JP2847975B2 - 車両用補機の駆動装置 - Google Patents
車両用補機の駆動装置Info
- Publication number
- JP2847975B2 JP2847975B2 JP1177791A JP1177791A JP2847975B2 JP 2847975 B2 JP2847975 B2 JP 2847975B2 JP 1177791 A JP1177791 A JP 1177791A JP 1177791 A JP1177791 A JP 1177791A JP 2847975 B2 JP2847975 B2 JP 2847975B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- hydraulic
- control means
- hydraulic motor
- vehicle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Auxiliary Drives, Propulsion Controls, And Safety Devices (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、パワーステアリング装
置と油圧式冷却ファン等の車両用補機との駆動を1つの
油圧ポンプで共用駆動させる車両用補機の駆動装置に関
するものである。
置と油圧式冷却ファン等の車両用補機との駆動を1つの
油圧ポンプで共用駆動させる車両用補機の駆動装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】冷却ファンとパワーステアリング装置
(以下PSと称する)とを1個の油圧ポンプで駆動し、
且つ該PSを優先的に駆動するシステムとしてUSP3
659567等が提案されている。然しながら、これ等
のシステムは、ファンモータをバイパスさせるバイパス
弁が必要であり、且つ流路構成が複雑であるため、小型
軽量化や低コスト化が困難であった。
(以下PSと称する)とを1個の油圧ポンプで駆動し、
且つ該PSを優先的に駆動するシステムとしてUSP3
659567等が提案されている。然しながら、これ等
のシステムは、ファンモータをバイパスさせるバイパス
弁が必要であり、且つ流路構成が複雑であるため、小型
軽量化や低コスト化が困難であった。
【0003】更に又、該バイパス弁はPSの上流圧力に
応動してファン側流路を迂回連通させる為に、該PS作
動時にはポンプに余力が有っても有効利用が出来ず、冷
却ファンの回転が低下し、冷却能力が不足し易いと言う
問題が有った。一方、操舵力を検知してソフトウェアに
よりPSを優先的に作動させながらファンの回転を制御
するものは、操舵力検出手段又はPS圧力検手段の付加
が必要となり、従ってコスト上の問題が存在している。
応動してファン側流路を迂回連通させる為に、該PS作
動時にはポンプに余力が有っても有効利用が出来ず、冷
却ファンの回転が低下し、冷却能力が不足し易いと言う
問題が有った。一方、操舵力を検知してソフトウェアに
よりPSを優先的に作動させながらファンの回転を制御
するものは、操舵力検出手段又はPS圧力検手段の付加
が必要となり、従ってコスト上の問題が存在している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、係る
従来技術に於ける問題点を解決し、冷却ファン等の車両
用補機が駆動されている間に該PSが作動された場合
に、該車両用補機を駆動させる油圧モータの圧力制御弁
を該油圧ポンプの吐出圧力に応じて開閉させ、該PSの
必要とする圧力を確保すると共に、該油圧ポンプの定格
圧力において、該車両用補機の回転を保持させ、それに
よって、PS操作の安定と安全性を保証しつつ、油圧ポ
ンプの能力を最大限に有効利用することの出来る車両用
補機の駆動装置を提供するものである。
従来技術に於ける問題点を解決し、冷却ファン等の車両
用補機が駆動されている間に該PSが作動された場合
に、該車両用補機を駆動させる油圧モータの圧力制御弁
を該油圧ポンプの吐出圧力に応じて開閉させ、該PSの
必要とする圧力を確保すると共に、該油圧ポンプの定格
圧力において、該車両用補機の回転を保持させ、それに
