JP2847872B2 - 水素吸蔵電極 - Google Patents
水素吸蔵電極Info
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- JP2847872B2 JP2847872B2 JP2074629A JP7462990A JP2847872B2 JP 2847872 B2 JP2847872 B2 JP 2847872B2 JP 2074629 A JP2074629 A JP 2074629A JP 7462990 A JP7462990 A JP 7462990A JP 2847872 B2 JP2847872 B2 JP 2847872B2
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
- Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水素吸蔵合金を負極とし、酸化ニッケル電
極を正極とするニッケル−金属水素化物二次電池に関す
るものであり、特に、充放電容量が大きく、充放電サイ
クルの長期繰り返しにおいても特性の劣化が小さく、さ
らに、大電流放電時でも放電容量の低下が少ない水素吸
蔵電極に関するものである。
極を正極とするニッケル−金属水素化物二次電池に関す
るものであり、特に、充放電容量が大きく、充放電サイ
クルの長期繰り返しにおいても特性の劣化が小さく、さ
らに、大電流放電時でも放電容量の低下が少ない水素吸
蔵電極に関するものである。
従来の技術とその課題 エネルギー貯蔵容量の向上を図るため、負極として水
素を可逆的に吸蔵・放出する水素吸蔵合金を用い、吸蔵
した水素を活物質とするニッケル−金属水素化物二次電
池が提案され、開発が急がれている。これに用いる水素
吸蔵合金は、次に掲げるような要件を満たしていること
が必要とされている。
素を可逆的に吸蔵・放出する水素吸蔵合金を用い、吸蔵
した水素を活物質とするニッケル−金属水素化物二次電
池が提案され、開発が急がれている。これに用いる水素
吸蔵合金は、次に掲げるような要件を満たしていること
が必要とされている。
（１）有効水素吸蔵量、すなわち電気容量が大きいこ
と。
と。
（２）水素平衡解離圧が電池使用温度（−20〜60℃）で
10−３〜数気圧であること。
10−３〜数気圧であること。
（３）濃アルカリ電解液中での耐食性に優れること。
（４）電極反応の繰り返しによる微粉化の速度が遅いこ
と。
と。
（５）電極反応の繰り返しによって、一部特定元素の溶
出等による組成変化のないこと。
出等による組成変化のないこと。
（６）水素拡散速度が大きく、反応抵抗（過電圧）が小
さいこと。
さいこと。
（７）安価であること。
希土類元素を含む安価な原料として、従来より知られ
ているものにミッシュメタル（Mm）がある。これは希土
類金属の混合物であり、通常の場合、La25〜35重量％,C
e45〜55重量％,Nd10〜15重量％で構成される。このMmを
原料とする水素吸蔵合金では、希土類金属中のCe量が多
いことから、平衡水素解離圧が高くなる。水素解離圧を
電池使用温度域で１気圧程度以下とするためには、Niの
一部をCo,Al等の元素で置換する必要がある。このよう
なMmNiCoAl系の水素吸蔵合金では、一般に、Co量が多く
なるほど、放電容量は小さくなるが、サイクル寿命は向
上する。良好なサイクル寿命特性を得るのに最小限必要
なCoの置換量は0.6〜0.7であることが、実験的に確かめ
られている。また、Co置換量を減らし、Ni含有量の多い
合金の方が、良好な急速放電特性を有することも、最近
判ってきている。
ているものにミッシュメタル（Mm）がある。これは希土
類金属の混合物であり、通常の場合、La25〜35重量％,C
