N,N−
ジ−i−プロピル−2,6−ナフタレンジアミン、N,
N−ジブチル−2,6−ナフタレンジアミン、N,N−
ジラウリル−2,6−ナフタレンジアミン、N,N−ジ
ステアリル−2,6−ナフタレンジアミン、N,N−ジ
ベンジル−2,6−ナフタレンジアミン、N,N−ジメ
チル−2,6−アントラセンジアミン、N,N−ジエチ
ル−2,6−アントラセンジアミン、N,N−ジ−n−
プロピル−2,6−アントラセンジアミン、N,N−ジ
−i−プロピル−2,6−アントラセンジアミン、N,
N−ジブチル−2,6−アントラセンジアミン、N,N
−ジラウリル−2,6−アントラセンジアミン、N,N
−ジステアリル−2,6−アントラセンジアミン、N,
N−ジベンジル−2,6−アントラセンジアミン、N,
N′−ジメチルパラフェニレンジアミン、N,N′−ジ
エチルパラフェニレンジアミン、N,N′−ジ−n−プ
ロピルパラフェニレンジアミン、N,N′−ジ−i−プ
ロピルパラフェニレンジアミン、N,N′−ジブチルパ
ラフェニレンジアミン、N,N′−ジラウリルパラフェ
ニレンジアミン、N,N′−ジステアリルパラフェニレ
ンジアミン、N,N′−ジベンジルパラフェニレンジア
ミン、N,N′−ジメチル−2,6−ナフタレンジアミ
ン、N,N′−ジエチル−2,6−ナフタレンジアミ
ン、N,N′−ジ−n−プロピル−2,6−ナフタレン
ジアミン、N,N′−ジ−i−プロピル−2,6−ナフ
タレンジアミン、N,N′−ジブチル−2,6−ナフタ
レンジアミン、N,N′−ジラウリル−2,6−ナフタ
レンジアミン、N,N′−ジステアリル−2,6−ナフ
タレンジアミン、N,N′−ジベンジル−2,6−ナフ
タレンジアミン、N,N′−ジメチル−2,6−アント
ラセンジアミン、N,N′−ジエチル−2,6−アント
ラセンジアミン、N,N′−ジ−n−プロピル−2,6
−アントラセンジアミン、N,N′−ジ−i−プロピル
−2,6−アントラセンジアミン、N,N′−ジブチル
−2,6−アントラセンジアミン、N,N′−ジラウリ
ル−2,6−アントラセンジアミン、N,N′−ジステ
アリル−2,6−アントラセンジアミン、N,N′−ジ
ベンジル−2,6−アントラセンジアミン等があげられ
る。
【0016】前記エポキシ樹脂としては分子内にエポキ
シ基を2個以上有する化合物が使用される。例えば、ビ
スフェノールA等の多価フェノール又は1,4−ブタン
ジオール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンを反
応させて得られるポリグリシジルエーテル、フタル酸、
ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリ
ンを反応させて得られるポリグリシジルエステル、アミ
ン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物のN−
グリシジル誘導体、(3′,4′−エポキシシクロヘキ
シルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート等の脂環式エポキシ樹脂、フェノールノボラ
ック型エポキシ樹脂、オルトクレゾール型エポキシ樹脂
等がある。このようなエポキシ樹脂で商業的に入手可能
なものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とし
てエピコート1001(エポキシ当量450〜50
0)、エピコート1004(エポキシ当量900〜10
00)、エピコート1007(エポキシ当量1750〜
2100)、エピコート1009(エポキシ当量240
0〜3300)〔いづれもシェルケミカル社商品名〕
等、があげられる。また、これらのエポキシ樹脂は単独
で用いても数種を混合して用いてもかまわない。
【0017】前記エポキシ樹脂としては、その一部に、
分子内にエポキシ基を1個だけ有する化合物を希釈剤と
して使用してもよい。希釈剤としては、n−ブチルグリ
シジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテ
ル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル等があり、こ
れらは、ジアミン化合物の硬さ等の生成物特性を著しく
阻害しない程度に使用される。
【0018】前記のエポキシ樹脂及び希釈剤はハロゲン
化されていてもかまわない。このようなものとしては、
下記化6〔一般式(VI)〕、化7〔一般式(VII)〕、化8
〔一般式(VIII)〕等で表わされるものがある。
【化6】
【化7】
【化8】 ただし、一般式(VI)、一般式(VII)及び一般式(VIII)に
おいて、Xは塩素、臭素等のハロゲン、Rは−CH
2−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=O)
−、−CH(Ph)−、−C(CH3)(Ph)−等のアルキ
レン基(ここで、Phはフェニル基を示す)、nは0又
は1以上の整数、mは1〜3の整数を示す。
【0019】前記のエポキシ樹脂でハロゲン化されてい
るものであって、商業的に入手可能なものとしては、ハ
ロゲン化ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてスミエ
ポキシELB240(エポキシ当量240〜250)
〔住友化学工業株式会社フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂としてエピコート152(エポキシ当量17
5)、エピコート154(エポキシ当量176〜18
1)〔いづれもシェルケミカル商品名〕、DEN431
(エポキシ当量172〜179)、DEN438(エポ
キシ当量175〜182)〔いづれもダウケミカル商品
名〕等、ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹
脂としてBREN−S(日本化薬株式会社商品名)等が
あり、前記希釈剤でハロゲン化されているものであっ
て、商業的に入手可能なものとしては、BR−250
(日本化薬株式会社商品名)等がある。
【0020】前記したジアミン化合物とエポキシ樹脂の
反応に際してカチオンラジカル安定化剤を存在させるこ
とができる。この場合、得られたポリマ中にカチオンラ
ジカル安定化剤が分散している。
【0021】前記カチオンラジカル安定化剤としては、
アルキルハライド、酸、塩、酸エステル等がある。アル
キルハライドとしては、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、
ヨウ化プロピル、ヨウ化ベンジル、臭化ベンジル、トシ
ルクロライド等がある。酸としては塩酸、硫酸、硝酸、
リン酸、亜リン酸等の無機酸、酢酸、ベンゼンスルホン
酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタ
ンスルホン酸等有機酸がある塩としてはテトラブイルア
ンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロ
マイド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラ
ブチルアンモニウムパークロレート等の四級アンモニウ
ム塩、リチウムクロライド、リチウムブロマイド等のハ
ロゲン化金属等がある。酸エステルとしてはパラトルエ
ンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、
ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸エチル
等のスルホン酸エステル、硫酸ジメチル等の硫酸エステ
ル、リン酸トリメチル、リン酸トリフェニル等のリン酸
エステル等があげられる。
【0022】前記したジアミン化合物とエポキシ樹脂の
反応は室温で行うこともできるが100℃から400℃
の範囲内の温度で熱硬化することが好ましい。窒素原子
に結合する活性水素を2個だけ有するジアミン化合物と
エポキシ基を2個だけ有するエポキシ樹脂を反応させた
場合、得られるポリマは鎖状であり、このような鎖状ポ
リマは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、塩化メチレン、クロロホルム、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶剤に溶解
させることができる。このような組合せ以外では、上記
の反応により硬化物ポリマが得られる。
【0023】前記したジアミン化合物とエポキシ樹脂
は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対してジアミン
化合物の窒素原子に結合する活性水素が0.01〜10
当量になるように使用するのが好ましく、0.1〜1当
量になるように使用するのが特に好ましい。カチオンラ
ジカル安定化剤は、ジアミン化合物の芳香環に直接結合
している窒素原子1当量に対して0.01〜100当量
の範囲内で使用するのが好ましく、特に0.1〜1当量
の範囲内で使用するのが好ましい。
【0024】前記ジアミン化合物とエポキシ樹脂の反応
に際して、反応(硬化)促進剤を存在させることができ
る。反応促進剤としては、イミダゾール、2−メチルイ
ミダゾール、2−エチルイミダゾール、1,2−メチル
イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、
2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル等のイミダゾール類、N−アミノエチルピペラジン等
のアミン類、トリフェニルホスフィン、トリブチルホス
フィン、メチルジフェニルホスフィン、ブチルフェニル
ホスフィン、ジメチルホスフィン、フェニルホスフィ
ン、オクチルホスフィン等の有機ホスフィン類、チアゾ
ール等がある。
【0025】前記したジアミン化合物及びエポキシ樹脂
並びに必要に応じて反応促進剤、カチオンラジカル安定
化剤を含む組成物は、液状又は固形状である。また、こ
れらの組成物は適当な溶媒に溶解してもよい。以上の組
成物は、硬化反応させる前に、注形成形、溶融成形、塗
布等により適当な形状に成形することができ、このよう
な成形の後、又は成形と同時に硬化反応させることがで
きる。また、上記組成物を適当な吸液性の材料、例え
ば、紙、布、ガラスクロス等に含浸して反応させること
もできる。
【0026】上記組成物を溶解させるための溶媒として
は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルアセトアミド、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、アセトン、クロロホルム、ジクロロメタ
ン、テトラクロロエタン、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール等がある。
【0027】上記において塗布により成形する場合は、
ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリイミド等の樹
脂、ガラス、セラミック、金属などの材質からなる適当
な基材上に、上記組成物を回転塗布法、バーコート法、
ナイフコート法、はけ塗り法、流延法等により製膜する
ことにより行うことができる。
【0028】前記したジアミン化合物とエポキシ樹脂の
反応生成物をカチオンラジカル安定化剤で処理すること
により、その反応生成物中にカチオンラジカル安定化剤
が分散しているクロミック樹脂組成物とすることができ
る。処理法としては、液状のカチオンラジカル安定化剤
又はカチオンラジカル安定化剤を適当な溶剤に溶解して
なる溶液に、上記反応生成物を浸漬する方法、液状のカ
チオンラジカル安定化剤又はこれを適当な溶剤に溶解し
てなる溶液を上記反応生成物に塗布する方法等がある。
その溶液としては、カチオンラジカル安定化剤を0.0
1重量%乃至飽和濃度となるようにジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセト
ン、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラクロロエタ
ン、メタノール、エタノール、イソプロパノール等の有
機溶媒に溶解してなるものがある。
【0029】本発明におけるクロミック用樹脂は、芳香
環に2個のジグリシジルアミノ基が芳香環の最も離れた
対角位置に直接結合しているエポキシ樹脂と硬化剤を反
応させることを特徴とする方法によっても製造すること
ができる。
【0030】上記エポキシ樹脂としては、化9〔一般式
(IX)〕
【化9】 〔ただし、一般式(IX)中、Arは一般式(I)に同じであ
る〕で表わされるものがある。具体的には、N,N,
N′,N′−テトラグリシジルパラフェニレンジアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−2,6−
ナフタレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラグリ
シジル−2,6−アントラセンジアミン等がある。
【0031】一般式(IX)で表わされるようなエポキシ樹
脂に、前記に列挙したエポキシ樹脂を本発明の目的を損
なわない程度に併用することができる。
【0032】また、一般式(IX)で表わされるようなエポ
キシ樹脂に、分子内にエポキシ基を1個だけ有する化合
物を希釈剤として併用してもよい。希釈剤としては、前
記したものがある。これらは、硬化物の硬さ等の硬化特
性を著しく阻害しない程度に使用される。
【0033】前記硬化剤としてはジカルボン酸無水物、
ジアミン化合物、フェノール樹脂、ポリスルフィド樹
脂、多価フェノール等がある。
【0034】上記ジカルボン酸無水物としては、無水フ
タル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ドデシ
ル無水コハク酸等がある。等がある。これらの酸無水物
と上記エポキシ樹脂の硬化反応は、100〜400℃の
範囲内の温度で熱硬化するのが好ましい。
【0035】上記硬化剤としてのジアミン化合物として
は、前記したジアミン化合物を使用することができるほ
か、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペ
ラジン、メタキシレンジアミン、3,9−ビス(3−ア
ミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ(5,5)ウンデカン等がある。これらのジアミン化
合物と上記エポキシ樹脂の硬化反応は、室温で行うこと
もできるが100℃から400℃の範囲内の温度で熱硬