よって、PS操作の安定と安全性を保証しつつ、油圧ポ
ンプの能力を最大限に有効利用することの出来る車両用
補機の駆動装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
する為に以下に示す様な技術構成を採用するものであ
る。即ち、油圧ポンプ1、油圧モータ2、パワーステア
リング装置3、とが作動油の流れの方向に沿って、上記
した順序で直列に配管接続されており、且つ、該油圧モ
ータ2には該作動油の圧力もしくはその流量を制御する
制御手段5が並列に接続された車両用補機の駆動装置に
於いて、該制御手段5に設けられたベントポート部53に
該ベントポート部53のゲージ圧に応答して開閉するリリ
ーフ弁7が接続されている車両用補機の駆動装置であ
る。
する為に以下に示す様な技術構成を採用するものであ
る。即ち、油圧ポンプ1、油圧モータ2、パワーステア
リング装置3、とが作動油の流れの方向に沿って、上記
した順序で直列に配管接続されており、且つ、該油圧モ
ータ2には該作動油の圧力もしくはその流量を制御する
制御手段5が並列に接続された車両用補機の駆動装置に
於いて、該制御手段5に設けられたベントポート部53に
該ベントポート部53のゲージ圧に応答して開閉するリリ
ーフ弁7が接続されている車両用補機の駆動装置であ
る。
【0006】即ち本発明の技術構成においては油圧ポン
プ1から吐出された作動油は、車両用補機の1つである
冷却ファン用油圧モータ2、PS3の順に通過し、作動油
タンク4に戻る。又、該油圧モータ2は制御手段5の1
つであり作動油の圧力を制御する機能をもつ例えばバラ
ンスピストン型電磁比例圧力制御弁と並列結合されてお
り電子制御装置(以下ECUと称する)6の指令に基づ
き回転制御される。また該制御手段5のベントポート53
にはパイロットリリーフ弁7が接続されている。
プ1から吐出された作動油は、車両用補機の1つである
冷却ファン用油圧モータ2、PS3の順に通過し、作動油
タンク4に戻る。又、該油圧モータ2は制御手段5の1
つであり作動油の圧力を制御する機能をもつ例えばバラ
ンスピストン型電磁比例圧力制御弁と並列結合されてお
り電子制御装置(以下ECUと称する)6の指令に基づ
き回転制御される。また該制御手段5のベントポート53
にはパイロットリリーフ弁7が接続されている。
【0007】
【作用】本発明においては、油圧モータ2が所定の要求
圧力で作動中にステアリング装置3(PS)が作動され
ることによって油圧ポンプ1が定格圧力Pmax を超える
場合に制御手段5に設けられたリリーフ弁7が開き油圧
モータ2への作動油の流量をバイパスさせて油圧ポンプ
1にかかる圧力を定格圧力に維持させながらPSには優
先的に作動油を供給させるとともに、油圧モータ2には
所定の要求圧力には不足するがかかる制限内での最大の
駆動能力を発揮させるように作動させるものである。
圧力で作動中にステアリング装置3(PS)が作動され
ることによって油圧ポンプ1が定格圧力Pmax を超える
場合に制御手段5に設けられたリリーフ弁7が開き油圧
モータ2への作動油の流量をバイパスさせて油圧ポンプ
1にかかる圧力を定格圧力に維持させながらPSには優
先的に作動油を供給させるとともに、油圧モータ2には
所定の要求圧力には不足するがかかる制限内での最大の
駆動能力を発揮させるように作動させるものである。
【0008】
【実施例】以下本発明に係る車両用補機の駆動装置の具
体例を図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係
る車両用補機の駆動装置の1具体例を示すブロックダイ
アグラムである。
体例を図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係
る車両用補機の駆動装置の1具体例を示すブロックダイ
アグラムである。
【0009】図中、1は油圧ポンプで、図示しない車両
用の原動機によって、プーリー11を介して回転駆動さ
れ、エンジンの回転数に比例してその回転数が決まる。
また油圧ポンプ1は例えば容積型油圧ポンプであること
が好ましく、回転数に比例的に吐出流量も決まるように
構成されている。
用の原動機によって、プーリー11を介して回転駆動さ