e45〜55重量％,Nd10〜15重量％で構成される。このMmを
原料とする水素吸蔵合金では、希土類金属中のCe量が多
いことから、平衡水素解離圧が高くなる。水素解離圧を
電池使用温度域で１気圧程度以下とするためには、Niの
一部をCo,Al等の元素で置換する必要がある。このよう
なMmNiCoAl系の水素吸蔵合金では、一般に、Co量が多く
なるほど、放電容量は小さくなるが、サイクル寿命は向
上する。良好なサイクル寿命特性を得るのに最小限必要
なCoの置換量は0.6〜0.7であることが、実験的に確かめ
られている。また、Co置換量を減らし、Ni含有量の多い
合金の方が、良好な急速放電特性を有することも、最近
判ってきている。
次に、Alは合金粉末表面に緻密な酸化皮膜を形成する
ことにより、合金の酸化を抑制し、サイクル寿命を改善
することになる。ただ、過度のAl置換を行うと、その酸
化皮膜が電気絶縁性を持つことから、電極の反応抵抗を
高める方向に働き、急速放電特性や低温での放電特性を
悪くすることとなる。したがって、この系では良好な電
極特性を示す合金を得るにはAl置換量、Co置換量を最小
限必要な量に抑えることが肝要である。
ことにより、合金の酸化を抑制し、サイクル寿命を改善
することになる。ただ、過度のAl置換を行うと、その酸
化皮膜が電気絶縁性を持つことから、電極の反応抵抗を
高める方向に働き、急速放電特性や低温での放電特性を
悪くすることとなる。したがって、この系では良好な電
極特性を示す合金を得るにはAl置換量、Co置換量を最小
限必要な量に抑えることが肝要である。
このような思想で開発された合金にMmNi3.5Co0.7Al
0.8合金があり、この合金では後述のように初期放電容
量が254mA/gで、非常に良好なサイクル寿命特性を持ち
合わせているが、急速放電特性に関しては必ずしも良い
とは言えない。このように、Ceを多く含むMmを原材料に
用いる場合、水素解離圧を下げるのに相当量のAl置換が
必要となってくるため、放電容量、サイクル寿命特性、
急速放電特性や低温放電特性のすべて面で満足のいく合
金を作製するのには難点があった。
0.8合金があり、この合金では後述のように初期放電容
量が254mA/gで、非常に良好なサイクル寿命特性を持ち
合わせているが、急速放電特性に関しては必ずしも良い
とは言えない。このように、Ceを多く含むMmを原材料に
用いる場合、水素解離圧を下げるのに相当量のAl置換が
必要となってくるため、放電容量、サイクル寿命特性、
急速放電特性や低温放電特性のすべて面で満足のいく合
金を作製するのには難点があった。
放電容量の比較的小さいMmNiCoAl系合金を改良するた
め、最近、Niの一部をMnで置換した合金が考えられてい
る。このMn置換は容量を大きくする上での効果はある
が、充放電の繰り返しに伴ない合金粉末の表面近傍にあ
るMnが電解液中に溶出する現象が確認されており、サイ
クル寿命を低下させる弊害のあることが判ってきた。し
たがって、Mn置換を行う場合、それと同時にMnの溶出を
防止してサイクル寿命特性の劣化を防止する処置をも採
っておく必要があるが、そのような有効な処置方法は現
在のところ見い出されていない。
め、最近、Niの一部をMnで置換した合金が考えられてい
る。このMn置換は容量を大きくする上での効果はある
が、充放電の繰り返しに伴ない合金粉末の表面近傍にあ
るMnが電解液中に溶出する現象が確認されており、サイ
クル寿命を低下させる弊害のあることが判ってきた。し
たがって、Mn置換を行う場合、それと同時にMnの溶出を
防止してサイクル寿命特性の劣化を防止する処置をも採
っておく必要があるが、そのような有効な処置方法は現
在のところ見い出されていない。
課題を解決するための手段 水素吸蔵電極の放電容量の向上と低コスト化を図る上