化することが好ましい。
【0036】上記フェノール樹脂としては、フェノー
ル、クレゾール、t−ブチルフェノール等のフェノール
を用いて得られるノボラック型又はレゾール型フェノー
ル樹脂が使用できる。
【0037】前記一般式(IX)で表わされるエポキシ樹脂
と硬化剤の反応に際して、前記カチオンラジカル安定化
剤を存在させることができる。この場合、得られた硬化
物ポリマ中にカチオンラジカル安定化剤が分散してい
る。
【0038】前記一般式(IX)で表わされるエポキシ樹脂
と硬化剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して
硬化剤の反応基が0.01〜10当量になるように使用
するのが好ましく、0.1〜1当量になるように使用す
るのが特に好ましい。カチオンラジカル安定化剤は、前
記エポキシ樹脂のジグリシジルアミノ基1当量に対して
0.01〜100当量の範囲内で使用するのが好まし
く、特に0.1〜1当量の範囲内で使用するのが好まし
い。
【0039】前記一般式(IX)で表わされるエポキシ樹脂
と硬化剤の反応に際して、前記した硬化促進剤を存在さ
せることができる。硬化促進剤としては、前記に例示し
たものがある。
【0040】前記一般式(IX)で表わされるエポキシ樹脂
と硬化剤から得られる硬化物をカチオンラジカル安定剤
で処理することにより、その硬化物中にカチオンラジカ
ル安定化剤が分散しているクロミック樹脂組成物とする
ことができる。処理法は前記したジアミン化合物とエポ
キシ樹脂の硬化物の処理法と同様である。
【0041】前記エポキシ樹脂及び硬化剤並びに必要に
応じて反応(硬化)促進剤、カチオンラジカル安定化剤
を含む組成物は、液状又は固形状である。前記したジア
ミン化合物とエポキシ樹脂を含む組成物と同様に溶液と
し、成形し、含浸し、又は塗布することができる。
【0042】一般式(I)で表される構造を有する樹脂
は、下記化10〔一般式(X)〕で表されるエチレンイミ
ンと下記化11〔一般式(XI)〕で表されるジチオールを
反応させた後、ハロゲン化アルキルと反応させることに
よっても製造することができる。反応生成物は下記化1
2〔一般式(XII)〕で表される繰返し単位を有してい
る。この反応に際して、エチレンイミン1モルに対して
ジチオール0.01〜10モル%使用するのが好まし
く、ハロゲン化アルキルは使用したエチレンイミン1モ
ルに対して2モル程度使用するのが好ましい。また、こ
の反応に際して、前記カチオンラジカル安定化剤を前記
したのと同様に存在させてもよく、また、反応生成物を
前記したのと同様にカチオンラジカル安定化剤で処理し
てもよい。
【化10】 ただし、一般式(X)中、Arは一般式(I)に同じであ
る。
【化11】 HS−R−SH (XI) ただし、一般式(XI)中、Rはメチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、シクロヘ
キシレン基等のシクロアルキレン基又はフェニレン基等
の二価の芳香族基である。
【化12】 ただし、一般式(XII)中、Arは一般式(X)に、Rは一
般式(XI)に同じであり、R′はメチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、ラウリル基、ステアリル基等のア
ルキル基があり、複数のR′は同一でも異なっていても
よい。
【0043】本発明におけるクロミック樹脂又はクロミ
ック樹脂組成物は、前記一般式(I)で表わされる構造を
有していることを特徴とするが、このクロミック樹脂又
はクロミック樹脂組成物に紫外線を照射すると、着色し
又は近赤外域の吸収が増大する(着色する)。例えば、十
分な紫外線量で照射した場合、一般式(I)中のArが一
般式(II)で表される基であるとき緑色乃至濃青紫色に着
色し、一般式(I)中のArが一般式(III)又は一般式(V
I)で表される基であるとき黄色乃至緑色であって近赤外
域の吸収が増大する。
【0044】このとき、前記一般式(I)で表わされる構
造は、下記化13〔一般式(XIII)〕で表わされる構造の
ようにその構造中の窒素原子がカチオンラジカルになっ
ている。
【化13】 〔ただし、一般式(XIII)中、Ar、C1、C2、C3及び
4は、一般式(I)に同じである〕。
【0045】上記カチオンラジカルの相手となるアニオ
ンラジカルは、上記クロミック樹脂中のハロゲン原子、
上記クロミック用樹脂中に分散しているカチオンラジカ
ル安定化剤である。この着色状態において加熱すると元
の状態に戻り、消色する。着色時の発色団は、一般式(X
III)中の下記化14〔一般式(XIV)〕の共鳴構造であ
り、一般式(I)中のN−Ar−Nはその発色団の前駆構
造である。
【化14】 〔ただし、一般式(XIV)中、Arは、一般式(I)に同じ
である〕。
【0046】本発明におけるクロミック樹脂は通常無色
乃至淡色であるが、これに紫外線を照射すると、一般式
(I)中の三級窒素から電子を1個放出することによって
一般式(XIII)に示すようにカチオンラジカルとなり可視
領域又は赤外領域において吸収を示すようになる。この
状態は不安定であるためこの変化は通常観察されない。
しかし、この系に発色団前駆体から放出された電子を補
足して系全体を安定化する物質(クロミック樹脂に結合
しているハロゲン原子又はカチオンラジカル安定化剤)
を存在させることにより発色団中のラジカルを安定に存
在させることができる。また加熱により上記の安定化す
る物質から電子が三級窒素へ戻るとラジカルは消滅し、
上記発色団は無色乃至淡色の発色団前駆体となる。
【0047】例えば、前記クロミック樹脂にカチオンラ
ジカル安定化剤としてパラトルエンスルホン酸エチルが
分散している場合、紫外線照射前には下記化15〔一般
式(XV)〕のように、クロミッ樹脂中にパラトルエンスル
ホン酸エチルが分散しており、これに紫外線を照射する
と下記化16〔一般式(XVI)〕のように、クロミック樹
脂の窒素原子とパラトルエンスルホン酸エチルがイオン
ラジカル化して着色し、この後加熱すると下記化15
〔一般式(XV)〕の構造に戻り消色する。
【化15】 〔ただし、一般式(XV)中、Ar、C1、C2、C3及びC4
は、一般式(I)に同じである〕。
【化16】 〔ただし、一般式(XVI)中、Ar、C1、C2、C3及びC
4は、一般式(I)に同じである〕。
【0048】このように本発明におけるクロミック樹脂
又はクロミック樹脂組成物は系内での電子の移動による
ラジカルの生成、消滅によって発色、消色を行うため樹
脂中の構造が破壊されることがなく、従って高い安定性
を示す。また、発色が光照射によるフォトンモード、消
色が加熱によるヒートモードという異なる経路をとるた
め着色及び消色の各状態の安定性が高い。沸点又は昇華
点が消色温度よりも高いカチオンラジカル安定化剤を用
いるとき又はクロミック樹脂にハロゲンが結合している
とき、発色と消色が安定に繰返される。沸点又は昇華点
が消色温度以下のカチオンラジカル安定化剤を使用する
ときは、1回の発色と消色はできる。しかし、この場合
も樹脂をカチオンラジカル安定化剤で処理することによ
り発色と消色が可能になる。
【0049】本発明における表示材は、前記クロミック
用樹脂、前記クロミック樹脂又は前記クロミック樹脂組
成物の成形物、前記クロミック用樹脂、前記クロミック
樹脂又は前記クロミック樹脂組成物をポリカーボネー