れ、エンジンの回転数に比例してその回転数が決まる。
また油圧ポンプ1は例えば容積型油圧ポンプであること
が好ましく、回転数に比例的に吐出流量も決まるように
構成されている。
【0010】2は油圧モータで、油圧ポンプ1から加圧
された作動油の供給を受けて回転作動する。また21は、
図示しない車両用補機例えば熱交換機に設けられた冷却
用ファンで、油圧モータ2の回転軸に装着されて回転駆
動される。
された作動油の供給を受けて回転作動する。また21は、
図示しない車両用補機例えば熱交換機に設けられた冷却
用ファンで、油圧モータ2の回転軸に装着されて回転駆
動される。
【0011】3は油圧式パワーステアリング装置(P
S)で、上流からの圧油の供給を受け、図示しない車両
の操舵入力とに基づいて作動するもので、図示しない車
輪の操向を動力補助する装置である。なお、PS3は概念
上、油圧ポンプ機構を除くすべての油圧式動力操舵機構
(流量制御弁、方向切り替え弁、ピストン、等々…)を
包含したものとする。
S)で、上流からの圧油の供給を受け、図示しない車両
の操舵入力とに基づいて作動するもので、図示しない車
輪の操向を動力補助する装置である。なお、PS3は概念
上、油圧ポンプ機構を除くすべての油圧式動力操舵機構
(流量制御弁、方向切り替え弁、ピストン、等々…)を
包含したものとする。
【0012】4はタンクで、本油圧駆動系の作動油にて
満たされている。
満たされている。
【0013】以上の各構成要素は、タンク4、油圧ポン
プ1、油圧モータ2、PS3、タンク4の順に直列状に閉
回路を形成している。5は本発明における制御手段であ
り、油圧モータ2に供給される作動油の圧力を制御する
ものであってもよく、又その流量を制御するものであっ
てもよい。図1においては作動油の圧力を制御する手段
の例が示されており、例えば比例電磁式圧力制御弁が使
用される。又かかる制御手段は電子制御装置(ECU) 6の
指令に基づき、該制御手段の上流側51の圧力が下流側52
の圧力に対して予め定められた指令値を越えた場合に開
弁しそれ以外には閉弁するように構成されている。従っ
て本発明においては、かかる指令値に応じて該制御手段
5の上下流間の差圧或は流量を可変制御できる。
プ1、油圧モータ2、PS3、タンク4の順に直列状に閉
回路を形成している。5は本発明における制御手段であ
り、油圧モータ2に供給される作動油の圧力を制御する
ものであってもよく、又その流量を制御するものであっ
てもよい。図1においては作動油の圧力を制御する手段
の例が示されており、例えば比例電磁式圧力制御弁が使
用される。又かかる制御手段は電子制御装置(ECU) 6の
指令に基づき、該制御手段の上流側51の圧力が下流側52
の圧力に対して予め定められた指令値を越えた場合に開
弁しそれ以外には閉弁するように構成されている。従っ
て本発明においては、かかる指令値に応じて該制御手段
5の上下流間の差圧或は流量を可変制御できる。
【0014】なお、上記制御手段5の原理、構造は、一
般的公知技術である。又6は電子式制御装置(ECU) で、
図示しない原動機の冷却水温や、空調用冷媒の圧力、そ
の他の車両運転条件の検知信号を入力として、制御手段
5に対して指令信号を出力するものである。
般的公知技術である。又6は電子式制御装置(ECU) で、
図示しない原動機の冷却水温や、空調用冷媒の圧力、そ
の他の車両運転条件の検知信号を入力として、制御手段
5に対して指令信号を出力するものである。
【0015】次に本発明における構成上の特徴の1つに
ついて説明するならば、53は制御手段5に設けられたベ
ントポートで、 ECU6からの指令に関わらず、外部から
制御手段5の開弁圧を制御するためのポートである。そ
して該制御手段のベントポート部53には、リリーフ弁7
が設けられている。該リリーフ弁7は、例えばボール式
逆止弁などのを応用した構造を有しており、該リリーフ
弁7はベントポート53のゲージ圧が所定の設定値を越え
たときにのみ開弁する向きに装着されている。
ついて説明するならば、53は制御手段5に設けられたベ
ントポートで、 ECU6からの指令に関わらず、外部から
制御手段5の開弁圧を制御するためのポートである。そ
して該制御手段のベントポート部53には、リリーフ弁7