で、Laを75重量％以上含むMmは有用である。この原材料
を用い、CoとAlの置換量を極力抑えて、放電容量が大き
く、しかも、サイクル寿命特性、急速放電特性に優れた
水素吸蔵電極用の合金を開発することができた。
で、Laを75重量％以上含むMmは有用である。この原材料
を用い、CoとAlの置換量を極力抑えて、放電容量が大き
く、しかも、サイクル寿命特性、急速放電特性に優れた
水素吸蔵電極用の合金を開発することができた。
新たに開発した水素吸蔵電極用の合金は、一般式MmNi
X-A-BCoAAlBで表され、Mm中に占めるLa量（La/Mm）が75
重量％以上、90重量％以下で、同時にCe、Nd、Prの希土
類元素をそれぞれ10重量％以下含むMmを原材料に用い、
Niの一部をCoとAlで置換することを特徴とする水素吸蔵
合金である。そして、その合金組成を4.9≦Ｘ≦5.1,1.2
≦Ａ＋Ｂ≦2.0,0.7≦Ａ≦1.6,0.3≦Ｂ≦0.6の各範囲で
示されるものとすることによって前記の課題を解決し
た。
X-A-BCoAAlBで表され、Mm中に占めるLa量（La/Mm）が75
重量％以上、90重量％以下で、同時にCe、Nd、Prの希土
類元素をそれぞれ10重量％以下含むMmを原材料に用い、
Niの一部をCoとAlで置換することを特徴とする水素吸蔵
合金である。そして、その合金組成を4.9≦Ｘ≦5.1,1.2
≦Ａ＋Ｂ≦2.0,0.7≦Ａ≦1.6,0.3≦Ｂ≦0.6の各範囲で
示されるものとすることによって前記の課題を解決し
た。
作用 水素吸蔵合金として上記組成式で示されるように、Ni
の一部をCo、Alで置換した合金を電極に用いることによ
って、Coを多く含まないでも、充放電の長期繰り返しに
おいても特性が劣化しない水素吸蔵電極を作製すること
ができた。また、Mm中に含まれるLaの量が多く、また、
CoとAlの置換量を低く抑える成分設計を行ったことか
ら、充放電容量も大きく、急速放電特性にも優れてい
る。
の一部をCo、Alで置換した合金を電極に用いることによ
って、Coを多く含まないでも、充放電の長期繰り返しに
おいても特性が劣化しない水素吸蔵電極を作製すること
ができた。また、Mm中に含まれるLaの量が多く、また、
CoとAlの置換量を低く抑える成分設計を行ったことか
ら、充放電容量も大きく、急速放電特性にも優れてい
る。
実施例 本願発明の作用を確認するため、第１表に示す水素吸
蔵合金を、アルゴン雰囲気中でアーク溶解することによ
って得た。これらの合金を機械的に粉砕した後、無電解
銅めっき法により合金粉末の表面に約20重量％相当の銅
被覆層を形成した。この合金粉末に結着剤とFEP（四フ
ッ化エチレン・フッ化プロピレン共重合体）樹脂を10重
量％相当量添加し、約300mgの粉末混合体（合金重量：
約216mg）を冷間プレスにより直径13mm×厚さ約0.4mm形
状の電極ペレットに成形した。これを集電体となるニッ
ケルメッシュとともに300℃の温度でホットプレスする
ことによって試験用の合金電極とした。
蔵合金を、アルゴン雰囲気中でアーク溶解することによ
って得た。これらの合金を機械的に粉砕した後、無電解
銅めっき法により合金粉末の表面に約20重量％相当の銅
被覆層を形成した。この合金粉末に結着剤とFEP（四フ
ッ化エチレン・フッ化プロピレン共重合体）樹脂を10重
量％相当量添加し、約300mgの粉末混合体（合金重量：
約216mg）を冷間プレスにより直径13mm×厚さ約0.4mm形
状の電極ペレットに成形した。これを集電体となるニッ
ケルメッシュとともに300℃の温度でホットプレスする
ことによって試験用の合金電極とした。
この水素吸蔵電極を負極に、正極としてニッケル−カ
ドミウム蓄電池と同じ酸化ニッケル電極を、電解液とし
