JP2844959B2 - ストリップ搬送ロール装置 - Google Patents

ストリップ搬送ロール装置

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JP2844959B2 JP3125154A JP12515491A JP2844959B2 JP 2844959 B2 JP2844959 B2 JP 2844959B2 JP 3125154 A JP3125154 A JP 3125154A JP 12515491 A JP12515491 A JP 12515491A JP 2844959 B2 JP2844959 B2 JP 2844959B2
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一明 濱田
粛 内藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ストリップ搬送用のロ
ール装置、特に金属ストリップの表面処理等の連続処理
設備に装備されるストリップ搬送ロール装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】金属ストリップの表面処理等の連続処理
設備において、ストリップ通板のためのピンチロール、
スナバーロール、リンガーロールおよびメッキ設備のコ
ンダクターロール等、複数ロールを互いに押付けて一対
として使用しているロール類が多数ある。通常の場合、
一方のロールは固定で、パスラインを形成し、他方のロ
ールをシリンダ、ジャッキ等による駆動方法を用いて昇
降あるいは傾動させて、固定側のロールに押付ける構成
となっている。
【0003】この場合、一般的には、ラインの駆動側と
操作側との両方にロールを回転させるためのアクチュエ
ータがあり、移動する他方のロールである押付けロール
の固定側ロールへの押付け時の駆動側、操作側の働きを
同一にするために、機械式の同調機構が設けられてい
る。
【0004】この同調機構は、ピニオンとラックとの組
合せにより構成されているのが一般であるが、搬送ロー
ル装置の周辺環境の制約からその取付けが困難となるこ
とが多く、特に傾動手法により押付けロールを固定側ロ
ールに押付ける構造のものにあっては、その取付けが極
めて困難となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、押付けロー
ルの駆動側のロールチョックおよび操作側のロールチョ
ックを取付けているフレームが充分な剛性を有し、かつ
相互に一体に結合されている場合には、同一の動きをす
るが、一体に結合されていない場合、または一体に結合
されていてもフレームの剛性が充分でない場合には、駆
動側と操作側との同調が失われる。
【0006】このような場合、或る程度、駆動側と操作
側との動きが同一となるように、押付けロールの駆動側
に設けられた加圧体としてのシリンダと操作側に設けら
れた加圧体としてのシリンダのスピードコントロールバ
ルブ調整等を行って、押付けロールの駆動側と操作側と
の同調を得ようとするが、駆動側にはロール回転用スピ
ンドルが結合されていて、押付けロールの両側の重量バ
ランスが異なること、また押付けロールを取付けている
フレームの傾動軸である支点軸と、フレームと加圧体で
あるシリンダとの連結部を構成するピン類の磨耗、酸化
性液の飛散等の外因によるピン部のかじりにより駆動側
と操作側との同調を得ることは極めて困難となると云う
問題がある。
【0007】また、例え押付けロールの駆動側と操作側
との同調が得られたとしても、ピン部での磨耗、かじり
等があったり、固定側ロールがオフセットされ、ロール
芯が曲がった状態で取付けられていると、図9に示すよ
うに、加圧装置5を作動させて加圧体50の駆動によりフ
レーム51を傾動させて、このフレーム51にロールチョッ
ク3を介して取付けられた押付けロール2を固定側ロー
ル1に押付けても、図10に示すように、この押付けロ
ール2の固定側ロール1に対する押付けは片圧下状態と
なる。
【0008】図10に示すような片圧下状態が発生する
と、ストリップSの強く押付けられた側(図10におい
て右側)が耳伸びとなったり、ストリップSに蛇行が発
生したり、さらには両方のロールに偏磨耗が発生するこ
とになり、操作性の悪化、製品としてのストリップSの