が設けられている。該リリーフ弁7は、例えばボール式
逆止弁などのを応用した構造を有しており、該リリーフ
弁7はベントポート53のゲージ圧が所定の設定値を越え
たときにのみ開弁する向きに装着されている。
【0016】つまりリリーフ弁7は、その開弁圧よりも
制御手段5の上流51の圧力、すなわちポンプ1の吐出圧
力が高くなった場合に、制御手段5を強制的に開弁さ
せ、過度な圧力上昇を制限するためのものである。
制御手段5の上流51の圧力、すなわちポンプ1の吐出圧
力が高くなった場合に、制御手段5を強制的に開弁さ
せ、過度な圧力上昇を制限するためのものである。
【0017】更に本発明における上記具体例において
は、該制御手段5に並列に配管結合された他のバイパス
用リリーフ弁9を設けることが好ましい。該リリーフ弁
9はリリーフ弁7と同様に、ボール式逆止弁などのを応
用した構造を有するものであり、制御手段5の上流5の
圧力が下流52の圧力に対して(即ち差圧が)設定値を
(例えば図2のPfm)越えた時にのみ開弁する向きに装着
されている。
は、該制御手段5に並列に配管結合された他のバイパス
用リリーフ弁9を設けることが好ましい。該リリーフ弁
9はリリーフ弁7と同様に、ボール式逆止弁などのを応
用した構造を有するものであり、制御手段5の上流5の
圧力が下流52の圧力に対して(即ち差圧が)設定値を
(例えば図2のPfm)越えた時にのみ開弁する向きに装着
されている。
【0018】つまりリリーフ弁9は、その開弁圧よりも
油圧モータ2の作動圧が高くなった場合に開弁し、作動
圧の過度な上昇を制限する機能を付加するもので、制御
手段5の不時の作動不良をバックアップするためのもの
である。
油圧モータ2の作動圧が高くなった場合に開弁し、作動
圧の過度な上昇を制限する機能を付加するもので、制御
手段5の不時の作動不良をバックアップするためのもの
である。
【0019】以下に本発明に係る車両用補機の駆動装置
の作動について図2を参照しながら説明する。以下の説
明において、図1記載の駆動装置における各部の圧力を
次のように定義する。 P1:油圧ポンプ1吐出圧。
の作動について図2を参照しながら説明する。以下の説
明において、図1記載の駆動装置における各部の圧力を
次のように定義する。 P1:油圧ポンプ1吐出圧。
【0020】P2:油圧モータ2入口圧。 Pp :PS3作動圧、即ち油圧モータ2の出口圧。 Pf (=Pp −P2):油圧モータ2の作動圧。
【0021】なお以下圧力に関する記述は、断りのない
限り作動油タンク4の内圧を0としたゲージ圧を意味す
るものとする。図示しない原動機によって回転駆動され
る油圧ポンプ1によって、タンク4から吸引され、油圧
ポンプ1から吐出された作動油は、冷却ファン等の車両
補機用油圧モータ2、PS3の順に通過し、タンク4に戻
る。
限り作動油タンク4の内圧を0としたゲージ圧を意味す
るものとする。図示しない原動機によって回転駆動され
る油圧ポンプ1によって、タンク4から吸引され、油圧
ポンプ1から吐出された作動油は、冷却ファン等の車両
補機用油圧モータ2、PS3の順に通過し、タンク4に戻
る。
【0022】図示しない原動機の回転数が上昇すると、
ポンプ1の回転数も上昇し、作動油の吐出量も増加す
る。従って、油圧モータ2および冷却ファン21は回転数
が上昇する。このとき冷却ファン21は、送風量が増加す
ると同時に回転抵抗は2次比例的に増大する。ファン21
の回転抵抗増大は油圧モータ2の負荷抵抗であり、すな
わち油圧モータ2の作動圧Pf の増大を意味する。
ポンプ1の回転数も上昇し、作動油の吐出量も増加す
る。従って、油圧モータ2および冷却ファン21は回転数
が上昇する。このとき冷却ファン21は、送風量が増加す
ると同時に回転抵抗は2次比例的に増大する。ファン21
の回転抵抗増大は油圧モータ2の負荷抵抗であり、すな
わち油圧モータ2の作動圧Pf の増大を意味する。
【0023】つまり、ファン回転数Nf に対して油圧モ
ータ2の作動圧Pf は略2次比例的な相関関係を持って
いる。PS3は、図示しない車両のハンドル操作により作
動されるもので、図示しない舵輪の操向動作負荷状態に
応じて、PSの上流の圧力すなわち作動圧Pp が変化す
る。一般に車両の速度が低いほど、また舵輪の舵角が大
きいほど操向動作負荷も高く、したがって作動圧Pp も