ト、アクリル樹脂、ポリイミド等の樹脂、ガラス、セラ
ミック、金属などの材質からなる基材に積層又は埋設し
てなるもの、上記基材を前記クロミック用樹脂、前記ク
ロミック樹脂又は前記クロミック樹脂組成物で被覆して
なるもの、前記クロミック用樹脂、前記クロミック樹脂
又は前記クロミック樹脂組成物が紙、布、ガラスクロス
等の吸液性の材料に含浸されて一体化しているものなど
の形態であり得る。これらの製造法としては、前記した
クロミック用樹脂組成物自体をフィルム状、ブロック状
等の形状に前記したように注形成形、溶融成形する方
法、このような方法により得られたフィルム、ブロック
等を基材に接着剤で貼り付ける方法又は埋め込む方法、
前記したクロミック用樹脂組成物を基材上に注形成形、
溶融成形、塗布して硬化反応させる方法、前記したクロ
ミック用樹脂組成物を吸液性の材料に塗布、ハンドレイ
・アップ、注形成形、溶融成形等の方法により含浸して
硬化させる方法がある。前記クロミック用樹脂、前記ク
ロミック樹脂又は前記クロミック樹脂組成物が、注形成
形、溶融成形又は塗布が可能なものである場合は、これ
らを使用して上記と同様の方法で種々の形態の表示材に
成形することができる。また、上記表示材が前記クロミ
ック用樹脂からなるものである場合は、使用の前に、前
記したようにカチオンラジカル安定剤で処理される。前
記クロミック用樹脂及びクロミック樹脂組成物は、これ
らの粉末を他のポリマー(例えば、ポリメチルメタクリ
レート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン
等)を混合して用いてもよい。
【0050】本発明における表示材の用途としては、感
熱記録フィルム、感熱記録紙、プリペイカード等のカー
ドの全面又は一部の表示材、色ガラス、印刷ガラス、紫
外線検知ラベル、紫外線量測定ラベル、サーモラベル、
オーディオ、ビデオ、コンピューター等に使用される磁
気テープの残量表示帯などがある。
【0051】本発明における表示材への表示方法として
は、未発色の表示材に、紫外線を照射させて、照射部を
着色させる方法がある。この場合、適当なマスクを表示
材の上に載置することにより、任意の図形、文字等を表
示することができる。紫外線は、天然の紫外線を利用し
てもよく、高圧水銀灯等から発生する紫外線を利用して
もよい。発色した表示は、加熱することにより消色する
ことができる。加熱は、熱風の吹き付け、熱接触、表示
体が吸収する波長の光の照射等により行うことができ、
その手段としては、ドライヤー、ホットガン、感熱ヘッ
ド、面状、針状、棒状等の形状の発熱体、ラバーヒー
タ、レーザー、赤外線ランプ等がある。また、本発明に
おける表示材への表示方法としては、表示材を紫外線照
射により発色状態にしておき、これを消色する方法があ
る。消色は上記と同様にして行うことができるが、カー
ドに表示材を適用したものは、例えば、カード印字用サ
ーマルプリンタによって行うことができる。なお、本発
明において、発色とは、可視的な意味だけでなく、吸収
スペクトルを測定することによりある波長での吸収(例
えば、近赤外領域での吸収)が増大するすることも意味
する。
【0052】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を説明する。
【0053】実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量45
0〕1.1g、パラフェニレンジアミン0.066g
(0.61ミリモル)及びパラトルエンスルホン酸エチ
ル0.122g(0.061ミリモル)をメチルイソブ
チルケトンに溶解し、クロミック樹脂用組成物を得た。
溶液中の樹脂分は35重量%であった。この溶液を縦2
6mm、横26mm、厚さ2mmのガラス板上に100
0rpmで10秒、続いて2000rpmで30秒の条
件で回転塗布機により塗布した。この後150℃で1時
間熱硬化を行い、クロミック樹脂組成物からなる膜(表
示材)で被覆されたガラス板を得た。
【0054】上記で得られたクロミック樹脂組成物から
なる膜は微黄色であった。日立自記分光光度計U340
0により可視吸収スペクトルを測定した結果、500乃
至700nmに顕著な吸収はなかった。この可視吸収ス
ペクトルを図1にグラフ1として示す。また、この膜に
ついて電子スピン共鳴(ESR)スペクトルを測定した
ところ、吸収はなく、ラジカルは検出されなかった。こ
の膜に高圧水銀灯により紫外線を1000mJ/cm2
照射したところ膜は濃青紫色に変色した。可視吸収スペ
クトルを測定した結果、500乃至700nmに顕著な
吸収が見られた。この可視吸収スペクトルを図1にグラ
フ2として示す。また、この膜の電子スピン共鳴(ES
R)スペクトルを図2に示す。次に200℃に加熱した
ホットプレート上でガラス板を下にして膜を加熱すると
膜は8秒で微黄色となった(すなわち消色した)。この
膜の可視吸収スペクトルは紫外線照射前のスペクトル
(図1のグラフ1)に類似していた。再度この膜に10
00mJ/cm2 の紫外線を照射した結果、膜は再び濃
青紫色に変色した。この膜の可視吸収スペクトルは最初
の濃青紫色の膜のスペクトル(図1のグラフ2)と同様
の形状であった。さらに、上記と同様に加熱すると微黄
色となり500乃至700nmの吸収は消失した。この
ような発色と消色を10回繰り返したが、発色と消色は
上記のように行われ、表面がべとつく等の特別な異常は
観察されなかった。この膜を濃青紫色の状態で数週間放
置しておいたが色相に変化は認められなかった。
【0055】参考例1 N,N,N′,N′−テトラメチルパラフェニレンジア
ミン1モルに対して過塩素酸リチウム1モルをアセトン
中に溶解し、室温で1日間放置した。アセトンは徐々に
蒸発し、これにつれて溶液は青味を帯び、最終的に紫色
の結晶を得た。得られた結晶を再びアセトンに溶解した
ところ、溶液の色は、青紫色であった。この溶液のES
Rスペクトルを測定した。この結果を図3示す。上記の
結晶は、ウルスタ塩として知られており、その構造は、
下記化17〔式(XVII)〕で示されるものであることが知
られている。
【化17】
【0056】前記実施例1における図2のESRスペク
トルと前記参考例1における図3のESRスペクトルを
それぞれ比較すると、これらは同様の形状を示し、吸収
位置も同様であることが明らかである。これらの結果か
ら、実施例1のクロミック樹脂組成物で紫外線を照射し
たもの及び参考例1のウルスタ塩には、ラジカルを有す
る同様の構造が存在するものと推定される。さらに、前
記のとおり前記クロミック樹脂組成物の消色時にはラジ
カルが存在しないこと、前記ウルスタ塩の構造及び前記
クロミック樹脂組成物中の樹脂の構造(前記ジアミンの
アミノ基と前記エポキシ樹脂のエポキシ基が反応して形
成されたもの)を考えあわせると、前記クロミック樹脂
組成物の着色は、発色団としての化18〔式(XVIII)〕
で示される共鳴構造系に基づき、前記クロミック樹脂の
消色時には、化19〔式(XIX)〕の構造が、発色団前駆
体として存在する。
【化18】
【化19】
【0057】実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量45
0〕1.0g及びパラフェニレンジアミン0.06g
(0.56ミリモル)をメチルイソブチルケトンに溶解
し、クロミック樹脂用組成物を得た。溶液中の樹脂分は