品質の低下、そして設備全体の保全性が低下すると云う
問題かあった。
【0009】そこで、本発明は、上記した従来技術にお
ける問題点を解消すべく創案されたもので、押付けロー
ルの駆動側と操作側との同調不一致、および固定側ロー
ルのロール芯が曲がった状態でのオフセットがあって
も、加圧装置からの単一加圧力により、押付けロールの
駆動側と操作側の固定側ロールに対する押付け量、押付
け力を均一にすることを技術的課題とし、もって固定側
ロールに押付けられる押付けロールの駆動側と操作側と
の完全な同調を取ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した技術的課題を解
決するための本発明の手段は、固定側ロールと押付けロ
ールとの間でストリップを挟持しつつ連続搬送するスト
リップ搬送ロール装置に関するものであること、押付け
ロールを固定側ロールに対して接近離反移動させると共
に、所望される押付け力で押付ける加圧装置を有するこ
と、この加圧装置のフレーム上に、押付けロールを、固
定側ロールに対して接近離反方向に沿って移動自在に取
付ける一対のロールチョックを有すること、押付けロー
ルを介して一対のロールチョックに作用する押付け反力
を、内部に密封収納した液体で受け止める調圧体を各ロ
ールチョックに取付け、両調圧体内部を導通管で接続し
た調圧装置を有すること、にある。
【0011】ロールチョックの調圧体が当接するとは反
対の前端面側と調圧体内との何方か一方に、ロールチョ
ックを固定側ロールから離れる方向に、押付けロールか
ら固定側ロールに作用する押圧力よりも充分に小さい押
圧力を常時作用させる戻し体を設けるのが良い。
【0012】
【作用】押付けロールは、加圧装置のフレーム上に、そ
の両端の軸受けであるロールチョックにより前後方向に
移動自在に取付けられているので、両ロールチョックの
後側端面に調圧装置の調圧体がそれぞれ当接していると
は言え、フレームに対して、すなわち固定側ロールに対
して比較的変位自在となっている。
【0013】加圧装置の加圧体を作動させ、フレームを
前進方向に傾動させて押付けロールを固定側ロールに予
め設定された押圧力で押付けると、押付けロールは、両
ロールチョックが個々に調圧装置の調圧体で支えられた
状態で固定側ロールに押付けられる。
【0014】この時、固定側ロールから押付けロールに
作用する押付け反力が、押付けロールの駆動側と操作側
とで不均一であると、すなわち片圧下状態であると、押
付けロールの大きい押付け反力が作用している側のロー
ルチョックに対向している調圧体に作用する押圧力が、
反対側の調圧体に作用する押圧力よりも大きくなり、両
調圧体に作用する押圧力が不均一となる。
【0015】このように、両調圧体に作用する押圧力に
差が発生すると、両調圧体間が導通管で接続されている
ので、大きな押圧力の作用している調圧体内の液体の一
部が小さい押圧力の作用している調圧体内に移動し、こ
の移動により、大きい押圧力の作用している調圧体が縮
んで対向するロールチョックを後退させ、小さい押圧力
の作用している調圧体は伸びて対向するロールチョック
を前進させ、もって両調圧体に作用する押圧力を均一に
して、押付けロールの固定側ロールに対する片圧下状態
を解消し、固定側ロールと押付けロールとの間の押付け
量および押付け力を均一にする。
【0016】この両調圧体間の押圧力均一化の動作は、
両調圧体間が導通管で接続されていることにより、必然
に達成される動作であって、人為的な調整操作は全く不
要である。
【0017】
【実施例】以下、図1ないし図8を参照しながら、本発
明装置の実施例を説明する。図1は、本発明装置の基本
的な構成を示す側面図で、固定側ロール1の近傍に位置
する固定部分であるベース体8に加圧装置5を取付け、
この加圧装置5に押付けロール2および調圧装置6が取
付けられている。
【0018】加圧装置5は、ベース体8に固定されたブ
ラケット54の先端部に、固定側ロール1の回転軸芯と軸
芯を平行にした支点軸53を介してフレーム51の中央部分
を回動変位自在に軸結し、フレーム51の基端部(図1に
おいて下側端部)に、基端をベース体8に固定したシリ
ンダで構成された加圧体50の出力端を連結軸52により軸
結して構成されている。
【0019】加圧装置5のフレーム51の先端側面(図1
において上面)に取付けられた押付けロール2は、駆動