て6M水酸化カリウム溶液を用いて試験用電池を構成し
た。なお、いずれの試験用電池も電池容量が負極の容量
に依存する負極規制タイプとし、照合電極には酸化水銀
電極を用いた。この試験用電池を温度20℃の恒温室の中
において、充電電流40mAで2.5時間充電し、0.5時間休止
した後、放電電流20mAで照合電極と水素吸蔵電極との電
位差が−0.6Vに低下するまで放電するサイクルで、長期
間の充放電サイクル試験を行った。各合金についての試
験結果を第１表に示す。ここで、初期最大容量に達した
後300サイクル経過したときの放電容量を初期最大容量
で除した値を容量維持率として、サイクル寿命特性を示
す指標として扱っている。なお、第１表に示される各合
金は、常温における平衡水素解離圧を１気圧以下にほぼ
揃えるため、Al置換量で調整している。
ドミウム蓄電池と同じ酸化ニッケル電極を、電解液とし
て6M水酸化カリウム溶液を用いて試験用電池を構成し
た。なお、いずれの試験用電池も電池容量が負極の容量
に依存する負極規制タイプとし、照合電極には酸化水銀
電極を用いた。この試験用電池を温度20℃の恒温室の中
において、充電電流40mAで2.5時間充電し、0.5時間休止
した後、放電電流20mAで照合電極と水素吸蔵電極との電
位差が−0.6Vに低下するまで放電するサイクルで、長期
間の充放電サイクル試験を行った。各合金についての試
験結果を第１表に示す。ここで、初期最大容量に達した
後300サイクル経過したときの放電容量を初期最大容量
で除した値を容量維持率として、サイクル寿命特性を示
す指標として扱っている。なお、第１表に示される各合
金は、常温における平衡水素解離圧を１気圧以下にほぼ
揃えるため、Al置換量で調整している。
また、急速放電試験は、前記と同じ試験用電池で、放
電電流を種々変化させて実施した。第１表には、放電電
流300mAで放電したときの放電容量を、放電電流20mAの
場合の放電容量で除した値のみを載せている。なお、放
電電流300mAでの放電条件が、放電容量により多少前後
するが、およそ0.2時間放電率に相当している。
電電流を種々変化させて実施した。第１表には、放電電
流300mAで放電したときの放電容量を、放電電流20mAの
場合の放電容量で除した値のみを載せている。なお、放
電電流300mAでの放電条件が、放電容量により多少前後
するが、およそ0.2時間放電率に相当している。
比較例１および２の合金は、希土類金属としてLa単体
を用いて作製したものである。比較例２のCo置換量を少
なくした合金では、比較例１のものと比べて初期放電容
量は大きくなるが、300サイクル経過した後の放電容量
は小さくなり、サイクル寿命特性があまり良いとは言え
ない。また、この比較例２の合金は、0.2時間放電率の
急速放電によっても比較的放電容量の低下が少ない。比
較例１の同容量低下率に比べれば、急速放電特性はかな
り良好である。これは、合金中のNi元素が多いほど、表
面での触媒活性が高く、電極反応がスムーズに進行する
ためと考えられる。
を用いて作製したものである。比較例２のCo置換量を少
なくした合金では、比較例１のものと比べて初期放電容
量は大きくなるが、300サイクル経過した後の放電容量
は小さくなり、サイクル寿命特性があまり良いとは言え
ない。また、この比較例２の合金は、0.2時間放電率の
急速放電によっても比較的放電容量の低下が少ない。比
較例１の同容量低下率に比べれば、急速放電特性はかな
り良好である。これは、合金中のNi元素が多いほど、表
面での触媒活性が高く、電極反応がスムーズに進行する
ためと考えられる。
Ceを多く含む通常のMm（La含有量:30.0重量％）を用
いて作製された比較例３の合金では、Ceを多く含む関係
上、前記LaNiCoAl系合金と比較すれば、初期放電容量が