高くなる。
ータ2の作動圧Pf は略2次比例的な相関関係を持って
いる。PS3は、図示しない車両のハンドル操作により作
動されるもので、図示しない舵輪の操向動作負荷状態に
応じて、PSの上流の圧力すなわち作動圧Pp が変化す
る。一般に車両の速度が低いほど、また舵輪の舵角が大
きいほど操向動作負荷も高く、したがって作動圧Pp も
高くなる。
【0024】図2は、モータ2の作動圧Pf 、PS3の
作動圧Pp など、システムの作動状態とポンプ1の定格
圧力との関連について表した図である。まずはじめに、
油圧モータ2の要求圧力がPf1,PS3の要求圧力がPp
1、すなわち油圧ポンプ1の動作点はR1にあるものと
する。このときの油圧ポンプ1の吐出流量をQt 、油圧
モータ2の要求流量をQf1、実際の通過流量をQf とす
る。
作動圧Pp など、システムの作動状態とポンプ1の定格
圧力との関連について表した図である。まずはじめに、
油圧モータ2の要求圧力がPf1,PS3の要求圧力がPp
1、すなわち油圧ポンプ1の動作点はR1にあるものと
する。このときの油圧ポンプ1の吐出流量をQt 、油圧
モータ2の要求流量をQf1、実際の通過流量をQf とす
る。
【0025】ここでQt <Qf1のときはQf =Qt とな
り、ファン21の回転数は必要とされる回転数Nf1より低
い回転数となる。
り、ファン21の回転数は必要とされる回転数Nf1より低
い回転数となる。
【0026】次に図示しない原動機の回転がさらに上昇
して油圧ポンプ1の吐出流量Qt が増大し、Qt >Qf1
になると、油圧モータ2の作動圧Pf もPf1を越える。
この時 ECU6の指令値によって例えば比例電磁圧力制御
弁からなる制御手段5の開弁圧がPf1に設定されている
と、制御手段5が開弁して作動油は上流51から下流52
へ、油圧モータ2を迂回して流れ、油圧モータ2の作動
圧はPf1に保持される。その結果、油圧ポンプ1の吐出
流量Qt が増大しても油圧モータ2へ供給される流量Q
f はQf1以上には増大せず、油圧モータ2すなわち冷却
ファン21の回転数はNf1に保持される。
して油圧ポンプ1の吐出流量Qt が増大し、Qt >Qf1
になると、油圧モータ2の作動圧Pf もPf1を越える。
この時 ECU6の指令値によって例えば比例電磁圧力制御
弁からなる制御手段5の開弁圧がPf1に設定されている
と、制御手段5が開弁して作動油は上流51から下流52
へ、油圧モータ2を迂回して流れ、油圧モータ2の作動
圧はPf1に保持される。その結果、油圧ポンプ1の吐出
流量Qt が増大しても油圧モータ2へ供給される流量Q
f はQf1以上には増大せず、油圧モータ2すなわち冷却
ファン21の回転数はNf1に保持される。
【0027】油圧ポンプ1の吐出圧力P1は、図1の構
成においては常に、油圧モータ2の作動圧Pf とPS3の
作動圧Pp の和となる。この状態において油圧ポンプ1
の吐出圧力P1は、油圧ポンプ1の最高使用圧力Pmax
の線を越えていないために、システム全体は安全に作動
可能である。
成においては常に、油圧モータ2の作動圧Pf とPS3の
作動圧Pp の和となる。この状態において油圧ポンプ1
の吐出圧力P1は、油圧ポンプ1の最高使用圧力Pmax
の線を越えていないために、システム全体は安全に作動
可能である。
【0028】次にPS3が操作され、要求圧力がPp1から
Pp2へ上昇した場合を考える。この時図2において作動
点R1はR2に移動し、図から明らかなように油圧ポン
プ1の要求圧力はR2で油圧ポンプの定格圧力Pmax を
越えてしまう。このような状態になると油圧ポンプ1は
寿命短縮、破壊などに至る。
Pp2へ上昇した場合を考える。この時図2において作動
点R1はR2に移動し、図から明らかなように油圧ポン
プ1の要求圧力はR2で油圧ポンプの定格圧力Pmax を
越えてしまう。このような状態になると油圧ポンプ1は
寿命短縮、破壊などに至る。
【0029】本発明はこのような状態に陥ることを防止
するために、制御手段5のベントポート部53にパイロッ
トリリーフ弁7を付加したものであって、該リリーフ弁
7の開弁圧は、油圧ポンプ1の最高使用圧力Pmax 相当
値に設定されている。すなわち、油圧ポンプ1の吐出圧