35重量%であった。この溶液を縦26mm、横26m
m、厚さ2mmのガラス板上に1000rpmで10
秒、続いて2000rpmで30秒の条件で回転塗布機
により塗布した。この後150℃で1時間熱硬化を行っ
た。ついで、パラトルエンスルホン酸エチルの10重量
%メチルイソブチルケトン溶液に2時間浸漬した後、膜
表面をメチルイソブチルケトンで洗浄し乾燥してクロミ
ック樹脂組成物からなる膜(表示材)で被覆されたガラ
ス板を得た。
【0058】上記で得られたクロミック樹脂組成物から
なる膜は微黄色であった。日立自記分光光度計U340
0により可視吸収スペクトルを測定した結果、500乃
至700nmに顕著な吸収はなかった。この可視吸収ス
ペクトルを図4にグラフ3として示す。この膜に高圧水
銀灯により紫外線を1000mJ/cm2 照射したとこ
ろ膜は濃青紫色に変色した。可視吸収スペクトルを測定
した結果、500乃至700nmに顕著な吸収が見られ
た。この可視吸収スペクトルを図4にグラフ4として示
す。次に200℃に加熱したホットプレート上でガラス
板を下にして膜を加熱すると膜は10秒で微黄色となっ
た(すなわち消色した)。この膜の可視吸収スペクトル
は紫外線照射前のスペクトル(図4のグラフ3)に類似
していた。再度この膜に1000mJ/cm2 の紫外線
を照射した結果、膜は再び濃青紫色に変色した。この膜
の可視吸収スペクトルは最初の濃青紫色の膜のスペクト
ル(図4のグラフ4)と同様の形状であった。さらに、
上記と同様に加熱すると微黄色となり500乃至700
nmの吸収は消失した。このような発色と消色を10回
繰り返したが、発色と消色は上記のように行われ、表面
がべとつく等の特別な異常は観察されなかった。この膜
を濃青紫色の状態で数週間放置しておいたが色相に変化
は認められなかった。
【0059】実施例3 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂〔BREN
−S(日本化薬株式会社商品名)、エポキシ当量28
4、臭素含有率35重量%〕1.08g及びパラフェニ
レンジアミン0.18g(1.64ミリモル)をメチル
イソブチルケトンに溶解し、クロミック樹脂用組成物を
得た。溶液中の樹脂分は50重量%であった。この溶液
を縦26mm、横26mm、厚さ2mmのガラス板上に
1000rpmで10秒、続いて2000rpmで30
秒の条件で回転塗布機により塗布した。この後、150
℃で1時間熱硬化を行い、クロミック樹脂からなる膜
(表示材)で被覆されたガラス板を得た。
【0060】上記で得られたクロミック樹脂からなる膜
は微黄色であった。日立自記分光光度計U3400によ
り可視吸収スペクトルを測定した結果、500乃至70
0nmに顕著な吸収はなかった。この可視吸収スペクト
ルを図5にグラフ5として示す。この膜に高圧水銀灯に
より紫外線を1000mJ/cm2 照射したところ膜は
濃青紫色に変色した。可視吸収スペクトルを測定した結
果、500乃至700nmに顕著な吸収が見られた。こ
の可視吸収スペクトルを図5にグラフ6として示す。次
に200℃に加熱したホットプレート上でガラス板を下
にして膜を加熱すると膜は11秒で微黄色となった(す
なわち消色した)。この膜の可視吸収スペクトルは紫外
線照射前のスペクトル(図5のグラフ5)に類似してい
た。再度この膜に1000mJ/cm2 の紫外線を照射
した結果、膜は再び濃青紫色に変色した。この膜の可視
吸収スペクトルは最初の濃青紫色の膜のスペクトル(図
5のグラフ6)と同様の形状であった。さらに、上記と
同様に加熱すると微黄色となり500乃至700nmの
吸収は消失した。このような発色と消色を10回繰り返
したが、発色と消色は上記のように行われ、表面がべと
つく等の特別な異常は観察されなかった。この膜を濃青
紫色の状態で数週間放置しておいたが色相に変化は認め
られなかった。
【0061】実施例4 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量45
0〕0.43g、2,6ーナフタレンジアミン37.3
mg(0.236ミリモル)及びパラトルエンスルホン
酸エチル50.0mg(0.25ミリモル)をメチルエ
チルケトンに溶解し、クロミック樹脂用組成物を得た。
溶液中の樹脂分は40重量%であった。この溶液を縦2
6mm、横26mm、厚さ2mmのガラス板上に100
0rpmで10秒、続いて2000rpmで40秒の条
件で回転塗布機により塗布した。この後150℃で1時
間熱硬化を行い、クロミック樹脂組成物からなる膜(表
示材)で被覆されたガラス板を得た。
【0062】上記で得られたクロミック樹脂組成物から
なる膜は微黄色であった。日立自記分光光度計U340
0により可視近赤外吸収スペクトルを測定した結果、6
00乃至1000nmに顕著な吸収はなかった。この可
視近赤外吸収スペクトルを図6にグラフ7として示す。
この膜に高圧水銀灯により紫外線を500mJ/cm2
照射したところ膜はわずかに緑がかった色に変色した。
可視近赤外吸収スペクトルを測定した結果、650乃至
950nmに顕著な吸収が見られた。この可視近赤外吸
収スペクトルを図6にグラフ8として示す。次に170
℃に加熱したホットプレート上でガラス板を下にして膜
を加熱すると膜は約15秒で微黄色となった。この膜の
可視近赤外吸収スペクトルは紫外線照射前のスペクトル
(図6のグラフ7)に類似していた。再度この膜に50
0mJ/cm2 の紫外線を照射した結果、膜は再びわず
かに緑がかった色に変色した。この膜の可視近赤外吸収
スペクトルは最初のわずかに緑がかった色の膜のスペク
トル(図6のグラフ8)と同様の形状であった。さら
に、上記と同様に加熱すると微黄色となり近赤外域(す
なわち650乃至950nm)の吸収は消失した。この
ような近赤外域の吸収変化(微黄色と微緑色の変化を伴
う)を10回繰り返したが、膜の近赤外域の吸収変化は
上記のとうりであり、表面がべとつく等の特別な以上は
観察されなかった。この膜を近赤外域に吸収を示す状態
で数週間放置しておいたが近赤外域の吸収に変化は認め
られなかった。
【0063】実施例5 ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂〔BR
EN−S(日本化薬株式会社商品名)、エポキシ当量2
84、臭素含有率35重量%〕0.35g及び2,6ー
ナフタレンジアミン48.0mg(0.303ミリモ
ル)をメチルエチルケトンに溶解した。溶液中の樹脂分
は38重量%であった。この溶液を縦26mm、横26
mm、厚さ2mmのガラス板上に1000rpmで10
秒、続いて2000rpmで40秒の条件で回転塗布機
により塗布した。この後150℃で1時間熱硬化を行
い、クロミック樹脂からなる膜(表示材)で被覆された
ガラス板を得た。
【0064】上記で得られたクロミック樹脂からなる膜
は微黄色であった。この膜の可視近赤外吸収スペクトル
を図7にグラフ9として示す。700乃至1000nm
に顕著な吸収はなかった。この膜に高圧水銀灯により紫
外線を500mJ/cm2 照射したところ膜はわずかに
緑がかった色に変色した。可視近赤外吸収スペクトルを
測定した結果、650乃至950nmに顕著な吸収が見
られた。この可視近赤外吸収スペクトルを図7にグラフ
10として示す。次に170℃に加熱したホットプレー
ト上でガラス板を下にして膜を加熱すると膜は約15秒
で微黄色となった。この膜の可視近赤外吸収スペクトル
は紫外線照射前のスペクトル(図7のグラフ9)に類似
していた。再度この膜に500mJ/cm2 の紫外線を
照射した結果、膜は再びわずかに緑がかった色に変色し
た。この膜の可視近赤外吸収スペクトルは最初のわずか
に緑がかった色の膜のスペクトル(図7のグラフ10)
と同様の形状であった。さらに、上記と同様に加熱する
と微黄色となり近赤外域(すなわち650乃至950n
m)の吸収は消失した。このような近赤外域の吸収変化
(微黄色と微緑色の変化を伴う)を10回繰り返した
が、膜の近赤外域の吸収変化は上記のとうりであり、表
面がべとつく等の特別な以上は観察されなかった。この
膜を近赤外域に吸収を示す状態で数週間放置しておいた
が近赤外域の吸収に変化は認められなかった。
【0065】実施例6 テトラグリシジルパラフェニレンジアミン(分子量33
2、エポキシ当量83)0.58g、メチルテトラヒド
ロ無水フタル酸(日立化成工業株式会社製HN220
0)0.162g(0.98ミリモル)及びパラトルエ
ンスルホン酸エチル0.57g(0.29ミリモル)を
メチルエチルケトンに溶解した。溶液中の樹脂分は43
重量%であった。この溶液を縦26mm、横26mm、
厚さ2mmのガラス板上に1000rpmで10秒、続
いて2000rpmで40秒の条件で回転塗布機により
塗布した。この後150℃で1時間熱硬化を行い、クロ
ミック樹脂組成物からなる膜(表示材)で被覆されたガ
ラス板を得た。
【0066】上記で得られたフォトクロミック樹脂組成
物からなる膜は微黄色であった。この膜の可視吸収スペ
クトルを図8にグラフ11として示す。この膜に高圧水
銀灯により紫外線を500mJ/cm2 照射したところ
膜は青色に変色した。可視吸収スペクトルを測定した結
果、500乃至700nmに吸収が増大した。この可視
吸収スペクトルを図8にグラフ12として示す。次に1
70℃に加熱したホットプレート上でガラス板を下にし
て膜を加熱すると膜は約15秒で微黄色となった。この
膜の可視吸収スペクトルは紫外線照射前のスペクトル
(図8のグラフ11)に類似していた。再度この膜に5
00mJ/cm2 の紫外線を照射した結果、膜は再び青
色に変色した。この膜の可視吸収スペクトルは最初の青
色の膜のスペクトル(図8のグラフ12)と同様の形状
であった。さらに、上記と同様に加熱すると微黄色とな
り近赤外域(すなわち500乃至700nm)の吸収が
減少した。このような発色と消色を10回繰り返した
が、膜の可視域の吸収変化は上記のとおりであり、表面
がべとつく等の特別な以上は観察されなかった。この膜
を着色状態で数週間放置しておいたが色相に変化は認め
られなかった。
【0067】実施例7 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量45
0〕0.43g及び2,6−ナフタレンジアミン37.
3mg(0.236ミリモル)をメチルエチルケトンに
溶解し、クロミック樹脂用組成物を得た。溶液中の樹脂
分は40重量%であった。この溶液を縦26mm、横2
6mm、厚さ2mmのガラス板上に1000rpmで1
0秒、続いて2000rpmで40秒の条件で回転塗布
機により塗布した。この後150℃で1時間熱硬化を行
った。得られた膜に臭化エチル0.1mlを塗布し室温
で5分放置して、クロミック樹脂組成物からなる膜(表
示材)で被覆されたガラス板を得た。
【0068】上記で得られたクロミック樹脂組成物から
なる膜は微黄色であった。日立自記分光光度計U340
0により可視近赤外吸収スペクトルを測定した結果、6
00乃至1000nmに顕著な吸収はなかった。この可
視近赤外吸収スペクトルを図9にグラフ13として示
す。この膜に高圧水銀灯により紫外線を500mJ/c
2 照射したところ膜はわずかに緑がかった色に変色し
た。可視近赤外吸収スペクトルを測定した結果、650
乃至950nmに顕著な吸収が見られた。この可視近赤
外吸収スペクトルを第9図にグラフ14として示す。次
に170℃に加熱したホットプレート上でガラス板を下
にして膜を加熱すると膜は約15秒で微黄色となった。
この膜の可視近赤外吸収スペクトルは紫外線照射前のス
ペクトル(第9図のグラフ13)に類似していた。再度
この膜に500mJ/cm2 の紫外線を照射したが再着
色は起こらなかった。前記の加熱により、臭化エチルが
揮散したものと考えられる。この後、前記と同様にして
膜に臭化エチルを塗布し、室温で乾燥し、前記と同様に
紫外線の照射及び加熱を順次行ったところ、前記と同様
に発色及び消色が起こった。
【0069】比較例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量45
0〕1.0g、4,4′−ジアミノジフェニルメタン
0.1g(0.51ミリモル)及びパラトルエンスルホ
ン酸エチル0.1g(0.50ミリモル)をメチルイソ
ブチルケトンに溶解し、クロミック樹脂用組成物を得
た。溶液中の樹脂分は40重量%であった。この溶液を
実施例1と同様にしてガラス板に回転塗布し、150℃
で1時間熱硬化を行い、クロミック樹脂組成物からなる
膜を得た。
【0070】得られたクロミック樹脂組成物からなる膜
は黄褐色であった。日立自記分光光度計U3400によ
り可視吸収スペクトルを測定した結果を図10にグラフ
15として示す。この膜に高圧水銀灯により紫外線を1
000mJ/cm2 照射したところ膜は微緑色に変色し
た。紫外線照射後の可視吸収スペクトルを図10にグラ
フ16として示す。グラフ16から明らかなように、微
緑色は400nm乃至500nmの吸収に基づく黄褐色
と600nmの吸収に基づく青色の混合吸収ににより呈
するものである。次に200℃に加熱したホットプレー
ト上でガラス板を下にして膜を加熱すると膜は20秒で
黄褐色となった。以上の結果から明らかなように、この
比較例のクロミック樹脂組成物は、発色時と消色時でコ
ントラストが小さいものであった。このような発色と消
色を10回繰り返したところ、消色時に褐色が濃くな
り、紫外線照射後の色相が初期に比べ変化した。
【0071】比較例2 ハロゲン化フェノールノボラック型エポキシ樹脂〔BR
EN−S(日本化薬株式会社商品名)、エポキシ当量2
84、臭素含有率35重量%〕1.5g及び4,4′−
ジアミノジフェニルメタン0.5g(2.53ミリモ
ル)をメチルエチルケトンに溶解し、クロミック樹脂用
組成物を得た。溶液中の樹脂分は50重量%であった。
この溶液を実施例1と同様にしてガラス板に回転塗布
し、150℃で1時間熱硬化を行い、クロミック樹脂か
らなる膜を得た。
【0072】上記で得られたクロミック樹脂からなる膜
は無色であった。日立自記分光光度計U3400により
可視吸収スペクトルを測定した結果を図11にグラフ1
7として示す。次に200℃に加熱したホットプレート
上でガラス板を下にして膜を加熱すると膜は1分40秒
で消色した。このような発色と消色を10回繰り返した
ところ、膜の色は消色時に褐色に、紫外線照射後に緑色
になり、また、膜の表面がべとつき、分子量の低下がみ
られた。前記の結果から明らかなように、本発明におけ
るクロミック樹脂又はクロミック用樹脂には、このよう
な分子量の低下は認められなかった。
【0073】実施例8 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量45
0〕0.55g及びN,N−ジメチルパラフェニレンジ
アミン82.3mg(0.61ミリモル)をメチルエチ
ルケトン1.0mlに溶解し、徐々に加熱してメチルエ
チルケトンを留去し、最終的に150℃で1時間反応さ
せた。生成物をメチルエチルケトン2.0mlに溶解
し、ヘキサン200ml中に再沈して、ポリマを得た。
このポリマ0.1gをメチルエチルケトン0.5mlに
溶解して溶液を得た。この溶液を縦26mm、横26m
m、厚さ2mmのガラス板上に1000rpmで10
秒、続いて2000rpmで40秒の条件で回転塗布機
により塗布した。この後、室温に放置して乾燥し、微黄
色の膜(表示材)で被覆されたガラス板を得た。日立自
記分光光度計U3400により紫外可視吸収スペクトル
を測定した結果、500乃至700nmに顕著な吸収は
なかった。上記ポリマ及び膜を用い次の試験を行った。
【0074】(1) パラトルエンスルホン酸エチルを用い
る試験 (a) パラトルエンスルホン酸エチル処理及び紫外線照射
処理 この膜をパラトルエンスルホン酸エチル0.5gを溶解
したメタノール溶液10mlに浸漬後、室温に放置して
乾燥した。この膜に高圧水銀灯により紫外線を500m
J/cm2 照射したところ膜は青色に変色した。紫外可
視吸収スペクトルを測定した結果、500乃至700n
mに顕著な吸収が見られた。この紫外可視吸収スペクト
ルを図12に示す。 (b) 加熱処理 次に150℃に加熱したホットプレート上でガラス板を
下にして膜を加熱すると膜は約20秒で微黄色となった
(すなわち消色した)。この膜の紫外可視吸収スペクト
ルは紫外線照射前のスペクトルに類似していた。 (c) 繰返し性試験及び安定性試験 再度この膜に500mJ/cm2 の紫外線を照射した結
果、膜は再び青色に変色した。この膜の紫外可視吸収ス
ペクトルは青色の膜のスペクトル(図12)と同様の形
状であった。さらに、上記と同様に加熱すると微黄色と
なり500乃至700nmの吸収は消失した。このよう
な発色と消色を10回繰り返したが、発色と消色は上記
のように行われ、表面がべとつく等の特別な異常は観察
されなかった。この膜を青色の状態で数週間放置してお
いたが色相に変化は認められなかった。
【0075】(2) クロロホルム又は塩化メチレンを用い
る試験 (a) 前記で得られた膜をクロロホルム又は塩化メチレン
に浸漬後、室温で10分間乾燥した。この後、上記パラ
トルエンスルホン酸エチルを用いる試験と同様に、紫外
線照射処理及び加熱処理を行った。クロロホルム及び塩
化メチレンを用いたいずれの場合も紫外線照射処理によ
り青色に発色し、加熱処理により消色して微黄色になっ
た。最初に青色になった膜を室温で放置したところ、約
1日で青色は消失した。消色した膜を紫外線照射処理し
ても発色しなかった。消色した膜を上記と同様にクロロ
ホルム又は塩化メチレンで処理をし、紫外線照射処理及
び加熱処理を行ったところ上記と同様に発色及び消色が
起こった。 (b) 前記で得られたビスフェノールA型エポキシ樹脂と
N,N−ジメチルパラフェニレンジアミンの反応生成物
(ポリマ)をメチルエチルケトン/クロロホルムの1/1
(容積比)の溶液に溶解した。この溶液に紫外線を50
0mJ/cm2照射したところ、溶液は青色に着色し
た。この溶液を縦26mm、横26mm、厚さ2mmの
ガラス板上に1000rpmで10秒、続いて2000
rpmで40秒の条件で回転塗布機により塗布した。こ
の後、室温に放置して乾燥して青色の膜を得た。この膜
の紫外可視吸収スペクトルは前記図12と同様であっ
た。この膜を、上記パラトルエンスルホン酸エチルを用
いる試験と同様に加熱処理したところ、消色し、微黄色
の膜になった。青色に着色した膜室温で放置したとこ
ろ、約1日で青色は消失した。消色した膜を紫外線照射
処理しても発色しなかった。上記の青色に着色した溶液
をヘキサン中に注ぐと、青色のポリマが沈殿した。青色
のポリマを濾過により採取し、栓をしたガラスビンの中
で保存したところ、1週間たっても色相に変化はなかっ
た。
【0076】(3) ヨウ素溶液を用いる試験 比較のため、前記で得られた膜を、ヨウ素20mgを溶
解したメタノール20mlに浸漬したところ、膜は青色
に着色した。
【0077】実施例9 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量45
0〕0.31g及びN,N′−ジメチルパラフェニレン
ジアミン46.6mg(0.34ミリモル)をメチルエ
チルケトン1.0mlに溶解し、徐々に加熱してメチル
エチルケトンを留去し、最終的に150℃で1時間反応
させた。生成物をメチルエチルケトン2.0mlに溶解
し、ヘキサン200ml中に再沈して、ポリマ0.28
gを得た。このポリマを用い、実施例8に準じてガラス
板上に塗布し、乾燥して微黄色の膜(表示材)で被覆さ
れたガラス板を得た。この後、上記生成物(ポリマ)及
び膜を用いて実施例8に準じてパラトルエンスルホン酸
エチルを用いる試験、クロロホルム又は塩化メチレンを
用いる試験及びヨウ素溶液を用いる試験を行ったとこ
ろ、実施例8と同様の結果であった。
【0078】実施例10 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート828
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量17
0〕0.42g及びN,N−ジメチルパラフェニレンジ
アミン73.5mg(0.54ミリモル)をメチルエチ
ルケトン1.0mlに溶解し、徐々に加熱してメチルエ
チルケトンを留去し、最終的に150℃で1時間反応さ
せた。生成物をメチルエチルケトン2.0mlに溶解
し、ヘキサン200ml中に再沈して、ポリマ0.39
gを得た。このポリマを用い、実施例8に準じてガラス
板上に塗布し、乾燥して微黄色の膜(表示材)で被覆さ
れたガラス板を得た。この後、上記ポリマ及び膜を用い
て実施例8に準じてパラトルエンスルホン酸エチルを用
いる試験、クロロホルム又は塩化メチレンを用いる試験
及びヨウ素溶液を用いる試験を行ったところ、実施例8
と同様の結果であった。
【0079】実施例11 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート828
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量17
0〕0.12g及びN,N−ジメチルパラフェニレンジ
アミン47.7mg(0.35ミリモル)をメチルエチ
ルケトン1.0mlに溶解し、徐々に加熱してメチルエ
チルケトンを留去し、最終的に150℃で1時間反応さ
せた。生成物をメチルエチルケトン2.0mlに溶解
し、ヘキサン200ml中に再沈して、ポリマ0.1g
を得た。このポリマを用い、実施例8に準じてガラス板
上に塗布し、乾燥して微黄色の膜(表示材)で被覆され
たガラス板を得た。この後、上記ポリマ及び膜を用いて
実施例8に準じてパラトルエンスルホン酸エチルを用い
る試験、クロロホルム又は塩化メチレンを用いる試験及
びヨウ素溶液を用いる試験を行ったところ、実施例8と
同様の結果であった。
【0080】実施例12 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量17
0〕2.53g及びパラフェニレンジアミン152.0
mg(1.41ミリモル)をメチルエチルケトン5.0
mlに溶解して溶液を得た。この溶液を縦26mm、横