小さいものの、サイクル寿命特性は非常に良好である。
また、この合金の場合、Niの含有量が同じ比較例２の合
金に比べて、急速放電時における容量低下はかなり大き
い。Alの置換量が多く、その酸化皮膜の存在により過電
圧が高くなることが、急速放電時の容量低下を招いてい
ると言える。
いて作製された比較例３の合金では、Ceを多く含む関係
上、前記LaNiCoAl系合金と比較すれば、初期放電容量が
小さいものの、サイクル寿命特性は非常に良好である。
また、この合金の場合、Niの含有量が同じ比較例２の合
金に比べて、急速放電時における容量低下はかなり大き
い。Alの置換量が多く、その酸化皮膜の存在により過電
圧が高くなることが、急速放電時の容量低下を招いてい
ると言える。
比較例４の合金は、通称、ランタンリッチミッシュメ
タルと呼ばれるもの（以下、便宜上、Lnと表記する）を
原材料に用いて溶製したものである。このLnは、Laの含
有率が59.0重量％で、他にCeを8.9重量％,Prを8.4重量
％,Ndを22.6重量％含んでいる。このLa含有量の比較的
多いLnを用いた比較例４の合金の場合、比較例３とほぼ
同等の合金組成で、初期放電容量は多少大きなものとな
るが、飛躍的に大きな放電容量を得るには至らなかっ
た、また、比較例３と同様、サイクル寿命は高いレベル
にあるが、急速放電時における容量低下は、比較例３の
合金ほどではないにしても結構大きい。
タルと呼ばれるもの（以下、便宜上、Lnと表記する）を
原材料に用いて溶製したものである。このLnは、Laの含
有率が59.0重量％で、他にCeを8.9重量％,Prを8.4重量
％,Ndを22.6重量％含んでいる。このLa含有量の比較的
多いLnを用いた比較例４の合金の場合、比較例３とほぼ
同等の合金組成で、初期放電容量は多少大きなものとな
るが、飛躍的に大きな放電容量を得るには至らなかっ
た、また、比較例３と同様、サイクル寿命は高いレベル
にあるが、急速放電時における容量低下は、比較例３の
合金ほどではないにしても結構大きい。
実施例1,2および３の合金は、本願特許に係わる合金
であり、原材料としてLaを75重量％以上含む希土類金属
混合物（以下、便宜上、Lmと表記する）を用いた。この
Lmは、La82.5重量％,Ce2.6重量％,Nd8.9重量％,Pr3.3重
量％で構成されるものであり、上記Mm,Lnに比べてLa含
有量がかなり多い。実施例1,2,3とCo置換量が少なくな
るにしたがい、初期放電容量は大きななり、全体的に他
のMm系、Ln系のものより大きな放電容量を持つ。実施例
２の合金は、組成的に比較例2,3および４に対応するも
のであるが、初期放電容量はLaを原材料とする比較例２
のものには及ばないものの、非常に大きい。実施例２な
らびに３の合金におけるサイクル寿命特性は多少低い
が、実用電池でば正極規制となり、放電深度が今回の試
験条件ほど深くないことから、実用的には上記試験方法
で70％以上の評価値があれば問題なく、実施例２や３の
合金性能で十分実用に供することができる。同等組成の
これら４種の合金をサイクル寿命の面から見ると、比較
例３（Mm）＞比較例４（Ln）＞実施例２（Lm）＞比較例
２（La）の順で前者ほど良好である。これは、希土類金
属混合物の中で占めるCeやNdが合金の劣化を抑え、それ
の量が多いほど、サイクル寿命特性が良くなることを反
映したものである。
であり、原材料としてLaを75重量％以上含む希土類金属
混合物（以下、便宜上、Lmと表記する）を用いた。この
Lmは、La82.5重量％,Ce2.6重量％,Nd8.9重量％,Pr3.3重
量％で構成されるものであり、上記Mm,Lnに比べてLa含
有量がかなり多い。実施例1,2,3とCo置換量が少なくな
るにしたがい、初期放電容量は大きななり、全体的に他