P1がPmax を越えると、ベントポート53に接続された
リリーフ弁7が開弁し、 ECU6の指令に関わらず制御手
段5を強制的に開弁する。これにより、作動油の一部は
油圧モータ2を迂回して下流に流れるため、作動圧Pf
を ECU6の指令値Pf1よりもPf2に強制的に低下させ
る。その結果、油圧ポンプ1の吐出圧P1、すなわちPf
2+Pp2は最高使用圧力Pmax 付近の作動点R2’まで
低下せしめられる。
するために、制御手段5のベントポート部53にパイロッ
トリリーフ弁7を付加したものであって、該リリーフ弁
7の開弁圧は、油圧ポンプ1の最高使用圧力Pmax 相当
値に設定されている。すなわち、油圧ポンプ1の吐出圧
P1がPmax を越えると、ベントポート53に接続された
リリーフ弁7が開弁し、 ECU6の指令に関わらず制御手
段5を強制的に開弁する。これにより、作動油の一部は
油圧モータ2を迂回して下流に流れるため、作動圧Pf
を ECU6の指令値Pf1よりもPf2に強制的に低下させ
る。その結果、油圧ポンプ1の吐出圧P1、すなわちPf
2+Pp2は最高使用圧力Pmax 付近の作動点R2’まで
低下せしめられる。
【0030】こうして油圧モータ2の作動圧Pf を一時
的に犠牲にして、PS3の作動圧Pp2を必ず満足させるよ
うに動作させ、PS3の安全かつ確実な作動、すなわち車
両操舵の安全性を優先的に確保することが出来る。
的に犠牲にして、PS3の作動圧Pp2を必ず満足させるよ
うに動作させ、PS3の安全かつ確実な作動、すなわち車
両操舵の安全性を優先的に確保することが出来る。
【0031】その後PS3の作動圧Pp2が低下すれば、こ
れに相応して油圧モータ2の作動圧Pf が上昇し、作動
点はPmax 線上を左上に移動しつつ、作動圧Pf をPf1
まで回復させる。このように、リリーフ弁7を設けるこ
とによって、油圧モータ2の作動圧の犠牲は最小限に抑
えられ、油圧ポンプ1の能力は限界内において最大に利
用できることになる。
れに相応して油圧モータ2の作動圧Pf が上昇し、作動
点はPmax 線上を左上に移動しつつ、作動圧Pf をPf1
まで回復させる。このように、リリーフ弁7を設けるこ
とによって、油圧モータ2の作動圧の犠牲は最小限に抑
えられ、油圧ポンプ1の能力は限界内において最大に利
用できることになる。
【0032】なおこの場合、油圧モータ2の要求作動圧
Pf1は満足されないため、ファン21の回転数が低下し、
一時的に冷却能力不足の状態になるが、PS3の作動は、
時間軸で見た場合はごく短時間であり、実用上の問題は
ない。
Pf1は満足されないため、ファン21の回転数が低下し、
一時的に冷却能力不足の状態になるが、PS3の作動は、
時間軸で見た場合はごく短時間であり、実用上の問題は
ない。
【0033】次にバイパスリリーフ弁9の役割に付いて
説明する。該リリーフ弁9は、何らかの原因によって比
例電磁圧力制御弁からなる制御手段5が閉固着した場合
に、油圧モータ2の作動圧Pf が過度に上昇するのを抑
止し、油圧モータ2や油圧ポンプ1、その他油圧配管系
の故障発生を防止するものである。
説明する。該リリーフ弁9は、何らかの原因によって比
例電磁圧力制御弁からなる制御手段5が閉固着した場合
に、油圧モータ2の作動圧Pf が過度に上昇するのを抑
止し、油圧モータ2や油圧ポンプ1、その他油圧配管系
の故障発生を防止するものである。
【0034】リリーフ弁9は、該制御手段5の上流と下
流における圧力差が予め定められた値以上となった場
合、その圧力値に応動して弁を開弁するように構成され
ているものであるから制御手段5の不時の作動不良に備
えてこれをバックアップ(補償)する安全弁であり、リ
リーフ弁7と共に、その下流に存在するPS3の安全確実
な作動を最優先的に保証することを目的としている。
流における圧力差が予め定められた値以上となった場
合、その圧力値に応動して弁を開弁するように構成され
ているものであるから制御手段5の不時の作動不良に備
えてこれをバックアップ(補償)する安全弁であり、リ
リーフ弁7と共に、その下流に存在するPS3の安全確実
な作動を最優先的に保証することを目的としている。
【0035】以上説明した本発明に係る具体例において
は、油圧モータ2に圧力制御する制御手段5を並列接続