側および操作側の両ロールチョック3をスライドベアリ
ング4を介して取付けることにより、前後方向に移動可
能となっている。
【0020】押付けロール2に組付けられる調圧装置6
は、ロールチョック3の後側端面に前後方向に変位自在
な前端面を当接させ、後端面をフレーム51に固定した一
対の調圧体60と、この両調圧体60間を接続する導通管61
とから構成されている。
【0021】両調圧体60は、両調圧体60間での液体の移
動が自在にした状態で、液体を密封収納し、かつロール
チョックに当接する先端面側が進退変位可能な構成と
なっていて、この調圧体60は、図1ないし図3に示した
実施例ではベローで構成されており、図4に示した実施
例ではシリンダで構成されている。
【0022】今、図2に示すように、何らかの原因によ
り、固定側ロール1に対して押付けロール2が、ロール
回転用スピンドル7が連結された駆動側よりも操作側が
強く押付けられる片圧下状態となったとすると、この片
圧下状態により両調圧体60の内、操作側のものにより大
きな押付け反力が作用するので、両調圧体60に作用する
押付け反力が等しくなるまで、操作側の調圧体60から駆
動側の調圧体60に導通管61を通して液体が移動する。
【0023】この両調圧体60間の液体の移動により、図
3に示すように、操作側の調圧体60は縮んでその対向す
るロールチョック3を後退変位させ、反対に駆動側の調
圧体60は伸びてその対向するロールチョック3を前進変
位させ、もって押付けロール2の姿勢を固定側ロール1
と平行に修正して、固定側ロール1と押付けロール2と
の間に作用する押付け量、押付け力を均一にする。
【0024】なお、調圧体60として利用されるシリンダ
としては、図5に示す単動構造であっても、図6に示す
複動構造のものであっても良い。
【0025】固定側ロール1と押付けロール2との間に
生じる間隙の変動が少ない場合、または固定側ロール1
と押付けロール2との間に生じる間隙を小さい範囲内に
維持できる場合には、図1に示すように、ロールチョッ
ク3に対して調圧体60を直接当接させた構成でも有効で
あるが、固定側ロール1と押付けロール2との間に発生
する間隙が大きく変動する場合には、図1に示した構成
では、この間隙の変動に対する追随性が充分ではないの
で、この間隙の変動に対する追随性を高めるために、図
5および図6に示すように、調圧体60とロールチョック
3との間にクッション体62を介在させるのが良い。
【0026】このクッション体62を設けることにより、
固定側ロール1と押付けロール2との間に間隙の変動が
発生した場合には、この間隙の変動初期における押付け
量の変化がクッション体62で一旦吸収されて、この押付
け量の変化が大きな押付け力の変化とならず、安定した
押付け力を維持できると共に、押付けロール2の両側の
実質的な押付け量に差を生じさせることがない。
【0027】なお、このクッション体62の組付けは、調
圧体60とロールチョック3との間に介在させる構成に限
定されることはなく、図7に示すように、加圧装置5の
フレーム51と加圧体50との連結部に、加圧体50の出力端
を、このクッション体62を介してフレーム51に連結した
形態で取付けても良い。
【0028】図4に示すように、ロールチョック3の調
圧体60が当接するとは反対の前端面側に、ロールチョッ
ク3を固定側ロール1から離れる方向に、押付けロール
2から固定側ロール1に作用する押圧力よりも充分に小
さい押圧力を常時作用させるコイルバネである戻し体63
を取付けることにより、無負荷状態時における両調圧体
60の元位置への復帰を達成して、両ロールチョック3を
正規の位置に安定的に自動復帰させるので、無負荷時に
おける両ロールチョック3の位置決めを常に正確に達成
することができる。
【0029】なお、この戻し体63の取付け構造は、図4
に示したロールチョック3に直接弾接させた構成に限定
されることはなく、例えば図8に示すように、調圧装置
6の調圧体60内に、この調圧体60の進退変位する先端部
をロールチョック3から離反する方向に、その押圧力を
作用させるべく設けた構造としても良い。
【0030】
【発明の効果】本発明は、上記した構成となっているの
で、以下に示す効果を奏する。押付けロールをフレーム
に対して進退変位可能に取付けると共に、この押付けロ
ールの両側を別々に調圧体で支持し、両調圧体間を導通
管で接続したので、押付けロールの固定側ロールに対す
る均一押付けを常に得ることができ、もってストリップ
の片耳伸び等の形状不良、および軽圧下側のスリ疵等の
品質不良の発生とか、ストリップの蛇行発生とか、ロー
ルの偏磨耗発生等の不都合の発生を防止することができ
る。
【0031】両調圧体間での液体の移動による押圧力均
一化の動作は、常に必然的にかつ自動的に達成されるも
のであるので、押圧力の均一化が確実にかつ安定してそ
して正確に達成される。
【0032】調圧体は、ロールチョックの後端面側の狭
いスペース内に取付けが可能であるので、新設、既設を
問わず、周辺環境に制約を受けることなしに、簡単にか
つ良好に実施することができる。
【0033】調圧体は、両調圧体間を導通管で接続した
だけの構成であるので、その構造が極めて簡単であり、
かつ両調圧体内の液体の圧力を調整制御する必要が全く
ないので、その取扱いも容易である。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図。
【図2】図1に示した実施例の片圧下状態修正前の状態
を示す正面図。
【図3】図1に示した実施例の片圧下状態修正後の状態
を示す正面図。
【図4】本発明の他の実施例を示す側面図。
【図5】図4に示した実施例における調圧装置の一実施
例を示す部分正面図。
【図6】図4に示した実施例における調圧装置の他の実
施例を示す部分正面図。
【図7】クッション体の組付け構造の他の実施例を示す
部分側面図。
【図8】図4に示した実施例における調圧装置のさらに
他の実施例を示す部分正面図。
【図9】従来のストリップ搬送ロール装置を示す側面
図。
【図10】図9に示したストリップ搬送ロール装置の片
圧下状態における正面図。
【0035】
【符号の説明】
1 ; 固定側ロール 2 ; 押付けロー
ル 3 ; ロールチョック 4 ; スライドベ
アリング 5 ; 加圧装置 50; 加圧体 51; フレーム 52; 連結軸 53; 支点軸 54; ブラケット 6 ; 調圧装置 60; 調圧体 61; 導通管 62; クッション
体 63; 戻し体 7 ; ロール回転
用スピンドル 8 ; ベース体 S ; ストリップ
フロントページの続き (72)発明者 岡田 康秀 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社 水島製鉄所 内 (56)参考文献 実開 平3−113349(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65H 20/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側ロールと押付けロールとの間でス
    トリップを挟持しつつ連続搬送するストリップ搬送ロー
    ル装置であって、前記押付けロールを固定側ロールに対
    して接近離反移動させると共に押付ける加圧装置と、該
    加圧装置のフレーム上に、前記押付けロールを前記固定
    側ロールに対して接近離反方向に沿って移動自在に取付
    ける一対のロールチョックと、前記押付けロールを介し
    て前記一対のロールチョックに作用する押付け反力を、
    内部に密封収納した液体で受け止める調圧体を前記各ロ
    ールチョックに取付け、前記両調圧体内部を導通管で接
    続した調圧装置と、から成るストリップ搬送ロール装
    置。
  2. 【請求項2】 ロールチョックの調圧体が当接するとは
    反対の前端面側と調圧体内の何方か一方に、前記ロール
    チョックを固定側ロールから離れる方向に、押付けロー
    ルから固定側ロールに作用する押圧力よりも充分に小さ
    い押圧力を常時作用させる戻し体を設けた請求項1に記
    載のストリップ搬送ロール装置。
  3. 【請求項3】 加圧装置を、先端部に押付けロールとロ
    ールチョックとそして調圧装置との組合せ物を取付けた
    フレームと、該フレームの中央部を固定部分であるベー
    ス体に傾動自在に取付ける支点軸と、前記フレームの基
    端部に出力端を連結し、基端部を前記ベース体に結合し
    た加圧源としての加圧体と、から構成した請求項1また
    は2に記載のストリップ搬送ロール装置。
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