26mm、厚さ2mmのガラス板上に1000rpmで
10秒、続いて2000rpmで40秒の条件で回転塗
布機により塗布した。この後、室温で20分間放置して
乾燥し、次いで、150℃で1時間反応させて微黄色の
膜(表示材)で被覆されたガラス板を得た。この後、上
記ポリマ及び膜を用いて実施例8に準じてパラトルエン
スルホン酸エチルを用いる試験、クロロホルム又は塩化
メチレンを用いる試験(ただし、(b) のメチルエチルケ
トン/クロロホルム溶液を用いる試験を除く)及びヨウ
素溶液を用いる試験を行ったところ、実施例8と同様の
結果であった。
【0081】実施例13 ビスフェノールA型エポキシ樹脂〔エピコート1001
(油化シェルエポキシ社商品名)、エポキシ当量45
0〕1.984g、パラフェニレンジアミン0.452
g(4.559ミリモル)及びパラトルエンスルホン酸
エチル0.590g(0.061ミリモル)をメチルエ
チルケトンに溶解し、クロミック用樹脂組成物を得た。
溶液中の樹脂分は46重量%であった。この溶液を縦1
00mm、横100mm、厚さ1mmのセラミック板上
に1000rpmで10秒、続いて2000rpmで4
0秒の条件で回転塗布機により塗布した。この後、室温
で15分間、150℃で1時間熱硬化を行い、クロミッ
ク樹脂組成物からなる膜(表示材)で被覆されたセラミ
ック板を得た。
【0082】上記クロミック樹脂組成物からなる膜は、
微黄色であった。この膜に、図13で示すマスクを載置
した。図13において、透明なフィルムに字19が黒く
塗られている。ついで、高圧水銀灯により紫外線を50
0mJ/cm2 照射した。この後、マスクを取り去っ
た。その結果、クロミック樹脂組成物からなる膜に上記
図12に示すマスクに描かれた字に対応する部分は微黄
色で変化はなかったが、その他の部分は青色に発色し
た。この状態で、数週間室温で放置したが、発色状態に
変化はなかった。また、上記の表示体を150℃で5分
間加熱したところ、青色は消え、微黄色になった。
【0083】実施例14 実施例13において、縦100mm、横100mm、厚
さ1mmのセラミック板を縦26mm、横26mm、厚
さ2mmのガラス板に換えた以外は、実施例8に準じて
クロミック樹脂組成物からなる膜(表示材)で被覆され
たガラス板を得た。この表示材に、紫外線を照射し、照
射光量と600nmでの吸光度を測定した。この時の紫
外線照射光量(対数目盛)と600nmでの吸光度の関
係を図14に示す。なお、吸光度は日立自記分光光度計
U−3400を使用した。図15から明らかなように、
紫外線照射光量と600nmでの吸光度の間に直線関係
があり、上記表示材が紫外線量測定ラベル又は紫外線検
知ラベルとして使用できることが明らかである。
【0084】実施例15 実施例1において、縦26mm、横26mm、厚さ2m
mのガラス板を縦84mm、横54mm、厚さ270μ
mのポリエチレンテレフタレート製白色カードに換えた
以外は、実施例1に準じて行い、クロミック樹脂組成物
からなる膜(表示材)で被覆されたカードを得た。この
このカードの表示材に紫外線を500mJ/cm2照射
したところ、青色に発色した。この後、表示材の上に幅
12mmの磁気テープを貼り付け、カード印字用サーマ
ルプリンタ(W−300型、株式会社サンニスカ製)で
印字したところ、表示材の印字部は消色し、カードの白
色が見えるようになった。この状態で、数週間室内で放
置したが、白い印字に変化はなかった。
【0085】
【発明の効果】請求項1における表示材で、それに含ま
れるクロミック用樹脂にクロミック性を付与してもの並
びに請求項2、請求項3又は請求項4における表示材
は、着色時と消色時のコントラストが大きいものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたクロミック樹脂の可視吸収
スペクトルを示す。
【図2】実施例1で得られたクロミック樹脂の着色時の
電子共鳴スペクトルを示す。
【図3】参考例1で得られたウルスター塩のESRスペ
クトルを示す。
【図4】実施例2で得られたクロミック樹脂の可視吸収
スペクトルを示す。
【図5】実施例3で得られたクロミック樹脂の可視吸収
スペクトルを示す。
【図6】実施例4で得られたクロミック樹脂の可視近赤
外吸収スペクトルを示す。
【図7】実施例5で得られたクロミック樹脂の可視近赤
外吸収スペクトルを示す。
【図8】実施例6で得られたクロミック樹脂の可視吸収
スペクトルを示す。
【図9】実施例7で得られたクロミック樹脂の可視近赤
外吸収スペクトルを示す。
【図10】比較例1で得られたクロミック樹脂の可視吸
収スペクトルを示す。
【図11】比較例2で得られたクロミック樹脂の可視吸
収スペクトルを示す。
【図12】実施例8で得られたクロミック樹脂の着色状
態での紫外可視吸収スペクトルを示す。
【図13】実施例13で使用したマスクの平面図であ
る。
【図14】実施例14の結果として得られた紫外線照射
光量(対数目盛)と600nmでの吸光度の関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1、3、5、7、9、11、13、15、17…製造直
後の可視近赤外吸収スペクトル、 2、4、6、8、10、12、14、16、18…紫外
線照射後の可視近赤外吸収スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小畑 立子 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社 筑波開発研究所内 (56)参考文献 特開 平2−185589(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 9/02 C08G 59/50 C08L 63/00 G03G 5/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1個の芳香環に2個の窒素原子が芳香環
    の最も離れた位置に直接結合しており、その窒素原子の
    少なくとも一部にアルキレン基が結合し、上記2個の窒
    素原子が三級化されている構造単位を含んでなるクロミ
    ック用樹脂を含有してなる表示材。
  2. 【請求項2】 1個の芳香環に2個の窒素原子が芳香環
    の最も離れた位置に直接結合しており、その窒素原子の
    少なくとも一部にアルキレン基が結合し、上記2個の窒
    素原子が三級化されている構造単位を含み、構造中に結
    合しているハロゲン原子を有するクロミック樹脂を含有
    してなる表示材。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のクロミック用樹脂中に
    カチオンラジカル安定化剤を分散させてなるクロミック
    樹脂組成物を含有してなる表示材。
  4. 【請求項4】 1個の芳香環に2個の窒素原子が芳香環
    の最も離れた位置に直接結合しており、その窒素原子の
    少なくとも一部にアルキレン基が結合し、上記2個の窒
    素原子が三級化されており、さらにその一方の窒素原子
    がカチオンラジカルである構造単位を含んでなるクロミ
    ック樹脂を含有してなる表示材。
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