するものとしたが、油圧モータ2への流量を規制する流
量制御手段を設けるものでもよい。前記の具体例では、
冷却ファンの回転制御を行なうものを例として説明した
が、本発明における車両用補機としては油圧モータによ
って駆動されるものであって、発電機、コンプレッサ、
冷却水ポンプ、その他の回転機器など、一時的な回転低
下が許容されるあらゆる回転機器が対象として用いられ
る。
は、油圧モータ2に圧力制御する制御手段5を並列接続
するものとしたが、油圧モータ2への流量を規制する流
量制御手段を設けるものでもよい。前記の具体例では、
冷却ファンの回転制御を行なうものを例として説明した
が、本発明における車両用補機としては油圧モータによ
って駆動されるものであって、発電機、コンプレッサ、
冷却水ポンプ、その他の回転機器など、一時的な回転低
下が許容されるあらゆる回転機器が対象として用いられ
る。
【0036】又前記の具体例では、PS3の上流に接続さ
れる油圧モータ2は1個としたが、複数の油圧モータ2
を接続することも可能である。又前記の具体例では、PS
3の上流に接続されるものを油圧モータ2としたが、油
圧ピストンなど他の油圧アクチュエータを接続すること
も可能である。
れる油圧モータ2は1個としたが、複数の油圧モータ2
を接続することも可能である。又前記の具体例では、PS
3の上流に接続されるものを油圧モータ2としたが、油
圧ピストンなど他の油圧アクチュエータを接続すること
も可能である。
【0037】
【発明の効果】本発明は上記した構成を採用したことに
よって、PS装置3の安全かつ確実な作動を保証すると
ともに当該システムの全体の保護を計ることが出来しか
も油圧ポンプの能力の有効利用が出来、従ってファン回
転数の犠牲を最小にすることが可能となる。又制御手段
が作動不良となった場にはリリーフ弁9を制御手段5に
並列に設けてあるのでPS3の安全確実な作動を保証し、
システムの保護を計りうるので二重フェイルセーフ機構
が低コストで実現可能となる。
よって、PS装置3の安全かつ確実な作動を保証すると
ともに当該システムの全体の保護を計ることが出来しか
も油圧ポンプの能力の有効利用が出来、従ってファン回
転数の犠牲を最小にすることが可能となる。又制御手段
が作動不良となった場にはリリーフ弁9を制御手段5に
並列に設けてあるのでPS3の安全確実な作動を保証し、
システムの保護を計りうるので二重フェイルセーフ機構
が低コストで実現可能となる。
【図1】図1は、本発明に係る車両用補機の駆動装置の
一具体例を示すブロック図である。
一具体例を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示される本発明の車両用補機の
駆動装置の一具体例に於ける油圧モータとステアリング
装置に於ける各作動圧と油圧ポンプの定格圧力との関係
を示す図である。
駆動装置の一具体例に於ける油圧モータとステアリング
装置に於ける各作動圧と油圧ポンプの定格圧力との関係
を示す図である。
1…油圧ポンプ 2…油圧モータ 3…ステアリング装置 4…作動油タンク 5…制御手段 6…電子制御回路 7,9…リリーフ弁 11…プーリー 21…ファン 51…制御手段の上流部 52…制御手段の下流部 53…ベントポート部
Claims (3)
- 【請求項1】 油圧ポンプ、油圧モータ、パワーステア
リング装置、とが作動油の流れの方向に沿って、上記し
た順序で直列に配管接続されており、且つ、該油圧モー
タには該作動油の圧力もしくはその流量を制御する制御
手段が並列に接続された車両用補機の駆動装置に於い
て、該制御手段に設けられたベントポート部に該ベント
ポート部のゲージ圧に応答して開閉するリリーフ弁が接
続されている事を特徴とする車両用補機の駆動装置。 - 【請求項2】 該制御手段の上流と下流間の作動油の差
圧に応答して開閉するリリーフ弁が該制御手段と並列に
設けられている事を特徴とする請求項1記載の車両用補
機の駆動装置。 - 【請求項3】 該車両用補機は、発電機、コンプレッ
サ、冷却水ポンプ、冷却用ファン、エアポンプ、バキュ
ームポンプ等から選択された一つである事を特徴とする