のMm系、Ln系のものより大きな放電容量を持つ。実施例
２の合金は、組成的に比較例2,3および４に対応するも
のであるが、初期放電容量はLaを原材料とする比較例２
のものには及ばないものの、非常に大きい。実施例２な
らびに３の合金におけるサイクル寿命特性は多少低い
が、実用電池でば正極規制となり、放電深度が今回の試
験条件ほど深くないことから、実用的には上記試験方法
で70％以上の評価値があれば問題なく、実施例２や３の
合金性能で十分実用に供することができる。同等組成の
これら４種の合金をサイクル寿命の面から見ると、比較
例３（Mm）＞比較例４（Ln）＞実施例２（Lm）＞比較例
２（La）の順で前者ほど良好である。これは、希土類金
属混合物の中で占めるCeやNdが合金の劣化を抑え、それ
の量が多いほど、サイクル寿命特性が良くなることを反
映したものである。
また、実施例２および３の合金はいずれも急速放電時
における容量低下が少なく、比較例２の合金と同じくか
なり高いレベルにある。Mm中のLa量が多く、Al置換量を
少なくすることができたことが、優れた急速放電特性を
もたらしたと考えられる。
における容量低下が少なく、比較例２の合金と同じくか
なり高いレベルにある。Mm中のLa量が多く、Al置換量を
少なくすることができたことが、優れた急速放電特性を
もたらしたと考えられる。
以上の結果から、Laを75重量％以上含むMmを原材料に
用いた、一般式MmNiX-A-BCoAAlBで示される新規開発の
水素吸蔵電極用合金は、実施例に示されるように、その
組成を1.2≦Ａ＋Ｂ≦2.0,0.7≦Ａ≦1.6,0.4≦Ｂ≦0.5と
することで良好な電極特性を示すものが得られる。
用いた、一般式MmNiX-A-BCoAAlBで示される新規開発の
水素吸蔵電極用合金は、実施例に示されるように、その
組成を1.2≦Ａ＋Ｂ≦2.0,0.7≦Ａ≦1.6,0.4≦Ｂ≦0.5と
することで良好な電極特性を示すものが得られる。
また、これまでの試験では触れなかったが、一般式La
（Mm）NiYで表される合金の組成が、La（Mm）:Niが1:5
（Ｙ＝５）の化学量論組成から外れると、サイクル寿命
特性が劣化する。問題はその劣化の程度であるが、LaZN
d0.15Zr0.05Ni3.8Co0.7Al0.5系の合金で調べたところ、
化学量論組成（Ｚ＝0.80）にある合金に比較して、Ｚ＝
0.78の非化学量論組成合金で14％、Ｚ＝0.82の非化学量
論組成合金で15％、それぞれ300サイクル経過後の放電
容量維持率が低下した。一応、容量維持率の低下率が15
％以下であることを許容限界として設定するならば、上
記La（Mm）NiY式で表される合金でのＹの値は、4.9〜5.
1の範囲にあることが必要である。これは、上記組成式
でのＹの値が5.0未満となった場合にはLa2Ni7等の金属
間化合物が、Ｙの値が5.0を越えた場合にはNi単独相が
合金中に現われてくるため、サイクル寿命特性の劣化を
招いていると考えられる。そこで、上記組成式MmNi
X-A-BCoAAlBにおけるＸの適正範囲を4.9≦Ｘ≦5.1≦と
する。
（Mm）NiYで表される合金の組成が、La（Mm）:Niが1:5
（Ｙ＝５）の化学量論組成から外れると、サイクル寿命
特性が劣化する。問題はその劣化の程度であるが、LaZN
d0.15Zr0.05Ni3.8Co0.7Al0.5系の合金で調べたところ、
化学量論組成（Ｚ＝0.80）にある合金に比較して、Ｚ＝
0.78の非化学量論組成合金で14％、Ｚ＝0.82の非化学量
論組成合金で15％、それぞれ300サイクル経過後の放電
容量維持率が低下した。一応、容量維持率の低下率が15
％以下であることを許容限界として設定するならば、上
記La（Mm）NiY式で表される合金でのＹの値は、4.9〜5.
1の範囲にあることが必要である。これは、上記組成式
でのＹの値が5.0未満となった場合にはLa2Ni7等の金属
間化合物が、Ｙの値が5.0を越えた場合にはNi単独相が
合金中に現われてくるため、サイクル寿命特性の劣化を
招いていると考えられる。そこで、上記組成式MmNi
X-A-BCoAAlBにおけるＸの適正範囲を4.9≦Ｘ≦5.1≦と
する。
また、上記試験結果は温度20℃でのものであり、−20
℃程度の低温で使用される電池や大電流で放電される電
池にあっては、Al置換量を少なくしてそれに伴う過電圧
の上昇を避ける必要があるため、Al置換量の適正範囲を
0.3≦Ｂ≦0.6とする。Al置換量は、先にも記したよう
に、少な過ぎるとサイクル寿命特性を劣化させるかも知
れないが、0.3≦Ｂ≦0.4となるのは優れた同特性を有す
る実施例１に近い組成を持つときであり、当該Lmの場
合、寿命改善に効果のあるCeやNdを含むことから、Ｂ≧
0.3で十分なサイクル寿命が確保できるものと考えられ
る。また、Al置換量は、過度に多くならない限り、急速
放電特性を悪化させることはない。Ｂ≦0.6はこれらの
点で悪影響を生じない範囲である。
℃程度の低温で使用される電池や大電流で放電される電
池にあっては、Al置換量を少なくしてそれに伴う過電圧
の上昇を避ける必要があるため、Al置換量の適正範囲を
0.3≦Ｂ≦0.6とする。Al置換量は、先にも記したよう
に、少な過ぎるとサイクル寿命特性を劣化させるかも知
れないが、0.3≦Ｂ≦0.4となるのは優れた同特性を有す
る実施例１に近い組成を持つときであり、当該Lmの場
合、寿命改善に効果のあるCeやNdを含むことから、Ｂ≧
0.3で十分なサイクル寿命が確保できるものと考えられ
る。また、Al置換量は、過度に多くならない限り、急速
放電特性を悪化させることはない。Ｂ≦0.6はこれらの
点で悪影響を生じない範囲である。
さらに、実施例に示した合金はLaが82.5重量％占める
Lmを用いた試験結果であるが、第１表のデータ（Ａ＋Ｂ
＝1.5のもの）を整理して示した第１図を見て判るよう
に、Mm中に占めるLa量が70重量％以上、90重量％以下で
あるならば、一応実用レベルとして十分な放電容量270m
A・h/g以上とサイクル寿命特性70％以上とを兼ね備えて
いるものと考えられる。ただ、Mm中に占めるLa量が70重
量％程度だとCo置換量が多い場合に、放電容量が270mA
・h/gを下回る可能性があるため、特許請求の範囲にお
いてMm中に占めるLa量を75重量％以上とした。
Lmを用いた試験結果であるが、第１表のデータ（Ａ＋Ｂ
＝1.5のもの）を整理して示した第１図を見て判るよう
に、Mm中に占めるLa量が70重量％以上、90重量％以下で
あるならば、一応実用レベルとして十分な放電容量270m
A・h/g以上とサイクル寿命特性70％以上とを兼ね備えて
いるものと考えられる。ただ、Mm中に占めるLa量が70重
量％程度だとCo置換量が多い場合に、放電容量が270mA
・h/gを下回る可能性があるため、特許請求の範囲にお
いてMm中に占めるLa量を75重量％以上とした。
このようにLaを多く含むMmを原材料に用い、Niの一部
と置換するCoとAlの量を必要最小限に抑える適正な成分
設計を採ることにより、高容量、長寿命で、かつ、急速
放電特性にも優れた水素吸蔵電極用の合金とすることが
できる。
と置換するCoとAlの量を必要最小限に抑える適正な成分
設計を採ることにより、高容量、長寿命で、かつ、急速
放電特性にも優れた水素吸蔵電極用の合金とすることが
できる。
発明の効果 原料中に占めるLa量（La/Mm）が75重量％以上、90重
量％以下のMmを原材料に用い、Niの一部をCoとAlで置換
した一般式MmNiX-A-BCoAAlBで表される水素吸蔵合金
は、その合金組成を上述の範囲で示されるものとするこ
とによって、充放電容量が大きく、サイクル寿命特性が
高く、さらに、急速放電によっても容量低下の少ないな
どの優れた特性を兼ね備えた電極とするもとができる。
しかも、原材料のMmが安価であることと、高価なCoの含
有量が少ないこともあって、低価格の水素吸蔵電極とし
て実用性の高いものとなった。
量％以下のMmを原材料に用い、Niの一部をCoとAlで置換
した一般式MmNiX-A-BCoAAlBで表される水素吸蔵合金
は、その合金組成を上述の範囲で示されるものとするこ
とによって、充放電容量が大きく、サイクル寿命特性が
高く、さらに、急速放電によっても容量低下の少ないな
どの優れた特性を兼ね備えた電極とするもとができる。
しかも、原材料のMmが安価であることと、高価なCoの含
有量が少ないこともあって、低価格の水素吸蔵電極とし
て実用性の高いものとなった。
第１図は、水素吸蔵電極の電極特性に及ぼす希土類金属
中に占めるLa量の影響を示したものである。
中に占めるLa量の影響を示したものである。
Claims (1)
- 【請求項１】一般式MmNiX-A-BCoAAlB（ただし、Mm:ミッ
シュメタル）で表され、Mm中に含まれるLa量（La/Mm）
が75重量％以上、90重量％以下で、同時にCe,Nd,Prの希
土類元素をそれぞれ10重量％以下含むMmを原材料に用
い、Niの一部をCoとAlで置換することを特徴とする水素
吸蔵合金で、かつ、4.9≦Ｘ≦5.1,1.2≦Ａ＋Ｂ≦2.0,0.
7≦Ａ≦1.6,0.3≦Ｂ≦0.6の各範囲で示される組成を有
する合金を用いた水素吸蔵電極。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2074629A JP2847872B2 (ja) | 1990-03-24 | 1990-03-24 | 水素吸蔵電極 |
| US07/672,996 US5284619A (en) | 1990-03-24 | 1991-03-21 | Hydrogen absorbing electrode for use in nickel-metal hydride secondary batteries |
| EP91104527A EP0451575B1 (en) | 1990-03-24 | 1991-03-22 | Hydrogen absorbing electrode for use in nickel-metal hydride secondary batteries |
| DE69104887T DE69104887T2 (de) | 1990-03-24 | 1991-03-22 | Wasserstoffspeichernde Elektrode geeignet zur Verwendung in Nickel-Metallhydrid Sekundärbatterien. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2074629A JP2847872B2 (ja) | 1990-03-24 | 1990-03-24 | 水素吸蔵電極 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03274239A JPH03274239A (ja) | 1991-12-05 |
| JP2847872B2 true JP2847872B2 (ja) | 1999-01-20 |
Family
ID=13552683
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2074629A Expired - Fee Related JP2847872B2 (ja) | 1990-03-24 | 1990-03-24 | 水素吸蔵電極 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2847872B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0685323B2 (ja) * | 1990-06-18 | 1994-10-26 | 古河電池株式会社 | 水素吸蔵電極 |
-
1990
- 1990-03-24 JP JP2074629A patent/JP2847872B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03274239A (ja) | 1991-12-05 |
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Legal Events
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