請求項1乃至2記載の車両用補機の駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1177791A JP2847975B2 (ja) | 1991-02-01 | 1991-02-01 | 車両用補機の駆動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1177791A JP2847975B2 (ja) | 1991-02-01 | 1991-02-01 | 車両用補機の駆動装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04254221A JPH04254221A (ja) | 1992-09-09 |
JP2847975B2 true JP2847975B2 (ja) | 1999-01-20 |
Family
ID=11787387
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1177791A Expired - Fee Related JP2847975B2 (ja) | 1991-02-01 | 1991-02-01 | 車両用補機の駆動装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2847975B2 (ja) |
-
1991
- 1991-02-01 JP JP1177791A patent/JP2847975B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04254221A (ja) | 1992-09-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH059515Y2 (ja) | ||
US6966180B2 (en) | Control arrangement and method for a hydraulic system | |
US7937938B2 (en) | Hydraulic reversing fan valve and machine using same | |
US8510000B2 (en) | Hybrid construction machine | |
JP5527896B2 (ja) | ハイブリッド式作業機の冷却システム | |
JPS6310289B2 (ja) | ||
US11274745B2 (en) | Wheel loader | |
US6082107A (en) | Rotary mechanism control system with bilateral braking | |
US20130213023A1 (en) | Hydraulic system having low-speed operating mode | |
JP2847975B2 (ja) | 車両用補機の駆動装置 | |
JPH10212952A (ja) | 油圧制御式ファン駆動システム | |
JP2906093B2 (ja) | 産業車両の油圧回路 | |
JP3088565B2 (ja) | 油圧駆動機械の油圧ポンプ制御装置およびその制御方法 | |
US4017217A (en) | Overspeed protection system | |
KR100730825B1 (ko) | 건설중장비의 냉각팬모터 구동장치 | |
EP1894765B1 (en) | Hydraulic traveling drive system | |
JP4107454B2 (ja) | 油圧駆動冷却ファン装置 | |
JP2003004005A (ja) | 建設機械の油圧制御回路 | |
JPS6035562B2 (ja) | 液圧制御装置 | |
JPH0526211A (ja) | 液圧回路の発熱防止機構 | |
WO2011111338A1 (ja) | 冷却ファンの駆動回路 | |
JPH07266916A (ja) | 車両用油圧駆動装置 | |
JP2687965B2 (ja) | 車両用冷却ファンの回転制御装置 | |
WO2024048527A1 (ja) | 運搬車両 | |
JPH0434247Y2 (ja) |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |